JPH11102082A - 電子写真感光体 - Google Patents

電子写真感光体

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JPH11102082A
JPH11102082A JP26190597A JP26190597A JPH11102082A JP H11102082 A JPH11102082 A JP H11102082A JP 26190597 A JP26190597 A JP 26190597A JP 26190597 A JP26190597 A JP 26190597A JP H11102082 A JPH11102082 A JP H11102082A
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JP
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electrophotographic photoreceptor
transporting
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JP26190597A
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English (en)
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Shinichi Hamaguchi
進一 濱口
Akira Kinoshita
昭 木下
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Konica Minolta Inc
Original Assignee
Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 良好な帯電性を保ち、残留電位が小さく抑え
ることができる電子写真感光体を提供する。 【解決手段】 導電性支持体上に中間層、感光層を順次
積層して形成される電子写真感光体であって、前記感光
層中に電子輸送性物質をバインダ中に含んでなる電子輸
送性の電荷輸送層を有し、かつ、前記中間層が金属アル
コキシド化合物、有機金属キレート化合物、シランカッ
プリング剤の中から選ばれる少なくとも1つを用いて作
製されることを特徴とする電子写真感光体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、静電潜像を形成さ
せるための電子写真感光体に関する。詳しくは電子輸送
性の化合物を含有する電荷輸送層を有する電子写真感光
体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、電子写真技術に基づく複写機、プ
リンタ、ファックス等においては、近年、有機感光体が
広く用いられるようになっている。これは高感度であっ
て、温湿度への依存性が小さく、半導体レーザ光に高速
応答するなどの優れた特徴によるものである。
【0003】電子写真感光体の構成において、電荷発生
機能と電荷輸送機能とを異なる物質に分担させた機能分
離型構成にすることにより材料選択の幅が著しく広が
る。特に有機化合物では多岐にわたる化学構造群の設計
が可能であることから、電荷発生物質と電荷輸送物質の
双方において優れた素材の開発が行われてきた。
【0004】電荷発生物質としては種々の有機染料や有
機顔料が提案されている。例えば、ジブロムアンスアン
スロンに代表される多環キノン化合物、ピリリウム化合
物及びピリリウム化合物とポリカーボネートとの共晶錯
体、スクアリリウム化合物、フタロシアニン化合物、ア
ゾ化合物などが知られている。
【0005】電荷輸送物質としては、オキサゾール、オ
キサジアゾール、チアゾール、チアジアゾール、イミダ
ゾール等に代表される含窒素複素環核及びその縮合環核
を有する化合物、ポリアリールアルカン系の化合物、ピ
ラゾリン系化合物、ヒドラゾン系化合物、トリアリール
アミン系化合物、スチリル系化合物、スチリルトリフェ
ニルアミン系化合物、β−フェニルスチリルトリフェニ
ルアミン系化合物、ブタジエン系化合物、ヘキサトリエ
ン系化合物、カルバゾール系化合物等が知られている。
しかし、これらの電荷物質は何れも正孔輸送性であっ
た。
【0006】従来、電荷発生物質と電荷輸送物質を組み
合わせて感光体を作製する場合、電極上に電荷発生物質
を含む電荷発生層を設け、その上に電荷輸送物質を含む
電荷輸送層を設けて積層構造にした場合に最も耐久性に
優れた感光体が得られる。現在の有機感光体の大部分は
このような構成のものが用いられている。しかし、上記
の電荷輸送物質は正孔輸送性であるため、感光体表面を
負に帯電して動作が行われることになる。
【0007】帯電には高速動作が可能で安定した帯電特
性が得られるコロナ放電方式が一般に用いられる。コロ
ナ放電時にはオゾンの発生を伴うが、特に負帯電(マイ
ナス帯電)のとき著しい。近年、電子写真プロセスの高
速化に伴って単位時間あたりのオゾン発生量の増加が懸
念されるようになり、この問題に対処するためオゾン発
生量の少ない正のコロナ帯電プロセスに対応した高耐久
の感光体が望まれるようになってきた。
【0008】この観点から電子輸送性の電荷輸送層を上
層にした積層構造の有機感光体の開発が行われている。
多くの場合、導電層との接着性を改善するために中間層
が設けられるが、通常、上層の塗布液によって溶解され
ないためにポリアミド系樹脂が使用される。しかし、性
能的にはポリアミド系樹脂では帯電性が低下するという
問題点があった。また、他の樹脂を中間層に使用した場
合、上層の塗布時に溶解し、感度特性が低下するなどの
問題点が解決できなかった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、良好
な帯電性を保ち、残留電位を低く抑えることができる電
子写真感光体を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、種々検討
した結果、少なくとも中間層に用いる化合物として、金
属アルコキシド、有機金属キレート、およびシランカッ
プリング剤から選択されたものを使用することによっ
て、上記目的が達成されることを見出した。
【0011】即ち、本発明の目的は下記構成のいずれか
を採る事によって、達成される。
【0012】(1) 導電性支持体上に中間層、感光層
を順次積層して形成される電子写真感光体であって、前
記感光層中に有機電子輸送性物質をバインダ中に含んで
なる電子輸送性の電荷輸送層を有し、かつ、前記中間層
が金属アルコキシド化合物、有機金属キレート化合物、
シランカップリング剤の中から選ばれる少なくとも1つ
を用いて作製されることを特徴とする電子写真感光体。
【0013】(2) 前記中間層がジルコニウム、チタ
ニウム、アルミニウムから選択される金属アルコキシド
化合物又は有機金属キレート化合物から形成された重合
物を含有することを特徴とする(1)記載の電子写真感
光体。
【0014】(3) 前記有機電子輸送性物質が一般式
(A)〜(D)に記載される構造から選ばれる少なくと
も1つを含有することを特徴とする(1)又は(2)記
載の電子写真感光体。
【0015】
【化2】
【0016】(式中、Xは>SO2、>C=Q2を表し、
1,Q2は=O、=S、=N−R7、=C(R8
(R9)、=C(Z1)(Z2)を表す。R1〜R9は水素
原子、ハロゲン、シアノ、置換ビニル基、各々置換ある
いは無置換のアルキル基、アリール基または複素環を表
す。R1とR2あるいはR3とR4は、芳香族環もしくは脂
肪族環を形成して各々互いに結合しても良く、R5とR6
は、一緒になって=N−R7もしくは=C(R8
(R9)の構造を有しても良い。又、Z1、Z2は電子吸
引基を表す。) (4) 前記電子輸送性の電荷輸送層中に銀/塩化銀電
極に対する酸化電位Eoxが0.5〜1.4(V)の範
囲にある脂肪族アミン化合物を含有させたことを特徴と
する(1)記載の電子写真感光体。
【0017】(5) 前記感光層が電荷発生層と電荷輸
送層を積層して形成されることを特徴とする(1)、
(2)、(3)又は(4)のいずれか1項記載の電子写
真感光体。
【0018】本発明に用いられる中間層は、いわゆるセ
ラミック型又は硬化型中間層であり、有機金属化合物又
はシランカップリング剤、もしくはそれらから形成され
たものを主成分とし、溶媒で希釈し塗布液とする。この
液を塗布、乾燥硬化して形成される。
【0019】硬化型中間層は、前述のごとく、有機金属
化合物又はシランカップリング剤、もしくはそれらから
形成されたものを主成分として含有し、100%それら
の反応生成物であることが好ましいが、前記反応生成物
の原料その他の成分を含む場合も本発明において好まし
く採用されるものである。
【0020】有機金属化合物としては、金属アルコキシ
ド及び金属キレート化合物が挙げられる。金属の種類と
しては、チタニウム、ジルコニウム又はアルミニウムな
どが一般的なものとして挙げられる。
【0021】前記金属アルコキシドとしては、テトラプ
ロポキシチタン、テトラブトキシチタン、テトラプロポ
キシアルミニウム、テトラブトキシジルコニウムなどが
挙げられる。
【0022】前記金属キレート化合物としては、数多く
の種類があり、キレート基の種類としては、 (1)アセチルアセトン、2,4−ヘプタンジオンなど
のβ−ジケトン (2)アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、アセト酢
酸プロピル、アセト酢酸ブチルなどのケトエステル (3)乳酸、サリチル酸、リンゴ酸などのヒドロキシカ
ルボン酸 (4)乳酸メチル、乳酸エチル、サリチル酸エチル、リ
ンゴ酸エチルなどのヒドロキシカルボン酸エステル (5)オクタンジオール、ヘキサンジオールなどのグリ
コール (6)4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノンな
どのケトアルコール (7)トリエタノールアミンなどのアミノアルコール などが挙げられる。それら化合物としては、 ジイソプロポキシチタニウムビス(アセチルアセテー
ト) ジイソプロポキシアルミニウムビス(アセチルアセテー
ト) ブトキシジルコニウムトリ(アセチルアセテート) ジイソプロポキシチタニウムビス(エチルアセトアセテ
ート) ジイソプロポキシアルミニウムビス(エチルアセトアセ
テート) ジイソプロポキシチタニウムビス(ラクテート) ジブトキシチタニウムビス(オクチレングリコレート) ジイソプロポキシチタニウムビス(トリエタノールアミ
ナート) などが例として挙げられる。
【0023】中でも、β−ジケトン、ケトエステルのキ
レート基を持つ化合物は、電位特性、画像特性とも良好
な特性を示し、特にキレート基とアルコキシ基を両方持
つ化合物が好ましい。
【0024】有機金属化合物は、以下の構造の化合物が
好ましい。
【0025】(RO)mMXn Rはアルキル基を表し、Mはチタニウム、ジルコニウム
又はアルミニウムを表し、Xはキレート形成基でアセト
酢酸エステル又はβジケトン残基を表し、m、nは1以
上の整数を表す。但し、Mがチタニウム又はジルコニウ
ムの場合m+nは4であり、Mがアルミニウムの場合m
+nは3である。
【0026】一方、シランカップリング剤は、以下の構
造の化合物が好ましい。
【0027】(Z)a (A)b Si (Y)c Z:加水分解性基(例えばアルコキシ基、ハロゲン原子
又はアミノ基) A:アルキル基又はアリール基 Y:有機官能基 a,b,c:a,cは1以上、bは0以上の整数を表
し、a+b+c=4である。その特性を大きく左右する
有機官能基Yの末端基の種類としては、 γ−メタクリロキシ基 γ−アミノ基 N−フェニル−γ−アミノ基 N−β(アミノエチル)γ−アミノ基 γ−グリシドキシ基 β−(3,4エポキシシクロヘキシル)基 γ−クロロ基 γ−メルカプト基 等が挙げられ、化合物としては、 γ−アミノプロピルトリメトキシシラン N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキ
シシラン N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン γ−グリシドキシプロピルメトキシシラン β−(3,4エポキシシクロヘキシル)トリメトキシシ
ラン γ−クロロプロピルトリメトキシシラン γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン 等が挙げられる。中でも、γ−メタクリロキシ基、γ−
アミノ基、N−フェニル−γ−アミノ基を末端に有する
有機官能基を持つ化合物は、電位特性、画像特性とも良
好な特性を示す。
【0028】シランカップリング剤として好ましいの
は、有機官能基Yが、−BOOC(R′)C=CH2
BNHR″又は−BNH2であり、R′はアルキル基、
R″はアルキル基又はアリール基を表し、Bはアルキレ
ン基又は−O−、−NH−、−CO−を含むアルキレン
基を表す。
【0029】以上に示した有機金属化合物、シランカッ
プリング剤は一例であり、これらに限定されるものでは
ない。又、好ましいとして示した化合物も、本発明の目
的を特に高いレベルで達することができるものというこ
とで挙げたものであり、これ以外の化合物でも本発明の
目的を達するものは存在する。
【0030】中間層の膜厚は、0.05〜10μmが好
ましく、特には0.05〜5μmが好ましい。
【0031】本発明における電子輸送性とは、正孔(ホ
ール)輸送能力を有していてもよいが、正孔輸送能力よ
り電子輸送能力の方が優れるものをいう。
【0032】正孔及び電子の輸送能力は、電荷発生物質
と組み合わせて電子写真感光体を作製し、正孔輸送支配
の動作モードでの光感度と、電子輸送支配の動作モード
での光感度を比較することにより決定することが出来
る。
【0033】例えば、導電性支持体の上に電荷発生層と
電荷輸送層をこの順に積層して感光体を作製した場合、
正帯電モードでの光感度(例えば半減露光量)は電子輸
送能力を表し、負帯電モードでの光感度は正孔輸送能力
を表すので、正帯電モードでの光感度の方が高い場合を
電子輸送性というものとする。
【0034】本発明において電子輸送性電荷輸送層に用
いられる有機電子輸送物質としては任意のものを用いる
ことができるが、一般式(A)〜(D)で表されるもの
が有用であり、それらの具体的な例を次に示す。
【0035】
【化3】
【0036】(式中、Xは>SO2、>C=Q2を表し、
1、Q2は=O、=S、=N−R7、=C(R8
(R9)、=C(Z1)(Z2)を表す。
【0037】ここにおいて、R1〜R9は水素原子、ハロ
ゲン、シアノ、置換ビニル基、各々置換あるいは無置換
のアルキル基、置換、未置換のアリール基、置換、未置
換の複素環を表す。R1とR2あるいはR3とR4は、芳香
族環もしくは脂肪族環を形成して各々互いに結合しても
良く、R5とR6は、一緒になって=N−R7もしくは=
C(R8)(R9)の構造を有してもよい。又、Z1、Z2
は電子吸引基を表す。)
【0038】
【化4】
【0039】
【化5】
【0040】
【化6】
【0041】
【化7】
【0042】
【化8】
【0043】
【化9】
【0044】
【化10】
【0045】
【化11】
【0046】
【化12】
【0047】
【化13】
【0048】
【化14】
【0049】
【化15】
【0050】
【化16】
【0051】
【化17】
【0052】本発明における感光体の構成は電荷発生層
を下にし電荷輸送層を上にした積層型の感光体とするの
が望ましいが、本発明の効果はそのような構成に限定さ
れることなく種々の形態において発揮される。
【0053】本発明に好ましく用いるアミン化合物の酸
化電位は、支持電解質(例えばテトラエチルアンモニウ
ムパークロレート)を溶かした適当な溶媒(例えばアセ
トニトリル)中にこれらの物質を溶かし、銀/塩化銀電
極を基準電極としてサイクリックボルタモグラムを測定
することによって決定される。ここでは可逆、不可逆に
かかわらず、酸化反応が生じる電位を酸化電位と呼ぶ。
【0054】本発明においては芳香族アミン化合物では
十分な効果が得られないため、脂肪族アミン化合物が用
いられる。なかでもα位が分岐構造の炭素原子からなる
ヒンダードアミン化合物は感光層の膜物性が良好なため
特に有効である。
【0055】従来の正孔輸送物質を用いた電子写真感光
体において既にヒンダードアミン化合物を酸化防止剤と
して用い正孔輸送物質の劣化を防止して耐久性を向上さ
せる技術が知られている。しかしながらヒンダードアミ
ン化合物及び他の脂肪族アミン化合物のうち特定の酸化
電位を有するものが、有機電子輸送物質を用いた電子輸
送性電荷輸送層に対してのみ電荷注入性の向上効果を持
つことについては全く知られていなかった。
【0056】本発明においては脂肪族アミン化合物の酸
化電位が重要であり、酸化電位が0.5〜1.4(V)
の範囲にあるものが特によい。
【0057】尚、本発明の特許請求の範囲請求項3のア
ミン化合物の化学構造と酸化電位Eoxの値を一覧表
(Z)として化18、19に示した。
【0058】
【化18】
【0059】
【化19】
【0060】本発明に適用出来る電子写真用感光体の層
構成としては、図1(イ)は導電性支持体1上に中間層
2を介して電荷発生物質(CGM)と電荷輸送物質(C
TM)を共に含有する単層構成の感光層6を有する感光
体であり、図1(ロ)は導電性支持体1上に中間層2を
介して電荷輸送物質(CTM)を主成分として含有する
電荷輸送層(CTL)3と電荷発生物質(CGM)を主
成分として含有する電荷発生層(CGL)4とをこの順
に積層して成る感光層6を有する感光体であり、図1
(ハ)は導電性支持体1上に中間層2を介して電荷発生
層(CGL)4と電荷輸送層(CTL)3とをこの順に
積層して成る感光層6を有する感光体である。
【0061】これらの層構成の中、本発明において特に
好ましいのは図1(ハ)に示す構成である。
【0062】又、図1(ニ)、(ホ)、(ヘ)はそれぞ
れ図1(イ)、(ロ)、(ハ)の感光層の上に保護層5
を積層した構成を示す。
【0063】保護層は設けられた場合、保護層中に電荷
輸送物質(CTM)を含有させる事がより好ましい。こ
れら保護層中に電荷輸送物質(CTM)を含有させる事
により電子写真感光体のくり返し使用による残留電位の
上昇や、感度の低下を防ぐ事ができる。
【0064】電荷発生層は、電荷発生物質(CGM)を
必要に応じてバインダ樹脂中に分散させて形成される。
CGMとしては、金属又は無金属フタロシアニン化合
物、ビスアゾ化合物、トリスアゾ化合物等のアゾ化合
物、スクエアリウム化合物、アズレニウム化合物、ペリ
レン系化合物、インジコ化合物、キナクリドン化合物、
多環キノン系化合物、シアニン色素、キサンテン染料、
ポリ−N−ビニルカルバゾールとトリニトロフルオレノ
ンなどからなる電荷移動錯体等が挙げられるがこれらに
限定されるわけではない。またこれらは必要に応じて二
種以上混合して用いてもよい。ただし本発明の目的を最
も高いレベルで達成するためには、ペリレン化合物の一
種、イミダゾールペリレン化合物や金属フタロシアニン
化合物の一種、チタニルフタロシアニン(TiOPc)
が好ましい。
【0065】前記単層構成の感光層6、及び積層構成の
場合の電荷発生層(CGL)、電荷輸送層(CTL)に
含有されるバインダ樹脂としては、ポリエステル樹脂、
ポリスチレン樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポ
リ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリカー
ボネート樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニル
アセテート樹脂、スチレン−ブタジエン樹脂、塩化ビニ
リデン−アクリロニトリル共重合体樹脂、塩化ビニル−
無水マレイン酸共重合体樹脂、ウレタン樹脂、シリコン
樹脂、エポキシ樹脂、シリコン−アルキッド樹脂、フェ
ノール樹脂、ポリシラン樹脂、ポリビニルカルバゾール
等が挙げられる。
【0066】次に、前記各層を形成する際に用いられる
溶媒又は分散媒としては、前記ポリカーボネート樹脂の
溶媒又は分散媒として挙げられたものが好ましく用いら
れる。ケトン系溶媒を用いた場合に感度、繰り返し使用
時に電位変化等が更に良好となる。また、これらの溶媒
は単独或いは2種以上の混合溶媒として用いることもで
きる。
【0067】本発明に於いて電荷発生層中の電荷発生物
質とバインダ樹脂との割合は重量比で1:5〜5:1が
好ましい。また電荷発生層の膜厚は5μm以下が好まし
く、特には0.05〜2μmが好ましい。更に、電荷発
生層の残留溶媒量は2重量%以下が好ましい。
【0068】又、電荷輸送層は前記の電荷輸送物質とバ
インダ樹脂を適当な溶剤に溶解し、その溶液を塗布乾燥
することによって形成される。電荷輸送物質とバインダ
樹脂との混合割合は重量比で3:1〜1:3が好まし
い。
【0069】電荷輸送層の膜厚は5〜50μm、特には
10〜40μmが好ましい。また、電荷輸送層が複数設
けられている場合は、電荷輸送層の最上層の膜厚は10
μm以下が好ましく、かつ、電荷輸送層の最上層の下に
設けられた電荷輸送層の全膜厚より小さいことが好まし
い。
【0070】本発明の感光層は、上述したように、所定
の層を塗布乾燥して作製されるが、乾燥後の残留溶媒量
は感光層の2%以下であり、好ましくは1.5%以下で
ある。このような、残留溶媒量にするには、乾燥温度が
90〜120℃好ましくは95〜120℃である。この
ような残留溶媒量にすると、繰り返し特性が向上する。
【0071】次に本発明の電子写真感光体の導電性支持
体としては、 1)アルミニウム板、ステンレス板などの金属板、 2)紙或いはプラスチックフィルムなどの基体上に、ア
ルミニウム、パラジウム、金などの金属薄層をラミネー
ト若しくは蒸着によって設けたもの、 3)紙或いはプラスチックフィルムなどの基体上に、導
電性ポリマー、酸化インジウム、酸化錫などの導電性化
合物の層を塗布若しくは蒸着によって設けたもの等が挙
げられる。
【0072】次に本発明の電子写真感光体を製造するた
めの塗布加工方法としては、代表的には浸漬塗布、スプ
レー塗布、円形量規制型塗布等の塗布加工法が用いられ
る。
【0073】本発明の感光体は、複写機、レーザープリ
ンタ、LEDプリンタ、液晶シャッター式プリンタ等の
デジタル電子写真装置一般に適用し得るものであるが、
更には電子写真技術を応用したディスプレイ、記録、軽
印刷、製版、ファクシミリ等の装置にも広く適用し得る
ものである。
【0074】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明す
るが、本発明の態様はこれに限定されない。
【0075】 実施例1 (中間層) (1)チタンアセト酢酸キレート:E1 20重量部 TC−100(松本製薬(株)製) (2)シランカップリング剤:F1 13重量部 KBM−503(信越化学(株)製) を混合し 2−プロパノール 100重量部 で希釈して中間層塗布溶液を得た。
【0076】アルミニウムを蒸着したPETフィルム上
に、上記中間層塗布溶液を塗布、120℃で30分の熱
処理を行い厚さ0.8μmの中間層を形成した。
【0077】上記中間層の上に下記の電荷発生層を設け
た。
【0078】 (電荷発生層) Y型チタニルフタロシアニン:G1 4重量部 シリコーンブチラール樹脂 45重量部 KR−5240 (信越化学(株)製) 2−ブタノン 100重量部 を混合し、サンドミルにて10時間分散して電荷発生層
塗布溶液を得た。この液をワイヤーバーを用いて塗布
し、膜厚0.25μmの電荷発生層を得た。
【0079】上記の電荷発生層上に下記の電子輸送性の
電荷輸送層を設けた。
【0080】 (電荷輸送層) 電子輸送物質:H1 10重量部 ポリカーボネート樹脂 17重量部 ユーピロンZ−200 (三菱瓦斯化学(株)製) 1,2−ジクロルエタン 100重量部 を混合、溶解して作製した電荷輸送層塗布液を得た。こ
の塗布液を前記電荷発生層の上にドクターブレードを用
いて塗布し、100℃、1時間の熱処理を行って膜厚が
25μmの電荷輸送層を形成し感光体を得た。
【0081】実施例2〜10 実施例1の(1)及び(2)を下記の如く変更した以外
は実施例1と同様にして、実施例2〜10の感光体をそ
れぞれ作製した。
【0082】
【表1】
【0083】比較例1 実施例1の中間層塗布溶液を下記のように変更して、比
較例1〜3の中間層液を作製し、塗布した以外は同様に
して、比較例1〜3の感光体を作製した。
【0084】 (比較例1中間層) CM−8000(共重合ナイロン:東レ(株)製) 2重量部 メタノール 80重量部 ブタノール 20重量部 (比較例2中間層) ダイアミドX−1874M 1重量部 (メトキシメチル化ナイロン:ダイセルヒュルス製) メタノール 80重量部 ブタノール 20重量部 (比較例3中間層) エスレックMF−10 2重量部 (塩化ビニル/酢酸ビニル/アクリル酸共重合体:積水化学(株)製) アセトン 90重量部 シクロヘキサノン 10重量部
【0085】
【化20】
【0086】
【化21】
【0087】評価1 作製した感光体は、静電複写試験装置「EPA−810
0」(川口電機社製)を用いて評価した。
【0088】まず+6(kv)のコロナ放電を行い5秒
間暗放置して表面電位Vi(V)を求めた。ついで照度
10(lux)の白色光で10秒間露光し、さらに20
0(lux)の光を2秒間照射した後の表面電位を残留
電位Vr(V)として求めた。結果を表2に示す。
【0089】
【表2】
【0090】表2から明らかなように、実施例では良好
なブロッキング能により高い帯電性を示し、かつ低い残
留電位を示した。
【0091】 実施例11 (中間層) チタンアセト酢酸キレート:E1 20重量部 TC−100(松本製薬(株)製) シランカップリング剤:F1 13重量部 KBM−503(信越化学(株)製) を混合し 2−プロパノール 100重量部 で希釈して中間層塗布溶液を得た。アルミニウムを蒸着
したPETフィルム上に、上記中間層塗布溶液を塗布、
120℃で30分の熱処理を行い、厚さ0.8μmの中
間層を形成した。
【0092】上記中間層の上に下記の電荷発生層を設け
た。
【0093】 (電荷発生層) Y型チタニルフタロシアニン:G1 4重量部 シリコーンブチラール樹脂 45重量部 KR−5240(信越化学(株)製) 2−ブタノン 100重量部 を混合し、サンドミルにて10時間分散して電荷発生層
塗布溶液を得た。この液をワイヤーバーを用いて塗布
し、膜厚0.25μmの電荷発生層を得た。
【0094】上記の電荷発生層上に下記の電子輸送性の
電荷輸送層を設けた。
【0095】 (電荷輸送層) 電子輸送物質:D2 15重量部 脂肪族アミン:E1 0.2重量部 ポリカーボネート樹脂 17重量部 ユーピロンZ−200(三菱瓦斯化学(株)製) 1,2−ジクロルエタン 100重量部 を混合、溶解して作製した電荷輸送層塗布液を得た。
【0096】この塗布液を前記電荷発生層の上にドクタ
ーブレードを用いて塗布し、100℃、1時間の熱処理
を行って膜厚が25μmの電荷輸送層を形成し感光体を
得た。
【0097】実施例12〜16 実施例11の中間層塗布溶液の有機金属化合物(E
1)、シランカップリング剤(F1)、電子輸送層塗布
溶液の、電子輸送物質(H1)、脂肪族アミン(I1)
の組み合わせを表3のように変えた以外は、実施例11
と同様にして感光体を作製した。
【0098】
【表3】
【0099】比較例4、5 実施例11の中間層塗布溶液を下記のように変更して、
比較例1〜3の中間層液を作製し、塗布した以外は同様
にして、比較例4、5の感光体を作製した。
【0100】 (比較例4中間層) CM−8000(共重合ナイロン:東レ(株)製) 2重量部 メタノール 80重量部 ブタノール 20重量部 (比較例5中間層) ダイアミドX−1874M 1重量部 (メトキシメチル化ナイロン:ダイセルヒュルス製) メタノール 80重量部 ブタノール 20重量部 評価2 作製した感光体の残留電位特性を、静電複写試験装置
「EPA−8100」(川口電機社製)を用いて評価し
た。まず+6(kv)のコロナ放電を行い5秒間暗放置
して表面電位Vi(V)を求めた。ついで照度10(l
ux)の白色光で10秒間露光し、さらに200(lu
x)の光を2秒間照射した後の表面電位を残留電位Vr
(V)、とする。これを1サイクルとして300サイク
ル繰り返した後の残留電位をVr300(V)、1サイ
クル目の残留電位Vr1(V)とし,この両電位の差 ΔVr=Vr300−Vr1 を求めた。結果を表4に示す。
【0101】
【表4】
【0102】表4に示すように、実施例では繰返しによ
る残留電位の変動は少なく、安定した結果を得られた。
【0103】
【発明の効果】本発明により、良好な帯電性を保ち、残
留電位が小さく抑えることができる電子写真感光体を提
供することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる感光体の層構成を示す断面図で
ある。
【符号の説明】
1 導電性支持体 2 中間層 3 電荷輸送層(CTL) 4 電荷発生層(CGL) 5 保護層 6 感光層

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性支持体上に中間層、感光層を順次
    積層して形成される電子写真感光体であって、前記感光
    層中に有機電子輸送性物質をバインダ中に含んでなる電
    子輸送性の電荷輸送層を有し、かつ、前記中間層が金属
    アルコキシド化合物、有機金属キレート化合物、シラン
    カップリング剤の中から選ばれる少なくとも1つを用い
    て作製されることを特徴とする電子写真感光体。
  2. 【請求項2】 前記中間層がジルコニウム、チタニウ
    ム、アルミニウムから選択される金属アルコキシド化合
    物又は有機金属キレート化合物から形成された重合物を
    含有することを特徴とする請求項1記載の電子写真感光
    体。
  3. 【請求項3】 前記有機電子輸送性物質が一般式(A)
    〜(D)に記載される構造から選ばれる少なくとも1つ
    を含有することを特徴とする請求項1又は2記載の電子
    写真感光体。 【化1】 (式中、Xは>SO2、>C=Q2を表し、Q1,Q2は=
    O、=S、=N−R7、=C(R8)(R9)、=C
    (Z1)(Z2)を表す。R1〜R9は水素原子、ハロゲ
    ン、シアノ、置換ビニル基、各々置換あるいは無置換の
    アルキル基、アリール基または複素環を表す。R1とR2
    あるいはR3とR4は、芳香族環もしくは脂肪族環を形成
    して各々互いに結合しても良く、R5とR6は、一緒にな
    って=N−R7もしくは=C(R8)(R9)の構造を有
    しても良い。又、Z1、Z2は電子吸引基を表す。)
  4. 【請求項4】 前記電子輸送性の電荷輸送層中に銀/塩
    化銀電極に対する酸化電位Eoxが0.5〜1.4
    (V)の範囲にある脂肪族アミン化合物を含有させたこ
    とを特徴とする請求項1記載の電子写真感光体。
  5. 【請求項5】 前記感光層が電荷発生層と電荷輸送層を
    積層して形成されることを特徴とする請求項1、2、3
    又は4のいずれか1項記載の電子写真感光体。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7919771B2 (en) * 2006-01-27 2011-04-05 Samsung Mobile Display Co., Ltd. Composition for electron transport layer, electron transport layer manufactured thereof, and organic electroluminescent device including the electron transport layer
CN114516821A (zh) * 2018-10-09 2022-05-20 宁波卢米蓝新材料有限公司 一种含有多元环的化合物、应用及有机电致发光器件

Cited By (3)

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US7919771B2 (en) * 2006-01-27 2011-04-05 Samsung Mobile Display Co., Ltd. Composition for electron transport layer, electron transport layer manufactured thereof, and organic electroluminescent device including the electron transport layer
CN114516821A (zh) * 2018-10-09 2022-05-20 宁波卢米蓝新材料有限公司 一种含有多元环的化合物、应用及有机电致发光器件
CN114516821B (zh) * 2018-10-09 2024-02-13 宁波卢米蓝新材料有限公司 一种含有多元环的化合物、应用及有机电致发光器件

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