JP3641648B2 - リチウム二次電池 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、リチウム二次電池に関し、特に負極の利用率を改良したリチウム二次電池に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、リチウム二次電池に組み込まれる負極として、リチウムを吸蔵・放出する炭素質物、例えばコークス、樹脂焼成体、炭素繊維、熱分解気相炭素などを用いることによって、リチウムと非水電解液との反応、さらにはデンドライト析出による負極特性の劣化を改善することが提案されている。
【0003】
従来、炭素質物からなる負極においては、主に炭素原子からなる六角網面層が積み重なった構造(黒鉛構造)の部分において、層間にリチウムイオンが出入りすることにより充放電が行われていると考えられている。このため、リチウム二次電池の負極にはある程度黒鉛構造の発達した炭素質物を用いる必要がある。
【0004】
しかしながら、黒鉛化度の高い巨大結晶を粉末化した炭素質物を非水電解液中で負極として用いると、非水電解液が分解し、その結果、電池の容量及び充放電効率が低下する。特にハイレートでの容量、充放電効果及び放電時の電圧の低下が著しい。また、充放電サイクルが進むにつれて炭素質物の結晶構造ないし微細構造が崩れ、リチウムの吸蔵・放出性能が劣下し、サイクル寿命が低下するという問題点があった。
【0005】
また、黒鉛化物の粉末は薄片状であるため、リチウムイオンが挿入される黒鉛結晶子のc軸方向の面で電解液に露出する面積がより小さくなるため、ハイレートの充放電サイクルにおいては急激に容量が低下するという問題がある。このため、カーボンブラックなどの導電剤を添加して電池特性の改善が図られているが、負極充填密度が低下する問題が生じる。その結果、従来の黒鉛化物では高容量のリチウム二次電池を実現できなかった。さらに、黒鉛化度の高い炭素繊維においても、粉末にすると非水電解液が分解し、巨大結晶の粉末を用いたものと同様に、負極としての性能が大幅に低下するなどの問題があった。
【0006】
一方、黒鉛化度の低いコークスや炭素繊維などの炭素質物では、溶媒の分解はある程度抑えられるものの、容量及び充電効率が低く、しかも充放電の過電圧が大きいこと、電池の放電電圧の平坦性に欠けること、さらにはサイクル寿命が低いことなどの問題があった。
【0007】
一般に、負極に炭素材料を使用した電池はリチウムが炭素中にイオンとなって取り込まれているため、金属リチウムよりも電解液との反応性が低く、異常時に電池温度が上昇しても安全であると言われている。しかしながら、負極に使用する炭素質物の比表面積が大きいと、電解液と反応する面積が増え、安全性が低下する問題点もある。
【0008】
また、炭素繊維はガラスセルによる単体での充放電評価においては、リチウムドープ量、ハイレート特性など良好な結果が得られる。しかしながら、円筒形電池の負極に用いるために、結着剤との混合塗液を負極集電体上に塗工したものは、電極圧延時に集電体から剥離しやすく高強度の負極電極は得られないことも、炭素繊維を用いる負極作製上の問題点であった。
【0009】
従来、特開昭62−268058号、特開平2−82466号、特開平4−61747号、特開平4−115458号、特開平4−184862号、特開平4−190557号各公報等に開示されているように、種々の炭素質物の黒鉛化度を制御し、最適な黒鉛構造のパラメータについて提案されているが、十分な特性を有する負極は得られていない。また、特開平4−79170号、特開平4−82172号公報には負極として用いる炭素繊維について開示されているが、それを粉末化した炭素質物を用いた負極の性能には問題があった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記諸問題を解決するためになされたもので、高容量で充放電効率、サイクル寿命、放電電圧の平坦性などの電池特性が優れ、かつ安全性の高いリチウム二次電池に関する。また、炭素繊維を用いた際の上記剥離現象を回避するため、炭素繊維に炭素粉末を混合して用いることによって、炭素繊維間の空隙を炭素粉末が補うため、負極電極の高強度も達成するものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、リチウムイオンを吸蔵・放出する炭素質物からなる負極と、正極と、非水電解液を具備したリチウム二次電池において、
前記炭素質物は、下記(A)、(B)の炭素質物の混合物であり、
(A)黒鉛化したメソフェーズピッチ系炭素繊維粉末であって、平均繊維長が10〜100μm、平均繊維径が4〜10μmであり、X線回折法による(002)面の面間隔d002が0.338nm未満である炭素質物;
(B)人造黒鉛または天然黒鉛からなるブロック状、フレーク状または粒状の炭素粉末であり、比表面積が3.0m2/g未満であり、X線回折法による(002)面の面間隔d002が0.338nm未満である炭素質物;
前記炭素質物(A)と(B)の配合重量比率が80〜95:20〜5である;
ことを特徴とするリチウム二次電池に関し、また
リチウムイオンを吸蔵・放出する炭素質物からなる負極と、正極と、非水電解液を具備したリチウム二次電池において、
前記炭素質物は、下記(A)、(B)の炭素質物の混合物であり、
(A)黒鉛化したメソフェーズピッチ系炭素繊維粉末であって、平均繊維長が10〜100μ m 、平均繊維径が4〜10μ m であり、X線回折法による(002)面の面間隔d 002 が0.338 nm 未満である炭素質物;
(B)人造黒鉛または天然黒鉛からなるブロック状、フレーク状または粒状の炭素粉末であり、比表面積が3.0 m 2 /g 未満であり、X線回折法による(002)面の面間隔d 002 が0.338 nm 未満である炭素質物と;
人造黒鉛または天然黒鉛からなるブロック状、フレーク状または粒状の炭素粉末であり、その粒度分布が15μ m 以下の粒体が70体積%以上であり、X線回折法による(002)面の面間隔d 002 が0.338 nm 未満である炭素質物
との混合物;
前記炭素質物(A)と(B)の配合重量比率が80〜95:20〜5である;
ことを特徴とするリチウム二次電池に関する。
【0012】
本発明に係わるリチウム二次電池を、図1を参照して説明する。
負極端子を兼ねるステンレス製等の外装缶1内には電極体2が収納されている。前記電極体2は、正極3、セパレータ4及び負極5を渦巻状に捲回した構成になっている。絶縁板6は、前記外装缶1の底部に配置され、前記電極体2の前記正極3が前記負極端子を兼ねる外装缶1と電気的に接触するのを防止している。非水電解液は、前記外装缶1内に収納されている。防爆機能及び正極端子を兼ねる封口蓋群7は、前記外装缶1の上端開口部に絶縁ガスケット8を介してかしめ固定されている。
【0013】
ガス抜き孔9及び周縁に切欠部を有する電極体押え板10は、前記絶縁ガスケット8の下部付近に位置する前記外装缶1部分に前記かしめ固定により形成された環状の括れ部11と前記電極体2の上端部との間に配置されている。前記ガス抜き孔9は前記電極体2の巻芯空間部12と対向する前記電極押え板10部分に開口されている。
【0014】
前記封口蓋群7は、以下に示す(A)〜(D)によって構成される。すなわち、これらは、(A)前記電極体2と対向して配置された皿状の内部蓋体13;(B)前記内部蓋体13上に可撓性薄板の弁膜14を介し、前記内部蓋体13周縁を内側に折り曲げて形成した環状部15により挟持された補強板16;(C)前記内部蓋体13の環状部15上に配置された導電性を有する保護板17;及び(D)前記内部蓋体13の環状部15上に周縁部を当接して配置された帽子形の外部蓋体18である。
【0015】
前記内部蓋体13、前記補強板16、前記保護板17及び前記外部蓋体18は、それぞれガス抜き孔19、20、21、22が備えられている。前記弁膜14は、金属層と合成樹脂層との複合部材から構成されている。正極タブ23は、一端が前記電極体2の正極3に接続され、他端が前記封口蓋群7の前記内部蓋体13の底面部に接続されている。
【0016】
前記電極体2の巻芯空間12の部分は、分解ガスの流通経路になるが、電極体2の潰れを防止する目的で、巻芯空間12の部分にステンレスなどの金属又はプラスチックからなるパイプを配置してもよい。
【0017】
前記内部蓋体13の環状部15と前記外部蓋体18の間には、電池内部に大電流が流れたときに電流を遮断する機能を有する大電流過熱保護素子(以下、「PTC」と記す)を介在させてもよい。PTCは、例えば過充電状態により大電流が流れるような場合に、電池内部の急激な温度上昇に伴って、その抵抗も急激に増大することにより遮断機能を発揮する。
【0018】
前記正極3は、正極活物質に導電剤および結着剤を適当な溶媒に懸濁し、この懸濁物を集電体に塗布、乾燥して薄板状にすることにより作製される。
【0019】
前記正極活物質としては、種々の酸化物、例えば二酸化マンガン、リチウムマンガン複合酸化物、リチウムニッケル酸化物、リチウムコバルト酸化物、リチウムニッケル酸化物、リチウムを含むバナジウム酸化物などを挙げることができる。中でも、リチウムコバルト酸化物(LiCoO2)、リチウムニッケル酸化物(LiNiO2)、リチウムマンガン複合酸化物(LiMn24 、LiMnO2)は、高電圧が得られるため好ましい。
【0020】
前記導電剤としては、例えばアセチレンブラック、カーボンブラック、黒鉛などを挙げることができる。
【0021】
前記結着剤としては、例えばポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体(EPDM)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、カルボキシメチルセルロース(CMC)等を挙げることができる。
【0022】
前記正極活物質、導電剤及び結着剤を配合する上での重量比は、この順に80〜95:13〜3:7〜2、好ましくは85〜90:10〜7:5〜3の範囲である。
【0023】
前記集電体としては、例えばアルミニウム箔、ステンレス箔、ニッケル箔、チタン箔等を用いることができる。
【0024】
前記セパレータ4としては、例えば、ポリエステル、ナイロンなどの合成樹脂製不織布、ポリエチレン多孔質フィルム、ポリプロピレン多孔質フィルム等を用いることができる。
【0025】
前記負極5は以下のようにして作製する。炭素質物粉末(A)は、メソフェーズピッチ系炭素質物を主原料として溶融ブロー法により繊維長が200〜300μm の短繊維を紡糸した後、不融化して粉砕化できる程度に炭素化し粉砕する。この炭素化の熱処理は600〜2,000℃、好ましくは800〜1,500℃で行う。前記炭素化したメソフェーズピッチ系炭素繊維のX線回折法による(002)面の面間隔d002 は、0.338nm未満である。このようにして得られる炭素化繊維を、ボールミルやジェットミルなどを用いて炭素繊維が縦割れしにくく、かつ均一に粉砕する。粉砕して得られる炭素繊維の平均繊維長は10〜100μm 、また平均繊維径は4〜15μm の範囲とすることが好ましい。これらの範囲を逸脱する場合は、後の黒鉛化処理によって所望の平均繊維長及び平均繊維径の炭素繊維が得られない。続いて、前記炭素化、粉砕処理を施した炭素繊維を2,000℃以上、より好ましくは2,500〜3,200℃で黒鉛化することにより、前述したメソフェーズピッチ系炭素繊維粉末(A)が得られる。このようにして得られるメソフェーズピッチ系炭素繊維の平均繊維長は10〜100μm 、好ましくは30〜60μm の範囲であり、平均繊維径は4〜10μm 、好ましくは6〜8μm である。平均繊維長が10μm 未満の場合は粉砕によって縦割れした繊維を含有し、平均繊維長が100μm を越えると集電体への塗工ができないため好ましくない。また、平均繊維径が4μm 未満の場合は繊維の強度が脆くなり、一方、平均炭素繊維径が10μm を越えると集電体への塗工ができないため好ましくない。
【0026】
円筒形電池において用いるため、該炭素繊維粉末(A)を結着剤と混合した塗液を集電体に塗工したところ、電極圧延時に集電体から剥離しやすく、強度の高い負極電極が得られない。そのため、ガラスセルによる単体での充放電評価結果では前記炭素繊維の特性よりやや劣るが炭素繊維間の空隙を補う目的で、下記の炭素粉末との混合により圧延時に剥離しない強度の高い負極を作製した。
【0027】
炭素粉末(B)としては、人造黒鉛または天然黒鉛からなるブロック状、フレーク状または粒状の形状の炭素質物であり、その粒度分布が15μm 以下の粒体が70体積%以上であるかおよび/または比表面積は3.0m2/g未満である。これら炭素粉末(B)のX線回折法による(002)面の面間隔d002 は0.338nm未満である。
【0028】
前記炭素繊維粉末(A)と炭素粉末(B)を混合することにより、電極圧延時の剥離もなく、強度の高い負極電極を得ることができる。これは炭素繊維粉末(A)の空隙を炭素粉末(B)が埋め、接点が無くなるため、集電体からの剥離がなくなるためである。炭素繊維粉末(A)と炭素粉末(B)との配合重量比は80〜95:20〜5、より好ましくは87〜93:13〜7である。炭素粉末(B)の混合比が5重量%未満では満足する電極強度が得られず、一方20重量%を越えると電極性能が低下し、電池容量や放電レート特性に問題がある。
【0029】
前記で得られた炭素質物(A)および(B)の混合物を含む負極5は、具体的には次のような方法により作製される。前記メソフェーズピッチ系炭素繊維粉末(A)及び人造黒鉛または天然黒鉛からなる炭素粉末(B)に結着剤を適当な溶媒に懸濁し、この懸濁物を集電体に塗布、乾燥して薄板状にすることにより前記負極5を作製することができる。
前記結着剤としては、例えばポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体(EPDM)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、カルボキシルメチルセルロース等を用いることができる。
前記炭素質物および結着剤の配合割合は、炭素質物90〜98重量%、結着剤2〜10重量%の範囲にすることが好ましい。
前記集電体としては、例えば銅箔、ステンレス箔、ニッケル箔等を用いることができる。
【0030】
前記外装缶1内に収容される前記非水電解液は、非水溶媒に電解質を溶解することにより調製される。
【0031】
前記非水溶媒としては、エチレンカーボネート(EC)、ジメチルカーボネート(DMC)、メチルエチルカーボネート(MEC)、ジエチルカーボネート(DEC)、プロピレンカーボネート(PC)、γ−ブチロラクトン(γ−BL)、アセトニトリル(AN)、酢酸エチル(EA)、トルエン、キシレンなどが挙げられる。
【0032】
前記非水電解液に含まれる電解質としては、例えば過塩素酸リチウム(LiClO4)、六フッ化リン酸リチウム(LiPF6)、ホウフッ化リチウム(LiBF4)、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム(LiCF3 SO3)などのリチウム塩(電解質)が挙げられる。
これらリチウム塩の非水溶媒に対する溶解量は、0.5〜1.5mol/L とすることが望ましい。
【0033】
【実施例】
以下、本発明を実施例及び比較例により更に詳細に説明する。
【0034】
実施例1
(1)正極の作製
リチウムコバルト酸化物(LiX CoO2 〔0.8≦X≦1〕)粉末91重量部を、アセチレンブラック3.5重量部、グラファイト3.5重量部及びエチレンプロピレンジエンモノマー粉末2重量部とともにトルエンを溶媒として混合し、アルミニウム箔(30μm)集電体に塗布した後、プレス加工により、正極を作製した。
【0035】
(2)負極の作製
メゾフェーズピッチ系炭素質物を溶融ブロー法により、繊維長200〜300μm、繊維径9〜17μmの短繊維に紡糸した。得られた短繊維を900℃で炭素化、粉砕後、3,000℃で焼成して、平均繊維長40μm、平均繊維径7μmのメソフェーズピッチ系炭素繊維粉末(A)を得た。この炭素繊維粉末は、N2ガス吸着BET法による比表面積4m2/g、X線回折法による(002)面の面間隔d0020.3364nmであった。
得られた炭素繊維粉末(A)に、比表面積1.5m2/gの人造黒鉛粉末と比表面積8.6m2/gで15μm以下の粒子が92.2体積%のブロック状人造黒鉛粉末(いずれもd002が0.3365nm)の混合人造黒鉛粉末(B)を、90:10の重量比で添加混合し、炭素質物混合物を得た。次いでこの混合物に、スチレンブタジエンゴム及びカルボキシメチルセルロースを、この順で96:2.5:1.5の重量比で添加混合し、これを銅箔集電体上に塗布し、乾燥して負極を作製した。
【0036】
(3)電池の組立
上記のようにして作製した正極と負極との間にポリエチレン多孔質フィルムのセパレーターを介在させ、これを捲回して電極体とし、電解液とともにステンレス製の有底円筒状容器内にそれぞれ収納して前述した図1に示す円筒形リチウム二次電池を組み立てた。
なお、電解液は、六フッ化リン酸リチウム(LiPF6)をエチレンカーボネート(EC)とジエチルカーボネート(DEC)の混合溶媒(混合体積率50:50)に1.0mol/L 溶解して調製した。
【0037】
弁作動試験
上記のようにして組立てたリチウム二次電池20個について、充電電流0.5Aで最大電圧4.2V まで5時間充電し、0.7Aの電流で2.7V までの放電を3サイクル行った後、上記条件で充電した電池をオーブン中にて常温から5℃/minで昇温し、165℃で5時間保持し、弁作動を生じた電池の個数を調べた。その結果を表1に示す。ここで、弁作動試験とは、上記条件で電池を保持した際に、電池封口体に位置する弁膜が破裂することにより電池内部圧力の上昇を確認する試験をいう。
【0038】
実施例2
実施例1で作製した炭素繊維粉末(A)と混合人造黒鉛粉末(B)を80:20の重量比で混合し負極を作製した。かかる負極を用いた以外、実施例1と同様に前述した図1に示す円筒形リチウム二次電池を組み立て弁作動試験を行った。結果を同じく表1に示す。
【0039】
比較例1
比表面積が1.5 m 2 /g の人造黒鉛粉末の代りに、比表面積が10.0 m 2 /g の人造黒鉛粉末を用いて実施例1と同様の方法により負極を作製した。かかる負極を用いた以外、実施例1と同様に前述した図1に示す円筒形リチウム二次電池を組み立て弁作動試験を行った。結果を同じく表1に示す。
【0040】
比較例2
比表面積が1.5 m 2 /g の人造黒鉛粉末の代りに、比表面積が10.0 m 2 /g の人造黒鉛粉末を用いて実施例2と同様の方法により負極を作製した。かかる負極を用いた以外、実施例2と同様に前述した図1に示す円筒形リチウム二次電池を組み立て弁作動試験を行った。結果を同じく表1に示す。
【0041】
比較例3
実施例1で作製した炭素繊維粉末(A)と人造黒鉛粉末(B)との配合比を70:30の重量比で混合し負極を作製した。かかる負極を用いた以外、実施例1と同様に前述した図1に示す円筒形リチウム二次電池を組み立て弁作動試験を行った。結果を同じく表1に示す。
【0042】
【表1】
Figure 0003641648
【0043】
参考例1
メソフェーズピッチ系炭素繊維を900℃で炭素化、粉砕後、3,000℃で焼成して、平均繊維長40μm、平均繊維径7μm、N2ガス吸着BET法による比表面積4m2/g、X線回折法による(002)面の面間隔d002が0.3364nmのメソフェーズピッチ系炭素繊維粉末(A)と、15μm以下の粒子が92.2体積%でd002が0.3365nm、比表面積8.6m2/gのブロック状人造黒鉛粉末(B)を、90:10重量比で添加混合し、炭素質物混合物を得た。次いでこの混合物に、スチレンブタジエンゴムおよびカルボキシメチルセルロースを、この順で96:2.5:1.5の重量比で添加混合し、これを銅箔集電体上に塗布し、乾燥して負極を作製した。
かかる負極を用いた以外は、実施例1と同様にして前述した図1に示す円筒形リチウム二次電池を組み立てた。
【0044】
参考例2
粒径15μm以下の粒子が70.1体積%の前記人造黒鉛粉末(B)を用いて、参考例1と同様の方法により負極を作製した。かかる負極を用いた以外は、実施例1と同様にして前述した図1に示す円筒形リチウム二次電池を組み立てた。
【0045】
比較例4
粒径15μm以下の粒子が65.7体積%の前記人造黒鉛粉末(B)を用いて、参考例1と同様の方法により負極を作製した。かかる負極を用いた以外は、実施例1と同様にして前述した図1に示す円筒形リチウム二次電池を組み立てた。
【0046】
比較例5
粒径15μm以下の粒子が52.5体積%の前記人造黒鉛粉末(B)を用いて、参考例1と同様の方法により負極を作製した。かかる負極を用いた以外は、実施例1と同様にして前述した図1に示す円筒形リチウム二次電池を組み立てた。
【0047】
参考例3
参考例1で作製した炭素繊維粉末(A)と人造黒鉛粉末(B)を80:20の重量比で混合した炭素質物を用いた以外は、実施例1と同様にして前述した図1に示す円筒形リチウム二次電池を組み立てた。
【0048】
比較例6
参考例1で作製した炭素繊維粉末(A)と人造黒鉛粉末(B)を70:30の重量比で混合した炭素質物を用いた以外は、実施例1と同様にして前述した図1に示す円筒形リチウム二次電池を組み立てた。
【0049】
比較例7
参考例1で作製した炭素繊維粉末(A)と人造黒鉛粉末(B)を60:40の重量比で混合した炭素質物を用いた以外は、実施例1と同様にして前述した図1に示す円筒形リチウム二次電池を組み立てた。
【0050】
得られた参考例1〜3および比較例4〜7のリチウム二次電池について、充電電流0.5Aで4.2Vまで3時間充電し、2.7Vまで1Aのハイレート電流で放電を行い、各電池の放電容量を測定し、参考例1の放電容量を100%とした時の放電容量比の結果を表2に、また、同じ充放電条件での各電池の充放電サイクル特性を図2に示す。
【0051】
【表2】
Figure 0003641648
【0052】
表2および図2から明らかなように、参考例1および2のリチウム二次電池は、比較例4および5に比べて、ハイレート特性が良好で、かつ、高い充放電寿命が得られることがわかる。これは前記人造黒鉛粉末(B)の粒度分布の違いにより前記炭素繊維との密着性が向上したためと考えられる。また参考例1〜3のリチウム二次電池は、比較例6および7に比べてハイレート特性、充放電サイクル特性が良好であることがわかる。これは前記炭素繊維粉末(A)と前記炭素粉末との混合比の違いにより、両炭素質物間の空隙が減少し、前記炭素繊維の特性が最大限に生かされたためと考えられる。
なお、炭素繊維粉末(A)と混合する炭素質物としては、天然黒鉛粉末(B)を用いた場合でも同様の結果が得られた。
【0053】
【発明の効果】
本発明によれば、高容量で充放電効率、サイクル寿命、放電電圧の平坦性などの電池特性が優れ、かつ安全性の高いリチウム二次電池を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のリチウム二次電池を示す縦断面図である。
【図2】実施例3〜5及び比較例4〜7のリチウム二次電池の充放電サイクル数と放電容量維持率との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1…外装缶
2…電極体
3…正極
4…セパレータ
5…負極
6…絶縁板
7…封口蓋群
8…絶縁ガスケット
9…ガス抜き孔
10…電極体押え板
11…括れ部、
12…巻芯空間部
13…内部蓋体
14…弁膜
15…環状部
16…補強板
17…保護板
18…外部蓋体
19、20、21、22…ガス抜き孔
23…正極タブ

Claims (2)

  1. リチウムイオンを吸蔵・放出する炭素質物からなる負極と、正極と、非水電解液を具備したリチウム二次電池において、
    前記炭素質物は、下記(A)、(B)の炭素質物の混合物であり
    (A)黒鉛化したメソフェーズピッチ系炭素繊維粉末であって、平均繊維長10〜100μm、平均繊維径が4〜10μ mであり、X線回折法による(002)面の面間隔d002が0.338nm未満である炭素質物;
    (B)人造黒鉛または天然黒鉛からなるブロック状、フレーク状または粒状の炭素粉末であり、比表面積が3.0 m 2 /g 未満であり、X線回折法による(002)面の面間隔d002が0.338nm未満である炭素質物;
    前記炭素質物(A)と(B)の配合重量比率が80〜95:20〜5である;
    ことを特徴とするリチウム二次電池。
  2. リチウムイオンを吸蔵・放出する炭素質物からなる負極と、正極と、非水電解液を具備したリチウム二次電池において、
    前記炭素質物は、下記(A)、(B)の炭素質物の混合物であり、
    (A)黒鉛化したメソフェーズピッチ系炭素繊維粉末であって、平均繊維長が10〜100μ m 、平均繊維径が4〜10μ m であり、X線回折法による(002)面の面間隔d 002 が0.338 nm 未満である炭素質物;
    (B)人造黒鉛または天然黒鉛からなるブロック状、フレーク状または粒状の炭素粉末であり、比表面積が3.0m2/g未満であり、X線回折法による(002)面の面間隔d002が0.338nm未満である炭素質物と;
    人造黒鉛または天然黒鉛からなるブロック状、フレーク状または粒状の炭素粉末であり、その粒度分布が15μm以下の粒体が70体積%以上であり、X線回折法による(002)面の面間隔d002が0.338nm未満である炭素質物
    との混合物
    前記炭素質物(A)と(B)の配合重量比率が80〜95:20〜5である;
    ことを特徴とするリチウム二次電池。
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