JPH11101905A - ポリブチレンテレフタレート樹脂製光反射体及びその製造方法 - Google Patents

ポリブチレンテレフタレート樹脂製光反射体及びその製造方法

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JPH11101905A
JPH11101905A JP31063697A JP31063697A JPH11101905A JP H11101905 A JPH11101905 A JP H11101905A JP 31063697 A JP31063697 A JP 31063697A JP 31063697 A JP31063697 A JP 31063697A JP H11101905 A JPH11101905 A JP H11101905A
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terephthalate resin
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徹 勝亦
Satoyuki Akeda
智行 明田
Hiroaki Nakao
弘明 中尾
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 成形品の表面光沢が非常に高く、かつガス発
生量が少ないため、成形品にアンダーコート等の下塗り
をせずに直接光反射金属層を形成することが可能であ
り、高鏡面性・高輝度感を有するのみならず、金属層と
の密着性・耐熱性にも優れたポリブチレンテレフタレー
ト樹脂製光反射体の製造方法を提供する。 【解決手段】 (A) 末端カルボキシル基量が 50meq/kg
以下のポリブチレンテレフタレート樹脂 100重量部に対
し、(B) ポリカーボネート樹脂10〜80重量部、及び(C)
平均一次粒子径が10μm 以下の無機フィラーを1〜30重
量部を配合した樹脂組成物を成形して成形品とし、該成
形品の少なくとも一部に直接光反射金属層を形成してポ
リブチレンテレフタレート樹脂製光反射体を製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はポリブチレンテレフ
タレート樹脂製光反射体の製造方法及び該方法により得
られた光反射体に関する。さらに詳しくは、成形品の表
面光沢が非常に高く、かつガス発生量が少ないため、成
形品にアンダーコート等の下塗りをせずに直接光反射金
属層を形成することが可能であり、高鏡面性・高輝度感
を有するのみならず、金属層との密着性・耐熱性にも優
れたポリブチレンテレフタレート樹脂製光反射体の製造
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】光反射
体、特に自動車のランプ廻りのエクステンション等の反
射体は、ランプ光源の方向性、反射性のために、高い輝
度感、平滑性、均一な反射率さらには高耐熱性等が必要
である。そのため、従来、反射体には、機械的性質、電
気的性質、その他物理的・化学的特性に優れ、かつ加工
性が良好である結晶性熱可塑性ポリエステル樹脂、特に
ポリブチレンテレフタレート樹脂単独またはポリエチレ
ンテレフタレート樹脂との混合物に様々な強化材を添加
配合した材料が使用されている。また光反射金属層を少
なくとも壁の一面に付与された反射体が、高い輝度感、
均一な反射率を有するには、樹脂成形品の表面が均一、
且つ高い光沢を有することが必要とされる。しかしなが
ら、ポリエステル樹脂に、ガラス繊維、カーボン繊維に
代表される繊維状強化剤の添加は、これらの成形表面へ
の浮き出しによる光沢低下が大きく、耐熱性、剛性を維
持しつつ高い光沢感を有する材料を得ることは困難であ
る。これらの問題を解決する方法として、ポリエステル
樹脂に非晶性ポリマーや、タルク、マイカ等の微粉末充
填剤を添加する方法があげられる。また成形面では、樹
脂温度を上げ流動性を向上させる方法、あるいは金型温
度を上げ、結晶化速度を遅らせて金型転写性を向上させ
る方法等が一般的に用いられる。これらの方法により成
形品の外観は向上するものの、ガスの付着により成形品
表面に曇り(ヘイズ)を引き起こし、高い輝度感および
高光沢を有する成形品を得ることは困難である。特に連
続的に成形することによりガス付着量は増加し、外観を
損なうことになり、改善の必要性が生じている。また樹
脂温度、金型温度を上げることによりガス量はさらに多
くなり、磨き、拭き取り等の後処理の必要性が生じてい
る。又、成形品表面の曇りを抑えるため、ポリブチレン
テレフタレート樹脂の末端カルボキシル基量を 50meq/
kg以下にすると、ドライメッキ法で成形品表面に金属層
を形成する場合に成形品表面の官能基が少なく、金属と
の密着性が悪くなってしまうという問題があった。一
方、それら成形品の肌荒れ、ガス曇りを光反射体表面に
出さない方法として、一般的に成形品表面と光反射金属
層の間(中間)に塗装コート、ラッカー中間層といった
アンダーコート(下塗り)を施す方法がある。この方法
により、上記問題はある程度改善されるものの十分とは
言えず、又、大幅なコストアップとなる。故に、アンダ
ーコート(下塗り)を必要とせず、樹脂成形品に直接光
反射金属層を形成でき、良好な輝度感、高反射率を有
し、且つ優れた密着性を有する光反射体の開発が望まれ
ていた。
【0003】
【課題を解決するための手段】本発明者等は上記課題に
鑑み、ポリブチレンテレフタレート樹脂成形品の少なく
とも一部に直接光反射金属層を形成することができ、得
られた光反射体が良好な輝度感等を有する光反射体を提
供すべく鋭意検討した。その結果、末端カルボキシル基
量が 50meq/kg以下のポリブチレンテレフタレート樹脂
に、ポリカーボネート樹脂と特定の無機充填剤を添加し
た樹脂組成物成形品を使用すること、特にその表面に金
属層を形成する際に、予めアルゴンプラズマに樹脂成形
品表面を曝すことによる表面活性化処理することによっ
て密着性の良い金属層を形成できることを見出し、本発
明を完成するに至った。即ち、本発明は、(A) 末端カル
ボキシル基量が 50meq/kg以下のポリブチレンテレフタ
レート樹脂 100重量部に対し、(B) ポリカーボネート樹
脂10〜80重量部、及び(C) 平均一次粒子径が10μm 以下
の無機フィラーを1〜30重量部を配合した樹脂組成物を
成形して成形品とし、該成形品の少なくとも一部に直接
光反射金属層を形成することを特徴とするポリブチレン
テレフタレート樹脂製光反射体の製造方法である。
【0004】
【発明の実施の形態】以下、順次本発明に用いられる樹
脂組成物の構成成分について詳しく説明する。まず、本
発明の樹脂組成物の基体樹脂である(A) ポリブチレンテ
レフタレート樹脂とは、例えばテレフタル酸またはその
エステル形成誘導体と炭素数4のアルキレングリコール
またはそのエステル形成誘導体を重縮合して得られるポ
リブチレンテレフタレートのうち、末端カルボキシル基
量が 50meq/kg以下となるものである。またポリブチレ
ンテレフタレートは、それ自身70重量%以上を含有する
共重合体であってもよい。共重合されるモノマーとして
は、テレフタル酸およびその低級アルコールエステル以
外の二塩基酸成分として、イソフタル酸、ナフタレンジ
カルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、トリメリット
酸、コハク酸等の脂肪族、芳香族多塩基酸またはそのエ
ステル形成性誘導体等が、また、1,4 −ブタンジオール
以外のグリコール成分として、通常のアルキレングリコ
ール、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコー
ル、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、
ヘキサメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、
シクロヘキサンジメタノール等、1,3 −オクタンジオー
ル等の低級アルキレングリコール、ビスフェノールA、
4,4'−ジヒドロキシビフェニル等の芳香族アルコール、
ビスフェノールAのエチレンオキサイド2モル付加体、
ビスフェノールAのプロピレンオキサイド3モル付加体
等のアルキレンオキサイド付加体アルコール、グリセリ
ン、ペンタエリスリトール等のポリヒドロキシ化合物ま
たはそのエステル形成性誘導体等が挙げられる。本発明
では、上記の如き化合物をモノマー成分として重縮合に
より生成するポリブチレンテレフタレートは何れも本発
明の(A) 成分として使用することができ、単独で、また
は2種類以上混合して使用されるが、好ましくはポリブ
チレンテレフタレートが使用される。また、コポリマー
に属する分岐ポリマーも用いることができる。ここでい
うポリブチレンテレフタレート分岐ポリマーとは、いわ
ゆるポリブチレンテレフタレートまたはブチレンテレフ
タレート単量体を主体とし、多官能性化合物を添加する
ことにより分岐形成されたポリエステルである。ここで
使用できる多官能性化合物としては、トリメシン酸、ト
リメリット酸、ピロメリット酸およびこれらのアルコー
ルエステル、グリセリン、トリメチロールエタン、トリ
メチロールプロパン、ペンタエリスリトールなどがあ
る。本発明では、上記モノマーより重縮合されたポリブ
チレンテレフタレートの粉砕試料をベンジルアルコール
中 215℃で10分間溶解後、0.01Nの水酸化ナトリウム水
溶液にて滴定し、測定した末端カルボキシル基量が 50m
eq/kg以下、好ましくは 40meq/kg以下、特に好ましく
は 30meq/kg以下のポリブチレンテレフタレートが用い
られる。かかるポリブチレンテレフタレートの末端カル
ボキシル基量が 50meq/kgを越えては、得られる成形品
のヘイズが顕著となり、好ましくない。
【0005】次に本発明の組成物には、(B) ポリカーボ
ネート樹脂が添加される。この(B) ポリカーボネート樹
脂は、(A) ポリブチレンテレフタレート樹脂に添加配合
されることにより、成形品の外観を良好にさせる。特に
ポリカーボネート樹脂は非晶性であるため、ポリブチレ
ンテレフタレートに添加配合することにより、結晶化速
度を下げ、金型転写性を向上させる効果を有する。また
ポリカーボネート自身の収縮率が小さいことから、成形
品のひけ現象を抑制する効果も持つ。以上2点の見地か
ら、良好な光反射外観品を得る上でポリカーボネートの
添加は本発明での必須である。かかる目的で用いられる
ポリカーボネート樹脂は、溶剤法、即ち、塩化メチレン
等の溶剤中で公知の酸受容体、分子量調整剤の存在下、
二価フェノールとホスゲンのようなカーボネート前駆体
との反応、または二価フェノールとジフェニルカーボネ
ートのようなカーボネート前駆体とのエステル交換反応
によって製造することができる。ここで好適に使用し得
る二価フェノールとしてはビスフェノール類があり、特
に2,2 −ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、即
ちビスフェノールAが好ましい。また、フェノールAの
一部または全部を他の二価フェノールで置換したもので
あってもよい。ビスフェノールA以外の二価フェノール
としては、例えばハイドロキノン、4,4 −ジヒドロキシ
ジフェニル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)アルカ
ン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロアルカン、
ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス(4
−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)スルホキシド、ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)エーテルのような化合物、またはビス(3,5 −ジ
ブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(3,
5 −ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパンのよ
うなハロゲン化ビスフェノール類を挙げることができ
る。これら二価フェノールは二価フェノールのホモポリ
マーまたは2種以上のコポリマーであってもよい。さら
に本発明で用いるポリカーボネート樹脂は多官能性芳香
族を二価フェノール及び/またはカーボネート前駆体と
反応させた熱可塑性ランダム分岐ポリカーボネートであ
ってもよい。本発明に用いるポリカーボネートは、特に
高流動のものが好ましい。また、ポリカーボネート(B)
の添加量は、(A) 成分100 重量部に対し10〜80重量部、
好ましくは15〜40重量部である。過小の場合は、転写性
不良から本発明の目的とする高光沢、良外観を得ること
ができず、また過大の場合は、成形サイクルの増加、離
型性の悪化等、成形上の問題が生じ好ましくない。
【0006】次に本発明では、均一な輝度感及び耐熱性
を付与する上での必須成分として(C) 平均一次粒子径が
10μm 以下の無機フィラーが添加される。ここで使用さ
れる無機フィラーは、平均一次粒子径が10μm 以下、好
ましくは0.04〜5μm のものであれば特に限定されるも
のではない。好ましくはタルク、マイカ、クレー、カオ
リン、ウォラストナイト、ガラスビーズ、ガラスフレー
ク及び硫化亜鉛からなる群より選ばれた1種又は2種以
上であり、特に好ましくはタルク、マイカ、クレー及び
カオリンからなる群より選ばれた1種又は2種以上であ
る。この無機フィラーの添加量は、(A) ポリブチレンテ
レフタレート 100重量部に対し、1〜30重量部、好まし
くは5〜20重量部である。無機フィラーの添加量が1重
量部未満では、耐熱性、剛性の面で十分でない。また30
重量部を越えると、押出し等の操業性が困難であり、且
つ得られた成形品表面が不均一になり、均一な光反射表
面が得られにくい。
【0007】上記したように、(A) 特定のカルボキシル
基量のポリブチレンテレフタレートに、(B) ポリカーボ
ネート樹脂を添加配合し、さらに(C) 特定の一次粒子径
を有する無機フィラーを添加することにより、得られた
ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物は、ガス付着に
よる表面曇りが少なく、非常に優れた成形品外観を有
し、直接光反射金属層が形成されても、輝度感が高く、
良好な光反射表面を有するものである。
【0008】本発明において、光反射体を製造する方法
として好ましいのは、光反射金属層の形成が、樹脂成形
品表面にドライメッキ法(PVD法)によって鏡面光沢
を有する金属膜を形成することにより行われる方法であ
る。また、ドライメッキ法が真空蒸着であることが望ま
しく、初期真空度を1×10-2Pa以下、好ましくは2×10
-3Pa以下まで減圧した後、蒸発速度0.5 〜5nm/sec で
金属を蒸着することが特に好ましい。また、金属膜とし
てはアルミニウムが好ましい。更に、高輝度感を有し、
良好な光反射表面を得る方法として、予め2.5 〜3.5Pa
のアルゴンガスを直流電流又は高周波によってプラズマ
化し、該アルゴンプラズマに樹脂成形品表面を曝すこと
によって表面活性化処理をした後、光反射金属層を形成
することが好ましい。更に好ましくは、表面活性化処理
後、酸素、窒素又はそれらの混合気体に曝すことによっ
て表面に官能基を導入した後、あるいは反応性モノマー
に曝すことによって表面に活性分子層又は親水性ポリマ
ー層を導入した後、光反射金属層を形成する方法であ
り、かかる方法によれば輝度感が高く良好な光反射表面
を有するものが得られる。
【0009】さらに本発明の組成物には、その目的に応
じ所望の特性を付与するために、一般に熱可塑性樹脂等
に添加される公知の物質を添加併用することができる。
例えば酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤等の安定
剤、帯電防止剤、滑剤、離型剤、染料や顔料等の着色
剤、可塑剤等いずれも配合することが可能である。特に
耐熱性を向上させるための酸化防止剤、および離型剤の
添加は効果的である。その中で、特にリン系化合物の添
加は(A) ポリブチレンテレフタレートと(B)ポリカーボ
ネート樹脂のエステル交換反応を抑制する効果が高く、
熱安定性を保つ上で添加が好ましい。主に有機ホスファ
イト系化合物が好適であり、具体例を示すと、ビス(2,
6 −ジ−t−4メチルフェニル)ペンタエリスリトール
ジフォスファイト、ビス(2,4 −ジ−t−ブチルフェニ
ル)ペンタエリスリトールジフォスファイト、テトラキ
ス(2,4 −ジ−t−ブチルフェニル)−4,4'−ビフェニ
レンホスファイトなどが挙げられる。又、リン酸金属塩
化合物も好適であり、具体例を示すと、第一リン酸カル
シウム、第一リン酸ナトリウムの1水和物が挙げられ
る。ここで使用するリン系化合物の添加量は(A) ポリブ
チレンテレフタレート100 重量部に対し0.001 〜2.0 重
量部、より好ましくは 0.1〜1.0 重量部である。リン系
化合物を添加しないと、上記の通りエステル交換反応に
より熱安定性が低下し、また添加量が 2.0重量部を越え
ると添加剤由来のガスの影響が大きくなり、良好な光
沢、輝度感を有する成形材料を得ることが困難となる場
合がある。またかかるリン系化合物は、より熱安定性を
高める意味で、ヒンダードフェノール類に代表される酸
化防止剤との併用が効果的である。
【0010】本発明の組成物の調製は、従来の樹脂組成
物調製法として一般に用いられる設備と方法により容易
に調製される。例えば、(1) 本発明の組成物を構成する
成分を所定量一括混合して、一軸または二軸の押出し機
で溶融混練し、目的組成のペレットを得る。(2) 原材料
投入口を2個以上有する一軸または二軸の押出し機で、
第一番目の投入口から樹脂、安定剤、顔料成分などを投
入し溶融混練した後、第二番目の原料投入口より無機フ
ィラーを投入し、溶融混練して目的組成のペレットを得
る、などである。樹脂を金型に充填するための成形法と
しては、射出成形法、射出圧縮成形法などがあるが、射
出成形法が一般的である。
【0011】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれらに限定されるものではない。な
お、以下の例に示した評価項目の測定法は以下の通りで
ある。 (1) 光反射表面の外観 下記成形品(平板)を用い、実施例・比較例に示す条件
にてアルミニウム蒸着を施した。かかる光反射体の光反
射表面外観の状態を目視にて観察し、下記点数をつけ
た。 1;高い輝度感を有し、蛍光灯が歪みなく明瞭に映る。 2;高い輝度感を有し、蛍光灯は歪みなく映るが、ガス
による若干の曇りあり。 3;ガスによる曇りが多少見られ、蛍光灯は歪みなく映
るものの多少ぼやける。 4;表面が均一でなく、蛍光灯が多少歪んで映る。ま
た、ガスによる曇りも見られる。 5;表面が荒れており、蛍光灯が波打って映る。また、
ガスにより白く見られる。 更に、上記光反射体を、140 ℃/24時間熱放置した後
に、同様に光反射外観の状態を目視にて観察し、同様に
点数をつけた。 (成形条件)光反射体は、下記条件で成形した平板(80
mm×80mm×3mm厚さ)を用いて、下記の蒸着条件により
蒸着を実施して得たものである。 成形機 :住友重機械工業(株)、150t 成形条件: ノズル C1 C2 C3 C4 シリンダー温度(℃) 260 260 250 240 220 射出速度 3.6m/min 保圧力 400 kg/cm2 金型温度 90 ℃ 蒸着条件:3.0 Paのアルゴンガスを500Vの直流電流で
プラズマ化し、5分間成形品を処理をした後、蒸着装置
内を1.0 ×10-2Paまで減圧し、1.0 nm/sec の速度でア
ルミニウムを100 nmの膜厚まで蒸着した。 蒸着条件:アルゴンガス処理を実施しない以外は、条
件と同様の条件で蒸着した。 (2) 表面平滑性 上記条件で成形した平板(80mm×80mm×3mm厚さ/一部
切削)を用いて、表面粗度計((株)東京精密製、サー
フコム554A)を使用し、十点平均粗さ(μm )及び
最大高さ(μm )を測定した。 (3) 曲げ弾性率 ASTM D−790に準じて測定した。
【0012】実施例1 末端カルボキシル基量が 30meq/kgのポリブチレンテレ
フタレート樹脂 100重量部に対し、ポリカーボネート樹
脂を20重量部添加し、さらに平均一次粒子径2〜3μm
のタルク(C-1) を15重量部及びビス(2,6 −ジ−t−4
メチルフェニル)ペンタエリスリトールジフォスファイ
トを0.2 重量部添加することによって得られた樹脂組成
物を使用し、上記の如く成形品及び蒸着条件により光
反射体を製造し、評価した。 実施例2〜3 上記実施例1において、平均一次粒子径7μm のタルク
(C-2) 及び平均一次粒子径1.5 μm のカオリン(C-3) を
使用した以外は、実施例1と同様に評価した。 実施例4 上記実施例1のタルク(C-1) の添加量を25重量部とした
以外は、実施例1と同様に評価した。 実施例5、6 上記実施例1、3において、蒸着条件により蒸着を実
施した以外は、実施例1と同様に評価した。 実施例7 上記実施例1において、末端カルボキシル基量が 15meq
/kgのポリブチレンテレフタレート樹脂を使用した以外
は、実施例1と同様に評価した。 実施例8 上記実施例1において、ポリカーボネート樹脂の添加量
を40重量部とした以外は、実施例1と同様に評価した。
これらの結果を表1に示す。
【0013】比較例1〜2 上記実施例1に対し、平均一次粒子径40μm のタルク
(C'-1)を使用した以外は、実施例1と同様に評価した
(比較例1;蒸着条件、比較例2;蒸着条件)。 比較例3 上記実施例1において、末端カルボキシル基量が 60meq
/kgのポリブチレンテレフタレート樹脂を使用した以外
は、実施例1と同様に評価した。 比較例4〜6 上記実施例1に対し、ポリカーボネート樹脂の未添加の
場合を比較例4、無機フィラー未添加の場合を比較例
5、タルク(C-1) を40重量部添加した場合を比較例6と
して示した。これらの結果を表2に示す。
【0014】
【表1】
【0015】
【表2】
【0016】
【発明の効果】以上述べたように、本発明により得られ
るポリブチレンテレフタレート樹脂製光反射体は、末端
カルボキシル基量が 50meq/kg以下のポリブチレンテレ
フタレートに、ポリカーボネート樹脂をブレンドし、さ
らに平均一次粒子径が10μm 以下の無機フィラーを添加
して得られる成形品の少なく一部に、直接光反射金属層
を形成することにより、非常に高い輝度感を有し、且つ
連続成形および高温下に曝しても曇りによる輝度感低下
が少なく、また耐熱性、機械的強度、成形性にも優れ
る。かかる光反射体は、特に高い反射性を必要とする自
動車ランプのリフレクターおよびエクステンション等に
好適に用いられる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08L 67/02 C08L 67/02 C23C 14/14 C23C 14/14 B 14/20 14/20 A // B32B 15/08 104 B32B 15/08 104Z (C08L 67/02 69:00)

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A) 末端カルボキシル基量が 50meq/kg
    以下のポリブチレンテレフタレート樹脂 100重量部に対
    し、(B) ポリカーボネート樹脂10〜80重量部、及び(C)
    平均一次粒子径が10μm 以下の無機フィラーを1〜30重
    量部を配合した樹脂組成物を成形して成形品とし、該成
    形品の少なくとも一部に直接光反射金属層を形成するこ
    とを特徴とするポリブチレンテレフタレート樹脂製光反
    射体の製造方法。
  2. 【請求項2】 ポリブチレンテレフタレート樹脂(A) の
    末端カルボキシル基量が 40meq/kg以下である請求項1
    記載のポリブチレンテレフタレート樹脂製光反射体の製
    造方法。
  3. 【請求項3】 無機フィラー(C) の平均一次粒子径が0.
    04〜5μm である請求項1又は2記載のポリブチレンテ
    レフタレート樹脂製光反射体の製造方法。
  4. 【請求項4】 無機フィラー(C) が、タルク、マイカ、
    クレー及びカオリンからなる群より選ばれた1種又は2
    種以上である請求項1〜3の何れか1項記載のポリブチ
    レンテレフタレート樹脂製光反射体の製造方法。
  5. 【請求項5】 ポリカーボネート樹脂(B) の配合量が15
    〜40重量部である請求項1〜4の何れか1項記載のポリ
    ブチレンテレフタレート樹脂製光反射体の製造方法。
  6. 【請求項6】 光反射金属層の形成が、樹脂成形品表面
    にドライメッキ法(PVD法)によって鏡面光沢を有す
    る金属膜を形成することにより行われる請求項1〜5の
    何れか1項記載のポリブチレンテレフタレート樹脂製光
    反射体の製造方法。
  7. 【請求項7】 ドライメッキ法が真空蒸着である請求項
    6記載のポリブチレンテレフタレート樹脂製光反射体の
    製造方法。
  8. 【請求項8】 予め2.5 〜3.5 Paのアルゴンガスを直流
    電流又は高周波によってプラズマ化し、該アルゴンプラ
    ズマに樹脂成形品表面を曝すことによって表面活性化処
    理した後、光反射金属層を形成する請求項6記載のポリ
    ブチレンテレフタレート樹脂製光反射体の製造方法。
  9. 【請求項9】 予め2.5 〜3.5 Paのアルゴンガスを直流
    電流又は高周波によってプラズマ化し、該アルゴンプラ
    ズマに樹脂成形品表面を曝すことによって表面活性化処
    理し、更に酸素、窒素又はそれらの混合気体に曝すこと
    によって表面に官能基を導入した後、光反射金属層を形
    成する請求項6記載のポリブチレンテレフタレート樹脂
    製光反射体の製造方法。
  10. 【請求項10】 予め2.5 〜3.5 Paのアルゴンガスを直
    流電流又は高周波によってプラズマ化し、該アルゴンプ
    ラズマに樹脂成形品表面を曝すことによって表面活性化
    処理し、更に反応性モノマーに曝すことによって表面に
    活性分子層又は親水性ポリマー層を導入した後、光反射
    金属層を形成する請求項6記載のポリブチレンテレフタ
    レート樹脂製光反射体の製造方法。
  11. 【請求項11】 初期真空度を1×10-2Pa以下まで減圧
    した後、蒸発速度0.5 〜5nm/sec で金属を蒸着する請
    求項7〜10の何れか1項記載のポリブチレンテレフタ
    レート樹脂製光反射体の製造方法。
  12. 【請求項12】 光反射金属層を構成する金属がアルミ
    ニウムである請求項1〜11の何れか1項記載のポリブ
    チレンテレフタレート樹脂製光反射体の製造方法。
  13. 【請求項13】請求項1〜12の何れか1項記載の方法
    により、成形品の少なくとも一部に直接光反射金属層が
    形成されたポリブチレンテレフタレート樹脂製光反射
    体。
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