JP2006097867A - ディスクブレーキ - Google Patents

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Abstract

【課題】 シム板の当接板部と連結部とにわたって切欠き部を設けることにより、切欠き部の機能を維持しつつ、シム板の剛性を高める。
【解決手段】 摩擦パッド5の裏面にはシム板8を設け、その爪部10〜13を裏金7の端面7A,7Bに係止する。また、シム板8には、当接板部9の径方向内側で裏金7の端面7Aに向けて折曲げられる連結部14を形成し、当接板部9と連結部14の一部には、摩擦パッド5に対するピストン4の面圧を調整する切欠き部15を設ける。これにより、切欠き部15の機能を妨げることなく、連結部14によって当接板部9の剛性を高めることができ、切欠き部15を形成した状態でも、当接板部9の反り等を防止してシム板8の取付状態を安定させることができる。
【選択図】 図3

Description

本発明は、例えば車両等に制動力を与えるのに好適に用いられるディスクブレーキに関する。
一般に、ディスクブレーキは、車輪と共に回転するディスクに摩擦パッドを押圧し、これによって制動力を発生するものであり、例えば自動車等の車両に用いられている(例えば、特許文献1参照)。
特開平10−122277号公報
この種の従来技術によるディスクブレーキは、車両の非回転部分に取付けられた取付部材によってキャリパが変位可能に支持されている。このキャリパは、ディスクの両面(インナ側とアウタ側の表面)に対向して配置され、この状態でディスクの軸方向に変位可能となっている。
また、キャリパのうちディスクのインナ側に対向する部位には、ピストンが摺動可能に設けられ、このピストンとディスクとの間にはインナ側の摩擦パッドが配設されている。一方、キャリパのアウタ側部位とディスクとの間には、アウタ側の摩擦パッドが配設されている。
そして、ブレーキの操作時には、キャリパ(ピストン)によってインナ側の摩擦パッドがディスクに押圧されると、その反力によってアウタ側の摩擦パッドもディスクに押圧され、ディスクに両側から制動力が付与される。
また、各摩擦パッドの裏面には、ピストンまたはキャリパとの間に介在するシム板が設けられ、これらのシム板は、例えばばね性を有する金属板等をプレス加工することによって形成されている。
そして、シム板は、摩擦パッドの裏面に当接する当接板部と、該当接板部からディスクの径方向に突出して形成され、ディスクの回転方向入口側と回転方向出口側で摩擦パッドの端面にそれぞれ係止される複数の爪部とを有している。これらの爪部は、弾性変形することによって摩擦パッドの端面に適度な締代をもって係止され、これによってシム板を摩擦パッドに取付けている。
また、従来技術では、例えばインナ側のシム板のうちピストンが当接する部位に沿って細長い切欠き部を設け、この切欠き部によって摩擦パッドに対するピストンの面圧を調整するようにしている。
一方、他の従来技術として、摩擦パッドの裏面に2枚のシム板を設ける構成としたディスクブレーキも知られている(例えば、特許文献2参照)。
特開2000−145839号公報
ところで、上述した従来技術では、シム板に切欠き部を設ける構成としているため、シム板の剛性が低下し易い。この結果、ブレーキの操作時には、ピストンの押圧力によって当接板部に反り等の変形が生じ、この変形部位では、摩擦パッドの端面に係止された爪部の締代が低下することがある。
このため、従来技術では、ブレーキ操作を繰返しているうちに、ディスクからの反力や振動等によってシム板が回転方向に位置ずれし、その切欠き部がピストンの当接部位から外れることがある。このように、切欠き部が機能しなくなると、ピストンの面圧に偏り等が生じて摩擦パッドが偏摩耗したり、ブレーキ操作時にスキール音等の異音が発生するという問題がある。
この状態を避けるため、例えばシム板の位置ずれを許容できるように切欠き部を予め大きく形成した場合には、シム板の剛性や耐久性がさらに低下する。また、例えばシム板の端部にストッパ等を設け、これによってシム板をディスクの回転方向に位置決めする構成とした場合には、シム板の寸法が回転方向に対して大型化し、その重量増やコストアップを招くことなる。
また、例えばディスクの回転方向に離間した各爪部の間を連結することにより、シム板の剛性を高める方法も考えられる。しかし、この場合には、シム板の両側に位置する爪部が連結されることになり、シム板の剛性が全体として高くなり過ぎるため、爪部に応力集中等が生じ易くなり、その損傷を招く虞れがある。
本発明は上述した従来技術の問題に鑑みなされたもので、本発明の目的は、シム板をコンパクトに形成しつつ、その剛性を十分に確保でき、シム板を摩擦パッドに安定的に取付けることができると共に、その位置ずれ等を防止してブレーキ性能を向上できるようにしたディスクブレーキを提供することにある。
上述した課題を解決するために本発明は、車両の非回転部分に取付けられる取付部材と、該取付部材によってディスクの軸方向に変位可能に支持されるキャリパと、該キャリパとディスクとの間に設けられ該キャリパによってディスクに押圧される摩擦パッドと、該摩擦パッドの裏面に設けられたシム板とを備えてなるディスクブレーキに適用される。
そして、請求項1の発明が採用する構成の特徴は、シム板を、摩擦パッドの裏面に当接する当接板部と、該当接板部からディスクの回転方向入口側でディスクの径方向に突出して形成され摩擦パッドの端面に向けて折曲げることにより端面に係止される入口側爪部と、該入口側爪部とディスクの回転方向に離間した回転方向出口側で当接板部からディスクの径方向に突出して形成され摩擦パッドの端面に向けて折曲げることにより端面に係止される出口側爪部と、入口側爪部と出口側爪部との間で当接板部からディスクの径方向に突出して形成され摩擦パッドの端面に向けて折曲げられた連結部と、入口側爪部と出口側爪部との間で当接板部と連結部の一部にわたって開口して形成された切欠き部とにより構成したことにある。
また、請求項2の発明によると、連結部は、入口側爪部と出口側爪部のうち一方の爪部と一体に形成する構成としている。
また、請求項3の発明によると、入口側爪部と出口側爪部とは、ディスクの径方向内側と径方向外側とにそれぞれ形成し、連結部は、入口側爪部と出口側爪部のうちディスクの径方向内側に位置する一方の爪部と一体に形成し、切欠き部は、ディスクの径方向を当接板部の幅方向としたとき当接板部の幅方向の中間部位から連結部にわたって形成する構成としている。
請求項1の発明によれば、シム板の入口側爪部と出口側爪部とを摩擦パッドの端面に係止でき、これによって当接板部を摩擦パッドの裏面に当接させた状態でパッドに取付けることができる。また、シム板の切欠き部は、ブレーキの操作時にキャリパ(またはキャリパのピストン)とシム板との間に部分的な隙間を形成できるので、例えば摩擦パッドに対するキャリパの面圧が均等となるように、面圧を適切に調整することができ、これによって摩擦パッドの偏摩耗やブレーキ操作時の金属音(スキール音)等を抑えることができる。
この場合、切欠き部は、シム板の当接板部と連結部とにわたって形成できるので、これらの当接板部と連結部とによって切欠き部を取囲むことができ、切欠き部を設けたことによる当接板部の剛性低下を連結部によって補償することができる。しかも、連結部は、摩擦パッドの端面に沿って配置されているので、パッドの裏面に配置された当接板部や切欠き部の機能を妨げることなく、切欠き部の位置でシム板の剛性や強度を適度に高めることができる。
これにより、ブレーキの操作時には、キャリパの押圧力によって当接板部に反り等の変形が生じたり、この変形によって入口側爪部と出口側爪部の締代が低下するのを防止でき、これらの爪部を摩擦パッドの端面に安定的に係止することができる。従って、例えばディスクからの反力や振動等がシム板に加わったとしても、各爪部によってシム板の位置ずれを確実に規制でき、これを摩擦パッドの適正な位置に保持できると共に、高いブレーキ性能を維持することができる。
そして、連結部は、切欠き部を必要最小限の長さをもって跨ぐ小さな金属片等として形成することができ、この場合には、シム板をコンパクトに形成しつつ、切欠き部の機能等を安定的に発揮でき、ブレーキの小型・軽量化を促進することができる。
また、請求項2の発明によれば、入口側爪部と出口側爪部のうち一方の爪部と連結部とを一体に形成できるので、連結部によって切欠き部を跨ぐ位置で入口側爪部と当接板部との間を連結したり、出口側爪部と当接板部との間を連結することができる。これにより、シム板の爪部を連結部の一部としても利用でき、連結部を必要最小限の大きさに抑えることができる。従って、当接板部に適度な剛性を与えつつ、シム板の小型化や構造の簡略化を図ることができる。
また、請求項3の発明によれば、切欠き部を当接板部の幅方向の中間部位から径方向内側に配置でき、摩擦パッドに加わるキャリパの面圧を効果的に調整することができる。そして、連結部は、切欠き部の位置で当接板部を補強しつつ、当接板部や切欠き部の機能を安定的に発揮させることができる。また、入口側爪部と出口側爪部のうち一方の爪部と連結部とを一体に形成できるので、連結部を含めてシム板全体を小型化することができる。
以下、本発明の実施の形態として、自動車等の車両に搭載されるディスクブレーキを例に挙げ、添付図面に従って詳細に説明する。
1はディスクブレーキのベース部分を構成する取付部材で、該取付部材1は、車輪と共に回転するディスクDのインナ側で車両の非回転部分(図示せず)に一体的に取付けられている。ここで、ディスクDは、例えば図1中の矢示A方向に回転するものであり、図1中の左側はディスクDの回転方向入口側となり、右側は回転方向出口側となっている。
また、取付部材1は、ディスクDの周方向に離間してその外周側を跨ぐように軸方向に延びた一対の腕部1A,1Aと、該各腕部1Aを接続する接続部1Bとにより一体に形成されている。そして、各腕部1Aには、ディスクDのインナ側及びアウタ側に位置して凹形状に窪んだパッドガイド部1Cが設けられ、これらのパッドガイド部1Cは、後述のパッドスプリング20と協働して摩擦パッド5,16をディスクDの軸方向に案内するものである。
2は取付部材1に摺動可能に支持されたキャリパで、該キャリパ2は、図1、図2に示す如く、ディスクDのインナ側に配置されたインナ脚部2Aと、該インナ脚部2AからディスクDの外周側を跨ぐようにアウタ側に延びたブリッジ部2Bと、該ブリッジ部2Bの先端側から径方向内向きに延びてディスクDのアウタ側に配置されたアウタ脚部2Cと、インナ脚部2Aから両側に突出した2個の取付部2Dとによって構成されている。
また、インナ脚部2A内にはシリンダ3が設けられ、このシリンダ3内には、例えば円筒状のピストン4が摺動可能に挿嵌されている。そして、ピストン4は、シリンダ3内にブレーキ液圧が供給されることにより、インナ側の摩擦パッド5をディスクDに押圧するものである。また、各取付部2Dは、摺動ピン(図示せず)等を用いて取付部材1の各腕部1Aにそれぞれ取付けられている。これにより、キャリパ2は、ディスクDの軸方向に対して摺動変位可能となっている。
5はキャリパ2のインナ脚部2A(ピストン4)とディスクDとの間に設けられたインナ側の摩擦パッドで、該摩擦パッド5は、ブレーキ操作時にキャリパ2とピストン4とによってディスクDに押圧され、アウタ側の摩擦パッド16と共に車両に制動力を付与するものである。
ここで、摩擦パッド5は、図2ないし図4に示す如く、ディスクDに摩擦接触するライニング6と、該ライニング6の裏面側に固着された裏金7とによって構成されている。そして、裏金7は、ディスクDの周方向(回転方向)に延びる横長の略扇形状に形成され、その内周側には、ディスクDの軸方向及び周方向に延びた略円弧状(円筒状)の端面7Aが設けられると共に、裏金7の外周側にも同様の端面7Bが設けられている。
また、裏金7の両端側には、凸形状の耳部7Cがそれぞれ突設されている。そして、摩擦パッド5は、図1に示す如く、裏金7の各耳部7Cが後述のパッドスプリング20を介して取付部材1の各パッドガイド部1C内にそれぞれ挿嵌され、これらのパッドガイド部1Cによって各腕部1Aの間でディスクDの軸方向に摺動可能に支持されている。
この状態で、裏金7の裏面には、後述のシム板8を介してピストン4が当接している。さらに、裏金7の裏面には、後述の摩耗検知部材21を取付けるために例えば2個の突起部7Dが裏金7の長さ方向(ディスクDの回転方向)に離間して設けられている。
8は裏金7の裏面に設けられたインナ側のシム板で、該シム板8は、ピストン4と摩擦パッド5との間に介在し、これによってブレーキの操作時に摩擦パッド5の偏摩耗やブレーキ鳴き等を抑えるものである。
ここで、シム板8は、図3ないし図5に示す如く、後述の当接板部9、入口側爪部10,12,出口側爪部11,13、連結部14、切欠き部15等によって構成され、これらの部位は、例えばばね性を有する平坦な金属板8′(図6参照)をプレス加工することによって一体に形成されている。
この金属板8′は、当接板部9′、入口側爪部10′,12′,出口側爪部11′,13′、連結部14′、切欠き部15′等によって構成されている。なお、以下の説明で、シム板8を構成する各部位の符号に「′」を付したものは、金属板8′において当該部位がプレス加工される前の部位を表すものとする。
そして、入口側爪部10′と出口側爪部11′とは、横長の略扇形状をなす当接板部9′からディスクDの径方向内向きに突出して形成され、ディスクDの回転方向入口側と出口側とに離間している。また、他の入口側爪部12′と出口側爪部13′とは、当接板部9′からディスクDの径方向外向き(入口側爪部10′,出口側爪部11′と径方向の反対向き)に突出して形成され、ディスクDの回転方向入口側と出口側とに離間している。
さらに、連結部14′は、例えばディスクDの径方向内側、かつ回転方向入口側に位置して入口側爪部10′と一体に形成され、当接板部9′からディスクDの径方向内向きに突出している。また、切欠き部15′は、当接板部9′と連結部14′の一部にわたって開口して形成されている。
そして、この金属板8′を、当接板部9′の周縁に位置する各折曲げ部10A′,11A′,12A′,13A′,14A′の位置で折曲げることにより、シム板8が形成されるものである。
このように形成されたシム板8において、まず9はシム板8の本体部分を構成する当接板部で、該当接板部9は、図3ないし図5に示す如く、例えば反りのない平板として形成され、ディスクDの回転方向(矢示A方向)を長さ方向としたときに、横長の略扇形状をなして長さ方向に延びている。
また、当接板部9は、裏金7の裏面に重なり合うように当接し、当接板部9の裏面にはピストン4が当接している。そして、当接板部9は、ブレーキの操作時にピストン4の押圧力を受承し、これを摩擦パッド5に伝達するものである。
10はディスクDの径方向内側、かつ回転方向入口側で当接板部9に一体形成された径方向内側の入口側爪部を示し、該入口側爪部10は、当接板部9からディスクDの径方向内向きに突出して形成され、当接板部9との間に形成された略L字状の折曲げ部10Aによって裏金7の内周側の端面7Aに向けて略L字状に折曲げられている。そして、入口側爪部10は、裏金7の端面7Aから離れる方向に弾性変形した状態で端面7Aに適度な締代をもって係止されている。
11はディスクDの径方向内側、かつ回転方向出口側で当接板部9に一体形成された径方向内側の出口側爪部を示し、該出口側爪部11は、入口側爪部10とディスクDの回転方向に離間して配置され、当接板部9からディスクDの径方向内向きに突出している。そして、出口側爪部11は、入口側爪部10とほぼ同様に、当接板部9との間に形成された略L字状の折曲げ部11Aによって裏金7の端面7Aに向けて折曲げられ、端面7Aに適度な締代をもって係止されている。
一方、12はディスクDの径方向外側、かつ回転方向入口側で当接板部9に一体形成された径方向外側の入口側爪部を示し、該入口側爪部12は、入口側爪部10と径方向の反対向きに突出している。また、入口側爪部12は、入口側爪部10とほぼ同様に、当接板部9との間に形成された略L字状の折曲げ部12Aによって裏金7の外周側の端面7Bに向けて折曲げられ、端面7Bに適度な締代をもって係止されている。
また、13はディスクDの径方向外側、かつ回転方向出口側で当接板部9に一体形成された径方向外側の出口側爪部を示し、該出口側爪部13は、出口側爪部11と径方向の反対向きに突出し、入口側爪部12とディスクDの回転方向に離間している。そして、出口側爪部13は、出口側爪部11とほぼ同様に、当接板部9との間に形成された略L字状の折曲げ部13Aによって裏金7の端面7Bに向けて折曲げられ、端面7Bに適度な締代をもって係止されている。
このように、シム板8は、各爪部10〜13が裏金7の端面7A,7Bに弾性的に係止されることにより、裏金7の所定位置に取付けられている。この場合、径方向内側の爪部10,11と径方向外側の爪部12,13とによって裏金7を挟持できるので、シム板8の取付状態を安定させることができる。
また、これらの爪部10〜13は、図3に示す如く、ピストン4の当接部位から外側に離して配置され、ブレーキ操作時にピストン4の押圧力が加わることによって爪部10〜13が損傷するのを防止している。
14は当接板部9からディスクDの径方向内向きに突出して形成された連結部を示し、該連結部14は、後述の切欠き部15を当接板部9と径方向の反対側から取囲む位置に配設され、切欠き部15を跨ぐ位置で当接板部9と径方向内側の入口側爪部10とを連結している。これにより、連結部14は、切欠き部15を設けたことによる当接板部9の剛性低下を補償し、シム板8の剛性を高めるものである。
ここで、連結部14は、図6に示す金属板8′の連結部14′を折曲げ部14A′の位置で裏金7の端面7Aに向けて折曲げることにより形成され、図5、図7に示す如く、当接板部9と連結部14との間には略L字状の折曲げ部14Aが形成されている。
また、連結部14は、径方向内側の入口側爪部10と出口側爪部11との間で切欠き部15を必要最小限の長さをもって跨ぐ細長い金属片等として形成され、裏金7の端面7Aに沿って摩擦パッド5の長さ方向に延びている。そして、連結部14の一端側は、径方向内側の入口側爪部10と一体に形成され、連結部14の他端側は、折曲げ部14Aの位置で当接板部9と一体に形成されている。
そして、シム板8を摩擦パッド5に取付けた状態では、例えば連結部14が裏金7の端面7Aから僅かに離して配置されるか、または端面7Aに軽く接触した状態で配置されている。この場合、連結部14は、爪部10,11とほぼ同様に、必要に応じて端面7Aに係止させる構成としてもよい。
このように、連結部14は、裏金7の端面7Aに沿った位置で切欠き部15を取囲んでいるので、当接板部9や切欠き部15の機能を妨げることなく、当該切欠き部15の位置でシム板8の剛性や強度を適度に高めることができ、ブレーキの操作時には、当接板部9に反り等が生じるのを防止することができる。
15はシム板8に形成された切欠き部で、該切欠き部15は、径方向内側の入口側爪部10と出口側爪部11との間に配置され、当接板部9と連結部14の一部にわたって開口している。そして、切欠き部15は、ピストン4と当接板部9との間に部分的な隙間を介在させることにより、例えば摩擦パッド5に対するピストン4の面圧が均等となるように、面圧を調整するものである。これにより、切欠き部15は、ブレーキ操作によって摩擦パッド5が偏摩耗したり、スキール音等が発生するのを防止している。
ここで、切欠き部15は、図3、図4に示す如く、裏金7の裏面側に配置され当接板部9のうちピストン4が当接する部位の一部に沿って略円弧状に開口した裏面側開口15Aと、該裏面側開口15Aと連結部14の折曲げ部14Aの位置で接続され、裏金7の端面7Aに沿った位置で開口した端面側開口15Bとによって構成されている。
そして、切欠き部15は、図5に示す如く、例えばディスクDの回転方向に対して入口側寄りの位置に形成されると共に、ディスクDの径方向を当接板部9の幅方向としたときに、当接板部9の幅方向の中心線Mよりも径方向内側の部位から連結部14にわたって形成されている。このように、切欠き部15は、ピストン4の面圧を効果的に調整できる適切な位置に配設されている。
一方、図2において、16はキャリパ2のアウタ脚部2CとディスクDとの間に設けられたアウタ側の摩擦パッドで、該摩擦パッド16は、インナ側の摩擦パッド5とほぼ同様に、ライニング17と裏金18とによって構成され、ブレーキ操作時にアウタ脚部2CによってディスクDに押圧される。そして、裏金18の裏面にはアウタ側のシム板19が設けられている。また、図1において、20は取付部材1の各パッドガイド部1Cに設けられた一対のパッドスプリングを示し、21は例えば摩擦パッド5の裏金7の突起部7Dに設けられた摩耗検知部材を示している。そして、摩耗検知部材21は、ライニング6が摩耗したときにディスクDと接触して異音を発生し、運転者等に警報を発生するものである。
本実施の形態によるディスクブレーキは上述の如き構成を有するもので、次に、その作動について説明する。
まず、車両の運転者等がブレーキを操作したときには、キャリパ2のシリンダ3内にブレーキ液圧が供給され、ピストン4がインナ側の摩擦パッド5に向けて変位する。これにより、ピストン4は、シム板8を介して摩擦パッド5をディスクDに押圧し、このときの反力によってキャリパ2がインナ側に変位する。この結果、キャリパ2のアウタ脚部2Cは、シム板19を介して摩擦パッド16をディスクDに押圧するようになるので、摩擦パッド5,19によってディスクDに両側から制動力を付与することができる。
また、ブレーキの操作時には、ピストン4の押圧力がシム板8を介して摩擦パッド5に伝えられる。このとき、シム板8は、切欠き部15が形成された状態でも、連結部14によって十分な剛性を与えられているので、ピストン4の押圧力に対しても当接板部9を平坦な状態に保持でき、各爪部10〜13を裏金7の端面7A,7Bに安定した状態で係止することができる。
かくして、本実施の形態によれば、シム板8を、当接板部9、爪部10〜13、連結部14及び切欠き部15によって構成したので、ブレーキの操作時には、切欠き部15によってピストン4と当接板部9との間に部分的な隙間を介在させることができる。これにより、切欠き部15は、例えば摩擦パッド5に対するピストン4の面圧が均等となるように面圧を適切に調整でき、摩擦パッド5の偏摩耗やブレーキ操作時のスキール音等を防止することができる。
この場合、切欠き部15は、シム板8の当接板部9と連結部14とにわたって形成できるので、これらの当接板部9と連結部14とによって切欠き部15を取囲むことができ、切欠き部15を設けたことによる当接板部9の剛性低下を連結部14によって補償することができる。
しかも、連結部14は、摩擦パッド5の裏金7の端面7Aに沿って配置されているので、裏金7の裏面に配置された当接板部9や切欠き部15の機能を妨げることなく、切欠き部15の位置でシム板8の剛性や強度を適度に高めることができる。
これにより、ブレーキの操作時には、ピストン4の押圧力によって当接板部9に反り等の変形が生じたり、この変形によって入口側爪部10,12と出口側爪部11,13の締代が低下するのを防止でき、これらの爪部10〜13を裏金7の端面7Aに安定的に係止することができる。
従って、例えばディスクDからの反力や振動等がシム板8に加わったとしても、各爪部10〜13によってシム板8の位置ずれを確実に規制でき、これを摩擦パッド5の適正な位置に保持できると共に、高いブレーキ性能を維持することができる。
そして、連結部14は、切欠き部15を必要最小限の長さをもって跨ぐ小さな金属片等として形成できるので、シム板8をコンパクトに形成しつつ、切欠き部15の機能等を安定的に発揮でき、ブレーキの小型・軽量化を促進することができる。
特に、本実施の形態では、径方向内側の入口側爪部10と連結部14とを一体に形成したので、この爪部10を連結部14の一部としても利用でき、連結部14をより小型化することができる。従って、当接板部9に適度な剛性を与えつつ、シム板8の小型化や構造の簡略化を図ることができる。
また、連結部14と切欠き部15とを当接板部9の幅方向の中間部位よりも径方向内側に配置したので、摩擦パッド5に加わるピストン4の面圧を切欠き部15によって効果的に調整することができる。そして、連結部14は、切欠き部15の位置で当接板部9を補強しつつ、当接板部9や切欠き部15の機能を安定的に発揮させることができる。
なお、前記実施の形態では、入口側爪部10と連結部14とを一体形成する構成としたが、本発明はこれに限らず、例えば図8に示す変形例のように構成してもよい。この場合、シム板31は、実施の形態とほぼ同様に、当接板部32、入口側爪部33,35、出口側爪部34,36、連結部37、切欠き部38等によって構成され、折曲げ部33A〜37Aが形成されている。しかし、連結部37は、入口側爪部33及び出口側爪部34から離して配置され、これらの爪部33,34とは別個の部位として当接板部32から略L字状に折曲げられている。
また、実施の形態では、切欠き部15を当接板部9の幅方向の中間部位よりも径方向内側に配置する構成とした。しかし、切欠き部の配置は実施の形態に限定されるものではなく、例えば図8の変形例中に切欠き部38として図示したように、切欠き部の一部または全部を当接板部32の幅方向の中心線Mよりも径方向外側に配置する構成としてもよい。
また、実施の形態では、摩擦パッド5,16の裏面にそれぞれ1枚のシム板8,19を設ける構成とした。しかし、本発明はこれに限らず、例えば従来技術の特許文献2とほぼ同様に、摩擦パッドの裏面に2枚のシム板を設ける構成としたディスクブレーキに適用してもよい。この場合、摩擦パッドの裏面には、例えば硬質ゴム、樹脂材料等がコーティングされた内側シム板と、この内側シム板を介して摩擦パッドの裏面に配置される外側シム板とを設け、外側シム板に切欠き部と連結部とを設ける構成とすればよい。
また、実施の形態では、インナ側のシム板8に連結部14と切欠き部15とを設ける構成とした。しかし、本発明はこれに限らず、例えばアウタ側のシム板19に切欠き部と連結部とを設ける構成としてもよい。この場合には、例えばアウタ側の摩擦パッド16に対するキャリパ2のアウタ脚部2Cの面圧を切欠き部によって調整しつつ、連結部によってアウタ側のシム板19に十分な剛性を付与することができる。
また、実施の形態では、シム板8のうち入口側爪部10寄りの部位に切欠き部15を設け、入口側爪部10から切欠き部15を跨ぐ位置まで連結部14を延ばす構成とした。しかし、本発明はこれに限らず、例えばシム板8のうち出口側爪部11寄りの部位に切欠き部を設け、連結部は、出口側爪部11から切欠き部を跨ぐ位置まで延ばして当接板部9に連結する構成としてもよい。
さらに、実施の形態では、自動車等の車両に搭載されるディスクブレーキを例に挙げて述べた。しかし、本発明はこれに限らず、二輪車用のディスクブレーキにも適用できるものである。
本発明の実施の形態によるディスクブレーキを示す正面図である。 ディスクブレーキを図1中の矢示II−II方向からみた縦断面図である。 摩擦パッドとシム板を拡大して示す正面図である。 図3中の摩擦パッドとシム板を下側からみた底面図である。 シム板を単体で示す正面図である。 シム板の材料となる金属板を示す正面図である。 シム板を摩擦パッドに組付ける前の状態を示す分解斜視図である。 本発明の変形例によるディスクブレーキのシム板を示す正面図である。
符号の説明
1 取付部材
2 キャリパ
4 ピストン
5,16 摩擦パッド
6,17 ライニング
7,18 裏金
7A,7B 端面
8,19,31 シム板
9,32 当接板部
10,12,33,35 入口側爪部
11,13,34,36 出口側爪部
14,37 連結部
15,38 切欠き部
15A 裏面側開口
15B 端面側開口
D ディスク

Claims (3)

  1. 車両の非回転部分に取付けられる取付部材と、該取付部材によってディスクの軸方向に変位可能に支持されるキャリパと、該キャリパとディスクとの間に設けられ該キャリパによってディスクに押圧される摩擦パッドと、該摩擦パッドの裏面に設けられたシム板とを備えてなるディスクブレーキにおいて、
    前記シム板は、
    前記摩擦パッドの裏面に当接する当接板部と、
    該当接板部からディスクの回転方向入口側でディスクの径方向に突出して形成され前記摩擦パッドの端面に向けて折曲げることにより前記端面に係止される入口側爪部と、
    該入口側爪部とディスクの回転方向に離間した回転方向出口側で前記当接板部からディスクの径方向に突出して形成され前記摩擦パッドの端面に向けて折曲げることにより前記端面に係止される出口側爪部と、
    前記入口側爪部と出口側爪部との間で前記当接板部からディスクの径方向に突出して形成され前記摩擦パッドの端面に向けて折曲げられた連結部と、
    前記入口側爪部と出口側爪部との間で前記当接板部と連結部の一部にわたって開口して形成された切欠き部とにより構成したことを特徴とするディスクブレーキ。
  2. 前記連結部は、前記入口側爪部と出口側爪部のうち一方の爪部と一体に形成してなる請求項1に記載のディスクブレーキ。
  3. 前記入口側爪部と出口側爪部とは、ディスクの径方向内側と径方向外側とにそれぞれ形成し、前記連結部は、前記入口側爪部と出口側爪部のうちディスクの径方向内側に位置する一方の爪部と一体に形成し、前記切欠き部は、ディスクの径方向を前記当接板部の幅方向としたとき前記当接板部の幅方向の中間部位から前記連結部にわたって形成してなる請求項1に記載のディスクブレーキ。
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