JPH1092428A - 非水電解液二次電池 - Google Patents

非水電解液二次電池

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JPH1092428A
JPH1092428A JP8242087A JP24208796A JPH1092428A JP H1092428 A JPH1092428 A JP H1092428A JP 8242087 A JP8242087 A JP 8242087A JP 24208796 A JP24208796 A JP 24208796A JP H1092428 A JPH1092428 A JP H1092428A
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JP
Japan
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current collector
negative electrode
carbonaceous material
slurry
longitudinal direction
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JP8242087A
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English (en)
Inventor
Katsuyuki Sakurai
勝之 櫻井
Takashi Kishi
敬 岸
Takahisa Osaki
隆久 大崎
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Publication date
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

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  • Carbon And Carbon Compounds (AREA)
  • Inorganic Fibers (AREA)
  • Nonwoven Fabrics (AREA)
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  • Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 負極を改良することにより放電容量及びサイ
クル寿命が向上された非水電解液二次電池を提供するも
のである。 【解決手段】 正極4と、集電体及び前記集電体に担持
され、リチウムイオンを吸蔵・放出する繊維状炭素質材
料を備えた負極6と、非水電解液とを具備し、前記負極
6の繊維状炭素質材料のうち60体積%以上の繊維状炭
素質材料は、前記集電体の長手方向に沿う端部とのなす
角が45度〜135度になる方向に繊維長を有すること
を特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、非水電解液二次電
池に関し、特に負極を改良した非水電解液二次電池に係
わるものである。
【0002】
【従来の技術】近年、VTR、携帯電話、パソコンなど
各種電子機器、コードレス機器の小型、軽量化にともな
い、それらの電源として高エネルギー密度を要した二次
電池の要求が高まり、負極活物質に金属リチウムを使用
したリチウム二次電池が提案されている。
【0003】しかしながら、負極活物質に金属リチウム
を使用したリチウム二次電池においては、放電時にリチ
ウムイオンとして非水電解液中に溶解したリチウムは、
充電時に前記非水電解液から析出する際に前記電解液に
含まれる非水溶媒と反応して表面が一部不活性化され
る。その結果、充放電を繰り返していくと、負極のリチ
ウム表面の凸部分に電析してデントライド状(樹枝状)
にリチウムが析出し、これがセパレータを貫通して正極
と接触することにより内部短絡が生じたり、リチウムが
負極の集電体より離脱するなどの現象が生じる。
【0004】そこで、リチウム二次電池用負極として例
えばコークス、樹脂焼成体、炭素繊維、熱分解気相炭素
のようなリチウムを吸蔵・放出する炭素質物を用いるこ
とによってデンドライド析出の問題を解消することが提
案されている。
【0005】前記炭素質物として繊維状の炭素質材料を
含む負極としては、炭素質材料の充填密度及び負極のエ
ネルギー密度の向上を図るため、結着型のシート電極形
態のものが用いられる。このような負極は、負極作製に
おける作業効率の向上と省スペース化を図るため、次に
説明する方法で作製される。すなわち、結着剤を溶媒に
溶解させた分散液と繊維状の炭素質材料を混合してスラ
リーを調製し、これを帯状集電体にその長手方向に沿っ
て塗布し、乾燥し、プレスを施す。これを長手方向に沿
って裁断することにより短冊状の負極を作製する。
【0006】しかしながら、このような方法により得ら
れた負極と正極の間にセパレータを介在し、これを渦巻
状に捲回して作製された電極群を備えた非水電解液二次
電池は、放電容量及びサイクル寿命が低く、製造時の内
部短絡発生率が高いという問題点がある。
【0007】すなわち、前述した方法で作製された負極
においては、炭素質物が繊維状であるため、帯状集電体
にスラリーを前記帯状集電体の長手方向に沿って塗布す
ると、前記スラリー中の繊維状炭素質物の大部分はほぼ
塗布方向、つまりほぼ前記帯状集電体の長手方向に繊維
長を有するように配置される。この帯状集電体を乾燥
し、長手方向に沿って裁断することにより短冊状の負極
を作製すると、前記繊維状炭素質物の多くはほぼ前記負
極の長手方向に繊維長を有するように配置されることに
なる。この負極と正極の間にセパレータを介在し、渦巻
状に捲回して電極群を作製すると、前記負極は長手方向
と直交する端部を巻始端部にして捲回されるため、前記
繊維状炭素質材料は負極が捲回される方向(負極捲回時
に曲率がかかる方向)に繊維長を有することとなり、捲
回時に前記繊維状炭素質材料が前記集電体から剥離し、
前記繊維状炭素質材料が割れて前記集電体から脱落す
る。このため、前記負極の容量が減少し、サイクル寿命
の低下を招く。また、脱落した繊維状炭素質材料が正極
と接触すると内部短絡を生じるため、炭素質材料の脱落
は歩留まりの低下を招く。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、負極を改良
することにより放電容量及びサイクル寿命が向上された
非水電解液二次電池を提供しようとするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明に係わる非水電解
液二次電池は、正極と、集電体及び前記集電体に担持さ
れ、リチウムイオンを吸蔵・放出する繊維状炭素質材料
を備えた負極と、非水電解液とを具備し、前記負極の繊
維状炭素質材料のうち60体積%以上の繊維状炭素質材
料は、前記集電体の長手方向に沿う端部とのなす角が4
5度〜135度になる方向に繊維長を有することを特徴
とするものである。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係わる非水電解液
二次電池(例えば円筒形非水溶媒二次電池)を図1を参
照して詳細に説明する。例えばステンレスからなる有底
円筒状の容器1は、底部に絶縁体2が配置されている。
電極群3は、前記容器1内に収納されている。前記電極
群3は、正極4、セパレータ5及び負極6をこの順序で
積層した帯状物を前記セパレータ5が外側に位置するよ
うに渦巻き状に巻回した構造になっている。前記セパレ
ータ5は、例えば合成樹脂製不織布、ポリエチレン多孔
質フィルム、ポリプロピレン多孔質フィルムから形成さ
れる。
【0011】前記容器1内には、非水電解液が収容され
ている。中央部が開口された絶縁紙7は、前記容器1内
の前記電極群3の上方に載置されている。絶縁封口板8
は、前記容器1の上部開口部に配置され、かつ前記上部
開口部付近を内側にかしめ加工することにより前記封口
板8は前記容器1に液密に固定されている。正極端子9
は、前記絶縁封口板8の中央には嵌合されている。正極
リード10の一端は、前記正極4に、他端は前記正極端
子9にそれぞれ接続されている。前記負極6は、図示し
ない負極リードを介して負極端子である前記容器1に接
続されている。
【0012】次に、前記正極4、前記負極6および非水
電解液を具体的に説明する。 1)負極6 前記負極6は、例えば図2に示すように、繊維状炭素質
材料11を含む活物質層12が集電体に積層されたもの
から形成される。前記繊維状炭素質材料11のうち60
体積%以上の繊維状炭素質材料11は、前記集電体の長
手方向(矢印方向)に沿う端部13とのなす角αが45
度〜135度の範囲になる方向に繊維長を有する。
【0013】このような負極6において、前記繊維状炭
素質材料11は、その軸が前記集電体の表面と平行な状
態で前記集電体に担持されていて良いが、例えば図3に
示すような軸14と集電体15表面とが所望の角度βを
なす傾いた状態で前記集電体15に担持されていても良
い。
【0014】繊維状炭素質材料が繊維長を有する方向を
集電体の長手方向に沿う端部に対するなす角αが45度
〜135度の範囲になる方向に規定するのは次のような
理由によるものである。前記なす角αが前記範囲を外れ
ると、渦巻形電極群作製時における繊維状炭素質材料の
集電体からの脱落が顕著になる。より好ましい角度α
は、70度〜110度の範囲である。
【0015】前記角度αで規定される方向に繊維長を有
する繊維状炭素質材料の存在比率を前記範囲に規定する
のは次のような理由によるものである。前記存在比率を
60体積%未満にすると、渦巻形電極群作製時における
繊維状炭素質材料の集電体からの脱落が顕著になる恐れ
がある。また、前記角度αで規定される方向に繊維長を
有する繊維状炭素質材料の存在比率は100%でも良
い。前記存在比率は80%以上であることがより好まし
い 前記繊維状炭素質材料としては、例えば、メソフェーズ
ピッチ系炭素繊維、PAN系炭素繊維、フェノール樹
脂、ポリイミドを用いた炭素質材料で繊維形状のもの、
気相成長炭素体で繊維形状のもの等を挙げることができ
る。また、前記繊維状炭素質材料には、炭素繊維を粉砕
して粒状形態にしたものも包含される。
【0016】前記繊維状炭素質材料は、平均繊維長が1
0〜100μmで、平均繊維径が1〜20μmで、アス
ペクト比が2以上で、比表面積が0.1〜5m2 /gの
範囲であることが好ましい。このような繊維状炭素質材
料のX線回折法による(101)回折ピークP101
(100)回折ピークP100 のピーク強度比(P101
100 )は、1.2以上であることが好ましい。更に、
前記繊維状炭素質材料は、面間隔d002 が0.3354
〜0.3370nm(より好ましくは0.3354nm
〜0.3359nm)の範囲で、かつLaが60nm以
上で、Lcが40nm以上であることがより好ましい。
【0017】前記繊維状炭素質材料は、横断面の黒鉛結
晶の配向が放射状をなしていることが好ましい。前記放
射状配向とはラメラ型、ブルックステーラ型に属する配
向も包含する。このような配向性を有する繊維状炭素質
材料は側面からのLiイオンの挿入・脱離反応が容易で
あり、大電流放電特性および寿命特性が向上される。た
だし、繊維状炭素質材料における横断面の黒鉛結晶の配
向として同軸同管状(オニオン型)を有すると、リチウ
ムイオンの内部拡散を妨げる恐れがある。
【0018】前記繊維状炭素質材料の横断面の黒鉛結晶
の配向を放射状にする場合、前記繊維状炭素質材料のう
ち50体積%以上の繊維状炭素質材料の軸と前記集電体
の表面とのなす角を0゜から±45゜の範囲の角度にす
ると良い。繊維状炭素質材料の軸と集電体表面との位置
関係をこのようにすることによって、前記負極のリチウ
ムイオンの吸蔵放出量及び速度を向上することができる
ため、前記二次電池の大電流放電特性を改善することが
できる。
【0019】前記負極には、球状、薄片状および粒状か
ら選ばれる少なくとも1種の炭素粉末を添加することが
できる。このような炭素粉末及び繊維状炭素質材料を含
む負極は、前記炭素粉末によって前記繊維状炭素質材料
間及び繊維状炭素質材料と集電体との密着性を高めるこ
とができ、繊維状炭素質材料を集電体の長手方向と直交
する方向に繊維長を有するように配置することができ、
かつこのような配置の繊維状炭素質材料の割合を高める
ことができるため、捲回時に集電体から前記繊維状炭素
質材料が剥離するのを回避することができる。このた
め、渦巻き形電極群作製時の繊維状炭素質材料の脱落を
より一層低減することができる。また、前記負極は、充
填密度を向上することができる。
【0020】前記炭素粉末は、例えば、メソフェーズ小
球体、コークス、気相成長炭素体の炭素化物、黒鉛化
物、人工黒鉛または天然黒鉛から形成することができ
る。前記集電体としては、例えば、銅箔、電解銅箔、ニ
ッケル箔、ステンレス箔等を挙げることができる。
【0021】前記負極は、例えば以下に説明する(A)
または(B)の方法によって作製することができる。 (A)連続塗工法 前記繊維状炭素質材料を含む炭素質物と例えばNメチル
2ピロリドンのような溶媒に結着剤を溶解させたものを
混合し、スラリーを調製する。得られたスラリーを帯状
集電体にその長さ方向に沿って連続塗工した後、乾燥
し、圧延を施す。これを前記帯状集電体の長手方向と直
交する方向に沿って一定の間隔を開けてスリットするこ
とにより図4に示す繊維状炭素質材料11を含む活物質
層12が集電体に積層された構造を有し、かつ前記繊維
状炭素質材料11のうち60体積%以上の繊維状炭素質
材料11が前記集電体の長手方向側の端部とのなす角が
45度〜135度になる方向に繊維長を有する負極6を
作製する。なお、図4において、点線は、スラリー充填
帯状集電体にスリット加工を施す位置を示す。
【0022】(B)間欠塗工法 前記繊維状炭素質材料を含む炭素質物と例えばNメチル
2ピロリドンのような溶媒に結着剤を溶解させたものを
混合し、スラリーを調製する。次いで、帯状集電体に一
定の間隔で未塗工領域を形成しながら前記集電体の幅方
向に沿ってスラリーを塗工する。これを乾燥し、圧延を
施す。得られたスラリー塗工帯状集電体を長手方向に沿
ってスリットすることにより図5に示す繊維状炭素質材
料11を含む活物質層12が集電体15に積層された構
造を有し、かつ前記繊維状炭素質材料11のうち60体
積%以上の繊維状炭素質材料11が前記集電体15の長
手方向側の端部とのなす角が45度〜135度になる方
向に繊維長を有する負極6を作製する。なお、図5にお
いて、点線は、スラリー充填帯状集電体にスリット加工
を施す位置を示す。
【0023】前記(A)及び(B)の方法のうち、
(B)の間欠塗工法は集電体代が生じ、切断が容易、タ
ブが取り付け易く、また導電性が良好となり、電池特性
及び安全性を向上することができる。
【0024】前記(A)及び(B)の方法において、前
記結着剤としては、例えば、ポリフッ化ビニリデン(P
VDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、
エチレン−プロピレン−ジエン共重合体(EPDM)、
スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、カルボキシメチ
ルセルロース(CMC)、ニトリル−ブタジエンゴム
(NBR)、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピ
レン−テトラフルオロエチレン3元系共重合体、フッ化
ビニリデン−トリフルオロエチレン共重合体{P(VD
F−TrFE)}、フッ化ビニリデン−テトラフルオロ
エチレン共重合体{P(VDF−TeFE)}等を挙げ
ることができる。
【0025】前記結着剤の配合割合は、前記炭素質物1
00重量部に対し2〜10重量部の範囲にすることが好
ましい。前記圧延工程は、少なくとも2回以上圧延操作
を行い、かつ初回の圧延をこの圧延後における充填密度
が目標充填密度の75〜95%になるように行うことが
好ましい。このような圧延工程を行うことによって作製
された負極は、繊維状炭素質材料の配向を揃えることが
できると共に、繊維状炭素質材料の充填密度を高く、か
つ均一にすることができるため、捲回時の繊維状炭素質
材料の脱落を大幅に低減することができる。また、前記
負極は、圧延工程における繊維状炭素質材料の割れを防
止することができるため、粉落ち、接着面積の低下、圧
延ロールへの付着を回避することができる。より好まし
い前記初回の圧延後における充填密度は、目標充填密度
に対して85〜90%である。
【0026】前記圧延工程において、上下の圧延ロール
により40〜90℃に加熱することを許容する。このよ
うに圧延工程で加熱することにより前記スラリー中の結
着剤が軟化するため、繊維状炭素質材料の充填密度がさ
らに向上される。特に、より少ない圧延回数で所望の充
填密度に到達させることが可能になる。また、圧延工程
後における負極膜厚の戻りを低減することができる。さ
らに、結着剤が軟化して接着有効面積が大きくなるた
め、炭素質材料間の結着性および炭素質材料と集電体と
の密着性が向上し、容量特性、大電流特性が向上され
る。
【0027】また、繊維状炭素質材料としてメソフェー
ズピッチ系炭素繊維を用いる負極を前述した多段階圧延
を含む方法によって作製すると、集電体における特定の
方向に繊維長を有する炭素繊維の割合及び充填密度を大
幅に向上することが可能になる。更に、前記負極に、球
状、薄片状および粒状から選ばれる少なくとも1種の炭
素粉末として黒鉛化物、人工黒鉛または天然黒鉛からな
るものを添加すると、黒鉛粉末の自己潤滑的な性質から
圧延が容易になると共に圧延時に炭素繊維が動きやすく
なるため、充填密度を向上することができる。
【0028】2)正極 この正極は、正極活物質に導電材および高分子からなる
バインダを含む正極層を集電体に被覆した構造を有す
る。
【0029】正極活物質としては、例えば二酸化マンガ
ン、リチウムマンガン複合酸化物(例えばLiMnO
2 、LiMn24 )、リチウム含有ニッケル酸化物
(例えばLiNiO2 )、リチウム含有コバルト酸化物
(例えばLiCoO2 )、リチウム含有ニッケル酸化
物、コバルト酸化物またはリチウムを含むバナジウム酸
化物、二硫化チタン、二硫化モリブデンなどのカルコゲ
ン化合物を用いることができる。
【0030】前記導電材としては、例えばアセチレンブ
ラック、カーボンブラック、黒鉛等を挙げることができ
る。前記バインダとしては、例えばポリテトラフルオロ
エチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVD
E)、エチレン・プロピレンジエン共重合体(EPD
M)、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン−
テトラフルオロエチレン三元系共重合体等を用いること
ができる。
【0031】前記集電体としては、例えばアルミニウム
箔、ステンレス箔、ニッケル箔等を用いることができ
る。前述した正極は、例えば次のような方法により作製
される。
【0032】(a)正極活物質に導電材および高分子か
らなるバインダを適当な溶媒に懸濁して正極ペーストを
調製した後、この正極ペーストを集電体に塗布、乾燥す
ることにより正極を作製する。
【0033】(b)前記正極活物質を導電材およびバイ
ンダと共に成形したペレット、または前記正極活物質を
導電材およびバインダと共に混練、シート化したシート
を集電体に貼着することにより正極を作製する。
【0034】3)非水電解液 この非水電解液は、非水溶媒に電解質を溶解した組成を
有する。前記非水溶媒としては、例えばプロピレンカー
ボネート、エチレンカーボネート、ジメチルカーボネー
ト、ジエチルカーボネート、メチルエチルカーボネー
ト、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラ
ン、γ−ブチロラクトン、1,2−ジメトキシエタン、
1,2−ジエトキシエタン、エトキシメトキシエタン、
アセトニトリル、酢酸エチル、酢酸メチル、ジエトキシ
エタン、1,3−ジオキソラン、1,3−ジメトキシプ
ロパンから選ばれる1種または2種以上の混合物を挙げ
ることができる。中でも、プロピレンカーボネート及び
/またはエチレンカーボネートからなる第1溶媒とジメ
チルカーボネート、メチルエチルカーボネート、ジエチ
ルカーボネート、γ−ブチロラクトン、1,2−ジメト
キシエタン、1,2−ジエトキシエタン及びエトキシメ
トキシエタンから選ばれる1種以上の第2溶媒との混合
溶媒を用いるのが好ましい。
【0035】前記電解質としては、例えばホウフッ化リ
チウム(LiBF4 )、六フッ化リン酸リチウム(Li
PF6 )、過塩素酸リチウム(LiClO4 )、六フッ
化砒素リチウム(LiAsF6 )、トリフルオロメタス
ルホン酸リチウム(LiCF3 SO3 )、四塩化アルミ
ニウムリチウム(LiAlCl4 )、ビストリフルオロ
メチルスルホニルイミドリチウムから選ばれる1種また
は2種以上のリチウム塩を挙げることができる。前記電
解質の前記非水溶媒に対する溶解量は、0.5〜1.5
モル/lにすることが好ましい。
【0036】以上説明した本発明に係る非水電解液二次
電池によれば、繊維状炭素質材料のうち60体積%以上
の繊維状炭素質材料が集電体の長手方向に沿う端部との
なす角が45度〜135度の範囲になる方向に繊維長を
有するように負極中に存在しているため、正極と負極の
間にセパレータを介在し、これを渦巻状に捲回する際、
前記負極の集電体から前記繊維状炭素質材料が剥離する
のを回避することができ、前記繊維状炭素質材料に割れ
が生じて前記繊維状炭素質材料が集電体から脱落するの
を抑制ないし防止することができる。従って、放電容量
及び充放電サイクル寿命が向上された非水電解液二次電
池を提供することができる。また、前記二次電池は、組
み立て時の内部短絡を低減することができるため、歩留
まりを向上することができる。
【0037】
【実施例】以下、本発明の実施例を前述した図1を参照
して詳細に説明する。 実施例1 <正極の作製>リチウムコバルト酸化物(Lix CoO
2 (0.8≦x≦1))粉末100重量%をアセチレン
ブラック2.5重量%、グラファイト2.5重量%及び
ポリフッ化ビニリデン(PVDF)5重量%とNメチル
2ピロリドンを加えて混合し、分散液とし、アルミニウ
ム箔(15μm)集電体に塗布した後、プレスすること
により正極を作製した。
【0038】<負極の作製>繊維状炭素質材料としての
平均繊維径7μm、平均繊維長が25μmのメソフェー
ズピッチ系炭素繊維を、結着剤として前記炭素質粉末1
00重量%に対してカルボキシメチルセルロースを1.
0重量%、スチレン−ブタジエンゴムを1.2重量%と
溶媒の水と共に混合し、スラリーを調製した。次いで、
前記スラリーを帯状の銅箔(集電体)上にその長手方向
に沿って塗布し、乾燥した。得られたスラリー塗工集電
体の充填密度は1.23g/cm3 であった。
【0039】前記スラリー塗工集電体に対して初回圧延
を目標充填密度1.35〜1.40g/cm3 に対して
90%になるように行い、2パス目及び3パス目の圧延
は初回圧延と同じプレス圧で行った後、充填密度が1.
38g/cm3 の活物質層で表面を被覆した帯状集電体
を作製した。
【0040】得られた帯状集電体の表面を観察したとこ
ろ、炭素繊維は、帯状集電体の長手方向に沿う端部に対
するなす角が±20度になる方向に繊維長を有してい
た。この帯状集電体を長手方向に直交する方向に沿って
スリットすることにより短冊状の負極を得た。
【0041】前記負極の表面を観察したところ、全ての
炭素繊維は、負極の長手方向に沿う端部に対するなす角
が70度〜110度になる方向に繊維長を有していた。 <電極群の作製>前記正極、ポリエチレン製多孔質フィ
ルムからなるセパレータおよび前記負極をそれぞれこの
順序で積層した後、前記セパレータが外側に位置するよ
うに渦巻き状に巻回して電極群を作製した。
【0042】<非水電解液の調製>エチレンカーボネー
トとメチルエチルカーボネートの混合溶媒(混合体積比
率1:2)に六フッ化リン酸リチウム(LiPF6 )を
1.0モル/l溶解して非水電解液を調製した。
【0043】前記各電極群及び前記非水電解液をステン
レス製の有底円筒状容器内にそれぞれ収納し、封口板で
開口部を封じることにより前述した図1に示すの円筒形
非水電解液二次電池を組み立てた。
【0044】実施例2 以下に説明する負極を用いること以外は、実施例1と同
様な円筒形リチウム二次電池を組み立てた。
【0045】繊維状炭素質材料としての実施例1と同様
なメソフェーズピッチ系炭素繊維および人造黒鉛粉末
(薄片状;平均粒径15μm)を重量比9:1で混合し
た炭素質物を、結着剤として前記炭素質物100重量%
に対してカルボキシメチルセルロースを1.4重量%、
スチレン−ブタジエンゴムを1.8重量%と溶媒の水と
共に混合し、スラリーを調製した。次いで、前記スラリ
ーを帯状の銅箔(集電体)上にその長手方向に沿って塗
布し、乾燥した。得られたスラリー塗工集電体の充填密
度は1.25g/cm3 であった。
【0046】前記スラリー塗工集電体に対して実施例1
と同様な条件で圧延を行うことにより充填密度が1.4
g/cm3 の活物質層が表面に積層された帯状集電体を
作製した。
【0047】得られた帯状集電体の表面を観察したとこ
ろ、全ての炭素繊維は、帯状集電体の長手方向に沿う端
部に対するなす角が±30度になる方向に繊維長を有し
ていた。この帯状集電体を長手方向に直交する方向に沿
ってスリットすることにより短冊状の負極を得た。
【0048】前記負極の表面を観察したところ、全ての
炭素繊維は、負極の長手方向に沿う端部に対するなす角
が60度〜120度になる方向に繊維長を有していた。 実施例3 以下に説明する負極を用いること以外は、実施例1と同
様な円筒形リチウム二次電池を組み立てた。
【0049】繊維状炭素質材料としての実施例1と同様
なメソフェーズピッチ系炭素繊維を、結着剤として前記
炭素質粉末100重量%に対してカルボキシメチルセル
ロースを1.0重量%、スチレン−ブタジエンゴムを
1.2重量%と溶媒の水と共に混合し、スラリーを調製
した。また、帯状銅箔(帯状集電体)を用意し、帯状銅
箔の巻き取り方向に対してスラリー抽出ノズルを縦型に
して固定した。前記ノズルの先端を前記帯状銅箔に当接
させ、この状態で前記帯状銅箔の巻き取り方向(長手方
向)に対して垂直に移動させることによって、前記帯状
銅箔にその長手方向と直交する方向に沿ってスラリーを
塗布した。次いで、前記ノズルの先端を前記帯状銅箔か
ら離し、前記帯状銅箔を巻き取り、再び前記ノズルの先
端を前記帯状銅箔に当接させ、スラリーの塗布を行っ
た。このようにして帯状銅箔に一定の間隔で未塗工領域
を形成しながら前記帯状銅箔の幅方向に沿ってスラリー
を塗工した。次いで、乾燥した。乾燥後のスラリー塗工
集電体の充填密度は1.23g/cm3 であった。
【0050】前記スラリー塗工集電体に対して実施例1
と同様な条件で圧延を行うことにより充填密度が1.3
8g/cm3 の活物質層が表面に積層された帯状集電体
を作製した。
【0051】得られた帯状集電体の表面を観察したとこ
ろ、全ての炭素繊維は、帯状集電体の長手方向に沿う端
部に対するなす角が±20度になる方向に繊維長を有し
ていた。この帯状集電体を長手方向に沿ってスリットす
ることにより短冊状の負極を得た。
【0052】前記負極の表面を観察したところ、全ての
炭素繊維は、負極の長手方向に沿う端部に対するなす角
が70度〜110度になる方向に繊維長を有していた。 実施例4 以下に説明する負極を用いること以外は、実施例1と同
様な円筒形リチウム二次電池を組み立てた。
【0053】繊維状炭素質材料としての平均繊維径が1
5μm、平均繊維長が45μmのPAN系炭素繊維を、
結着剤として前記炭素質粉末100重量%に対してカル
ボキシメチルセルロースを0.8重量%、スチレン−ブ
タジエンゴムを1.0重量%と溶媒の水と共に混合し、
スラリーを調製した。前記スラリーを帯状銅箔(帯状集
電体)にその長さ方向に沿って塗工し、乾燥した。乾燥
後のスラリー塗工集電体の充填密度は1.21g/cm
3 であった。
【0054】前記スラリー塗工集電体に対して実施例1
と同様な条件で圧延を行うことにより充填密度が1.3
6g/cm3 の活物質層が表面に積層された帯状集電体
を作製した。
【0055】得られた帯状集電体の表面を観察したとこ
ろ、全ての炭素繊維は、帯状集電体の長手方向に沿う端
部に対するなす角が±25度になる方向に繊維長を有し
ていた。この帯状集電体を長手方向と直交する方向に沿
ってスリットすることにより短冊状の負極を得た。
【0056】前記負極の表面を観察したところ、全ての
炭素繊維は、負極の長手方向に沿う端部に対するなす角
が65度〜115度になる方向に繊維長を有していた。 実施例5 以下に説明する負極を用いること以外は、実施例1と同
様な円筒形リチウム二次電池を組み立てた。
【0057】繊維状炭素質材料としての平均繊維径が2
0μm、平均繊維長が45μmで、フェノール樹脂を焼
成することにより得られる炭素繊維を、結着剤として前
記炭素質粉末100重量%に対してカルボキシメチルセ
ルロースを0.8重量%、スチレン−ブタジエンゴムを
1.0重量%と溶媒の水と共に混合し、スラリーを調製
した。前記スラリーを帯状銅箔(帯状集電体)にその長
さ方向に沿って塗工し、乾燥した。乾燥後のスラリー塗
工集電体の充填密度は1.20g/cm3 であった。
【0058】前記スラリー塗工集電体に対して実施例1
と同様な条件で圧延を行うことにより充填密度が1.3
5g/cm3 の活物質層が表面に積層された帯状集電体
を作製した。
【0059】得られた帯状集電体の表面を観察したとこ
ろ、全ての炭素繊維は、帯状集電体の長手方向に沿う端
部に対するなす角が±30度になる方向に繊維長を有し
ていた。この帯状集電体を長手方向と直交する方向に沿
ってスリットすることにより短冊状の負極を得た。
【0060】前記負極の表面を観察したところ、全ての
炭素繊維は、負極の長手方向に沿う端部に対するなす角
が60度〜120度になる方向に繊維長を有していた。 実施例6 以下に説明する負極を用いること以外は、実施例1と同
様な円筒形リチウム二次電池を組み立てた。
【0061】繊維状炭素質材料としての実施例1と同様
なメソフェーズピッチ系炭素繊維を、結着剤として前記
炭素繊維100重量%に対してカルボキシメチルセルロ
ースを1.0重量%、スチレン−ブタジエンゴムを1.
2重量%と溶媒の水と共に混合し、スラリーを調製し
た。前記スラリーを帯状銅箔(帯状集電体)にその長さ
方向に沿って塗工し、乾燥した。乾燥後のスラリー塗工
集電体の充填密度は1.23g/cm3 であった。
【0062】前記スラリー塗工集電体に対して初回圧延
を目標充填密度1.35〜1.40g/cm3 に対して
80%になるように行い、2パス目及び3パス目の圧延
は初回圧延と同じプレス圧で行った後、充填密度が1.
37g/cm3 の活物質層が表面に積層された帯状集電
体を作製した。
【0063】得られた帯状集電体の表面を観察したとこ
ろ、全ての炭素繊維のうち60体積%の炭素繊維は、帯
状集電体の長手方向に沿う端部に対するなす角が±45
度になる方向に繊維長を有していた。この帯状集電体を
長手方向と直交する方向に沿ってスリットすることによ
り短冊状の負極を得た。
【0064】前記負極の表面を観察したところ、全ての
炭素繊維のうち60体積%の炭素繊維は、負極の長手方
向に沿う端部に対するなす角が45度〜135度になる
方向に繊維長を有していた。
【0065】実施例7 以下に説明する負極を用いること以外は、実施例1と同
様な円筒形リチウム二次電池を組み立てた。
【0066】繊維状炭素質材料としての実施例1と同様
なメソフェーズピッチ系炭素繊維を、結着剤として前記
炭素繊維100重量%に対してカルボキシメチルセルロ
ースを1.0重量%、スチレン−ブタジエンゴムを1.
2重量%と溶媒の水と共に混合し、スラリーを調製し
た。前記スラリーを帯状銅箔(帯状集電体)にその長さ
方向に沿って塗工し、乾燥した。乾燥後のスラリー塗工
集電体の充填密度は1.23g/cm3 であった。
【0067】前記スラリー塗工集電体に対して実施例6
と同様な条件で圧延を行うことにより充填密度が1.3
7g/cm3 の活物質層が表面に積層された帯状集電体
を作製した。
【0068】得られた帯状集電体の表面を観察したとこ
ろ、全ての炭素繊維のうち80体積%の炭素繊維は、帯
状集電体の長手方向に沿う端部に対するなす角が±45
度になる方向に繊維長を有していた。この帯状集電体を
長手方向と直交する方向に沿ってスリットすることによ
り負極を得た。
【0069】前記負極の表面を観察したところ、全ての
炭素繊維のうち80体積%の炭素繊維は、負極の長手方
向に沿う端部に対するなす角が45度〜135度になる
方向に繊維長を有していた。
【0070】実施例8 以下に説明する負極を用いること以外は、実施例1と同
様な円筒形リチウム二次電池を組み立てた。
【0071】繊維状炭素質材料としての実施例1と同様
なメソフェーズピッチ系炭素繊維を、結着剤として前記
炭素繊維100重量%に対してカルボキシメチルセルロ
ースを1.0重量%、スチレン−ブタジエンゴムを1.
2重量%と溶媒の水と共に混合し、スラリーを調製し
た。前記スラリーを帯状銅箔(帯状集電体)にその長さ
方向に沿って塗工し、乾燥した。乾燥後のスラリー塗工
集電体の充填密度は1.23g/cm3 であった。
【0072】前記スラリー塗工集電体に対して実施例6
と同様な条件で圧延を行うことにより充填密度が1.3
7g/cm3 の活物質層が表面に積層された帯状集電体
を作製した。
【0073】得られた帯状集電体の表面を観察したとこ
ろ、全ての炭素繊維は、帯状集電体の長手方向に沿う端
部に対するなす角が±45度になる方向に繊維長を有し
ていた。この帯状集電体を長手方向と直交する方向に沿
ってスリットすることにより負極を得た。
【0074】前記負極の表面を観察したところ、全ての
炭素繊維は、負極の長手方向に沿う端部に対するなす角
が45度〜135度になる方向に繊維長を有していた。 比較例1 以下に説明する負極を用いること以外は、実施例1と同
様な円筒形リチウム二次電池を組み立てた。
【0075】繊維状炭素質材料としての実施例1と同様
なメソフェーズピッチ系炭素繊維を、結着剤として前記
炭素質粉末100重量%に対してカルボキシメチルセル
ロースを1.0重量%、スチレン−ブタジエンゴムを
1.2重量%と溶媒の水と共に混合し、スラリーを調製
した。次いで、前記スラリーを帯状の銅箔(集電体)上
にその長手方向に沿って塗布し、乾燥した。得られたス
ラリー塗工集電体の充填密度は1.23g/cm3 であ
った。
【0076】前記スラリー塗工集電体に対して実施例1
と同様な条件で3パス圧延を行った後、長手方向に沿っ
てスリットすることにより充填密度が1.38g/cm
3 の負極を作製した。
【0077】得られた負極の表面を観察したところ、全
ての炭素繊維は、負極の長手方向に沿う端部に対するな
す角が20度以下、もしくは160度以上になる方向に
繊維長を有していた。
【0078】比較例2 以下に説明する負極を用いること以外は、実施例1と同
様な円筒形リチウム二次電池を組み立てた。
【0079】実施例1と同様なメソフェーズピッチ系炭
素繊維および人造黒鉛粉末(薄片状;平均粒径15μ
m)を重量比9:1で混合した炭素質物を、結着剤とし
て前記炭素質物100重量%に対してカルボキシメチル
セルロースを1.4重量%、スチレン−ブタジエンゴム
を1.8重量%と溶媒の水と共に混合し、スラリーを調
製した。次いで、前記スラリーを帯状の銅箔(集電体)
上にその長手方向に沿って塗布し、乾燥した。得られた
スラリー塗工集電体の充填密度は1.25g/cm3
あった。
【0080】前記スラリー塗工集電体に対して実施例1
と同様な条件で圧延を行った後、長手方向に沿ってスリ
ットすることにより充填密度が1.4g/cm3 の負極
を作製した。
【0081】得られた負極の表面を観察したところ、全
ての炭素繊維は、負極の長手方向に沿う端部に対するな
す角が30度以下、もしくは150度以上になる方向に
繊維長を有していた。
【0082】比較例3 以下に説明する負極を用いること以外は、実施例1と同
様な円筒形リチウム二次電池を組み立てた。
【0083】繊維状炭素質材料としての平均繊維径が1
5μm、平均繊維長が45μmのPAN系炭素繊維を、
結着剤として前記炭素質粉末100重量%に対してカル
ボキシメチルセルロースを0.8重量%、スチレン−ブ
タジエンゴムを1.0重量%と溶媒の水と共に混合し、
スラリーを調製した。次いで、前記スラリーを帯状の銅
箔(集電体)上にその長手方向に沿って塗布し、乾燥し
た。得られたスラリー塗工集電体の充填密度は1.21
g/cm3 であった。
【0084】前記スラリー塗工集電体に対して実施例1
と同様な条件で圧延を行った後、長手方向に沿ってスリ
ットすることにより充填密度が1.36g/cm3 の負
極を作製した。
【0085】得られた負極の表面を観察したところ、全
ての炭素繊維は、負極の長手方向に沿う端部に対するな
す角が25度以下、もしくは165度以上になる方向に
繊維長を有していた。
【0086】比較例4 以下に説明する負極を用いること以外は、実施例1と同
様な円筒形リチウム二次電池を組み立てた。
【0087】繊維状炭素質材料としてフェノール樹脂を
焼成することにより得られた平均繊維径が20μm、平
均繊維長が45μmの炭素繊維を用い、結着剤として前
記炭素質粉末100重量%に対してカルボキシメチルセ
ルロースを0.8重量%、スチレン−ブタジエンゴムを
1.0重量%と溶媒の水と共に混合し、スラリーを調製
した。次いで、前記スラリーを帯状の銅箔(集電体)上
にその長手方向に沿って塗布し、乾燥した。得られたス
ラリー塗工集電体の充填密度は1.20g/cm3 であ
った。
【0088】前記スラリー塗工集電体に対して実施例1
と同様な条件で圧延を行った後、長手方向に沿ってスリ
ットすることにより充填密度が1.35g/cm3 の負
極を作製した。
【0089】得られた負極の表面を観察したところ、全
ての炭素繊維は、負極の長手方向に沿う端部に対するな
す角が30度以下、もしくは150度以上になる方向に
繊維長を有していた。
【0090】比較例5 以下に説明する負極を用いること以外は、実施例1と同
様な円筒形リチウム二次電池を組み立てた。
【0091】繊維状炭素質材料としての実施例1と同様
なメソフェーズピッチ系炭素繊維を、結着剤として前記
炭素質粉末100重量%に対してカルボキシメチルセル
ロースを1.0重量%、スチレン−ブタジエンゴムを
1.2重量%と溶媒の水と共に混合し、スラリーを調製
した。次いで、前記スラリーを帯状の銅箔(集電体)上
にその長手方向に沿って塗布し、乾燥した。得られたス
ラリー塗工集電体の充填密度は1.23g/cm3 であ
った。
【0092】前記スラリー塗工集電体に対して実施例6
と同様な条件で3パス圧延を行った後、長手方向に沿っ
てスリットすることにより充填密度が1.37g/cm
3 の負極を作製した。
【0093】得られた負極の表面を観察したところ、全
ての炭素繊維のうち40体積%の炭素繊維は、負極の長
手方向に沿う端部に対するなす角が45度〜135度に
なる方向に繊維長を有していた。
【0094】比較例6 以下に説明する負極を用いること以外は、実施例1と同
様な円筒形リチウム二次電池を組み立てた。
【0095】繊維状炭素質材料としての実施例1と同様
なメソフェーズピッチ系炭素繊維を、結着剤として前記
炭素質粉末100重量%に対してカルボキシメチルセル
ロースを1.0重量%、スチレン−ブタジエンゴムを
1.2重量%と溶媒の水と共に混合し、スラリーを調製
した。次いで、前記スラリーを帯状の銅箔(集電体)上
にその長手方向に沿って塗布し、乾燥した。得られたス
ラリー塗工集電体の充填密度は1.23g/cm3 であ
った。
【0096】前記スラリー塗工集電体に対して実施例6
と同様な条件で3パス圧延を行った後、長手方向に沿っ
てスリットすることにより充填密度が1.37g/cm
3 の負極を作製した。
【0097】得られた負極の表面を観察したところ、全
ての炭素繊維のうち20体積%の炭素繊維は、負極の長
手方向に沿う端部に対するなす角が45度〜135度に
なる方向に繊維長を有していた。
【0098】比較例7 以下に説明する負極を用いること以外は、実施例1と同
様な円筒形リチウム二次電池を組み立てた。
【0099】繊維状炭素質材料としての実施例1と同様
なメソフェーズピッチ系炭素繊維を、結着剤として前記
炭素質粉末100重量%に対してカルボキシメチルセル
ロースを1.0重量%、スチレン−ブタジエンゴムを
1.2重量%と溶媒の水と共に混合し、スラリーを調製
した。次いで、前記スラリーを帯状の銅箔(集電体)上
にその長手方向に沿って塗布し、乾燥した。得られたス
ラリー塗工集電体の充填密度は1.23g/cm3 であ
った。
【0100】前記スラリー塗工集電体に対して実施例6
と同様な条件で3パス圧延を行った後、長手方向に沿っ
てスリットすることにより充填密度が1.37g/cm
3 の負極を作製した。
【0101】得られた負極の表面を観察したところ、全
ての炭素繊維は、負極の長手方向に沿う端部に対するな
す角が45度未満か、135度を越える方向に繊維長を
有していた。 (負極の曲率試験)実施例1〜8及び比較例1〜7の二
次電池の負極について、曲率試験を行い、集電体上に形
成された活物質層の状態観察からどこまでの曲率に耐え
られるのかを調べた。すなわち、各負極を20mm幅の
短冊に切断し、これを試験片とする。一辺が所定の曲率
Rに加工された厚さが2Rのステンレス板からなるR曲
げ治具を使用し、前記試験片を活物質層側を外向きにし
て前記R曲げ治具のR部に押し付け、前記試験片を一定
の速度で引っ張る。このときの活物質層表面を目視観察
し、前記活物質層に変化が生じない最小曲率半径を求
め、その結果を下記表1に示す。 (結着性試験)実施例1〜8及び比較例1〜7の二次電
池の負極について、集電体と活物質層との結着性(密着
性)について調べた。すなわち、各負極について、集電
体からの活物質層引き剥がし試験を行い、引き剥がし強
度を測定し、その結果を下記表1に併記する。
【0102】
【表1】
【0103】表1から明らかなように、実施例1〜8の
負極は、比較例1〜7に比べて耐曲率性が優れ、かつ引
き剥がし強度が高いことがわかる。つまり、実施例1〜
7の負極は、捲回された際の炭素繊維の脱落の低減及び
炭素繊維のひび割れの防止を達成することができると共
に、強度を向上できる。 (電池特性)実施例1〜8及び比較例1〜7の二次電池
について、充電電流1.4Aで4.2Vまで3時間充電
した後、2.7Vまで1.4Aで放電する充放電サイク
ル試験を行い、各サイクルごとの放電容量を測定した。
各二次電池について、2サイクル目以降の放電容量の初
期容量に対する容量維持率を求め(1サイクル目の容量
維持率を100%とする)、その結果を図6に示す。
【0104】図6から明らかなように、実施例1〜8の
二次電池は、300サイクル目の放電容量が初期容量の
80%以上であることがわかる。これに対し、比較例1
〜7の二次電池は、300サイクル目の放電容量が初期
容量の50%〜70%であることがわかる。従って、実
施例1〜8の二次電池は、比較例1〜7の二次電池に比
べてサイクル特性を向上できる。
【0105】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明に係る非水
電解液二次電池によれば、負極の集電効率を向上するこ
とができ、放電容量及びサイクル寿命を向上することが
でき、製造における内部短絡の発生を抑制ないし回避し
て歩留まり及び量産性を改善することができる等の顕著
な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる円筒形非水電解液二次電池の一
例を示す部分断面図。
【図2】図1の非水電解液二次電池の負極の平面図。
【図3】図2の負極における繊維状炭素質粉末の集電体
への配置状態の一例を示す模式図。
【図4】本発明に係わる円筒形非水電解液二次電池の製
造方法を説明するための平面図。
【図5】本発明に係わる円筒形非水電解液二次電池の別
の製造方法を説明するための平面図。
【図6】本発明の実施例1〜8の二次電池及び比較例1
〜7の二次電池におけるサイクル数と容量維持率の関係
を示す特性図。
【符号の説明】
1…容器、3…電極群、4…正極、5…セパレータ、6
…負極、8…封口板。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 正極と、集電体及び前記集電体に担持さ
    れ、リチウムイオンを吸蔵・放出する繊維状炭素質材料
    を備えた負極と、非水電解液とを具備し、 前記負極の繊維状炭素質材料のうち60体積%以上の繊
    維状炭素質材料は、前記集電体の長手方向に沿う端部と
    のなす角が45度〜135度になる方向に繊維長を有す
    ることを特徴とする非水電解液二次電池。
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