JPH1093223A - セラミックス配線基板の製造方法 - Google Patents

セラミックス配線基板の製造方法

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JPH1093223A
JPH1093223A JP26675796A JP26675796A JPH1093223A JP H1093223 A JPH1093223 A JP H1093223A JP 26675796 A JP26675796 A JP 26675796A JP 26675796 A JP26675796 A JP 26675796A JP H1093223 A JPH1093223 A JP H1093223A
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JP
Japan
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positive photoresist
conductive paste
dried
paste
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Application number
JP26675796A
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English (en)
Inventor
Kazunari Tanaka
一成 田中
Yoshikazu Nakada
好和 中田
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Sumitomo Metal SMI Electronics Device Inc
Original Assignee
Sumitomo Metal SMI Electronics Device Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 セラミックス基板上への微細配線の形成法と
して、パターン形成にはフォトリソグラフィーを導入
し、導体層形成には導体ペーストを用いる方法が試みら
れている。しかし、フォトレジスト層に形成された凹部
に導体ペーストを充填する際、従来材料からなるスキー
ジを用いると、フォトレジスト層表面に過剰導体ペース
トが残存したり、フォトレジストが破損する等の課題が
あった。 【解決手段】 セラミックス基板11上にポジ型フォト
レジスト層12を形成し、ポジ型フォトレジスト層12
に導体パターン状に凹部15を形成した後、凹部15に
厚さ150〜900μmのPETフィルム製スキージ1
7を用いて導体ペースト16を充填、乾燥させ、ポジ型
フォトレジスト層12を溶解、消失させ、焼成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はセラミックス配線基
板の製造方法に関し、より詳細には半導体LSI、チッ
プ部品等を実装するために用いられるセラミックス配線
基板の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、電子機器はますます小型化や配線
等の高密度化が進んできており、これらに装備される電
子部品の狭ピッチ多ピン化や、マルチチップ化も急速に
進められつつある。従って、LSIチップやICチップ
等のボンディング法も従来のワイヤボンディング法か
ら、マルチチップ化や高密度実装に適したTAB(Tape
Automated Bonding)方式又はフリップチップ方式が採用
されるようになってきている。このような電子機器にお
ける配線等の高密度化に伴い、セラミックス配線基板上
に、線幅が100μm以下の微細配線や、直径が100
μm以下のバンプ等の導体パターンを形成する技術が要
求されるようになってきている。
【0003】上記要求に答えるため、パターンの形成に
はフォトレジストを用いたフォトリソグラフィーを導入
し、導体層の形成には導体ペーストを用いる方法が種々
試みられている。この種の方法では、まずガラス基板や
セラミックス基板等の基板の表面にフォトレジスト層を
形成した後、フォトリソグラフィーにより前記フォトレ
ジスト層に配線パターン状に凹部(開口部)を形成し、
次に、平板状のスキージ等を使用して導体ペーストを前
記凹部に擦り込むことにより充填し、導体パターンを形
成する。上記方法によりほぼ薄膜法と同等の精度を有す
る微細配線パターンを形成することができる。
【0004】前記工程の後、基板上に導体ペーストのみ
を残すために、前記フォトレジスト層を除去する。特開
平2−240996号公報には、フォトレジスト層の構
成材料としてポジ型フォトレジストを使用することによ
り、現像液を用いた湿式プロセスにより前記ポジ型フォ
トレジスト層を溶解、除去する方法が開示されている。
上記方法によれば、前記ポジ型フォトレジスト層を除去
した後、非酸化性雰囲気で焼成して導体ペースト中の有
機分を分解、消失させることもでき、Cu、Mo−Mn
等の易酸化性卑金属を導体として使用した場合でも、導
体自体を酸化させずに導体層をセラミックス基板上に形
成することが可能となる。
【0005】一方、パターンの形成にはフォトレジスト
を用いたフォトリソグラフィーを導入し、導体層の形成
には導体ペーストを用いる方法をグリーンシート積層体
に応用した方法も開示されている。特開平4−2839
46号公報に開示された方法によれば、まずグリーンシ
ートの表面にフォトレジスト層を形成した後、フォトリ
ソグラフィーの手法を応用して前記フォトレジスト層に
配線パターン状に溝部を形成する。次に、該溝部に導体
ペーストを擦り込むことにより充填し、その後前記フォ
トレジスト層を現像処理して除去する。前記工程により
導体パターン状の導体ペースト層がグリーンシート上に
形成され、このグリーンシートを焼成することによりセ
ラミックス粉末の焼結と導体粉末の焼結とを同時に行
い、所定パターンの導体層を有するセラミックス基板を
製造する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記発明においては、
導体パターン状に凹部が形成されたポジ型フォトレジス
ト層に導体ペーストを充填することにより、導体ペース
トのパターンを形成している。そして、この導体ペース
トの充填の際にはヘラやスキージを用い、前記凹部に導
体ペーストを擦り込むようにして充填しており、従来か
らこの目的に種々のヘラやスキージが用いられている。
【0007】例えば、特開昭52−137666号公報
においては硬度の高い(硬度が90以上)のゴム又はプ
ラスチック製のスキージが、特開平4−223391号
公報、特開平4−223392号公報、及び特開平4−
223393号公報においては平板ゴムが、特開平4−
283946号公報においてはゴムスキージが、それぞ
れ用いられている。
【0008】ヘラやスキージ等を用いた導体ペーストの
充填工程においては、前記凹部の全体に導体ペースト
が充填されること、ポジ型フォトレジスト層の表面に
過剰の導体ペーストが残存しないこと、ポジ型フォト
レジスト層が破損しないこと、の3つの条件を満足する
必要がある。
【0009】すなわち、上記の条件を満足しない場
合、配線抵抗の増大又は断線等の問題が発生し、上記
の条件を満足しない場合、導体ペースト乾燥後のポジ型
フォトレジスト層表面の導体ペースト乾燥体の研磨除去
の際、研磨に長時間を要し、凹部に充填された導体ペー
スト乾燥体まで研磨してしまうという問題が発生し、上
記の条件を満足しない場合、破損部分に導体ペースト
が充填され、導体ペーストの形状が崩れ、短絡等が発生
する。
【0010】従来より使用されている通常の弾性を有す
るゴム製ヘラ又はスキージを用いた場合、ゴムの弾性に
起因して前記ゴム製ヘラ又はスキージとポジ型フォトレ
ジストとの接触性は良好であり、ポジ型フォトレジスト
の表面に導体ペーストが残存することはないが、凹部の
中に前記ヘラやスキージが食い込み易いため、凹部内の
導体ペーストが掻き出され、凹部内の全体に導体ペース
トが充填されにくいという課題があった。
【0011】一方、硬度の高い(90以上)のゴム又は
プラスチック製のスキージにより導体ペーストを充填し
た場合、凹部への前記スキージの食い込みによる導体ペ
ーストの充填不足は発生しないが、前記スキージとポジ
型フォトレジスト表面との接触性に劣るため、ポジ型フ
ォトレジスト表面に過剰の導体ペーストが残存し、前記
スキージによりポジ型フォトレジスト層が破損し易いと
いう課題があった。
【0012】本発明は上記課題に鑑みなされたものであ
り、導体パターン状に凹部が形成されたポジ型フォトレ
ジスト層の前記凹部に、上記した不都合が発生しないよ
うに良好に導体ペーストを充填することにより、セラミ
ックス基板の表面及び/又は内部に、精密かつ微細で、
断線等の欠陥のない配線パターンを形成することができ
るセラミックス配線基板の製造方法を提供することを目
的としている。
【0013】
【課題を解決するための手段及びその効果】上記目的を
達成するために本発明に係るセラミックス配線基板の製
造方法(1)は、セラミックス基板の表面にポジ型フォ
トレジスト層を形成するフォトレジスト層形成工程と、
前記ポジ型フォトレジスト層に導体パターン状に凹部を
形成する凹部形成工程と、前記ポジ型フォトレジスト層
の前記凹部に導体ペーストを充填する導体ペースト充填
工程と、前記凹部に充填された前記導体ペーストを乾燥
させる乾燥工程と、前記ポジ型フォトレジスト層をアル
カリ性水溶液で溶解、消失させ、セラミックス基板上に
導体ペースト乾燥体を残すフォトレジスト層消失工程
と、前記導体ペースト乾燥体を焼成して基板に焼き付け
る焼成工程とを含むセラミックス配線基板の製造方法に
おいて、前記導体ペースト充填工程において、厚さ15
0〜900μmのポリエチレンテレフタレート(PE
T)フィルムからなるスキージを用い、前記導体ペース
トを前記凹部に充填することを特徴としている。
【0014】上記セラミックス配線基板の製造方法
(1)によれば、セラミックス基板上のポジ型フォトレ
ジスト層にフォトリソグラフィーの手法により精密かつ
微細な導体パターン状の凹部を形成した後、該凹部に適
切な可撓性を有するPETフィルムからなるスキージを
用いて導体ペーストを充填するため、ポジ型フォトレジ
スト層表面に過剰の導体ペーストが残存することはな
く、一旦前記凹部の内部に充填された導体ペーストをス
キージが掻き出すこともなく、ポジ型フォトレジスト層
が破損することもない。そのため前記凹部の内部全体に
確実に導体ペーストを充填することができる。従って、
上記方法によりセラミックス基板の表面に、精密かつ微
細で、断線、短絡等の欠陥のない配線パターンを形成す
ることができる。
【0015】また、本発明に係るセラミックス配線基板
の製造方法(2)は、フィルム基材上にポジ型フォトレ
ジスト層を形成するフォトレジスト層形成工程と、前記
ポジ型フォトレジスト層に導体パターン状に凹部を形成
する凹部形成工程と、前記凹部に導体ペーストを充填す
る導体ペースト充填工程と、前記凹部に充填された前記
導体ペーストを乾燥させる乾燥工程と、前記フィルム基
材上のポジ型フォトレジスト層及び導体ペースト乾燥体
をグリーンシートに圧接させた後、該フィルム基材を剥
離させることにより前記導体ペースト乾燥体及び前記ポ
ジ型フォトレジスト層をグリーンシートに転写する転写
工程と、転写された前記ポジ型フォトレジスト層をアル
カリ性水溶液で溶解、消失させ、前記グリーンシート上
に前記導体ペースト乾燥体を残すフォトレジスト層消失
工程と、前記導体ペースト乾燥体が転写された前記グリ
ーンシートを焼成する焼成工程とを含むセラミックス配
線基板の製造方法において、前記導体ペースト充填工程
において、厚さ150〜900μmのポリエチレンテレ
フタレート(PET)フィルムからなるスキージを用
い、前記導体ペーストを前記凹部に充填することを特徴
としている。
【0016】上記セラミックス配線基板の製造方法
(2)によれば、フィルム基材上のポジ型フォトレジス
ト層にフォトリソグラフィーの手法により精密かつ微細
な導体パターン状の凹部を形成した後、該凹部に適切な
可撓性を有するPETフィルムからなるスキージを用い
て導体ペーストを充填するため、ポジ型フォトレジスト
層表面に過剰の導体ペーストが残存することはなく、一
旦前記凹部の内部に充填された導体ペーストをスキージ
が掻き出すこともなく、ポジ型フォトレジスト層が破損
することもない。そのため前記凹部の内部全体に確実に
導体ペーストを充填することができる。従って、上記方
法によりセラミックス基板の表面に、精密かつ微細で、
断線、短絡等の欠陥のない配線パターンを形成すること
ができる。
【0017】また、本発明に係るセラミックス配線基板
の製造方法(3)は、上記セラミックス配線基板の製造
方法(2)において、転写工程の前に、グリーンシート
にビアホール用の貫通孔を形成し、該貫通孔に導体ペー
ストの充填、乾燥を行っておき、その後前記転写工程を
行うことを特徴としている。
【0018】上記セラミックス配線基板の製造方法
(3)によれば、ビアホールに導体ペーストが充填され
た、焼成前のグリーンシートに導体ペーストの乾燥体を
転写するため、焼結の際の収縮による位置ずれを考慮し
なくて済み、ビアホールカバーの直径は小さいものでよ
くなる。従って、セラミックス基板の表面に、精密かつ
より微細で、断線等の欠陥のない配線パターンを形成す
ることができる。
【0019】また、本発明に係るセラミックス配線基板
の製造方法(4)は、上記セラミックス配線基板の製造
方法(2)又は(3)において、転写工程の前に、グリ
ーンシート上に配線パターンを形成しておき、その後前
記転写工程を行うことを特徴としている。
【0020】上記セラミックス配線基板の製造方法
(4)によれば、グリーンシート上に面積の大きいベタ
パターンをスクリーン印刷等により形成でき、上記セラ
ミックス配線基板の製造方法(2)又は(3)に記載し
た方法により形成する微細なパターンと組み合せること
により、同一グリーンシート上にベタパターンと微細な
導体パターンとを形成することができる。
【0021】また、本発明に係るセラミックス配線基板
の製造方法(5)は、上記セラミックス配線基板の製造
方法(2)〜(4)のいずれかにおいて、フォトレジス
ト層消失工程の後、導体ペースト乾燥体が転写されたグ
リーンシートを複数枚積層し、その後焼成することを特
徴としている。
【0022】上記セラミックス配線基板の製造方法
(5)によれば、セラミックス基板の表面のみならず内
部にも、精密かつ微細で、断線、短絡等の欠陥のない配
線パターンを形成することができる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態に係る
セラミックス配線基板の製造方法について説明する。本
発明に係るセラミックス配線基板の製造方法としては、
2通りの方法が考えられる。まず実施の形態(1)に係
るセラミックス配線基板の製造方法について説明する。
【0024】図1(a)〜(f)は実施の形態(1)に
係るセラミックス配線基板の製造方法における各工程を
模式的に示した断面図である。
【0025】本実施の形態において使用されるセラミッ
クス基板の材料は特に限定されず、例えばセラミックス
基板の製造に通常使用されるアルミナの他、ムライト、
ガラスセラミックス、窒化アルミニウム等が挙げられ
る。また、これらのセラミックス基板の内部に導体層や
ビアホール等が形成されていてもよい。
【0026】本実施の形態では、フォトレジスト層形成
工程として、まずセラミックス基板11上にポジ型フォ
トレジスト層12を形成する(図1(a))。
【0027】ポジ型フォトレジスト層12の形成方法は
特に限定されず、ポジ型フォトレジストのフィルムを使
用してもよいが、液状のポジ型フォトレジストを塗布し
た後、熱処理することにより形成する方法が簡単であり
望ましい。
【0028】液状のポジ型フォトレジストを用いる場
合、まず液状のポジ型フォトレジストを、例えばロール
コーター法、バーコーター法、ディップ法、スピンコー
ター法等の方法によりセラミックス基板11表面に塗布
した後、セラミックス基板11をオーブンに入れて約8
5〜95℃で30分程度加熱し、フォトレジストを乾
燥、固化させる。上記方法は平坦なポジ型フォトレジス
トを形成することができる点からも好ましい。また、上
記した塗布方法の中でも、ロールコーター法、バーコー
タ−法が均一な厚さの膜を形成することができる点から
より好ましい。前記液状のポジ型フォトレジストとして
は、例えばヘキストジャパン社製のAZ4903、AZ
4620/A、東京応化工業社製のOPレジスト、東京
エレクトロン社製のアキュトレース、日本チバガイギー
社製のプロビマー等が挙げられる。
【0029】形成するポジ型フォトレジスト層12の厚
さは20μm以上が好ましい。ポジ型フォトレジスト層
12の厚さが20μm未満であると、後工程においてポ
ジ型フォトレジスト層12に形成された凹部15に導体
ペースト16を完全に充填することが困難になる。
【0030】次に、凹部形成工程として、フォトリソグ
ラフィーの手法によりポジ型フォトレジスト層12に凹
部15を形成するが、まずポジ型フォトレジスト層12
に、所定の導体パターン状に紫外線13が露光されるよ
うに設計されたフォトマスク14を介して紫外線13を
照射し(図1(b))、その後現像処理を施すことによ
り、ポジ型フォトレジスト層12に導体パターン状の凹
部15を形成する(図1(c))。
【0031】上記した紫外線13による露光処理及び現
像処理の条件は特に限定されず、通常、半導体基板等の
処理において、ポジ型フォトレジスト層12にフォトマ
スク14を介して紫外線13による露光処理を施す場合
の条件とほぼ同様の条件で露光処理を施すことができ
る。また、通常の水性現像液を使用する条件で現像処理
を施すことができる。
【0032】上記工程によりポジ型フォトレジスト層1
2に、その幅又は直径が20μm程度以上で、お互いの
間隔が20μm程度まで近づいた凹部15を形成するこ
とができる。この後、後工程で導体ペースト16を充填
する際にポジ型フォトレジスト層12の凹部15が変形
しないように、ポジ型フォトレジスト層12を約120
℃前後で1分程度加熱処理を施しておいてもよい。
【0033】次に、導体ペースト充填工程として、ポジ
型フォトレジスト層12に形成された導体パターン状の
凹部15に厚さ150〜900μmのポリエチレンテレ
フタレート(PET)フィルムからなるスキージ(以
下、PETフィルム製スキージと記す)17を用いて導
体ペースト16を充填する(図1(d))。
【0034】導体ペースト16は、導体粉末、溶剤、及
び樹脂(バインダ)より構成される。前記導体粉末用の
材料としては、通常基板等の配線に使用される公知の導
体材料を使用することができ、その具体例としては、例
えばW、Mo、Au、Ag、Ag−Pd、Cu等が挙げ
られる。
【0035】導体ペースト16用の溶剤には、凹部15
の形状が崩れないよう、ポジ型フォトレジスト層12を
溶解しないものを用いる必要がある。ポジ型フォトレジ
スト層12を溶解しない溶剤としては、例えばトルエ
ン、キシレン、ショウノウ油、テレビン油、パイン油、
フェニルシクロヘキサン、ドデシルベンゼン等、誘電率
の低い炭化水素系溶剤が挙げられる。
【0036】また、導体ペースト16用のバインダも、
後工程で用いられる現像液に溶解しないものである必要
がある。現像液は通常水溶液であるので、導体ペースト
16に用いられる樹脂は非水溶性の樹脂である必要があ
る。前記バインダの具体例としては、例えばエチルセル
ロース、アクリル樹脂、メタクリル樹脂等が挙げられ
る。
【0037】導体ペースト16としては、例えば前記導
体粉末を80〜92wt%、アクリル樹脂等の樹脂(バ
インダ)を2〜6wt%、及びトルエン等の溶剤を2〜
18wt%含むものが好ましく、その他に基板への密着
性を向上させるため、ガラス粉末やセラミックス粉末が
少量添加されていてもよい。導体ペースト16の調製は
3本ロールを使用する方法等、公知の調製方法を用いて
調製することができる。
【0038】上記組成の導体ペースト16をポジ型フォ
トレジスト層12の凹部15に充填するには、導体ペー
スト16を保持したPETフィルム製スキージ17をポ
ジ型フォトレジスト層12の表面に接触させながら移動
させるが、そのとき導体ペースト16を凹部15に直接
擦り込むように、少し圧力を加えながら充填する。
【0039】上記した厚さのPETフィルムは、通常の
ゴムのように柔らかすぎないため、一旦凹部15内に充
填された導体ペースト16を掻き出したりすることはな
く、また、一定の可撓性を有するため、ポジ型フォトレ
ジスト層12が傷付き、破損したりすることもない。ま
た、ポジ型フォトレジスト層12の表面に残存する導体
ペーストの厚さは10μm以下とごく薄いため、後の乾
燥工程で導体ペーストを乾燥させた後、ラッピングフィ
ルム(砥粒として粒径1μmのアルミナが被着している
もの)を用いて研磨することにより容易に除去すること
ができる。
【0040】スキージ17を構成するPETフィルムの
厚さが150μm未満の場合、PETフィルム製スキー
ジ17が柔らかくなりすぎるため、ポジ型フォトレジス
ト層12表面に過剰の導体ペースト16が残存し易く、
また無理に押しつけて充填しなければならないので、ポ
ジ型フォトレジスト層12に破損が発生し易い。他方、
PETフィルムの厚さが900μmを超えると、可撓性
が乏しくなるためポジ型フォトレジスト層12を傷つけ
易くなり、破損が生じ易い。
【0041】導体ペースト16を充填した後は、乾燥工
程として、前記工程を経たポジ型フォトレジスト層12
に加熱処理を施し、導体ペースト16中の溶剤等を揮発
させ、導体ペースト16を固化させる。加熱処理は、約
70〜100℃で3〜10分程度行うのが好ましい。
【0042】次に、フォトレジスト層消失工程として、
ポジ型フォトレジスト層12をアルカリ性水溶液に溶
解、消失させ、セラミックス基板11上に導体ペースト
乾燥体18を残す(図1(e))。
【0043】前記アルカリ性水溶液としては、例えば3
wt%の水酸化ナトリウム水溶液又は水酸化カリウム水
溶液を使用することができ、この場合には前もって紫外
線による全面露光処理を施しておかなくてもポジ型フォ
トレジスト層12を溶解、消失させることができる。
【0044】場合によっては、ポジ型フォトレジスト層
12に凹部15を形成した後、全面露光処理を施してお
き、通常の現像液を用いてポジ型フォトレジスト層12
を溶解、消失させてもよい。
【0045】次に、焼成工程として、導体ペースト乾燥
体18が残されたセラミックス基板11を焼成し、導体
ペースト乾燥体18内部の樹脂を分解、消失させ、かつ
導体粒子を焼結させることによりセラミックス基板11
上に焼き付け、所定パターンの導体層19を形成する
(図1(f))。
【0046】上記した諸工程を経ることにより、セラミ
ックス基板11上やセラミックス基板11内に、その幅
又は直径が20μm程度以上で、お互いの間隔が20μ
m程度まで近づいた導体層が形成される。
【0047】次に、実施の形態(2)に係るセラミック
ス配線基板の製造方法について説明する。図2(a)〜
(g)は、実施の形態(2)に係るセラミックス配線基
板の製造方法における各工程を模式的に示した断面図で
ある。
【0048】本実施の形態では、フォトレジスト層形成
工程として、まずフィルム基材21上にポジ型フォトレ
ジスト層22を形成する(図2(a))。
【0049】ポジ型フォトレジスト層22の材料、及び
形成方法は実施の形態(1)の場合と同様である。フィ
ルム基材21には、耐水性、耐熱性が良好で、転写工程
の後、ポジ型フォトレジスト層22からの剥離が容易な
ものが好ましく、例えばポリエチレンテレフタレート
(PET)、ポリエステル、ポリエチレン等の柔軟性を
有する樹脂が挙げられる。
【0050】次に、凹部形成工程として、実施の形態
(1)の場合と同様にフォトリソグラフィーの手法によ
りポジ型フォトレジスト層22に凹部25を形成する
(図2(b)、(c))。凹部25の形成条件も、実施
の形態(1)の場合と同様である。
【0051】本実施の形態においては、後工程において
凹部25に導体ペースト16を充填するが、フィルム基
材21上でポジ型フォトレジスト層22を消失させる工
程は存在しないため、ポジ型フォトレジスト層22に形
成する凹部25は、必ずしも下地のフィルム基材21に
まで完全に貫通している必要はない。
【0052】上記工程によりポジ型フォトレジスト層2
2に、その幅又は直径が20μm程度以上で、お互いの
間隔が20μm程度まで近づいた凹部25を形成するこ
とができる。
【0053】次に、導体ペースト充填工程として、ポジ
型フォトレジスト層22に形成された導体パターン状の
凹部25に導体ペースト16を充填する(図2
(d))。
【0054】この場合の導体ペーストの組成や充填条件
等も実施の形態(1)の場合と同様でよい。本実施の形
態では、平滑なフィルム基材21上にポジ型フォトレジ
スト層22を形成しているため、凹凸があるセラミック
ス基板11上にポジ型フォトレジスト層22を形成した
場合と比較して、導体ペースト充填工程において凹部2
5以外のポジ型フォトレジスト層22表面に残存する導
体ペースト16の量は極めて少ない。
【0055】導体ペースト16を充填した後は、乾燥工
程として、実施の形態(1)の場合と同様に、前記工程
を経たポジ型フォトレジスト層22に加熱処理を施し、
導体ペースト16中の溶剤等を揮発させ、導体ペースト
16を固化させる。
【0056】次に、転写工程として、フィルム基材21
上のポジ型フォトレジスト層22及び導体ペースト乾燥
体18をグリーンシート30に圧接させ(図2
(e))、その後フィルム基材21を剥離することによ
り導体ペースト乾燥体18及びポジ型フォトレジスト層
22をグリーンシート30に転写する(図2(f))。
【0057】この際、まずポジ型フォトレジスト層22
及び導体ペースト乾燥体18を有するフィルム基材21
を、ポジ型フォトレジスト層22及び導体ペースト乾燥
体18がグリーンシート30の表面に接触するように載
置する。グリーンシート30にはビアホール29が形成
され、導体ペースト乾燥体18が埋設されていてもよ
い。ビアホール29が形成されている場合には、凹部2
5に充填された導体ペースト乾燥体18中のビアカバー
に相当する部分の中心にビアホール29がくるように正
確に位置を調節してフィルム基材21を載置する。
【0058】本実施の形態では、焼成を行う前のグリー
ンシート30の状態で配線形成用導体ペースト16の位
置合わせを行うので、位置合わせの精度が高く、結果的
にビアカバーを小さくすることができる。
【0059】また、セラミック配線基板内には、グラン
ドパターンや電源パターン等、面積の大きいベタパター
ンを形成する必要があるが、これらベタパターンの形成
には、フォトリソグラフィーの手法を使用する必要はな
い。従って、この場合には、スクリーン印刷等によりグ
リーンシート30上にグランドパターンや電源パターン
用のベタパターンを形成しておけばよい。
【0060】次に、例えば通常のプレス形成装置等を用
い、グリーンシート30の厚さ方向に圧力を加える。こ
のとき、例えば10〜100kg/cm2 程度の圧力を
1〜2分程度維持するのが望ましい。また、この際、グ
リーンシート30の可塑性を高めるために100℃前後
に加熱してもよい。
【0061】グリーンシート30は通常の方法、すなわ
ち、セラミックス粉末に、焼結助剤、ポリビニルブチラ
ール(PVB)樹脂、アクリル樹脂等の非水溶性樹脂
(バインダ)、トルエン、キシレン、イソブチルアルコ
ール等の溶剤、及びフタル酸ブチル(DBP)等の可塑
剤を添加、混合してスラリを形成した後、ドクターブレ
ード法等により成形し、その後乾燥することにより作製
される。
【0062】グリーンシート30は可塑剤を含むため柔
軟性を有し、ポジ型フォトレジスト層22及び導体ペー
スト乾燥体18を上記条件で圧接させることによりグリ
ーンシート30に接着する。このとき、導体ペースト乾
燥体18はポジ型フォトレジスト層22内に充填、固定
されているため、クラックが入ることはなく、また、導
体ペースト乾燥体18とグリーンシート30との間に介
在物が存在しないため直接密着する。
【0063】次に、フォトレジスト層消失工程として、
転写されたポジ型フォトレジスト層22をアルカリ性水
溶液で溶解、消失させ、導体ペースト乾燥体18のみを
グリーンシート30上に残す(図1(g))。ポジ型フ
ォトレジスト層22の溶解、消失は実施の形態(1)の
場合と同様に行う。
【0064】次に、図2には示していないが、導体ペー
スト乾燥体18が接着されたグリーンシート30を、同
様の工程を経た他のグリーンシート30と積層、圧着さ
せ、グリーンシート積層体を形成してもよい。
【0065】次に、導体ペースト乾燥体18が接着され
たグリーンシート30、又はこれらグリーンシート30
積層体を焼成して、セラミックス配線基板の製造を終了
する。
【0066】焼成条件は、セラミックス粉末の種類や導
体ペースト16中の導体の種類により異なるが、グリー
ンシート30中に含まれる有機成分が十分に分解、消失
し、導体材料が酸化せず、また導体ペースト中の前記導
体や前記セラミックス粉末が十分に焼結する条件が必要
となる。
【0067】上記した諸工程を経ることにより、セラミ
ックス基板上やセラミックス基板内に、その幅又は直径
が20μm程度以上で、お互いの間隔が20μm程度ま
で近づいた導体パターンが形成される。
【0068】上記実施の形態(1)及び(2)により製
造されたセラミックス基板上の導体層には、適宜Niメ
ッキやAuメッキを施してもよく、またCrやCu等を
蒸着させてもよい。
【0069】
【実施例及び比較例】以下、本発明に係るセラミックス
配線基板の製造方法の実施例を図面に基づいて説明す
る。また、比較例として、従来の方法によりセラミック
ス配線基板を製造し、評価を行った。なお、実施例1〜
3は図1に基づき、実施例4〜6は図2に基づき、その
製造方法を説明する。
【0070】[実施例1〜3]アルミナからなるセラミ
ックス基板11(サイズ:75mm×75mm)の表面
に液状ポジ型フォトレジスト(ヘキストジャパン社製
AZ4903)をロールコーター法により塗布し、90
℃に保持したオーブン内に入れて乾燥させた。乾燥後の
ポジ型フォトレジスト層12の厚さは25μmであっ
た。
【0071】次に、線幅が20μmで配線間の間隔が2
0μmからなる所定の配線パターンを有するフォトマス
ク14を介して、ポジ型フォトレジスト層12に紫外線
13を露光量が1000mJ/cm2 の条件で照射し
た。
【0072】次に、上記露光処理の終ったポジ型フォト
レジスト層12を有するセラミックス基板11を現像液
(ヘキストジャパン社製 AZ400Kを純水で5倍に
希釈した液)中に浸漬した後、揺動させて現像処理を施
し、セラミックス基板11上に形成されたポジ型フォト
レジスト層12に配線パターン状に凹部15を形成し
た。
【0073】次いで、下記の表1に示した厚さのPET
フィルム製スキージ17を用い、平均粒径が2.0μm
のMo粉末:80wt%、アクリル樹脂:8wt%、及
びテレビン油:12wt%からなる導体ペースト16を
保持しながらポジ型フォトレジスト層12の表面に接す
るようにPETフィルム製スキージ17を水平に移動さ
せ、ポジ型フォトレジスト層12に形成された凹部15
に導体ペースト16を擦り込んだ。PETフィルム製ス
キージ17の移動速度は10mm/秒、PETフィルム
製スキージ17のポジ型フォトレジスト層12との角度
は70°とした。なお、使用したPETフィルムは、
(株)東レ製のルミラーである。
【0074】上記導体ペースト充填工程の後、凹部15
内への導体ペースト16の充填性、ポジ型フォトレジス
ト層12表面に形成された過剰導体ペースト16の厚
さ、ポジ型フォトレジスト層12の破損状態を以下の方
法により測定又は観察し、評価を行った。 <導体ペースト16の充填性の調査>導体ペースト16
を凹部15に充填した後、90℃で5分間加熱して乾燥
させ、導体ペースト乾燥体18上部に形成されたポジ型
フォトレジスト層12表面からの窪みの深さを表面荒さ
計で測定した。次に、ポジ型フォトレジスト層12及び
セラミックス基板11を導体ペースト乾燥体18が充填
されている部分で切断し、ポジ型フォトレジスト層12
及び導体ペースト乾燥体18の断面を走査型電子顕微鏡
(SEM)により観察し、両方の結果より窪み深さを決
定した。
【0075】そして、導体ペースト乾燥体18の窪み深
さが10μm以下の場合には、乾燥による収縮も考慮
し、殆ど導体ペースト16がPETフィルム製スキージ
17により掻き出されていないと判断し、充填性良
好()とした。また、窪み深さが10μmを超えた場合
には、導体ペースト16がPETフィルム製スキージ1
7により掻き出されたと判断し、充填性不良(×)とし
た。
【0076】<ポジ型フォトレジスト層12表面の過剰
導体ペースト16の観察>上記導体ペースト16の充填
性の調査において切断したポジ型フォトレジスト層12
の表面をSEMにより観察し、導体ペースト乾燥体18
の厚さを測定した。
【0077】そして、過剰導体ペーストの厚さが10μ
m以下の場合には過剰の導体ペースト16の残存が問題
ないと判断してとし、10μmを超えたものを導体ペー
スト16の残存量が多すぎると判断し、×とした。
【0078】<ポジ型フォトレジスト層12の破損状態
の観察>ポジ型フォトレジスト層12の傷の数を光学顕
微鏡により調査し、傷が皆無なものを、傷が1個以上あ
るものを×とした。
【0079】これらの評価結果を下記の表1に示してい
る。次に、ポジ型フォトレジスト層12の表面に被着し
た導体ペースト乾燥体18を平均粒径1μmの砥粒が被
着したアルミナラッピングフィルム(住友スリーエム社
製)で10秒程度研磨することにより除去した。
【0080】次に、前記処理を終えたセラミックス基板
11を3wt%の水酸化ナトリウム水溶液に浸漬した
後、揺動させ、ポジ型フォトレジスト層12を溶解、消
失させ、導体ペースト乾燥体18のみをセラミックス基
板11上に残した。
【0081】次に、表面に導体ペースト乾燥体18を有
するセラミックス基板11を窒素−水素混合ガス雰囲気
下、1430℃で焼成し、セラミックス基板11上に線
幅が18μm、線間隔が22μmのMo導体層18を形
成した。
【0082】このMo導体層18の断面形状をSEMに
より観察したところ矩形であり、前記SEMや目視によ
る観察の結果、短絡等の原因になりそうな欠陥は皆無で
あった。
【0083】[実施例4〜6]ポリエチレンテレフタレ
ート(PET)からなる、厚さが250μm、縦、横の
長さが75mmのフィルム基材21(ニッパ(株)製)
の表面に液状ポジ型フォトレジスト(ヘキストジャパン
社製 AZ4903)をロールコーター法により塗布
し、90℃に保持したオーブン内に入れて乾燥させた。
乾燥後のポジ型フォトレジスト層22の膜厚は25μm
であった。
【0084】次に、線幅が20μmで配線間の間隔が2
0μmからなる所定の配線パターンを有するフォトマス
ク14を介して、ポジ型フォトレジスト層22に紫外線
13を露光量が1000mJ/cm2 の条件で照射し
た。
【0085】次に、上記露光処理の終ったポジ型フォト
レジスト層22を有するフィルム基材21を現像液(ヘ
キストジャパン社製 AZ400Kを純水で5倍に希釈
した液)中に浸漬した後、揺動させて現像処理を施し、
フィルム基材21上に形成されたポジ型フォトレジスト
層22に配線パターン状に凹部25を形成した。
【0086】次に、下記の表1に示した厚さのPETフ
ィルム製スキージ17を用い、平均粒径が1.5μmの
Ag粉末:80wt%、アクリル樹脂:8wt%、及び
テレビン油:12wt%からなる導体ペースト16を保
持しながらポジ型フォトレジスト層22の表面に接する
ようにスキージ17を水平に移動させ、ポジ型フォトレ
ジスト層22に形成された凹部25に導体ペースト16
を擦り込んだ。充填条件は、実施例1〜3の場合と同様
である。
【0087】前記導体ペースト充填工程の後、実施例1
〜3の場合と同様に、種々の評価を行った。評価結果を
下記の表1に示している。
【0088】次に、前記導体ペースト充填工程で、ポジ
型フォトレジスト層22表面に残存した導体ペースト乾
燥体18を平均粒径1μmの砥粒が被着したアルミナラ
ッピングフィルム(住友スリーエム社製)で10秒程度
研磨することにより除去した。
【0089】一方、これまでの工程とは別に、アルミナ
粉末(60wt%)及びガラス粉末(CaO−Al2
3 −B23 −SiO2 系:40wt%)の混合物10
0重量部に、バインダとしてメタクリル酸エステル樹脂
を13重量部、可塑剤としてジオクチルフタレートを5
重量部、及び溶剤としてトルエンとイソプロピルアルコ
ールとを合計で27重量部添加、混合して、スラリを調
製した。次に、このスラリを用いてドクターブレード法
によりテープを形成し、このテープを乾燥させてアルミ
ナセラミックスを主成分とするグリーンシート30を作
製した。続いて、このグリーンシート30に打ち抜き型
を用いてビアホール29を形成し、ビアホール29に導
体ペースト16を充填し、乾燥させた。
【0090】次に、フィルム基材21上に形成した導体
ペースト乾燥体18とポジ型フォトレジスト層22とが
グリーンシート30の表面に接し、かつビアホール29
に埋設された導体ペースト乾燥体18とポジ型フォトレ
ジスト層22中の導体ペースト乾燥体18のビアカバー
に相当する部分とが適切な位置で接するように位置を調
節し、導体ペースト乾燥体18とポジ型フォトレジスト
層22とを有するフィルム基材21をグリーンシート3
0上に載置した。次に、これらをプレス成形機により熱
を加えながらプレスし、導体ペースト乾燥体18とポジ
型フォトレジスト層22とをグリーンシート30に転写
した。この加圧転写の条件は、圧力が60kg/cm
2 、温度が90℃で、この加圧状態を30秒間維持し
た。この後、フィルム基材21を剥離して、導体ペース
ト乾燥体18とポジ型フォトレジスト層22とをグリー
ンシート30上に残した。
【0091】次に、上記工程を経たグリーンシート30
を3wt%の水酸化ナトリウム水溶液中に浸漬した後、
揺動させ、ポジ型フォトレジスト層22を溶解、消失さ
せ、導体ペースト乾燥体18のみをグリーンシート30
上に残した。この後、グリーンシート30上の導体ペー
スト乾燥体18を顕微鏡で観察したが、クラックは全く
発生していなかった。
【0092】上記方法により導体ペースト乾燥体18が
接着したグリーンシート30を複数枚積層し、90℃の
熱プレスで熱圧着させることにより積層体を形成し、該
積層体を大気中、890℃で焼成することによりセラミ
ックス配線基板の製造を終了した。
【0093】焼成後のセラミックス配線基板に形成され
た配線は、表層及び内層とも線幅が18μm、配線間の
距離の最小値は14μmであった。表面配線の断面形状
をSEMにより観察したところ矩形であり、前記SEM
や目視による観察の結果、短絡発生の原因となる欠陥は
皆無であった。
【0094】[比較例1]PETフィルム製スキージ1
7として、厚さが125μmのPETフィルムを使用し
た他は、実施例1〜3の場合と同様の条件でセラミック
ス配線基板を製造した。評価結果を下記の表1に示して
いる。
【0095】[比較例2]PETフィルム製スキージ1
7として、厚さが925μmのPETフィルムを使用し
た他は、実施例1〜3の場合と同様の条件でセラミック
ス配線基板を製造した。評価結果を下記の表1に示して
いる。
【0096】[比較例3]スキージとして、厚さが6m
mで、硬度が80のゴム製平板を使用した他は、実施例
1〜3の場合と同様の条件でセラミックス配線基板を製
造した。評価結果を下記の表1に示している。
【0097】[比較例4]スキージとして、厚さが4m
mのフッ素樹脂製平板を使用した他は、実施例1〜3の
場合と同様の条件でセラミックス配線基板を製造した。
評価結果を下記の表1に示している。
【0098】
【表1】
【0099】<実施例1〜6、及び比較例1〜4の評価
結果>実施例1〜6の場合には、凹部15、25内への
導体ペースト16の充填性、ポジ型フォトレジスト層1
2、22表面に形成された過剰導体ペースト16の厚
さ、ポジ型フォトレジスト層12の破損状態について
は、いずれも良好()であり、厚さが150〜900μ
mのPETフィルム製スキージ17を用いることによ
り、セラミックス基板11上に断面形状が矩形で短絡等
の欠陥の無い導体層19を形成することができることが
実証された。
【0100】一方、比較例1の場合には、厚さが125
μmのPETフィルム製スキージ17を用いたため、P
ETフィルム製スキージ17が柔らかすぎ、ポジ型フォ
トレジスト層12表面に過剰の導体ペースト乾燥体18
が被着し、また、柔らかいスキージ17で無理に導体ペ
ースト16を充填しようとしたので、ポジ型フォトレジ
スト層12に破損が発生した。
【0101】比較例2の場合には、厚さが925μmの
PETフィルム製スキージ17を用いたため、PETフ
ィルム製スキージ17が可撓性に乏しく、ポジ型フォト
レジスト層12に破損が発生した。
【0102】比較例3の場合には、スキージとして硬度
が90以下のゴム製平板を使用したため、ポジ型フォト
レジスト層12の表面に過剰の導体ペースト層16はな
いが、導体ペースト16の充填性が不良となり、またポ
ジ型フォトレジスト層12に破損が発生した。
【0103】比較例4の場合には、スキージとしてフッ
素樹脂製平板を使用したため、可撓性が余り無く、ポジ
型フォトレジスト層12の表面に過剰の導体ペースト1
6が残存し、またポジ型フォトレジスト層12に破損が
発生した。
【0104】導体ペースト16の充填不良が発生した場
合、焼成後の導体層に断線が生じていた。また、ポジ型
フォトレジスト層12表面に過剰の導体ペースト16が
残存した場合には、ラッピングフィルムによる研磨の程
度をコントロールするのが難しく、表面の導体ペースト
乾燥体18を全て除こうとすると研磨しすぎる結果とな
り、凹部15に充填された導体ペースト乾燥体18まで
研磨してしまうことがわかった。ポジ型フォトレジスト
層12に破損が発生した場合には、破損箇所に導体ペー
スト16が充填され、焼結後の導体層に短絡が発生して
しまった。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)〜(f)は本発明の実施の形態(1)に
係るセラミックス配線基板の製造方法における各工程を
模式的に示した断面図である。
【図2】(a)〜(g)は実施の形態(2)に係るセラ
ミックス配線基板の製造方法における各工程を模式的に
示した断面図である。
【符号の説明】
11 セラミックス基板 12、22 ポジ型フォトレジスト層 15、25 凹部 16 導体ペースト 17 PETフィルム製スキージ 18 導体ペースト乾燥体 19 導体層 21 フィルム基材 29 ビアホール 30 グリーンシート

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セラミックス基板の表面にポジ型フォト
    レジスト層を形成するフォトレジスト層形成工程と、 前記ポジ型フォトレジスト層に導体パターン状に凹部を
    形成する凹部形成工程と、 前記ポジ型フォトレジスト層の前記凹部に導体ペースト
    を充填する導体ペースト充填工程と、 前記凹部に充填された前記導体ペーストを乾燥させる乾
    燥工程と、 前記ポジ型フォトレジスト層をアルカリ性水溶液で溶
    解、消失させ、セラミックス基板上に導体ペースト乾燥
    体を残すフォトレジスト層消失工程と、 前記導体ペースト乾燥体を焼成して基板に焼き付ける焼
    成工程とを含むセラミックス配線基板の製造方法におい
    て、 前記導体ペースト充填工程において、厚さ150〜90
    0μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィル
    ムからなるスキージを用い、前記導体ペーストを前記凹
    部に充填することを特徴とするセラミックス配線基板の
    製造方法。
  2. 【請求項2】 フィルム基材上にポジ型フォトレジスト
    層を形成するフォトレジスト層形成工程と、 前記ポジ型フォトレジスト層に導体パターン状に凹部を
    形成する凹部形成工程と、 前記凹部に導体ペーストを充填する導体ペースト充填工
    程と、 前記凹部に充填された前記導体ペーストを乾燥させる乾
    燥工程と、 前記フィルム基材上のポジ型フォトレジスト層及び導体
    ペースト乾燥体をグリーンシートに圧接させた後、該フ
    ィルム基材を剥離させることにより前記導体ペースト乾
    燥体及び前記ポジ型フォトレジスト層をグリーンシート
    に転写する転写工程と、 転写された前記ポジ型フォトレジスト層をアルカリ性水
    溶液で溶解、消失させ、前記グリーンシート上に前記導
    体ペースト乾燥体を残すフォトレジスト層消失工程と、 前記導体ペースト乾燥体が転写された前記グリーンシー
    トを焼成する焼成工程とを含むセラミックス配線基板の
    製造方法において、 前記導体ペースト充填工程において、厚さ150〜90
    0μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィル
    ムからなるスキージを用い、前記導体ペーストを前記凹
    部に充填することを特徴とするセラミックス配線基板の
    製造方法。
  3. 【請求項3】 転写工程の前に、グリーンシートにビア
    ホール用の貫通孔を形成し、該貫通孔に導体ペーストの
    充填、乾燥を行っておき、その後前記転写工程を行うこ
    とを特徴とする請求項2記載のセラミックス配線基板の
    製造方法。
  4. 【請求項4】 転写工程の前に、グリーンシート上に配
    線パターンを形成しておき、その後前記転写工程を行う
    ことを特徴とする請求項2又は請求項3記載のセラミッ
    クス配線基板の製造方法。
  5. 【請求項5】 フォトレジスト層消失工程の後、導体ペ
    ースト乾燥体が転写されたグリーンシートを複数枚積層
    し、その後焼成することを特徴とする請求項2〜4のい
    ずれかの項に記載のセラミックス配線基板の製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007529088A (ja) * 2003-07-08 2007-10-18 イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー 接触印刷を用いる厚膜ペーストでのビアの充填
JP4943148B2 (ja) * 2003-07-08 2012-05-30 イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー 接触印刷を用いる厚膜ペーストでのビアの充填

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