JPH11101281A - ディスクブレーキ - Google Patents

ディスクブレーキ

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JPH11101281A
JPH11101281A JP28148397A JP28148397A JPH11101281A JP H11101281 A JPH11101281 A JP H11101281A JP 28148397 A JP28148397 A JP 28148397A JP 28148397 A JP28148397 A JP 28148397A JP H11101281 A JPH11101281 A JP H11101281A
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piston
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disk
locking claw
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 切欠部を有するシム板全体の剛性を高めるこ
とができると共に、ブレーキの引き摺り等の発生を抑え
られるようにする。 【解決手段】 インナ側の摩擦パッド8の裏金10には
シム板21を設け、このシム板21の端部のうちディス
ク1の径方向外側寄りに位置する端部には、摩擦パッド
8の厚さ方向に向けて折曲げられた折曲げ爪23を一体
形成する。そして、折曲げ爪23は、先端側が裏金10
の周壁部に締代をもって係止する係止爪部24と、裏金
10の周壁部に対し非接触の状態で係止爪部24に一体
化された折曲げ部25とから構成する。また、係止爪部
24をピストン7が当接するシム板21の当接部位21
A,21Bから離れた位置に配設し、折曲げ部25を当
接部位21A,21Bと対応した位置に配設するように
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば車両等に制
動力を与えるのに好適に用いられるディスクブレーキに
関する。
【0002】
【従来の技術】図8ないし図11に従来技術によるディ
スクブレーキを示す。
【0003】図中、1は自動車の車輪と共に回転するデ
ィスク、2は該ディスク1のインナ側となる位置で車両
の非回転部分に一体的に取付けられる取付部材を示し、
該取付部材2は、ディスク1の周方向に離間して、該デ
ィスク1の外周を跨ぐように軸方向に伸長した一対の腕
部3,3と、該各腕部3の基端側を連結する連結部4と
から一体形成されている。また、各腕部3の基端側(イ
ンナ側)および先端側(アウタ側)に位置する内周面に
は、後述の各摩擦パッド8をディスク1の軸方向へ摺動
可能に案内する断面略凹形状のパッドガイド部3A,3
Aが形成されている。
【0004】5は取付部材2に摺動可能に支持されたキ
ャリパを示し、該キャリパ5は、図8および図9に示す
如く、ディスク1のインナ側に配設され、内部にシリン
ダボア5A1 が形成されたインナ脚部5Aと、該インナ
脚部5Aからディスク1のアウタ側へと延設されたブリ
ッジ部5Bと、該ブリッジ部5Bの先端側に一体形成さ
れ、ディスク1のアウタ側に配設されたアウタ脚部5C
と、インナ脚部5Aの両端から図8中の左,右にそれぞ
れ突設された一対の取付部5D,5Dとから構成されて
いる。
【0005】また、各取付部5Dには、ボルト6,6等
を介して一対の摺動ピン(図示せず)が一体的に取付け
られ、キャリパ5は、前記各摺動ピンを介してディスク
1の軸方向に摺動変位可能な状態で取付部材2に取付け
られている。
【0006】7は各摩擦パッド8をディスク1に押圧す
るためのピストンで、該ピストン7は、図9に示す如く
有底筒状に形成され、キャリパ5のシリンダボア5A1
内に摺動可能に挿嵌されている。また、ピストン7は、
シリンダボア5A1 内から突出した開口端側が環状の押
圧部7Aとなり、該押圧部7Aは、図10中に二点鎖線
で示すように、後述するインナ側の摩擦パッド8に設け
たシム板11を押圧するものである。そして、ピストン
7は、外部から前記シリンダボア5A1 内にブレーキ液
圧が供給されることにより該シリンダボア5A1 内を摺
動し、各摩擦パッド8をディスク1に押圧する構成とな
っている。
【0007】8,8はディスク1の両面に配設されるイ
ンナ側およびアウタ側の摩擦パッドを示し、該各摩擦パ
ッド8は、図8ないし図11に示す如く、ディスク1の
周方向に延びる横長の略扇形状に形成され、ブレーキ操
作時にディスク1と摩擦接触するライニング9と、該ラ
イニング9の裏面側に重なるように固着され、両端側に
凸形状の耳部10A,10Aが突設された裏金10とか
ら構成されている。そして、各摩擦パッド8は、裏金1
0の各耳部10Aが各腕部3のパッドガイド部3A内に
摺動可能に挿嵌され、ブレーキ操作時にはピストン7に
よってディスク1の両面に押圧される。
【0008】11はピストン7との間に位置して摩擦パ
ッド8に設けられたインナ側のシム板を示し、該シム板
11は、図9ないし図11に示す如く硬質の金属板によ
って形成され、裏金10の裏面側に沿ってディスク1の
周方向に延びている。
【0009】また、シム板11の端部のうちディスク1
の径方向外側寄りの端部には、一対の係止爪部11A,
11Aが一体形成され、径方向内側寄りの端部には一対
の他の係止爪部11B,11Bが一体形成されている。
そして、各係止爪部11A,11Bは、シム板11の端
部から摩擦パッド8の厚さ方向に屈曲して延び、その先
端側が裏金10の周壁部に締代をもって係止することに
より、シム板11を裏金10に対して位置決めし固定し
ている。
【0010】さらに、シム板11は、図10中に一点鎖
線で示すように、ディスク1の回転方向Aに対し入口側
寄りの位置でピストン7の押圧部7Aが当接する部位が
入口側の当接部位11Cとなり、回転方向Aに対し出口
側寄りの位置で押圧部7Aが当接する部位が出口側の当
接部位11Dとなっている。なお、係止爪部11A,1
1Bは、図11に示すようにシム板11の端部から屈曲
した基端側が曲げ代部11A1 等(一方のみ図示)とな
っている。
【0011】12は当接部位11C側に位置してシム板
11に形成された切欠き部で、該切欠き部12は、図1
0に示す如く、例えばディスク1の回転方向Aに対して
入口側寄りとなる位置に配設され、ピストン7の押圧部
7Aに沿って略円弧状に延びている。そして、切欠き部
12は、ピストン7の押圧部7Aとシム板11との間に
部分的な隙間を介在させることにより、シム板11に対
するピストン7の接触面積を当接部位11D側よりも当
接部位11C側で減らし、摩擦パッド8に作用するピス
トン7からの面圧を当接部位11Cと11D側とで調整
する構成になっている。
【0012】13はキャリパ5のアウタ脚部5Cとの間
に位置して摩擦パッド8に設けられたアウタ側のシム板
を示し、該シム板13は、各係止爪部13A(1個のみ
図示)を有し、インナ側のシム板11とほぼ同様に構成
されるものである。
【0013】従来技術によるディスクブレーキは上述の
如き構成を有するもので、次にその作動について説明す
る。
【0014】まず、運転者がブレーキ操作を行うと、ピ
ストン7が外部からの液圧供給によりキャリパ5のイン
ナ脚部5A内でディスク1側に摺動し、その押圧部7A
がシム板11を介してインナ側の摩擦パッド8をディス
ク1に押圧する。そして、キャリパ5はピストン7から
の反力によりディスク1のインナ側に向けて摺動変位
し、そのアウタ脚部5Cがアウタ側の摩擦パッド8をデ
ィスク1に押圧する。この結果、ディスク1は各摩擦パ
ッド8により両面側から制動力を与えられる。
【0015】一方、ブレーキ操作を解除したときには、
ピストン7への液圧供給が停止されることにより、該ピ
ストン7がキャリパ5のシリンダボア5A1 内へと後退
し、これに追従してキャリパ5が取付部材2に対し摺動
変位することにより、各摩擦パッド8をディスク1から
離間させる。
【0016】ところで、従来技術のディスクブレーキで
は、車両を夜間等に長時間放置した場合、摩擦パッド8
が夜露、朝露等による水分を吸収し、ディスク1に対す
る摩擦パッド8の摩擦抵抗が変化する。そして、この状
態で翌朝等に車両を運転するときに、ブレーキ操作を行
うと、ブレーキ鳴きいわゆる朝鳴き(以下、朝鳴きとい
う)等の金属音(スキール音)が発生し易くなる。
【0017】そこで、このような金属音対策のために、
従来技術では、インナ側のシム板11に切欠き部12を
設け、シム板11に作用するピストン7からの面圧分布
を調整し、朝鳴き等の異音の発生を低減させるようにし
ている。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した従
来技術では、ピストン7が当接するシム板11の当接部
位11C,11Dのうち当接部位11C側に切欠き部1
2を設ける構成としているため、シム板11の当接部位
11D側は当接部位11D側よりも剛性が低下してい
る。
【0019】しかも、従来技術にあっては、キャリパ5
のインナ脚部5Aとアウタ脚部5Cとがディスク1を挟
んで対向するように配設されているため、ブレーキ操作
によって、各摩擦パッド8をディスク1の両面に押圧す
るときに、キャリパ5はブレーキ反力を受け、インナ脚
部5Aとアウタ脚部5Cとがブリッジ部5Bに対して図
9中の矢示B,B′方向へとディスク1から拡開するよ
うに弾性変形する傾向にある。
【0020】これによって、各摩擦パッド8は、インナ
脚部5Aおよびアウタ脚部5Cが拡開した分だけディス
ク1に対し斜めに傾くようになり、この状態で各摩擦パ
ッド8がピストン7によりディスク1に押付けられる
と、インナ側の摩擦パッド8(シム板11)はディスク
1の径方向内側よりも外側の部位がピストン7から大き
な面圧を受ける。
【0021】この結果、ブレーキ操作を繰返すうちにイ
ンナ側のシム板11には、ディスク1の径方向外側寄り
に位置する当接部位11C側に亀裂等の損傷が発生し易
くなり、シム板11の耐久性が低下するという問題があ
る。
【0022】この場合、図10に示すように各係止爪部
11Aを当接部位11C,11Dと対応した位置にそれ
ぞれ配設し、これらの各係止爪部11Aを当接部位11
C,11Dに対する補強部として機能させることによ
り、シム板11の当接部位11C,11Dにおける剛性
を高めることは可能となる。
【0023】しかし、これらの各係止爪部11Aは摩擦
パッド8の裏金10に対し締代をもって弾性的に係合し
ているため、図11に示すようにシム板11は係止爪部
11Aの曲げ代部11A1 側が摩擦パッド8の裏金10
から浮き上がるように離れてしまい、この曲げ代部11
A1 が寸法L分だけ摩擦パッド8の裏金10からせり出
すことがある。
【0024】そして、ブレーキ操作の解除時にはシム板
11がピストン7に当接したままの状態で、せり出しに
よる寸法L分だけ摩擦パッド8がディスク1側に余分に
押され、ディスク1と摩擦パッド8との間のパッドクリ
アランスを確保するのが難しくなり、引き摺りトルクに
よる燃費の低下の原因になるばかりか、ジャダー等の発
生原因にもなるという問題がある。
【0025】本発明は上述した従来技術の問題に鑑みな
されたもので、本発明は、シム板に切欠き部を設けて面
圧調整を有効に行うことができ、「朝鳴き」等の異音の
発生を抑制できると共に、シム板の剛性を高め、耐久性
や寿命等を延ばすことができ、しかも、ブレーキの引き
摺り等の発生を抑えることができるようにしたディスク
ブレーキを提供することを目的としている。
【0026】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ために本発明は、キャリパと、該キャリパに摺動可能に
設けられるピストンと、該ピストンによりディスクに押
圧される摩擦パッドと、前記ピストンとの間に位置して
該摩擦パッドの裏面側に設けられ、前記ピストンとの当
接部位に部分的に切欠き部が形成されたシム板とからな
るディスクブレーキに適用される。
【0027】そして、請求項1の発明が採用する構成の
特徴は、前記シム板の端部のうち、少なくとも前記ディ
スクの径方向外側寄りに位置する端部には、前記ピスト
ンとの当接部位から離れた位置に形成され、先端側が前
記摩擦パッドに締代をもって係止される係止爪部と、前
記切欠き部寄りの前記当接部位に対応した位置で前記シ
ム板の強度を高めるため該シム板の端部に形成された折
曲げ部とを設けたことにある。
【0028】上記構成により、シム板にはピストンとの
当接部位から離れた位置に係止爪部形成しているから、
従来技術で述べたように係止爪部の基端側がピストン側
へとせり出したとしても、この係止爪部のせりだし部位
がピストンに直接接触するのを避けることができ、これ
により、ディスクと摩擦パッドとの間のパッドクリアラ
ンスを確保できる。
【0029】そして、シム板の端部には前記切欠き部寄
りの当接部位と対応した位置に折曲げ部を設けているか
ら、この折曲げ部を当接部位に対する補強部として機能
させることができ、ブレーキ操作時にシム板の切欠き部
寄りの当接部位がピストンからの押圧力により撓むよう
に変形するのを折曲げ部により抑え、シム板の強度を高
めることができる。
【0030】また、請求項2の発明では、前記係止爪部
と折曲げ部とを前記ディスクの周方向で互いに一体化す
る構成としている。
【0031】これにより、係止爪部を折曲げ部と共にシ
ム板の当接部位に対する補強部として活用することがで
き、シム板の強度をさらに高めることができる。
【0032】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態による
ディスクブレーキを添付図面に従って詳細に説明する。
なお、実施の形態では従来技術と同一の構成要素に同一
の符号を付し、その説明を省略するものとする。
【0033】ここで、図1ないし図5は本発明による第
1の実施の形態を示している。図中、21は本実施の形
態のディスクブレーキに用いるインナ側のシム板を示
し、該シム板21は、前述した従来技術によるシム板1
3とほぼ同様に構成され、その端部には後述の各折曲げ
爪23(係止爪部24、折曲げ部25)および各係止爪
部27が設けられている。
【0034】また、シム板21は、図1中に一点鎖線で
示す如く、ディスク1の回転方向Aに対し入口側寄りの
位置でピストン7の押圧部7Aが当接する部位が入口側
の当接部位21Aとなり、回転方向Aに対し出口側寄り
の位置で押圧部7Aが当接する部位が出口側の当接部位
21Bとなっている。さらに、シム板21には、図1お
よび図3に示すように、ディスク1の回転方向Aに対し
て入口側寄りとなる位置に前述した従来技術による切欠
き部12と同様の切欠き部22が形成されている。
【0035】23,23は前述した従来技術によるシム
板11の各係止爪部11Aに替えてシム板21に設けら
れた折曲げ爪を示し、該折曲げ爪23は、後述する係止
爪部24と、該係止爪部24に一体化された折曲げ部2
5とから構成されている。
【0036】24,24はシム板21の端部のうちディ
スク1の径方向外側寄りに位置する端部に設けられた係
止爪部を示し、該各係止爪部24は、前述した従来技術
によるシム板11の各係止爪部11Aとほぼ同様に構成
され、シム板21の端部から摩擦パッド8の厚さ方向に
向けて折曲げられている。そして、係止爪部24は、シ
ム板21から折曲げられた基端側が曲げ代部24Aとな
り、先端側は裏金10の周壁部に締代をもって係止され
ている。
【0037】しかし、各係止爪部24は、曲げ代部24
Aが当接部位21A,21Bからディスク1の周方向外
側へと離れた位置でシム板21の端部に一体形成されて
いる点で、従来技術のものとは異なっている。これによ
り、各係止爪部24は、その曲げ代部24Aがピストン
7の押圧部7Aに直接当接することはなく、押圧部7A
に対しては常に非接触状態に保持される。
【0038】25,25は各折曲げ爪23の係止爪部2
4間に位置してシム板21の端部に形成された折曲げ部
を示し、該各折曲げ部25は、図1および図2に示す如
く前述した従来技術による係止爪部11A(シム板1
1)と同様に、各当接部位21A,21Bと対応した位
置でシム板21の端部のうちディスク1の径方向外側寄
りの端部に一体形成されている。また、各折曲げ部25
のうちディスク1の回転方向Aに対して入口側に位置し
た折曲げ部25は、切欠き部22側寄りに配設されるも
のである。
【0039】そして、折曲げ部25は、係止爪部24と
共に摩擦パッド8(裏金10)の厚さ方向に折曲げられ
ると共に、この各係止爪部24に対してディスク1の回
転方向(周方向)で一体化されている。また、この折曲
げ部25は、シム板21から折曲げられた基端側が曲げ
代部25Aとなっている。
【0040】ここで、折曲げ部25は、図2に示す如く
裏金10の厚さ方向に向けた折曲げ長さが係止爪部24
よりも短尺に形成され、係止爪部24との間が略L字状
に切欠かれた切取り部26となっている。これにより、
折曲げ部25は、図5に示すように裏金10の周壁部か
ら一定の隙間Sをおいて離れた位置に配設されるように
なる。
【0041】そして、折曲げ部25は、前述したように
当接部位21A,21Bと対応した位置に配設されるこ
とにより、ピストン7がシム板21を押圧するときに生
じる当接部位21A,21B側での撓み変形を抑える補
強部として機能し、該当接部位21A,21Bの強度
(剛性)を高める構成になっている。
【0042】27,27はシム板21の端部のうちディ
スク1の径方向内側寄りに位置する端部に設けられた他
の係止爪部を示し、該各係止爪部27は、前述した従来
技術によるシム板11の係止爪部11Bと同様に構成さ
れ、各係止爪部24と共に当接部位21A,21Bから
ディスク1の周方向外側へと離れた位置に配設されてい
る。
【0043】本実施の形態によるディスクブレーキは上
述の如き構成を有するもので、その基本的作動について
は従来技術によるものと格別差異はない。
【0044】然るに、本実施の形態では、シム板21の
端部のうちディスク1の径方向外側寄りに位置した端部
には、当接部位21A(切欠き部22)に対応した位置
で折曲げ爪23の折曲げ部25を一体形成し、該折曲げ
部25を摩擦パッド8の厚さ方向に向けて折曲げる構成
としたから、従来技術で述べたようにブレーキ操作時
に、ピストン7からの押圧力がシム板21の当接部位2
1Aに作用し、この当接部位21Aがピストン7と裏金
10との間で撓むように弾性変形しようとすると、折曲
げ部25がこの当接部位21Aの変形を抑える補強部と
して機能するようになり、これによって、該当接部位2
1Aの剛性を高めることができる。
【0045】また、当接部位21B側に位置したシム板
21の端部についても、折曲げ爪23の折曲げ部25を
一体形成したから、ピストン7からの押圧力がシム板2
1の当接部位21Bに作用したときには、この当接部位
21Bの変形を当接部位21Aの場合と同様に抑えるこ
とができ、該当接部位21Bの剛性を高めることができ
る。
【0046】しかも、シム板21に設けた各係止爪部2
4を各折曲げ部25に一体化する構成としたから、各係
止爪部24を含めた各折曲げ爪23全体をシム板21の
当接部位21A,21Bに対する補強部として活用で
き、これによって、シム板21全体の剛性をさらに高め
ることができる。
【0047】さらに、各折曲げ爪23の各係止爪部24
を、各係止爪部27と共にピストン7が当接されるシム
板21の当接部位21A,21Bから離れた位置に配設
し、この状態で係止爪部24を裏金10の周壁部に締代
をもって係止させる構成としたから、例え従来技術で述
べたようにシム板21のうち、係止爪部24の曲げ代部
24Aが裏金10からピストン7側へとせり出したとし
ても、この曲げ代部24Aがピストン7に直接接触する
のを避けることができ、これによって、ディスク1と摩
擦パッド8との間のパッドクリアランスを確保すること
ができる。
【0048】また、折曲げ爪23の折曲げ部25は、当
接部位21A,21Bに対応した位置でシム板21の端
部に一体形成している。そして、折曲げ部25を裏金1
0の周壁部に対し非接触の状態でシム板21の端部に取
付ける構成としたから、折曲げ部25と裏金10との間
に隙間Sを形成でき、折曲げ部25の曲げ代部25Aが
係止爪部24と共に裏金10から浮き上がって離れてし
まうような事態を確実に回避できる。
【0049】これによって、各折曲げ部25と一体とな
ったシム板21の当接部位21A,21Bを裏金10に
密着させた状態で取付けることができ、該当接部位21
A,21B全体の平坦度を向上でき、ディスク1と摩擦
パッド8との間のクリアランスが損失するのを確実に防
止できる。
【0050】従って、本実施の形態によれば、切欠き部
22を有するインナ側のシム板21の強度を各係止爪部
24および各折曲げ部25からなる各折曲げ爪23によ
り高めることができ、例えば当接部位21A側に亀裂等
の損傷が生じるのを防止でき、シム板21の強度を高め
て耐久性を向上することができる。
【0051】また、ブレーキ解除時には、各摩擦パッド
8をディスク1から確実に離間させることができ、ディ
スク1と摩擦パッド8との間で生じる引き摺りトルクを
低減でき、燃費の向上を図ることができる。
【0052】さらに、係止爪部24と折曲げ部25とを
シム板21の端部に別々に設ける必要がなくなり、係止
爪部24と折曲げ部25とを一体物として容易に加工す
ることができ、加工時の作業性等を向上することができ
る。
【0053】さらにまた、ブレーキ操作時には、インナ
側の摩擦パッド8(シム板21)に作用するピストン7
からの面圧を、切欠き部22により適切に調整すること
ができ、「朝鳴き」等の金属音が発生するのを防止で
き、快適な走行を行うことができる。
【0054】次に、図6および図7は本発明による第2
の実施の形態を示し、本実施の形態では、前記第1の実
施の形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説
明を省略するものとする。しかし、本実施の形態の特徴
は、前記第1の実施の形態で述べた各折曲げ爪23に替
えて、シム板31の端部に各係止爪部32と各折曲げ部
33とを互いに離間させて形成したことにある。
【0055】ここで、前記シム板31は、前記第1の実
施の形態で述べたシム板21とほぼ同様に構成され、切
欠き部22および係止爪部27等を有している。また、
シム板31は、ピストン7が当接する部位が当接部位3
1A,31Bとなっている。
【0056】また、前記各係止爪部32は、前記第1の
実施の形態による折曲げ爪23の係止爪部24とほぼ同
様に構成され、その曲げ代部32Aが当接部位31A,
31Bから離れた位置でシム板31の端部のうちディス
ク1の径方向外側寄りの端部に一体形成されている。そ
して、係止爪部32の先端側は裏金10の周壁部に締代
をもって係止されている。
【0057】しかし、係止爪部32には、図6および図
7に示すように折曲げ部33との間に切込み部34が形
成され、該切込み部34は、係止爪部32と折曲げ部3
3とをディスク1の周方向で互いに分離する構成になっ
ている。
【0058】さらに、前記各折曲げ部33は、前記第1
の実施の形態による折曲げ爪23の折曲げ部25とほぼ
同様に構成され、その曲げ代部33Aが当接部位31
A,31Bと対応した位置でシム板31の端部のうちデ
ィスク1の径方向外側寄りの端部に一体形成されてい
る。また、各折曲げ部33のうちディスク1の回転方向
Aに対して入口側に位置した折曲げ部33は、切欠き部
22側寄りに配設されるものである。
【0059】そして、折曲げ部33は切込み部34によ
り係止爪部32から分離されているため、係止爪部32
が摩擦パッド8に対する締代により弾性的に変形して
も、この変形の影響を折曲げ部33が受けることはな
い。
【0060】かくして、このように構成される本実施の
形態でも、前記第1の実施の形態とほぼ同様の作用効果
を得ることができる。
【0061】なお、前記各実施の形態では、切欠き部2
2をディスク1の回転方向Aに対して入口側寄りとなる
位置でシム板21(31)に設ける構成として述べた
が、これに替えて、切欠き部22を例えばディスク1の
回転方向Aに対して出口側寄りとなる位置に設ける構成
としてもよい。
【0062】また、前記各実施の形態では、ディスクブ
レーキを自動車に適用するものとして述べたが、本発明
はこれに限らず、例えば二輪車等の車両に適用してもよ
い。
【0063】
【発明の効果】以上詳述した通り、請求項1に記載の発
明によれば、摩擦パッドに設けたシム板のうちピストン
との当接部位には部分的に切欠き部を形成し、シム板の
端部のうち、少なくともディスクの径方向外側寄りに位
置する端部には、シム板の強度を高めるための折曲げ部
を切欠き部寄りの当接部位に対応した位置に設ける構成
としたから、ブレーキ制動時には、シム板の当接部位が
ピストンからの面圧により撓むように変形するのを折曲
げ部により抑えることができ、これによって、シム板の
当接部位に切欠き部側の位置で亀裂等の損傷が生じるの
を防止でき、該シム板の強度を高め、耐久性や寿命を向
上することができる。
【0064】また、シム板の端部のうち、少なくともデ
ィスクの径方向外側寄りに位置する端部には、摩擦パッ
ドに締代をもって係止する係止爪部を当接部位から離れ
た位置に設ける構成としたから、従来技術で述べたよう
に係止爪部の基端側が摩擦パッドからピストン側へとせ
り出すように変形しても、このせり出した部分がピスト
ンに直接接触することはなく、これによって、摩擦パッ
ドとディスクとの間にパッドクリアランスを確保でき、
両者間で生じる引き摺りトルクを低減でき、燃費の向上
を図ることができる。
【0065】さらに、請求項2の発明では、係止爪部と
折曲げ部とをディスクの周方向で互いに一体化する構成
としたから、折曲げ部を係止爪部により補強することが
でき、ブレーキ操作時には、シム板の当接部位がピスト
ンからの面圧により撓むように変形するのを折曲げ部と
共に係止爪部によっても抑えることができ、シム板の剛
性をさらに高めることができる。また、折曲げ部と係止
爪部とをシム板の端部に別々に設ける必要がなくなり、
両者を一体物として容易に加工することができ、加工時
の作業性等を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態によるディスクブレ
ーキのシム板を摩擦パッドに組付けた状態を示す正面図
である。
【図2】図2中のシム板および摩擦パッドを示す側面図
である。
【図3】図1中の矢示 III−III 方向からみた拡大断面
図である。
【図4】図1中の矢示IV−IV方向からみた拡大断面図で
ある。
【図5】図1中の矢示V−V方向からみた拡大断面図で
ある。
【図6】本発明の第2の実施の形態によるディスクブレ
ーキのシム板を摩擦パッドに組付けけた状態を示す正面
図である。
【図7】図7中のシム板および摩擦パッドを示す側面図
である。
【図8】従来技術によるディスクブレーキを示す正面図
である。
【図9】図8中の矢示IX−IX方向からみた拡大断面図で
ある。
【図10】図9中のシム板および摩擦パッドを単体で示
す正面図である。
【図11】図11中の矢示XI−XI方向からみだ拡大断面
図である。
【符号の説明】
1 ディスク 5 キャリパ 7 ピストン 8 摩擦パッド 21,31 シム板 21A,21B,31A,31B 当接部位 22 切欠き部 23 折曲げ爪 24,27,32 係止爪部 25,33 折曲げ部

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 キャリパと、該キャリパに摺動可能に設
    けられるピストンと、該ピストンによりディスクに押圧
    される摩擦パッドと、前記ピストンとの間に位置して該
    摩擦パッドの裏面側に設けられ、前記ピストンとの当接
    部位に部分的に切欠き部が形成されたシム板とからなる
    ディスクブレーキにおいて、 前記シム板の端部のうち、少なくとも前記ディスクの径
    方向外側寄りに位置する端部には、前記ピストンとの当
    接部位から離れた位置に形成され、先端側が前記摩擦パ
    ッドに締代をもって係止される係止爪部と、前記切欠き
    部寄りの前記当接部位に対応した位置で前記シム板の強
    度を高めるため該シム板の端部に形成された折曲げ部と
    を設けたことを特徴とするディスクブレーキ。
  2. 【請求項2】 前記係止爪部と折曲げ部とを前記ディス
    クの周方向で互いに一体化してなる請求項1に記載のデ
    ィスクブレーキ。
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