JPH1094829A - ローラレベラにおけるレベリング状態の計算方法およびロール設定方法 - Google Patents

ローラレベラにおけるレベリング状態の計算方法およびロール設定方法

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JPH1094829A
JPH1094829A JP25347196A JP25347196A JPH1094829A JP H1094829 A JPH1094829 A JP H1094829A JP 25347196 A JP25347196 A JP 25347196A JP 25347196 A JP25347196 A JP 25347196A JP H1094829 A JPH1094829 A JP H1094829A
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JP
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roll
corrected
roller leveler
curvature
roll setting
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Tsuyoshi Higo
剛志 比護
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Nippon Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ローラレベラの任意のロール設定条件におけ
るレベリング状態を精度よく計算する方法を提供する。 【解決手段】 被矯正材の繰り返しひずみ負荷試験下で
の、なだらかな降伏挙動を含んだ応力ひずみ曲線を高精
度に表現した応力ひずみ関係式と、被矯正材の寸法指標
と、ローラレベラのロール設定条件とから、ローラレベ
ラでの被矯正材のレベリング状態を計算する。また、こ
のようにして求められたレベリング状態から、これを所
望の状態とするためのロール設定条件を計算し、このロ
ール設定条件を用いてレベリングを行う。特に再降伏時
に顕著な、なだらかな降伏挙動を含んで応力ひずみ関係
を高精度に表現しているので、レベリング状態を高精度
に予測できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複数本のロールを
上下に千鳥状に配置し、そのロール間に被矯正材を通し
て繰り返し曲げを与えることによって、被矯正材の反り
を平坦化し、あるいは例えば急峻度を用いて表される耳
波や中伸びなどの波形状を矯正するローラレベラのレベ
リング状態の計算方法およびロールの設定方法に関する
ものである。
【0002】なお、本明細書でいうローラレベラとは、
単純にロールにより曲げを加えるものだけでなく、被矯
正材に張力を加えた上でロールによる曲げを加えるもの
も含める。また、本明細書でいうレベリング状態とは、
ローラレベラ内の各ロールにより加えられる被矯正材の
曲率の状態をいう。さらに、本明細書で単にロールとい
う場合は、被矯正材に直接接触して、これに曲げを加え
る「ワークロール」を意味する。
【0003】
【従来の技術】板材、形材、管材、線材等の圧延や冷却
過程などで発生した反りを平坦化し、あるいは波形状を
矯正するために、複数本のロールを上下に千鳥状に配置
したローラレベラが用いられる。ローラレベラによる矯
正作用は、被矯正材に繰り返し曲げを加えることによっ
て、被矯正材を平坦化、あるいは所望の反りや波形状を
与えるものである。
【0004】被矯正材の反りを平坦化し、あるいは波形
状を矯正するためには、ローラレベラにおいて、例え
ば、前段で被矯正材に適量の曲げを加えて反りや波形状
を均一化し、後段でそれを平坦化するといったレベリン
グ状態を得ることが必要であるが、そのためには、その
ようなレベリング状態を得るためのロール位置(ロール
押し込み方向位置)を求めることが必要である。
【0005】従来は、被矯正材の断面形状を表す寸法指
標とロール設定位置、ロールピッチ、ロール径等のロー
ル設定条件とをパラメータとしてローラレベラでのレベ
リング状態を求め、これより最適なロール設定条件を決
定していたが、被矯正材の材質や温度によって、矯正効
果にばらつきが見られた。
【0006】特開昭63−180325号公報には、被
矯正材の温度、材質、寸法をローラレベラ前面で検出
し、これらの検出値によりあらかじめ被矯正材の温度、
材質、寸法の各基準組み合わせ別に登録されたロール設
定条件を設定して矯正する方法が示されている。しか
し、あらかじめ登録しておくロール設定条件を決定する
ためには、数多くの実験的検討が必要となる。
【0007】特開昭53−87962号公報には、ロー
ラレベラ入側最大加工度、出側加工度と板厚・板幅・降
伏点応力とを与えることにより、上ロールの入側設定位
置(押し込み量)と出側設定位置(押し込み量)とを決
定している。ここで、加工度とはロールにより加えられ
た曲率κを、被矯正材の最表面が降伏し始める曲率、つ
まり降伏曲率κe で無次元化したものであり、式(1)
で定義される。 加工度K=κ/κe (1) 板材に対して、入側加工度が3以上で、出側加工度をほ
ぼ1とすると、反りを平坦化し、かつ波形状を矯正する
ことができるとしている。
【0008】しかし、加工度、またはロールにより加え
られる曲率と、ロール押し込み量との関係を求めない限
りは、最適なロール設定条件は決定できない。これらの
関係を求めるために、これまでに経験的、実験的または
理論的検討がなされている。例えば、特開昭53−87
962号公報では、被矯正材の変形軌跡を、被矯正材の
各ロールとの接触点で連結される円弧の連鎖とみなし
て、ロールにより被矯正材に加えられる曲率を求めてい
る。しかしこの場合、被矯正材の変形挙動を弾完全塑性
体とみなし、弾性係数、降伏応力の2つのパラメータで
簡単に表現した上で曲げモーメントと曲率との関係を求
めており、またローラレベラの前段ではローラレベラ前
面での被矯正材の曲率がロールにより加えられる曲率に
影響すること、また、ローラレベラの入側付近および出
側付近のロールにより加えられる曲率は、ローラレベラ
の入側および出側での拘束が弱いことなどの点が考慮さ
れていないことなどから、ロールにより加えられる曲率
を精度よく予測することは困難である。
【0009】ローラレベラの最適ロール設定条件を決定
するためには、ロールにより被矯正材に加えられる曲率
を予測することが必要であるが、これまでの技術では、
ロールにより被矯正材に加えられる曲率を精度よく予測
するための技術は得られていない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、複数本のロ
ールを上下に千鳥状に配置したローラレベラの、ロール
設定条件と被矯正材の曲率との関係を精度よく求める計
算方法を提供することを目的とする。また、本発明によ
り所望のレベリング状態を得るためのロール設定条件を
求めて、このロール設定条件のもとで矯正を行うロール
設定方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1の発明は、複数本のロールを上下に千鳥状
に配置し、そのロール間に被矯正材を通して繰り返し曲
げを加えることによって、被矯正材の反りを平坦化し、
あるいは波形状を矯正するローラレベラにおいて、繰り
返しひずみ負荷試験における被矯正材の応力ひずみ曲線
のなだらかな降伏挙動を含めて高精度に表現した応力ひ
ずみ関係式と、被矯正材の曲げ剛性を求めるために必要
な寸法指標と、ローラレベラのロール設定条件とから、
ローラレベラでのレベリング状態を計算することを特徴
とするロール設定の計算方法であり、請求項2の発明
は、請求項1に記載した計算方法により、ローラレベラ
でのレベリング状態を計算し、これより所望のレベリン
グ状態にするためのロール設定条件を求め、この計算結
果に基づいてロール設定条件を決定してレベリングを行
うことを特徴とするロール設定方法である。
【0012】本発明によれば、被矯正材の変形挙動の指
標として材料の繰り返しひずみ負荷試験における応力ひ
ずみ曲線を高精度に表現して取り込むとともに、被矯正
材の寸法指標として板厚や径、フランジ高さなどの曲げ
剛性を求めるために必要な断面形状を表す寸法を被矯正
材の寸法指標として取り込むことによって、被矯正材の
曲げモーメントと曲率との関係が高精度に得られ、任意
のロール設定条件でのレベリング状態を高精度に把握す
ることができる。また、これによって、所望のレベリン
グ状態を得るためのローラレベラのロール設定条件、例
えば、ロール設定位置、ロールピッチなどを求めて、こ
のロール設定条件を用いて矯正を行い、被矯正材を平坦
化、あるいは所望の反りや波形状を与えることができ
る。
【0013】ロール設定条件としては、一般にはロール
設定位置(ロール押し込み方向位置)を変えることが考
えられるが、例えば、ロールピッチが可変なローラレベ
ラではロールピッチ、またはロール組み替えを行うこと
によりロール径を変えることなども考えられる。また、
新たにローラレベラを製作する場合は、本計算方法を用
いてそのローラレベラに要求される性能を十分に発揮で
きるようなロールピッチやロール径などを求めて設計す
ればよい。
【0014】
【発明の実施の形態】ローラレベラのロールにより加え
られる曲率を計算により精度よく予測するためには、被
矯正材の曲げモーメントと曲率との関係を精度よく表現
することが重要である。曲げモーメントと曲率との関係
を片持ちはりの端点に加えた荷重と、はりに発生する曲
率との関係から直接求めることも考えられるが、曲率を
精度よく測定することは困難である。そこで、一般に
は、材料の引張試験における応力ひずみ曲線を測定し、
これより、曲げモーメントと曲率との関係を計算してい
る。従来は、材料の引張試験における応力ひずみ曲線を
弾完全塑性体、あるいは塑性変形挙動が線形硬化に従う
とした弾塑性体として表現していたが、矯正のように与
えられるひずみ量の小さい範囲では、図5に示すよう
に、特に再降伏時の材料の応力ひずみ曲線は、弾完全塑
性体あるいは塑性変形挙動を線形硬化に従うとした弾塑
性体のような折れ線とはならず、丸みを持ったなだらか
な降伏挙動を示す。
【0015】本発明者らは、ロールにより加えられる曲
率を精度よく予測するためには、応力ひずみ曲線におけ
るなだらかな降伏挙動を考慮する必要があること、さら
に、応力ひずみ曲線の表現精度は、ローラレベラ後面で
の被矯正材の曲率、つまり残留曲率にも大きく影響する
ことを知見した。これは、ローラレベラにより与えられ
るひずみ量は小さく、また、繰り返しの曲げ変形を受け
るためで、被矯正材の応力ひずみ曲線におけるひずみ量
の小さい領域での挙動、すなわち、なだらかな降伏挙動
を高精度に表現することが、応力ひずみ曲線そのものの
表現精度に大きく影響するためである。そのため、繰り
返しひずみ負荷試験における応力ひずみ曲線を材質ご
と、さらに、矯正工程を温間または熱間で行う場合に
は、温度ごとに疲労試験機などを用いてあらかじめ測定
し、得られた応力ひずみ曲線を数式などにより、なだら
かな降伏挙動も含めて表現しておくことが重要である。
繰り返しひずみ負荷試験により応力ひずみ曲線を測定す
るのは、前述のようにローラレベラでは曲げ・曲げ戻し
の繰り返しのひずみ負荷を受けるため、また、材料の再
降伏時の変形挙動を把握する必要があるためである。
【0016】被矯正材の応力ひずみ曲線をなだらかな降
伏挙動も含めて高精度に表現する方法、およびこれより
曲げモーメントと曲率との関係を求める方法について説
明する。
【0017】図3は、アルミニウム(A1050P−H
112)の繰り返しひずみ負荷試験における応力ひずみ
曲線のヒステリシスである。比較のため、この材料の変
形挙動(応力ひずみ曲線)を弾完全塑性体として表現し
た場合、および塑性変形挙動を線形硬化則に従うとした
弾塑性体として表現した場合も図示している。比較例で
は、いずれの表現でも応力ひずみ曲線のヒステリシスの
実測値と数式表現により求めた値との差が特に再降伏点
近傍、すなわち、なだらかな降伏挙動を示す領域である
A部、で大きいことがわかる。
【0018】実測した応力ひずみ曲線を高精度に数式表
現する方法は種々考えられるが、例えば、図2に示すよ
うに、応力ひずみ曲線を、直線で表現できる弾性域、
なだらかな降伏挙動を示す領域、すなわち丸みを持つ
降伏点の近傍域、直線で表現できる線形硬化域、の3
領域に分割して表現するのが好ましい。丸みを持つ降伏
点の近傍域の表現方法は、例えば、指数関数や楕円近
似を用いることなども考えられるが、本実施例ではベジ
ェ曲線を用いて表現した。ベジェ曲線を用いると、前述
した領域の始点と終点とを表現するパラメータを追加
するだけで、なだらかな降伏挙動を含む応力ひずみ曲線
を高精度に表現できる。つまり、本実施例では、応力ひ
ずみ曲線を表現するパラメータとして、図2に示すよう
に弾性域の傾きを表す弾性係数E、線形硬化則で表さ
れる塑性域(線形硬化域)の傾きを表す塑性係数F、
弾性域と塑性域との境界を表す降伏応力σY 、ベジェ曲
線を適用する領域の始点および終点を表現するパラメ
ータα、βの合計5個のパラメータが必要である。ベジ
ェ曲線の一般形は次式のとおりである。 Q(t)=Q1 3 +Q2 2 (1−t)+Q3 t(1−t)2 +Q4 (1−t)3 (2) ここで、tは0≦t≦1なるパラメータである。応力ひ
ずみ曲線を表現するためには、Q1 、Q4 は丸みを持つ
降伏点の近傍域の始点および終点での応力値とし、Q
2 、Q3 を塑性変形挙動を線形硬化則に従うとした弾塑
性体として表現した場合の降伏応力σY とした。図3に
示したように、本発明の実施例の表現方法においては、
応力ひずみ曲線が実測値に極めて近い形で表現されてい
ることがわかる。もちろん、実際の応力ひずみ曲線を精
度よく表現できれば、例えば、指数関数や楕円近似、複
数の直線による表示など、どのような方法を用いてもよ
い。図4に、応力ひずみ曲線の表現精度が、曲げモーメ
ントと曲率との関係におよぼす影響を示す。比較例とし
て、応力ひずみ曲線を弾完全塑性として表現した場合、
および応力ひずみ曲線を塑性変形を線形硬化則に従うと
した弾塑性体として表現した場合も示す。本発明の実施
例に示した応力ひずみ曲線より得られた曲げモーメント
と曲率との関係と、比較例により得られた曲げモーメン
トと曲率との関係との差は大きく、応力ひずみ曲線にお
けるなだらかな降伏挙動を表現することの曲げモーメン
トと曲率との関係におよぼす影響は大きいことがわか
る。
【0019】このようなことから、応力ひずみ曲線の表
現精度は、ローラレベラにより被矯正材に与えられる曲
率の予測精度に影響するため、任意のひずみεに対する
実測した繰り返しひずみ負荷試験下での応力σexp と数
式表現により求めた応力σca l の間の誤差gの最大値を
10%以下にすることが好ましい。 g=|σexp −σcal |/σexp (3) 図1に本発明によるローラレベラの設定の計算方法のフ
ローチャート(計算の流れ)を示す。被矯正材の材質に
応じた応力ひずみ曲線を表現するための材料定数、被矯
正材の曲げ剛性を求めるための例えば、板厚や径、フラ
ンジ高さなどの断面形状を表す寸法指標、およびローラ
レベラ入側における被矯正材の反りや形状を表す指標の
測定値あるいは想定値、さらにローラレベラのロール設
定位置、ロール径、ロールピッチなどのロール設定条
件、を入力データとして計算プログラムに入力する(S
1,S2)。次に、被矯正材と各ロールとの接触点およ
び被矯正材の各ロールとの接触点での曲率を仮定する
(S3,S4)。これらの仮定値は、初期値として、一
般に被矯正材と各ロールとの接触点はロール直上(直
下)、被矯正材の各ロールとの接触点での曲率はゼロ
(平坦)とすればよい。
【0020】次に、仮定した曲率に対する曲げモーメン
トを次の方法で求める(S5)。各ロールとの接触点の
進行方向位置xにおける被矯正材の曲率κ(x)と、こ
の進行方向位置xでの被矯正材の断面の中立軸からの距
離ηの点におけるひずみε(x,η)との関係は次式よ
り求められる。(図6参照) ε(x,η)=κ(x)η (4) このときの応力σ(x,η)は、先に述べたようになだ
らかな降伏挙動を含めて高精度に表現した被矯正材の応
力ひずみ関係式(5)より求められる。 σ(x,η)=f(ε(x,η)) (5) これより、進行方向位置xにおける曲げモーメントM
(x)は、次式で、積分範囲を被矯正材の裏面から表面
として求められる(S6)。 M(x)=∫σ(x,η)b(η)ηdη (6) ここで、b(η)は、被矯正材の断面の中立軸からの距
離ηの点における幅を示す。式(4)〜(6)より、被
矯正材の曲率と曲げモーメントとの関係が求められる。
本発明では、応力ひずみ関係をそのなだらかな降伏挙動
を含めて高精度に表現しているので、被矯正材の曲率と
曲げモーメントとの関係を高精度に得ることができる。
図7に示すように、曲げモーメントは、被矯正材の各ロ
ールとの接触点相互の間で直線分布すると仮定できるの
で、式(4)〜(6)を用いて収束計算することによ
り、各ロールとの接触点相互の間の任意の位置における
曲率が求められる(S7)。ここでも、本発明では、応
力ひずみ関係をそのなだらかな降伏挙動を含めて高精度
に表現しているので、被矯正材の曲率と曲げモーメント
との関係が高精度に得られ、これより被矯正材の各ロー
ルとの接触点相互の間の任意の位置における曲率が高精
度に求められる。被矯正材の任意の場所における曲率κ
(x)と進行方向位置xおよびロール押し込み方向位置
yとの関係をはりの曲げ理論で関係づける。 d2 y/dx2 =κ(x) (7) 式(7)を2回積分することで、被矯正材の任意の進行
方向位置xにおけるロール押し込み方向位置yが求めら
れ(S8)、これが、各ロールと接触する、具体的には
仮定した各ロールとの接触点を通るかどうか確認する
(S9)。被矯正材が仮定した各ロールとの接触点を通
る場合、各ロールとの接触点で、被矯正材と、該接触ロ
ールの軸心と接触点とを結ぶ直線とが直交するかどうか
確認する(S10)。これらが確認されれば、ローラレ
ベラ出側での残留曲率および波形状を計算する(S1
1)。なお、S9において被矯正材が仮定した各ロール
との接触点を通らない場合、また、S10において各接
触点で被矯正材と該接触ロールの軸心と接触点とを結ぶ
直線とが直交しない場合には、それぞれS4における被
矯正材と各ロールとの接触点における曲率、また、S3
における被矯正材と各ロールとの接触点位置を仮定し直
して計算する。
【0021】これより、被矯正材のローラレベラ前面で
の反り、材質、寸法、ローラレベラのロールピッチ、ロ
ール径などを考慮した、ローラレベラのロールにより加
えられる曲率の理論計算が可能となり、ローラレベラ後
面での被矯正材の曲率(残留曲率)、さらに波形状を予
測することができる。予測された残留曲率および波形状
が希望する範囲内とならない場合には、ロール設定位置
を変更して計算を繰り返し、残留曲率および波形状が希
望する範囲内となるようにすればよい(S12)。
【0022】ここでは、ロール設定位置を変更する例で
説明したが、他のロール設定条件たとえばロールピッチ
を変えたりあるいは場合によってロール径を変えて所要
の形状とする条件を求めることができる。
【0023】本計算方法により、被矯正材の材質、温
度、さらに、曲げ剛性を求めるために必要な寸法指標に
応じてロール設定条件を求めるセットアップモデルを構
築することも可能であり、また、近年の計算機の処理速
度の向上により、オンラインモデルとして使用すること
も可能である。
【0024】
【実施例】次に、本発明を実施例を参照して、さらに具
体的に説明する。図8に、本発明の実施例に用いたロー
ラレベラの配置図を示す。1はローラレベラ本体、2は
ローラレベラ本体1の前面あるいは後面に設けられた抑
えロール、3は被矯正材、4は温間あるいは熱間矯正を
行う場合に必要な、ローラレベラ本体1の前面に設けら
れた被矯正材3の温度を検出するセンサである。
【0025】図9は、上記のように構成したローラレベ
ラの制御装置を示すブロック図であり、5は被矯正材3
の材質や寸法指標を入力する入力手段であり、6は入力
手段5と、温間あるいは熱間矯正を行う場合にはセンサ
4とから得た被矯正材3の材質、寸法指標、温度とか
ら、図1に示した計算方法により、最適なロール設定位
置を計算する計算手段であり、7は計算手段6で計算し
たロール設定位置をローラレベラ本体1のロール設定駆
動装置8に出力する出力手段である。また、9は計算に
用いる材料定数を記憶しておく記憶手段である。なお、
被矯正材の材質、寸法指標、温度別に最適ロール設定位
置をあらかじめ計算しておき、これを記憶手段9に記憶
しておく方法も考えられる。
【0026】まず、ローラレベラ前面での被矯正材の曲
率がゼロ(平坦)であるものを用い、ロール設定位置を
一定として、ロールにより被矯正材に与えられる曲率の
本計算方法による計算値と実測値との比較を行い、その
精度を確認した。図10にロールにより加えられる曲率
の実測値と、本発明による計算値との比較を示す。な
お、従来例として、材料の変形挙動を弾完全塑性体とみ
なして計算を行った場合の計算結果を示す。式(3)で
定義される誤差の最大値は、本実施例では5%、従来例
では48%であった。本発明により、ロールにより加え
られる曲率が精度よく求められることがわかる。
【0027】次に、ロールにより加えられる曲率を精度
よく予測できることが確認されたので、被矯正材のロー
ラレベラ入側での曲率を様々に変化させて、ローラレベ
ラ後面での曲率(残留曲率)を一定にする最適なロール
設定を求めて、このロール設定のもとで矯正を行った。
【0028】被矯正材として、幅250mm、厚さ0.4
mm、長さ1000mmの普通鋼板を用いた。図11に、本
実施例でのローラレベラ前面およびローラレベラ後面で
の被矯正材の曲率の変化を示す。なお、従来例として、
これまでの経験的なロール設定によるものも示す。本発
明では、ローラレベラ前面での曲率振幅に対し、ローラ
レベラ後面での曲率(残留曲率)振幅が狭い範囲に収束
しており、被矯正材のローラレベラ入側での曲率が様々
に変化しても、ローラレベラ後面での曲率(残留曲率)
を一定にするという目的に対し、最適なロール設定にな
っていることがわかる。
【0029】
【発明の効果】本発明により、複数本のロールを上下に
千鳥状に配置したローラレベラのロール設定と被矯正材
の曲率との関係を精度よく求めることが可能となった。
また、本発明により所望のレベリング状態を得るための
ロール設定を求めて、このロール設定のもとで矯正を行
うことにより、所望の目的に対して最適なロール設定で
矯正を行うことが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に基づくロール設定位置の計算方法のフ
ローチャートである。
【図2】本発明による応力ひずみ曲線を高精度に表現す
るためのパラメータを示した線図である。
【図3】アルミニウム(A1050P−H112)の繰
り返し微小ひずみ負荷試験下での応力ひずみ関係の一例
を示す線図である。
【図4】応力ひずみ曲線の表現精度が、曲げモーメント
と曲率との関係におよぼす影響を示した線図である。
【図5】従来の応力ひずみ曲線の表現方法を示した線図
である。
【図6】任意の位置における中立軸からの板厚方向への
距離ηとひずみεとの関係を示す線図である。
【図7】任意の進行方向位置xと曲げモーメントMとの
関係を示す線図である。
【図8】本発明の実施例に用いたローラレベラの配置図
である。
【図9】図8に示したローラレベラの制御装置を示すブ
ロック図である。
【図10】本発明の方法によるロールにより加えられる
曲率の予測値と実測値との比較例を示した線図である。
【図11】矯正前後の曲率の本発明による例と従来例と
を比較した線図である。
【符号の説明】
1 ローラレベラ本体 2 抑えロール 3 被矯正材 4 センサ 5 入力手段 6 計算手段 7 出力手段 8 ロール設定駆動装置 9 記憶手段

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数本のロールを上下に千鳥状に配置
    し、そのロール間に被矯正材を通して繰り返し曲げを加
    えることによって、被矯正材の反りを平坦化し、あるい
    は波形状を矯正するローラレベラにおいて、繰り返しひ
    ずみ負荷試験における被矯正材の応力ひずみ曲線をその
    なだらかな降伏挙動を含めて高精度に表現した応力ひず
    み関係式と、被矯正材の曲げ剛性を求めるために必要な
    寸法指標と、ローラレベラのロール設定条件とから、ロ
    ーラレベラでの被矯正材のレベリング状態を計算するこ
    とを特徴とするローラレベラにおけるレベリング状態の
    計算方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載した計算方法により、ロ
    ーラレベラでのレベリング状態を計算し、これより所望
    のレベリング状態にするためのロール設定条件を求め、
    この計算結果に基づいてロール設定条件を決定してレベ
    リングを行なうことを特徴とするローラレベラのロール
    設定方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN107891074A (zh) * 2017-12-14 2018-04-10 江苏甬金金属科技有限公司 一种超宽超薄不锈钢带的平整工艺
CN116910944A (zh) * 2023-09-13 2023-10-20 中基科技(武汉)有限公司 船用型材矫直机的工艺参数确定方法、装置及电子设备

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