JPH1095637A - ガラス製大型基板熱処理用セッタ - Google Patents

ガラス製大型基板熱処理用セッタ

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JPH1095637A
JPH1095637A JP25128996A JP25128996A JPH1095637A JP H1095637 A JPH1095637 A JP H1095637A JP 25128996 A JP25128996 A JP 25128996A JP 25128996 A JP25128996 A JP 25128996A JP H1095637 A JPH1095637 A JP H1095637A
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JP
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substrate
setter
heat treatment
attachment
heat
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JP25128996A
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English (en)
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Susumu Sakamoto
進 阪本
Masayuki Hiroshima
政幸 廣島
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KYUSHU NORITAKE KK
Noritake Co Ltd
Original Assignee
KYUSHU NORITAKE KK
Noritake Co Ltd
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Publication date
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03CCHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
    • C03C23/00Other surface treatment of glass not in the form of fibres or filaments
    • C03C23/007Other surface treatment of glass not in the form of fibres or filaments by thermal treatment

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  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Thermal Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Geochemistry & Mineralogy (AREA)
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  • Organic Chemistry (AREA)
  • Manufacturing Of Printed Wiring (AREA)
  • Liquid Crystal (AREA)
  • Surface Treatment Of Glass (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】基板の反りや樹脂の熱分解むらを抑制し得る大
型基板熱処理用セッタおよび大型基板の熱処理方法を提
供する。 【解決手段】セッタ10は、上端面18が一平面20上
に位置させられた複数のアタッチメント16がセッタベ
ース12の一面14に所定の面積割合で固着されて構成
され、その上端面18で基板の載置面20が構成され
る。そのため、基板22はセッタベース12から離隔さ
せられると共に、アタッチメント16の上端面18のみ
に接触させられることから、セッタ10の熱容量の影響
が低減されて熱処理温度が基板22の歪点を越える場合
にも反りが生じることが抑制される。しかも、基板22
の裏面側に空気の流通経路が形成されることから、予熱
過程において樹脂成分の分解ガスを除去するために供給
される空気の流れが基板22に沿った層流となるため、
その熱分解が促進されて形成された膜中に樹脂成分が残
留することが抑制される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガラス製大型基板
に熱処理を施すに際して、その大型基板を載置するため
のセッタの改良に関する。
【0002】
【従来の技術】ソーダライムガラスに代表されるガラス
製基板の上に、金属或いは非金属の無機材料をガラスボ
ンド成分の溶融や、材料自体の軟化、溶融、或いは焼結
により、所定の機能を生じる膜が固着されたりするよう
な膜形成素材を含む基板、或いは、透明電極に代表され
るように熱処理した基板にCVD等の方法で膜形成する
基板が知られている。例えば、螢光表示管用基板、プラ
ズマディスプレイパネル用基板、プラズマアドレス液晶
表示装置のプラズマスイッチング基板、フィールドエミ
ッション表示装置用基板などの表示デバイス用基板、厚
膜配線基板、或いはサーマルプリンターヘッドやイメー
ジセンサ等の電子デバイス用基板がそれである。このよ
うな電子デバイス用基板には、一般に、基板自体のアニ
ールのためやガラス素材を結合剤として応用した機能材
料の膜形成のために、500 乃至650(℃) 程度の熱処理が
施され、ガラス製基板においては、CVDに先立つ基板
自体のアニール、ガラス素材を結合剤として応用した機
能材料の膜形成、或いは金属材料自体の界面の溶融を応
用した機能材料の膜形成、更には2枚の基板の封着のた
めに、例えば500 乃至900(℃) 程度の熱処理が施され
る。また、膜形成素材が厚膜印刷等によって形成される
場合には、溶剤を除去するためにそれらの高温の熱処理
に先立って例えば100 乃至200(℃) 程度の乾燥処理が施
される。本願において『熱処理』は、このような乾燥処
理を含むものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、近年では、
上記のようなガラス製基板は、その表面にパターニング
形成される導体、抵抗、誘電体などの多層化および細密
化が図られると共に、特に、上記表示デバイス用基板で
は表示面積の大型化に伴って比較的大きな寸法に亘って
細密にパターン形成することが要求される。しかしなが
ら、これらの基板においては、その製造過程において基
板の反りや汚れ、局部的な凹み等が生じ、或いはこれら
によって形成された膜が部分的に変形、変質、或いは傷
つけられると基板の所望の機能が得られなくなる。この
ような問題は、多くは熱処理過程において発生するが、
パターンが細密化する程、また、基板が大型化する程、
膜の部分的な不良が発生し易くなることから顕著とな
り、製品歩留りを加速度的に低下させる。しかも、表示
デバイス用基板では、基板に反りが生じると表示面が湾
曲させられ、或いは表示のために必要な密閉容器が形成
できなくなるという問題もある。
【0004】そのため、一般に、基板に熱処理を施すに
際しては、基板が汚染源である熱処理炉内面(ベルトや
ローラ等の搬送部材表面を含む)に接触することを防止
して汚れを抑制すると共に、反りや局部的な凹み等の発
生を抑制する目的で、耐熱ガラスを含むセラミックスか
ら成り、高い平坦度の載置面を備えたセッタのその載置
面上に基板が載置される。なお、『平坦度』とは、JIS
R 3202に規定される『反り』と同義であって、単位長さ
当たりの反りの大きさを百分率で表したものである。
【0005】しかしながら、上記の熱処理の過程におい
ては、基板がセッタに密着させられていることからその
熱容量が大きく影響して、そのセッタに密着させられて
いる裏面と炉内雰囲気に曝されている表面とでは熱処理
の履歴が異なることとなる。そのため、ガラス製基板の
熱処理温度が歪点を越える場合には、軟化の程度や冷却
速度が表面と裏面とで異なることに起因して反りが生じ
るという問題があった。すなわち、高い平坦度の載置面
を備えたセッタ上で熱処理を施しても、両面の伸び或い
は縮み量が異なることから基板がその載置面に倣わされ
ないため、基板の高い平坦度が得られないのである。こ
のことは、ガラス製基板が大型化する程、温度ばらつき
が生じ易いことから顕著となる。
【0006】しかも、特に、膜形成素材を含む基板にお
いては、その膜形成素材には、熱処理前にもその形状を
保持する目的で樹脂成分が添加されていることから、熱
処理中においてその膜形成素材中に含まれる樹脂成分を
熱分解して除去する必要がある。そのため、その分解ガ
スが基板表面近傍に滞留して熱分解の妨げとなることを
抑制するために、樹脂成分を除去する熱処理の予熱過程
において、その基板表面に向かって空気が供給されて分
解ガスが炉外に排出される。このとき、上記のように基
板がセッタに密着させられており、そのセッタは基板よ
りも大面積に形成されていることから、そのセッタに当
たった空気が乱流となって基板表面に十分に供給されな
い。そのため、基板の内側位置において分解ガスが滞留
し易くなって熱分解が促進されないことから、形成され
た膜中に樹脂成分が残留するという問題もあった。
【0007】本発明は以上の事情を背景として為された
ものであり、その目的とするところは、基板の反りや樹
脂の熱分解むらを抑制し得るガラス製大型基板熱処理用
セッタを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】斯かる目的を達成するた
め、本発明のガラス製大型基板熱処理用セッタの要旨と
するところは、ガラス製大型基板に熱処理を施すに際し
て、その大型基板が載置される熱処理用セッタであっ
て、(a) セラミックスから成るセッタ用基板と、そのセ
ッタ用基板の一面に所定の面積割合で固着されて上端面
が所定の平坦度の一平面上に位置させられた複数の支持
部材とを含み、それら複数の支持部材の上端面で前記大
型基板を載置するための載置面を構成することにある。
【0009】
【発明の効果】このようにすれば、ガラス製大型基板熱
処理用セッタは、セラミックスから成るセッタ用基板
と、そのセッタ用基板の一面に所定の面積割合で固着さ
れて上端面が所定平坦度の一平面上に位置させられた複
数の支持部材とを含んで構成され、それら複数の支持部
材の上端面で大型基板を載置するための載置面が構成さ
れる。そのため、基板はその支持部材によってセッタ用
基板から離隔させられると共に、その支持部材の上端面
のみに接触させられることから、セッタの熱容量の影響
が低減されて熱処理温度が基板の歪点を越える場合にも
反りが生じることが抑制される。しかも、支持部材によ
って支持された基板の裏面側に空気の流通経路が形成さ
れることから、基板が厚膜等の膜形成素材を含む場合に
も、予熱過程において樹脂成分の分解ガスを除去するた
めに供給される空気の流れが基板表面に沿った層流とな
るため、その熱分解が促進されて形成された膜中に樹脂
成分が残留することが抑制される。また、その層流によ
って基板表面における温度分布が均一化されるため、一
層反りや樹脂の残留等が抑制される。
【0010】
【発明の他の態様】ここで、好適には、前記複数の支持
部材は、前記セッタ用基板の内側に向かうに従って前記
所定の面積割合が小さくなるように設けられているもの
である。このようにすれば、周囲に熱を放散し易い外側
位置程、支持部材の面積割合が大きくされてその熱容量
が大きくされ、反対に、熱放散し難い内側位置程、支持
部材の面積割合が小さくされてその熱容量が小さくされ
ることから、熱放散性の差が支持部材の熱容量の差によ
って小さくされる。したがって、基板に与えられる熱履
歴のばらつきに基づく反りが抑制される。なお、基板が
膜形成素材を含む場合において、このように支持部材の
面積割合を位置に応じて異なるものとする場合には、そ
の面積割合が最も大きくされる部分において、予熱過程
で樹脂成分の熱分解を促進するために供給される空気の
流通経路が基板の裏面側で確保されるように設定される
ことが望ましい。
【0011】また、好適には、前記ガラス製大型基板熱
処理用セッタは、前記ガラス製大型基板をトンネル状の
加熱室内で一方向に沿って搬送しつつ熱処理を施す連続
熱処理炉に用いられるものであり、前記支持部材は、そ
の大型基板の搬送方向において前記セッタ用基板の後方
側よりも前方側の方が前記所定の面積割合が大きくなる
ように設けられているものである。このようにすれば、
トンネル状の加熱室内で一方向に搬送されつつ施される
熱処理の冷却過程において、低温側に位置して冷却され
易い基板の搬送方向前方側において支持部材の面積割合
が大きくされることから、その支持部材の熱容量に基づ
いてその前方側の冷却速度が低下させられる。そのた
め、基板全体の温度ばらつきが抑制されることから、冷
却速度のばらつきに起因する反りの発生が抑制される。
【0012】また、好適には、前記支持部材は、前記上
端面の内側位置に凹陥部を備えたものである。このよう
にすれば、熱処理用セッタに載置された基板は、支持部
材の上端面に設けられた凹陥部を除く周縁部で支持され
る。そのため、支持部材の体積すなわち基板に影響を与
え得る熱容量を同様とした場合には、支持部材と基板と
の接触面積が小さくされることから、一層温度分布が均
一になる。
【0013】また、好適には、前記支持部材は、前記上
端面の周縁部に下方に向かって傾斜する傾斜面が備えら
れたものである。このようにすれば、上端面の周縁部が
下方に向かって伸びる側面に直接接続されている場合に
比較して、基板の裏面に当接させられるその周縁部が鈍
角に形成されると共に、同様な体積とした場合には、上
端面の面積すなわち基板との接触面積が小さくされる。
そのため、セッタの熱容量の影響が一層小さくされて一
層温度分布が均一になると共に、その周縁部に押圧され
或いは擦られた場合に基板が傷つけられ、或いは接触跡
が形成されることが抑制される。
【0014】また、好適には、前記支持部材は、前記上
端面の周縁部にその上端面に滑らかに接続されて下方に
向かって伸びる曲面が備えられたものである。このよう
にすれば、同様な体積とした場合には、上端面の面積す
なわち基板との接触面積が小さくされると共に、その上
端面の周縁部にその上端面と成す角度が不連続に変化さ
せられたエッジが設けられない。したがって、セッタの
熱容量の影響が一層小さくされて一層温度分布が均一に
なると共に、支持部材のエッジによって基板に傷が生
じ、或いは接触跡が形成されることが抑制される。
【0015】また、好適には、前記支持部材は、セラミ
ックス或いは耐熱金属から成るものである。このように
すれば、基板を熱処理する際にも支持部材が変形し難い
ことから、その上端面の高さのばらつきが生じ難いた
め、一層高い平坦度が維持されることとなる。
【0016】また、前記目的を達成するためのガラス製
大型基板の熱処理方法は、大型基板をトンネル状の加熱
室内で一方向に沿って搬送しつつ熱処理を施す方法であ
って、(a) 前記大型基板の搬送方向の後方側よりも前方
側の方が大きくなる所定の面積割合で配置され、上端面
が所定の平坦度の一平面上に位置させられた複数の支持
部材のその上端面によってその大型基板を支持した状態
で、前記トンネル状の加熱室内を搬送することにある。
【0017】このようにすれば、ガラス製大型基板の熱
処理は、その搬送方向後方側よりも前方側の方が大きく
なる所定の面積割合で配置され、上端面が所定の平坦度
の一平面上に位置させられた複数の支持部材のその上端
面によってその大型基板を支持した状態で、トンネル状
の加熱室内を搬送しつつ施される。そのため、その熱処
理の冷却過程においては、低温側となる基板の搬送方向
前方側の方が後方側よりも支持部材の面積割合が大きく
されることから、その支持部材の熱容量に基づいて、そ
の前方側の冷却速度が低下させられる。したがって、基
板全体の温度ばらつきが抑制されることから、冷却速度
のばらつきに起因する反りの発生が抑制される。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施例を図面を
参照して詳細に説明する。なお、以下の説明において、
各部の寸法比等は必ずしも正確に描かれていない。
【0019】図1(a) は、本発明の一実施例の大型基板
熱処理用セッタ10の構成を示す斜視図であり、図1
(b) はそのセッタ10の正面図である。セッタ10は、
例えば40インチ程度以下の大きさの表示面を備えるプラ
ズマ・ディスプレイ・パネルの前面板或いは背面板用の
基板等の表示デバイス用基板や、電子デバイス用基板等
のガラス製基板を熱処理するに際して、その基板を載置
するものである。このセッタ10は、例えば厚さが5 (m
m)程度で1500×1000(mm)程度の大きさの平板状を成すセ
ッタベース12の一面14上に、例えば高さ10(mm)程
度、直径φ25(mm)程度の円柱状を成す多数のアタッチメ
ント16が、その一面14上の位置に応じて設定された
所定の面積割合で図示しない接着剤によって固着されて
構成されている。本実施例においては、セッタベース1
2がセッタ用基板に、アタッチメント16が支持部材に
それぞれ相当する。なお、上記の面積割合は、一面14
上において単位面積当たりのアタッチメント16の占有
面積の割合を表すものである。
【0020】上記のセッタベース12は、例えば引出し
法で成形されたβ−スポジュメン(LiAlSi2O6 )系結晶
化ガラスから成るものであり、その一面14は、荒研磨
加工が施されることによって例えば0.5(%) 程度の平坦
度とされている。また、上記のアタッチメント16は、
例えば粉末加圧成形および焼成されたフォルステライト
(Mg2SiO4 )から成るものであり、軸心方向の両端面が
研磨加工されることにより、その軸心方向長さが略一様
にされると共にその両端面が平滑且つ平坦にされてい
る。これら複数のアタッチメント16は、図1(b) に示
されるように、その上端面18が例えば0.05 (%) 程度
の平坦度を備えた一平面20上に位置させられた状態
で、セッタベース12上に固着されている。後述のよう
に、基板22は、セッタベース12の一面14から離隔
して位置するそれら複数のアタッチメント16の上端面
18上に載置されることから、その一平面20が基板を
載置するための載置面として機能する。したがって、セ
ッタ10において、基板22を載置するための載置面2
0は、0.05 (%) 程度の平坦度、すなわち、一面14よ
りも高い(数値としては小さい)良好な平坦度に形成さ
れている。
【0021】上記のセッタ10は、基板22を一方向に
沿って搬送しつつ熱処理する連続型熱処理炉に用いられ
るものであり、上記のアタッチメント16は、その搬送
方向(図に矢印Fで示される方向)に沿った中心線に関
して対称に固着されている。一面14上におけるアタッ
チメント16の面積割合は、図に示されるように、搬送
方向Fの後方側の領域21rから中間部の領域21m、
前方側の領域21fに向かうに従って大きくなり、搬送
方向Fに垂直な方向において、中央部の領域21cで小
さく、両端部の領域21sで大きくされている。したが
って、前方側且つ端部側となる領域21f中の領域21
sにおいて最も大きな面積割合(例えば、30〜50%程
度)とされ、後方側且つ端部側となる領域21r中の領
域21sにおいてやや大きな面積割合(例えば30%程
度)とされ、搬送方向中間部且つ幅方向中央部となる領
域21m中の領域21c、すなわち一面14の中央部に
おいて最も小さな面積割合(例えば20%程度)とされて
いる。なお、アタッチメント16相互のピッチ(中心間
隔)は、最も面積割合の小さい一面14の中央部におい
て、例えば50(mm)程度に設定されている。また、一面1
4上の搬送方向前方側端部には、図に一点鎖線で示され
る基板22の外側となる、その基板22を支持しない位
置にもアタッチメント16が固着されている。なお、図
1(a) はアタッチメント16の面積割合を模式的に示し
ており、上記の最大ピッチと前記のセッタベース12の
寸法との関係から明らかなように、アタッチメント16
は、実際には図に示されるよりも密に設けられている。
【0022】なお、上記のアタッチメント16は、例え
ば以下のようにしてセッタベース12に固着される。先
ず、上記の載置面20と同様な0.05 (%) 程度の平坦度
を備えた定盤上に、上記のように両端面が平坦に加工さ
れたアタッチメント16を、上端面18がその定盤側に
位置するように所望の面積割合(例えば図1に示される
面積割合)で載置する。次いで、定盤34上に載置され
たアタッチメント16の上側端面すなわちセッタベース
12に固着されることとなる下端面に、例えば耐火モル
タル等のセラミック接着剤を適量塗布する。そして、セ
ッタベース12を一面14が下側となる向きでそのアタ
ッチメント16の上方から載置し、例えば800(℃) 程度
で加熱処理して接着剤を硬化させることにより、そのア
タッチメント16がセッタベース12の一面14に固着
されるのである。なお、領域21f中の両端部部分の領
域21sのように、アタッチメント16が極めて密に設
けられる場合には、上記の最大ピッチ(例えば50[mm])
以下のピッチpとなるアタッチメント16、16間にお
いては、図1(c) に示されるように、アタッチメント1
6に代えて、上端面18aが上記一平面20よりも下側
に位置するそれよりも短いアタッチメント16aが固着
されてもよい。後述のように、基板22の支持のために
必要となるピッチよりも小さいピッチで設けられるアタ
ッチメント16は、基板22に影響を与える熱容量を制
御するためのものであることから、そのためのアタッチ
メント16aは基板22に非接触とされていても殆ど支
障がないからである。
【0023】図2は、上記のセッタ10を用いてガラス
製大型基板である基板22を熱処理する方法を説明する
図である。ガラス製基板22は、例えばソーダガラスに
代表される低歪点のガラス等から成るものであって、そ
の表面には誘電体層や導体層、抵抗体層等を形成するた
めの図示しない厚膜ペーストが、例えば厚膜スクリーン
印刷によって所定のパターンで印刷されている。そのた
め、その厚膜ペーストを乾燥してそれに含まれる溶剤を
除去し、或いは、厚膜ペースト中に含まれるガラスや金
属の溶融等に基づいて所定の機能を有する膜を形成する
ために、図に示されるように熱処理が施される。
【0024】図において、基板22は、熱処理炉の炉体
24内において、セッタ10上に備えられている複数の
アタッチメント16によって支持されている。炉体24
は図の左右方向に伸びるトンネル状の加熱室を構成する
ものであり、基板22を一方向に搬送する過程でその基
板22に所定の熱処理を施し、図示しない冷却ゾーンを
経て搬出口から基板22が搬出されるようになってい
る。その炉体24内には、図示しない炉体側面部におい
て両端が支持されている複数のローラ26が所定間隔で
相互に平行に設けられており、それぞれ軸心回りに回転
駆動されることによりセッタ10およびそれに載置され
た基板22が、例えば図の矢印A方向すなわち右方向に
搬送される。このとき、セッタ10は、アタッチメント
16の面積割合が大きくされた領域21fが前方側とな
るように、前記図1における矢印Fの方向に搬送される
ようにその向きが設定される。すなわち、本実施例にお
いては、基板22の熱処理は、搬送方向Aの後方側より
も前方側の方が大きくなる所定の面積割合で配置され、
上端面18が所定の平坦度の一平面20上に位置させら
れた複数のアタッチメント16のその上端面18によっ
てその基板22を支持した状態で、トンネル状の加熱室
内を搬送しつつ施される。
【0025】また、炉体24の上下面には、所定の区画
毎に制御される複数のヒータ28が設けられており、基
板22を熱処理するための所定の温度カーブがその基板
22の搬送方向に沿って形成されるように、炉体24の
各部の温度がその搬送方向の各位置毎に設定された所定
の設定温度に維持されている。なお、炉体24内には、
搬送方向に沿って空気を供給するための給気管30、お
よび炉体24内で発生した溶剤蒸気や樹脂成分の分解ガ
ス等を排出するための排気管32が、それぞれ所定の間
隔で複数箇所に設けられている。基板22に印刷形成さ
れた膜中には、所定の粘性を与えるための溶剤や熱処理
前において形状を保持するための樹脂成分が含まれてい
ることから、それらが熱処理の予熱過程において印刷膜
から蒸発或いは分解除去されるのである。
【0026】上記の熱処理炉においては、ローラ26に
よって一方向に搬送される過程で所定の温度カーブに従
って基板22が加熱されるが、その際、その基板22
は、一平面20上に上端面18が位置させられた複数の
アタッチメント16によってセッタベース12から離隔
して支持される。そのため、セッタ10の基板22に対
する接触面積が小さくされていることから、裏面22b
側に対するセッタ10の熱容量の影響が低減されて表面
22aと裏面22bとの熱履歴の相違が緩和されると共
に、それら複数のアタッチメント16によって平坦に形
成された載置面20上に載置されていることから、軟化
させられた際にはその載置面20に倣わされる。したが
って、基板22の歪点や軟化点を越える例えば500 〜60
0(℃) 程度以上の温度で熱処理される場合にも、基板表
面22aの最大高低差すなわち平坦度が例えば0.5 (mm)
程度と小さく、基板22の平坦度が高く保たれて反りや
うねり等の変形が生じない。そのため、基板22の変形
に起因して形成された膜の機能が損なわれることや、表
示面の湾曲、密閉容器が形成不能となる等の不具合の発
生が抑制される。
【0027】しかも、セッタ10は、図1に示されるよ
うに搬送方向Aに関連してアタッチメント16の面積密
度が領域21毎に設定されていることから、冷却過程に
おいて低温側となる搬送方向Aの前方側において面積割
合が大きくされると共に、中央部に比較して熱放散性が
高い両端部において面積割合が大きくされている。すな
わち、冷却され易い領域程、アタッチメント16の面積
割合すなわちアタッチメント16の熱容量が大きくされ
ている。そのため、そのアタッチメント16の熱容量に
基づいてそれらの部分における冷却速度が低下させられ
ることから、基板22の面内における冷却速度が略一様
となって、冷却速度のばらつきに起因する反りの発生が
一層抑制される。すなわち、アタッチメント16の面積
割合は、熱処理の冷却過程における冷却され易さを考慮
して、その冷却速度が一様となるように設定されている
のである。
【0028】更に、上記の熱処理炉においては、給気管
30から空気が供給されることから、発生した溶剤蒸気
や樹脂成分の分解ガス等が基板22上から速やかに除去
されてその表面22a近傍に滞留しない。したがって、
基板22に印刷されている膜が均一に焼成されて、一層
確実に所望の形状や機能が得られることとなる。このと
き、基板22はセッタ10上においてその一面14に突
き出して設けられているアタッチメント16によって支
持されて、その裏面22bと一面14との間に空隙が設
けられていることから、図3(a) に示されるように、基
板22の搬送方向に沿って供給された空気はその基板2
2に沿って流れる層流となる。そのため、基板22の全
面に亘って分解ガス等が速やかに除去されて、それが滞
留することに起因して樹脂の分解や溶剤の蒸発が妨げら
れることが生じないことから、温度分布の均一化によっ
て熱処理条件が面内で均一になり、形成された膜中に樹
脂成分が残留することが抑制されるのである。
【0029】これに対して、図3(b) に示されるよう
に、一面を例えば研磨加工することにより所定の平坦度
の載置面40を形成した従来のセッタ42では、その載
置面40上に基板22が直接載置される。そのため、そ
のセッタ42の熱容量の影響によって、基板22の表面
22aと裏面22bとでは熱履歴が大きく相違すること
となって、その載置面40が平坦に形成されているにも
拘わらず、軟化の程度や冷却速度の相違等に起因して熱
処理後に図4に示されるような大きな反り(例えば平坦
度で0.1 〜1 (mm)程度)が生じることがあった。また、
基板22とセッタ42とが密着させられていることか
ら、図3(b) にしめされるように、基板22に向かって
供給された空気がセッタ42の端面44にぶつかること
等に起因して乱流となるため、特に中央部において溶剤
蒸気や樹脂成分の分解ガス等が基板22の表面22a近
傍に滞留することとなって、形成された膜中に樹脂成分
等が残留したのである。
【0030】なお、熱処理炉の搬出口から搬出された基
板22は、例えば、図5に示されるように、先端側に鉤
状部46を有する搬送アーム48によって上方に引き上
げられた状態で次工程に搬送される。このとき、本実施
例においては、基板22がアタッチメント16によって
支持されていることから、搬送アーム48で基板22を
引き上げるに際して、鉤状部46を基板22の下側に差
し込むための隙間がセッタベース12との間に形成され
ている。そのため、基板22が容易に引き上げられて搬
送されることとなる。これに対して、従来のセッタ42
においては、前記図3に示されるように基板22が載置
面40に密着させられていることから、そのような隙間
が形成されていない。そのため、例えば、図4に示され
るようにセッタ42の長手方向の一対の側面に基板22
の下側まで伸びる複数の切欠部50が形成されて、その
切欠部50に搬送アーム48の鉤状部46が差し込まれ
ていた。したがって、基板22の裏面側に局部的にセッ
タ42と接触させられない部分が生じることから、熱処
理後にその切欠部50の跡が生じると共に、セッタ42
の加工工数が増えて、載置面40の研磨加工が必要なこ
とと相俟ってセッタ42の製造コストが一層増大するこ
ととなっていた。なお、図4においては、切欠部50は
手前側に位置する側面のみに描かれているが、奥側に位
置する側面にも対称的な位置に設けられている。
【0031】要するに、本実施例においては、セッタ1
0は、セラミックスから成るセッタベース12と、その
セッタベース12の一面14に所定の面積割合で固着さ
れて上端面18が所定平坦度の一平面20上に位置させ
られた複数のアタッチメント16とを含んで構成され、
それら複数のアタッチメント16の上端面18で大型基
板を載置するための載置面20が構成される。そのた
め、基板22はそのアタッチメント16によってセッタ
ベース12から離隔させられると共に、そのアタッチメ
ント16の上端面18のみに接触させられることから、
セッタ10の熱容量の影響が低減されて熱処理温度が基
板22の歪点を越える場合にも反りが生じることが抑制
される。しかも、アタッチメント16によって支持され
た基板22の裏面22b側に空気の流通経路が形成され
ることから、予熱過程において樹脂成分の分解ガスを除
去するために供給される空気の流れが基板22に沿った
層流となるため、その熱分解が促進されて形成された膜
中に樹脂成分が残留することが抑制される。また、その
層流によって基板22表面における温度分布が均一化さ
れるため、一層反りや樹脂の残留等が抑制される。
【0032】しかも、本実施例においては、前記複数の
アタッチメント16は、前記セッタベース12の内側に
向かうに従って前記所定の面積割合が小さくなるように
設けられている。そのため、周囲に熱を放散し易い外側
位置(領域21s、21f、21r)程、アタッチメン
ト16の面積割合が大きくされてその熱容量が大きくさ
れ、反対に、熱放散し難い内側位置(領域21m、21
c)程、アタッチメント16の面積割合が小さくされて
その熱容量が小さくされることから、熱放散性の差がア
タッチメント16の熱容量の差によって小さくされる。
したがって、基板22に与えられる熱履歴のばらつきに
基づく反りが抑制される。
【0033】また、本実施例においては、セッタ10
は、基板22を炉体24内に形成されたトンネル状の加
熱室内で一方向に沿って搬送しつつ熱処理を施す連続熱
処理炉に用いられるものであり、前記アタッチメント1
6は、その基板22の搬送方向においてセッタベース1
2の後方側(領域21r)よりも前方側(領域21f)
の方が前記所定の面積割合が大きくなるように設けられ
ている。そのため、トンネル状の加熱室内で一方向に搬
送されつつ施される熱処理の冷却過程において、低温側
に位置して冷却され易い基板22の搬送方向前方側(領
域21f)においてアタッチメント16の面積割合が大
きくされることから、そのアタッチメント16の熱容量
に基づいてその前方側の冷却速度が低下させられる。し
たがって、基板22全体の温度ばらつきが抑制されるこ
とから、冷却速度のばらつきに起因する反りの発生が一
層抑制される。
【0034】また、本実施例においては、アタッチメン
ト16は、高い耐熱性を有するセラミックスであるフォ
ルステライトから構成される。そのため、基板22を熱
処理する際にもアタッチメント16が変形し難いことか
ら、その上端面18の高さのばらつきが生じ難いため、
セッタ10の平坦度が一層維持されることとなる。
【0035】次に、本発明の他の実施例を説明する。な
お、以下の実施例において、前述の実施例と共通する部
分には、同一の符号を付して説明を省略する。
【0036】図6(a) は、前述の実施例のセッタ10の
他の使用態様を説明する図であり、(b) は(a) における
b−b視断面図である。図において、セッタ10上に載
置されている基板52は、その周縁部の複数箇所におい
て一面14上に設けられたずれ防止用アタッチメント5
4によって、面方向の位置ずれが抑制されている。その
ため、前記図2に示されるような連続型熱処理炉によっ
て基板52を搬送しつつ熱処理を施すに際して、その搬
送に伴う振動が基板52に与えられた場合にも、セッタ
10上で基板52が位置ずれすることが抑制されるた
め、その位置ずれに起因して基板52裏面の傷つけられ
ることが抑制される。この基板52は、前述の実施例の
基板22よりも小さいものであり、そのため、前記図1
における基板22とアタッチメント16との位置関係か
ら明らかなように、基板52の周囲には、その基板52
を支持するために機能しないアタッチメント16が存在
することとなる。図6(b) に示されるように、ずれ防止
用アタッチメント54は、下端部に有底丸穴形状とされ
た嵌合穴56を備えたものであり、上記の基板52の周
囲に位置する余剰のアタッチメント16に被せられるこ
とによって一面14上に設けられている。すなわち、ず
れ防止用アタッチメント54は、一面14には固着され
ていない。なお、基板52の周囲には、ずれ防止用アタ
ッチメント54が被せられているアタッチメント16以
外にも多数のアタッチメント16が存在し得るが、図に
おいては省略されている。
【0037】図7は、セッタ10の更に別の使用態様を
説明する図である。前記図2においては、1枚のセッタ
10上に1枚の基板22が載置された状態で炉体24内
を搬送されるように説明したが、処理効率を高めるため
には、図に示されるように、セッタ10を複数枚積み重
ねて熱処理することが望ましい。図において、セッタ1
0は、アタッチメント16の高さと基板22の厚さの合
計寸法よりも十分に高い寸法とされたスペーサ58を介
して積み重ねられている。図においては、セッタ10が
2枚積み重ねられているが、所望の炉内温度が得られる
高さ範囲内に全ての基板22を位置させ得る範囲で、そ
の枚数は更に多くされていても差し支えない。なお、最
上部に位置するセッタ10の上側には、アタッチメント
16が設けられていないセッタ60が同様なスペーサ5
8を介して載置されているが、これは、その最上部のセ
ッタ10上に載置されている基板22に対する温度や雰
囲気等の熱処理条件を下側に位置させられる基板22と
同様にするために設けられたものであり、炉体24内の
雰囲気等によっては必ずしも設けられなくともよい。
【0038】このように積み重ねられて複数枚の基板2
2が同時に熱処理される場合にも、各セッタ10上にお
いて基板22がアタッチメント16によってセッタベー
ス12から離隔した状態で支持されていることから、前
記給気管30から供給される空気は、図に示されるよう
にセッタ10相互の間から各段に入り込んで、基板22
に沿って流れる層流となる。そのため、積み重ねて熱処
理を施す場合にも、溶剤蒸気や樹脂成分の分解ガス等が
基板22表面近傍から速やかに除去されることから、熱
処理条件が基板22の面内の全域で略同様になって溶剤
の蒸発や樹脂成分の分解が促進される。したがって、形
成された膜中に樹脂成分等が残存することが抑制されて
所望の機能を有する膜が得られる。
【0039】これに対して、基板22が密着して載置さ
れる従来のセッタ42においては、前記図3に示される
ように基板22に向かわせられた空気が乱流となること
から、積み重ねた場合には、基板22中央部で溶剤蒸気
や樹脂成分の分解ガスが一層滞留し易くなって、樹脂成
分の残留等が生じ易くなる。しかも、溶剤蒸気や分解ガ
ス等の滞留は対流による熱伝達を妨げてヒータ28の温
度制御が反映され難くなるため、温度ばらつきを抑制す
るためには、炉長を長くしなければならないという問題
もあったのである。
【0040】なお、本実施例によれば、層流によって熱
伝達が良好に行われてヒータ28の温度制御が反映され
易いことから、温度ばらつきを可及的に小さくしつつ炉
長を短くすることが可能である。但し、図2に示される
ように給気管30および排気管32が上方に設けられて
いることから、上段程基板22に沿って流れる空気量が
多くなるため、各段相互の雰囲気や温度のばらつきを可
及的に小さくする目的で、下段に向かうに従ってアタッ
チメント16の数を少なくし、或いは空気が流れ易いよ
うに配置を異なるものとして、基板22に沿って流れる
空気量が同様となるように調整してもよい。
【0041】図8(a) 、(b) 、(c) は、セッタ10にお
いて、アタッチメント16に代えて用いられる得る他の
アタッチメント62、64を示す図である。なお、図8
(c)は、図8(b) に示されるアタッチメント64の平面
図である。図8(a) に示されるアタッチメント62は、
基板22を載置するための載置面20を構成する上端面
66の周縁部に、その上端面66に滑らかに接続されて
下方に向かって伸びる曲面68が備えられたものであ
る。このようなアタッチメント62によれば、上端面6
6の面積が小さくされる。そのため、セッタ10に載置
された基板22とアタッチメント62との接触面積が小
さくされると共に、上端面66から側面70に向かっ
て、アタッチメント62の表面と載置面20とが成す角
度が連続的に変化させられて、その上端面66の周縁部
にその上端面66と成す角度が不連続に変化させられた
エッジが設けられない。したがって、アタッチメントの
エッジによって基板22に傷や接触跡が生じることが抑
制されると共に、接触面積が小さいことから、セッタ1
0の熱容量の基板22への影響が一層抑制される。
【0042】また、図8(b) 、(c) に示されるアタッチ
メント64は、基板22を載置するための載置面20を
構成する上端面72の内側位置に凹陥部74が備えられ
ると共に、その上端面72の周縁部に下方に向かって傾
斜する傾斜面76が備えられたものである。このような
アタッチメント64によれば、セッタ10に載置された
基板22は、アタッチメント64の上端面72に設けら
れた凹陥部74およびその周縁部に設けられた傾斜面7
6で支持される。そのため、基板22との接触面積が小
さくされることから一層温度分布が均一とされる。しか
も、上端面72の周縁部に傾斜面76が備えられている
ことから、基板22との接触面積が一層小さくされると
共に、上端面72の周縁部が下方に向かって伸びる側面
78に直接接続されている場合に比較して、基板22の
裏面に当接させられるその周縁部が鈍角に形成される。
そのため、その周縁部に押圧され或いは擦られた場合に
基板22が傷つけられ、或いは接触跡が形成されること
が抑制される。なお、上記の凹陥部74は、高さ方向に
貫通して設けられてもよい。
【0043】ここで、図9は、アタッチメント16のピ
ッチpと反り量との関係を調べた実験結果を示すグラフ
である。この実験には、例えば図10に示されるよう
に、一定のピッチpで一様な面積割合でアタッチメント
16が設けられたセッタ80を用いている。このセッタ
80に、例えば、搬送方向Fの長さLF =500 (mm)、幅
W =400 (mm)程度のソーダライムガラスから成る基板
22を載置し、図9のグラフ上部に示される温度スケジ
ュールで最高温度KTとして昇降温することによって行
った。なお、最高温度KTは585(℃) および550(℃) と
した。また、反り量は、熱処理後に常温まで冷却させら
れた基板22を定盤上に載置してシックネスゲージおよ
び非接触膜厚計によって測定した。グラフに示される反
り量は、基板22の幅方向および送り方向のそれぞれ中
央部において、図10のa方向の反り量をa、b方向の
反り量をbとし、最大反り量をcとして示している。な
お、アタッチメント16を設けていない比較例について
はa、b、cの全てを表示したが、本実施例については
a、bが何れも小さいことから、cのみを示している。
【0044】図から、明らかなように、アタッチメント
16を設けて基板22をセッタベース12から離隔させ
ることによって反り量が小さくされるが、そのピッチp
は小さい程反り量が小さくなる。例えばp=50(mm)とし
た場合には、反り量は、KT=550(℃) で0.01(mm)程
度、KT=585(℃) で0.07(mm)程度となる。なお、p≦
150 (mm)程度までの範囲で、十分に低い反り量となる
が、ピッチpが小さくなり過ぎると、アタッチメント1
6の接触面積が増大して、実質的に従来のセッタ42の
載置面40上に直接載置したことと同様となるため、ピ
ッチはp=50(mm)程度が最も好ましい。
【0045】また、図11は、基板22の搬送方向長さ
F とアタッチメント16の高さとの関係を上記と同様
なセッタ80および基板22を用いて調べた測定結果を
示すグラフである。図に示される曲線よりも上側の『O
K』と記された領域がアタッチメント16を設けた効果
が十分に得られる良好範囲を、下側の『NG』と記され
た領域が十分な効果が得られない範囲をそれぞれ示す。
給気管30から供給される空気は、基板22の搬送方向
に流されることから、その搬送方向の長さLFが長くな
るに従って、図3に示されるように空気が基板22に沿
って流れる際の基板裏面22b側における流通抵抗が増
大することとなる。そのため、図に示されるような層流
を形成して溶剤蒸気や樹脂成分の分解ガスを基板22表
面近傍から速やかに除去する目的で、その裏面22b側
における空気流通量を十分に確保するためには、基板2
2の搬送方向の長さLF の増大に伴って、アタッチメン
ト16の高さを高くして、流通抵抗を低減することが望
ましいのである。例えば、LF =200 (mm)程度の場合に
は、アタッチメント16の高さを 2(mm)以上とし、LF
=500 (mm)程度の場合には、高さを 4(mm)以上とし、L
F =800 (mm)程度の場合には、高さを 5(mm)以上とする
ことが望ましい。なお、空気供給量を多くすれば、流通
抵抗が高くなった場合にも乱流が生じ難くなるが、多く
し過ぎると印刷膜の極表層部での溶剤の蒸発や樹脂成分
の分解が早くなり過ぎることから、内部に樹脂成分等が
残留し易くなると共に、温度分布が形成され易くなるた
め、空気供給量は可及的に少ないことが望まれるのであ
る。また、アタッチメント16の高さは、図に示される
良好範囲で自由に設定し得るが、高くする程空間効率が
低下することから、その良好範囲で可及的に低くされる
ことが望ましい。
【0046】以上、本発明の一実施例を図面を参照して
詳細に説明したが、本発明は更に別の態様でも実施され
る。
【0047】例えば、前述の実施例においては、セッタ
ベース12がβ−スポジュメン系結晶化ガラスから構成
され、アタッチメント16がフォルステライトから構成
されていたが、それらの素材は適宜変更される。例え
ば、セッタベース12としては、低膨張ガラス等の他の
ガラスやムライト、アルミナ等の他のセラミックスが用
いられてもよく、また、アタッチメント16としては、
アルミナ等の他のセラミックスやSUS304等の耐熱
金属が用いられてもよい。
【0048】また、実施例においては、アタッチメント
16がφ25(mm)×高さ10(mm)程度の大きさとされていた
が、これらの寸法は適宜変更される。例えば高さ寸法は
前記図11に示されるように基板22の搬送方向長さL
F に応じて、或いは膜形成素材の材質、熱処理温度等に
応じて適宜設定され、基板22との接触面積は、その基
板22の大きさや材質等によって定められる望ましい熱
容量や支持面積、形成される空気の流通経路形状等に応
じて適宜設定される。また、実施例においては、アタッ
チメント16の上端面18の面積が一様とされていた
が、例えば、熱容量の分布を形成する目的で領域21等
毎にアタッチメント16の上端面18の面積が異なるも
のとされてもよい。
【0049】また、実施例においては、アタッチメント
16が接着剤によってセッタベース12に固着されてい
たが、例えば、セッタベース12を研磨加工することに
よってそのセッタベース12の一面14に支持部材とし
て機能するアタッチメント16と同様な形状の複数の凸
部を形成してもよい。
【0050】また、実施例においては、支持部材とし
て、略円柱状を成すアタッチメント16、62、64が
用いられていたが、その形状は適宜変更される。例え
ば、円筒状、角柱状、角筒状、サイコロ状、円錐台状、
角錐台状、頂部が平坦面とされた半球状等とされていて
もよい。すなわち、所定の平坦度を有する一平面上に上
端面が位置させられて、セッタベース12から基板22
を離隔して支持し得るものであれば、その形状は特に限
定されない。
【0051】その他、一々例示はしないが、本発明は、
その趣旨を逸脱しない範囲で種々変更を加え得るもので
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の大型基板熱処理用セッタの
一例であって、(a) は斜視図を、(b) は正面図を、(c)
はアタッチメント高さを部分的な変更例をそれぞれ示
す。
【図2】図1のセッタを用いた熱処理方法の一例を説明
する図である。
【図3】図2の熱処理中における空気の流れを説明する
図であって、(a) は本実施例を、(b) は従来例をそれぞ
れ示す。
【図4】従来のセッタを用いて熱処理した場合の基板の
反りを説明する図である。
【図5】熱処理後の基板の搬送方法を説明する図であ
る。
【図6】図1のセッタの他の使用態様を説明する図であ
って、(a) は基板の載置状態を示す斜視図であり、(b)
は(a) におけるb−b視断面図である。
【図7】図1のセッタの更に他の使用態様を説明する図
である。
【図8】(a) 、(b) は図1のセッタに用いられる他のア
タッチメントを示す正面図であり、(c) は(b) のアタッ
チメントの平面図である。
【図9】アタッチメントのピッチと反りとの関係を調べ
た実験結果を示すグラフである。
【図10】図9の実験に用いたセッタおよび基板を説明
する図である。
【図11】基板の搬送方向長さとアタッチメントの高さ
との関係を調べた実験結果を示すグラフである。
【符号の説明】
10:大型基板熱処理用セッタ 12:セッタベース(セッタ用基板) 14:一面 16:アタッチメント(支持部材) 20:載置面 22:基板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 廣島 政幸 福岡県朝倉郡夜須町大字三並字八ツ並2160 番地九州ノリタケ株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガラス製大型基板に熱処理を施すに際し
    て、該大型基板が載置される熱処理用セッタであって、 セラミックスから成るセッタ用基板と、該セッタ用基板
    の一面に所定の面積割合で固着されて上端面が所定の平
    坦度の一平面上に位置させられた複数の支持部材とを含
    み、該複数の支持部材の上端面で前記大型基板を載置す
    るための載置面を構成することを特徴とするガラス製大
    型基板熱処理用セッタ。
  2. 【請求項2】 前記複数の支持部材は、前記セッタ用基
    板の内側に向かうに従って前記所定の面積割合が小さく
    なるように設けられているものである請求項1のガラス
    製大型基板熱処理用セッタ。
  3. 【請求項3】 前記ガラス製大型基板熱処理用セッタ
    は、前記大型基板をトンネル状の加熱室内で一方向に沿
    って搬送しつつ熱処理を施す連続熱処理炉に用いられる
    ものであり、前記支持部材は、該大型基板の搬送方向に
    おいて前記セッタ用基板の後方側よりも前方側の方が前
    記所定の面積割合が大きくなるように設けられているも
    のである請求項1または2のガラス製大型基板熱処理用
    セッタ。
  4. 【請求項4】 前記支持部材は、前記上端面の内側位置
    に凹陥部を備えたものである請求項1乃至3の何れかの
    ガラス製大型基板熱処理用セッタ。
  5. 【請求項5】 前記支持部材は、前記上端面の周縁部に
    該上端面に滑らかに接続されて下方に向かって伸びる曲
    面が備えられたものである請求項1乃至3の何れかのガ
    ラス製大型基板熱処理用セッタ。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2003107480A (ja) * 2001-09-28 2003-04-09 Toshiba Corp 液晶表示装置の製造方法
KR20130135036A (ko) 2012-05-31 2013-12-10 신토고교 가부시키가이샤 지지 부재, 그것을 포함한 가열 플레이트 지지 장치 및 가열 장치

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