JP3309047B2 - 誘電体磁器組成物 - Google Patents
誘電体磁器組成物Info
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Description
イクロ波導波路、マイクロ波コンデンサ、マイクロ波I
C基板、ICパッケージ、誘電体アンテナ等の電気通信
分野またはマイクロ波透過窓等の核融合関係設備分野に
おいて好適に利用され、しかも大型形状品にも適用でき
る誘電体磁器組成物に関する。
に使用する周波数が拡大すると同時に、マイクロ波領域
やミリ波領域にまで及びつつある。一方、誘電体磁器
は、コンデンサなどの他に、誘電体共振器や集積回路基
板、誘電体アンテナ、各種高周波回路のインピーダンス
整合等に応用されており、これらについてもマイクロ波
やミリ波に対しても適応可能なものが望まれている。例
えば、フィルタやガンまたはFETマイクロ波発振器の
周波数安定化のために必要となり、その需要が増大して
いる。
波長が基準となっており、誘電体を用いたマイクロ波立
体回路内を電磁波が伝搬するときのその波長は、真空中
の波長をλ0 、比誘電率をεとするとλ0 /ε1/2 とな
る。
使用されているアルミナ(Al2 O3 )質焼結体は、機
械的強度が高く、低コストであるため上述したような電
気通信分野での利用が大いに期待されている。また、移
動体通信の普及によって通信端末及び基地局の需要も急
速に増大している。
ナ磁器は、共振周波数の温度係数(以下、τfと記す)
が約−55ppm/℃と大きいため使用用途が極めて制
限されるという問題があった。このτfを制御する方法
としては、τfが正の成分と負の成分を適宜組み合わせ
ることにより調整することが可能であるが、誘電損失が
大きくなるなど、高周波における低損失を維持しつつ、
τfを小さくすることは困難であった。
(Al2 O3 )などの単結晶は非常に低い誘電損失であ
るが、アルミナ質焼結体に比較して非常に高いことか
ら、安価に製造される低損失の磁器が望まれていた。
うに、大電力を使用するところでは、放熱のため大型か
つ低誘電損失で熱放散性に優れた磁器が望まれている
が、高純度アルミナ磁器は、熱伝導率が30W/m・K
前後と通常の誘電体材料より1ケタ大きく熱放散性に優
れるが、大型形状品では均一に焼結させることが難し
く、誘電損失が増大するなどの問題がった。
ルミナのτfの絶対値を低下させるためには、アルミナ
と逆の温度係数を持つ化合物を添加する必要があること
を前提に種々検討した結果、アルミナへの添加物とし
て、BaOとTa2 O5 とを特定の範囲で組み合わせて
添加した結果、誘電損失を高めることなく、τfの絶対
値を低減できること、さらに大型形状品であっても低誘
電損失の磁器を容易できることを見いだし、本発明に至
った。
2 O3 、BaOおよびTa2 O5 を主成分とし、各成分
のモル比による組成比が、図1のAl2 O3 −BaO−
Ta2 O5 3成分組成図における の点による線分A−B−C−D−E−F−G−K−Aで
囲まれた範囲内にあり、しかも、結晶相として、少なく
ともα−Al2 O3 と、BaTa2 O6 およびBaAl
12O19の少なくとも1種を含み、測定周波数8GHzに
おける誘電損失が1×10-3以下、共振周波数の25〜
85℃における温度係数の絶対値|τf|が30ppm
以下の優れた誘電特性を有するものである。
aOとTa2 O5 の複合添加により生成されるBaTa
2 O6 により温度係数τfを正側に移行させることがで
きる。その結果、測定周波数8GHzにおいて誘電損失
が1×10-3以下を維持しつつ、τfの絶対値を30p
pm/℃以下に制御することが可能となり、また、大型
形状品でも優れた誘電特性を維持し、熱伝導性が30W
/m・K前後の磁器を得ることができ、これにより高周
波領域の電気通信分野での広範囲の利用ができるように
なった。
l2 O3 、BaOおよびTa2 O5 を主成分とするもの
であって、これらの成分モル比が、図1のAl2 O3 −
BaO−Ta2 O5 3成分組成図における線分A−B−
C−D−E−F−G−K−Aで囲まれた範囲内にあるも
のである。なお、点A〜点Kは以下の通りである。
よりもTa2 O5 が少ないと、τfが負に大きくなり、
線分C−D−E−F−GよりAl2 O3 が少ないと、τ
fは正に大きくなるか、あるいは誘電損失が1×10-3
を越えてしまう。また、線分G−K−AよりBaOが少
ないとτfが負に大きくなってしまう。
て、結晶相として少なくともα−Al2 O3 と、BaT
a2 O6 およびBaAl12O19のうちの少なくとも1種
を含み、特にこれらが主結晶相を構成することが重要で
ある。アルミナ含有量が範囲内であっても、Ta2 O5
とBaOとの比率が上記組成範囲を逸脱すると、BaO
・6Al2 O3 またはAlTaO4 、BaAl12O19が
過剰に析出し、誘電損失が1×10-3を越えてしまう
か、共振周波数の温度係数の絶対値が30ppm/℃を
越えてしまう。
B−H−I−E−J−K−Aにより囲まれた範囲内で
は、誘電率9〜11、測定周波数8GHzにおける誘電
損失が6×10-4以下、共振周波数の25〜85℃にお
ける温度係数の絶対値|τf|が30ppm以下が達成
される。なお、点H、I、Jは以下の通りである。 このように、上記組成と上記結晶相の構成により、測定
周波数8GHzにおける誘電損失が1×10-3以下、共
振周波数の25〜85℃における温度係数の絶対値|τ
f|が30ppm以下の優れた高周波特性が発揮され
る。
2 O3 、BaOおよびTa2 O5 、あるいは焼成により
前記酸化物を形成しえる炭酸塩、硝酸塩などの塩を用い
て、前記図1の組成範囲になるように秤量混合した後、
これを所望の成形手段、例えば、ドクターブレード法な
どのシート成形法、金型プレス法、冷間静水圧プレス
法、押出し成形法、圧延法等により任意の形状に成形す
る。
性雰囲気中で1400〜1700℃の温度で焼成するこ
とにより相対密度98%以上に緻密化することができ
る。この時、本発明の組成物は、焼結体形状の厚みが2
0mm以上の大型品であっても、1400〜1700℃
の温度で1〜5時間焼成することにより、焼結体内部ま
で十分に緻密化することができるために、大型形状品に
よる誘電損失が増大することがなく、小型品と同様の特
性が発揮される。
記Al2 O3 、BaO、Ta2 O5の成分以外に、例え
ば、Mg、Si、Fe、Ca、Na、Gaなどの元素が
不可避不純物あるいは製造工程中において混入する場合
があるが、これらの成分は、酸化物換算で全量中0.2
重量%以下であれば、とりわけ本発明の効果に影響を及
ぼすことはない。
びTa2 O5 粉末を表1、表2の組成となるように秤量
し、この混合粉末を、純度99.9%のアルミナボー
ル、イソプロピルアルコール(IPA)と共に500m
lポリポットに投入し、24時間回転ミルにて混合し
た。混合後のスラリーを80℃大気中にて乾燥し80メ
ッシュを通し評価粉末を得た。
cm2 で直径20mm、厚み10mmに成形した。そし
て、成形体は大気中、1550〜1600℃で2時間保
持して焼成した。
5mmに加工研磨した。そして、測定周波数8GHzで
の測定によって、誘電率(εr)、誘電損失(tan
δ)、および25〜85℃における共振周波数の温度係
数(τf)を測定した。また、波長λ=1.5418Å
のCuKα線によるX線回折により試料の結晶相を同定
した。これらの測定結果は、表1、表2に示した。
る組成範囲を逸脱する試料No.22〜34は、いずれも
τfの絶対値が30ppm/℃を越えるか、あるいは誘
電損失が1×10-3を越えるものであった。
試料は、いずれも結晶相としてα−Al2 O3 と、Ba
Ta2 O6 が析出しており、誘電率9〜11、測定周波
数8GHzにおける誘電損失が1×10-3以下、共振周
波数の25〜85℃における温度係数の絶対値|τf|
が30ppm以下の優れた特性を示した。
−B−H−I−E−J−K−Aにより囲まれた範囲内で
は、誘電率9〜11.9、測定周波数8GHzにおける
誘電損失が6×10-4以下、共振周波数の25〜85℃
における温度係数の絶対値|τf|が30ppm以下の
優れた特性を示した。
プレスにて1000kg/cm2 で直径60mm、厚み
30mmに成形した。そして、成形体は大気中、155
0℃で2時間保持して焼成した。
25mmに加工研磨した。そして、測定周波数8GHz
での測定によって、誘電率(εr)、誘電損失(tan
δ)、Q×f値(Q:1/tanδ,f:測定周波数)
および25〜85℃における共振周波数の温度係数(τ
f)を測定した。また、波長λ=1.5418ÅのCu
Kα線によるX線回折により試料の結晶相を同定した。
これらの測定結果は、表3に示した。なお、参考として
直径15mm、厚み7.5mm形状の焼結体を1550
℃で2時間焼成して作製し、同様に特性を評価し合わせ
て記載した。なお、表3において、大型品は2.5GH
z、小型品は7.5GHzの共振周波数で測定した結果
である。
サイズによらず、ほとんど同等の誘電特性を発揮するこ
とができ、本発明の組成系が焼結性に優れたものである
ことが理解される。なお、表3の焼結体は、いずれも結
晶相としては、α−Al2 O3 と、BaTa2 O6 から
なるものであった。
器組成物は、Al2 O3 に対して、BaOおよびTa2
O5 を所定の関係を満足するように配合することによ
り、低い誘電損失を維持したまま、共振周波数の温度係
数の絶対値を低減することができ、これにより、マイク
ロ波やミリ波に適応した誘電体共振器、マイクロ波導波
路、マイクロ波コンデンサ、マイクロ波IC基板、IC
パッケージ、誘電体アンテナ等への応用が可能となっ
た。
O、Ta2 O5 の含有量を表す三成分系組成図である。
Claims (1)
- 【請求項1】Al2 O3 、BaOおよびTa2 O5 を主
成分とし、各成分のモル比による組成比が、図1のAl
2 O3 −BaO−Ta2 O5 3成分組成図における線分
A−B−C−D−E−F−G−K−Aで囲まれた範囲内
にある組成物であって、結晶相として少なくともα−A
l2 O3 と、BaTa2 O6 およびBaAl12O19の少
なくとも1種を含み、測定周波数8GHzにおける誘電
損失が1×10-3以下、共振周波数の25〜85℃にお
ける温度係数の絶対値|τf|が30ppm以下である
ことを特徴とする誘電体磁器組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13843596A JP3309047B2 (ja) | 1995-08-11 | 1996-05-31 | 誘電体磁器組成物 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20575095 | 1995-08-11 | ||
JP7-205750 | 1995-08-11 | ||
JP13843596A JP3309047B2 (ja) | 1995-08-11 | 1996-05-31 | 誘電体磁器組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09110518A JPH09110518A (ja) | 1997-04-28 |
JP3309047B2 true JP3309047B2 (ja) | 2002-07-29 |
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ID=26471460
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP13843596A Expired - Fee Related JP3309047B2 (ja) | 1995-08-11 | 1996-05-31 | 誘電体磁器組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3309047B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE10212018A1 (de) * | 2002-03-19 | 2003-10-02 | Bosch Gmbh Robert | Isolationsmaterial und Gassensor |
-
1996
- 1996-05-31 JP JP13843596A patent/JP3309047B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH09110518A (ja) | 1997-04-28 |
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