JPH1099011A - 焼き菓子の製造法 - Google Patents

焼き菓子の製造法

Info

Publication number
JPH1099011A
JPH1099011A JP8277617A JP27761796A JPH1099011A JP H1099011 A JPH1099011 A JP H1099011A JP 8277617 A JP8277617 A JP 8277617A JP 27761796 A JP27761796 A JP 27761796A JP H1099011 A JPH1099011 A JP H1099011A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
starch
flour
baked confectionery
mouth
baked
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP8277617A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3702358B2 (ja
Inventor
Shoji Kashiwagi
章司 柏木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Matsutani Chemical Industries Co Ltd
Original Assignee
Matsutani Chemical Industries Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Matsutani Chemical Industries Co Ltd filed Critical Matsutani Chemical Industries Co Ltd
Priority to JP27761796A priority Critical patent/JP3702358B2/ja
Publication of JPH1099011A publication Critical patent/JPH1099011A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3702358B2 publication Critical patent/JP3702358B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Bakery Products And Manufacturing Methods Therefor (AREA)
  • Confectionery (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】サクサク感があり、口溶けに優れた焼き菓子を
製造し得る方法を提供すること。 【解決手段】焼き菓子の製造に際し、小麦粉95〜50
重量部に対して、次亜塩素酸ソーダ処理澱粉、置換度が
0.01〜0.04のアセチル化澱粉及び膨潤度が4〜
15の架橋澱粉から選ばれた澱粉変性品の少なくとも1
種類を、5〜50重量部使用すること。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は小麦粉を主原料の一
つとする焼き菓子の製造に関し、更に詳しくはサクサク
感があり、口溶けに優れた焼き菓子の製造に関する。
【0002】
【従来技術】クラッカー、ビスケットなどの焼き菓子
は、それぞれ固有のロースト感を有し、一般家庭で容易
につくることができ、水分が少なく保存性に富み、主食
代用にもなるので、世界各国で広く愛用されている菓子
である。
【0003】焼き菓子の食感についても、カリカリ感の
あるクラッカーや硬くてかみごたえのあるハードビスケ
ット、ソフトでしっとり感のあるソフトビスケットなど
の例に見られるように、個人の嗜好などに合わせて多種
類の商品が製造されているが、最近サクサク感があっ
て、口溶けに優れたものが好まれる傾向にある。
【0004】焼き菓子の主原料の一つである小麦粉が澱
粉を主成分として含有しているため、澱粉質系のものを
使用して焼き菓子の品質改善をしようとした提案も多
く、特開平1−231842号の無漂白粉、ショートニ
ングなどと共にコーンスターチ等の澱粉を原料とする冷
水溶解度50%以上の冷水膨潤性澱粉を使用し、水分含
量6%以上に焼成するクッキーは、漂白粉を使用した場
合と同じようにスプレッド(水平運動の広がり)を抑え
ることで大きさの揃ったクッキーの製造を容易にした
り、特開平2−215338号の小麦粉、砂糖、ショー
トニング、化学膨張剤と共に前ゼラチン化澱粉を使用
し、化学膨張剤の反応が鈍い温度で予備焙焼したクッキ
ードウは、貯蔵安定性がよく、マイクロ波で焙焼できる
クッキーの製造を可能にしたり、特開昭63−1465
4号の通常のドウの成分で焼成すると軟らくてかみごた
えのある第1ドウとDE42以下の澱粉分解物をドウ中
2〜30重量%含有し、焼成すると第1ドウより硬くな
る第2ドウを積層して焼成する製品はソフトで歯ごたえ
があり、硬いテキスチュアーを有し、シエルフ安定性な
どの改善などをしているが、サクサク感や口溶けの改善
を目的とするものでなかった。
【0005】焼き菓子にサクサク感を与えるものとし
て、例えば特開昭61−265048号では、澱粉粒子
の大半が細胞内に存在しかつ蛋白質含量の少ない澱粉
(穀粉や豆類などで上新粉が最良)、油脂、ショ糖など
の糖類などを必須成分とする焼き色のつきにくい生地層
とビスケットなど典型的な焼き菓子を生成する生地層か
ら製造する焼き菓子は、色調の変化をつけたり、細胞膜
が破壊されている澱粉の割合を少なく少なくすることで
サクサク感を与えるとしているが、生地層を多段にする
ことが必要であったり、口溶けも十分なものとはいえな
かった。
【0006】焼き菓子の口溶けに関して、特開昭63−
71135号、特開平6−78662号、特開昭56−
5039号などが開示されている。
【0007】特開昭56−5039号は通常の方法で製
造したビスケットの重量に対し1〜4倍量の水を含浸さ
せてビスケットを膨潤させ、凍結後凍結乾燥させたビス
ケットは、多孔質にして組織を柔らかくすることにより
口溶けの改良をねらっているが、工程が複雑になって実
用的でない。
【0008】特開平6−78662号は穀物および/ま
たは澱粉質原料を主原料とし、消石灰、水酸化ナトリウ
ムなどのアルカリ剤からなるアルカリ性水溶液及びメチ
オニンなどの含硫アミノ酸、必要に応じて糖、油脂、膨
張剤などの副原料よりなる生地を調整し、成型、焼成す
る焼き菓子は、アルカリ処理と元来肉様のフレーバとさ
れていたメチオニンなどの含硫アミノ酸とを併用するこ
とで、焼き菓子の香ばしさ、ロースト感を強化し、α化
の促進をはかることで口溶けを改良するとしているが、
サクサク感のある食感を有するものではなかった。
【0009】焼き菓子のサクサク感や、口溶けを改善す
るために、小麦粉に対する油脂や乳化剤などの添加量を
増加させることもとられているが、油脂量をあまり増や
しては製造機械などへの付着が多くなって製品歩留を低
下させるし、乳化剤等を増量すると焼き菓子の呈味を悪
くするなどの問題があったし、サクサク感や口溶けの改
善効果が必ずしも十分なものとはいえなかった。
【0010】これらに対して、特開昭63−71135
号や特開平5−168397号などが開示されている。
【0011】特開昭63−71135号の平均分子量2
000〜20000の小麦グルテン部分加水分解物を、
穀粉に対し0.05〜5重量%添加したものを使用する
ビスケット類は、食感が軽くてサクサク感もあり、口溶
けも良好なものとしているが、焼成中の生地の膨張がグ
ルテン網の弾力によって妨げられたり、火ぶくれをおこ
しやすくなるなどの問題がみられた。
【0012】特開平5−168397号の粒径100〜
300μmの小麦粉を20〜100重量部含んだ粗粒小
麦粉(A)、油脂(B)、砂糖、膨剤を添加するクッキ
ー類等用のミックス粉(B成分をA成分の13〜20重
量%)、クッキー類(B成分をA成分の13〜25重量
%)とそれらの製法は、油脂量が低くなると、アルギン
酸などの増粘剤、アルファー化度60〜80のα化小麦
粉或は化工澱粉(澱粉、酸処理澱粉、架橋澱粉などを原
料とするα化澱粉)で食感や風味の低下を補って、油脂
の低減をしてもサクサク感があり、口溶けに優れた焼き
菓子が得られるとしているが、大粒子が混在しているせ
いかざらつき感が残るものであった。
【0013】このように食感にサクサク感があって、口
溶けに優れた焼き菓子を得るには、上記のような方法で
は必ずしも十分なものでなかった。
【0014】
【本発明が解決しようとする課題】サクサク感があり、
口溶けに優れた焼き菓子を製造し得る方法を提供する。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明者等は上記の課題
を解決すべく鋭意努力の結果、小麦粉を主原料の一つと
し、ドウを調製し、焼成する焼き菓子の製造に際し、小
麦粉95〜50重量部に対して、次亜塩素酸ソーダ処理
澱粉、置換度(DS)が0.01〜0.04のアセチル
化澱粉及び膨潤度が4〜15のの架橋澱粉から選ばれた
澱粉変性品の少なくとも1種類を5〜50重量部を使用
することで問題点の解消をはかることができ、本発明を
完成した。
【0016】
【発明の実施形態】本発明でいう焼き菓子とは、小麦粉
を主原料の一つとして、砂糖などの糖類、バタ−、マー
ガリン、ショートニングなどの油脂、膨張剤、イース
ト、乳製品、卵などの原料と適量の水分を加えてドウを
調製し、焼成して得られる菓子類を総称し、具体的に
は、クラッカーやハードビスケットなどのように食感の
硬いハードタイプから、ソフトビスケット(クッキーを
含む)、タルトカップにクッキー生地を使用するタル
ト、メロンパンやシュークリームなどの上掛け用(パン
生地やシュー生地にクッキー生地を乗せて焼成)などの
ように食感の柔らかいソフトタイプ、及び通常のビスケ
ットのようにそれらの中間の食感を有するビスケットを
指称する。
【0017】本発明でいう澱粉変性品とは、次亜塩素酸
ソーダ処理澱粉、置換度0.01〜0.04のアセチル
化澱粉、膨潤度4〜15の架橋澱粉を総称し、それぞれ
については次のように定義する。
【0018】次亜塩素酸ソーダ処理澱粉は、澱粉に次亜
塩素酸ソーダを作用させて元の澱粉の10〜80%の粘
度になるように分解させたものを意味する。この際10
%未満、或は80%を越えては澱粉質の糊化状態が悪く
なり、本発明が目的としている食感や口溶けを有する焼
き菓子が得られ難くなる。用いる原料澱粉には、特に制
限はなく単独、或は2種類以上の混合品の何れでも使用
できる。尚、粘度は原料澱粉の水分散液をブラベンダー
アミログラフを用いて加熱し、加熱時のピーク粘度
(A)が500〜1500BU(ブラベンダーアミログ
ラフの粘度単位)程度になる濃度で、次亜塩素酸ソーダ
処理澱粉の水分散液を加熱した時のピーク粘度(B)を
測定し、BのAに対する割合(%)でもって表す。
【0019】置換度0.01〜0.04のアセチル化澱
粉は、澱粉に無水酢酸や酢酸ビニールなどを反応せしめ
て、置換度が0.01〜0.04になるようにしたもの
であり、用いる反応薬品の添加量で置換度を適宜調節す
ることができる。置換度が0.01未満では、焼き菓子
のサクサク感が不足したり、口溶けを改善する効果が弱
い。また0.04を越えると焼き菓子にサクサク感を与
える効果はあっても口溶けが悪くなる。用いる原料澱粉
としては、特に制限もなく何れの種類のものでも利用で
きるが、口溶けの点で小麦澱粉を原料とするアセチル化
澱粉がより好ましい。尚、置換度は澱粉のグルコ−ス残
基一個当たりの置換基の数を示す。
【0020】膨潤度0.01〜0.04の架橋澱粉は、
原料澱粉としてタピオカ澱粉、ワキシーコーンスター
チ、小麦澱粉を用い、トリメタリン酸塩、ヘキサメタリ
ン酸塩、オキシ塩化リン、エピクロルヒドリンなど常用
の架橋剤を反応させ、膨潤度が4〜15になるように架
橋したものであり、用いる架橋剤の添加量で適宜調節す
ることができる。上記以外の原料澱粉を用いたり、膨潤
度が上記範囲を逸脱するとサクサク感を与える効果や口
溶けを改善する効果が弱くなる。尚、膨潤度は、乾燥物
換算で試料1.0gを純水100mlに分散し、90
℃、30分間加熱後30℃に冷却し、得られた糊化液を
遠心分離(3000rpm、10分間)してゲル層と上
澄層に分け、ゲル層の重量を測定した値をAとし、重量
測定したゲル層を乾固(105℃、恒量)して重量を測
定した値をBとした時のA/Bの比率でもって表す。
【0021】本発明は小麦粉を主原料の一つとし、ドウ
を調製し、焼成する焼き菓子の製造に際し、小麦粉95
〜50重量部に対して次亜塩素酸ソーダ処理澱粉、置換
度が0.01〜0.04のアセチル化澱粉、膨潤度が4
〜15の架橋澱粉から選ばれた澱粉変性品の少なくとも
1種類を5〜50重量部使用する焼き菓子の製造法であ
る。
【0022】焼き菓子製造時のドウを構成する粉末由来
の主成分として小麦粉のみを使用する場合、小麦粉とし
て薄力粉や中力粉を使い分けることにより、焼き菓子の
ソフト感やハード感をかなりの程度まで調節することは
できるが、サクサク感が不足したり、口溶けが十分でな
かった。また小麦粉の一部をコーンスターチのような未
処理の澱粉と置き換えると、チエッキングなどの焼き菓
子のわれを減少することはできるが、焼き菓子にサクサ
ク感を与える効果が少なく、口溶けなどの改善効果をは
かれるようなものではなかった。
【0023】しかし、本発明の如く小麦粉の一部を特定
の澱粉変性品と置き換えて、焼き菓子を製造することに
より、焼き菓子にサクサク感を与え、口溶けを大幅に改
善できるようになった。
【0024】特定の澱粉変性品としては、次亜塩素酸ソ
ーダ処理澱粉、置換度(DS)が0.01〜0.04の
アセチル化澱粉及び膨潤度が4〜15の架橋澱粉の一種
以上から選択されるが、これらの澱粉変性品をドラムド
ライヤーなどで処理して一部または全体が冷水で可溶化
するアルファー化澱粉にすると、ドウの調製が困難にな
ったり、本発明の意図しているサクサク感や口溶けを焼
き菓子に付与しにくくなる。
【0025】本発明はドウを構成する粉末由来の主成分
として小麦粉と澱粉変性品を用いて製造する焼き菓子で
あり、小麦粉と澱粉変性品の割合を特に問題とし、焼き
菓子の種類、小麦粉の種類などによっても影響をうける
が、小麦粉と澱粉変性品の重量比率が95〜50:5〜
50、より好ましくは90〜70:10〜30とする。
澱粉変性品の割合が5重量%未満ではサクサク感が不足
したり、口溶けなどの改善効果が弱く、逆に50重量%
を超えるとサクサク感は強くなっても、口溶けが悪くな
ったりする。
【0026】焼き菓子は、原料処方の違い、焼成前の生
地の厚みや焼成温度或は製造機械の違いなどによって多
種類の商品が製品化されている。これらの焼き菓子を食
感の上からみると、クラッカーやハードビスケットなど
のように食感の硬いハードタイプ、ソフトビスケット
(クッキーを含む)のように食感の柔らかいソフトタイ
プ及びこれらの中間の標準的なビスケットのような中間
の食感を有するタイプの3種類に大別でき、これら何れ
のタイプのものも、従来サクサク感や口溶けについては
必ずしも満足のいくものでなかった。しかし乍ら、本発
明の小麦粉と澱粉変性品を併用する焼き菓子の製造法に
よって、焼き菓子にサクサク感を与え、口溶けを大幅に
改善できるようになった。その際、焼き菓子が標準的な
ビスケットのような食感に対しては、澱粉変性品として
何れを用いてもほぼ同じように優れた効果を発揮する
が、焼き菓子が食感の硬いハードタイプや食感の柔らか
いソフトタイプについては、澱粉変性品を選択して用い
ると本発明の効果がより大きくなる。
【0027】ハードタイプの焼き菓子は、従来小麦粉と
して蛋白含量の多い中力粉の含量を増やしたり、油脂や
砂糖などの糖類を減少させたり、或は焼成温度を高くす
るなどの方法で食感を硬めにしているが、サクサク感と
いうよりカリカリ感、或はガリガリ感が強く感じられ、
口溶けも悪いものであった。これに対して小麦粉の一部
を澱粉変性品で置き換えると、サクサク感や口溶けが改
善されるが、澱粉変性品の中でも次亜塩素酸ソーダ処理
澱粉、又は置換度0.01〜0.04のアセチル化澱粉
を用いた場合、より効果的でより好ましい。
【0028】ソフトタイプの焼き菓子は、従来小麦粉と
して蛋白含量の少ない薄力粉を使用したり、油脂や糖類
の含量を増やしたり、比較的低温で焼成するなどの方法
でソフト感をもたせているが、サクサク感や口溶けなど
が十分なものとはいえなかった。これに対して小麦粉の
一部を澱粉変性品に置き換えることで、サクサク感や口
溶けを改善できるようになったが、澱粉変性品として膨
潤度が4〜15の架橋澱粉を選択することでサクサク感
や口溶けが極めて優れた焼き菓子の製造が可能になっ
た。
【0029】本発明は小麦粉と澱粉変性品を併用して生
地を調製することからなる焼き菓子の製造法であるが、
本発明をより明確にするために以下にその方法の一例を
示す。
【0030】攪拌機を装着したミキサーにマーガリン、
ショートニングなどの油脂、砂糖、グルコースなどの糖
類、食塩、バニラなどの香料、必要に応じて練乳などの
液状の乳製品を投入し、高速で攪拌してエアーをよく抱
き込んだクリームにする。この際、膨張剤として重炭酸
アンモニウムのように難溶性のものを使用する場合に
は、予め練りこみ用の水、卵、牛乳などの液体の一部又
は全部に溶解して液状にしてからミキサーに投入し、残
りの練りこみ用の水、卵、牛乳などを少しずつ添加して
十分に攪拌をする。
【0031】次に小麦粉、本発明の澱粉変性品、全脂又
は脱脂粉乳などの粉末状の乳製品、重炭酸ナトリウムな
どのように易溶性の膨張剤、必要に応じて粉末状の乳化
剤を混合し篩を通過させて塊を除去した粉末ミックスを
上記のクリームに添加し、低速で短時間攪拌して焼き菓
子用の生地を得る。尚、ハードビスケットの場合、中〜
高速で長時間攪拌し、グルテン網を最高に発展させた後
にもオーバーミキシングしてグルテン網の一部を切り、
生地の伸展性を調節することも多い。。
【0032】得られた生地の硬さに応じて、ロータリモ
ルダー、カッテイングマシン、ルートプレス、ワイヤー
カット、ディポジッターなどの成形機を適宜選別して、
所望の大きさや形に成形する。
【0033】成形された生地を例えば電気又はガス等を
熱源とする連続式のトンネルオーブンに入れ、160〜
300℃て焼成するが、ソフトタイプの焼き菓子は温度
を低めに、ハードタイプの焼き菓子には温度を高めにし
て焼成するのが一般的である。
【0034】本発明に於いては、原則としてその製造法
は、従来の製造法を適宜選択して使用することができ、
上記好ましい製造法の一つを必ず使用しなければならな
いというものではない。
【0035】また使用する原料も、上記特定の澱粉変性
品以外は、従来から使用されきたものが使用される。例
えば、糖類としては、砂糖、グルコース、異性化糖、マ
ルトース、水飴など、油脂としては、バター、マーガリ
ン、ショートニング、サラダ油など、乳製品としては、
牛乳、練乳、粉乳、ホエイ、チーズなど、卵製品として
は、生、冷凍、或は乾燥した全卵、卵黄、卵白、膨張剤
としては、重炭酸アンモニウム、重曹、イーストなど、
香料としては、バニラフレーバ、ミルクフレーバ、オレ
ンジフレーバ、チョコレートオイルなど、香辛料として
は、シナモン、パプリカ、ジンジャー、ナツメグ、天然
又は合成の色素などが例示できる。これらの原料の使用
割合としても、従来の割合から適宜選択して決めれば良
い。
【0036】
【実施例】以下に本発明を参考例、実施例でもって説明
するが、いずれの例でも部は重量部を表す。
【0037】
【参考例1】30℃の水125部に馬鈴薯澱粉50部と
タピオカ澱粉50部を分散したスラリーを調製し、攪拌
下で3%水酸化ナトリウム溶液を添加し、pHを10.
8〜11.2に維持しながら、表1に示す割合で次亜塩
素酸ソーダ溶液を添加し、活性塩素が残存しなくなった
時点(オルトトリジン溶液で確認)で塩酸を使用して中
和後、水洗、脱水、乾燥して得た試料No.1〜No.
4の次亜塩素酸ソーダ処理澱粉の粘度を表1に示した。
これらの粘度は、固形分6重量%濃度のスラリーをブラ
ベンダーアミログラフを用いて加熱した時の加熱時のピ
ーク粘度で、反応前の澱粉の粘度(測定では1200B
U)を100とした時の割合で表した。
【0038】
【表1】
【0039】
【参考例2】25℃の水120部に表1に示す原料澱粉
100部を分散したスラリ−を調製し、撹拌下でそれぞ
れに3%水酸化ナトリウム溶液16.7部を添加し、表
1に示す割合で酢酸ビニ−ルモノマ−を加えて30分間
反応させた後、10%硫酸溶液で中和し、水洗、脱水、
乾燥して試料No.5〜11のアセチル化澱粉を得た。
その置換度を表1に示した。
【0040】
【表2】
【0041】
【参考例3】水120部に硫酸ナトリウム10部を溶解
し、表3に示す原料澱粉100部を分散させたスラリー
を調製し、攪拌下でそれぞれに3%水酸化ナトリウム溶
液を加えてpH11.1〜11.3に維持しながら、表
3に示すトリメタリン酸ソーダを添加し、40℃で10
時間反応した後、塩酸で中和し、水洗、脱水、乾燥して
得た試料No.15〜21の架橋澱粉の膨潤度を表2に
示した。
【0042】
【表3】
【0043】
【実施例1】ケンミックス アイコープロKM(商品
名:株式会社愛工舎製作所販売のミキサー)にショート
ニング、マーガリン、バニラエッセンス、食塩、上白糖
を表4の割合で投入し、500rpmで2分間攪拌し、
攪拌を停止して攪拌機、容器内壁に付着したクリームを
ヘラでそぎ落とす。このような攪拌操作を3回繰り返
す。
【0044】次いで、重炭酸アンモニウム0.3部を水
16部に溶解した重炭酸アンモニウムの水溶液をミキサ
ーに添加し、上記と同様に500rpmで2分間攪拌す
る操作を3回繰り返す。
【0045】次に小麦粉としてフラワー(商品名:日清
製粉製の薄力粉)80部、澱粉質試料として参考例1の
試料No.1〜No.4の次亜塩素酸ソーダ処理澱粉を
20部又はその時に使用した未変性の原料澱粉20部を
用い、重曹(重炭酸ナトリウム)0.3部を表4の重量
割合で混合し、篩を通過させた粉末ミックスをミキサー
に投入し、大きな気泡が入らないようにヘラを用いて切
るような混合をする操作を60回行ってから、攪拌速度
150rpmで30秒間混合し、攪拌を停止してヘラで
攪拌機、容器内壁に付着した内容物をそぎ落し、再度1
50rpmで30秒間攪拌をしてから攪拌を停止し、得
られた生地をラップに包んで15分間室温で放置する。
放置後の生地を20gずつ団子状にし、団子状にした生
地6個を等間隔で油を薄く塗りつけたアルミ製の天板
(40cm×30cm×20mm)に乗せ、麺棒で厚さ
3.6mmまで伸ばし、内径55mmの型で抜く。型抜
きで生じた余分の生地を取り除いてから、天板を170
℃に設定したNCM−Gコンポミニオーブン(商品名:
三幸機械製のオーブン)に入れ、10分間焼成して標準
的なビスケット(ソフトビスケットとハ−ドビスケット
の中間程度の食感)を製造した。得られたビスケットを
室温で45分間程度冷却し、ポリエチレンの袋に入れて
シールして試料とする。粉末ミックスに薄力粉100部
と重曹0.3部を使用したビスケットを対照にし、サク
サク感、口溶けを下記のように評価した結果を表5に示
す。
【0046】 <サクサク感> ◎:対照に較べ、サクサク感がかなり強い。 ○:対照に較べ、サクサク感が強い △:対照とほぼおなじ程度 ×:対照よりサクサク感が弱い <口溶け> ◎:対照に較べ、口溶けがかなり良好 ○:対照に較べ、口溶けが良好 △:対照とほぼ程度 ×:対照より、口溶けが悪い
【0047】
【表4】
【0048】
【表5】 *1. 試料No.1〜試料No.4の製造に使用したもの。 *2. 固形分6重量%スラリーの加熱時のピーク粘度で、原料澱粉の値 を100とする。
【0049】
【実施例2】澱粉質試料として参考例2の試料No.5
〜No.11のアセチル化澱粉又は未変性のコーンスタ
ーチを用いた以外、実施例1と同じようにしてビスケッ
トを製造して評価した結果を表6に示した。尚、表6の
原料澱粉の項目でタピオカ澱粉、ワキシーコーンスター
チ、コーンスターチは、それぞれタピオカ、ワキシー、
コーンと表記した。
【0050】
【表6】
【0051】
【実施例3】澱粉類として参考例3の試料No.12〜
試料No.18の架橋澱粉を用いた以外、実施例3と同
じようにしてビスケットを製造して評価した結果を表7
に示した。尚、表3の原料澱粉の項目でワキシーコーン
スターチ、コーンスターチはそれぞれ、ワキシー、コー
ンと表記した。
【0052】
【表7】
【0053】
【実施例4】小麦粉と試料No.7のアセチル化澱粉を
表8の割合で使用した以外、実施例1と同じようにビス
ケットを製造して評価した結果を表8に示した。
【0054】
【表8】
【0055】
【実施例5】小麦粉としてオーム(商品名:日清製粉製
の中力粉)を用い、小麦粉、澱粉変性品、その他の成分
を表9の割合にし、小麦粉100部を用いたものを対照
例としてハードビスケットを製造した。その際、含水結
晶ブドウ糖3部を甘味剤の一部として用い、脱脂粉乳2
部を粉末ミックスに添加し、重炭酸アンモニウム0.4
0部を全卵液3.5部と水18部に溶解し、実施例1に
準じて生地を調製したが、最終攪拌を150rpmで2
分間にした。得られた生地を18gずつ団子状にし、厚
み2.1mmに伸ばして直径55mmに型抜きし、温度
180℃で9分間焼成した。
【0056】澱粉変性品として試料No.3の次亜塩素
酸ソーダ処理澱粉、試料No.7のアセチル化澱粉、試
料No.14の架橋澱粉を用い、実施例1に準じた基準
でハードビスケットのサクサク感と口溶けを評価した結
果を表10に示した。
【0057】
【表9】
【0058】
【表10】
【0059】
【実施例6】小麦粉としてフラワーを用い、小麦粉、澱
粉変性品、その他の成分を表11の割合にし、小麦粉1
00部を用いたものを対照例としてクッキーを製造し
た。その際、脱脂粉乳3部を粉末ミックスに添加し、油
脂としてはマーガリンのみを用い、重炭酸アンモニウム
0.4部を全卵液20部に溶解し、実施例1に準じて調
製した生地を28gずつ団子状にし、厚み4.8mmに
伸ばして直径55mmに型抜きし、温度160℃で12
分間焼成した。
【0060】澱粉変性品として試料No.3の次亜塩素
酸ソーダ処理澱粉、試料No.7のアセチル化澱粉、試
料No.14とNo.16の架橋澱粉を用い、実施例1
に準じた基準でクッキーのサクサク感と口溶けを評価し
た結果を表12に示した。
【0061】
【表11】
【0062】
【表12】
【0063】
【実施例7】実施例4の小麦粉87部と試料No.7の
アセチル化澱粉13部を、小麦粉87部、試料No.7
のアセチル化澱粉7部、試料No.14の架橋澱粉6部
にした以外同じようにしてビスケットを製造した。得ら
れたビスケットはほぼ同じようにサクサク感があって、
口溶けも良好であった。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】焼き菓子の製造に際し、小麦粉95〜50
    重量部に対して、次亜塩素酸ソーダ処理澱粉、置換度が
    0.01〜0.04のアセチル化澱粉及び膨潤度が4〜
    15の架橋澱粉から選ばれた澱粉変性品の少なくとも1
    種類を、5〜50重量部使用することを特徴とする焼き
    菓子の製造法。
  2. 【請求項2】小麦粉と澱粉変性品を小麦粉:澱粉変性品
    =90〜70:10〜30の重量比率で使用する請求項
    1に記載の焼き菓子の製造法。
  3. 【請求項3】澱粉変性品として、次亜塩素酸ソーダ処理
    澱粉又は(及び)置換度が0.01〜0.04のアセチ
    ル化澱粉を用いる請求項1又は請求項2に記載のハード
    タイプの焼き菓子の製造法。
  4. 【請求項4】澱粉変性品として膨潤度が4〜15の架橋
    澱粉を用いる請求項1又は請求項2に記載のソフトタイ
    プの焼き菓子の製造法。
JP27761796A 1996-09-26 1996-09-26 焼き菓子の製造法 Expired - Fee Related JP3702358B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP27761796A JP3702358B2 (ja) 1996-09-26 1996-09-26 焼き菓子の製造法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP27761796A JP3702358B2 (ja) 1996-09-26 1996-09-26 焼き菓子の製造法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH1099011A true JPH1099011A (ja) 1998-04-21
JP3702358B2 JP3702358B2 (ja) 2005-10-05

Family

ID=17585923

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP27761796A Expired - Fee Related JP3702358B2 (ja) 1996-09-26 1996-09-26 焼き菓子の製造法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3702358B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2009153976A1 (en) * 2008-06-20 2009-12-23 Okumoto Seifun Kabushikikaisha Process for preparing powdery basic dough
JP2010104236A (ja) * 2008-10-28 2010-05-13 Kao Corp 焼き菓子類
JP2014121294A (ja) * 2012-12-21 2014-07-03 Ezaki Glico Co Ltd 経時的劣化の抑制されたベーカリー食品

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2009153976A1 (en) * 2008-06-20 2009-12-23 Okumoto Seifun Kabushikikaisha Process for preparing powdery basic dough
JP2010000045A (ja) * 2008-06-20 2010-01-07 Okumoto Seifun Kk 食品用小麦粉粉末中麺の製造方法
JP2010104236A (ja) * 2008-10-28 2010-05-13 Kao Corp 焼き菓子類
JP2014121294A (ja) * 2012-12-21 2014-07-03 Ezaki Glico Co Ltd 経時的劣化の抑制されたベーカリー食品

Also Published As

Publication number Publication date
JP3702358B2 (ja) 2005-10-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR970011773B1 (ko) 가공전분 및 그것을 이용한 빵식품
JP5178404B2 (ja) パン類の製造方法
JP5175425B2 (ja) スポンジケーキまたはギョウザの皮の食感の保存性向上剤
JPH09271313A (ja) パ ン
JP6592460B2 (ja) ベーカリー食品用加工澱粉及びベーカリー食品用ミックス
WO1996039863A1 (en) Shortening substitute
KR101732333B1 (ko) 슈 퍼프 및 그 제조 방법
JPH10295253A (ja) パン類及びその製造法
AU2020374460A1 (en) Method for manufacturing pregelatinized cereal flour
JP3723860B2 (ja) 食パン類
JP3534401B2 (ja) 電子レンジ加熱食品用の食感改良剤
JP3840639B2 (ja) おから配合膨化食品
JP4149615B2 (ja) ケーキ用澱粉組成物及びケーキ
JP3638384B2 (ja) ベーカリー製品用ミックスおよびそれを用いたベーカリー製品
JPH09238630A (ja) 餅様食品及びその製造方法
JP3702358B2 (ja) 焼き菓子の製造法
JPH08289714A (ja) 焼成食品及びその製法
JP3841380B2 (ja) 餅菓子の製造法
JP3742897B2 (ja) フラワーペーストの製造法
JP4272912B2 (ja) 中空状焼菓子の製造法
JP2004121016A (ja) 春巻きの皮及びその製造方法
JPH11103757A (ja) マイクロ波加熱用のパン
JP4124549B2 (ja) 低アレルゲン化小麦粉を用いた焼き菓子およびその製造方法
JP3637554B2 (ja) パン類の製造法
JP7385762B1 (ja) 生地加熱食品用加工澱粉及び生地加熱食品用ミックス

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20031203

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20041015

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20041026

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20041217

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050125

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050218

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20050329

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20050415

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20050628

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080729

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110729

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140729

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140729

Year of fee payment: 9

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees