JPH1096555A - 燃焼機器 - Google Patents

燃焼機器

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JPH1096555A
JPH1096555A JP27295896A JP27295896A JPH1096555A JP H1096555 A JPH1096555 A JP H1096555A JP 27295896 A JP27295896 A JP 27295896A JP 27295896 A JP27295896 A JP 27295896A JP H1096555 A JPH1096555 A JP H1096555A
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heat exchanger
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supply heat
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正徳 榎本
Takeo Yamaguchi
武雄 山口
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佳宏 棟田
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  • Instantaneous Water Boilers, Portable Hot-Water Supply Apparatuses, And Control Of Portable Hot-Water Supply Apparatuses (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 再出湯時の出湯開始以降の給湯バーナ燃焼開
始に起因した高温出湯を防止する燃焼機器を提供する。 【解決手段】 制御装置20にΔTcal 推定検出部52と給
湯バーナ点火判断部53と給湯バーナ点火駆動部54とデー
タ格納部55を設ける。データ格納部55に予め定めた給湯
熱交換器湯温の上限界温度T2UL を格納しておき、ΔT
cal 推定検出部52は流量検出センサ12の検出流量に基づ
いて予め定めた給湯燃焼能力で給湯バーナを燃焼させた
ときの給湯熱交換器の湯温上昇分ΔTcal を推定検出
し、給湯バーナ点火判断部53は給湯熱交換器湯温センサ
14の実測湯温T2 に湯温上昇分ΔTcal を加えた算出値
と上限界温度T2UL を比較し、T2UL ≧T2 +ΔTcal
と判断したときに給湯バーナ点火駆動部54に給湯バーナ
点火動作を行わせる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は給湯バーナと給湯熱
交換器を備えた燃焼機器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】燃焼機器として代表的な給湯器には、周
知のように、給湯熱交換器と給湯バーナが設けられ、給
湯熱交換器の入側には給水通路が、出側には給湯通路が
それぞれ接続され、給湯通路は台所等の給湯栓へ導かれ
ている。給湯熱交換器は、給湯栓が開けられると、水供
給源から給水通路を介して導かれた水を給湯バーナの給
湯燃焼の熱を利用して加熱し、この加熱した湯を給湯通
路を通し給湯栓を介して出湯する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、周知のよう
に、給湯栓の閉栓後つまり給湯停止後(止湯後)、給湯
熱交換器内に滞留した湯は、図3の実線カーブAに示す
ように、給湯停止後すぐに後沸き(給湯熱交換器の保有
熱量が給湯熱交換器の滞留湯に伝わって滞留湯温が上昇
する現象)によって止湯前の給湯熱交換器湯温より高い
湯温(オーバーシュート)の湯となる。このオーバーシ
ュートの湯が給湯栓が開けられて給湯熱交換器から流れ
出始めると、給湯熱交換器への通水が確認された直後に
給湯バーナの点火が成される。そうすると、オーバーシ
ュートの湯が給湯熱交換器から出切る前に給湯バーナの
給湯燃焼が開始される場合がある。このように、給湯熱
交換器からオーバーシュートの湯が出切る前に給湯バー
ナの給湯燃焼が開始されると、オーバーシュートの湯が
加熱され湯温がさらに高くなる虞れがあり、この高温の
湯が給湯熱交換器から流出すると、湯の利用者に不快感
を与えてしまうという問題や、湯の利用者に火傷を負わ
せてしまうという問題が生じる。
【0004】本発明は上記課題を解決するためになされ
たものであり、その目的は、出湯開始以降の給湯バーナ
燃焼開始による高温出湯を防止するために給湯バーナの
点火タイミングを可変制御する燃焼機器を提供すること
である。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は次のような構成をもって前記課題を解決す
る手段としている。
【0006】すなわち、第1の発明は、給湯バーナと、
給水通路より導かれる水を給湯バーナ燃焼の熱を利用し
て加熱し給湯通路へ流出する給湯熱交換器と、給湯熱交
換器の湯水の温度を検出する給湯熱交換器湯温センサ
と、給湯熱交換器の通水流量を検出する流量検出センサ
とを有し、給湯熱交換器への通水が確認された以降に給
湯バーナの点火を行う方式の燃焼機器において、給湯熱
交換器への通水検知後に、給湯バーナを予め与えられる
設定燃焼能力で燃焼させたときに流量検出センサの検出
流量に基づいて求まる給湯熱交換器の通水が給湯バーナ
燃焼の熱により上昇する温度上昇分を推定検出する給湯
熱交換器湯温上昇推定検出部と;給湯熱交換器湯温の上
限界温度が予め与えられ、この給湯熱交換器湯温の上限
界温度と、前記給湯熱交換器湯温センサの実測湯温に上
記給湯熱交換器湯温上昇推定検出部で推定検出された検
出温度上昇分を加えた算出値とを比較し、上記算出値が
上限界温度以下であると判断したときに給湯バーナ点火
信号を出力する給湯バーナ点火判断部と;を有する構成
をもって前記課題を解決する手段としている。
【0007】第2の発明は、給湯バーナと、給水通路よ
り導かれる水を給湯バーナ燃焼の熱を利用して加熱し給
湯通路へ流出する給湯熱交換器と、この給湯熱交換器の
湯水の温度を検出する給湯熱交換器湯温センサとを有
し、給湯熱交換器への通水が確認された以降に給湯バー
ナの点火を行う方式の燃焼機器において、給湯熱交換器
の入側と出側を短絡するバイパス通路と;該通路の開閉
を行うバイパス通路開閉弁と;燃焼機器への総入水流量
を直接的又は間接的に検出する流量検出センサと;燃焼
機器への総入水流量に対する給湯熱交換器の流量比を検
出する流量比検出部と;給湯熱交換器への通水検知後
に、給湯バーナを予め与えられる設定燃焼能力で燃焼さ
せたときに上記流量比検出部の検出流量比と流量検出セ
ンサの検出流量とによって求まる給湯熱交換器の通水が
給湯バーナ燃焼の熱により上昇する温度上昇分を推定検
出する給湯熱交換器湯温上昇推定検出部と;給湯熱交換
器湯温の上限界温度が予め与えられ、この給湯熱交換器
湯温の上限界温度と、前記給湯熱交換器湯温センサの実
測湯温に上記給湯熱交換器湯温上昇推定検出部で推定検
出された検出温度上昇分を加えた算出値とを比較し、上
記算出値が上限界温度以下であると判断したときに給湯
バーナ点火信号を出力する給湯バーナ点火判断部と;を
有する構成をもって前記課題を解決する手段としてい
る。
【0008】第3の発明は、給湯バーナと、給水通路よ
り導かれる水を給湯バーナ燃焼の熱を利用して加熱し給
湯通路へ流出する給湯熱交換器と、給湯熱交換器の湯水
の温度を検出する給湯熱交換器湯温センサとを有し、給
湯熱交換器への通水が確認された以降に給湯バーナの点
火を行う方式の燃焼機器において、予め定めた基準温度
が与えられており、この基準温度と前記給湯熱交換器湯
温センサの実測湯温を比較し、実測湯温が上記基準温度
以下であると判断したときに給湯バーナ点火信号を出力
する給湯バーナ点火判断部と;を有する構成をもって前
記課題を解決する手段としている。
【0009】第4の発明は、上記第3の発明を構成する
給湯熱交換器の給水通路と、給湯熱交換器の給湯通路と
を短絡するバイパス通路と;該バイパス通路の開閉を行
うバイパス通路開閉弁と;を設ける構成をもって前記課
題を解決する手段としている。
【0010】第5の発明は、上記第1〜第4の発明のい
ずれか1つの発明を構成する給湯熱交換器の給水通路
と、給湯熱交換器の給湯通路とを短絡する開閉弁を持た
ない固定バイパス通路が設けられている構成をもって前
記課題を解決する手段としている。
【0011】上記構成の発明において、例えば、給湯バ
ーナ点火判断部は、給湯バーナの給湯燃焼を開始させた
場合に給湯熱交換器から流出する湯の湯温が予め定めた
給湯熱交換器湯温の上限界温度以下となると判断したと
きに、給湯バーナ点火信号を出力する。このように、給
湯バーナ点火判断部から給湯バーナ点火信号が出力さ
れ、かつ、給湯熱交換器への通水が確認された以降に給
湯バーナの点火が行われる。
【0012】上記の如く、出湯開始後の給湯バーナの点
火タイミングの可変制御を行うことによって、給湯熱交
換器から予め定めた給湯熱交換器湯温の上限界温度を越
えた高温の湯が流出してしまうことが防止され、つま
り、給湯バーナ燃焼開始に起因した高温出湯が回避さ
れ、高温出湯により湯の利用者に不快感を与えてしまう
という問題や高温出湯による危険が防止される。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る実施の形態例
を図面に基づき説明する。以下に説明する各実施の形態
例の燃焼機器は、本発明者らが試作検討している図4の
単機能給湯器や、図5の複合給湯器や、図6の多機能給
湯器や、図7の一缶二水構成の給湯器を対象にしてい
る。
【0014】図4の給湯器には給湯熱交換器1と図示さ
れていない給湯バーナが設けられ、この給湯熱交換器1
の入側には給水通路3が接続され、出側には給湯通路4
が接続されており、給湯通路4は台所等の給湯栓19へ導
かれている。前記給湯熱交換器1には入側と出側を短絡
する開閉弁を持たない固定バイパス通路5が並設され、
この固定バイパス通路5は給湯熱交換器1側に流れる流
量と固定バイパス通路5側に流れる流量の流量比が管路
抵抗により予め定めた流量比(例えば7対3〜8対2)
となるように形成されている。
【0015】また、前記給湯通路4には固定バイパス通
路出側接続部Xより下流側に流量を開弁量により制御す
る流量制御弁であるV1 弁7が介設されている。このV
1 弁7は駆動手段(例えばステッピングモータ)により
開弁量が可変制御されるもので、通常の給湯運転時に
は、V1 弁7は予め定められている最大開弁量に開弁さ
れ、給湯バーナの燃焼能力不足等により出湯湯温が給湯
設定温度まで上昇しないときだけ、給湯設定温度の湯が
出湯するための燃焼能力に応じて開弁量の絞り制御が行
われる。このV1 弁7の介設位置より下流側の給湯通路
4と、固定バイパス通路入側接続部Yより上流側の給水
通路3とを短絡するバイパス通路8が形成されている。
このバイパス通路8には該通路の開閉を行うバイパス通
路開閉弁であるV2 弁10が介設されている。
【0016】また、この給湯器には該給湯器の運転動作
を制御する制御装置20が設けられ、この制御装置20には
リモコン18が接続されている。リモコン18には給湯器の
利用者が給湯温度を設定するための給湯温度設定手段21
が形成されている。
【0017】なお、図中、12は水供給源から給水通路3
を介して導かれた入水流量を検出するための流量検出セ
ンサを示し、13は給水通路3の入水の温度を検出するた
めのサーミスタ等の入水温度センサを示し、14は給湯熱
交換器1の出側の湯水の温度を検出するためのサーミス
タ等の給湯熱交換器湯温センサを示し、15は給湯熱交換
器1側の湯水と固定バイパス通路5側の水がミキシング
された後の湯水の温度を検出するためのサーミスタ等の
第1出湯温度センサを示し、16は給湯通路4のバイパス
通路出側接続部Zより下流側の湯水の温度を検出するた
めのサーミスタ等の第2出湯温度センサを示すものであ
る。
【0018】図5の複合給湯器は、図4に示す給湯器の
構成に、湯張り機能や、高温差し湯機能や、追い焚き機
能等の風呂機能を加えた構成を有するものである。図5
に示すように、この複合給湯器は、図4に示す給湯シス
テム構成に加えて、図示されていない風呂バーナと、浴
槽水を循環ポンプ28の駆動により導入して風呂バーナの
燃焼の熱を利用し追い焚き熱交換器26で加熱し浴槽24へ
戻す追い焚き循環路27と、この追い焚き循環路27と給湯
通路4を接続する湯張り通路30と、該通路の開閉を行う
注湯制御弁22とを有しており、例えば、注湯制御弁22を
開け、給湯熱交換器1で温められた湯を湯張り通路30と
追い焚き循環路27を介して浴槽24へ落とし込み風呂の湯
張りを行ったり、同様にして高温差し湯を行ったり、循
環ポンプ28を駆動し、浴槽水を追い焚き循環路27で循環
させると共に風呂バーナ燃焼の熱を利用して追い焚き熱
交換器26で加熱することで風呂の追い焚きを行うことが
できるものである。
【0019】図6の多機能給湯器は図4に示す給湯器の
構成に風呂の湯張り機能や高温差し湯機能を加えた構成
を有するものである。同図に示すように、この給湯器の
給湯通路4には通路23の一端側が接続され、この通路23
の他端側は電磁弁等の注湯制御弁22を介して浴槽24へ導
かれており、例えば、注湯制御弁22を開け、給湯バーナ
燃焼により温められた湯を通路23を通して浴槽24へ導く
ことにより湯張りや高温差し湯が行われる。
【0020】図7の一缶二水構成の給湯器は、図4に示
す給湯器の構成に、湯張り機能や、高温差し湯機能や、
追い焚き機能等の風呂機能の構成を加えたものであり、
給湯バーナが風呂バーナを兼用し、給湯熱交換器1には
給湯用の湯水が流れる給湯用管路47と浴槽循環水が流れ
る追い焚き用管路48が形成されている。給湯用管路47の
入側には給水通路3が、出側には給湯通路4がそれぞれ
接続され、前記追い焚き用管路48は浴槽24の湯水を循環
するための追い焚き循環路27に介設されている。
【0021】上記一缶二水構成の給湯器は、例えば、給
湯栓19が開けられると、給湯バーナの給湯燃焼を行っ
て、給水通路3より導かれた水を給湯熱交換器1で加熱
し、その湯を給湯通路4を通し給湯栓19を介して出湯す
る給湯運転を行う。また、この給湯器は、例えば、循環
ポンプ28を駆動させ、浴槽24の水を追い焚き循環路27で
循環させると共に、給湯バーナの追い焚き燃焼を行って
加熱し追い焚き単独運転を行う。
【0022】上記図4〜図7に示す各給湯器の制御装置
20には給湯バーナの給湯燃焼停止中(出湯待機中)に次
の出湯時の出湯湯温が給湯設定温度となるようにV2
10の開閉制御とV1 弁7の開弁量制御を行う出湯待機制
御手段が備えられている。
【0023】図8には出湯待機制御手段の第1の実施の
形態例が示されている。この出湯待機制御手段25は、サ
ンプリング部35と、給湯熱交換器目標湯温検出部である
2cal検出部36と、バイパス通路開閉弁開閉動作判断部
であるV2 開閉動作判断部37と、流量制御弁開弁量制御
部であるV1 開弁量制御部38と、データ格納部40とを有
して構成されている。
【0024】上記サンプリング部35は入水温度センサ13
や給湯熱交換器湯温センサ14等の様々なセンサ出力や、
リモコン18の情報(例えば、給湯温度設定手段21の給湯
設定温度)等を予め定められたサンプリング時間間隔
(例えば1秒)毎にサンプリングする構成を有してい
る。
【0025】データ格納部40は記憶装置により形成され
ており、このデータ格納部40には次に示すT2cal検出デ
ータが予め格納されている。このT2cal検出データはバ
イパス通路8のV2 弁10が閉弁している状態で出湯湯温
が給湯設定温度となるための給湯熱交換器の目標湯温T
2calを検出するためのデータであり、本実施の形態例で
は、下記の(1)式と、総入水流量に対する予め定めた
給湯熱交換器1の流量比m(0<m<1)とのデータが
2cal検出データとしてデータ格納部40に格納されてい
る。
【0026】 T2cal=(Ts −(1−m)T1 )/m・・・・・(1)
【0027】上記(1)式に示すTs は給湯設定温度を
表し、T1 は入水温度を表すもので、上記(1)式は次
のようにして導き出された。すなわち、出湯湯温が給湯
設定温度となるためには、給水通路3より導かれた総入
水流量Q0 の水を入水温T1から給湯設定温度Ts まで
上昇させるのに必要な熱量J0 (J0 =(Ts −T1
・Q0 ・C(ただしCは水の比熱))と、上記総入水流
量Q0 のうちの給湯熱交換器1を流れる流量QHE(QHE
=m・Q0 )の水を入水温T1 から前記給湯熱交換器1
の目標湯温T2calまで上昇させるのに必要な熱量J
HE(JHE=(T2cal−T1 )・QHE・C=(T2cal−T
1 )・m・Q0 ・C)とが等しくなければならないとい
う関係((Ts −T1 )・Q0 ・C=(T2cal−T1
・m・Q0 ・C)から前記(1)式は導き出された。
【0028】前記(1)式のTs にリモコン18の給湯設
定手段21の給湯設定温度を、T1 に入水温度センサ13の
検出入水温を、mに予め定められている総入水流量に対
する給湯熱交換器1の流量比(例えば、V2 弁10が閉弁
している状態では入水は給湯熱交換器1側と固定バイパ
ス通路5側に分岐して流れ、その給湯熱交換器1の流量
と固定バイパス通路5の流量の流量比は管路抵抗により
予め定まるので、その流量比が、例えば、7対3である
場合にはm=0.7 と予め定められる)をそれぞれ代入し
(1)式に従って演算を行うことによって、給湯熱交換
器1の目標湯温T2calを算出することができる。
【0029】T2cal検出部36は給湯バーナの給湯燃焼が
停止した以降に、前記サンプリング部35がサンプリング
した入水温度センサ13の検出入水温T1 と給湯温度設定
手段21の給湯設定温度Ts を、例えば、予め定めた時間
間隔(例えば1秒)毎に取り込み、また、前記データ格
納部40から前記T2cal検出データを読み出して、検出入
水温T1 と給湯設定温度Ts とT2cal検出データに基づ
き出湯湯温が給湯設定温度Ts となるための給湯熱交換
器1の目標湯温T2calを演算検出する。
【0030】前記データ格納部40には、さらに、給湯設
定温度からの出湯湯温許容ずれ範囲が許容範囲α(例え
ば3℃)として予め定められ格納されている。なお、上
記許容範囲αとして0℃を与えてもよい。
【0031】V2 開閉動作判断部37は、サンプリング部
35がサンプリングした給湯熱交換器湯温センサ14の実測
湯温T2 と、前記T2cal検出部36が検出した給湯熱交換
器1の目標湯温T2calとを取り込んで比較し、給湯バー
ナの給湯燃焼が停止した以降に上記実測湯温T2 が目標
湯温T2calより前記データ格納部40の許容範囲αを越え
て高いと判断したとき(T2 >T2cal+α)には、V2
弁10の閉弁状態で出湯が開始されると給湯設定温度より
許容範囲を越えた高めの湯が出湯してしまうので、V2
弁10を開弁し出湯時にバイパス通路8から給湯通路4へ
水を流れ込ませ給湯通路4の湯の温度を下げる必要があ
ると判断し、V2 開閉駆動手段41へV2弁開信号(バイ
パス通路開閉弁への開信号)を出力し、V2 開閉駆動手
段41の開弁動作によりV2 弁10を開弁させると共に、上
記V2 弁開信号をV1 開弁量制御部38へ加える。それ以
外のときにはV2 開閉駆動手段41へV2 弁閉信号(バイ
パス通路開閉弁への閉信号)を出力しV2 弁10を閉弁さ
せておく。
【0032】V1 開弁量制御部38は、前記データ格納部
40に予め格納されているT4cal検出演算式データ(T
4cal=(T2 −T1 )・M+T1 ;(ただしMは定
数))に、サンプリング部35がサンプリングした入水温
度センサ13の検出入水温T1 と、給湯熱交換器湯温セン
サ14の実測湯温T2 とを代入し、給湯熱交換器1で温め
られた湯と固定バイパス通路5を通った水のミキシング
後の湯温T4calを推定演算検出する。
【0033】上記T4cal検出演算式データは給湯熱交換
器1の湯と固定バイパス通路5の水をミキシングしたと
きの湯温T4calを推定検出するためのデータであり、T
4cal検出演算式データの定数Mは給湯熱交換器1の流量
と固定バイパス通路5の流量の合計流量QV1に対する給
湯熱交換器1の流量QHEの流量比(M=QHE/QV1)を
表し、前記の如く、その流量比は予め定まるものである
ことから、定数(例えばM=0.7 )として与えられてい
る。上記T4cal検出演算式データは、給湯熱交換器1の
流量と固定バイパス通路5の流量の合計流量QV1の水が
入水温T1 から湯温T4calまで上昇するのに要する熱量
V1(JV1=(T4cal−T1 )・QV1・C;(ただしC
は水の比熱))と、給湯熱交換器1が上記合計流量QV1
のうちの流量QHE(QHE=M・QV1)の水に与える熱量
HE(JHE=(T2 −T1 )・QHE・C)とが等しくな
るという関係から導き出されたものである。
【0034】また、V1 開弁量制御部38は、上記算出さ
れた湯温T4calと、サンプリング部35がサンプリングし
た検出入水温T1 と、給湯設定温度Ts と、前記データ
格納部40に予め格納されているN算出演算式データ(N
=M・(Ts −T1 )/(T4cal−T1 ))とに基づい
て、出湯湯温が給湯設定温度Ts となるための総入水流
量Q0 に対する給湯熱交換器1の流量QHEの流量比N
(N=QHE/Q0 )を算出する。上記N算出演算式デー
タは、上記の如く、出湯湯温が給湯設定温度Tsとなる
ための総入水流量Q0 に対する給湯熱交換器1の流量Q
HEの流量比を算出するためのデータである。この演算式
データの定数Mは、前記T4cal検出演算式データに用い
た定数Mと同数の定数であり、給湯熱交換器1の流量と
固定バイパス通路5の流量の合計流量QV1に対する予め
定まる給湯熱交換器1の流量QHEの流量比を表すもので
ある。
【0035】上記N算出演算式データは、出湯湯温が給
湯設定温度となるためには、総入水流量Q0 の入水温T
1 の水を給湯設定温度Ts まで加熱するのに要する熱量
0(J0 =(Ts −T1 )・Q0 ・C)と、総入水流
量Q0 のうちのV1 弁7を通る流量QV1(給湯熱交換器
1の流量と固定バイパス通路5の流量の合計流量)の湯
が入水温T1 から湯温T4calまで上昇するのに受け取っ
た熱量JV1(JV1=(T4cal−T1 )・QV1・C)とが
等しくなければならないという関係、および、前述した
ようなQHE=M・QV1という関係により導き出されるも
のである。
【0036】さらに、V1 開弁量制御部38は、給湯バー
ナの給湯燃焼停止以降に前記V2 開閉動作判断部37から
2 弁開信号を加えられたときには、上記算出した流量
比NとなるようにV1 弁7の開弁量を制御し次の出湯に
備える。それ以外のときにはV1 弁7は給湯停止前の開
弁量で次の出湯に備えることになる。
【0037】なお、上記V1 弁7の駆動手段にV1 弁7
の開弁量を測定するためのポジションメーターやエンコ
ーダ等の開弁量測定手段を取り付けて周知のようにV1
弁7の開弁量を測定できるようにし、その測定開弁量に
基づいてV1 弁7の開弁量を制御するようにしてもよい
し、駆動手段がステッピングモータで形成されている場
合にはステッピングモータへ加えられるパルス駆動信号
のパルス数およびモータの回転方向を制御装置20に取り
込み、予め与えられるパルス数とV1 弁開弁量の関係デ
ータに基づいてV1 弁7の開弁量を検出するようにし、
その検出開弁量に基づいてV1 弁7の開弁量を制御する
等、V1 弁7の開弁量制御手法には様々な手法が提案さ
れており、それら提案手法のうちのどの手法を用いても
構わず、その手法は周知であるのでその説明は省略す
る。もちろん、前記データ格納部40には前記流量比Nと
1 弁開弁量の関係データである開弁量制御データが予
め実験や演算等により求め与えられている。
【0038】上記構成の出湯待機制御手段25の動作例を
図9のフローチャートに基づいて簡単に説明する。ま
ず、ステップ101 で給湯バーナの給湯燃焼が停止すると
(つまり、出湯待機中になると)、ステップ102 でサン
プリング部35がサンプリングした給湯設定温度Ts と検
出入水温T1 をT2cal検出部36が取り込み、ステップ10
3 で、その給湯設定温度Ts および検出入水温T1 と、
データ格納部40のT2cal検出データとに基づいて、T
2cal検出部36はV2 弁10の閉弁状態での出湯湯温が給湯
設定温度Ts となるための給湯熱交換器1の目標湯温T
2calを算出する。
【0039】ステップ104 で、V2 開閉動作判断部37は
上記算出した目標湯温T2calと給湯熱交換器湯温センサ
14の実測湯温T2 を比較し、T2 がT2calより設定範囲
(許容範囲)αを越えて高い(T2 >(T2cal+α))
と判断したときには、ステップ105 で、V2 弁10の閉弁
状態での次の出湯時の出湯湯温が給湯設定温度Ts より
許容範囲αを越えて高くなると判断し、V2 弁開信号を
2 開閉駆動手段41へ出力してV2 弁10を開弁させると
共に、V2 弁開信号をV1 開弁量制御部38へ加える。
【0040】ステップ106 で、前記V2 弁開信号を受け
たV1 開弁量制御部38は、データ格納部40のT4cal検出
演算式データおよびN算出演算式データと、給湯設定温
度Ts と、検出入水温T1 と、給湯熱交換器1の実測湯
温T2 とに基づいて、次の出湯時の出湯湯温が給湯設定
温度Ts となるための総入水流量Q0 に対する給湯熱交
換器1の流量QHEの流量比N(N=QHE/Q0 )を検出
し、ステップ107 で、その検出流量比NとなるようにV
1 弁7の開弁量を制御する。
【0041】そして、ステップ108 で、V2 開閉動作判
断部37は次の給湯熱交換器1の実測湯温T2 を取り込
み、前記ステップ104 で、この実測湯温T2 と検出目標
湯温T2calを比較し、T2 >T2cal+αと判断したとき
には、前記ステップ105 以降の動作を繰り返し行い、前
記ステップ104 で、T2 ≦T2cal+αと判断したときに
は、ステップ109 でV2 開閉駆動手段41へV2 弁閉信号
を出力しV2 弁10を閉弁させ、前記ステップ104 以降の
動作を繰り返し行いながら次の出湯に備える。
【0042】出湯待機制御手段の第1の実施の形態例に
よれば、給湯バーナの給湯燃焼が停止した以降に、V2
弁10の閉弁状態における次の出湯時の出湯湯温が給湯設
定温度Ts より予め定めた許容範囲αを越えて高くなる
と判断したときには、V2 弁10を開け、出湯湯温が給湯
設定温度Ts となるようにV1 弁7の開弁量を制御して
総入水流量Qに対する給湯熱交換器1の流量QHEの流量
比Nを小さくする方向に制御し次の出湯に備える構成と
したので、例えば、給湯熱交換器1の滞留湯に後沸きが
生じオーバーシュートの湯となり、この状態で給湯栓19
が開けられ出湯開始してそのオーバーシュートの湯が給
湯熱交換器1から流れ出したとしても、このオーバーシ
ュートの湯に固定バイパス通路5およびバイパス通路8
からの水がミキシングされて湯温が下げられ、しかも、
そのミキシング比、つまり、流量比Nは、出湯湯温が給
湯設定温度Ts となるように制御されているために、給
湯設定温度Ts の湯を出湯させることができる。このこ
とにより、湯の利用者に出湯時の高温出湯による不快感
を与えてしまうという問題を回避することが可能とな
る。
【0043】また、上記の如く、バイパス通路8のV2
弁10を開け、V1 弁7の開弁量を制御するだけで、容易
に総入水流量Q0 に対する給湯熱交換器1の流量比Nを
制御することが可能であることから、バイパス通路およ
びその開閉弁をこれ以上設ける必要がないので、つま
り、バイパス通路およびその開閉弁と流量制御弁を必要
最低限設けるだけでよいので、管路構成が簡単で、ま
た、コスト低減を図ることが可能であるし、管路抵抗の
増加を抑制でき、多量の給湯設定温度の湯を供給するこ
とが可能である。
【0044】ところで前記図7に示すような一缶二水構
成の給湯器では、追い焚き単独運転による給湯バーナの
追い焚き燃焼によって、給湯熱交換器1の給湯用管路47
の滞留湯水も加熱されてしまい、次の出湯時に給湯設定
温度より高めの湯が出湯し、前記の如く、湯の利用者に
高めの湯による不快感を与えてしまうという問題および
高温出湯による火傷の危険があるという問題が生じる。
そこで、制御装置20に前記出湯待機制御手段25を設け、
出湯待機動作を行うことによって、追い焚き単独運転に
よる給湯バーナの追い焚き燃焼により給湯熱交換器1の
給湯用管路47の滞留湯が加熱され、給湯時の給湯熱交換
器湯温より高くなってしまっても、上記出湯待機制御手
段の第1の実施の形態例で示したようにV2 弁10の開閉
弁制御およびV1 弁7の開弁量制御を行うことで、出湯
時に給湯設定温度の湯を出湯させることができ、上記問
題を回避することができる。
【0045】以下に出湯待機制御手段の第2の実施の形
態例を説明する。この実施の形態例において特徴的なこ
とは、給湯熱交換器1の湯温を実測するのではなく、図
10に示すように、制御装置20の出湯待機制御手段25に、
給湯熱交換器推定湯温検出部である推定T2 検出部42お
よび時間計測手段43を設け、給湯熱交換器1の湯温T2
を推定検出し、この推定湯温T2 を用いて給湯バーナの
給湯燃焼が停止した以降に次の出湯時の出湯湯温が給湯
設定温度となるようにV2 弁10の開閉制御およびV1
7の開弁量制御を行って次の出湯に備える構成としたこ
とであり、それ以外の構成は前記出湯待機制御手段の第
1の実施の形態例と同様であり、その重複説明は省略す
る。この実施の形態例において特徴的な制御装置20の出
湯待機制御手段25は、図10に示すように、サンプリング
部35と、T2cal検出部36と、V2開閉動作判断部37と、
1 開閉量制御部38と、データ格納部40と、推定T2
出部42と、時間計測手段43とを有して構成されている。
【0046】データ格納部40には、前記出湯待機制御手
段の第1の実施の形態例に示したT2cal検出データおよ
びT4cal検出演算式データおよびN検出演算式データに
加えて、給湯熱交換器滞留湯温特性データである滞留湯
温特性データが予め格納されている。この滞留湯温特性
データは、給湯停止からの経過時間と、給湯熱交換器1
の滞留湯温との関係データであり、予め実験や演算等に
より求められ、図3に示すグラフデータや演算式データ
や表データ等のデータ形式でデータ格納部40に格納され
ている。
【0047】時間計測手段43は給湯バーナの給湯燃焼が
停止する毎にその停止時からの経過時間を計測する構成
を有し、推定T2 検出部42は、給湯バーナの給湯燃焼が
停止いた以降に、前記時間計測手段43の計測時間とデー
タ格納部40の前記滞留湯温特性データに基づいて、予め
定めた時間間隔(例えば1秒)毎に給湯熱交換器1の湯
温T2 を推定検出する。
【0048】V2 開閉動作判断部37は、給湯バーナの給
湯燃焼が停止した以降に、予め定めた時間間隔(例えば
1秒)毎に、T2cal検出部36で検出された給湯熱交換器
1の目標湯温T2calと、上記推定T2 検出部42が推定検
出した給湯熱交換器1の推定湯温T2 とを取り込んで比
較し、推定湯温T2 が目標湯温T2calよりデータ格納部
40の許容範囲αを越えて高い(T2 >T2cal+α)と判
断したときには、前記出湯待機制御手段の第1の実施の
形態例同様にV2 弁10の閉弁状態での次の出湯時の出湯
湯温が給湯設定温度より高くなると判断し、V2 開閉駆
動手段41へV2弁開信号を出力しV2 弁10を開弁させる
と共に、V2 弁開信号をV2 開弁量制御部38へ加える。
それ以外のときにはV2 開閉駆動手段41へV2 弁閉信号
を出力しV2 弁10を閉弁状態にする。
【0049】V1 開弁量制御部38は、前記V2 弁開信号
が加えられているときには、上記推定湯温T2 と検出入
水温T1 と給湯設定温度Ts とデータ格納部40のT4cal
検出演算式データとN算出演算式データに基づき、前記
出湯待機制御手段の第1の実施の形態例同様に、次の出
湯時の出湯湯温が給湯設定温度となるようにV1 弁7の
開弁量を制御し、次の出湯に備える。
【0050】出湯待機制御手段の第2の実施の形態例に
よれば、前記出湯待機制御手段の第1の実施の形態例同
様に、簡単な管路構成で、出湯開始時に給湯設定温度の
湯を多量に出湯させることが可能となるという画期的な
効果を奏することができる。また、給湯熱交換器1の湯
温を実測するのではなく、推定検出し、その推定湯温を
用いてV2 弁10の開閉制御およびV1 弁7の開弁量制御
を行う構成であるので、給湯熱交換器湯温センサ14が故
障してセンサ出力T2 が実際の湯温と大きく異なってい
るという事態が生じても、本実施の形態例では、そのセ
ンサ出力は用いず、前記の如く、推定湯温を用いてV2
弁10の開閉制御およびV1 弁7の開弁量制御を行ってい
ることから、出湯湯温が給湯設定温度となるように正確
にV2 弁10の開閉制御およびV1 弁7の開弁量制御を行
うことができ、高温の湯が出湯し湯の利用者に不快感を
与えてしまうという問題や高温出湯による危険を回避す
ることができる。
【0051】なお、図7に示す一缶二水構成の給湯器で
は、前記の如く、追い焚き単独運転が行われるときには
給湯バーナの追い焚き燃焼によって、給湯熱交換器1の
給湯用管路47の滞留湯が加熱され湯温が上昇することか
ら、滞留湯温を正確に推定検出するためには、前記給湯
バーナ燃焼停止後の滞留湯温特性データに加えて、追い
焚き単独運転時における給湯熱交換器1の給湯用管路47
の滞留湯温の時間と共に変化する湯温特性データを時間
と給湯バーナの追い焚き燃焼能力をパラメータにして予
め求めデータ格納部40に格納しておき、それら特性デー
タに基づいて滞留湯温を推定検出するようにすれば、追
い焚き単独運転による給湯バーナの追い焚き燃焼によっ
て滞留湯が加熱される場合にも、滞留湯温を正確に推定
検出でき、この推定湯温に基づいて上記出湯待機制御手
段の各実施の形態例同様に出湯待機動作を行うことで出
湯時の高温出湯を防止できる。
【0052】以下に出湯待機制御手段の第3の実施の形
態例を説明する。この第3の実施の形態例において特徴
的なことは、前記出湯待機制御手段の各実施の形態例に
示したT2cal検出部36を設けるのではなく、図11に示す
ように、制御装置20の出湯待機制御手段25に、流量比算
出部44を設けたことであり、給湯熱交換器1の滞留湯温
に基づいてV2 弁10の開閉判断動作を行うのではなく、
上記流量比算出部44が算出する流量比に基づいてV2
10の開閉判断動作を行う構成としたことである。それ以
外の構成は前記出湯待機制御手段の各実施の形態例同様
であり、その重複説明は省略する。
【0053】本実施の形態例では、給湯熱交換器湯温セ
ンサ14を給湯熱交換器湯温情報検出手段として用いても
よいし、あるいは、給湯熱交換器湯温情報検出手段とし
て制御装置20の出湯待機制御手段25に推定T2 検出部42
および時間計測手段43を設けてもよい。前記流量比算出
部44は、上記給湯熱交換器湯温情報検出手段の検出湯温
2 と、入水温度センサ13の検出入水温T1 と、給湯温
度設定手段21の給湯設定温度Ts と、データ格納部40に
予め格納されるNcal 検出演算式データ(Ncal
((Ts +α)−T1 )/(T2 −T1 ))とに基づい
て、給湯設定温度Ts より予め定めた許容範囲α(例え
ば3℃)だけ高めの湯が出湯するための総入水流量Q0
に対する給湯熱交換器1の流量QHEの流量比Ncal を算
出する。
【0054】上記Ncal 検出演算式データは、上記流量
比Ncal を算出するための演算式であり、前記出湯待機
制御手段の各実施の形態例で述べたN算出演算式データ
同様に導き出されたものである。そのNcal 検出演算式
データの導出手順の説明は前記N算出演算式データの導
出手順と同様であるので省略する。
【0055】データ格納部40には、予め定まる給湯熱交
換器1の流量と固定バイパス通路5の流量の合計流量Q
V1に対する給湯熱交換器1の流量QHEの流量比M(M=
HE/QV1;(例えばM=0.7 ))が基準流量比として
格納されている。
【0056】V2 開閉動作判断部37は、給湯バーナが給
湯燃焼停止した以降に、前記流量比算出部44の算出流量
比Ncal とデータ格納部40の基準流量比Mを取り込んで
比較し、Ncal がMを下回った(M>Ncal )と判断し
たときには、V2 弁10の閉弁状態での次の出湯時の出湯
湯温が給湯設定温度Ts より設定範囲(許容範囲α)を
越えて高くなってしまうと判断し、V2 開閉駆動手段41
へV2 弁開信号を出力し、V2 弁10を開弁させると共
に、V2 弁開信号をV1 開弁量制御部38へ加える。それ
以外のときにはV1 弁閉信号をV2 開閉駆動手段41へ出
力し、V2 弁10を閉弁状態にする。
【0057】V1 開弁量制御部38は、前記V2 開閉動作
判断部37のV2 弁開信号を受けて、前記出湯待機制御手
段の各実施の形態例同様に、次の出湯時の出湯湯温が給
湯設定温度Ts となるようにV1 弁7の開弁量、つま
り、総入水流量Q0 に対する給湯熱交換器1の流量QHE
の流量比Nを制御する。
【0058】出湯待機制御手段の第3の実施の形態例に
よれば、前記出湯待機制御手段の各実施の形態例同様の
優れた効果を奏することができる。
【0059】以下に、出湯待機制御手段25の第4の実施
の形態例を説明する。この実施の形態例において特徴的
なことは、図4の鎖線で示すように、給湯器の周りの外
気温を検出するための外気温センサ32を設け、図10およ
び図11に示す推定T2 検出部42および時間計測手段43を
形成して給湯熱交換器1の湯温T2 を推定検出する際
に、前記外気温センサ32の検出外気温に応じて推定湯温
2 を補正する構成としたことであり、それ以外の構成
は前記出湯待機制御手段の各実施の形態例同様であり、
その重複説明は省略する。
【0060】データ格納部40には外気温に応じて推定湯
温T2 を補正するための湯温補正データ(例えば、外気
温と推定湯温補正係数の関係データ)が予め実験や演算
等により求め格納されている。
【0061】推定T2 検出部42は前記出湯待機制御手段
の第2の実施の形態例同様に給湯熱交換器1の湯温T2
を推定検出し、この推定湯温T2 を外気温センサ32の検
出外気温とデータ格納部40の湯温補正データに基づいて
補正する。例えば、湯温補正データが外気温と推定湯温
補正係数の関係データで構成されている場合には、上記
湯温補正データに基づき検出外気温に応じた推定湯温補
正係数を検出し、前記推定湯温T2 にその検出した推定
湯温補正係数を掛けて補正する。上記のように、補正し
た推定湯温T2 ′を推定湯温T2 として検出する。
【0062】出湯待機制御手段の第4の実施の形態例に
よれば、外気温センサ32を設け、外気温センサ32の検出
外気温に応じ給湯熱交換器1の推定湯温T2 を補正する
構成としたので、より正確に給湯熱交換器1の湯温T2
を推定検出することが可能となり、出湯時の高温出湯に
より湯の利用者に不快感を与えてしまうという問題およ
び高温出湯による危険を回避することができる。
【0063】なお、外気温を考慮した滞留湯温特性デー
タ、つまり、給湯停止してからの経過時間と外気温に基
づいて給湯熱交換器1の滞留湯温を求めるための表デー
タや演算式データやグラフデータ等を予め実験や演算等
により求めてデータ格納部40に格納しておき、時間計測
手段43の計測時間と外気温センサ32の検出外気温と上記
滞留湯温特性データに基づいて、給湯熱交換器1の湯温
を推定検出するようにすれば、この実施の形態例に示し
たような推定湯温の補正を行わなくても、給湯熱交換器
1の湯温を正確に推定検出することができる。
【0064】以下に出湯待機制御手段の第5の実施の形
態例を説明する。この実施の形態例において特徴的なこ
とは、給湯熱交換器1側に場所を異にして複数の給湯熱
交換器湯温センサ14を設け、制御装置20の出湯待機制御
手段25に、前記出湯待機制御手段の各実施の形態例の構
成に加えて、図12に示すように、複数の給湯熱交換器湯
温センサ14(14a,14b,14c)の検出湯温の演算処理
を行う給湯熱交換器湯温算出部であるT2 算出部45を設
ける構成としたことであり、それ以外の構成は前記出湯
待機制御手段の各実施の形態例同様である。
【0065】なお、図12では、サンプリング部35とデー
タ格納部40とT2 算出部45以外の出湯待機制御手段25の
ブロック構成は前記図8又は図10又は図11と同様である
ため、その図示を省略し、その重複説明は省略する。
【0066】ところで、図7に示すような一缶二水構成
の給湯器において、追い焚き単独運転が行われる場合に
は、給湯バーナの追い焚き燃焼により給湯熱交換器1の
給湯用管路47内の滞留湯水に温度むらが生じる。この温
度むらのために給湯熱交換器湯温センサ14が唯一個しか
設けられていないときには給湯熱交換器湯温センサ14の
検出湯温と、給湯熱交換器1の給湯用管路47内の滞留湯
の湯温を均一化したときの平均湯温とが大きくことなっ
てしまう場合があり、出湯時には給湯用管路47の湯水は
水流により撹拌され温度が均一化されて流れ出るので、
上記検出湯温は給湯用管路47から流れ出る湯の湯温と大
きく異なる虞れがあり、前記出湯待機制御手段の各実施
の形態例同様に出湯待機動作を行っても、出湯時に給湯
設定温度より許容範囲を越えた高めの湯が出湯し湯の利
用者に不快感を与えてしまうという問題が生じる虞れが
ある。
【0067】そこで、本実施の形態例では、図7に示す
ように、給湯熱交換器1の給湯用管路47に場所を異にし
て複数の給湯熱交換器湯温センサ14a,14b,14cを設
け(例えば、給湯用管路47のU字の曲がり部分(Uベン
ド)および給湯用管路47の出側に設け)、前記の如く、
制御装置20の出湯待機制御手段25に、図12に示すよう
に、T2 算出部45を設ける構成とした。
【0068】上記T2 算出部45は、各給湯熱交換器湯温
センサ14a,14b,14cの検出湯温T2a,T2b,T2c
サンプリング部35を介して取り込み、それら検出湯温T
2a,T2b,T2cと、データ格納部40に格納されている平
均湯温算出データとに基づいて給湯用管路47内の平均湯
温(給湯用管路47内の湯温を均一にしたときの湯温)を
求め、この平均湯温を実測湯温T2 として検出する。
【0069】上記平均湯温算出データは、給湯用管路47
内の平均湯温T2 を算出するための演算式データであ
り、例えば、T2 =(T2a+T2b+T2c)・K、あるい
は、T2 =Ka ・T2a+Kb ・T2b+Kc ・T2c、等の
演算式で予め与えられ、定数である上記K,Ka
b ,Kc は予め実験や演算等により求め与えられてい
る。例えば、上記検出された湯温T2a,T2b,T2cを単
純に平均する場合には、上記定数K,Ka ,Kb ,Kc
には1/n(ただし、nは検出する湯温の数、つまり、
この実施の形態例ではn=3)が与えられる。
【0070】出湯待機制御手段の第5の実施の形態例に
よれば、給湯熱交換器1(給湯用管路47)内の平均湯温
を求め、この湯温を実測湯温T2 として検出する構成と
したので、例えば、給湯用管路47内の滞留湯水に温度む
らが生じても、出湯時の給湯用管路47から流れる湯温、
つまり、平均湯温に応じて、出湯湯温が給湯設定温度と
なるようにV2 弁10の開閉制御やV1 弁7の開弁量制御
が正確に行われることになり、出湯時に給湯設定温度よ
り許容範囲を越えた高温の湯が出湯し、湯の利用者に不
快感を与えてしまうという問題や高温出湯による危険を
防止することができる。
【0071】なお、出湯待機制御手段の構成は上記出湯
待機制御手段の各実施の形態例に限定されるものではな
く、様々な実施の形態を採り得る。例えば、図10に示す
2開閉動作判断部37は、給湯熱交換器湯温センサ14の
実測湯温をサンプリング部35を介して取り込み、この実
測湯温に基づいてV2 弁10の開閉判断動作を行い、V1
開弁量制御部38は、上記実測湯温を用いるのではなく、
推定T2 検出部42の検出推定湯温を用いてV1 弁7の開
弁量制御を行い、出湯湯温が給湯設定温度となるように
出湯待機する構成としてもよい。
【0072】また、例えば、V2 開閉動作判断部37は、
推定T2 検出部42の検出推定湯温を用いてV2 弁10の開
閉判断動作を行い、V1 開弁量制御部38は給湯熱交換器
湯温センサ14の実測湯温を用いてV1 弁7の開弁量を制
御し、出湯湯温が給湯設定温度となるように出湯待機す
る構成としてもよい。
【0073】さらに、上記出湯待機制御手段の各実施の
形態例では、V1 開弁量制御部38はV1 弁7の開弁量
を、検出した流量比N(N=QHE/Q0 )となるように
流量比の変化に対応して連続的に可変制御していたが、
例えば、表1に示すように、検出した流量比Nが予め定
めた流量比N1 以上かつ流量比N2 未満であるときには
開弁量はA1 、NがN2 以上かつN3 未満であるときに
は開弁量はA2 という如く、総入水流量に対する給湯熱
交換器1の流量比Nに対応するV1 弁7の開弁量を段階
的(2段階以上)に予め定め開弁量制御データとしてデ
ータ格納部40に格納しておき、V1 開弁量制御部38は、
2 開閉動作判断部37からV2 弁開信号を受けたときに
は、上記データ格納部40の開弁量制御データに基づいて
段階的にV1 弁7の開弁量を制御するようにしても構わ
ない。
【0074】
【表1】
【0075】なお、具体例としては、流量比の変化に対
応してV1 弁7の開弁量を予め定めた最大、最小、最大
と最小の中間の3段階に可変制御を行うようにする。
【0076】さらに、上記出湯待機制御手段の第5の実
施の形態例では、給湯熱交換器1の給湯用管路47に3個
の給湯熱交換器湯温センサ14a,14b,14cを設けた
が、給湯用管路47に場所を異にして設ける給湯熱交換器
湯温センサ14の数は2個でも4個以上でもよく、そのよ
うな場合にも前記出湯待機制御手段の第5の実施の形態
例同様に給湯用管路47の平均湯温を検出することができ
る。
【0077】さらに、図4〜図7に示した給湯器には固
定バイパス通路5が設けられていたが、この固定バイパ
ス通路5を省略した各種の燃焼機器に適用するものであ
り、上記出湯待機制御手段の各実施の形態例同様に出湯
待機制御手段を設け出湯待機動作を行うことによって、
出湯時に給湯設定温度より許容範囲を越えた高温の湯が
出湯し湯の利用者に不快感を与えるという問題および高
温出湯による危険を回避できる。上記のように固定バイ
パス通路5を省略した場合にはその分管路構成を簡単に
できる。
【0078】なお、上記のように、固定バイパス通路5
を省略した場合には、図4に示す流量QV1が全て給湯熱
交換器1に流れ込むことになるので、流量QHE=流量Q
V1となり、上記出湯待機制御手段の各実施の形態例に示
したT2cal検出データ(T2cal=(Ts −(1−m)T
1 )/m)、T4cal検出演算式データ(T4cal=(T2
−T1 )・M+T1 )、N算出演算式データ(N=M・
(Ts −T1 )/(T4cal−T1 ))の定数m、M(m
=M=QHE/QV1)は「1」が予め与えられることにな
る。
【0079】さらに、前記出湯待機制御手段の第5の実
施の形態例では、図7に示す一缶二水構成の給湯器を例
にして説明したが、例えば、図4〜図6に示す給湯器の
給湯熱交換器1に場所を異にして複数の給湯熱交換器湯
温センサ14を設け、前記出湯待機制御手段の第5の実施
の形態例同様にT2 算出部45を設けて、T2 算出部45の
平均湯温に基づいてV2 弁10の開閉制御やV1 弁7の開
弁量制御を行い、出湯待機するようにしてもよい。
【0080】さらに、上記出湯待機制御手段の各実施の
形態例では、T2cal検出部36はT2cal検出データである
演算式(T2cal=(Ts −(1−m)T1 )/m)に基
づいて目標湯温T2calを検出していたが、例えば、給湯
設定温度Ts と入水温T1 の関係から目標湯温T2cal
検出するための表データやグラフデータ等を予め求めT
2cal検出データとしてデータ格納部40に格納しておき、
このT2cal検出データに基づいて目標湯温T2calを検出
するという如く、演算を用いない他の手法によりT2cal
を検出するようにしてもよい。
【0081】さらに、上記出湯待機制御手段の各実施の
形態例では、V1 開弁量制御部38は、T4cal検出演算式
データとN算出演算式データに基づいて出湯湯温が給湯
設定温度となるための総入水流量に対する給湯熱交換器
1の流量比Nを求めて、V1弁7の開弁量制御を行って
いたが、例えば、給湯設定温度と入水温の関係から上記
流量比Nを検出するための表データやグラフデータ等を
予め求めておき、そのデータを用いて上記流量比Nを検
出し、V1 弁7の開弁量制御を行うという如く、演算を
用いない他の手法により流量比Nを求めてV1 弁7の開
弁量制御を行うようにしてもよい。
【0082】さらに、上記出湯待機制御手段の各実施の
形態例では、給湯熱交換器1の湯温を給湯熱交換器湯温
センサ14を用いて検出していたが、給湯熱交換器1に湯
水が滞留しているときには給湯熱交換器湯温センサ14で
検出される湯温と第1出湯温度センサ15で検出される湯
温がほぼ同じとなることから、第1出湯温度センサで検
出される湯温を給湯熱交換器1の湯温T2 として用いて
もよい。
【0083】上記のような出湯待機制御手段25を備えた
図4〜図7の各給湯器には、この発明において特有な次
に示す給湯バーナの点火タイミング制御手段が設けられ
ている。
【0084】図1には、制御装置20の点火タイミング制
御手段60の第1の実施の形態例が示されている。この実
施の形態例において特徴的なことは、同図に示すよう
に、制御装置20に、出湯開始以降の給湯バーナ燃焼開始
による高温出湯を防止するために給湯バーナの点火タイ
ミングを可変制御する点火タイミング制御手段60を設け
たことであり、この点火タイミング制御手段60は、流量
比検出部であるN検出部51と、給湯熱交換器湯温上昇推
定検出部であるΔTcal 推定検出部52と、給湯バーナ点
火判断部53と、給湯バーナ点火駆動部54と、データ格納
部(記憶装置)55とを有して構成されている。
【0085】なお、上記データ格納部55は前記出湯待機
制御手段25のデータ格納部40と兼用のものでもよいし、
データ格納部40と別個に設けてもよい。
【0086】前記データ格納部55には流量比検出データ
として、V2 弁10が閉弁している状態での総入水流量Q
0 に対する給湯熱交換器1の流量QHEの予め定まる流量
比M(例えば、M=0.7 )と、V2 弁10が開弁している
状態でのV1 弁7の開弁量と、総入水流量Q0 に対する
給湯熱交換器1の流量QHEの流量比N(N=QHE
0 )との関係データであるグラフデータや演算式デー
タや表データ等とが予め実験や演算等により求め格納さ
れている。
【0087】上記N検出部51は、総入水流量Q0 に対す
る給湯熱交換器1の流量QHEの流量比N(N=QHE/Q
0 )を次のように検出する。例えば、V1 弁7の駆動手
段にV1 弁7の開弁量を測定するためのポジションメー
タやエンコーダ等の開弁量測定手段を取り付けて周知の
ようにV1 弁7の開弁量を検出し、V2 弁10が開弁して
いるときには、この検出開弁量と前記データ格納部55の
流量比検出データに基づいて流量比Nを検出する。
【0088】前記データ格納部55には、上記流量比検出
データ以外に次に示すΔTcal 検出データも格納されて
いる。このΔTcal 検出データは、給湯バーナを予め与
えられる設定燃焼能力(例えば、給湯バーナの予め定め
た最小燃焼能力)で燃焼させたときに、上記N検出部51
の検出流量比Nと流量検出センサ12の検出流量(検出総
入水流量)Q0 とによって求まる給湯熱交換器1の通
水、つまり、給湯熱交換器1の流量QHE(QHE=N・Q
0 )の通水が給湯バーナ燃焼の熱により上昇する温度上
昇分(給湯熱交換器湯温上昇分)ΔTcal を推定検出す
るためのデータで、給湯バーナの予め定めた設定燃焼能
力を定数とし、流量比Nと総入水流量Q0をパラメータ
とした給湯熱交換器湯温上昇分ΔTcal を求める演算式
データやグラフデータや表データ等の関係データであ
り、その関係データが予め実験や演算等により求められ
データ格納部55に格納されている。
【0089】例えば、上記ΔTcal 検出データを演算式
データで形成した場合には、その演算式データは次式
(2)で与えることができる。
【0090】 ΔTcal =k/(N・Q0 )・・・・・(2)
【0091】上記式(2)に示すQ0 は総入水流量を表
し、Nは総入水流量Q0 に対する給湯熱交換器の流量比
を表し、kは次に示す定数を表す。この定数kは、予め
定めた単位流量の水を予め定めた給湯バーナの燃焼能力
の熱で加熱したときの上記単位流量の水の温度上昇分を
表すもので、予め実験や演算等により求めることができ
る。例えば、給湯バーナを2.5 号(1号とは1分間に1
リットルの水を25℃上昇させるのに必要な燃焼能力を意
味する)の燃焼能力で燃焼させたときには、流量1(リ
ットル/分)の水を2.5 ×25/1=62.5℃上昇させるこ
とができるので、前記給湯バーナの設定燃焼能力を2.5
号と予め定めたときには、上記定数kには「62.5」が与
えられることになる。
【0092】上記式(2)に示すNに前記N検出部51が
検出した流量比を、また、Q0 に流量検出センサ12が検
出した総入水流量をそれぞれ代入し、上記式(2)に従
って演算を行うことにより、予め定めた設定燃焼能力で
給湯バーナを燃焼させたときに給湯熱交換器1の通水が
給湯バーナ燃焼の熱により上昇する温度上昇分(給湯熱
交換器湯温上昇分)ΔTcal を推定検出することができ
る。
【0093】ΔTcal 推定検出部52は、前記N検出部51
が検出した流量比Nと前記データ格納部55のΔTcal
出データを取り込み、給湯熱交換器1への通水が検知さ
れた後、つまり、この実施の形態例では流量検出センサ
12が流量を検出し始めた以降に、その流量検出センサ12
の検出流量(総入水流量)Q0 を取り込んで、この検出
流量Q0 と検出流量比NとΔTcal 検出データに基づい
て、給湯熱交換器湯温上昇分ΔTcal を推定検出する。
【0094】給湯バーナ点火判断部53は、前記データ格
納部55に予め格納されている給湯熱交換器1の湯温の上
限界温度T2UL (例えば、95℃)を取り込み、また、予
め定められたサンプリング時間間隔(例えば、1秒間
隔)毎に、給湯熱交換器湯温センサ14の実測湯温T
2 と、前記ΔTcal 推定検出部52が推定検出した給湯熱
交換器湯温上昇分ΔTcal とを取り込み、実測湯温T2
に給湯熱交換器湯温上昇分ΔTcal を加えた算出値(T
2 +ΔTcal )と、前記上限界温度T2UL とを比較す
る。
【0095】そして、上記算出値が上限界温度T2UL
下である(T2UL ≧(T2 +ΔTcal ))と判断したと
きに、給湯バーナを点火し給湯バーナの給湯燃焼を開始
させても、給湯熱交換器1から流出する湯の湯温は上限
界温度T2UL 以下であると考えられることから、給湯バ
ーナ燃焼開始に起因した高温出湯を防止できると判断
し、給湯バーナ点火駆動部54へ給湯バーナ点火信号を出
力する。
【0096】給湯バーナ点火駆動部54は、給湯熱交換器
1への通水が確認され(流量検出センサ12が流量を検出
し始め)、上記給湯バーナ点火判断部53から給湯バーナ
点火信号が出力されたとき、つまり、給湯バーナ点火信
号を受けたときに、給湯バーナの点火を行う。
【0097】なお、一般に、給湯熱交換器への通水が確
認された直後に、給湯バーナへガスを導くガス供給通路
の電磁弁等の開閉弁が開けられ給湯バーナへのガス供給
が開始されるが、上記の如く、給湯バーナの点火タイミ
ングを可変制御する場合には、もちろん、前記の一般的
な開閉弁の開タイミング制御方式を採り得るが、より好
ましくは、点火タイミングの変動に応じてガス供給通路
の開閉弁の開弁タイミングを可変制御することが望まれ
る。
【0098】点火タイミング制御手段の第1の実施の形
態例によれば、給湯熱交換器1への通水検知後、給湯バ
ーナの給湯燃焼を開始させた場合に給湯熱交換器1から
流出する湯の湯温が予め定めた上限界温度T2UL を越え
ないと判断したときに給湯バーナの点火を行う構成とし
たので、例えば、給湯停止後の後沸きにより給湯熱交換
器1の滞留湯がオーバーシュートの湯となっている状態
から出湯が開始された場合に、上記の如く、給湯バーナ
の点火タイミングを可変制御することによって、つま
り、給湯バーナの給湯燃焼を開始させても給湯熱交換器
1から上限界温度T2UL を越えた高温の湯が流出しない
と判断するまで、給湯バーナの点火を遅延させることに
よって、給湯バーナの燃焼を開始しても給湯熱交換器1
から上限界温度T2UL を越えた高温の湯は流出せず、給
湯バーナ燃焼開始に起因した高温出湯を防止することが
でき、高温出湯により湯の利用者に不快感を与えてしま
うという問題や高温出湯による危険を回避することがで
きる。
【0099】以下に、点火タイミング制御手段の第2の
実施の形態例を説明する。この実施の形態例において特
徴的なことは、流量検出センサ12の検出流量を用いずに
給湯バーナの点火タイミングを可変制御するように構成
したことであり、図2に示すように、制御装置20の点火
タイミング制御手段60に、給湯バーナ点火判断部53と、
給湯バーナ点火駆動部54と、データ格納部55とを設けた
ことである。
【0100】データ格納部55には予め定めた次に示す基
準温度T2Sが格納されている。上記基準温度T2Sは予め
定めた給湯バーナの設定燃焼能力(例えば、給湯バーナ
の予め定められている最小燃焼能力)で給湯バーナの給
湯燃焼を開始させたときに給湯熱交換器1から流出する
湯水の温度が予め定めた給湯熱交換器1の湯温の上限界
温度T2UL (例えば95℃)を越えるか否かを判断するた
めの基準となる給湯熱交換器1の湯温であり、次のよう
に定めることができる。
【0101】例えば、給湯バーナを予め定めた設定燃焼
能力で給湯燃焼させたときの給湯熱交換器1の予め定め
た設定通水流量(例えば、給湯熱交換器1の予め定めた
最低通水流量)の温度上昇分ΔTを求め、この通水温度
上昇分ΔTを前記上限界温度T2UL から差し引いた算出
値(T2UL −ΔT)を基準温度T2Sとして定めデータ格
納部55に予め格納しておく。
【0102】具体的には、例えば、上記基準温度T2S
次式(3)に基づいて演算検出することができる。
【0103】 T2S=T2UL −(k/(N・Q0 ))・・・・・(3)
【0104】上記式(3)に示すT2UL は予め与えられ
る前記上限界温度を表し、Q0 は総入水流量を表し、N
は総入水流量Q0 に対する給湯熱交換器1の流量QHE
流量比(QHE/Q0 )を表し、kは予め定めた定数を表
す。上記定数kは前記点火タイミング制御手段の第1の
実施の形態例に示した式(2)の定数kと同様にして予
め求め与えられるものである。
【0105】具体的な数値を用いて基準温度T2Sを求め
てみると、例えば、総入水流量Q0が予め定めた最低流
量(例えば、3(リットル/分))、総入水流量Q0
対する給湯熱交換器1の流量QHEの流量比N(N=QHE
/Q0 )が予め定めた最小値(例えば、0.2 )の条件
(つまり、給湯熱交換器1の流量が予め定めた最低流量
となる条件)で出湯が行われ、給湯バーナを予め定めた
最小燃焼能力(例えば、2.5 号の燃焼能力)で燃焼さ
せ、給湯熱交換器1の上限界温度T2UL を95℃として基
準温度T2Sを求める場合には、上記式(2)の定数kに
は「6.25」が与えられ、Q0 に「3」を、Nに「0.2 」
を、T2UL に「95」をそれぞれ代入し、式(2)に従っ
て演算する。
【0106】 T2S=95−(6.25/(0.2 ×3))=84.6(℃)
【0107】上記のように、T2S=84.6℃が基準温度と
してデータ格納部55に格納される。
【0108】給湯バーナ点火判断部53は、予め定めたサ
ンプリング時間間隔(例えば、1秒間隔)毎に給湯熱交
換器湯温センサ14の実測湯温T2 を取り込み、この実測
湯温T2 と前記基準温度T2Sを比較し、給湯バーナの燃
焼停止中に、実測湯温T2 が基準温度T2S以下であると
判断したときに、給湯バーナの給湯燃焼を開始しても給
湯熱交換器1から上限界温度T2UL を越えた高温の湯が
流出してしまうことがなく高温出湯の虞れがないと判断
し、給湯バーナ点火駆動部54へ給湯バーナ点火信号を出
力する。そして、給湯バーナ点火駆動部54は、前記点火
タイミング制御手段の第1の実施の形態例同様に、前記
給湯バーナ点火信号を受け、かつ、給湯熱交換器1への
通水が確認された(流量検出センサ12が流量を検出し始
めた)ときに、給湯バーナの点火を行う。
【0109】点火タイミング制御手段の第2の実施の形
態例によれば、給湯熱交換器湯温センサ14の実測湯温T
2 が予め定めた基準温度T2S以下であると判断され、か
つ、給湯熱交換器1への通水が検知されたときに、給湯
バーナの点火を行う構成としたので、前記点火タイミン
グ制御手段の第1の実施の形態例同様に、給湯バーナの
給湯燃焼が開始されても、給湯熱交換器1から上限界温
度を越えた高温の湯が流出することがなく、給湯バーナ
燃焼開始に起因した高温出湯を確実に防止することがで
きる。したがって、給湯バーナ燃焼開始に起因した高温
出湯により湯の利用者に不快感を与えてしまうという問
題や、高温出湯による危険を回避することができる。
【0110】また、点火タイミング制御手段の第2の実
施の形態例では、流量検出センサ12の検出流量を用いて
給湯バーナの点火タイミングを可変制御するのではな
く、上記の如く、予め定めた基準温度T2Sと給湯熱交換
器1の実測湯温T2 に基づいて給湯バーナの点火タイミ
ングを可変制御する構成としたので、例えば、給湯熱交
換器1の滞留湯が冷め切った状態から出湯が開始された
場合には、つまり、実測湯温T2 が基準温度T2S以下で
ある状態から出湯が開始された場合には、給湯熱交換器
1への通水が検知されると同時に給湯バーナ点火判断部
53から給湯バーナ点火信号を出力することが可能とな
り、給湯バーナ点火駆動部54は、給湯熱交換器1への通
水が検知された後、直ちに給湯バーナの点火を行って、
迅速に出湯湯温を立ち上がらせ給湯設定温度の湯を供給
することができる。
【0111】なお、本発明は上記点火タイミング制御手
段の各実施の形態例に限定されるものではなく、様々な
実施の形態を採り得る。例えば、上記点火タイミング制
御手段の各実施の形態例は図4〜図7の給湯器を例にし
て説明したが、本発明の燃焼機器は図4〜図7の給湯器
に限定されるものではない。例えば、図4〜図7の給湯
器には固定バイパス通路5が設けられていたが、本発明
は固定バイパス通路5を省略した燃焼機器にも適用する
ものであり、上記点火タイミング制御手段の各実施の形
態例同様に、制御装置20に、給湯バーナの点火タイミン
グ制御手段60を設け、点火タイミングの可変制御動作を
行うことによって、上記点火タイミング制御手段の各実
施の形態例同様の効果を奏することができる。固定バイ
パス通路5を省略した場合には、その分、管路構成が簡
単になるし、管路抵抗が減少し、流水量を増加させるこ
とが可能である。
【0112】また、図4〜図7の給湯器には上記固定バ
イパス通路5以外のバイパス通路8とその開閉弁である
2 弁10が設けられていたが、上記固定バイパス通路5
と、バイパス通路8およびそのV2 弁10とを省略した燃
焼機器においても、上記点火タイミング制御手段の各実
施の形態例同様に、制御装置20に、給湯バーナの点火タ
イミング制御手段60を設け、点火タイミングの可変制御
動作を行うことによって、上記点火タイミング制御手段
の各実施の形態例同様の効果を奏することができる。
【0113】また、固定バイパス通路5およびバイパス
通路8を省略した分、管路構成が簡単になるし、管路抵
抗が減少し、流量を増加させることができる。この場合
には、上記点火タイミング制御手段の第1の実施の形態
例に示したN検出部51は必要なく、水供給源から給湯器
へ流れ込んだ全入水流量が給湯熱交換器1へ流れ込むこ
とになるので、前記ΔTcal 検出データに用いられる流
量比Nには予め「1」が与えられることになる。
【0114】さらに、バイパス通路8とそのV2 弁10の
みを省略した燃焼機器においても、上記同様に点火タイ
ミング制御手段を設け、給湯バーナの点火タイミングを
制御することによって、上記点火タイミング制御手段の
各実施の形態例同様の効果を奏することができる。この
場合には、給湯熱交換器1を流れる流量と固定バイパス
通路5を流れる流量の流量比が管路抵抗により予め定ま
ることから、上記点火タイミング制御手段の第1の実施
の形態例に示したN検出部51を省略することができ、前
記ΔTcal 検出データに用いられる流量比Nには給湯熱
交換器1の流量と固定バイパス通路5の流量の合計流量
に対する予め定まる給湯熱交換器1の流量比が予め与え
られることになる。
【0115】また、図4〜図7の給湯器では、バイパス
通路8の入側接続部より上流側の給水通路3に流量検出
センサ12が介設され給湯器への総入水流量を直接的に検
出していたが、図4の点線で示すようにバイパス通路入
側接続部より下流側の給水通路3に流量検出センサ12を
設け給湯器への総入水流量を間接的に(V2 弁10が閉弁
しているときには直接的に)検出するようにしてもよ
い。
【0116】図4〜図7に示すようにバイパス通路入側
接続部より上流側に流量検出センサ12を設ける場合に
は、V2 弁10が開・閉のどちらの状態であっても、総入
水流量Q0 を正確に検出できるし、上記の如く、バイパ
ス通路入側接続部より下流側に流量検出センサ12を設け
る場合には、流量検出センサ12は給湯熱交換器1の流量
と固定バイパス通路5の流量の合計流量QV1を実測で
き、この流量QV1に対する予め定めた給湯熱交換器1の
流量QHEの流量比に基づいて、給湯熱交換器1に流れ込
む流量を的確に検出できる。このことから、給湯熱交換
器1に滞留していた湯水が出湯開始により流出し始めて
から全て流出し、給湯熱交換器1内が水供給源から供給
された新しい水に入れ換えられたことを確認することが
でき、例えば、出湯が開始された以降に、出湯開始前に
給湯熱交換器に滞留していた湯が全て流出したことを検
出し、それ以降に、V2 弁10を閉弁し、通常の給湯運転
動作へ移行するようにする等、流量検出センサ12のセン
サ出力を用いて出湯開始以降のV2 弁10の閉弁タイミン
グを決定することができる。
【0117】さらに、図4〜図7の各給湯器の制御装置
20には出湯待機制御手段25が設けられていたが、上記点
火タイミング制御手段60は出湯待機制御手段25が設けら
れていない各種の燃焼機器にも適用するものであり、上
記点火タイミング制御手段の各実施の形態例に示す点火
タイミング制御手段60を設けることによって再出湯時等
の出湯開始以降の給湯バーナ燃焼開始に起因した高温出
湯を防止することができる。
【0118】さらに、図4〜図7の各給湯器には流量制
御弁であるV1 弁7が設けられていたが、本発明におい
て特徴的な点火タイミング制御手段は、流量制御弁が設
けられていない各種の燃焼機器にも適用するものであ
り、上記点火タイミング制御手段の各実施の形態例同様
の点火タイミング制御手段60を設けることによって、再
出湯時等の出湯開始以降の給湯バーナ燃焼開始に起因し
た高温出湯を防止することができる。このように流量制
御弁(V1 弁7)が設けられておらず、また、V2 弁10
が介設されているバイパス通路8も設けられていないと
きには、水供給源から流れ込む入水は管路抵抗により予
め定まる流量比でもって給湯熱交換器1側と固定バイパ
ス通路5側に分流されることになり、総入水流量に対す
る給湯熱交換器の流量比は予め定まるので、上記点火タ
イミング制御手段の第1の実施の形態例に示したN検出
部51を省略することができ、ΔTcal 検出データに用い
る流量比Nには給湯熱交換器1の流量と固定バイパス通
路5の流量の合計流量に対する予め定まる給湯熱交換器
1の流量比が予め与えられることになる。
【0119】さらに、流量制御弁が設けられておらず、
2 弁10が介設されているバイパス通路8が設けられて
いる場合には、総入水流量に対する給湯熱交換器の流量
比NはV2 弁10が開弁している場合とV2 弁10が閉弁し
ている場合の2通りに変化するので、例えば、上記点火
タイミング制御手段の第1の実施の形態例では、V2弁1
0が開弁しているときの流量比NとV2 弁10が閉弁して
いるときの流量比Nを予め求めてデータ格納部55に格納
しておき、N検出部51は、V2 弁10の開・閉状態を検出
し、この検出したV2 弁10の状態に応じた流量比Nをデ
ータ格納部55に格納しておいた上記流量比データに基づ
いて検出する。
【0120】さらに、上記点火タイミング制御手段の各
実施の形態例では、給湯熱交換器1への通水を流量検出
センサ12のセンサ出力を用いて検知していたが、給湯熱
交換器1への通水を確認するための流水スイッチ等を流
量検出センサ12とは別に設けて流水スイッチ等を用いて
給湯熱交換器1への通水を確認するようにしてもよい。
また、前記点火タイミング制御手段の第2の実施の形態
例は、流量検出センサ12の検出流量を用いずに給湯バー
ナの点火タイミングの可変制御を行う構成であることか
ら、上記の如く、給湯熱交換器1への通水を確認する流
水スイッチ等を設けた場合には上記流水スイッチ等によ
り給湯熱交換器1への通水を確認できるので、流量検出
センサ12を省略してもよい。
【0121】さらに、上記点火タイミング制御手段の第
1の実施の形態例では、N検出部51はV1 弁7の駆動手
段に取り付けられたポジションやエンコーダ等の開弁量
測定手段が検出した開弁量と、データ格納部55に予め与
えられるV1 弁開弁量と流量比Nの関係データ(流量比
検出データ)とに基づいて、流量比Nを検出する例を示
したが、流量比Nは上記以外の手法により検出すること
もできる。例えば、V1 弁7の駆動手段がステッピング
モータで形成されている場合にはステッピングモータへ
加えられるパルス駆動信号のパルス数およびモータの回
転方向を制御装置20に取り込み、予め与えられるパルス
数とV1 弁開弁量の関係データに基づいてV1 弁7の開
弁量を検出するようにし、その検出開弁量と上記流量比
検出データに基づいて、流量比Nを検出することができ
る。
【0122】また、制御装置20に設けた出湯待機制御手
段25は、出湯待機中に、V2 弁10の開閉弁制御およびV
1 弁7の開弁量を制御し、出湯時の出湯湯温が給湯設定
温度となるように総入水流量Q0 に対する給湯熱交換器
1の流量比Nを制御し、この状態から出湯が開始される
ので、N検出部51は、例えば、出湯待機中から給湯バー
ナの点火が行われるまでの間は、上記出湯待機制御手段
25から流量比Nの情報を取り込んで、流量比Nを検出す
るようにしてもよい。
【0123】さらに、上記点火タイミング制御手段の第
1の実施の形態例では、給湯バーナ点火駆動部54は、流
量検出センサ12のセンサ出力を直接受けて給湯熱交換器
1への通水を検知し、給湯バーナ点火判断部53から給湯
バーナ点火信号が出力された以降に、給湯バーナの点火
を行うように構成されていたが、上記点火タイミング制
御手段の第1の実施の形態例に示す給湯バーナ点火判断
部53では流量検出センサ12が流量を検知した以降(つま
り、給湯熱交換器1への通水が確認された以降)に給湯
バーナの点火判断動作が行われ予め定めた条件となった
ときに給湯バーナ点火信号が出力される構成であるの
で、給湯バーナ点火判断部53から給湯バーナ点火信号が
出力されるときには給湯熱交換器1への通水が確認され
ている状態であることから、給湯バーナ点火駆動部54
は、給湯バーナ点火判断部53からの給湯バーナ点火信号
のみを受けて給湯バーナの点火を行うようにしてもよ
い。
【0124】さらに、上記点火タイミング制御手段の各
実施の形態例では、給湯バーナ点火判断部53は、給湯熱
交換器湯温センサ14の実測湯温T2 を用いて給湯バーナ
点火判断動作を行っていたが、第1出湯温度センサ15や
第2出湯温度センサ16の実測湯温を用いて給湯バーナ点
火判断動作を行ってもよい。
【0125】このように、第1出湯温度センサ15の実測
湯温を用いる場合には、給湯熱交換器湯温の上限界温度
として給湯熱交換器1から流出した湯と固定バイパス通
路5から流出した水とのミキシング後の湯温の上限界温
度が予め定められデータ格納部55に格納されることにな
るし、第2出湯温度センサ16の実測湯温を用いる場合に
は、給湯熱交換器1から流出した湯と固定バイパス通路
5およびバイパス通路8から流出した水とのミキシング
後の湯温の上限界温度が予め定められ給湯熱交換器湯温
の上限界温度としてデータ格納部55に格納されることに
なる。
【0126】また、上記点火タイミング制御手段の第1
の実施の形態例では、給湯熱交換器湯温の上限界温度T
2UL を予めデータ格納部55に格納していたが、例えば、
図1の鎖線で示すように、制御装置20に、給湯設定温度
S と検出入水温T1 とN検出部51が検出する流量比N
に基づいて給湯熱交換器湯温の上限界温度T2UL を求め
るT2UL 検出部56を設け、上限界温度T2UL を時々刻々
検出するようにしてもよい。例えば、上限界温度T2UL
は下式(4)により算出するようにしてもよい。
【0127】 T2UL =((TS +α)−(1−N)・T1 )/N・・・・・(4)
【0128】上記式(4)に示すTS は給湯設定温度を
表し、αは予め定められる設定範囲(例えば、3℃(た
だし、αに0℃を与えてもよい))を表し、Nは総入水
流量に対する給湯熱交換器の流量比を表し、T1 は入水
温を表すものであり、上記T S に給湯温度設定手段21の
給湯設定温度を、NにN検出部51が検出した流量比N
を、T1 に入水温度センサ13の検出入水温をそれぞれ代
入し式(4)に従って演算することにより、上限界温度
2UL を検出することができる。
【0129】さらに、上記点火タイミング制御手段の第
2の実施の形態例では、予め基準温度T2Sを定めてデー
タ格納部55に格納していたが、例えば、図2の点線で示
すように、前記点火タイミング制御手段の第1の実施の
形態例同様のN検出部51と;予め定めた給湯熱交換器湯
温の上限界温度T2UL と、N検出部51が検出した流量比
と、流量検出センサ12が検出した総入水流量Q0 と、デ
ータ格納部55に予め与えられるT2S検出データ(T2S
2UL −(k/(N・Q0 ));(ただし、kは定数
で、前記点火タイミング制御手段の第2の実施の形態例
に示した式(3)の定数kと同様にして予め求めること
ができる))とに基づいて基準温度T2Sを検出するT2S
検出部58と;を設けて、基準温度T2Sを時々刻々演算検
出するようにしてもよい。
【0130】
【発明の効果】本発明によれば、給湯熱交換器への通水
が確認された後に給湯バーナの給湯燃焼を開始させる場
合に給湯熱交換器から流出する湯の湯温が給湯熱交換器
湯温の上限界温度を越えないと判断したときに、給湯バ
ーナの点火を行う構成としたので、再出湯時や高温差し
湯直後等における出湯開始以降の給湯バーナ燃焼開始に
起因した高温出湯を防止することができ、高温出湯によ
り湯の利用者に不快感を与えてしまうという問題や高温
出湯による危険を回避することができる。
【0131】予め定めた基準温度と、給湯熱交換器の実
測湯温に基づいて給湯バーナの点火タイミングを可変制
御する構成にあっては、例えば、給湯熱交換器の滞留湯
が冷め切った状態から出湯が開始された場合に、給湯熱
交換器への通水が検知されると同時に給湯バーナ点火判
断部から給湯バーナ点火信号を出力することが可能とな
り、給湯熱交換器への通水が検知された直後に給湯バー
ナの点火を行わせことが可能で、出湯湯温をより早く立
ち上がらせることができる。
【0132】給湯熱交換器の給水通路と給湯通路を短絡
する固定バイパス通路が設けられている構成にあって
は、給水通路の固定バイパス通路入側接続部で、入水は
給湯熱交換器側と固定バイパス通路側に分岐して流れ込
み、給湯通路の固定バイパス通路出側接続部で、給湯熱
交換器で加熱された湯と固定バイパス通路側を通った水
がミキシングされて流れ出ることになるので、例えば、
バイパス通路開閉弁を開弁してバイパス通路を通る水に
よって給湯熱交換器の湯の温度を下げなければならない
のにもかかわらず、バイパス通路開閉弁が故障して開弁
しないという事態が発生しても、上記の如く、給湯熱交
換器の湯は固定バイパス通路の水がミキシングされるこ
とによって湯温が下げられることから、高温の湯が出湯
し湯の利用者に火傷を負わせてしまうというような重大
な問題は回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明において特有な点火タイミング制御手段
の第1の実施の形態例を示すブロック構成図である。
【図2】本発明において特有な点火タイミング制御手段
の第2の実施の形態例を示すブロック構成図である。
【図3】給湯熱交換器の滞留湯の温度における時間的変
化の一例を示すグラフである。
【図4】本発明の燃焼機器である給湯器の一システム構
成例を示すモデル図である。
【図5】本発明の燃焼機器である複合給湯器の一システ
ム構成例を示すモデル図である。
【図6】本発明の燃焼機器である湯張り機能(高温差し
湯機能)付給湯器の一システム構成例を示すモデル図で
ある。
【図7】本発明の燃焼機器である一缶二水構成の給湯器
の一システム構成例を示すモデル図である。
【図8】上記図4〜図7の給湯器に備えられている出湯
待機制御手段の第1の実施の形態例を示すブロック構成
図である。
【図9】図8の出湯待機制御手段の動作例を示すフロー
チャートである。
【図10】出湯待機制御手段の第2の実施の形態例を示す
ブロック構成図である。
【図11】出湯待機制御手段の第3の実施の形態例を示す
ブロック構成図である。
【図12】出湯待機制御手段の第5の実施の形態例を示す
ブロック構成図である。
【符号の説明】
1 給湯熱交換器 3 給水通路 4 給湯通路 5 固定バイパス 8 バイパス通路 10 V2 弁 12 流量検出センサ 14 給湯熱交換器湯温センサ 51 N検出部 52 ΔTcal 推定検出部 53 給湯バーナ点火判断部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 近藤 正登 神奈川県大和市深見台3丁目4番地 株式 会社ガスター内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 給湯バーナと、給水通路より導かれる水
    を給湯バーナ燃焼の熱を利用して加熱し給湯通路へ流出
    する給湯熱交換器と、給湯熱交換器の湯水の温度を検出
    する給湯熱交換器湯温センサと、給湯熱交換器の通水流
    量を検出する流量検出センサとを有し、給湯熱交換器へ
    の通水が確認された以降に給湯バーナの点火を行う方式
    の燃焼機器において、給湯熱交換器への通水検知後に、
    給湯バーナを予め与えられる設定燃焼能力で燃焼させた
    ときに流量検出センサの検出流量に基づいて求まる給湯
    熱交換器の通水が給湯バーナ燃焼の熱により上昇する温
    度上昇分を推定検出する給湯熱交換器湯温上昇推定検出
    部と;給湯熱交換器湯温の上限界温度が予め与えられ、
    この給湯熱交換器湯温の上限界温度と、前記給湯熱交換
    器湯温センサの実測湯温に上記給湯熱交換器湯温上昇推
    定検出部で推定検出された検出温度上昇分を加えた算出
    値とを比較し、上記算出値が上限界温度以下であると判
    断したときに給湯バーナ点火信号を出力する給湯バーナ
    点火判断部と;を有する燃焼機器。
  2. 【請求項2】 給湯バーナと、給水通路より導かれる水
    を給湯バーナ燃焼の熱を利用して加熱し給湯通路へ流出
    する給湯熱交換器と、この給湯熱交換器の湯水の温度を
    検出する給湯熱交換器湯温センサとを有し、給湯熱交換
    器への通水が確認された以降に給湯バーナの点火を行う
    方式の燃焼機器において、給湯熱交換器の入側と出側を
    短絡するバイパス通路と;該通路の開閉を行うバイパス
    通路開閉弁と;燃焼機器への総入水流量を直接的又は間
    接的に検出する流量検出センサと;燃焼機器への総入水
    流量に対する給湯熱交換器の流量比を検出する流量比検
    出部と;給湯熱交換器への通水検知後に、給湯バーナを
    予め与えられる設定燃焼能力で燃焼させたときに上記流
    量比検出部の検出流量比と流量検出センサの検出流量と
    によって求まる給湯熱交換器の通水が給湯バーナ燃焼の
    熱により上昇する温度上昇分を推定検出する給湯熱交換
    器湯温上昇推定検出部と;給湯熱交換器湯温の上限界温
    度が予め与えられ、この給湯熱交換器湯温の上限界温度
    と、前記給湯熱交換器湯温センサの実測湯温に上記給湯
    熱交換器湯温上昇推定検出部で推定検出された検出温度
    上昇分を加えた算出値とを比較し、上記算出値が上限界
    温度以下であると判断したときに給湯バーナ点火信号を
    出力する給湯バーナ点火判断部と;を有する燃焼機器。
  3. 【請求項3】 給湯バーナと、給水通路より導かれる水
    を給湯バーナ燃焼の熱を利用して加熱し給湯通路へ流出
    する給湯熱交換器と、給湯熱交換器の湯水の温度を検出
    する給湯熱交換器湯温センサとを有し、給湯熱交換器へ
    の通水が確認された以降に給湯バーナの点火を行う方式
    の燃焼機器において、予め定めた基準温度が与えられて
    おり、この基準温度と前記給湯熱交換器湯温センサの実
    測湯温を比較し、実測湯温が上記基準温度以下であると
    判断したときに給湯バーナ点火信号を出力する給湯バー
    ナ点火判断部と;を有する燃焼機器。
  4. 【請求項4】 給湯熱交換器の給水通路と、給湯熱交換
    器の給湯通路とを短絡するバイパス通路と;該バイパス
    通路の開閉を行うバイパス通路開閉弁と;を設ける構成
    としたことを特徴とする請求項3記載の燃焼機器。
  5. 【請求項5】 給湯熱交換器の給水通路と、給湯熱交換
    器の給湯通路とを短絡する開閉弁を持たない固定バイパ
    ス通路が設けられている構成としたことを特徴とする請
    求項1乃至請求項4のいずれか1つに記載の燃焼機器。
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