JP3624081B2 - ポリブチレンテレフタレート樹脂製光反射体及びその製造方法 - Google Patents

ポリブチレンテレフタレート樹脂製光反射体及びその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はポリブチレンテレフタレート樹脂製光反射体の製造方法及び該方法により得られた光反射体に関する。さらに詳しくは、成形品の表面光沢が非常に高く、かつガス発生量が少ないため、成形品にアンダーコート等の下塗りをせずに直接光反射金属層を形成することが可能であり、高鏡面性・高輝度感を有するのみならず、金属層との密着性・耐熱性にも優れたポリブチレンテレフタレート樹脂製光反射体の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
光反射体、特に自動車のランプ廻りのエクステンション等の反射体は、ランプ光源の方向性、反射性のために、高い輝度感、平滑性、均一な反射率さらには高耐熱性等が必要である。そのため、従来、反射体には、機械的性質、電気的性質、その他物理的・化学的特性に優れ、かつ加工性が良好である結晶性熱可塑性ポリエステル樹脂、特にポリブチレンテレフタレート樹脂単独またはポリエチレンテレフタレート樹脂との混合物に様々な強化材を添加配合した材料が使用されている。
また光反射金属層を少なくとも壁の一面に付与された反射体が、高い輝度感、均一な反射率を有するには、樹脂成形品の表面が均一、且つ高い光沢を有することが必要とされる。
しかしながら、ポリエステル樹脂に、ガラス繊維、カーボン繊維に代表される繊維状強化剤の添加は、これらの成形表面への浮き出しによる光沢低下が大きく、耐熱性、剛性を維持しつつ高い光沢感を有する材料を得ることは困難である。
これらの問題を解決する方法として、ポリエステル樹脂に非晶性ポリマーや、タルク、マイカ等の微粉末充填剤を添加する方法があげられる。また成形面では、樹脂温度を上げ流動性を向上させる方法、あるいは金型温度を上げ、結晶化速度を遅らせて金型転写性を向上させる方法等が一般的に用いられる。これらの方法により成形品の外観は向上するものの、ガスの付着により成形品表面に曇り(ヘイズ)を引き起こし、高い輝度感および高光沢を有する成形品を得ることは困難である。特に連続的に成形することによりガス付着量は増加し、外観を損なうことになり、改善の必要性が生じている。また樹脂温度、金型温度を上げることによりガス量はさらに多くなり、磨き、拭き取り等の後処理の必要性が生じている。
又、成形品表面の曇りを抑えるため、ポリブチレンテレフタレート樹脂の末端カルボキシル基量を 50meq/kg以下にすると、ドライメッキ法で成形品表面に金属層を形成する場合に成形品表面の官能基が少なく、金属との密着性が悪くなってしまうという問題があった。
一方、それら成形品の肌荒れ、ガス曇りを光反射体表面に出さない方法として、一般的に成形品表面と光反射金属層の間(中間)に塗装コート、ラッカー中間層といったアンダーコート(下塗り)を施す方法がある。この方法により、上記問題はある程度改善されるものの十分とは言えず、又、大幅なコストアップとなる。
故に、アンダーコート(下塗り)を必要とせず、樹脂成形品に直接光反射金属層を形成でき、良好な輝度感、高反射率を有し、且つ優れた密着性を有する光反射体の開発が望まれていた。
【0003】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は上記課題に鑑み、ポリブチレンテレフタレート樹脂成形品の少なくとも一部に直接光反射金属層を形成することができ、得られた光反射体が良好な輝度感等を有する光反射体を提供すべく鋭意検討した。その結果、末端カルボキシル基量が 50meq/kg以下のポリブチレンテレフタレート樹脂に、ポリカーボネート樹脂と特定の無機充填剤を添加した樹脂組成物成形品を使用すること、特にその表面に金属層を形成する際に、予めアルゴンプラズマに樹脂成形品表面を曝すことによる表面活性化処理することによって密着性の良い金属層を形成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、(A) 末端カルボキシル基量が 50meq/kg以下のポリブチレンテレフタレート樹脂 100重量部に対し、(B) ポリカーボネート樹脂10〜80重量部、及び(C) 平均一次粒子径が10μm 以下の無機フィラーを1〜30重量部を配合した樹脂組成物を成形して成形品とし、該成形品の少なくとも一部に直接光反射金属層を形成することを特徴とするポリブチレンテレフタレート樹脂製光反射体の製造方法である。
【0004】
【発明の実施の形態】
以下、順次本発明に用いられる樹脂組成物の構成成分について詳しく説明する。
まず、本発明の樹脂組成物の基体樹脂である(A) ポリブチレンテレフタレート樹脂とは、例えばテレフタル酸またはそのエステル形成誘導体と炭素数4のアルキレングリコールまたはそのエステル形成誘導体を重縮合して得られるポリブチレンテレフタレートのうち、末端カルボキシル基量が 50meq/kg以下となるものである。またポリブチレンテレフタレートは、それ自身70重量%以上を含有する共重合体であってもよい。
共重合されるモノマーとしては、テレフタル酸およびその低級アルコールエステル以外の二塩基酸成分として、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、トリメリット酸、コハク酸等の脂肪族、芳香族多塩基酸またはそのエステル形成性誘導体等が、また、1,4 −ブタンジオール以外のグリコール成分として、通常のアルキレングリコール、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノール等、1,3 −オクタンジオール等の低級アルキレングリコール、ビスフェノールA、4,4’−ジヒドロキシビフェニル等の芳香族アルコール、ビスフェノールAのエチレンオキサイド2モル付加体、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド3モル付加体等のアルキレンオキサイド付加体アルコール、グリセリン、ペンタエリスリトール等のポリヒドロキシ化合物またはそのエステル形成性誘導体等が挙げられる。本発明では、上記の如き化合物をモノマー成分として重縮合により生成するポリブチレンテレフタレートは何れも本発明の(A) 成分として使用することができ、単独で、または2種類以上混合して使用されるが、好ましくはポリブチレンテレフタレートが使用される。また、コポリマーに属する分岐ポリマーも用いることができる。ここでいうポリブチレンテレフタレート分岐ポリマーとは、いわゆるポリブチレンテレフタレートまたはブチレンテレフタレート単量体を主体とし、多官能性化合物を添加することにより分岐形成されたポリエステルである。ここで使用できる多官能性化合物としては、トリメシン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸およびこれらのアルコールエステル、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなどがある。
本発明では、上記モノマーより重縮合されたポリブチレンテレフタレートの粉砕試料をベンジルアルコール中 215℃で10分間溶解後、0.01Nの水酸化ナトリウム水溶液にて滴定し、測定した末端カルボキシル基量が 50meq/kg以下、好ましくは 40meq/kg以下、特に好ましくは 30meq/kg以下のポリブチレンテレフタレートが用いられる。
かかるポリブチレンテレフタレートの末端カルボキシル基量が 50meq/kgを越えては、得られる成形品のヘイズが顕著となり、好ましくない。
【0005】
次に本発明の組成物には、(B) ポリカーボネート樹脂が添加される。
この(B) ポリカーボネート樹脂は、(A) ポリブチレンテレフタレート樹脂に添加配合されることにより、成形品の外観を良好にさせる。特にポリカーボネート樹脂は非晶性であるため、ポリブチレンテレフタレートに添加配合することにより、結晶化速度を下げ、金型転写性を向上させる効果を有する。またポリカーボネート自身の収縮率が小さいことから、成形品のひけ現象を抑制する効果も持つ。以上2点の見地から、良好な光反射外観品を得る上でポリカーボネートの添加は本発明での必須である。
かかる目的で用いられるポリカーボネート樹脂は、溶剤法、即ち、塩化メチレン等の溶剤中で公知の酸受容体、分子量調整剤の存在下、二価フェノールとホスゲンのようなカーボネート前駆体との反応、または二価フェノールとジフェニルカーボネートのようなカーボネート前駆体とのエステル交換反応によって製造することができる。
ここで好適に使用し得る二価フェノールとしてはビスフェノール類があり、特に2,2 −ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、即ちビスフェノールAが好ましい。また、フェノールAの一部または全部を他の二価フェノールで置換したものであってもよい。
ビスフェノールA以外の二価フェノールとしては、例えばハイドロキノン、4,4 −ジヒドロキシジフェニル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)アルカン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロアルカン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホキシド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテルのような化合物、またはビス(3,5 −ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(3,5 −ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパンのようなハロゲン化ビスフェノール類を挙げることができる。
これら二価フェノールは二価フェノールのホモポリマーまたは2種以上のコポリマーであってもよい。さらに本発明で用いるポリカーボネート樹脂は多官能性芳香族を二価フェノール及び/またはカーボネート前駆体と反応させた熱可塑性ランダム分岐ポリカーボネートであってもよい。
本発明に用いるポリカーボネートは、特に高流動のものが好ましい。
また、ポリカーボネート(B) の添加量は、(A) 成分100 重量部に対し10〜80重量部、好ましくは15〜40重量部である。
過小の場合は、転写性不良から本発明の目的とする高光沢、良外観を得ることができず、また過大の場合は、成形サイクルの増加、離型性の悪化等、成形上の問題が生じ好ましくない。
【0006】
次に本発明では、均一な輝度感及び耐熱性を付与する上での必須成分として(C) 平均一次粒子径が10μm 以下の無機フィラーが添加される。ここで使用される無機フィラーは、平均一次粒子径が10μm 以下、好ましくは0.04〜5μm のものであれば特に限定されるものではない。好ましくはタルク、マイカ、クレー、カオリン、ウォラストナイト、ガラスビーズ、ガラスフレーク及び硫化亜鉛からなる群より選ばれた1種又は2種以上であり、特に好ましくはタルク、マイカ、クレー及びカオリンからなる群より選ばれた1種又は2種以上である。
この無機フィラーの添加量は、(A) ポリブチレンテレフタレート 100重量部に対し、1〜30重量部、好ましくは5〜20重量部である。無機フィラーの添加量が1重量部未満では、耐熱性、剛性の面で十分でない。また30重量部を越えると、押出し等の操業性が困難であり、且つ得られた成形品表面が不均一になり、均一な光反射表面が得られにくい。
【0007】
上記したように、(A) 特定のカルボキシル基量のポリブチレンテレフタレートに、(B) ポリカーボネート樹脂を添加配合し、さらに(C) 特定の一次粒子径を有する無機フィラーを添加することにより、得られたポリブチレンテレフタレート樹脂組成物は、ガス付着による表面曇りが少なく、非常に優れた成形品外観を有し、直接光反射金属層が形成されても、輝度感が高く、良好な光反射表面を有するものである。
【0008】
本発明において、光反射体を製造する方法として好ましいのは、光反射金属層の形成が、樹脂成形品表面にドライメッキ法(PVD法)によって鏡面光沢を有する金属膜を形成することにより行われる方法である。また、ドライメッキ法が真空蒸着であることが望ましく、初期真空度を1×10−2Pa以下、好ましくは2×10−3Pa以下まで減圧した後、蒸発速度0.5 〜5nm/sec で金属を蒸着することが特に好ましい。
また、金属膜としてはアルミニウムが好ましい。
更に、高輝度感を有し、良好な光反射表面を得る方法として、予め2.5 〜3.5 Paのアルゴンガスを直流電流又は高周波によってプラズマ化し、該アルゴンプラズマに樹脂成形品表面を曝すことによって表面活性化処理をした後、光反射金属層を形成することが好ましい。更に好ましくは、表面活性化処理後、酸素、窒素又はそれらの混合気体に曝すことによって表面に官能基を導入した後、あるいは反応性モノマーに曝すことによって表面に活性分子層又は親水性ポリマー層を導入した後、光反射金属層を形成する方法であり、かかる方法によれば輝度感が高く良好な光反射表面を有するものが得られる。
【0009】
さらに本発明の組成物には、その目的に応じ所望の特性を付与するために、一般に熱可塑性樹脂等に添加される公知の物質を添加併用することができる。例えば酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤等の安定剤、帯電防止剤、滑剤、離型剤、染料や顔料等の着色剤、可塑剤等いずれも配合することが可能である。特に耐熱性を向上させるための酸化防止剤、および離型剤の添加は効果的である。
その中で、特にリン系化合物の添加は(A) ポリブチレンテレフタレートと(B) ポリカーボネート樹脂のエステル交換反応を抑制する効果が高く、熱安定性を保つ上で添加が好ましい。主に有機ホスファイト系化合物が好適であり、具体例を示すと、ビス(2,6 −ジ−t−4メチルフェニル)ペンタエリスリトールジフォスファイト、ビス(2,4 −ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジフォスファイト、テトラキス(2,4 −ジ−t−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンホスファイトなどが挙げられる。又、リン酸金属塩化合物も好適であり、具体例を示すと、第一リン酸カルシウム、第一リン酸ナトリウムの1水和物が挙げられる。ここで使用するリン系化合物の添加量は(A) ポリブチレンテレフタレート100 重量部に対し0.001 〜2.0 重量部、より好ましくは 0.1〜1.0 重量部である。リン系化合物を添加しないと、上記の通りエステル交換反応により熱安定性が低下し、また添加量が 2.0重量部を越えると添加剤由来のガスの影響が大きくなり、良好な光沢、輝度感を有する成形材料を得ることが困難となる場合がある。
またかかるリン系化合物は、より熱安定性を高める意味で、ヒンダードフェノール類に代表される酸化防止剤との併用が効果的である。
【0010】
本発明の組成物の調製は、従来の樹脂組成物調製法として一般に用いられる設備と方法により容易に調製される。例えば、(1) 本発明の組成物を構成する成分を所定量一括混合して、一軸または二軸の押出し機で溶融混練し、目的組成のペレットを得る。(2) 原材料投入口を2個以上有する一軸または二軸の押出し機で、第一番目の投入口から樹脂、安定剤、顔料成分などを投入し溶融混練した後、第二番目の原料投入口より無機フィラーを投入し、溶融混練して目的組成のペレットを得る、などである。
樹脂を金型に充填するための成形法としては、射出成形法、射出圧縮成形法などがあるが、射出成形法が一般的である。
【0011】
【実施例】
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、以下の例に示した評価項目の測定法は以下の通りである。
(1) 光反射表面の外観
下記成形品(平板)を用い、実施例・比較例に示す条件にてアルミニウム蒸着を施した。かかる光反射体の光反射表面外観の状態を目視にて観察し、下記点数をつけた。
1;高い輝度感を有し、蛍光灯が歪みなく明瞭に映る。
2;高い輝度感を有し、蛍光灯は歪みなく映るが、ガスによる若干の曇りあり。
3;ガスによる曇りが多少見られ、蛍光灯は歪みなく映るものの多少ぼやける。
4;表面が均一でなく、蛍光灯が多少歪んで映る。また、ガスによる曇りも見られる。
5;表面が荒れており、蛍光灯が波打って映る。また、ガスにより白く見られる。
更に、上記光反射体を、140 ℃/24時間熱放置した後に、同様に光反射外観の状態を目視にて観察し、同様に点数をつけた。
(成形条件)
光反射体は、下記条件で成形した平板(80mm×80mm×3mm厚さ)を用いて、下記の蒸着条件により蒸着を実施して得たものである。
成形機 :住友重機械工業(株)、150t
Figure 0003624081
蒸着条件▲1▼:3.0 Paのアルゴンガスを500Vの直流電流でプラズマ化し、5分間成形品を処理をした後、蒸着装置内を1.0 ×10−2Paまで減圧し、1.0 nm/sec の速度でアルミニウムを100 nmの膜厚まで蒸着した。
蒸着条件▲2▼:アルゴンガス処理を実施しない以外は、条件▲1▼と同様の条件で蒸着した。
(2) 表面平滑性
上記条件で成形した平板(80mm×80mm×3mm厚さ/一部切削)を用いて、表面粗度計((株)東京精密製、サーフコム554A)を使用し、十点平均粗さ(μm )及び最大高さ(μm )を測定した。
(3) 曲げ弾性率
ASTM D−790に準じて測定した。
【0012】
実施例1
末端カルボキシル基量が 30meq/kgのポリブチレンテレフタレート樹脂 100重量部に対し、ポリカーボネート樹脂を20重量部添加し、さらに平均一次粒子径2〜3μm のタルク(C−1) を15重量部及びビス(2,6 −ジ−t−4メチルフェニル)ペンタエリスリトールジフォスファイトを0.2 重量部添加することによって得られた樹脂組成物を使用し、上記の如く成形品及び蒸着条件▲1▼により光反射体を製造し、評価した。
実施例2〜3
上記実施例1において、平均一次粒子径7μm のタルク(C−2) 及び平均一次粒子径1.5 μm のカオリン(C−3) を使用した以外は、実施例1と同様に評価した。
実施例4
上記実施例1のタルク(C−1) の添加量を25重量部とした以外は、実施例1と同様に評価した。
実施例5、6
上記実施例1、3において、蒸着条件▲2▼により蒸着を実施した以外は、実施例1と同様に評価した。
実施例7
上記実施例1において、末端カルボキシル基量が 15meq/kgのポリブチレンテレフタレート樹脂を使用した以外は、実施例1と同様に評価した。
実施例8
上記実施例1において、ポリカーボネート樹脂の添加量を40重量部とした以外は、実施例1と同様に評価した。これらの結果を表1に示す。
【0013】
比較例1〜2
上記実施例1に対し、平均一次粒子径40μm のタルク(C’−1)を使用した以外は、実施例1と同様に評価した(比較例1;蒸着条件▲1▼、比較例2;蒸着条件▲2▼)。
比較例3
上記実施例1において、末端カルボキシル基量が 60meq/kgのポリブチレンテレフタレート樹脂を使用した以外は、実施例1と同様に評価した。
比較例4〜6
上記実施例1に対し、ポリカーボネート樹脂の未添加の場合を比較例4、無機フィラー未添加の場合を比較例5、タルク(C−1) を40重量部添加した場合を比較例6として示した。これらの結果を表2に示す。
【0014】
【表1】
Figure 0003624081
【0015】
【表2】
Figure 0003624081
【0016】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明により得られるポリブチレンテレフタレート樹脂製光反射体は、末端カルボキシル基量が 50meq/kg以下のポリブチレンテレフタレートに、ポリカーボネート樹脂をブレンドし、さらに平均一次粒子径が10μm 以下の無機フィラーを添加して得られる成形品の少なく一部に、直接光反射金属層を形成することにより、非常に高い輝度感を有し、且つ連続成形および高温下に曝しても曇りによる輝度感低下が少なく、また耐熱性、機械的強度、成形性にも優れる。
かかる光反射体は、特に高い反射性を必要とする自動車ランプのリフレクターおよびエクステンション等に好適に用いられる。

Claims (11)

  1. (A) 末端カルボキシル基量が 50meq/kg以下のポリブチレンテレフタレート樹脂 100重量部に対し、(B) ポリカーボネート樹脂10〜80重量部、及び(C) 平均一次粒子径が10μm 以下の無機フィラーを1〜30重量部を配合した樹脂組成物を成形して成形品とし、該成形品の少なくとも一部に真空蒸着によって鏡面光沢を有する金属膜を形成することにより直接光反射金属層を形成することを特徴とするポリブチレンテレフタレート樹脂製光反射体の製造方法。
  2. ポリブチレンテレフタレート樹脂(A) の末端カルボキシル基量が 40meq/kg以下である請求項1記載のポリブチレンテレフタレート樹脂製光反射体の製造方法。
  3. 無機フィラー(C) の平均一次粒子径が0.04〜5μm である請求項1又は2記載のポリブチレンテレフタレート樹脂製光反射体の製造方法。
  4. 無機フィラー(C) が、タルク、マイカ、クレー及びカオリンからなる群より選ばれた1種又は2種以上である請求項1〜3の何れか1項記載のポリブチレンテレフタレート樹脂製光反射体の製造方法。
  5. ポリカーボネート樹脂(B) の配合量が15〜40重量部である請求項1〜4の何れか1項記載のポリブチレンテレフタレート樹脂製光反射体の製造方法。
  6. 予め 2.5 3.5 Pa のアルゴンガスを直流電流又は高周波によってプラズマ化し、該アルゴンプラズマに樹脂成形品表面を曝すことによって表面活性化処理した後、光反射金属層を形成する請求項1〜5の何れか1項記載のポリブチレンテレフタレート樹脂製光反射体の製造方法。
  7. 予め 2.5 3.5 Pa のアルゴンガスを直流電流又は高周波によってプラズマ化し、該アルゴンプラズマに樹脂成形品表面を曝すことによって表面活性化処理し、更に酸素、窒素又はそれらの混合気体に曝すことによって表面に官能基を導入した後、光反射金属層を形成する請求項1〜5の何れか1項記載のポリブチレンテレフタレート樹脂製光反射体の製造方法。
  8. 予め 2.5 3.5 Pa のアルゴンガスを直流電流又は高周波によってプラズマ化し、該アルゴンプラズマに樹脂成形品表面を曝すことによって表面活性化処理し、更に反応性モノマーに曝すことによって表面に活性分子層又は親水性ポリマー層を導入した後、光反射金属層を形成する請求項1〜5の何れか1項記載のポリブチレンテレフタレート樹脂製光反射体の製造方法。
  9. 初期真空度を1× 10 -2 Pa 以下まで減圧した後、蒸発速度 0.5 〜5 nm sec で金属を蒸着する請求項1〜8の何れか1項記載のポリブチレンテレフタレート樹脂製光反射体の製造方法。
  10. 光反射金属層を構成する金属がアルミニウムである請求項1〜9の何れか1項記載のポリブチレンテレフタレート樹脂製光反射体の製造方法。
  11. 請求項1〜10の何れか1項記載の方法により、成形品の少なくとも一部に直接光反射金属層が形成されたポリブチレンテレフタレート樹脂製光反射体。
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