JPH07336020A - 導体パターンの形成方法 - Google Patents

導体パターンの形成方法

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JPH07336020A
JPH07336020A JP12930394A JP12930394A JPH07336020A JP H07336020 A JPH07336020 A JP H07336020A JP 12930394 A JP12930394 A JP 12930394A JP 12930394 A JP12930394 A JP 12930394A JP H07336020 A JPH07336020 A JP H07336020A
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JP
Japan
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photoresist layer
conductor
ceramic substrate
forming
conductor paste
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JP12930394A
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English (en)
Inventor
Yoshikazu Nakada
好和 中田
Kazunari Tanaka
一成 田中
Shozo Otomo
省三 大友
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Nippon Steel Corp
Nippon Steel and Sumikin Electronics Devices Inc
Original Assignee
Sumitomo Metal Ceramics Inc
Sumitomo Metal Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 セラミックス基板11上にフォトレジスト層
12を形成し、このフォトレジスト層12に導体パター
ン状に凹部15を形成し、この凹部15に導体ペースト
16を充填し、凹部15に充填された導体ペースト16
を乾燥させ、導体ペースト16中の固体成分をセラミッ
クス基板11に接着させ、アルカリ性水溶液を用いてフ
ォトレジスト層12を溶解、消失させ、焼成により導体
ペースト16中の導体を含む成分をセラミックス基板1
1に焼き付ける工程を含む導体パターン17の形成方
法。 【効果】 従来の方法と比較して、より簡単な工程でセ
ラミックス基板11上に精密かつ微細な導体パターン1
7を形成することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は導体パターンの形成方法
に関し、より詳細には半導体LSI、チップ部品などが
実装され、それらを相互配線するためのセラミックス基
板上への導体パターンの形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、電子機器はますます小型化、高密
度化が進んできており、これらに実装される電子部品の
狭ピッチ多ピン化や、マルチチップ化も急速に進められ
つつある。従って、LSI、ICチップのボンディング
法も従来のワイヤボンディング法から、マルチチップ化
や高密度実装に適したTAB(Tape Automated Bondin
g)方式又はフリップチップ方式が採用されるようにな
ってきている。このような電子機器の高密度化に伴い、
セラミックス配線基板上に、線幅が100μm以下の微
細配線や直径が100μm以下のバンプなどの導体パタ
ーンを形成する技術が要求されるようになってきてい
る。以下、セラミックス基板上への配線パターンの形成
方法を例にとって説明する。
【0003】従来からのセラミックス基板上への配線パ
ターンの形成方法は、薄膜法、メッキ法、厚膜法などに
大別される。
【0004】前記薄膜法は、セラミックス基板に蒸着、
スパッタリング又はイオンプレーティングなどにより厚
さ数μmオーダーの導体金属層を形成する方法であり、
この方法ではフォトレジストを用いたフォトリソグラフ
ィーの手法が利用できることから、精度の高い微細配線
を形成できるという利点を有している。他方、この方法
では形成された配線とセラミックス基板との密着性が低
い、工程数が他の方法と比較して多い、薄膜形成装置が
高価であるなどの問題点がある。
【0005】また、メッキ法は溶液中で電気化学的手法
によりセラミックス基板に導体配線を形成する方法であ
るが、上記した薄膜法とほぼ同様の問題点がある。
【0006】さらに前記厚膜法は、導体粒子を溶剤など
の液状成分を含有する有機ビヒクル中に分散させた導体
ペーストを用い、この導体ペーストをスキージにてメッ
シュスクリーンより吐出させることでセラミックス基板
上に所定パターンを印刷し、その後焼成することにより
セラミックス基板上に導体配線のパターンを形成する方
法である。前記厚膜法を適用して導体配線のパターンを
形成する場合、対象となる基板は必ずしも焼結体でなく
てもよく、グリーンシート上に導体ペーストのパターン
を形成した後、グリーンシートの焼成と導体ペーストの
焼き付けを同時に行ってもよい。
【0007】前記厚膜法はセラミックス基板との充分な
密着強度を有する配線パターンを低コストで形成するこ
とができるという優れた利点を有する。またこの方法を
前記したグリーンシートを用いた配線パターンの形成方
法に適用した場合、印刷された前記導体ペースト中の液
状成分が短時間でグリーンシート内部にうまく吸収され
るため、配線の幅や配線間の距離が150μm以下の微
細な配線パターンを形成することもできる。しかしなが
ら、この方法を焼成済みのセラミックス基板に適用した
場合、液状成分は焼結体内部に吸収されないため、印刷
された導体ペースト中の液状成分が横方向に広がる、い
わゆる「にじみ」や「だれ」現象が発生し、配線の幅や
配線間の距離が150μm以下の配線パターンを設計通
り形成することができないという問題があった。
【0008】そこで近年、パターンの形成には前記薄膜
法の特徴であるフォトレジストを用いたフォトリソグラ
フィーを導入し、導体層を形成する方法としては前記厚
膜法の特徴である導体ペーストを用いる方法が種々試み
られている。この方法では、まずガラス基板やセラミッ
クス基板の表面にフォトレジスト層を形成した後、フォ
トリソグラフィーにより前記フォトレジスト層に配線パ
ターン状に凹部(開口部)を形成し、次に平板状のスキ
ージを使用して導体ペーストを該凹部に擦り込むことに
より充填し、導体パターンを形成する方法をとってい
る。この方法によりほぼ薄膜法と同等の精度を有する微
細配線パターンを形成することができる。
【0009】前記工程の後、セラミックス基板上に導体
ペーストのパターンのみを残すため、前記フォトレジス
ト層自体を除去する必要がある。前記フォトレジストを
除去する方法としては、酸化性雰囲気中で前記フォトレ
ジストを燃焼させることにより除去する方法が一般的で
あるが、この場合Cuなどを導体として使用すると酸化
して抵抗値が上がるなどの問題があり、Au、Ag、P
tなどの高価な貴金属のみしか導体として使用すること
ができなかった。そこで、酸化性雰囲気で前記フォトレ
ジスト層を分解、消失させた後、酸化した金属を還元す
る方法も提案されているが、工程数が増加するため、好
ましい方法とは言えなかった。
【0010】しかし、特開平2−240996号公報で
提案されているように、フォトレジスト層の構成材料と
してポジ型フォトレジストを使用することにより、現像
液を用いた湿式プロセスにより前記フォトレジスト層を
溶解、除去することが可能となり、そのため前記フォト
レジスト層を除去した後、非酸化性雰囲気で焼成して導
体ペースト中の有機分を分解、消失させることもできる
ようになり、Cu、Mo−Mnなどの易酸化性卑金属を
導体として使用した場合でも、導体自体を酸化させずに
配線パターンをセラミックス基板上に形成することが可
能となった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】前記特開平2−240
996号公報に記載されている方法においては、前記導
体ペーストを前記ポジ型フォトレジスト層の前記凹部に
充填した後、現像処理を施すことにより該ポジ型フォト
レジスト層を消失させているが、そのためには、予め該
ポジ型フォトレジスト層に紫外線を照射させておくとい
う前処理の工程が必要であるという課題があった。
【0012】また、前記ポジ型フォトレジスト層の形成
は、通常液状のポジ型フォトレジストを基板に塗布する
ことにより行っていたが、前記ポジ型フォトレジスト層
をセラミックス基板の表面にのみ形成することは難し
く、塗布工程において前記セラミックス基板の側面や裏
面にも前記ポジ型フォトレジストが被着し、このポジ型
フォトレジスト層を消失させるためには、紫外線をセラ
ミックス基板の側面や裏面に照射する必要があり、余分
な工程が必要になるという課題があった。また、前記セ
ラミックス基板の裏面や側面に形成されたポジ型フォト
レジスト層を完全に除去することは難しかった。
【0013】本発明は上記した課題に鑑みなされたもの
であり、フォトレジストを消失させる前に紫外線を照射
するという余分の前処理工程を行わず、従来よりも簡単
な工程でセラミックス基板上に導体パターンを形成する
ことができる導体パターンの形成方法を提供することを
目的としている。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明に係る導体パターンの形成方法は、セラミック
ス基板上にフォトレジスト層を形成するフォトレジスト
層形成工程と、該フォトレジスト層に導体パターン状に
凹部を形成する凹部形成工程と、該凹部に導体ペースト
を充填する導体ペースト充填工程と、前記凹部に充填さ
れた前記導体ペーストを乾燥させ、該導体ペースト中の
固体成分を前記セラミックス基板に接着させる接着工程
と、アルカリ性水溶液を用いて前記フォトレジスト層を
溶解、消失させるフォトレジスト層消失工程と、焼成に
より前記導体ペースト中の固体成分を前記セラミックス
基板に焼き付ける焼付工程とを含むことを特徴としてい
る(1)。
【0015】また、本発明に係る導体パターンの形成方
法は、フォトレジスト層消失工程において、0.25〜
1.25Nのアルカリ金属水酸化物、又は0.5〜1.
5Nのアルカリ金属硼酸化物のアルカリ性水溶液を用い
てフォトレジスト層を溶解、消失させることを特徴とし
ている(2)。
【0016】本発明に係る導体パターンの形成方法につ
いて、以下詳細に説明する。本発明に係る導体パターン
の形成方法においては、フォトレジスト層形成工程とし
て、まずセラミックス基板上にフォトレジスト層を形成
する。
【0017】本発明に使用するセラミックス基板は、配
線基板として使用することができるものであれば特に限
定されず、その具体例としては、例えばセラミックス基
板として通常使用されるアルミナセラミックス基板、ム
ライトセラミックス基板、ガラスセラミックス基板、窒
化アルミニウムセラミックス基板などが挙げられる。前
記セラミックス基板は、その内部に配線などが形成され
た基板であってもよい。
【0018】また、本発明に使用するフォトレジストと
しては、アルカリ現像が可能なものであれば、ネガ型の
ものでも、ポジ型のものでも使用することができる。
【0019】液状のポジ型フォトレジストを用いる場合
は、まず液状のポジ型フォトレジストを、例えばロール
コーター法、バーコーター法、ディップ法、ホイラー法
(スピンナー法)などの方法により前記セラミックス基
板表面に塗布した後、前記セラミックス基板をオーブン
に入れて約87〜90℃で30〜40分程度加熱し、フ
ォトレジストを乾燥、固化させる。前記液状のポジ型フ
ォトレジストとしては、例えばヘキストジャパン社製の
AZ4903、AZ4620/A、東京応化工業社製の
OPレジスト、東京エレクトロン社製のアキュトレー
ス、日本チバガイギー社製のプロビマーなどが挙げられ
る。
【0020】形成するポジ型フォトレジスト層の厚みは
10〜50μmが好ましい。前記ポジ型フォトレジスト
層の厚みが10μm未満であるか、又は50μmを超え
ると、後工程において前記ポジ型フォトレジスト層に形
成された凹部に導体ペーストを完全に充填することが困
難になる。なお、前記液状フォトレジストを用い、10
μmから50μmのポジ型フォトレジスト層を前記セラ
ミックス基板上に均一に形成するには、前記塗布方法の
うち、ロールコーター法又はバーコーター法がより好ま
しい。液状のポジ型フォトレジストを使用することによ
り、セラミックス基板上に形成されたフォトレジスト層
はセラミックス基板の凹凸に余り影響されず、平坦性の
高いフォトレジスト層となる。
【0021】前記方法により形成されたポジ型フォトレ
ジストの層は、例えばフェノールノボラック樹脂とキノ
ンジアミド化合物との混合物、ポリメチルイソプロペニ
ルケトンと安息香酸誘導体との混合物、アルカリ水溶液
に可溶なメチルメタクリレート・メタクリル酸共重合体
とオルトニトロベンジルカルボキシレートとの混合物、
ノボラック樹脂とメルドラム酸誘導体との混合物、ノボ
ラック樹脂とポリ−2−メチル−1−ペンテンスルホン
との混合物等から構成されている。前記キノンジアミド
化合物としては、一定の分子量分布を有するポリマーで
あるノボラック樹脂にキノンジアジドをエステル化反応
させたものや、ヒドロキシル基を有するモノマーである
2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,4−
ヒドロキシベンゾフェノン、ビスフェノールA、没食子
酸エチル、没食子酸プロピル、ピロガロール、フロログ
リシンなどにキノンジアミドを反応されたものが使用さ
れている。
【0022】ネガ型フォトレジストを用いる場合も、液
状のネガ型フォトレジストを用い、前記ポジ型フォトレ
ジストの場合と同様の方法によりフォトレジスト層を形
成することができる。前記ネガ型フォトレジストとして
は、例えば東京応化工業社製のPMER−N−HC60
0、PMER−N−D40P、PMER−N−HC4
0、BMR−S−1000などが挙げられる。
【0023】前記方法により形成されたネガ型フォトレ
ジストの層は、例えば環化ポリイソプレンゴムとビスア
ジド化合物、ポリメチルイソプロペニルケトンとビスア
ジド化合物との混合物、ポリビニールフェノールとビス
アジド化合物との混合物、フェノールノボラック樹脂と
ビスアジド化合物との混合物、ポリビニールフェノール
・エポキシノボラックアジド系混合物等から構成されて
いる。前記ビスアジド化合物としては、4,4’−ジア
ジドカルコン、2,6−ジ−(4’−アジドベンザル)
シクロヘキサノン、2,6−ジ−(4’−アジドベンザ
ル)−4−メチルシクロヘキサノン、2,6−ジ−
(4’−アジドシンナミリデン)−4−ヒドロキシシロ
クヘキサノンなどが使用されている。
【0024】またネガ型又はポジ型のドライフィルムレ
ジストを用い、セラミックス基板上に前記ドライフィル
ムレジスト膜を接着してもよい。接着の方法は、前記ド
ライフィルムレジスト膜を100℃前後に加熱し、熱圧
着させる方法が簡単で好ましい。前記ドライフィルムレ
ジスト膜の厚さは、液状のフォトレジストを用いて形成
する場合と同様の厚さでよい。
【0025】ドライフィルムレジスト膜としては、例え
ばデュポン社製のリストン4713、4733、日立化
成工業(株)製のフォテック、三菱レイヨン(株)製の
ダイヤロン等のような、一般に市販されているネガ型の
ドライフィルムレジスト膜が挙げられる。
【0026】前記フォトレジストの中では、優れた解像
度を有すること、現像工程において膨潤がないこと、基
板との密着性に優れることなどから、液状のポジ型フォ
トレジストを用いてポジ型フォトレジスト層を形成する
方法が好ましい。
【0027】次に、凹部形成工程として、前記セラミッ
クス基板上に形成された前記フォトレジスト層に導体パ
ターン状に凹部を形成する。
【0028】前記セラミックス基板上に形成された前記
フォトレジスト層に前記凹部を形成する方法としては、
フォトリソグラフィーの手法を用いる方法とレーザ光の
照射によりフォトレジスト層を分解、消失させる方法と
がある。フォトリソグラフィーの手法を用いる場合に
は、フォトレジストの種類により前記凹部を形成する方
法が多少異なるので、フォトレジストの種類に分けて説
明することにする。
【0029】まず第1番目の方法として、フォトレジス
トとしてポジ型フォトレジストを用い、フォトリソグラ
フィーの手法により前記ポジ型フォトレジスト層に凹部
を形成する工程(凹部形成工程)について説明する。こ
の場合には、前記ポジ型フォトレジスト層に導体パター
ン状に紫外線が露光されるように設計されたフォトマス
クを介して紫外線を照射し、その後現像処理を施すこと
により、セラミックス基板上に導体パターン状の凹部を
形成する。
【0030】前記紫外線などによる露光処理の条件は特
に限定されないが、露光量は通常700〜800mJ/
cm2 が好ましい。前記露光量が700mJ/cm2
満であると現像により前記セラミックス基板の表面まで
達する凹部を完全に形成することが難しく、他方前記露
光量が800mJ/cm2 を超えるとオーバー露光とな
り、凹部の断面形状が逆台形になってしまう。
【0031】前記現像処理条件も特に限定されるもので
はないが、例えばNa2 CO3 を0.5〜1wt%含有
する水溶液、すなわち通常の現像処理で用いられている
現像液(水溶液)を用い、スプレー法又は浸漬揺動法な
どにより現像処理を施すことができる。
【0032】上記方法によりポジ型フォトレジスト層
に、その幅又は直径が20μm程度以上で、お互いの間
隔が20μm程度まで近づいた凹部を形成することがで
き、後工程で該凹部に導体ペーストを充填することによ
り同様の精度の導体パターンを形成することができる。
【0033】この後、後工程で導体ペーストを充填する
際に前記ポジ型フォトレジスト層の前記凹部が変形しな
いように、前記ポジ型フォトレジスト層を約87〜90
℃で30〜40分程度加熱処理することが好ましい。
【0034】次に、第2番目の方法として、フォトレジ
ストとしてネガ型フォトレジストを用いてセラミックス
基板上にネガ型フォトレジスト層を形成した場合に、フ
ォトリソグラフィーの手法により凹部を形成する方法に
ついて説明する。この場合、ネガ型フォトレジスト層に
露光処理及び現像処理を施し、前記ネガ型フォトレジス
ト層に凹部を形成するが、導体パターン以外の部分が露
光されるように設計されたフォトマスクを用いて露光処
理を施す以外は、ほぼ前記した第1番目の方法と同様の
方法で露光処理を施し、現像処理を施す。この時の露光
量は20〜40mJ/cm2 程度が好ましく、現像処理
は同様の条件でよい。
【0035】第3番目の方法として、フォトレジストに
所定のパターン状にレーザ光を照射することにより、照
射部分のフォトレジストを分解、消失させ、前記フォト
レジスト層に凹部を形成する方法について説明する。こ
の場合、形成するフォトレジスト層は、ネガ型又はポジ
型のいずれでもよい。
【0036】前工程で形成されたフォトレジスト層への
レーザ光の照射は、照射により形成される凹部が導体パ
ターン状になるようにポジ型フォトレジスト層の表面を
走査することにより行う。このとき、レーザ光の強度を
一定の範囲に設定することにより、セラミックス基板を
傷つけることなく、照射した範囲のフォトレジスト層の
みを完全に分解、消失させることができる。
【0037】このときのレーザ光の照射条件は、フォト
レジスト層の種類、材質、厚さ、セラミックス基板の種
類などにより異なるが、例えばアルミナ基板上に25μ
mの厚さのポジ型フォトレジスト層を形成する場合、レ
ーザ光の照射強度は0.5〜2J/cm2 程度が好まし
く、またその走査速度は1〜10cm/sec程度が好
ましい。一方、エキシマレーザのエネルギーはレーザの
機種、使用するガスに依存するが、ほぼ100〜300
mJ/cm2 の範囲内にあり、必要とされる照射強度に
比べて低い。従って、照射強度を0.5〜2J/cm2
に高めるために、レーザ光を実際に加工したいパターン
の数倍の大きさのフォトマスクを通過させ、レンズ系で
サンプル上へ縮小投射する方法をとることができる。
【0038】なお、レーザ光を照射した際に加工周辺に
炭素が付着することがあるが、これはトルエン、キシレ
ンなどの溶剤でふきとったり、前記溶剤を用いて超音波
洗浄すれば良い。トルエン、キシレンはフォトレジスト
を溶解することはないので、加工部の形状が崩れること
はない。
【0039】用いるレーザは、上記した条件を満足する
ものであれば特に限定されないが、その具体例として
は、例えばエキシマレーザ、YAGレーザなどが挙げら
れ、これらの中ではエキシマレーザが好ましい。
【0040】このようにレーザを使用した場合において
も、その幅が10μm以上で、凹部同士の間隔が15μ
m程度まで近づいた凹部をフォトレジスト層に形成する
ことができる。従って、形成される導体パターンもほぼ
同様の精度となる。
【0041】次に導体ペースト充填工程として、前記し
た種々の方法により導体パターン状に形成された前記凹
部に導体ペーストを充填する。
【0042】通常、導体ペーストは導体粉末、溶剤、及
び樹脂(バインダ)より構成される。前記導体粉末用の
材料としては、通常基板等の配線に使用される公知の導
体材料を使用することができ、その具体例としては、例
えばW、Mo−Mn、Au、Ag−Pd、Cu、Ni、
Pdなどが挙げられる。
【0043】また前記導体ペースト用の溶剤には、前記
ポジ型フォトレジスト層を溶解しないものを用いる必要
がある。これは、前記ポジ型フォトレジスト層を溶解す
る溶剤を用いて導体ペーストを調製した場合、前記ポジ
型フォトレジスト層の凹部に前記導体ペーストを充填す
ると、前記ポジ型フォトレジスト層が前記溶剤に溶解
し、凹部の形状が崩れるためである。前記ポジ型フォト
レジスト層を溶解しない溶剤としては、例えばトルエ
ン、キシレン、ショウノウ油、テレビン油、パイン油、
フェニルシクロヘキサン、ドデシルベンゼンなど、誘電
率の低い炭化水素系溶剤が挙げられる。
【0044】また、前記導体ペースト用のバインダー
は、後工程で用いられるアルカリ性溶液に溶解しないも
のである必要がある。これは、前記ポジ型フォトレジス
ト層に形成された凹部に前記導体ペーストを充填した
後、このポジ型フォトレジスト層を前記アルカリ性水溶
液に接触させて溶解、消失させる工程において、前記導
体ペーストが前記前記アルカリ性水溶液に溶解しないよ
うにするためである。前記アルカリ性水溶液に溶解しな
いようにするためには、前記導体ペーストに用いられる
樹脂は非水溶性の樹脂である必要がある。前記樹脂の具
体例としては、例えばエチルセルロース、アクリル樹
脂、メタクリル樹脂などが挙げられる。
【0045】以上の理由から本発明に使用される導体ペ
ーストとしては、例えば上記導体粉末が84〜96wt
%、前記アクリル樹脂などの樹脂(バインダ)が2〜6
wt%、トルエンなどの溶剤が2〜16wt%の組成か
らなるものが好ましい。前記導体ペーストの調製は3本
ロールを使用する方法など、公知の調製方法を用いて調
製することができる。
【0046】なお、焼成後に導体とセラミックス基板と
の接着性を高めるために、上記導体粉末に対し、ガラ
ス、SiO2 、TiO2 等の無機結合粉末を1〜10w
t添加してもよい。
【0047】上記した組成の導体ペーストをポジ型フォ
トレジスト層の凹部に充填するには、例えばフッ素樹脂
製又はゴム性のスキージを用い、導体ペーストの凹部に
直接擦り込むように充填する方法をとるのが好ましい。
【0048】前記の方法により前記凹部に前記導体ペー
ストを充填した場合、凹部以外のポジ型フォトレジスト
層の表面に導体ペーストが多少残存する場合もあるが、
この場合は導体ペーストの付着していないスキージを用
いて掻き取ることにより殆ど除去することができ、前記
ポジ型フォトレジスト層が傷つくこともない。さらに、
前記操作によっても除去できない極薄い導体ペーストの
層が存在する場合は、導体ペーストを乾燥させた後、ラ
ッピングフィルム(砥粒として粒径1μmのアルミナが
被着しているもの)を用いて研磨することにより除去す
ることができる。また、凹部内に導体ペーストの充填不
良が生じた場合には、充填方向を初期の充填方向より9
0度変えて再度充填すれば、完全に充填することができ
る。
【0049】導体ペーストを充填した後は、接着工程と
して、前記工程を経たセラミックス基板に加熱処理を施
し、前記導体ペースト中の溶剤などを揮発させると同時
に、前記導体ペーストの乾燥体を前記セラミックス基板
に接着させる。加熱処理は、約87〜90℃で10〜2
0分程度行うのが好ましい。
【0050】次に、フォトレジスト層消失工程として、
前記導体ペーストが充填されたフォトレジスト層をアル
カリ性水溶液で処理して溶解し、前記フォトレジスト層
を消失させる。
【0051】前記したようにフォトレジスト層に導体パ
ターン状に凹部を形成する場合には、現像液として、例
えばNa2 CO3 を0.5〜1wt%含有する水溶液又
は0.25〜0.5Nの硼酸カリウム水溶液を使用し、
ポジ型フォトレジストの場合には紫外線が照射され、溶
解し易くなった部分を選択的に溶解、消失させ、ネガ型
フォトレジストの場合には、逆に紫外線が照射さないた
めに溶解し易い部分を選択的に溶解、消失させる。
【0052】従来、ポジ型フォトレジストを用いた場
合、導体ペースト充填工程の後であってフォトレジスト
層消失工程の前に、紫外線をフォトレジスト層の全面に
照射する前処理を行い、前記フォトレジスト層を溶解、
消失し易い構造にした後、前記したNa2 CO3 を0.
5〜1wt%含有する水溶液又は0.25〜0.5Nの
硼酸カリウム水溶液を使用して溶解、消失させていた。
また、ネガ型フォトレジストの場合、一旦紫外線を照射
すると現像液によるフォトレジスト層の溶解、消失は難
しいと考えられていたため、前記フォトレジスト層を酸
化性雰囲気中で燃焼させることにより消失させていた。
【0053】しかし本発明では、アルカリ性水溶液、特
にNaOHやKOHなどのアルカリ金属の水酸化物を使
用した0.25〜1.25Nのアルカリ性水溶液又は硼
酸カリウム、硼酸ナトリウムなどのアルカリ金属の硼酸
化物を用いた0.5〜1.5Nのアルカリ性水溶液を使
用すると、前記したような構造を有するフォトレジスト
であれば、紫外線を照射しないポジ型フォトレジストや
一旦紫外線を照射したネガ型フォトレジストであって
も、比較的容易に溶解、消失させることができることが
わかった。前記アルカリ性水溶液の濃度が0.25N未
満であると、フォトレジスト層の溶解速度が遅すぎるた
めにこの工程に長時間を要し、他方前記アルカリ性水溶
液の濃度が1.25Nを超えるとセラミックス基板を溶
解する場合がある。前記アルカリ性水溶液による溶解、
処理の時間は、30秒〜10分が好ましく、その濃度
は、0.5〜1.0Nがより好ましい。また、前記アル
カリ性水溶液としては、前記アルカリ金属水酸化物の水
溶液でなくても、pHが12〜14程度の強アルカリ性
水溶液であれば使用可能である。この工程では、水溶液
を使用しているため、前記導体ペーストの乾燥体がアル
カリ性水溶液中に溶解することはない。
【0054】前記工程を経ることにより、セラミックス
基板上に導体ペーストの乾燥体からなる導体パターンの
みが残存し、これを焼成処理することにより、前記導体
ペースト中の有機分が分解、消失し、前記導体ペースト
に含まれている金属導体を含む成分が焼結して、セラミ
ックス基板上に所定の導体パターンが形成される。焼成
条件は、含まれている導体の種類により異なるが、金属
導体が焼結してセラミックス基板にしっかり接着する温
度条件が好ましい。
【0055】前記導体パターンには、適宜Niメッキや
Auメッキを施してもよく、またCrやCuなどを蒸着
させてもよい。
【0056】以上説明してきたように、上記した導体パ
ターンの形成方法を用いることにより、セラミックス基
板上に所定パターンの配線を形成することができる他、
フリップチップ方式によって集積回路などを実装する場
合などに、接続用のパッドとして用いられるバンプをセ
ラミックス基板上に形成することができる。また、配線
と接続用パッドを同一基板に同時に形成することも可能
である。
【0057】
【作用】上記構成の導体パターンの形成方法(1)によ
れば、セラミックス基板上にフォトレジスト層を形成す
るフォトレジスト層形成工程と、該フォトレジスト層に
導体パターン状に凹部を形成する凹部形成工程と、該凹
部に導体ペーストを充填する導体ペースト充填工程と、
前記凹部に充填された前記導体ペーストを乾燥させ、該
導体ペースト中の固体成分を前記セラミックス基板に接
着させる接着工程と、アルカリ性水溶液を用いて前記フ
ォトレジスト層を溶解、消失させるフォトレジスト層消
失工程と、焼成により前記導体ペースト中の固体成分を
前記セラミックス基板に焼き付ける焼付工程とを含むの
で、前記フォトレジスト形成工程及び前記導体ペースト
充填工程により前記フォトレジスト層に精密かつ微細な
導体パターン状の凹部が形成され、前記接着工程、前記
フォトレジスト層消失工程及び焼付工程により、簡単な
工程でセラミックス基板上に精密かつ微細な導体パター
ンが形成される。
【0058】前記フォトレジスト層消失工程で前記アル
カリ性水溶液を使用することにより、セラミックス基板
の側面や底面に付着したフォトレジスト層も溶解、消失
するため、前記セラミックス基板の側面や底面に付着し
たフォトレジスト層に紫外線を照射する余分の工程を必
要としない。
【0059】また、上記構成の導体パターンの形成方法
(2)によれば、フォトレジスト層消失工程において、
0.25〜1.25Nのアルカリ金属水酸化物、又は
0.5〜1.5Nのアルカリ金属硼酸化物のアルカリ性
水溶液を用いてフォトレジスト層を溶解、消失させるの
で、安価にかつ簡単な工程でセラミックス基板上に精密
かつ微細な導体パターンが形成される。
【0060】
【実施例及び比較例】以下、本発明に係る導体パターン
の形成方法の実施例及び比較例を図面に基づいて説明す
る。
【0061】[実施例1]図1(a)〜(f)は、実施
例に係る導体パターンの形成方法の各工程を模式的に示
した断面図である。
【0062】まず、厚さが2mmのアルミナ製のセラミ
ックス基板11の全面に液状ポジ型フォトレジスト(ヘ
キストジャパン社製 AZ4903)をバーコーターに
て塗布し、前記ポジ型フォトレジストが塗布されたセラ
ミックス基板11を、プリベーク処理として、90℃に
保ったオーブン中に入れて30分間乾燥させ、ポジ型の
フォトレジスト層12を形成した(図1(a))。
【0063】乾燥後のフォトレジスト層12の膜厚は2
5μmであった。なお、前記ポジ型フォトレジストの塗
布により、セラミックス基板11の側面にもポジ型のフ
ォトレジスト層12が形成された。
【0064】次に、配線ルールが線幅25μm、線間2
5μmである所定の配線パターン状及び直径2mmのピ
ン付けパッドパターン状に露光されるように設計された
フォトマスク13を介して、フォトレジスト層12に露
光量が700mJ/cm2 になるように紫外線14によ
る露光処理を施した(図1(b))。
【0065】次に、現像液(ヘキストジャパン社製のA
Z400Kと水とを1:4の割合で混合した溶液、0.
28Nの硼酸カリウム水溶液)に前記工程を経たセラミ
ックス基板11を浸漬し、浸漬揺動法により現像処理を
施して、導体パターン状の凹部15をフォトレジスト層
12に形成した(図1(c))。
【0066】次に、フッ素樹脂製のスキージ(縦50m
m、横100mm、厚さ3mm)を用い、凹部15に導
体ペースト16を擦り込むようにして充填した。なお、
導体ペースト16は、モリブデン粉末(平均粒径1.5
μm):75重量部、マンガン粉末(平均粒径2μ
m):20重量部、シリカ粉末(平均粒径5μm):5
重量部からなる導体を含む成分85wt%、メタクリル
樹脂4wt%、及びフェニルシクロヘキサン11wt%
から構成していた。
【0067】その後、前記工程を経たセラミックス基板
11をオーブンに入れ、ペースト乾燥処理として、90
℃で10分間熱処理を施し、溶剤を揮発させると共に、
導体ペースト16中の樹脂分をセラミックス基板11に
接着させた。その後、ラッピングフィルム(砥粒として
粒径1μmのアルミナが被着しているもの)を用いてフ
ォトレジスト層12の表面を約10秒間研磨し、余剰の
導体ペースト(厚み2μm)を除去した(図1
(d))。
【0068】次に、前記工程を経たセラミックス基板1
1を、室温のNaOHを3wt%含有する水溶液(0.
75NのNaOH水溶液)に1分間浸漬し、フォトレジ
スト層12を消失させ、セラミックス基板11上に導体
ペーストの乾燥体16’のみを残した(図1(e))。
この工程でセラミックス基板11の側面に被着したフォ
トレジスト層12も完全に消失した。
【0069】次に、前記工程を経たセラミックス基板1
1を、微量水蒸気を含有する窒素−水素混合ガス雰囲気
中、1500℃で焼成することにより、導体ペーストの
乾燥体16’中の有機分を分解、消失させると共に、導
体を含む成分の焼結とセラミックス基板11への結着を
行い、セラミックス基板11上に導体パターン17を形
成した(図1(f))。
【0070】さらに、形成された導体パターン17の表
面に、電解メッキ法を用いて順次Niメッキ層2.5μ
m、Auメッキ層2.5μmを形成し、厚膜導体配線の
形成を完了した。
【0071】前記工程により形成された厚膜導体配線
を、走査型電子顕微鏡(SEM)により観察したが、メ
ッキ付け不良部は皆無であり、焼結配線上に均一にメッ
キ層が形成されていることが確認された。
【0072】最終的に形成された厚膜導体配線の断面形
状を走査型電子顕微鏡(SEM)にて調査したところ、
断面形状は「へこみ」のない矩型であり、配線表面の平
滑性は±0.5μmであった。また、線幅の精度は±
1.5μmであり、直径2mmのパッド部に直径1mm
の銅線をハンダ付けし、該銅線を垂直上方に引っ張るこ
とで配線パターンの接着強度を測定したところ、3.3
kgf/mm2 と十分に高い値が得られた。さらにSE
Mにてセラミックス基板11の組織を観察したところ、
前記アルカリ性水溶液による浸蝕は見られなかった。
【0073】[実施例2]実施例1に使用した同じアル
ミナ製のセラミックス基板11上に、ドライフィルムレ
ジスト(デュポン社製 リストン4713)を105℃
でラミネートして、ネガ型のフォトレジスト層12を形
成した。
【0074】次に、配線ルールが線幅50μm、線間5
0μmである所定の配線パターン及び直径2mmのピン
付けパッドパターンとなる部分以外の部分が露光される
ように設計されたフォトマスク13を介して、フォトレ
ジスト層12に露光量が30mJ/cm2 になるように
紫外線14による露光処理を施した。
【0075】次に、現像液(1%炭酸ナトリウム水溶
液)に前記工程を経たセラミックス基板11を浸漬し、
浸漬揺動法により現像処理を施して、導体パターン状の
凹部15をドライフィルムレジストからなるフォトレジ
スト層12に形成した。
【0076】次に、実施例1と同様の条件で凹部15に
導体ペースト16を充填し、前記工程を経たセラミック
ス基板11を、室温のNaOHを3wt%含有する水溶
液(0.75NのNaOH水溶液)に浸漬し、フォトレ
ジスト層12を消失させた。
【0077】その後は、実施例1と同様の条件で焼成、
メッキ処理を施し、厚膜導体配線の形成を完了した。
【0078】前記工程により形成された厚膜導体配線
を、SEMにより観察したが、メッキ付け不良部は皆無
であり、焼結配線上に均一にメッキ層が形成されている
ことが確認された。
【0079】また形成された厚膜導体配線の断面形状を
同様にSEMにて調査したところ、断面形状は「へこ
み」のない矩型であり、配線表面の平滑性は±1.0μ
mであった。また、線幅の精度は±1.5μmであり、
直径2mmのパッド部に直径1mmの銅線をハンダ付け
し、該銅線を垂直上方に引っ張ることで配線パターンの
接着強度を測定したところ、3.2kgf/mm2 と十
分に高い値が得られた。さらにSEMにてセラミックス
基板11の組織を観察したところ、使用したアルカリ性
水溶液による浸蝕は見られなかった。
【0080】[実施例3]実施例1と同様の条件でアル
ミナ製のセラミックス基板11上にポジ型のフォトレジ
スト層12を形成した。
【0081】次に、お互いに直角方向に操作できる2本
のミラーを備えたエキシマレーザ(KrF、48nm)
を用い、前記ミラーをコンピュータ制御することにより
所定の導体層形成パターン及びパッドパターンになるよ
うに、照射強度1J/cm2、走査速度1cm/sec
でフォトレジスト層12の表面にレーザ光を照射し、照
射された部分のフォトレジスト層12を下地のセラミッ
クス基板11が露出するまで分解、消失させた。この結
果、フォトレジスト層12に、幅が15μm、配線間の
間隔が15μmの凹部15が形成された。
【0082】次に、粒径1μmの銅粉末が81wt%、
軟化点500℃の鉛ホウケイ酸ガラスフリットが4wt
%、アクリル樹脂をパイン油に溶解したビヒクルが15
wt%からなる導体ペースト16を用い、実施例1と同
様の条件でフォトレジスト層12に形成された凹部15
に導体ペースト16を充填した。
【0083】次に、90℃で5分間加熱することにより
フォトレジスト層12中の導体ペースト16を乾燥さ
せ、導体ペースト中の樹脂分をセラミックス基板11に
接着させ、その後実施例1と同様に研磨処理を施した。
【0084】次に、その濃度が1.0Nの硼酸カリウム
水溶液を使用し、前記工程を経たセラミックス基板11
を浸漬し、揺動させことにより、フォトレジスト層12
を溶解、消失させ、導体ペーストの乾燥体16’のみを
セラミックス基板11上に残した。 次いで、純窒素雰
囲気中、最高温度900℃で10分間保持する工程を含
む70分の焼成処理を行うことにより、導体ペーストの
乾燥体16’中の有機物を分解、消失させ、かつ前記導
体成分をセラミックス基板11に焼き付けて、Cuから
なる導体パターン17を形成した。
【0085】その後は、実施例1と同様の条件でメッキ
処理を施し、厚膜導体配線の形成を完了した。
【0086】前記工程により形成された厚膜導体配線
を、SEMにより観察したが、メッキ付け不良部は皆無
であり、焼結配線上に均一にメッキ層が形成されている
ことが確認された。
【0087】また形成された厚膜導体配線の断面形状を
同様にSEMにて調査したところ、断面形状は「へこ
み」のない矩型であり、配線表面の平滑性は±1.0μ
mであった。また、線幅の精度は±1.5μmであり、
直径2mmのパッド部に直径1mmの銅線をハンダ付け
し、該銅線を垂直上方に引っ張ることで配線パターンの
接着強度を測定したところ、3.1kgf/mm2 と十
分に高い値が得られた。さらにSEMにてセラミックス
基板11の組織を観察したところ、使用したアルカリ性
水溶液による浸蝕は見られなかった。
【0088】[実施例4]アルミナ製のセラミックス基
板11(表面粗さ ±3μm)上に、液状ネガ型のフォ
トレジスト(東京応化工業製 PMER N−HC60
0)を用いて、バーコーター法により、厚さが約25μ
mのネガ型フォトレジスト層を形成し、乾燥させ、固体
状のネガ型のフォトレジスト層12を形成した。
【0089】その後、実施例3で用いたエキシマレーザ
(KrF、48nm)を使用し、所定のバンプ形成パタ
ーンになるように、照射強度1J/cm2 、走査速度1
cm/secで前記ネガ型フォトレジスト層の表面にレ
ーザ光を照射し、照射されたネガ型のフォトレジスト層
12を下地のセラミックス基板11が露出するまでフォ
トレジスト層12を分解、消失させて除去した。この結
果、ネガ型のフォトレジスト層12にバンプ直径が20
μm、バンプ間のピッチが20μmのバンプパターン状
の凹部15が形成された。
【0090】次いで、導体材料としてMoとMn(平均
粒径は共に3μm)とが80:20(重量比)の割合で
混合された粉末を85wt%含有し、その他にアクリル
樹脂を5wt%及びテレビン油を10wt%含有する導
体ペースト16を用い、実施例1の場合と同様にフッ素
樹脂製のヘラにより導体ペースト16をフォトレジスト
層12の凹部15に充填した。
【0091】次に、凹部15に充填された導体ペースト
16を90℃に加熱することにより乾燥させ、導体ペー
スト16中のアクリル樹脂をセラミックス基板11に接
着させ、実施例1と同様に研磨処理を施した。
【0092】次に、その濃度が1.5Nの硼酸ナトリウ
ムを使用し、前記工程を経たセラミックス基板11を浸
漬し、揺動させことにより、フォトレジスト層12を溶
解、消失させ、前記導体ペーストの乾燥体16’のみを
セラミックス基板11上に残した。
【0093】次いで、微量水蒸気を含む窒素−水素混合
ガス雰囲気中、1500℃で焼成することにより、導体
ペースト乾燥体16’中の有機物を分解、消失させ、か
つ導体を含む成分をセラミックス基板11に焼き付け
て、バンプパターン(パッドパターン)を形成し、実施
例1と同様にめっき処理を施した。
【0094】得られたバンプの高さを東京精密製のsu
rfcom 112Bにより測定したところ、そのばら
つきは2μm以内と極めて均一化されており、バンプ間
の短絡も全く認められなかった。また、このバンプが形
成されたセラミックス基板11を用い、フリップチップ
方式により集積回路装置を実装したところ、セラミック
ス基板11上に形成された前記バンプと集積回路装置に
形成されたバンプとの接続不良は全く認められなかっ
た。
【0095】[比較例1]導体ペーストの充填工程まで
は実施例1と同様の条件で行い、フォトレジスト層12
の全面を露光量が1000mJ/cm2 になるように紫
外線14による露光処理を施した。
【0096】次に、現像液(ヘキストジャパン社製のA
Z400Kと水とを1:4の割合で混合した溶液)に前
記工程を経たセラミックス基板11を浸漬し、浸漬揺動
法により現像処理を施したところ、セラミックス基板1
1表層のフォトレジスト層12は消失したが、セラミッ
クス基板11側面のフォトレジスト層12は残存した。
【0097】その後、実施例1と同様の条件で焼成処理
を施したところ、セラミックス基板11の側面にフォト
レジスト層12の熱分解による「しみ」が生じた。
【0098】
【発明の効果】以上詳述したように本発明に係る導体パ
ターン形成方法にあっては、セラミックス基板上にフォ
トレジスト層を形成するフォトレジスト層形成工程と、
該フォトレジスト層に導体パターン状に凹部を形成する
凹部形成工程と、該凹部に導体ペーストを充填する導体
ペースト充填工程と、前記凹部に充填された前記導体ペ
ーストを乾燥させ、該導体ペースト中の固体成分を前記
セラミックス基板に接着させる接着工程と、アルカリ性
水溶液を用いて前記フォトレジスト層を溶解、消失させ
るフォトレジスト層消失工程と、焼成により前記導体ペ
ースト中の固体成分を前記セラミックス基板に焼き付け
る焼付工程とを含むので、前記フォトレジスト層消失工
程でセラミックス基板の表面に形成されたフォトレジス
ト層を溶解、消失させることができるのみでなく、その
側面や底面に付着したフォトレジスト層も溶解、消失さ
せることができ、従来の方法と比較して、より簡単な工
程でセラミックス基板上に精密かつ微細な導体パターン
を形成することができる。
【0099】また、本発明に係る導体パターンの形成方
法(2)にあっては、フォトレジスト層消失工程におい
て、0.25〜1.25Nのアルカリ金属水酸化物、又
は0.5〜1.5Nのアルカリ金属硼酸化物のアルカリ
性水溶液を用いてフォトレジスト層を溶解、消失させる
ので、安価にかつ簡単な工程でセラミックス基板上に精
密かつ微細な導体パターンを形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)〜(f)は実施例に係る導体パターンの
形成方法における各工程を模式的に示した断面図であ
る。
【符号の説明】
11 セラミックス基板 12 フォトレジスト層 15 凹部 16 導体ペースト 16’ 導体ペーストの乾燥体 17 導体パターン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大友 省三 山口県美祢市大嶺町東分字岩倉2701番1 株式会社住友金属セラミックス内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セラミックス基板上にフォトレジスト層
    を形成するフォトレジスト層形成工程と、 該フォトレジスト層に導体パターン状に凹部を形成する
    凹部形成工程と、 該凹部に導体ペーストを充填する導体ペースト充填工程
    と、 前記凹部に充填された前記導体ペーストを乾燥させ、該
    導体ペースト中の固体成分を前記セラミックス基板に接
    着させる接着工程と、 アルカリ性水溶液を用いて前記フォトレジスト層を溶
    解、消失させるフォトレジスト層消失工程と、 焼成により前記導体ペースト中の固体成分を前記セラミ
    ックス基板に焼き付ける焼付工程とを含むことを特徴と
    する導体パターンの形成方法。
  2. 【請求項2】 フォトレジスト層消失工程において、
    0.25〜1.25Nのアルカリ金属水酸化物、又は
    0.5〜1.5Nのアルカリ金属硼酸化物のアルカリ性
    水溶液を用いてフォトレジスト層を溶解、消失させるこ
    とを特徴とする請求項1記載の導体パターンの形成方
    法。
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Cited By (4)

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