JPH11100409A - 熱又は光により硬化可能な樹脂組成物及びそれを用いたフィルム、積層板 - Google Patents

熱又は光により硬化可能な樹脂組成物及びそれを用いたフィルム、積層板

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JPH11100409A
JPH11100409A JP21549198A JP21549198A JPH11100409A JP H11100409 A JPH11100409 A JP H11100409A JP 21549198 A JP21549198 A JP 21549198A JP 21549198 A JP21549198 A JP 21549198A JP H11100409 A JPH11100409 A JP H11100409A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ビスマレイミド化合物の高耐熱性を生かしつ
つ、熱硬化性を損なうことなく同時に光硬化性をも付与
する樹脂組成物及びそれを用いたフィルム、積層板を提
供する。 【解決手段】 (A)ビスマレイミド化合物100重量
部に対し、(C)熱硬化促進剤若しくは光開始剤として
特定のアクリジン化合物0.1〜30重量部を含む熱又
は光により硬化可能な樹脂組成物。また、(A)ビスマ
レイミド化合物5〜90重量%、(B)他の樹脂成分1
0〜95重量%及び(A)と(B)の総計100重量部
に対し、(C)熱硬化促進剤若しくは光開始剤として特
定のアクリジン化合物0.1〜30重量部を含む熱又は
光により硬化可能な樹脂組成物。この樹脂組成物を支持
体上に塗布、乾燥しフィルムとしたり、基材上に形成
し、光照射により部分的に光硬化を行い、光によって硬
化しなかった部分を現像により除去した後、更に熱硬化
を行うことにより基材上に画像を形成した積層板とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はビスマレイミド化合
物を含有する熱又は光により硬化可能な樹脂組成物及び
それを用いたフィルム、積層板に関する。更に詳しくは
ビスマレイミド化合物と新規な促進剤との組み合わせに
よって低温硬化性と光硬化性を付与し、特に積層板、プ
リント配線板の製造に適した新規な硬化性を与える樹脂
組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】熱硬化性樹脂材料としてはエポキシ樹
脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ビスマレイミド化
合物等が積層板、印刷配線板の製造上有用な絶縁性材料
として広く用いられている。その中でもビスマレイミド
化合物は高耐熱性を与える熱硬化材料として有用であ
り、高耐熱グレードの絶縁性材料の主要成分としてよく
用いられている。その硬化反応としては不飽和基の開裂
を利用した二量化反応、活性アミン化合物のマイケル付
加による架橋反応が実用化されている。文献としては例
えば三田達監修、「最新耐熱性高分子」、42頁、ビス
マレイミド樹脂(総合技術センター社;昭和62年5月
発行)が挙げられる。ビスマレイミド化合物は、特に絶
縁基材、積層板分野において、エポキシ樹脂等の改質材
料と組み合わせられポリイミド系積層材料として各社か
ら製品化がなされている。この材料はその優れた耐熱性
を生かしてスーパーコンピュータ、航空機用配線板等高
信頼性を要求される分野への適用がなされている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながらビスマレ
イミド化合物に含まれる二重結合は反応性が低く、その
熱硬化には高温、長時間の加熱が必要であった。このた
めパーオキシド等のラジカル発生剤を併用するのが通例
であるがそれでもなお高温、長時間の硬化処理が必要で
あった。一方、ソルダレジストなどに用いる絶縁性材料
の分野において、光硬化性の要求が高まっており、従来
のソルダレジストのような表層における絶縁材料に加え
て、現在では層間絶縁材料或いは層間接続用材料として
感光性樹脂を使用する試みが盛んになってきている。従
来用いられてきた熱硬化性材料はそのままでは光硬化性
はなく、この目的のためには使用できない。一方レジス
ト材料に用いられてきた感光性材料の多くは光硬化性は
十分であるが絶縁材料としての特性、特に耐熱性、耐湿
性が不十分であり、本分野への適用にはかなりの制限が
加えられるというのが実状であった。
【0004】従来の熱硬化性材料を用いて光硬化性を付
与する試みとしてはエポキシ樹脂と光カチオン発生剤と
の組み合わせが従来より知られている。しかしこの系は
光感度が低く、その硬化には多量の光照射が必要である
とともに反応も十分ではないという問題点があった。そ
のため熱硬化によって得られる物性からは大きく見劣り
のする物性の硬化物しか得られないというのが実状であ
る。そのため、この技術は、その発表から時間を経過し
ているにも関わらず、特に精密な像形成を必要とする分
野への本格的適用例はごく限られていた。
【0005】ビスマレイミド化合物に関してはその反応
性の低さより光開始剤系との組み合わせによって重合、
二量化反応を行わすことはほとんどなく、単なる熱硬化
性成分として光硬化系に添加するやり方が取られてき
た。このように熱硬化性材料、特にビスマレイミド系材
料の硬化反応は熱硬化反応、光硬化反応共に問題があ
り、積層板、印刷配線板用基材分野ではイミド系積層材
料としての利用の他には応用展開があまり図られてこな
かったというのが実状である。
【0006】本発明は、従来の熱硬化性材料のうち特
に、ビスマレイミド化合物の高耐熱性を生かしつつ、硬
化性の改善を図るとことを第一の課題とした。また、熱
硬化性を損なうことなく同時に光硬化性を付与すること
を第二の課題とした。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、(A)ビスマ
レイミド化合物100重量部に対し、(C)熱硬化促進
剤若しくは光開始剤として式(1)又は式(2)で表さ
れるアクリジン化合物0.1〜30重量部を含む熱又は
光により硬化可能な樹脂組成物である。
【0008】
【化3】
【0009】
【化4】
【0010】さらに、本発明は、(A)ビスマレイミド
化合物5〜90重量%、(B)他の樹脂成分10〜95
重量%及び(A)と(B)の総計100重量部に対し、
(C)熱硬化促進剤若しくは光開始剤として式(1)又
は式(2)で表されるアクリジン化合物0.1〜30重
量部を含む熱又は光により硬化可能な樹脂組成物であ
る。また、本発明は、(B)他の樹脂成分が、分子内に
不飽和結合を有する樹脂、または、他の樹脂成分が、エ
ポキシ樹脂または変性エポキシ樹脂、フェノール性水酸
基を有する樹脂、メラミン樹脂、シアネートエステル樹
脂、ゴムの中から選ばれる1種類以上である熱又は光に
より硬化可能な樹脂組成物であると好ましいものであ
る。さらに、本発明は、上記の熱又は光により硬化可能
な樹脂組成物を支持体上に塗布、乾燥して得られたフィ
ルムであり、熱又は光により硬化可能な樹脂組成物を直
接または前記したフィルムを基材上に形成し、光照射に
より部分的に光硬化を行い、光によって硬化しなかった
部分を現像により除去した後、更に熱硬化を行うことに
より基材上に画像を形成することを特徴とする積層板で
ある。
【0011】
【発明の実施の形態】発明者らはビスマレイミド化合物
を低温で硬化させる検討を鋭意行い、その過程で、従来
取られてきた硬化促進手段、即ちパーオキサイドの添加
によって硬化反応を促進させる方法とは異なる様式でビ
スマレイミド化合物の硬化反応を促進し、硬化開始温度
を劇的に下げられることを見いだすと同時に本硬化系が
そのまま光硬化系としても作用するということを見出
し、本発明に至った。即ち、本発明は、(A)ビスマレ
イミド化合物を熱硬化性材料として必須に含み、(C)
熱硬化促進剤又は光開始剤として式(1)または式
(2)で表されるアクリジン化合物を含む熱又は光によ
り硬化する樹脂組成物である。また、本発明は、(A)
ビスマレイミド化合物を熱硬化性材料として必須に含
み、(B)他の樹脂成分により特性を改良し、(C)熱
硬化促進剤又は光開始剤として式(1)または式(2)
で表されるアクリジン化合物を含む熱又は光により硬化
する樹脂組成物である。
【0012】ビスマレイミド化合物の硬化反応は、通常
170℃から220℃まで硬化温度を上げることが必要
である。これは、低い温度ではビスマレイミドの開環、
架橋が不十分なためである。特にビスマレイミド化合物
単独では高い硬化温度が必要であり、硬化時間も長時間
を必要とする。これに対し、硬化を促進する目的でパー
オキシドを添加することが一般的に広く行われている
が、それは、架橋効率の改善が主な目的であり、例えば
100℃以下の低温硬化が達成出来るわけではない。こ
のため、用いるパーオキシドは分解温度が高いものが選
択され、熱硬化反応そのものは170℃以上で行うのが
通例である。
【0013】これに対し、本発明の(A)ビスマレイミ
ド化合物に対し、式(1)又は式(2)で表されるアク
リジン化合物を配合すると、従来より低い温度で発熱反
応により容易に架橋することを見出した。 反応は例え
ばDSC(示差走査熱分析)のような熱分析手段により
容易に確認することができる。例えば、ビスマレイミド
化合物とアクリジン化合物を配合した組成物を窒素気流
下で加熱することにより、80℃〜100℃から硬化に
伴う明瞭な発熱を観察することができる。この発熱はそ
の後180℃まで一貫して観察され、ビスマレイミド化
合物とアクリジン化合物との複合作用によるビスマレイ
ミド化合物の架橋反応であることが推定できる。ビスマ
レイミド化合物のこのような低い温度からの架橋反応は
従来知られていない。
【0014】ある種のアクリジン化合物はラジカル重合
系の光開始剤としても知られている。例えば特開平5−
224413号公報にはα−ω−ジ−9−アクリジニル
アルカンと不飽和化合物が高感度な光重合系となること
が開示されている。ここで用いられている不飽和化合物
はアクリルモノマーのような室温で容易に重合を行うこ
とが可能な高活性不飽和結合を有したものである。しか
し本発明のビスマレイミド化合物では、ビスマレイミド
に含まれる不飽和結合は高温での直開裂による二量化反
応のみであり、光重合系としては適しておらず、光照射
によって架橋反応を起こすことは極めて困難であり、多
くの光照射を要するため実用的ではなかった。しかし本
発明による、特定のアクリジン化合物とビスマレイミド
化合物からなる系では高感度での光硬化が可能である。
また、光照射により主として光を吸収するアクリジン化
合物の大部分はまだそのままの状態で系中に残存してい
るため、光硬化後もなお熱硬化反応を続行することが可
能である。
【0015】本発明の樹脂組成物を利用すれば、ビスマ
レイミド化合物の低温硬化という有用な特徴に加え、光
硬化反応をも利用した2段回硬化反応系への適用という
特徴を有する。即ち、光硬化反応と熱硬化反応を組み合
わせて樹脂組成物の硬化を行うことができる。光硬化反
応と熱硬化反応の両者を有する樹脂組成物は、それの硬
化反応の特徴を活かして用いることにより、工業的に有
用な応用が提案できる。例えば樹脂組成物に対して光硬
化反応を選択的に生じさせた後、適当な溶解性を有する
現像液を用い、一般的には未露光部分に相当する未反応
部分を現像液で選択的に除去し、残った部分に対して熱
硬化反応を行ってプロセスを完結させることができる。
これはいわゆるフォトリソグラフィであり、ビスマレイ
ミド化合物からなる樹脂組成物を感光性樹脂として活用
する方法を提供する。また熱硬化性樹脂としても低温硬
化性という本発明の第一の有用な効果がそのまま適用さ
れ得る。
【0016】上記の効果はビスマレイミド化合物、特定
のアクリジン化合物という本発明の中核をなす組み合わ
せによって達成可能であるが、未反応時の材料の物性調
節、硬化物の物性調節として(B)その他の樹脂成分を
共存させることにより、本発明を更に有効なものとする
ことができる。本発明の硬化系は従来の光硬化系や熱硬
化系とは全く異なる組み合わせによって発現されるもの
であるため、逆に従来用いられてきた反応系をそのまま
併用することが可能である。例えば、熱硬化性を補完す
るものとして別の熱硬化性樹脂或いは樹脂系を用いるこ
とが可能である。これには従来、熱硬化性ビスマレイミ
ド樹脂の改質で行われてきた手法がそのまま適用可能で
ある。また、光硬化性に関しては従来、光重合系で適用
されてきた種々の組み合わせを本発明の樹脂系と併用し
て用いることが可能である。これは前述したようにビス
マレイミド化合物が従来の光重合系の中では反応性が極
めて低く実質的に不活性であることから可能である。こ
のように本発明の樹脂組成物は、基本的な性質として光
硬化性、熱硬化性及び低温硬化性という特徴を保持した
まま更にいろいろの性質を加えることが可能であり、極
めて応用が広い。
【0017】本発明の光硬化性、熱硬化性及び低温硬化
性という性質が発現する理由は明確ではないが、ビスマ
レイミド化合物が電子密度が低いアクセプタとしての性
質を有していること及びアクリジン化合物が基底状態及
び光励起状態で強いドナー性を示すことからこれら両者
によって電荷移動錯体を一例とした活性種が比較的低温
で形成され、そのことによって低温熱硬化性、光硬化性
が発現されるということが考えられる。
【0018】本発明で使用するビスマレイミド化合物と
しては、m−ジ−N−マレイミジルベンゼン、ビス(4
−N−マレイミジルフェニル)メタン、2,2−ビス
(4−N−マレイミジルフェニル)プロパン、2,2−
ビス(4−N−マレイミジル−2,5−ジブロモフェニ
ル)プロパン、2,2−ビス[4−(4−N−マレイミ
ジルフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス
(4−N−マレイミジル−2−メチル−5−エチルフェ
ニル)プロパン等の各種ビスマレイミド化合物がそのま
まもしくは混合物として用いられる。これらのビスマレ
イミド化合物は単体としても各種樹脂との変性物でもど
ちらも用いることが可能である。
【0019】式(1)で表されるアクリジン化合物とし
ては、9−メチルアクリジン、9−エチルアクリジン、
9−ブチルアクリジン、3,6−ジエトキシ−9−メチ
ルアクリジン等のアクリジン化合物、置換アクリジン化
合物が挙げられる。
【0020】式(2)で表されるアクリジン化合物とし
ては、1,2−ジ−9−アクリジニルエタン、1,3−
ジ−9−アクリジニルプロパン、1,4−ジ−9−アク
リジニルブタン、1,7−ジ−9−アクリジニルヘプタ
ン、1,8−ジ−9−アクリジニルオクタン等が挙げら
れる。これらは単独又は2種類以上を併用することがで
きる。
【0021】本発明の(B)他の樹脂成分として用いる
ことが可能な第一の群としてはエポキシ樹脂、例えば、
ビスフェノ−ルA型エポキシ樹脂、ビスフェノ−ルF型
エポキシ樹脂、ビスフェノ−ルS型エポキシ樹脂、ビス
フェノ−ルAF型エポキシ樹脂、ビスフェノ−ルAD型
エポキシ樹脂、フェノ−ルノボラック型エポキシ樹脂、
クレゾ−ルノボラック型エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ
樹脂、環状脂肪族エポキシ樹脂、グリジシルエステル型
エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、複素
環状エポキシ樹脂、エポキシ化ポリブタジエン樹脂、こ
れらをブロム化したブロム化エポキシ樹脂及びこれらエ
ポキシ樹脂の酸変性物が挙げられる。特に光照射を行っ
て光硬化を行う場合にはこれらエポキシ樹脂と酸変性物
特に不飽和酸との変性物が好ましい。不飽和カルボン酸
としては無水マレイン酸、テトラヒドロフタル酸無水
物、イタコン酸無水物、アクリル酸、メタクリル酸等が
挙げられる。これらはエポキシ樹脂のエポキシ基に対し
当量もしくは当量以下の配合比率で該不飽和カルボン酸
を反応させることによって得られる。カルボン酸変性さ
れていないエポキシ樹脂そのものを用いる場合には光硬
化後、未反応部分を例えばシクロヘキサノン、ブチルカ
ルビトールのような溶剤を用いて除去することで像形成
が可能である。エポキシ樹脂としてカルボン酸変性物を
用いることにより、現像液としてアルカリ水溶液、水系
現像液のような安価で広く普及しているプロセスを適用
することが可能である。この時不飽和基を有する酸化合
物を用いれば硬化性樹脂組成物の光反応性を更に高める
ことが可能であり、特に有用である。
【0022】他の樹脂成分として用いることが可能な第
二の群としては、フェノール樹脂、アルキルフェノール
樹脂、ノボラックフェノール樹脂、酸変性ノボラックフ
ェノール樹脂、ビスフェノールA、テトラブロモビスフ
ェノールAのようなフェノール性水酸基を有する樹脂類
である。これらは単独で又は2種類以上を混合して使用
することも、変性物として使用することもできる。
【0023】この他に、他の樹脂成分として用いること
が可能な第三の群としては、メラミン樹脂、シアネート
エステル樹脂のような熱硬化性材料、或いはこのものと
フェノール樹脂の組み合わせ等も好ましく用いられる。
【0024】さらに、第四の群としては、可とう性付与
材の使用も好適な組み合わせである。脆さが弱点となり
やすいビスマレイミド化合物の欠点を補う目的で種々の
可とう性付与剤の添加が知られており、これらはそのま
ま適用が可能である。その例として、ブタジエンアクリ
ロニトリルゴム、天然ゴム、アクリルゴム、SBR、カ
ルボン酸変性ブタジエンアクリロニトリルゴム、カルボ
ン酸変性アクリルゴム、架橋NBR粒子、カルボン酸変
性架橋NBR粒子等が挙げられる。
【0025】更に(B)他の樹脂成分として用いること
が可能な第五の群として、光硬化性材料である分子内に
ビニル重合可能な不飽和結合を有する化合物が挙げられ
る。これらは、上記の第一〜第四の群のものと併用する
ことが好ましい。これは本発明の樹脂組成物が光硬化性
と熱硬化性を同時に有していることから必然的に考えら
れる組合わせである。光硬化性材料としては、分子内に
不飽和基を有する化合物で従来知られているものがその
まま用いられ、制限はない。その例としては、例えば、
アクリル酸またはメタアクリル酸及びそれらの炭素数1
〜8のアルキルエステルである各種のアクリレートモノ
マ、アクリレートオリゴマ、ビスフェノ−ルAのジグリ
シジルエ−テル化物のアクリル酸付加物であるエポキシ
アクリレート、ノボラックエポキシ樹脂にアクリル酸を
付加したアクリル変性ノボラックエポキシ樹脂等が挙げ
られる。特にアクリレートモノマまたは、低分子オリゴ
マ(例えば重合度、2〜10のオリゴマ)を使用した場
合には、多くは固形樹脂からなり常温ではフィルム形成
性を有していない未硬化の樹脂組成物に適度の柔軟性を
与え、フィルム形成性を付与することが可能であること
から、好ましい組み合わせの一つである。
【0026】(B)他の樹脂成分は、(A)ビスマレイ
ミド化合物及び(C)アクリジン化合物にそのままの形
で加えてもよいし、予め加熱して、これら樹脂系の部分
変性(クッキング)を行ってもよい。このような手法に
よっていわゆるBステージ状態の樹脂とすることも可能
である。
【0027】このような種々の樹脂成分を加えることで
光硬化性、熱硬化性という基本性能を保持したまま硬化
物に色々な性質を付与することが可能となる。例えばエ
ポキシ樹脂やフェノール樹脂との組み合わせによって硬
化物に良好な電気絶縁性を付与することが可能になる。
これは本発明を積層板材料、配線板材料として用いる時
に特に好ましい性質である。また、樹脂組成物にゴム成
分を配合した時には、硬化物に強靭性を付与できると共
に、硫酸やクロム酸などの酸化性薬液により表面処理を
行うことにより硬化物表面の粗化を簡単に行うことが可
能になり、接着剤、絶縁性樹脂、めっき金属との密着性
を向上させることができる。このように、樹脂組成物に
ゴムを配合することにより本発明の樹脂組成物を接着性
材料として適用することが可能となる。例えば、ゴムと
して、カルボン酸変性アクリロニトリルブタジエンを配
合し、酸化性薬液として配線板製造で広く用いられてい
るアルカリ性過マンガン酸溶液を用い、ドリルのデスミ
ア処理として従来知られている処理を適用したところ、
表面に微細形状を形成することができた。そして、この
ような表面処理した硬化物に常法により無電解銅めっ
き、次いで電気銅めっきを施したところ、良好なめっき
銅接着性(ピール強度)が得られた。本発明の樹脂組成
物には前述した他の樹脂成分と併用する形で光硬化性材
料を配合してもよい。
【0028】このような樹脂組成物は、ポリエチレンテ
レフタレートフィルム等の支持体上にバーコート等の塗
膜形成手段によって柔軟なフィルムとして形成可能であ
る。得られたフィルムはそのまま或いは保護フィルムを
間に挟んで巻取りが可能であり、感光性樹脂フィルムと
して用いられる。そして、得られたフィルムはラミネー
タのような簡便な手段によって他の基板上に積層するこ
とが可能である。基板としてプリント配線板が用いられ
た場合には、形成された回路による表面の凹凸に追従さ
せるため真空ラミネータ等を用いても良い。
【0029】本発明の樹脂組成物に(B)他の樹脂とし
て上述のように各種の熱硬化性樹脂成分、光硬化性成分
等を加えた場合にはこれらの材料に対して有効な硬化促
進剤を配合した方が好ましい。特に配合する材料がビス
マレイミド化合物やアクリジン化合物と直接に反応を行
わない場合にはこれらの材料の添加は必要である。光硬
化性材料を用いた場合にはアクリジン化合物がこれらの
材料への光重合開始能力を既に有していることから、特
に新たな光開始剤の使用は必要ないが、分光感度の調節
や系全体の光感度の調節等、さまざまな目的によって別
の光開始剤を添加することができる。
【0030】他の樹脂として、多数の硬化性成分を含む
系では、用いた材料の組合わせによっては暗反応性が生
ずる場合があり、その場合には暗反応性を引き起こさな
い組合わせに配合成分を分割し、使用時に全部を混合し
て用いるといういわゆる多液性配合物とすることが望ま
しい。暗反応性を有しない組合わせの場合には全部を同
時に配合することが可能である。
【0031】本発明の熱又は光により硬化可能な樹脂組
成物において、その配合量は、(A)ビスマレイミド化
合物100重量部に対し、(C)熱硬化促進剤若しくは
光開始剤として式(1)又は式(2)で表されるアクリ
ジン化合物0.1〜30重量部とされる。また、(A)
ビスマレイミド化合物5〜90重量%、(B)他の樹脂
成分10〜95重量%及び(A)と(B)の総計100
重量部に対し、(C)熱硬化促進剤若しくは光開始剤と
して式(1)又は式(2)で表されるアクリジン化合物
0.1〜30重量部とされる。(A)ビスマレイミド化
合物と(B)他の樹脂成分との最適な配合比は全体を1
00重量%とした場合に(A)ビスマレイミド化合物5
重量%から90重量%であり、更に好適には10重量%
から60重量%である。5重量%未満では、本来のビス
マレイミド化合物としての特性がなくなり、その配合の
意味が薄れてしまう。また、90重量%を超えるとビス
マレイミド化合物の配合割合が増え、硬化物のガラス転
移温度が上昇するが、硬化収縮、脆化等の悪影響も大き
くなるため好ましくない。式(1)又は式(2)で表さ
れるアクリジン化合物の配合量は、(A)ビスマレイミ
ド化合物と(B)他の樹脂成分の総計100重量部に対
し、0.1〜30重量部とされる。より好ましくは、
0.2〜20重量部である。0.1重量部未満では、配
合の効果が少なく、30重量部を超えると保存安定性が
悪化する傾向があるため好ましくない。ビスマレイミド
化合物とアクリジン化合物の配合比率は、熱反応性と光
反応性のどちらの性質を多く使うかによって最適配合比
が決まる。アクリジン化合物は光吸収性、光重合開始剤
としての能力が高いため、光反応性を重視する場合は多
量に使用する必要はない。一方熱反応性を重視する場合
は光反応のときよりは多めに使用した方が硬化が効果的
に進むので好ましい。
【0032】本発明の樹脂組成物の熱硬化条件は、同時
に使用する他の樹脂成分により異なるが、およそ、10
0℃以上から可能である。しかし、硬化物に十分な特性
を与えるためや他の樹脂成分の硬化温度のことも考慮す
る必要がある。特に硬化物のガラス転移温度は硬化環境
温度に強く依存することから低すぎる温度では良好な特
性を確保できないため、120℃以上とすることが特に
好ましい。反応温度を上げることは、硬化時間がその分
短くなり好ましいが、200℃以上では、他の成分の熱
劣化が進むことから、それ以上の温度は必要とされな
い。従って適正硬化温度範囲は100℃から200℃、
好ましくは130℃から180℃である。硬化時間は硬
化温度との関係で決定されるが上記温度範囲において
は、15分から2時間、好ましくは30分から1時間で
ある。この温度は通常のビスマレイミド樹脂の熱硬化温
度よりも低く、低温硬化性の利点が生かされている。
【0033】光硬化条件は共存する他の樹脂成分の種類
や現像を行うか行わないかによっても異なる。また、本
来熱硬化のみでも硬化することが可能なため、必須な要
件ではないが、通常5mJ/cm2から3,000mJ/
cm2である。不飽和カルボン酸変性したエポキシ樹脂
を同時に用いた場合、適正な露光量は100mJ/cm
2から800mJ/cm2で、準水系現像液(10重量%
ジエチレングリコールモノブチルエーテルに0.8重量
%のほう砂を添加したもの;35℃)で像形成が可能で
ある。これは通常の感光性樹脂の露光条件と変わらず作
業性は問題ない。
【0034】本発明の樹脂組成物においては、通常使用
される添加剤である、重合安定剤、レベリング剤、顔
料、染料等を使用してもよい。これら添加量は、各々樹
脂組成物中0.01〜10重量%とすることが好まし
い。またフィラーを配合することもできる。フィラーと
してはシリカ、溶融シリカ、タルク、アルミナ、水和ア
ルミナ、硫酸バリウム、水酸化カルシウム、エロジー
ル、炭酸カルシウム等の無機微粒子、粉末状エポキシ樹
脂、粉末状ポリイミド粒子等の有機微粒子、粉末状テフ
ロン粒子等が挙げられる。フィラ−の配合量は、樹脂組
成物総量中5〜40重量%とすることが好ましい。これ
らのフィラーには予めカップリング処理を施して有って
もよい。これらの分散はニーダー、ボールミル、ビーズ
ミル、3本ロール等既知の混練方法によって達成され
る。
【0035】本発明の樹脂組成物は、通常溶剤、例え
ば、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、トルエ
ン、アセトン等で希釈されておりそれを適当な基材上に
塗工し、溶剤を乾燥して塗膜を形成した後に、硬化を行
わせる。あるいは前述したように別の支持体等に予め塗
膜を形成してフィルムとし、それを別の基材に転写積層
することでも行える。基材としてはガラス基板、プラス
チック基板、金属基板、絶縁性基板、積層板、プリント
配線板のようなものが挙げられ、塗膜を保持できるもの
ならばどれでも使用可能である。特に積層基板或いはプ
リント配線板を用いた場合には既に形成した配線基板上
に新たな絶縁層を形成できることからビルドアップ配線
板用絶縁材料として用いることが可能である。このもの
は、熱硬化反応を行った後、レーザ等を用いて導通用の
ビアホールを形成することが可能である。また、光硬化
性という特徴を利用すればフォトマスクを用いて絶縁材
料に微細なビアホールを形成した後、熱硬化させること
も可能である。これらの熱硬化を行った配線基板表面を
前述の粗化液を用いて粗化し、上層回路配線となる銅め
っきを付着させることも可能である。
【0036】
【実施例】以下本発明を実施例によって具体的に説明す
る。 (実施例1)2,2−ビス[4−(4−N−マレイミジ
ルフェノキシ)フェニル]プロパン(日立化成工業株式
会社製 BBMI)96重量部に、1,7−ジ−9−ア
クリジニルヘプタンを4重量部混合したシクロヘキサノ
ンの40重量%溶液を作製した。この溶液をガラス基板
に塗布し、80℃で20分乾燥した固形フィルムを用い
て、示差走査熱量計(デュポン社製910型Differenti
al Scanning Calorimeter)を用いて測定した。測定条
件は、昇温速度10℃/分、窒素気流中で行った。
【0037】(実施例2)ビス(4−N−マレイミジニ
ルフェニル)メタン(三井東圧化学株式会社製、BM
I)40重量部、エポキシ当量500のビスフェノール
A型エポキシ樹脂に1当量のテトラヒドロ無水フタル酸
を窒素雰囲気下で150℃で10時間反応させて合成し
た酸変性エポキシ樹脂55重量部、1,7−ジ−9−ア
クリジニルヘプタン5重量部のシクロヘキサノンの40
重量%樹脂溶液を作製した。この樹脂溶液を厚み35μ
mの銅箔上に膜厚が100μmとなるように塗布し、8
0℃で15分間乾燥し、溶剤を除去した。次いで、真空
下で紫外線を500mJ/cm2を照射して全面を露光
させ、さらに、120℃で60分間熱硬化を行った。こ
の樹脂層付銅箔の銅箔部分のみエッチングして、フィル
ムを作製した。このフィルムを用いて、熱機械分析装置
(デュポン社製943型)によりガラス転移温度(T
g)とメチルエチルケトン溶液での耐溶剤性を調べた。
【0038】(実施例3)2,2−ビス−[4−(4−
N−マレイミジニルフェノキシ)フェニル]プロパン
(日立化成工業株式会社製、BBMI)40重量部、エ
ポキシ当量500のビスフェノールA型エポキシ樹脂に
1当量のテトラヒドロ無水フタル酸を窒素雰囲気下で1
50℃で10時間反応させて合成した酸変性エポキシ樹
脂55重量部、1,7−ジ−9−アクリジニルヘプタン
5重量部のシクロヘキサノンの40重量%樹脂溶液を作
製した。 この樹脂溶液を厚み35μmの銅箔上に膜厚
100μmとなるように塗布し、80℃で15分間乾燥
して溶剤を除去した。次いで、真空下で紫外線を500
mJ/cm2を照射し全面を露光させ、さらに、120
℃で60分間熱硬化した。この樹脂層付銅箔の銅箔部分
のみエッチングして、フィルムを作製した。このフィル
ムを用いて、熱機械分析装置(デュポン社製943型)
によりガラス転移温度(Tg)とメチルエチルケトン溶
液での耐溶剤性を調べた。
【0039】(実施例4)2,2−ビス−[4−(4−
N−マレイミジルフェノキシ)フェニル]プロパン(日
立化成工業株式会社製、BBMI)30重量部、エポキ
シ当量500のビスフェノールA型エポキシ樹脂に1当
量のテトラヒドロ無水フタル酸を窒素雰囲気下、150
℃で10時間反応させて合成した酸変性エポキシ樹脂4
5重量部、分子内にカルボキシル基を4mol%含んだ
アクリロニトリルブタジエンゴム(PNR−1H,日本
合成ゴム株式会社製商品名)20重量部、1,7−ジ−
9−アクリジニルヘプタン5重量部のシクロヘキサノン
の40重量%樹脂溶液を作製した。 この樹脂溶液を厚
み35μmの銅箔上に膜厚100μmとなるように塗布
し、80℃で15分間乾燥して溶剤を除去した。次い
で、真空下で紫外線を500mJ/cm2を照射し全面
を露光させ、さらに、120℃で60分間熱硬化した。
この樹脂層付銅箔の銅箔部分のみエッチングして、フィ
ルムを作製した。このフィルムを用いて、熱機械分析装
置(デュポン社製943型)によりガラス転移温度(T
g)とメチルエチルケトン溶液での耐溶剤性を調べた。
【0040】(実施例5)2,2−ビス−[4−N−マ
レイミジルフェノキシ)フェニル]プロパン(日立化成
工業株式会社製、BBMI)30重量部、エポキシ当量
500のビスフェノールA型エポキシ樹脂に1当量のテ
トラヒドロ無水フタル酸を窒素雰囲気下で150℃で1
0時間反応させて合成した酸変性エポキシ樹脂45重量
部、分子内にカルボキシル基を4mol%含んだアクリ
ロニトリルブタジエンゴム(PNR−1H,日本合成ゴ
ム株式会社製商品名)20重量部、1,7−ジ−9−ア
クリジニルヘプタン5重量部のシクロヘキサノンの40
重量%樹脂溶液混合物を作製した。 この樹脂溶液を、
離型処理が施された厚み20μmのポリエチレンテレフ
タレートフィルム上に塗布した後、80℃で15分間乾
燥してフィルムを得た(フィルム厚75μm)。このフ
ィルムを酸化還元処理した銅張積層板(MCL−E−6
7,日立化成工業株式会社製商品名、厚み1.0mm、
銅箔厚み35μm)にホットロールラミネータを用いて
120℃で積層し積層体を得た。次に直径150μmの
黒丸が形成されたフォトマスクを介して真空下で紫外線
を500mJ/cm2を照射して露光し、次いでジエチ
レングリコ−ルモノブチルエ−テル20体積%、4−硼
酸ナトリウム8g/lを含んだ現像液で35℃、3分間
スプレー処理して、直径150μmの現像性を調べたと
ころ、150μmのビアホールが形成できた。
【0041】(実施例6)2,2−ビス−[4−(4−
N−マレイミジルフェノキシ)フェニル)プロパン(日
立化成工業株式会社製、BBMI)30重量部、エポキ
シ当量500のビスフェノールA型エポキシ樹脂に1当
量のテトラヒドロ無水フタル酸を窒素雰囲気下、150
℃で10時間反応させて合成した酸変性エポキシ樹脂4
5重量部、分子内にカルボキシル基を4mol%含んだ
アクリロニトリルブタジエンゴム(PNR−1H,日本
合成ゴム株式会社製商品名)20重量部、1,7−ジ−
9−アクリジニルヘプタン5重量部のシクロヘキサノン
の40重量%樹脂溶液混合物を作製した。 この樹脂溶
液を、離型処理が施された厚み20μmのポリエチレン
テレフタレートフィルム上に塗布した後、80℃で15
分間乾燥しフィルムを得た(フィルム厚75μm)。こ
のフィルムを酸化還元処理した銅張積層板(MCL−E
−67,日立化成工業株式会社製商品名、厚み1.0m
m、銅箔厚み35μm)にホットロールラミネータを用
いて120℃で積層し積層体を得た。次に直径150μ
mの黒丸が形成されたフォトマスクを介して真空下で紫
外線を500mJ/cm2を照射して露光し、次いでジ
エチレングリコ−ルモノブチルエ−テル20体積%、4
−硼酸ナトリウム8g/lを含んだ現像液で35℃、3
分間スプレー処理した。さらに、80℃で30分間乾燥
後、2,000mJ/cm2後露光し、120℃で60
分間後加熱を行った。この基板をバフ研磨(#600)
処理した。次いで、過マンガン酸ナトリウム60g/
l、水酸化ナトリウム40g/lの混合水溶液に70
℃、10分間浸漬した後、硫酸ヒドロキシアミン系中和
液で50℃、5分間処理した。次いで、通常のめっき前
処理方法と同様な処理を施してめっき銅を30μm析出
させて、めっき銅とのピール強度を測定したところ0.
8KN/mが得られ、良好なめっき密着性を示した。
【0042】(実施例7)実施例4において、1,7−
ジ−9−アクジニルヘプタンの代わりに9−ブチルアク
リジン5重量部を用いてシクロヘキサンの40重量%樹
脂溶液を作製し、実施例4と同様にしてフィルムを作製
し、熱機械分析装置によりガラス転移温度とメチルエチ
ルケトン溶液での耐溶剤性を調べた。
【0043】(比較例1)実施例1において、1,7−
ジ−9−アクリジニルヘプタンを用いずに2,2−ビス
[4−(4−N−マレイミジルフェノキシ)フェニル]
プロパン(日立化成工業株式会社製、BBMI)単体の
示差走査熱量計測定を行った。
【0044】(比較例2)実施例1において、2,2−
ビス[4−(4−N−マレイミジルフェノキシ)フェニ
ル]プロパン(日立化成工業株式会社製、BBMI)を
用いずに1,7−ジ−9−アクリジニルヘプタン単体の
示差走査熱量計による測定を行った。
【0045】実施例1〜7、比較例1、2で得られた結
果を表1にまとめて示した。また、実施例1で得られた
示差走査熱量計の測定のチャートを図1に示した。
【0046】
【表1】
【0047】比較例1、2で示したようにビスマレイミ
ド化合物単体、アクリジン化合物単体では、発熱反応が
測定した200℃以下では、生じない。それに対して、
実施例1で示したように、ビスマレイミド化合物にアク
リジン化合物を配合すると、108℃より発熱反応が進
行し、143℃で第1のピークが観察される。そして、
158℃より再度発熱反応が進行し、167℃で第2の
ピークに達し、その後更に発熱が進行していく。このよ
うに、ビスマレイミド化合物にアクリジン化合物を配合
すると低温度から硬化反応が進行していくことが分か
る。更に、実施例2〜4に示すように硬化物のガラス転
移温度が150〜165℃と高く、耐熱性に優れる。ま
た、直径150μm程度のアルカリ系の現像液による解
像性に問題はなく良好であり(実施例5)、めっき銅と
の密着性も良好である(実施例6)。
【0048】
【発明の効果】本発明の、光又は熱により硬化可能な樹
脂組成物は、ビスマレイミド化合物と特定のアクリジン
化合物を配合することにより、ビスマレイミドの高耐熱
性を生かしつつ、低温度での硬化や光による硬化を行う
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1の組成物を示差走査熱量計に
より測定したチャートを示す。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI G03F 7/027 514 G03F 7/027 514 7/031 7/031 7/032 7/032 H05K 1/03 610 H05K 1/03 610H 3/28 3/28 D 3/46 3/46 T (72)発明者 山寺 隆 茨城県下館市大字小川1500番地 日立化成 工業株式会社下館研究所内 (72)発明者 畠山 修一 茨城県下館市大字小川1500番地 日立化成 工業株式会社下館研究所内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)ビスマレイミド化合物100重量
    部に対し、(C)熱硬化促進剤若しくは光開始剤として
    式(1)又は式(2)で表されるアクリジン化合物0.
    1〜30重量部を含む熱又は光により硬化可能な樹脂組
    成物。 【化1】 【化2】
  2. 【請求項2】 (A)ビスマレイミド化合物5〜90重
    量%、(B)他の樹脂成分10〜95重量%及び(A)
    と(B)の総計100重量部に対し、(C)熱硬化促進
    剤若しくは光開始剤として式(1)又は式(2)で表さ
    れるアクリジン化合物0.1〜30重量部を含む熱又は
    光により硬化可能な樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 (B)他の樹脂成分が、分子内に不飽和
    結合を有する樹脂である請求項2に記載の熱又は光によ
    り硬化可能な樹脂組成物。
  4. 【請求項4】(B)他の樹脂成分が、エポキシ樹脂、変
    性エポキシ樹脂、フェノール性水酸基を有する樹脂、メ
    ラミン樹脂、シアネートエステル樹脂、ゴムの中から選
    ばれる1種類以上である請求項2又は請求項3に記載の
    熱又は光により硬化可能な樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし請求項4のいずれかに記
    載の熱又は光により硬化可能な樹脂組成物を支持体上に
    塗布、乾燥して得られたフィルム。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし請求項4のいずれかに記
    載の熱又は光により硬化可能な樹脂組成物を基材上に形
    成し、光照射により部分的に光硬化を行い、光によって
    硬化しなかった部分を現像により除去した後、更に熱硬
    化を行うことにより基材上に画像を形成することを特徴
    とする積層板。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008503896A (ja) * 2004-06-25 2008-02-07 インテル コーポレイション 紫外線照射後に形状を保つペーストを用いるはんだバンプ形成方法
JP2009276597A (ja) * 2008-05-15 2009-11-26 Hitachi Chem Co Ltd 感光性樹脂組成物、並びにこれを用いた感光性フィルム、レジストパターンの形成方法及び永久レジスト
JP2011219674A (ja) * 2010-04-13 2011-11-04 Sumitomo Bakelite Co Ltd 回路基板用熱硬化樹脂性組成物
KR101327756B1 (ko) * 2008-08-21 2013-11-11 (주)엘지하우시스 이중경화방식을 이용한 보호층을 가지는 마루바닥재 및 그 제조방법

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