JPH08227612A - 導体ペースト組成物 - Google Patents

導体ペースト組成物

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JPH08227612A
JPH08227612A JP7058093A JP5809395A JPH08227612A JP H08227612 A JPH08227612 A JP H08227612A JP 7058093 A JP7058093 A JP 7058093A JP 5809395 A JP5809395 A JP 5809395A JP H08227612 A JPH08227612 A JP H08227612A
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JP
Japan
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conductor
layer
powder
conductor paste
conductor layer
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JP7058093A
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English (en)
Inventor
Yoshikazu Nakada
好和 中田
Junzo Fukuda
順三 福田
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Sumitomo Metal SMI Electronics Device Inc
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Sumitomo Metal SMI Electronics Device Inc
Sumitomo Metal Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 導電性粒子として急冷凝固によるCu粒子か
らなるCu粉末を含有している導体ペースト組成物。 【効果】 この導体ペーストを使用してセラミックス基
板等の基板上に導体ペースト層を形成し、乾燥工程、及
び焼成工程を行うことにより、基板上に開孔等を含まな
い緻密なCu導体層を形成することができる。従って、
この方法により形成された基板上の導体層にメッキ前処
理又はメッキ処理を施しても、メッキ前処理液又はメッ
キ処理液が前記導体層の内部に侵入し、導体層とセラミ
ックス基板との境界部分に形成されているガラス層等を
侵食することはなく、導体層とセラミックス基板との接
着強度を維持することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は導体ペースト組成物に関
し、より詳細にはセラミックス基板等の表面に導体層を
形成するために使用する導体ペースト組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、電子機器はますます小型化、高密
度化が進んできており、これらに実装される電子部品の
狭ピッチ多ピン化や、マルチチップ化も急速に進められ
つつある。従って、LSI、ICチップのボンディング
法も従来のワイヤボンディング法から、マルチチップ化
や高密度実装に適したTAB(Tape Automated Bondin
g)方式又はC4(Controlled Collapse Chip Connecti
on )方式が採用されるようになってきている。
【0003】このような電子機器の高密度化に伴い、セ
ラミックス基板上に、線幅が100μm以下の微細配線
や直径が100μm以下のバンプ等の導体パターンを形
成する技術が要求されるようになってきている。また、
演算素子の動作周波数も高まり、高速動作時の伝搬遅延
を低減するために導体配線の導電性を向上させる必要が
生じてきている。なお、セラミックス基板の材質として
は、強度、絶縁性等の基板特性をバランスよく満足し、
製造コストが安価なアルミナが主に使用されている。
【0004】以下、セラミックス基板上に配線パターン
を形成する方法を説明することにする。
【0005】従来からのセラミックス基板上への配線パ
ターンの形成方法は、薄膜法、メッキ法、厚膜法等に大
別される。
【0006】前記薄膜法は、セラミックス基板に蒸着、
スパッタリング又はイオンプレーティング等により厚さ
数μmオーダーの導体金属層を形成する方法であり、こ
の方法ではフォトレジストを用いたフォトリソグラフィ
ーの手法が利用できることから、精度の高い微細配線を
形成できるという利点を有している。他方、この方法で
は形成された配線とセラミックス基板との密着性が低
い、工程数が他の方法と比較して多い、薄膜形成装置が
高価である等の問題点がある。
【0007】また、メッキ法は溶液中で電気化学的手法
によりセラミックス基板に導体配線を形成する方法であ
るが、上記した薄膜法とほぼ同様の問題点がある。
【0008】前記厚膜法は、導体粒子を溶剤等の液状成
分を含有する有機ビヒクル中に分散させた導体ペースト
を用い、この導体ペーストをスキージにてメッシュスク
リーンより吐出させることでセラミックス基板上に所定
パターンを印刷し、その後焼成することによりセラミッ
クス基板上に導体配線のパターンを形成する方法であ
る。
【0009】前記厚膜法はセラミックス基板との充分な
密着強度を有する配線パターンを低コストで形成するこ
とができるという優れた利点を有する。
【0010】しかし、前記導体ペーストをセラミックス
基板に印刷した際、導体ペースト中の液状成分が焼結体
内部に吸収されないため、印刷された導体ペースト中の
液状成分が横方向に広がる、いわゆる「にじみ」や「だ
れ」現象が発生し、配線の幅や配線間の距離が100μ
m以下の配線パターンを設計通り形成することができな
いという問題があった。
【0011】そこで近年、パターンの形成には前記薄膜
法の特徴であるフォトレジストを用いたフォトリソグラ
フィーを導入し、導体層を形成する方法としては前記厚
膜法の特徴である導体ペーストを用いる方法が種々試み
られている。この方法では、まずセラミックス基板の表
面にフォトレジスト層を形成した後、フォトリソグラフ
ィーの手法により前記フォトレジスト層に配線パターン
状に凹部(開口部)を形成し、その後導体ペーストを該
凹部に擦り込むことにより充填し、フォトレジスト層を
除去した後焼成することにより導体パターンを形成する
方法をとっている。そして、この方法によりほぼ薄膜法
と同等の精度を有する微細配線パターンを形成すること
ができる。
【0012】なお通常は、形成された導体層の酸化防
止、並びに導体層に半田を接合する際、半田層と導体層
との反応による前記導体層のセラミックス基板との密着
性の低下を防止し、導体層に対する半田濡れ性を確保す
るために、導体パターン形成後に導体層の表面にNiめ
っき及びAuめっきを施している。
【0013】前記方法によりセラミックス基板上に導体
パターンを形成する際、導体粒子として、例えばW、M
o、Ni、Au、Ag、Ag/Pd合金、Cu等を含有
する導体ペーストが用いられている。前述したように、
セラミックス基板上に形成する導体パターンは微細化さ
れてきており、配線の幅は細くなっているため、導体配
線に使用する導体金属はなるべく電気抵抗が低いものが
好ましい。前記金属の中で低抵抗の金属としては、A
u、Ag、Cuが挙げられるが、Auは高価であり、A
gは湿潤雰囲気下でマイグレーションを起こし易い等の
問題点を有するため、これらの中ではCuが最も好まし
い。
【0014】従来より、Cu粉末を含有する導体ペース
ト(以下、Cu導体ペーストと記す)に使用されるCu
粉末は、硫酸銅、酢酸銅、硝酸銅等のCu化合物の水溶
液にヒドラジン、ホルマリン等の各種還元剤を添加して
Cu粒子を晶出させる方法(湿式還元法)により製造さ
れていた。なお、前記セラミックス基板に前記Cu導体
ペーストを印刷、焼成することにより所定パターンを有
する導体層を形成した際、前記Cuを主成分とする導体
層(以下、Cu導体層と記す)とセラミックス基板との
密着性を高めるため、前記Cu導体ペーストには微量の
ガラス粉末及び金属酸化物粉末が添加されている。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記方
法により製造されたCu粉末が用いられたCu導体ペー
ストを使用してセラミックス基板上にCu導体パターン
を形成した場合には、以下に述べるような課題があっ
た。
【0016】すなわち、セラミックス基板上に形成され
たCu導体層にNiめっき及びAuめっきを施すと、セ
ラミックス基板との密着性が良好であったCu導体銅の
前記密着性が著しく低下するという課題があった。
【0017】本発明者は前記課題に鑑み、めっき処理を
施した後にもセラミックス基板との密着性が低下しない
導体パターンを形成することを目的として検討を行った
ところ、前記焼成により形成された所定パターンを有す
るCu導体層が完全に焼結していないために微少な開孔
が存在し、メッキ処理の際にメッキ液又はメッキ前処理
液が前記開孔の内部に侵入し、セラミックス基板とCu
導体層との界面に存在するガラス層等を化学的に侵食す
るためセラミックス基板とCu導体層との密着性が低下
することを見出し、本発明を完成するに至った。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明に係る導体ペース
ト組成物は、導電性粒子として急冷凝固によるCu粒子
からなるCu粉末を含有していることを特徴としてい
る。
【0019】まず、本発明に係る導体ペースト組成物に
ついて説明する。
【0020】本発明に係る導体ペースト組成物は、急冷
凝固によるCu粒子からなるCu粉末(以下、急冷凝固
Cu粉末と記す)を含有するが、その他に、通常、例え
ばガラス粉末、樹脂及び溶剤等を含有する。
【0021】前記急冷凝固とは、溶融状態の液体金属を
瞬間的に急冷することで粉末化する方法である。前記急
冷凝固法では、Cu金属が液状でランダムに運動してい
る溶融状態のものを瞬間的に冷却することにより固相に
転移させるため、Cu粒子内の内部応力が湿式還元法に
より製造した粒子内の内部応力よりも高いと考えられ
る。この急冷凝固法の具体例としては、例えばプラズマ
トーチ内にCu粉末を搬送ガスにより注入してプラズマ
内にてCu粉末を液化させ、プラズマ外に噴出させるこ
とで溶融Cu粒子を急冷却させるプラズマメルト法や、
るつぼ内でCuを溶融し、るつぼの底部に設けた孔より
溶融Cuを流出させる際、周囲から高圧の水、又はガス
を吹きつけて粉末状態で急冷却させるガスアトマイズ法
等が挙げられる。
【0022】前記急冷凝固Cu粉末の平均粒径は、0.
5〜9μmの範囲内にあるのが好ましい。前記急冷凝固
Cu粉末の平均粒径が0.5μm未満では、前記急冷凝
固Cu粉末の嵩比重が小さくなりペースト化のために多
量の溶剤を必要とするため、結果的には導体ペースト中
のCu粉末の含有率が低下し、セラミックス基板に焼き
付けた際、緻密に焼結したCu導体層が形成されず、他
方、前記急冷凝固Cu粉末の平均粒径が9μmを超える
と、微細なCu配線パターンを形成するのが難しくな
る。
【0023】前記導体ペースト組成物中の前記急冷凝固
Cu粉末の含有量は80〜90wt%が好ましい。
【0024】前記導体ペースト組成物中の急冷凝固Cu
粉末の含有量が80wt%未満であると形成される導体
層の導電率が小さくなり、メッキ付き性が不良となり、
他方急冷凝固Cu粉末の含有量が90wt%を超えると
Cu導体層のセラミックス基板に対する接着性が低下す
る。
【0025】上記したように、前記導体ペースト組成物
は、通常ガラス粉末を含有しているが、前記ガラス粉末
として、従来より導体ペーストに使用されている公知の
ものを使用することができる。前記ガラス粉末の具体例
としては、ホウ珪酸系ガラスに各種金属が添加されたも
の等が挙げられ、これらのホウ珪酸系ガラスでは、比較
的化学的耐久性に優れた鉛ホウ珪酸系ガラスが好まし
い。また、前記ガラス粉末の平均粒径は0.5〜9μm
の範囲内にあることが好ましい。前記ガラス粉末の平均
粒径が0.5μm未満であると、Cu導体層とセラミッ
クス基板との接着力が小さくなり、他方、前記ガラス粉
末の平均粒径が9μmを超えると、微細なCu導体層を
形成するのが難しくなる。なお、前記ガラス粉末に加え
て、Cu導体層をセラミックス基板と接着させる作用を
有する公知の金属粉末、例えば酸化銅、酸化亜鉛等の粉
末を添加してもよい。
【0026】前記導体ペースト組成物中のガラス粉末の
含有量は0.1〜7wt%が好ましい。前記ガラス粉末
の含有量が0.1wt%未満であると、形成されたCu
導体層のセラミックス基板に対する接着力が小さくな
り、他方、前記ガラス粉末の含有量が7wt%を超える
と、導電率が小さくなり、またメッキ付き性が不良とな
る。
【0027】前記導体ペースト組成物中には、通常、前
記急冷凝固Cu粉末及び前記ガラス粉末を分散させるた
めのビヒクルとして、有機樹脂(バインダー)及び溶剤
等が使用されている。
【0028】前記導体ペースト組成物用の樹脂として
は、例えばアクリル樹脂、セルロース樹脂、公知の樹脂
が挙げられる。これらの中では、優れた焼却性(セラミ
ックス基板を焼成した際に分解、焼失し易い特性)を有
するアクリル樹脂が好ましい。
【0029】前記導体ペースト組成物用の溶剤として
は、例えばテルピネオール、ジブチルフタレート等、公
知の溶剤が挙げられる。
【0030】この導体ペースト組成物中の前記樹脂の含
有量は0.5〜5wt%が好ましく、前記溶剤の含有量
は4〜9wt%が好ましい。
【0031】前記樹脂の含有量が0.5wt%未満では
印刷に必要な前記導体ペーストの粘度が小さくなりすぎ
るため前記導体ペーストの分散性が低下して凝集又は沈
殿し易くなり、塗布、乾燥後に固形物粉末を基板に接着
させることができない。他方前記樹脂の含有量が5wt
%を超えると、導体ペーストの粘度上昇により流動性が
低下して印刷を良好に行うことができなくなる。
【0032】また前記溶剤の含有量が4wt%未満では
導体ペーストの流動性が低下して印刷を良好に行うこと
ができなくなり、他方前記溶剤の含有量が9wt%を超
えると、固形物粉末の含有量が低くなるため、印刷した
導体ペーストを焼成する際に収縮が大きくなる。
【0033】前記導体ペーストの調製は3本ロールを使
用する方法等、公知の調製方法を用いて調製することが
できる。
【0034】このようにして調製された本発明に係る導
体ペースト組成物を用いてセラミックス基板上にCu導
体層を形成する。このセラミックス基板上へのCu導体
層の形成方法は特に限定されるものではないが、通常は
前記したように、フォトリソグラフィーの手法を応用し
てセラミックス基板上のフォトレジスト層にCu導体層
のパターン状に凹部を形成し、その後導体ペーストを用
いて前記凹部に導体ペーストを充填した後、焼成により
導体層を形成する方法を採用する。そこで、このCu導
体層の形成方法について以下に詳述する。
【0035】前記Cu導体層の形成方法においては、フ
ォトレジスト層形成工程として、まずセラミックス基板
上にフォトレジスト層を形成する。
【0036】本発明に使用するセラミックス基板は、配
線基板として使用できるものであれば特に限定されず、
その具体例としては、例えばアルミナ基板、ムライト基
板、ガラス基板、窒化アルミニウム基板等が挙げられ
る。また、前記セラミックス基板は、その内部に配線等
が形成された基板であってもよい。また前記セラミック
ス基板は、表面の凹凸が15μm以下であることが好ま
しい。表面の凹凸が15μm以上では、前記フォトレジ
スト層の厚さが不均一になるため、前記フォトレジスト
層にパターン精度の高い凹部を形成するのが困難になる
からである。
【0037】また、本発明に使用するフォトレジストと
しては、アルカリ現像が可能なものであれば、ネガ型の
ものでも、ポジ型のものでも使用することができる。
【0038】液状のポジ型フォトレジストを用いる場合
は、まず液状のポジ型フォトレジストを、例えばロール
コーター法、バーコーター法、ディップ法、ホイラー法
(スピンナー法)等の方法により前記セラミックス基板
表面に塗布した後、前記セラミックス基板をオーブンに
入れて約87〜90℃で30〜40分程度加熱し、前記
フォトレジストを乾燥、固化させる。前記液状のポジ型
フォトレジストとしては、例えばヘキストジャパン(Ho
echst Japan)社製のAZ4903、AZ4620/A、
東京応化工業社製のOPレジスト、東京エレクトロン社
製のアキュトレース、日本チバガイギー(Ciba-Geigy)社
製のプロビマー(PROBIMER)等が挙げられる。
【0039】形成するポジ型フォトレジスト層の厚みは
10〜50μmが好ましい。前記ポジ型フォトレジスト
層の厚みが10μm未満であるか、又は50μmを超え
ると、後工程において前記ポジ型フォトレジスト層に形
成された凹部に導体ペーストを完全に充填することが困
難になる。また、前記ポジ型フォトレジスト層の厚みが
50μmを超えると、微細パターンの形成が困難にな
る。なお、前記液状フォトレジストを用い、10〜50
μmのポジ型フォトレジスト層を前記セラミックス基板
上に均一に形成するには、前記塗布方法のうち、ロール
コーター法又はバーコーター法がより好ましい。液状の
ポジ型フォトレジストを使用することにより、セラミッ
クス基板上に形成されたフォトレジスト層はセラミック
ス基板の凹凸に余り影響されず、平坦性の高いフォトレ
ジスト層を形成することができる。
【0040】前記方法により形成されたポジ型フォトレ
ジスト層には、例えばフェノールノボラック樹脂とキノ
ンジアミド化合物との混合物、ポリメチルイソプロペニ
ルケトンと安息香酸誘導体との混合物等が使用されてい
る。
【0041】ネガ型フォトレジストを用いる場合も、液
状のネガ型フォトレジストを用い、前記ポジ型フォトレ
ジストの場合と同様の方法によりフォトレジスト層を形
成することができる。前記ネガ型フォトレジストとして
は、例えば東京応化工業社製のPMER−N−HC60
0、PMER−N−D40P、PMER−N−HC4
0、BMR−S−1000等が挙げられる。
【0042】前記方法により形成されたネガ型フォトレ
ジストの層は、例えば環化ポリイソプレンゴムとビスア
ジド化合物、ポリメチルイソプロペニルケトンとビスア
ジド化合物との混合物等から構成されている。
【0043】またネガ型又はポジ型のドライフィルムレ
ジストを用い、セラミックス基板上に前記ドライフィル
ムレジスト膜を接着してもよい。接着の方法としては、
前記ドライフィルムレジスト膜を100℃前後に加熱
し、熱圧着させる方法が簡単で好ましい。前記ドライフ
ィルムレジスト膜の厚さは、液状のフォトレジストを用
いて形成する場合と同様の厚さでよい。
【0044】ドライフィルムレジスト膜としては、例え
ばデュポン(Dupont)社製のリストン4713、473
3、日立化成工業(株)製のフォテック、三菱レイヨン
(株)製のダイヤロン等のような、一般に市販されてい
るネガ型のドライフィルムレジスト膜が挙げられる。
【0045】前記フォトレジストの中では、優れた解像
度を有すること、現像工程において膨潤がないこと、セ
ラミックス基板との密着性に優れること等から、液状の
ポジ型フォトレジストが好ましい。
【0046】次に、凹部形成工程として、前記セラミッ
クス基板上に形成された前記フォトレジスト層にCu導
体層のパターン状に凹部を形成する。
【0047】前記フォトレジスト層に前記凹部を形成す
る方法としては、フォトリソグラフィーの手法を用いる
方法と、レーザ光の照射によりフォトレジスト層を分
解、消失させる方法とがある。フォトリソグラフィーの
手法を用いる場合には、フォトレジストの種類により前
記凹部を形成する方法が多少異なるので、フォトレジス
トの種類に分けて説明することにする。
【0048】まず第1番目の方法として、フォトレジス
トとしてポジ型フォトレジストを用い、フォトリソグラ
フィーの手法により前記ポジ型フォトレジスト層に導体
層のパターン状に凹部を形成する方法について説明す
る。この場合には、前記ポジ型フォトレジスト層にCu
導体層のパターン状に紫外線が露光されるように設計さ
れたフォトマスクを介して紫外線を照射し、その後現像
処理を施すことにより、セラミックス基板上にCu導体
層のパターン状に凹部を形成する。
【0049】前記紫外線等による露光処理の条件は特に
限定されないが、露光量は通常700〜800mJ/c
2 が好ましい。前記露光量が700mJ/cm2 未満
であると現像により前記セラミックス基板の表面まで達
する凹部を完全に形成することが難しく、他方前記露光
量が800mJ/cm2 を超えるとオーバー露光とな
り、凹部の断面形状が逆台形になってしまう。
【0050】前記現像処理条件も特に限定されるもので
はなく、通常の現像処理で用いられている現像液(例え
ば、Na2 CO3 を0.5〜1wt%含有する水溶液)
を用い、スプレー法又は浸漬揺動法等により現像処理を
施すことができる。
【0051】上記方法によりポジ型フォトレジスト層
に、その幅又は直径が20μm程度以上で、お互いの間
隔が20μm程度まで近づいた凹部を形成することがで
き、後工程で該凹部に導体ペーストを充填することによ
り同様の精度のパターンを有するCu導体層を形成する
ことができる。
【0052】この後、後工程で導体ペーストを充填する
際に前記ポジ型フォトレジスト層の前記凹部が変形しな
いように、前記ポジ型フォトレジスト層を約87〜90
℃で30〜40分程度加熱処理してもよい。
【0053】次に、第2番目の方法として、フォトレジ
ストとしてネガ型フォトレジストを用いてセラミックス
基板上にネガ型フォトレジスト層を形成し、フォトリソ
グラフィーの手法によりCu導体層のパターン状に凹部
を形成する方法について説明する。
【0054】この場合、ネガ型フォトレジスト層に露光
処理及び現像処理を施し、前記ネガ型フォトレジスト層
に凹部を形成するが、所定パターンのCu導体層以外の
部分が露光されるように設計されたフォトマスクを用い
て露光処理を施す以外は、ほぼ前記した第1番目の方法
と同様の方法で露光処理を施し、現像処理を施す。この
時の露光量は20〜40mJ/cm2 程度が好ましく、
現像処理は同様の条件でよい。
【0055】第3番目の方法として、フォトレジストに
Cu導体層のパターン状にレーザ光を照射することによ
り、照射部分のフォトレジストを分解、消失させ、前記
フォトレジスト層にCu導体層のパターン状に凹部を形
成する方法について説明する。この場合、形成するフォ
トレジスト層は、ネガ型又はポジ型のいずれでもよい。
なお、レーザ光を使用する場合、前記凹部を形成する層
は必ずしもフォトレジスト層でなくてもよく、アルカリ
に可溶性の樹脂や水溶性の樹脂を用いて樹脂層を形成し
てもよい。しかし、フォトレジストはレーザ光照射とフ
ォトリソグラフィーの手法とを併用できるので、フォト
レジスト層の方が好ましい。
【0056】前工程で形成されたフォトレジスト層への
レーザ光の照射は、照射により形成される凹部がCu導
体層のパターン状になるようにポジ型フォトレジスト層
の表面を走査することにより行う。このとき、レーザ光
の強度を一定の範囲に設定することにより、セラミック
ス基板を傷つけることなく、照射した範囲のフォトレジ
スト層のみを完全に分解、消失させることができる。
【0057】このときのレーザ光の照射条件は、フォト
レジスト層の種類、材質、厚さ、セラミックス基板の種
類等により異なるが、例えばセラミックス基板上に25
μmの厚さのポジ型フォトレジスト層を形成する場合、
レーザ光の照射強度は0.5〜2J/cm2 程度が好ま
しく、またその走査速度は1〜10cm/sec程度が
好ましい。一方、エキシマレーザのエネルギーはレーザ
の機種、使用するガスに依存するが、ほぼ100〜30
0mJ/cm2 の範囲内にあり、必要とされる照射強度
に比べて低い。従って、照射強度を0.5〜2J/cm
2 に高めるために、レーザ光を実際に加工したいパター
ンの数倍の大きさのフォトマスクを通過させ、レンズ系
でサンプル上へ縮小投射する方法をとるのが好ましい。
【0058】なお、レーザ光を照射した際に加工周辺に
炭素が付着することがあるが、これはトルエン、キシレ
ン等の溶剤でふきとったり、前記溶剤を用いて超音波洗
浄すれば良い。トルエン、キシレンはフォトレジストを
溶解することはないので、加工部の形状が崩れることは
ない。また前記炭素はプラズマアッシングを行うことに
より取り除いてもよい。
【0059】用いるレーザは、上記した条件を満足する
ものであれば特に限定されないが、その具体例として
は、例えばエキシマレーザ、YAGレーザ等が挙げら
れ、これらの中ではエキシマレーザが好ましい。
【0060】このようにレーザを使用した場合において
も、その幅が10μm以上で、凹部同士の間隔が15μ
m程度まで近づいた凹部をフォトレジスト層に形成する
ことができる。従って、形成されるCu導体層のパター
ンもほぼ同様の精度となる。
【0061】次に導体ペースト充填工程として、前記し
た種々の方法により前記フォトレジスト層にCu導体層
のパターン状に形成された前記凹部に、本発明に係る導
体ペーストを充填する。
【0062】上記した組成の導体ペーストをフォトレジ
スト層の凹部に充填するには、例えばフッ素樹脂製又は
ゴム性のスキージを用い、導体ペーストの凹部に直接擦
り込むように充填する方法をとるのが好ましい。
【0063】前記方法により前記凹部に前記導体ペース
トを充填した場合、凹部以外のポジ型フォトレジスト層
の表面に導体ペーストが多少残存する場合もあるが、こ
の場合は導体ペーストの付着していないスキージを用い
て掻き取ることにより殆ど除去することができ、前記ポ
ジ型フォトレジスト層が傷つくこともない。さらに、前
記操作によっても除去できない極薄い導体ペーストの層
が存在する場合は、導体ペーストを乾燥させた後、ラッ
ピングフィルム(砥粒として粒径1μmのアルミナが被
着しているもの)を用いて研磨することにより除去する
ことができる。また、凹部内に導体ペーストの充填不良
が生じた場合には、充填方向を初期の充填方向より90
度変えて再度充填すれば、完全に充填することができ
る。
【0064】導体ペーストを充填した後は、接着工程と
して、前記工程を経たセラミックス基板に加熱処理を施
し、前記導体ペースト中の溶剤等を揮発させると同時
に、前記導体ペーストの乾燥体を前記セラミックス基板
に接着させる。加熱処理は、約87〜90℃で10〜2
0分程度行うのが好ましい。
【0065】次に、フォトレジスト層消失工程として、
前記導体ペーストが充填されたフォトレジスト層をアル
カリ性水溶液で処理して溶解し、前記フォトレジスト層
を消失させる。
【0066】前記アルカリ性水溶液は、前記フォトレジ
スト層を溶解し、かつ前記導体ペーストに使用した前記
樹脂やセラミックス基板の成分を溶解しない必要があ
る。このような条件を満足するアルカリ水溶液として
は、例えばNaOHやKOH等のアルカリ金属の水酸化
物を使用した0.25〜1.25Nのアルカリ性水溶液
又は硼酸カリウム、硼酸ナトリウム等のアルカリ金属の
硼酸化物を用いた0.5〜1.5Nのアルカリ性水溶液
等が挙げられる。前記アルカリ性水溶液の濃度が0.2
5N未満であると、フォトレジスト層の溶解速度が遅す
ぎるためにこの工程に長時間を要し、他方前記アルカリ
性水溶液の濃度が1.25Nを超えるとセラミックス基
板を溶解する場合がある。前記アルカリ性水溶液による
溶解、処理の時間は、30秒〜10分が好ましく、その
濃度は、0.5〜1.0Nがより好ましい。また、前記
アルカリ性水溶液としては、前記アルカリ金属水酸化物
の水溶液でなくても、pHが12〜14程度の強アルカ
リ性水溶液であれば使用可能である。この工程では、水
溶液を使用しているため、前記導体ペーストの乾燥体が
アルカリ性水溶液中に溶解することはない。
【0067】前記工程を経ることにより、セラミックス
基板上に導体ペースト乾燥体のみが残存し、これを焼成
処理することにより、前記導体ペースト乾燥体中の有機
分が分解、消失し、前記導体ペーストに含まれている金
属導体を含む成分が焼結して、セラミックス基板上に所
定パターンのCu導体層が形成される。
【0068】この際の焼成条件は、通常のCu導体ペー
ストを焼き付ける条件と同様でよい。前記焼成条件とし
ては、例えば窒素雰囲気下、又は微量の水蒸気/又は酸
素を含む窒素雰囲気下、最高加熱温度(ピーク温度)が
600〜900℃になるように加熱すればよい。
【0069】なお、前記フォトレジスト層の消失工程を
省略して焼成工程に移行することも可能であるが、フォ
トレジスト層の焼却による焼成炉内の汚染が著しく、焼
成炉の寿命を縮めるので好ましくない。
【0070】前記Cu導体層には、通常Niメッキ及び
Auメッキを順次施す。メッキ処理の方法は、電解メッ
キでも無電解メッキでもよいが、電解メッキを行う場合
には、Cu導体層からの引き出し線を予め形成しておく
必要があり、さらにメッキ処理後に引き出し線を切断す
る工程も必要とすることから、導体層へのメッキ処理は
無電解メッキ処理によるのが好ましい。前記無電解メッ
キ処理は、従来より公知の方法を用いて行うことがで
き、その方法は特に限定されるものではないが、例えば
以下に記載する方法により行うことができる。
【0071】まず、メッキ前処理工程として、Cu導体
層の表面にメッキ層を形成するための核となる触媒種を
吸着させる必要がある。通常この触媒種として、Pdが
用いられる。この触媒種を吸着させる方法として、いわ
ゆる二液法と一液法の2通りの方法が存在する。
【0072】二液法においては、先ずセラミックス基板
をSn2+イオンを含有する溶液に浸漬し、次にPd2+
オンを含有する溶液に浸漬することにより、Cu導体層
の表面にPdからなる触媒種を吸着させる。Sn2+イオ
ンを含有する溶液に浸漬する処理をセンシタイジングと
呼び、Pd2+イオンを含有する溶液に浸漬することをア
クチベーティングと呼ぶが、前記センシタイジングによ
り吸着力の強いSn2+イオンをCu導体層に吸着させ、
前記アクチベーティングによりCu導体層の表面でSn
2+イオンとPd2+イオンの置換還元反応を行うことによ
り、Cu導体層の表面に金属Pdを析出させる。
【0073】一液法においては、Sn2+イオンとPd2+
イオンとを混合した懸濁液に前記工程を経たセラミック
ス基板を浸漬することによりCu導体層の表面に金属P
dを析出させる。
【0074】前記メッキ前処理工程の後、従来から行わ
れている方法と同様の方法により、Cu導体層に無電解
Niメッキ処理及び無電解Auメッキ処理を順次施す。
この場合に使用する無電解メッキ液は、酸性、アルカリ
性又は中性のいずれであってもよい。
【0075】以上説明してきたような方法を採用するこ
とにより、セラミックス基板上に所定パターンのCu導
体層からなる配線層を形成することができる他、フリッ
プチップ方式によって集積回路等を実装する場合等に、
接続用のパッドとして用いられるバンプをセラミックス
基板上に形成することができる。また、配線と接続用パ
ッドを同一基板に同時に形成することも可能である。
【0076】なお、本発明に係る導体ペースト用組成物
は、基板上に導体ペーストを塗布した後に熱処理を行
い、導体ペースト中の有機分である樹脂等を分解、消失
させるとともに、Cu粉末を基板に焼結、接着させるこ
とによりCu導体層を形成する方法であれば、上記方法
に限らず、その他のどのような方法にも用いることがで
きる。
【0077】
【作用】本発明に係る導体ペースト組成物によれば、前
記導体ペースト組成物が導電性粒子として急冷凝固によ
るCu粒子からなるCu粉末を含有しているので、前記
導体ペーストを使用してセラミックス基板等の基板上に
前記導体ペースト層を形成し、乾燥工程、及び焼成工程
を行うことにより前記基板上に形成したCu導体層は、
開孔等を含まない緻密な導体層となる。
【0078】従って、前記方法により形成された導体層
にメッキ前処理又はメッキ処理を施しても、前記メッキ
前処理液又はメッキ処理液が前記導体層の内部に侵入
し、導体層とセラミックス基板との境界部分に形成され
ているガラス層等を侵食することはなく、導体層とセラ
ミックス基板との接着強度は維持される。
【0079】
【実施例及び比較例】以下、本発明の実施例に係る導体
ペースト組成物を用いてアルミナ基板上にCu導体配線
層を形成した製造例を図面に基づいて説明する。なお、
従来の導体ペースト組成物を用いてアルミナ基板上にC
u導体配線層を形成した比較製造例についても同様に説
明する。
【0080】[製造例1〜10、及び比較製造例1〜1
2]まず、厚さが2mmで1辺の長さが50mmの正方
形板状のアルミナ基板11の全面に液状ポジ型フォトレ
ジスト(ヘキストジャパン社製 AZ4903)をバー
コーターにて塗布し、前記液状ポジ型フォトレジストが
塗布されたアルミナ基板11を、プリベーク処理とし
て、90℃に保ったオーブン中にいれて30分間乾燥さ
せ、ポジ型フォトレジスト層12を形成した(図1
(a))。乾燥後のポジ型フォトレジスト層12の厚さ
は25μmであった。
【0081】次に、1辺の長さが2mmの正方形パター
ンを有するフォトマスク13を介して、ポジ型フォトレ
ジスト層12に露光量が700mJ/cm2 になるよう
に紫外線14による露光処理を施した(図1(b))。
【0082】次に、現像液(ヘキストジャパン社製の4
00Kと水とを1:4の割合で混合した溶液)に前記工
程を経たアルミナ基板11を浸漬し、浸漬揺動法により
現像処理を施して、Cu導体層パターン状の凹部15を
ポジ型フォトレジスト層12に形成した(図1
(c))。
【0083】次に、テフロン製のスキージ(サイズ:縦
50mm、横100mm、厚さ3mm)(図示せず)を
用い、凹部15に下記の4種類の実施例及び比較例に係
るCu導体ペーストA、B、C、Dを擦り込むようにし
て充填した。このときのスキージ移動速度は2.5mm
/秒に設定した。なお、Cu導体ペーストを構成するC
u粉末として、下記のA、B、C、Dの4種類の方法に
より製造されたCu粉末をそれぞれ用いた。また、使用
した導体ペーストA、B、C、Dについても、使用した
Cu粉末とその組成を下記している。なお、導体ペース
トA、Bは実施例に係る導体ペーストであり、導体ペー
ストC、Dは比較例に係る導体ペーストである。以下、
導体ペースト、センシタイジング液、無電解Niメッキ
液については、下記の表1に記載した組み合わせで用い
ることにより、アルミナ基板11上に導体配線層を形成
した。
【0084】その後、前記工程を経たアルミナ基板11
をオーブンにいれ、90℃で10分間熱処理を施し、溶
剤を揮発させることによりCu導体ペースト乾燥体16
とするとともに、Cu導体ペースト乾燥体16中の原料
粉末をアルミナ基板11に接着させた。その後、ラッピ
ングフィルム(砥粒として粒径1μmのアルミナが被着
しているもの)を用いてポジ型フォトレジスト層12の
表面を約10秒間研磨し、余剰の導体ペースト層(厚
さ:2μm)を除去した(図1(d))。
【0085】次に、前記工程を経たアルミナ基板11を
室温のNaOH3%水溶液に1分間浸漬し、ポジ型フォ
トレジスト層12を消失させ、アルミナ基板11上にC
u導体ペースト乾燥体16のみを残した(図1
(e))。
【0086】次に、前記工程を経たアルミナ基板11を
純窒素ガス雰囲気中、900℃で焼成することにより、
導体ペースト乾燥体16中の樹脂分を分解、焼失させる
と共に、Cu粉末の焼結とアルミナ基板11への接着を
行い、Cu導体層17をアルミナ基板11上に形成した
(図1(f))。
【0087】次にメッキ前処理として、前記工程を経た
アルミナ基板11を下記の組成を有するセンシタイジン
グ液A又はBに約2分間浸漬した後、PdCl2 を0.
3g/リットル、及びHClを10ml/リットル含有
する液温が50℃のアクチベーティング溶液に2分間浸
漬し、Pd金属をCu導体層17に吸着させた。
【0088】次に、前記メッキ前処理を行ったアルミナ
基板11を下記の無電解Niメッキ液A、B、Cに15
〜20分間浸漬することにより無電解Niメッキ処理を
施し、次に、前記処理の終わったアルミナ基板11を、
KAu(CN)2 を主成分として 3g/リットル含有
するpHが5.8のメッキ液(奥野製薬工業(株)製)
に液温が90℃の条件で15分間浸漬することにより無
電解Auメッキ処理を施し、Cu導体層17上に厚さが
2.5μmのNiメッキ層、及び厚さが2.5μmのA
uメッキ層からなるメッキ層18を形成し、アルミナ基
板11上にメッキ層18を有するCu導体配線層19の
形成を終了した(図1(g))。なお、前記メッキ前処
理工程及び前記メッキ処理工程において、各溶液から取
り出したサンプルは十分に水洗して次の溶液に浸漬し
た。
【0089】このようにして、アルミナ基板11上に形
成したCu導体層17のメッキ処理前及びメッキ処理後
の接着強度を、下記の90°ピールテストにより測定し
た。
【0090】すなわち、Cu導体配線層19等を有する
アルミナ基板11を230±5℃のPb−Sn共晶ハン
ダで満たされたハンダ槽に5±0.5秒間ハンダディッ
プし、1辺の2mmの正方形のCu導体配線層19より
なるパッド部に半田層を形成した。次に、前記パッド部
の上に直径1mmのスズメッキCu線を半田によりL字
状に接着し、引張試験機にて該スズメッキCu線を垂直
上方に10mm/分の速度で引っ張り、破断したときの
強度を接着強度とした。
【0091】使用した導体ペースト、センシタイジング
液、無電解Niメッキ液の種類、メッキ処理前のCu導
体層の接着強度、メッキ処理後のCu導体層の接着強度
及び評価結果を下記の表1に記載している。
【0092】なお、接着強度についての評価は、メッキ
処理後のCu導体配線層19の接着強度が3.0kgf
/2mm□以上のものを○とし、前記接着強度が3.0
kgf/2mm□未満のものを×とした。
【0093】Cu粉末の種類、Cu導体ペーストの組
成、メッキ前処理に用いたシンシタイジング液の組成、
及び無電解Niメッキ液の組成を以下に記載する。
【0094】(1) Cu粉末の種類 Cu粉末A:プラズマ溶融法により製造した平均粒
径1μm(10%径0.3μm、90%径2μm)の急
冷凝固Cu粉末((株)ニューメタルス エンド ケミ
カルス コーポレーション製 商品名CuLox601
0) Cu粉末B:プラズマ溶融法により製造した平均粒
径3μm(10%径1μm、90%径5μm)の急冷凝
固Cu粉末((株)ニューメタルス エンドケミカルス
コーポレーション製 商品名CuLox6030) Cu粉末C:湿式還元法により製造した平均粒径
1.8μm(10%径0.7μm、90%径3.5μ
m)のCu粉末(デグサジャパン(株)製 商品名CU
POWDER #10) Cu粉末D:湿式還元法により製造した平均粒径
2.0μmのCu粉末(京都エレックス(株)製 商品
名C−200) (3) メッキ前処理に使用したセンシタイジング液の種類 センシタイジング液A SnCl2 :10g/リットル (酸性) HCl :40ml/リットル 浴温 50℃ センシタイジング液B SnCl2 :100g/リットル (アルカリ性) ロッシェル塩:175g/リットル NaOH :150g/リットル 浴温 50℃ (4) 無電解Niメッキ液の組成 無電解Niメッキ液A NiCl2 :30g/リットル (酸性) NaPH22 :10g/リットル オキシ酢酸Na :50g/リットル pH 5 浴温 90℃ 無電解Niメッキ液B NiCl2 :30g/リットル (アルカリ性) NaPH22 :10g/リットル NH4 Cl :50g/リットル pH 9 浴温 90℃ 無電解Niメッキ液C NiSO4 :20g/リットル (アルカリ性) KNaC446 :40g/リットル NaBH4 :2.3g/リットル NaOH :適量 pH 12.5 浴温 45℃
【0095】
【表1】
【0096】上記表1の結果より明らかなように、実施
例に係る導体ペースト組成物を使用してアルミナ基板1
1上に形成したCu導体層17は、メッキ処理後も接着
強度が3.0kg/2mm□以上と大きく、メッキ処理
によりCu導体層17とアルミナ基板11との接着強度
が余り低下していないのに対し、比較例に係るCu導体
ペーストを使用してアルミナ基板11上に形成したCu
導体層は、前記メッキ処理によりその接着強度が3.0
kg/2mm□より大きく低下しており、前記メッキ処
理によりCu導体層とアルミナ基板11との接着強度を
低下させる作用(Cu導体配線層とアルミナ基板との接
着を行っているガラス層の侵食)が働いていると考えら
れる。
【0097】そこで、実際に形成されたCu導体層の焼
結体組織がどのようになっているかを走査型電子顕微鏡
(SEM)写真で撮影した。
【0098】図2及び図3は、製造例1の場合にアルミ
ナ基板11上に形成されたCu導体層17のめっき処理
前の外観及び焼結体組織をそれぞれ撮影したSEM写真
であり、図4及び図5は比較製造例1の場合にアルミナ
基板11上に形成されたCu導体層のめっき処理前の外
観及び焼結体組織をそれぞれ撮影したSEM写真であ
る。
【0099】図2〜図5より明らかなように、製造例1
の場合には緻密な組織を有する焼結体が形成されてお
り、このような緻密な組織のCu導体層17の場合に
は、めっき処理を行っても、めっき液が焼結体の内部に
浸透することはないと考えられる。しかし一方、比較製
造例1の場合には、多孔質の焼結体が形成されており、
このような多孔質の組織を有するCu導体層の場合に
は、めっき処理を行うと、上記したガラス層の侵食が生
じることは十分に考えられる。
【0100】
【発明の効果】以上詳述したように本発明に係る導体ペ
ースト組成物にあっては、導電性粒子として急冷凝固に
よるCu粒子からなるCu粉末を含有しているので、前
記導体ペーストを使用してセラミックス基板等の基板上
に前記導体ペースト層を形成し、乾燥工程、及び焼成工
程を行うことにより、前記基板上に開孔等を含まない緻
密なCu導体層を形成することができる。
【0101】従って、前記方法により形成された基板上
の導体層にメッキ前処理又はメッキ処理を施しても、前
記メッキ前処理液又はメッキ処理液が前記導体層の内部
に侵入し、導体層とセラミックス基板との境界部分に形
成されているガラス層等を侵食することはなく、導体層
とセラミックス基板との接着強度を維持することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)〜(g)は実施例に係る導体ペースト組
成物を使用してアルミナ基板上にCu導体層を形成する
工程を模式的に示した断面図である。
【図2】製造例1の場合にアルミナ基板上に形成された
Cu導体層のめっき処理前の外観を撮影したSEM写真
である。
【図3】製造例1の場合にアルミナ基板上に形成された
Cu導体層のめっき処理前の焼結体組織を撮影したSE
M写真である。
【図4】比較製造例1の場合にアルミナ基板上に形成さ
れたCu導体層のめっき処理前の外観を撮影したSEM
写真である。
【図5】比較製造例1の場合にアルミナ基板上に形成さ
れたCu導体層のめっき処理前の焼結体組織を撮影した
SEM写真である。
【符号の説明】
16 Cu導体ペースト乾燥体

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性粒子として急冷凝固によるCu粒
    子からなるCu粉末を含有していることを特徴とする導
    体ペースト組成物。
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