JPH11102045A - ハロゲン化銀写真感光材料および画像形成方法 - Google Patents

ハロゲン化銀写真感光材料および画像形成方法

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JPH11102045A
JPH11102045A JP26183797A JP26183797A JPH11102045A JP H11102045 A JPH11102045 A JP H11102045A JP 26183797 A JP26183797 A JP 26183797A JP 26183797 A JP26183797 A JP 26183797A JP H11102045 A JPH11102045 A JP H11102045A
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JP
Japan
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silver halide
group
silver
halide emulsion
emulsion
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JP26183797A
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English (en)
Inventor
Naoto Oshima
直人 大島
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】レーザー走査露光のような高照射度露光におい
ても高感度硬調で、更に感光材料を長期に保存すること
による露光時の湿度変化による感度変動の増加や圧力特
性の劣化が抑制されたハロゲン化銀写真感光材料を提供
する。 【解決手段】支持体上にハロゲン化銀乳剤を含有する感
光性乳剤層を一層有するハロゲン化銀写真感光材料にお
いて、ハロゲン化銀乳剤が酸化処理されたゼラチンを含
有する塩化銀含有率90モル%以上のハロゲン化銀乳剤
であり、感光性乳剤層中に一般式(I)、一般式(II)お
よび一般式(III) で表される化合物の1種を含有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はハロゲン化銀写真感
光材料に関するものであり、詳しくはデジタル走査露光
に適し、保存安定性に優れたハロゲン化銀写真感光材料
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】広く普及したカラーネガフィルムおよび
カラー印画紙を用いた写真システムにおいて、カラー印
画紙には光学式プリンターにて現像済みのカラーネガを
通して直接画像が焼き付けられている。近年、富士写真
フイルム株式会社製ディジタルラボシステム「フロンテ
ィア」に代表されるように、画像処理されたデジタル画
像をレーザー走査露光によってカラー印画紙に焼き付け
高画質を簡便に得るシステムが普及し始めている。この
ようなレーザー走査露光は、カラーネガから通常の光学
系を通して露光する従来の露光方式と比べて、高照度で
あるという特徴を有している。一方、ハロゲン化銀写真
感光材料に用いられているハロゲン化銀乳剤は、カラー
ネガ等の撮影材料の場合、高感度を達成する目的から臭
化銀を主体とした沃臭化銀乳剤であることが多い。ま
た、カラー印画紙のように、大量のプリントを短い納期
で仕上げる要請の強い市場で用いられる製品において
は、現像速度を早め迅速処理を行う必要性から、塩化銀
が主体の乳剤が用いられている。しかしながら、塩化銀
乳剤は一般に高照度不軌が大きい、つまり高照度露光で
感度が低くかつ軟調になりやすい欠点を有していること
が知られており、前述のようなレーザー走査露光のため
には高照度不軌を低減する必要がある。この欠点を克服
するための塩化銀含有率の高いハロゲン化銀乳剤の高照
度不軌を低減する様々な技術が知られている。
【0003】特公平6−87122号、同7−3806
8号、同7−119937号には、塩化銀含有率の高い
ハロゲン化銀乳剤に臭化銀含有率の高い局在相を付与す
ることによって高感度化が達成されることが開示されて
いる。特公平7−34103号、同8−14682号に
は臭化銀含有率の高い局在相とイリジウムや鉄イオンの
ドーピングを組み合わせ用いることで高照度不軌が低減
できることが開示されている。しかしながら、これらの
技術だけではレーザー走査露光に十分な高照度感度は得
られず、また高照度露光の場合感光材料の長期保存によ
る性能劣化の問題を有することが明らかとなった。特公
平6−1348号、特開平5−273680号には、塩
化銀含有率の高いハロゲン化銀乳剤と酸化処理されたゼ
ラチンを組み合わせる事で塗布液停滞性の問題が改善さ
れることが開示されているが、本発明者の研究により、
感光材料を長期に保存することによる露光時の湿度変化
による感度変動の増加や圧力特性の劣化が大きくなるこ
とがわかった。特開平2−6943号には、高塩化銀乳
剤からなるハロゲン化銀写真感光材料に還元性化合物を
含有させることによって、感材の保存安定性及び潜像安
定性を良化出来ることが開示されているものの、本発明
のように、酸化処理されたゼラチンを用いた場合の問題
点解決については何ら教示していない。特開平4−33
5339号、同5−45779号には、セレン増感され
た高塩化銀乳剤あるいは臭化銀局在相を有する高塩化銀
乳剤と特定の還元剤を組み合わせ用いることで高感度
で、露光時の湿度依存性、潜像保存性等の問題点が解決
できることが開示されている。しかしながら、本発明の
ように、酸化処理されたゼラチンを用いた場合の問題点
の解決については何ら教示していない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、レーザー走査露光のような高照度露光においても高
感度硬調で、更に感光材料を長期に保存することによる
露光時の湿度変化による感度変動の増加や圧力特性の劣
化が抑制されたハロゲン化銀写真感光材料を提供するこ
とにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、以下の
ハロゲン化銀写真感光材料によって達成された。 (1)支持体上にハロゲン化銀乳剤を含有する感光性乳
剤層を少なくとも一層有するハロゲン化銀写真感光材料
において、該ハロゲン化銀乳剤が酸化処理されたゼラチ
ンを含有する塩化銀含有率90モル%以上のハロゲン化
銀乳剤であり、該感光性乳剤層中に一般式(I)、一般
式(II)および一般式(III) で表される化合物の少なくと
も1種を含有することを特徴とするハロゲン化銀写真感
光材料。 一般式(I)
【0006】
【化4】
【0007】式中、X1 は、−NR1516または−NH
SO2 17を表わし、Y1 は水酸基又はX1 で表される
基を表わす。R11、R12、R13、R14はそれぞれ水素原
子またはベンゼン環に結合しうる任意の置換基を表わ
し、R11とR12、R13とR14は共同して炭素環を形成し
ていても良い。R15、R16はそれぞれ水素原子、アルキ
ル基、アリール基または複素環基を表わし、R15とR16
は共同して含窒素複素環を形成していても良い。R17
アルキル基、アリール基、アミノ基または複素環基を表
わす。 一般式(II)
【0008】
【化5】
【0009】式中、X2 、Y2 はそれぞれ水酸基、−N
2324または−NHSO2 25を表わす。R21、R22
はそれぞれ水素原子または任意の置換基を表わし、R21
とR 22は共同して炭素環または複素環を形成していても
良い。R23、R24はそれぞれ水素原子、アルキル基、ア
リール基または複素環基を表わし、R23とR24は共同し
て含窒素複素環を形成していても良い。R25はアルキル
基、アリール基、アミノ基または複素環基を表わす。 一般式(III)
【0010】
【化6】
【0011】式中、X3 は水酸基または−NR3233
表わし、Y3 は−CO−または−SO2 −を表わす。R
31は水素原子または任意の置換基を表わし、nは0また
は1である。R32、R33はそれぞれ水素原子、アルキル
基、アリール基または複素環基を表わし、R31とR32
32とR33は共同して含窒素複素環を形成していても良
い。
【0012】(2)ハロゲン化銀乳剤が、粒子表面近傍
に臭化銀含有率において少なくとも10モル%を越える
臭化銀局在相を有することを特徴とする(1)に記載の
ハロゲン化銀写真感光材料。 (3)ハロゲン化銀乳剤が、{100 }面を主平面とする
平板状ハロゲン化銀乳剤であることを特徴とする(1) あ
るいは(2) に記載のハロゲン化銀写真感光材料。 (4)(1)、(2)あるいは(3)に記載のハロゲン
化銀写真感光材料をデジタル走査露光することを特徴と
する画像形成方法。
【0013】
【発明の実施の形態】以下に本発明の具体的構成につい
て詳細に説明する。式(I)において、X1 は−NR15
16、−NHSO2 17を表わし、Y1 は水酸基または
1 と同義の基を表わす。R11、R12、R13、R14はそ
れぞれ水素原子または任意の置換基を表わす。任意の置
換基としては例えばアルキル基(炭素数1〜20のもの
が好ましく、例えばメチル、エチル、オクチル、ヘキサ
デシル、t−ブチル)、アリール基(炭素数6〜20の
ものが好ましく、例えばフェニル、p−トリル)、アミ
ノ基(炭素数0〜20のものが好ましく、例えば無置換
アミノ、ジエチルアミノ、ジフェニルアミノ、ヘキサデ
シルアミノ)、アミド基(炭素数1〜20のものが好ま
しく、例えばアセチルアミノ、ベンゾイルアミノ、オク
タデカノイルアミノ、ベンゼンスルホンアミド)、アル
コキシ基(炭素数1〜20のものが好ましく、例えばメ
トキシ、エトキシ、ヘキサデシロキシ)、アルキルチオ
基(炭素数1〜20のものが好ましく、例えばメチルチ
オ、ブチルチオ、オクタデシルチオ)、アシル基(炭素
数1〜20のものが好ましく、例えばアセチル、ヘキサ
デカノイル、ベンゾイル、ベンゼンスルホニル)、カル
バモイル基(炭素数1〜20のものが好ましく、例えば
無置換カルバモイル、N−ヘキシルカルバモイル、N,
N−ジフェニルカルバモイル)、アルコキシカルボニル
基(炭素数2〜20のものが好ましく、例えばメトキシ
カルボニル、オクチロキシカルボニルなど)、水酸基、
ハロゲン原子(F、Cl、Brなど)、シアノ基、ニト
ロ基、スルホ基、カルボキシル基などが挙げられる。こ
れらの置換基は更に別の置換基(例えばR11として挙げ
たもの)により置換されていても良い。また、R11とR
12、R13とR14は共同して炭素環(好ましくは5〜7員
環)を形成していても良い。R15、R16は水素原子、ア
ルキル基(炭素数1〜10のものが好ましく、例えばエ
チル、ヒドロキシエチル、オクチル)、アリール基(炭
素数6〜10のものが好ましく、例えばフェニル、ナフ
チル)または複素環基(炭素数2〜10のものが好まし
く、例えば2−フラニル、4−ピリジル)を表わし、こ
れらは更に置換基(例えばR11として挙げたもの)で置
換されていても良い。R15とR16は共同して複素環(好
ましくは5〜7員環)を形成していても良い。R17はア
ルキル基(炭素数1〜20のものが好ましく、例えばエ
チル、オクチル、ヘキサデシル)、アリール基(炭素数
6〜20のものが好ましく、例えばフェニル、p−トリ
ル、4−ドデシロキシフェニル)、アミノ基(炭素数0
〜20のものが好ましく、例えばN,N−ジエチルアミ
ノ、N,N−ジフェニルアミノ、モルホリノ)または複
素環基(炭素数2〜20のものが好ましく、例えば3−
ピリジル)を表わし、これらは更に置換されていても良
い。
【0014】式(I)中、X1 は好ましくは−NHSO
2 17を表わし、R11、R12、R13、R14は好ましくは
水素原子、アルキル基、アミド基、ハロゲン原子、スル
ホ基またはカルボキシル基を表わす。式(II)を更に詳細
に説明する。式中、X2 、Y2 はそれぞれ水酸基、−N
2324または−NHSO2 25を表わす。R21、R22
は水素原子または任意の置換基を表わす。任意の置換基
とは例えばR11の説明で挙げた置換基などである。ま
た、R21とR22は共同して炭素環や複素環(いずれも好
ましくは5〜7員環)を形成していても良い。R23、R
24はそれぞれ水素原子、アルキル基、アリール基または
複素環基を表わし、それらの詳細はR15と同様である。
23とR24は共同して含窒素複素環(好ましくは5〜7
員環)を形成していても良い。R25はアルキル基、アリ
ール基、アミノ基または複素環基を表わし、その詳細は
17と同様である。
【0015】式(II)中、X2 は好ましくは−NR2324
または−NHSO2 25を表わし、R21、R22は好まし
くは水素原子、アルキル基、アリール基を表すか、共同
して炭素環や複素環を形成する。これらの基の詳細はR
15と同様である。式(III) を更に詳細に説明する。式
中、X3 は水酸基又は−NR3233を表わし、Y3 は−
CO−または−SO2 −を表わす。R31は水素原子また
は任意の置換(例えばR11の説明で挙げたもの)を表わ
し、nは0または1である。R32、R33は水素原子、ア
ルキル基、アリール基または複素環基を表わし、それら
の詳細はR15と同様である。また、R31とR32、R32
33は共同して複素環(好ましくは5〜7員環)を形成
していても良い。式(III) 中、X3 は好ましくは−NR
3233を表わし、Y3 は好ましくは−CO−を表わす。
31は好ましくは水素原子、アルキル基、アリール基、
アルコキシ基、アリーロキシ基、アミノ基を表わし、そ
れらは更に任意の置換基(例えばR11の説明で挙げたも
の)で置換されていても良い。R32、R33は好ましくは
水素原子またはアルキル基を表わす。
【0016】以下に、本発明で用いられる式(I)、(I
I)、(III) で表わされる化合物の具体例を列挙するが、
本発明がこれらに限定されるものではない。
【0017】
【化7】
【0018】
【化8】
【0019】
【化9】
【0020】
【化10】
【0021】
【化11】
【0022】
【化12】
【0023】
【化13】
【0024】
【化14】
【0025】
【化15】
【0026】
【化16】
【0027】一般式(I)、一般式(II)および一般式(I
II) で示される化合物をハロゲン化銀乳剤層中に含有せ
しめるには、それらを直接乳剤に分散してもよいし、あ
るいは水、メタノール等の溶媒の単独もしくは混合溶媒
に溶解して乳剤に添加してもよい。また、乳剤に添加す
る時期は、乳剤調製から塗布直前までのいかなる段階で
あってもよいが、粒子形成終了から塗布液調製時までの
間にに添加することが好ましい。また、他の写真構成層
の塗布液に添加し、拡散させて使用することも好ましく
行われる。一般式(I)、一般式(II)および一般式(II
I) で示される化合物の添加量は、ハロゲン化銀1モル
当たり1×10-5〜1モルであることが好ましく、1×
10-3〜5×10-1モルであることが更に好ましい。一
般式(I)、一般式(II)および一般式(III) で示される
化合物の中で、一般式(III) で示される化合物が効果が
最も大きく、一般式(III) で示される化合物を少なくと
も1種含有することが最も好ましい。
【0028】本発明のハロゲン化銀乳剤は酸化処理され
たゼラチンを含有する必要がある。ゼラチンの酸化処理
は、特公平6−1348号、特開平5−273680号
に詳しく記載された方法で行うことができる。特に、過
酸化水素処理されたゼラチンを用いることが好ましい。
ゼラチンの酸化処理の程度を表す指標として、「写真用
ゼラチン試験法 パギー法」第5版、写真用試験法合同
審議会発行、昭和57年10月に記載されたフォーゲル
反応値が用いられる。本発明の酸化処理ゼラチンのフォ
ーゲル反応値は20以下であることが好ましい。酸化処
理されたゼラチンは、ハロゲン化銀乳剤の粒子形成時
や、ハロゲン化銀乳剤の分散時から塗布液調製時までの
いずれに添加含有されても良いが、好ましくは粒子形成
開始時から分散時までの間に添加されることが好まし
い。酸化処理されていないゼラチンを併用してもよい
が、酸化処理されたゼラチンの割合は、分散が終了した
ハロゲン化銀乳剤のゼラチンの5%以上、好ましくは2
0%以上、または該ハロゲン化銀乳剤を含有した塗布液
のゼラチンの2%以上、好ましくは10%以上である。
【0029】本発明に用いられる少なくとも一種の乳剤
に含まれるハロゲン化銀粒子を構成する全ハロゲン化銀
の平均ハロゲン組成は90モル%以上が塩化銀である。
沃化銀含有率は3.0モル%以下であることが好まし
く、1.0モル%以下であることが更に好ましい。ハロ
ゲン化銀粒子の更に好ましいハロゲン組成は、ハロゲン
化銀粒子を構成する全ハロゲン化銀の98モル%以上が
塩化銀である塩臭化銀、塩沃化銀、塩沃臭化銀あるいは
塩化銀である。
【0030】本発明のハロゲン化銀粒子は、臭化銀含有
率において少なくとも10モル%を越える臭化銀局在相
を有することが好ましい。このような臭化銀含有率が周
辺に比べて高い局在相の配置は圧力性、処理液組成依存
性等の観点から、粒子表面近傍にあることが好ましい。
ここで粒子表面近傍とは、最表面から測って、用いるハ
ロゲン化銀粒子の粒子サイズの1/5以内の位置のこと
である。最表面から測って、用いるハロゲン化銀粒子の
粒子サイズの1/10以内の位置であることが好まし
い。臭化銀局在相の最も好ましい配置は、立方体、14
面体または{100}面を主平面とする平板状塩化銀粒
子のコーナー部に、臭化銀含有率において少なくとも1
0モル%を越える局在相がエピタキシャル成長したもの
である。
【0031】臭化銀局在相の臭化銀含有率は10モル%
を越えることが好ましいが、臭化銀含有率が高過ぎると
感光材料に圧力が加えられたときに減感を引き起こした
り、処理液の組成の変動によって感度、階調が大きく変
化してしまうなどの写真感光材料にとって好ましくない
特性が付与されてしまう場合がある。臭化銀局在相の臭
化銀含有率は、これらの点を考慮に入れて、60モル%
以下の範囲が好ましく、20〜50モル%の範囲が最も
好ましい。臭化銀局在相の臭化銀含有率は、X線回折法
(例えば、「日本化学会編、新実験化学講座6、構造解
析」丸善、に記載されている)等を用いて分析すること
ができる。
【0032】臭化銀局在相は、1つの高塩化銀乳剤に含
まれるハロゲン化銀粒子を構成する全銀量の0.1から
20%の銀から構成されていることが好ましく、0.5
から7%の銀から構成されていることが更に好ましい。
このような臭化銀局在相とその粒子の他の相との界面
は、明瞭な相境界を有していてもよいし、ハロゲン組成
が徐々に変化する転移領域を有していてもよい。このよ
うな臭化銀局在相を形成するには様々な方法を用いるこ
とができる。例えば、可溶性銀塩と可溶性ハロゲン塩を
片側混合法あるいは同時混合法で反応させて局在相を形
成することができる。更に、既に形成されているハロゲ
ン化銀粒子を、より溶解度積の低いハロゲン化銀に変換
するコンバージョン法を用いても局在相を形成すること
ができる。例えば、立方体または14面体ハロゲン化銀
ホスト粒子に水溶性臭化物溶液を添加するか、あるいは
前記ハロゲン化銀ホスト粒子よりも平均粒径が小さく、
しかも臭化銀含有率が高い臭化銀あるいは塩臭化銀微粒
子を混合して後、熟成する事によって臭化銀局在相を形
成する事ができる。臭化銀局在相は、ホスト粒子形成直
後からその塗布液調製までのいかなる段階において形成
しても良いが、化学増感の直前あるいは直後に行うのが
好ましい。好ましい形成方法として、特開平9−157
71号に記載されているように、金硫黄増感加熱後臭化
物を添加しても良いし、特公平7−38068号に記載
されているように、臭化物でハロゲン変換しながら或い
は変換した後に金硫黄増感しても良い。
【0033】本発明で用いるハロゲン化銀粒子には、高
い高照度感度を得るために特開平4−346336号あ
るいは同8−234345号に記載されたように微量の
沃化銀を含有することも好ましく行われる。沃化銀の含
有量は3.0モル%以下であることが好ましく、1.0
モル%以下であることが更に好ましく、0.5モル%以
下であることが最も好ましい。
【0034】本発明で用いるハロゲン化銀乳剤にイリジ
ウム化合物を添加すると本発明の効果がいっそう高めら
れる。更に該イリジウム化合物がハロゲン化銀粒子に含
有されるとこの効果がいっそう高められる。イリジウム
化合物の例として、ヘキサクロロイリジウム(III)また
は(IV)酸塩、ヘキサブロモイリジウム(III)酸塩、ヘ
キサアミンイリジウム(III)または(IV)酸塩等があげ
られる。臭化銀局在相の形成は、イリジウム化合物の存
在下で行われる事が好ましい。ここで局在相の形成をイ
リジウム化合物の存在下で行うとは、局在相を形成する
ための銀あるいはハロゲンの供給と同時、供給の直前、
あるいは供給の直後にイリジウム化合物を供給すること
をいう。例えば、水溶性臭化物溶液を添加することによ
って臭化銀局在相を形成する場合、その溶液にあらかじ
めイリジウム化合物を含有させておくか、あるいは同時
にイリジウム化合物を含有した別の溶液を添加すること
が好ましい。ハロゲン化銀ホスト粒子よりも平均粒径が
小さく、しかも臭化銀含有率が高いハロゲン化銀微粒子
を混合して後、熟成する事によって臭化銀局在相を形成
する場合、臭化銀含有率が高いハロゲン化銀微粒子にあ
らかじめイリジウム化合物を含有させておくことも好ま
しい。臭化銀局在相の形成以外の相形成時にイリジウム
化合物を存在させても良いが、臭化銀局在相は、添加す
る全イリジウムの少なくとも50%と共に形成すること
が好ましい。更に添加する全イリジウムの少なくとも8
0%と共に形成することが最も好ましい。
【0035】上記のイリジウム化合物の添加量はハロゲ
ン化銀1モル当たり10-9モルから10-6モルの範囲が
好ましく、ハロゲン化銀1モル当たり10-8モルから1
-6モルの範囲が更に好ましい。イリジウム以外に、欧
州特許EP0,336,426A号に記載されているよ
うな少なくとも4つのシアン配位子を有する6配位金属
錯体(Ru、Os、Re錯体)あるいはヘキサシアノ鉄
(II)錯体、ヘキサシアノ鉄(III)錯体等も好ましく用
いられる。
【0036】本発明で用いるハロゲン化銀粒子は、外表
面に{100}面を持つものであっても、{111}面
を持つものであっても、あるいはその両方の面を持つも
のであっても、更にはより高次の面を含むものであって
もよいが、主として{100}面からなる立方体、14
面体あるいは平板粒子が好ましい。平板粒子としては特
開平6−337489号、同6−337490号、同6
−337507号および特願平9−13016号に記載
された{100}面を主平面とする平板粒子が好ましく
用いられる。平板粒子の場合、平均アスペクト比(円換
算直径/厚み)が5以上、好ましくは8以上の粒子が投
影面積として全粒子の50重量%以上であることが好ま
しい。本発明で用いるハロゲン化銀粒子の大きさは、通
常用いられる範囲内であれば良いが、球相当平均粒径が
0.1μmから1.5μmである場合が好ましい。粒径
分布は多分散であっても単分散であっても良いが、単分
散であるほうが好ましい。単分散の程度を表す粒子サイ
ズ分布は、統計学上の標準偏差(s)と平均粒子サイズ
(d)との比(s/d)で0.2以下が好ましく、0.
15以下が更に好ましい。また、2種類以上の単分散乳
剤を混合して用いることも好ましい。
【0037】本発明で用いるハロゲン化銀乳剤は、通常
化学増感および分光増感が施される。本発明において
は、臭化銀局在相の形成前あるいは後に表面を金増感あ
るいは金硫黄増感する事が好ましい。特公平7−380
68号に記載されているように臭化銀局在相を形成しな
がら、或いは形成した後に金増感を行うこともできる
し、欧州特許EP0750220A2号に記載されてい
るように金硫黄増感の後に臭化銀局在相を形成すること
もできる。それら以外の化学増感として硫黄増感、セレ
ン増感、還元増感などを単独もしくは併用することも好
ましく行われる。金増感を施すには、塩化金酸もしくは
その塩、チオシアン酸金類あるいはチオ硫酸金類等の化
合物を用いることができる。これらの化合物の添加量は
場合に応じて広範に変わり得るがハロゲン化銀1モル当
たり5×10-7〜5×10-3モル、好ましくは1×10
-6〜1×10-4モルである。硫黄による化学増感は、活
性ゼラチンや銀と反応しうる硫黄を含む化合物(例えば
チオ硫酸塩、チオ尿素類、メルカプト化合物類、ローダ
ニン類)を用いて行われる。これらの具体例は、米国特
許第1,574,944号、同第2,278,947
号、同第2,410,689号、同第2,728,66
8号、同第3,656,955号等の明細書に記載され
ている。
【0038】本発明に用いるハロゲン化銀乳剤は、P.Gl
afkides 著 Chimie et Phisique Photographique(Paul
Montel社刊、1967年) 、G.F.Duffin著 Photographic Em
ulsion Chemistry(Focal Press社刊、1966年) 、V.L.Ze
likman et al著 Making andCoating Photographic Emul
sion(Focal Press 社刊、1964年) 等に記載された方法
を用いて調製することができる。即ち、酸性法、中性
法、アンモニア法等のいずれでもよく、また可溶性銀塩
と可溶性ハロゲン塩を反応させる形式としては、片側混
合法、同時混合法、及びそれらの組み合わせなどのいず
れかの方法を用いても良い。粒子を銀イオン過剰の雰囲
気の下において形成させる方法(いわゆる逆混合法)を
用いることもできる。同時混合法の1つの形式として、
ハロゲン化銀の生成する液相中のpAgを一定に保つ方
法、即ち所謂コントロールド・ダブルジェット法を用い
ることもできる。この方法によると、結晶形が規則的で
粒子サイズが均一に近い前記の単分散ハロゲン化銀乳剤
を得ることができる。
【0039】本発明では親水性コロイド層に欧州特許E
P0,337,490A2号の第27〜76頁に記載
の、写真処理により脱色可能な染料(中でもオキソノー
ル系染料)を添加することが好ましい。本発明に係わる
ハロゲン化銀写真感光材料には、従来公知の写真用素材
や添加剤を使用できる。本発明に使用される支持体とし
ては複数のポリエチレン層やポリエステル層等の耐水性
樹脂層でラミネートされ、このような耐水性樹脂層(ラ
ミネート層)の少なくとも一層に酸化チタン等の白色顔
料を含有する反射支持体が好ましい。更に前記の耐水性
樹脂層中には蛍光増白剤を含有するのが好ましい。ま
た、蛍光増白剤は感材の親水性コロイド層中に分散して
もよい。蛍光増白剤として、好ましくは、ベンゾオキサ
ゾール系、クマリン系、ピラゾリン系が用いる事がで
き、更に好ましくは、ベンゾオキサゾリルナフタレン系
及びベンゾオキサゾリルスチルベン系の蛍光増白剤であ
る。使用量は、特に限定されないが、好ましくは1〜1
00mg/m2である。耐水性樹脂に混合する場合の混合比
は、好ましくは樹脂に対して0.0005〜3重量%で
あり、更に好ましくは0.001〜0.5重量%であ
る。
【0040】また、反射型支持体としては、上記のよう
な反射型支持体上に、白色顔料を含有する親水性コロイ
ド層を塗設したものでもよい。また、反射型支持体は、
鏡面反射性または第2種拡散反射性の金属表面をもつ支
持体であってもよい。前記の反射型支持体やハロゲン化
銀乳剤、更にはハロゲン化銀乳剤の保存安定剤またはカ
ブリ防止剤、分光増感法(分光増感剤)、シアン、マゼ
ンタ、イエローカプラーおよびその乳化分散法、色像保
存性改良剤(ステイン防止剤や褪色防止剤)、染料(着
色層)、ゼラチン種、感材の層構成や感材の被膜pHな
どについては、表1〜2の特許に記載のものが本発明に
好ましく適用できる。
【0041】
【表1】
【0042】
【表2】
【0043】本発明に用いうるシアン、マゼンタおよび
イエローカプラーとしては、その他、特開昭62−21
5272号の第91頁右上欄4行目〜121頁左上欄6
行目、特開平2−33144号の第3頁右上欄14行目
〜18頁左上欄末行目と第30頁右上欄6行目〜35頁
右下欄11行目、やEP0,355,660A2号の第
4頁15行目〜27行目、5頁30行目〜28頁末行
目、45頁29行目〜31行目、47頁23行目〜63
頁50行目に記載のカプラーも有用である。シアンカプ
ラーとしては、特開平5−313324号、同5−31
3325号、同6−347960号、同8−11062
3号等に記載のピロロトリアゾール型シアンカプラーが
特に好ましい。本発明に用いうる防菌・防黴剤としては
特開昭63−271247号に記載のものが有用であ
る。本発明に係わる感光材料は、通常のネガプリンター
を用いたプリントシステムに使用される以外にガスレー
ザー、発光ダイオード、半導体レーザー、半導体レーザ
ーあるいは半導体レーザーを励起光源に用いた固体レー
ザーと非線形光学結晶を組合わせた第二高調波発生光源
(SHG)等の単色高密度光を用いたデジタル走査露光
方式に使用できる。システムをコンパクトで、安価なも
のにするために半導体レーザー、半導体レーザーあるい
は固体レーザーと非線形光学結晶を組合わせた第二高調
波発生光源(SHG)を使用することが好ましい。特に
コンパクトで、安価、更に寿命が長く安定性が高い装置
を設計するためには半導体レーザーの使用が好ましく、
露光光源の少なくとも一つは半導体レーザーを使用する
ことが好ましい。
【0044】このような走査露光光源を使用する場合、
本発明の感光材料の分光感度極大波長は使用する走査露
光用光源の波長により任意に設定することができる。半
導体レーザーを励起光源に用いた固体レーザーあるいは
半導体レーザーと非線形光学結晶を組合わせて得られる
SHG光源では、レーザーの発振波長を半分にできるの
で、青色光、緑色光が得られる。従って、感光材料の分
光感度極大は通常の青、緑、赤の3つの波長領域に持た
せることが可能である。このような走査露光における露
光時間は、画素密度を400dpi とした場合の画素サイ
ズを露光する時間として定義すると、好ましい露光時間
としては10-4秒以下、更に好ましくは10-6秒以下で
ある。本発明に適用できる好ましい走査露光方式につい
ては、前記の表に掲示した特許に詳しく記載されてい
る。また本発明に係わる感光材料を処理するには、特開
平2−207250号の第26頁右下欄1行目〜34頁
右上欄9行目、及び特開平4−97355号の第5頁左
上欄17行目〜18頁右下欄20行目に記載の処理素材
や処理方法が好ましく適用できる。また、この現像液に
使用する保恒剤としては、前記の表に掲示した特許に記
載の化合物が好ましく用いられる。
【0045】
【実施例】以下に本発明を実施例に従って詳細に説明す
るが、本発明はこれらに限定されない。 実施例1 酸化処理されていないフォーゲル反応値41の石灰処理
ゼラチン32.0gを蒸留水1000ccに添加し、40
℃にて溶解後、硫酸にてpH3.8に調節し、塩化ナト
リウム5.5gとN,N′−ジメチルイミダゾリジン−
2−チオン0.02gを添加し、温度を52.5℃に上
昇させた。続いて、硝酸銀5.0gを蒸留水140ccに
溶解した液と塩化ナトリウム1.7gを蒸留水140cc
に溶解した液とを、激しく攪拌しながら52.5℃で前
記の液に添加混合した。次に硝酸銀120gを蒸留水3
20ccに溶解した液と塩化ナトリウム41.3gを蒸留
水320ccに溶解した液とを、激しく攪拌しながら5
2.5℃で添加混合し、またハロゲン化銀1モル当たり
5×10-5モルのK3Fe(CN)6およびハロゲン化銀1モル
当たり1×10-8モルのK2IrCl6 含有した水溶液を、硝
酸銀の総量の80%が添加された後、硝酸銀の添加終了
までの間、硝酸銀の添加濃度と常に一定の比を保つ速度
で添加した。40℃にて脱塩及び水洗を施した後、酸化
処理されていないフォーゲル反応値41の分散用石灰処
理ゼラチン76.0gを加え、更に塩化ナトリウム及び
水酸化ナトリウムにてpAgを7.9に、pHを6.2
に調整した。50℃に昇温した後、下記に示される青感
光性増感色素A及びBをハロゲン化銀1モル当たり各々
2.0×10-4モル添加し、更にトリエチルチオ尿素お
よび塩化金酸を用いて最適に金硫黄増感し、1−(5−
メチルウレイドフェニル)−5−メルカプトテトラゾー
ルをハロゲン化銀1モル当たり5×10-4モル添加し
た。また化学熟成中に、K3IrCl6 を含有する0.05μ
m の臭化銀微粒子乳剤を添加することにより塩化銀粒子
表面に臭化銀局在相を形成しこの臭化銀局在相にハロゲ
ン化銀1モル当たり1×10-6モルのK2IrCl6 を含有さ
せた。このようにして得られたハロゲン化銀乳剤(塩化
銀含有率99.5モル%)を乳剤A−1とした。乳剤A
−1とは、分散用ゼラチンとして過酸化処理されたフォ
ーゲル反応値18の酸化処理ゼラチンを用いたことのみ
異なる乳剤を調製し、乳剤A−2とした。
【0046】乳剤A−1およびA−2について、電子顕
微鏡写真から粒子の形状、粒子サイズ及び変動係数を求
めた。粒子サイズは粒子の投影面積と等価な円の直径の
平均値をもって表し、変動係数は粒子径の標準偏差を平
均粒子サイズで割った値を用いた。いずれも粒子サイズ
0.46μm 、変動係数0.09の単分散立方体粒子で
あった。
【0047】
【化17】
【0048】乳剤A−1の乳剤調製において、下記の緑
感光性分光増感色素C及びDを用いて分光増感したこと
のみ変えて乳剤B−1を、下記の赤感光性分光増感色素
を用いて分光増感したことのみ変えて乳剤C−1を調製
した。
【0049】
【化18】
【0050】
【化19】
【0051】赤感光性乳剤に対しては、下記の化合物を
ハロゲン化銀1モル当たり2.6×10-3モル添加し
た。
【0052】
【化20】
【0053】また、イラジエーション防止のために乳剤
層に下記の染料(カッコ内は塗布量を表す)を添加し
た。
【0054】
【化21】
【0055】(構成層)以下に各層の組成を示す。数字
は塗布量(g/m2)を表す。ハロゲン化銀乳剤は銀換算
塗布量を表す。
【0056】支持体 ポリエチレンラミネート紙〔第1層側のポリエチレンに
下記の蛍光増白剤(I)と(II)および白色顔料(Ti
2 ,15wt%)と青味染料(群青)を含む〕
【0057】第1層(青感性乳剤層) 前記塩臭化銀乳剤A−1 0.24 ゼラチン 1.33 イエローカプラー(ExY) 0.61 色像安定剤(Cpd−1) 0.08 色像安定剤(Cpd−2) 0.04 色像安定剤(Cpd−3) 0.08 溶媒(Solv−1) 0.22
【0058】第2層(混色防止層) ゼラチン 1.09 混色防止剤(Cpd−4) 0.11 色像安定剤(Cpd−16) 0.15 溶媒(Solv−1) 0.10 溶媒(Solv−2) 0.15 溶媒(Solv−3) 0.12 溶媒(Solv−7) 0.01
【0059】第3層(緑感性乳剤層) 前記塩臭化銀乳剤B−1 0.11 ゼラチン 1.19 マゼンタカプラー(ExM) 0.12 紫外線吸収剤(UV−1) 0.12 色像安定剤(Cpd−2) 0.01 色像安定剤(Cpd−4) 0.01 色像安定剤(Cpd−5) 0.01 色像安定剤(Cpd−6) 0.01 色像安定剤(Cpd−8) 0.01 色像安定剤(Cpd−16) 0.08 色像安定剤(Cpd−18) 0.0001 溶媒(Solv−4) 0.20 溶媒(Solv−5) 0.11 溶媒(Solv−9) 0.19
【0060】第4層(混色防止層) ゼラチン 0.77 混色防止剤(Cpd−4) 0.08 色像安定剤(Cpd−16) 0.11 溶媒(Solv−1) 0.07 溶媒(Solv−2) 0.11 溶媒(Solv−3) 0.09 溶媒(Solv−7) 0.01
【0061】第5層(赤感性乳剤層) 前記塩臭化銀乳剤C−1 0.11 ゼラチン 0.80 シアンカプラー(ExC) 0.28 紫外線吸収剤(UV−3) 0.19 色像安定剤(Cpd−1) 0.24 色像安定剤(Cpd−6) 0.01 色像安定剤(Cpd−8) 0.01 色像安定剤(Cpd−9) 0.04 色像安定剤(Cpd−10) 0.01 溶媒(Solv−1) 0.01 溶媒(Solv−6) 0.21
【0062】第6層(紫外線吸収層) ゼラチン 0.64 紫外線吸収剤(UV−2) 0.39 溶媒(Solv−8) 0.05
【0063】 第7層(保護層) ゼラチン 1.01 ポリビニルアルコールのアクリル変性共重合体(変性度17%) 0.04 流動パラフィン 0.02 界面活性剤(Cpd−11) 0.01
【0064】
【化22】
【0065】
【化23】
【0066】
【化24】
【0067】
【化25】
【0068】
【化26】
【0069】
【化27】
【0070】
【化28】
【0071】
【化29】
【0072】
【化30】
【0073】以上のようにして作製した感光材料を試料
101とした。試料101とは、第1層(青感性乳剤
層)の塩臭化銀乳剤の種類と、第1層(青感性乳剤層)
に更に追添加する化合物の種類を表3の様に変えたこと
のみ異なる試料を作製した。但し、乳剤A−2を用いた
場合の試料105〜110の酸化処理ゼラチンの塗布量
は0.23g/m2であった。試料101の高照度露光適
性を調べるために、光学ウェッジと青色フィルターを通
して10-1秒と10-5秒の2種類の露光を与え、以下に
示す処理工程と処理液を用いて発色現像処理を行い、そ
れぞれの露光での特性曲線(露光量と発色濃度の関係を
示す曲線)を得た。10-1秒露光で濃度1.0を与える
露光量と濃度2.0を与える露光量の差を読みとり、1
-5秒露光の濃度1.0を与える露光量から高露光量側
へ前記露光量差だけずらした点における発色濃度を読み
とり、それから濃度2.0を差し引いた値をΔDHIとし
た。他の試料についても同様にΔDHIを読みとった。全
てのΔDHI値は負の値で、絶対値が小さいほど高照度軟
調化の程度が少なく、高照度露光適性に優れる。感光材
料の長期保存による圧力特性の劣化を調べるために、試
料を60℃−40%RHの雰囲気下で2日間保存し、レ
コード針で一定の加重をかけ引っ掻いた後上記の処理を
行い、引っ掻いた部分のかぶりを観察した。感光材料を
長期保存した後の露光湿度の変化による感度変化を調べ
るために、試料を60℃−40%RHの雰囲気下で2日
間保存し、25℃−55%RHおよび25℃−75%R
Hの雰囲気に感光材料を保ち、光学ウェッジと青色フィ
ルターを通して10-5秒の露光を与え、以下に示す処理
工程と処理液を用いて発色現像処理を行った。感度変化
△SH は、かぶり濃度よりも1.0高い濃度を与えるに
必要な露光量の対数値の差で表した。負の値は高湿露光
下での減感を表す。以上の結果を表3に示した。
【0074】
【表3】
【0075】 (現像処理) 処理工程 温 度 時 間 補充液* タンク容量 カラー現像 35℃ 45秒 161 ml 10リットル 漂白定着 35℃ 45秒 218 ml 10リットル リンス(1) 35℃ 30秒 − 5リットル リンス(2) 35℃ 30秒 − 5リットル リンス(3) 35℃ 30秒 360 ml 5リットル 乾 燥 80℃ 60秒 *感光材料1m2当りの補充量 (リンス(3)から(1)への3タンク向流方式とした)
【0076】各処理液の組成は以下の通りである。 カラー現像液 タンク液 補充液 水 800 ml 800 ml エチレンジアミン四酢酸 3.0 g 3.0 g 4,5−ジヒドロキシベンゼン−1,3−ジスルホン酸 0.5 g 0.5 g 2ナトリウム塩 トリエタノールアミン 12.0 g 12.0 g 塩化カリウム 2.5 g − 臭化カリウム 0.01g − 炭酸カリウム 27.0 g 27.0 g 蛍光増白剤(WHITEX 4、住友化学製) 1.0 g 2.5 g 亜硫酸ナトリウム 0.1 g 0.2 g ジナトリウム−N,N−ビス(スルホナートエチル) 5.0 g 8.0 g ヒドロキシルアミン N−エチル−N−(β−メタンスルホンアミドエチル) 5.0 g 7.1 g −3−メチル−4−アミノアニリン・3/2硫酸・1水塩 水を加えて 1000 ml 1000 ml pH(25℃/水酸化カリウム及び硫酸にて) 10.05 10.45
【0077】 漂白定着液(タンク液と補充液は同じ) 水 600 ml チオ硫酸アンモニウム(700g/リットル) 100 ml 亜硫酸アンモニウム 40 g エチレンジアミン四酢酸鉄(III) アンモニウム 55 g エチレンジアミン四酢酸鉄 5 g 臭化アンモニウム 40 g 硫酸(67%) 30 g 水を加えて 1000 ml pH(25℃/酢酸及びアンモニア水にて) 5.8
【0078】 リンス液(タンク液と補充液は同じ) 塩素化イソシアヌール酸ナトリウム 0.02 g 脱イオン水(導電率5μS/cm以下) 1000 ml pH 6.5
【0079】表3の結果から明らかなように、酸化処理
ゼラチンを用いることで高照度露光適性は向上するが、
同時に長期経時後の圧力特性および高湿露光減感の悪化
を伴う。酸化処理ゼラチンを用いた乳剤に本発明の化合
物を添加することで、高照度露光適性を維持したままで
長期経時後の圧力特性および高湿露光減感の悪化が防止
できる。
【0080】実施例2 過酸化水素で酸化処理されたフォーゲル反応値15の石
灰処理ゼラチン32.0gを蒸留水1000ccに添加
し、40℃にて溶解後、硫酸にてpH3.8に調節し、
塩化ナトリウム5.5gとN,N′−ジメチルイミダゾ
リジン−2−チオン0.02gを添加し、温度を52.
5℃に上昇させた。続いて、硝酸銀5.0gを蒸留水1
40ccに溶解した液と塩化ナトリウム1.7gを蒸留水
140ccに溶解した液とを、激しく攪拌しながら52.
5℃で前記の液に添加混合した。次に硝酸銀120gを
蒸留水320ccに溶解した液と塩化ナトリウム41.3
gを蒸留水320ccに溶解した液とを、激しく攪拌しな
がら52.5℃で添加混合し、またハロゲン化銀1モル
当たり5×10-5モルのK3Fe(CN)6 およびハロゲン化銀
1モル当たり1×10-8モルのK2IrCl6 含有した水溶液
を、硝酸銀の総量の80%が添加された後、硝酸銀の添
加終了までの間、硝酸銀の添加濃度と常に一定の比を保
つ速度で添加した。40℃にて脱塩及び水洗を施した
後、過酸化水素で酸化処理されたフォーゲル反応値15
の石灰処理ゼラチン76.0gを加え、更に塩化ナトリ
ウム及び水酸化ナトリウムにてpAgを7.9に、pH
を6.2に調整した。50℃に昇温した後、下記に示さ
れる青感光性増感色素A及びBをハロゲン化銀1モル当
たり各々2.0×10-4モル添加し、更にトリエチルチ
オ尿素および塩化金酸を用いて最適に金硫黄増感し、1
−(5−メチルウレイドフェニル)−5−メルカプトテ
トラゾールをハロゲン化銀1モル当たり5×10-4モル
添加した。このようにして得られたハロゲン化銀乳剤
(塩化銀含有率100モル%)を乳剤A−3とした。乳
剤A−3とは、化学熟成中、K3IrCl6 を含有する0.0
5μm の臭化銀微粒子乳剤を添加することにより塩化銀
粒子表面に臭化銀局在相を形成しこの臭化銀局在相にハ
ロゲン化銀1モル当たり1×10-6モルのK2IrCl6 を含
有させたことのみ異なる乳剤を調製し、得られたハロゲ
ン化銀乳剤(塩化銀含有率99.5モル%)を乳剤A−
4とした。
【0081】乳剤A−3およびA−4について、電子顕
微鏡写真から粒子の形状、粒子サイズ及び変動係数を求
めた。粒子サイズは粒子の投影面積と等価な円の直径の
平均値をもって表し、変動係数は粒子径の標準偏差を平
均粒子サイズで割った値を用いた。いずれも粒子サイズ
0.48μm 、変動係数0.10の単分散立方体粒子で
あった。
【0082】実施例1の試料101とは、第1層(青感
性乳剤層)の塩臭化銀乳剤の種類と、第1層(青感性乳
剤層)に更に追添加する化合物の種類を表4の様に変え
たことのみ異なる試料201〜208(但し、酸化処理
ゼラチンの塗布量は0.33g/m2)を作製し、実施例
1と同様の評価を行った。結果を表4に示した。
【0083】
【表4】
【0084】表4の結果から明らかなように、本発明の
効果は臭化銀局在相を有するハロゲン化銀乳剤を用いた
場合に大きい。
【0085】実施例3 特開平6−337490号に記載された{100}面を
主平面とする塩臭化銀平板乳剤Jにおいても、粒子形成
用および分散用ゼラチンとして酸化処理ゼラチンを用
い、本発明の効果を確認した。
【0086】実施例4 実施例1で作製した試料101および109に、下記の
レーザー露光装置にて露光をおこなった。光源として
は、半導体レーザーGaAlAs(発振波長、808.
5nm)を励起光源としたYAG固体レーザー(発振波
長、946nm)をKNbO3 のSHG結晶により波長
返還して取り出した473nmと、半導体レーザーGa
AlAs(発振波長、1064nm)をKTPのSHG
結晶により波長変換して取り出した532nmと、Al
GaInP(発振波長、688nm:東芝製)とを用い
た。3色のそれぞれのレーザー光はポリゴンミラーによ
り走査方向に対して垂直方向に移動し、試料上に、順次
走査露光できるようにした。半導体レーザーの温度によ
る光量変動は、ペルチェ素子を利用して温度が一定に保
たれることで抑えられている。露光量は外部変調器によ
り制御され露光が与えられた。このとき、走査ピッチを
42.3μm(600dpi)とし、1画素当たりの平
均露光時間は、1.7×10-7秒とした。上記のような
デジタル走査露光においても、実施例1と同様に本発明
の効果が確認された。
【0087】
【発明の効果】本発明によって、レーザー走査露光のよ
うな高照度露光においても高感度硬調で、更に感光材料
を長期に保存することによる露光時の湿度変化による感
度変動の増加や圧力特性の劣化が抑制されたハロゲン化
銀写真感光材料が提供できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI G03C 1/047 G03C 1/047

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上にハロゲン化銀乳剤を含有する
    感光性乳剤層を少なくとも一層有するハロゲン化銀写真
    感光材料において、該ハロゲン化銀乳剤が酸化処理され
    たゼラチンを含有する塩化銀含有率90モル%以上のハ
    ロゲン化銀乳剤であり、該感光性乳剤層中に一般式
    (I)、一般式(II)および一般式(III) で表される化合
    物の少なくとも1種を含有することを特徴とするハロゲ
    ン化銀写真感光材料。 一般式(I) 【化1】 式中、X1 は、−NR1516、−NHSO2 17を表わ
    し、Y1 は水酸基又はX1 で表される基を表わす。
    11、R12、R13、R14はそれぞれ水素原子またはベン
    ゼン環に結合しうる任意の置換基を表わし、R11
    12、R13とR14は共同して炭素環を形成していても良
    い。R15、R16は水素原子、アルキル基、アリール基ま
    たは複素環基を表わし、R15とR16は共同して複素環を
    形成しても良い。R17はアルキル基、アリール基、アミ
    ノ基または複素環基を表わす。 一般式(II) 【化2】 式中、X2 、Y2 は水酸基、−NR2324または−NH
    SO2 25を表わす。R21、R22は水素原子または任意
    の置換基を表わし、R21とR22は共同して炭素環または
    複素環を形成していても良い。R23、R24は水素原子、
    アルキル基、アリール基または複素環基を表わし、R23
    とR24は共同して複素環を形成しても良い。R25はアル
    キル基、アリール基、アミノ基または複素環基を表わ
    す。 一般式(III) 【化3】 式中、X3 は水酸基または−NR3233を表わし、Y3
    は−CO−または−SO2 −を表わす。R31は水素原子
    または任意の置換基を表わし、nは0または1である。
    32、R33は水素原子、アルキル基、アリール基または
    複素環基を表わし、R31とR32、R32とR33は共同して
    複素環を形成しても良い。
  2. 【請求項2】 該ハロゲン化銀乳剤が、粒子表面近傍に
    臭化銀含有率において少なくとも10モル%を越える臭
    化銀局在相を有することを特徴とする請求項1に記載の
    ハロゲン化銀写真感光材料。
  3. 【請求項3】 該ハロゲン化銀乳剤が、{100}面を
    主平面とする平板状ハロゲン化銀乳剤であることを特徴
    とする請求項1あるいは2に記載のハロゲン化銀写真感
    光材料。
  4. 【請求項4】 請求項1、2あるいは3に記載のハロゲ
    ン化銀写真感光材料をデジタル走査露光することを特徴
    とする画像形成方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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EP1914594A2 (en) 2004-01-30 2008-04-23 FUJIFILM Corporation Silver halide color photographic light-sensitive material and color image-forming method
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WO2021213762A1 (en) 2020-04-24 2021-10-28 Fujifilm Manufacturing Europe Bv Photographic paper

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