JPH1089409A - ダイナミックダンパ - Google Patents

ダイナミックダンパ

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JPH1089409A
JPH1089409A JP24938896A JP24938896A JPH1089409A JP H1089409 A JPH1089409 A JP H1089409A JP 24938896 A JP24938896 A JP 24938896A JP 24938896 A JP24938896 A JP 24938896A JP H1089409 A JPH1089409 A JP H1089409A
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JP
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ethylene
olefin
weight
rubber
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JP24938896A
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English (en)
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Michihiro Harada
倫宏 原田
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Kinugawa Rubber Industrial Co Ltd
Original Assignee
Kinugawa Rubber Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の天然ゴム系のダイナミックダンパ用ゴ
ム組成物は、耐熱性,耐オゾン性が劣る。 【解決手段】 EPDM100重量部に、液状のエチレ
ン・プロピレン共重合体10重量部、カーボンブラック
70重量部、イオウ0.5重量部のほか、適量の酸化亜
鉛やパラフィン系プロセスオイルを混練し、この混練物
を用いてゴム弾性体2を形成する。EPDMにおけるエ
チレンとプロピレンとのモル比は71/29、ヨウ素価
が19.5で、135℃のデカリン中で測定した極限粘
度(η)が3.8(dl/g)、分子量分布(Mw/M
n)の値Qが2.8である。また、液状のエチレン・プ
ロピレン共重合体のモル比が68/32で、極限粘度
(η)が0.3(dl/g)である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車のパワープ
ラント等の振動体に対しその振動減衰を目的としてゴム
弾性体を介して質量部材を結合してなるダイナミックダ
ンパに関し、さらに詳しくは、ゴム弾性体の耐熱性、耐
オゾン性および耐久性を改善したダイナミックダンパに
関する。
【0002】
【従来の技術】実公昭63−22354号公報に示され
ているように、自動車のパワープラントの一部にゴム弾
性体を介して質量部材(マス)を結合し、パワープラン
トからの振動伝達に対して質量体が上記ゴム弾性体をば
ねとして共振することによってそのパワープラントの振
動減衰を行うようにしたダイナミックダンパが知られて
いる。そして、上記のゴム弾性体の材質としては、その
強度や耐へたり性等の要求特性を満たすために一般的に
はNR、NR/BR、NR/SBR等の天然ゴム系のも
のが用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記の質量部材の共振
周波数fは、質量部材の質量をm、ゴム弾性体のばね定
数をkとしたとき、
【0004】
【数1】
【0005】で得られることが知られているが、天然ゴ
ム系の材料は耐熱性が低いばかりでなく、長期間の使用
によるばね定数の変化(上記(1)式のkの値の変化)
が大きいために、経年変化によって質量部材の共振周波
数が大きく変化し、本来の振動減衰効果が早期に失われ
やすいほか、上記の熱による劣化のために振動入力が繰
り返されるうちに亀裂が発生して破壊しやすいという欠
点がある。加えて、天然ゴム系の材料は空気中のオゾン
に対する抵抗力が低いために、このオゾン劣化による亀
裂が発生しやすいという不具合を併せ持っている。
【0006】一方、耐熱性,耐オゾン性にすぐれたゴム
材料としてエチレンプロピレンゴム(EPDM)等が知
られているが、一般的なEPDMをダイナミックダンパ
のゴム弾性体として用いたとしても、なおも強度および
耐久性の面で必ずしも十分でなく、特に低温時の柔軟性
がよくない等の問題を残している。
【0007】本発明は以上のような課題に着目してなさ
れたもので、ダイナミックダンパを構成するゴム弾性体
の組成を改善し、天然ゴム系材料を用いた場合と同程度
以上の強度と耐久性および低温時の柔軟性とを兼ね備え
ながら、なおかつ耐熱性および耐オゾン性を向上させ、
従来のダイナミックダンパよりも広い温度領域で、しか
も長期の使用を可能としたダイナミックダンパを提供す
ることを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、振動体に弾性体を介して質量体を結合した構造のダ
イナミックダンパにおいて、前記弾性体が下記(a)〜
(d)を主成分とするゴム組成物により形成されている
ことを特徴としている。
【0009】(a)エチレンと炭素原子数3〜20のα
−オレフィンと非共役ジエンとからなり、かつエチレン
とα−オレフィンとのモル比が60/40〜73/2
7、GPC法測定により求められた分子量分布(Mw/
Mn)の値Qが4未満、135℃デカリン中で測定した
極限粘度(η)が2.7〜5.0dl/g、ヨウ素価が
10〜40で、かつ非共役ジエンが5−エチリデン−2
−ノルボルネンであるエチレン・α−オレフィン・非共
役ジエン共重合体ゴム100重量部。
【0010】(b)エチレンと炭素原子数3〜20のα
−オレフィンとからなり、エチレンとα−オレフィンと
のモル比が50/50〜78/22で、かつ135℃デ
カリン中で測定した極限粘度(η)が0.2〜0.4d
l/gである液状エチレン・α−オレフィン共重合体1
〜70重量部。
【0011】(c)イオウ0.1〜10重量部。
【0012】(d)カーボンブラック25〜150重量
部。
【0013】上記(a)のエチレン・α−オレフィン・
非共役ジエン共重合体ゴムは、エチレンと炭素原子数3
〜20のα−オレフィンと非共役ジエンとからなる高分
子量体のゴムである。
【0014】このエチレン・α−オレフィン・非共役ジ
エン共重合体ゴムは、エチレンとα−オレフィンとのモ
ル比(エチレン/α−オレフィン)が60/40〜73
/27である。上記モル比が60/40未満になると、
得られるゴム組成物の加硫ゴムは強度が低下する傾向が
ある。一方、上記モル比が73/27を超えると、得ら
れるゴム組成物の加硫ゴムは低温時の柔軟性が低下する
傾向がある。
【0015】上記炭素原子数3〜20のα−オレフィン
としては、具体的には、プロピレン、ブテン−1、ヘキ
セン−1、ペンテン−1、4−メチルペンテン−1、ヘ
キセン−1、ヘプテン−1、オクテン−1、ノネン−
1、デセン−1、ウンデセン−1、ドデセン−1、トリ
デセン−1、テトラデセン−1、ペンタデセン−1、ヘ
キサデセン−1、ヘプタデセン−1、オクタデセン−
1、ノナデセン−1、エイコセン−1などが挙げられ
る。これらのα−オレフィンは、単独でまたは組み合わ
せて用いられる。これらの中では特にプロピレンが好ま
しい。
【0016】上記の非共役ジエンとしては、具体的には
5−エチリデン−2−ノルボルネンが用いられる。
【0017】また上記(a)のエチレン・α−オレフィ
ン・非共役ジエン共重合体ゴムは、非共役ジエン含量の
一指標であるヨウ素価が10〜40、好ましくは15〜
20である。上記ヨウ素価が10未満になると、得られ
るゴム組成物は加硫速度が遅くなる傾向がある。一方、
上記ヨウ素価が40を超えると、得られるゴム組成物の
加硫ゴムは耐熱性が低下する傾向がある。
【0018】上記(a)のエチレン・α−オレフィン・
非共役ジエン共重合体ゴムは、GPC法測定により求め
られる分子量分布(Mw/Mn)の値Qが4未満、好ま
しくは3以下である。このような分子量分布を有する高
分子量のエチレン・α−オレフィン・非共役ジエン共重
合体ゴムを用いることによって、機械的強度特性、耐動
的疲労性に優れた加硫ゴムを得ることが可能となる。
【0019】また、上記(a)のエチレン・α−オレフ
ィン・非共役ジエン共重合体ゴムは、135℃デカリン
中で測定した極限粘度(η)が2.7〜5.0(dl/
g)で、好ましくは3.5(dl/g)〜4.5(dl
/g)である。上記極限粘度(η)が2.7未満になる
と、耐久性が低下する傾向がある。一方、上記極限粘度
(η)が5.0(dl/g)を超えると、ポリマー合成
の生産性が低下する傾向がある。極限粘度(η)が上記
の範囲にあるエチレン・α−オレフィン・非共役ジエン
共重合体ゴムを用いると、耐動的疲労性に優れたゴム組
成物を得ることが可能になる。
【0020】上記(b)の液状のエチレン・α−オレフ
ィン共重合体は、エチレンと炭素原子数3〜20のα−
オレフィンとからなる低分子量の共重合体であり、ジエ
ン成分を含まない。
【0021】上記(b)の液状のエチレン・α−オレフ
ィン共重合体は、エチレンと炭素原子数3〜20のα−
オレフィンとのランダム共重合体である。
【0022】上記炭素原子数3〜20のα−オレフィン
としては、具体的には、プロピレン、ブテン−1、ペン
テン−1、4−メチルペンテン−1、ヘキセン−1、ヘ
プテン−1、オクテン−1、ノネン−1、デセン−1、
ウデセン−1、ドデセン−1、トリデセン−1、テトラ
デセン−1、エイコセン−1などが挙げられる。
【0023】これらのα−オレフィンは、単独でまたは
組み合わせて用いられる。これらの中では特にプロピレ
ンが好ましい。
【0024】本発明においては、上記(a)の高分子量
のエチレン・α−オレフィン・非共役ジエン共重合体ゴ
ムに耐熱性、機械的強度特性、耐動的疲労性などの向上
効果を担わせ、一方、低分子量の上記(b)の液状エチ
レン・α−オレフィン共重合体には耐熱老化性、加工性
(流動性)などの効果を担わせるように品質設計した。
【0025】しかしながら、単にバイモーダルな、すな
わち2つのモードを有する分子量分布を示すところの、
高分子量成分と低分子量成分とからなるエチレン・α−
オレフィン・非共役ジエン共重合体ゴムでは、高分子量
成分による耐熱性、機械的強度特性、耐動的疲労性など
の物性の向上効果の割合と、低分子量成分による加工性
(流動性)などの向上効果の割合とがいわゆる綱引きの
関係にあるため、例えば低分子量成分を多くしたことに
よって加工性に優れていても、耐疲労性というような物
性が飛躍的に向上した加硫ゴムを提供することはできな
い。
【0026】そこで本発明者らは、この低分子量成分に
ついてさらに鋭意研究したところ、バイモーダルな分子
量分布を示すエチレン・α−オレフィン・非共役ジエン
共重合体ゴム組成物から加硫ゴムを得た際に、加硫ゴム
を構成する低分子量成分が、ポリマーとして架橋されて
いないことが必要であることを見出した。すなわち、本
発明では、低分子量成分としてジエンを含まない液状の
エチレン・α−オレフィン共重合体を用いることにし
た。
【0027】本発明で用いられる液状エチレン・α−オ
レフィン共重合体は、エチレンとα−オレフィンとのモ
ル比が50/50〜78/22モル%、好ましくは50
/50〜70/30の範囲内である。モル比が上記のよ
うな範囲にある液状エチレン・α−オレフィン共重合体
は、熱安定性が良好であるため、上記のような高分子量
のエチレン・α−オレフィン・非共役ジエン共重合体ゴ
ムとの混練操作中に減量するようなことはなく、また成
形時に炭化して成形品を汚染することもない。
【0028】上記の液状のエチレン・α−オレフィン共
重合体は、135℃デカリン中で測定した極限粘度
(η)が0.2〜0.4(dl/g)である。上記極限
粘度(η)がこの範囲にない場合、ゴム組成物は加工性
(混練性)が低下する傾向がある。
【0029】すなわち、上記液状エチレン・α−オレフ
ィン共重合体は、加硫ゴム中でポリマーとして架橋され
ていないことから、軟化剤として作用しており、一般の
エチレン・α−オレフィン・非共役ジエン共重体ゴム用
の軟化剤であるパラフィン系プロセスオイルに対して、
加工性、機械的強度特性、耐熱老化性に格段に優れてい
る。
【0030】本発明で用いられるゴム組成物では、高分
子量のエチレン・α−オレフィン・非共役ジエン共重合
体ゴム100重量部に対して、液状のエチレン・α−オ
レフィン共重合体は1〜70重量部添加する。1重量部
よりも少ないと加工性等の改善効果が少なく、70重量
部を超えるとゴム組成物の加硫ゴムはtanδが必要以
上に大きくなり、防振ゴム(ダイナミックダンパ)の特
性調整が難しくなって良くない。
【0031】エチレン・α−オレフィン・非共役ジエン
共重合体ゴムと液状のエチレン・α−オレフィン・共重
合体との混合に際しては、エチレン・α−オレフィン・
非共役ジエン共重合体の溶液または懸濁液と、液状エチ
レン・α−オレフィン共重合体の溶液または懸濁液とを
混合した後、固体状物を回収することにより得ることが
できる。また最初にエチレン・α−オレフィン・非共役
ジエン共重合体ゴムまたは液状エチレン・α−オレフィ
ン共重合体のいずれか一方を重合によって得て、さらに
その重合体の存在下で他の成分を重合によって得る、い
わゆる多段重合の方式によっても得ることができる。あ
るいは、エチレン・α−オレフィン・非共役ジエン共重
合体ゴムと、エチレン・α−オレフィン共重合体とをバ
ンバリーミキサーやロールなどの混練機で混合しても良
い。
【0032】上記イオウは加硫剤として用いられる。イ
オウは、上記エチレン・α−オレフィン・非共役ジエン
共重合体ゴム組成物100重量部に対して、0.1〜1
0重量部、好ましくは0.3〜3重量部の割合で用いら
れる。
【0033】上記カーボンブラックは、ゴム用のカーボ
ンブラックであれば特にその種類は問わないが、特にI
SAF、HAF、MAF、FEF、GPF等のカーボン
ブラックが好ましい。
【0034】本発明に係るダイナミックダンパ用ゴム組
成物においては、カーボンブラックは、上記エチレン・
α−オレフィン・非共役ジエン共重合体ゴム100重量
部に対して25〜150重量部の範囲内で用いられる。
【0035】カーボンブラックの配合量が25重量部未
満になると、得られる加硫ゴムは強度が低下する傾向が
ある。一方、カーボンブラックの配合量が150重量部
を超えると、得られるゴム組成物は加工性が低下し、カ
ーボンブラックの分散不良等が生じる傾向がある。
【0036】本発明のダイナミックダンパ用ゴム組成物
中に、上記エチレン・α−オレフィン・非共役ジエン共
重合体ゴム、イオウ、カーボンブラックの他に、エチレ
ンプロピレンゴム等からなる加硫ゴム成形体の製造にお
いて従来より広く一般的に用いられている配合資材、例
えば加硫促進剤、加硫助剤、軟化剤等を本発明の目的を
損なわない範囲で用いることができる。
【0037】
【発明の実施の形態】図1は本発明のダイナミックダン
パにおける代表的な実施の形態を示す図であって、L字
状に曲折成形された支持ブラケット1の一側面に円柱状
もしくは角柱状のゴム弾性体2が加硫接着にて接合され
ている一方、そのゴム弾性体2の他方の面に同じく円柱
状もしくは角柱状の質量部材(マス)3が加硫接着にて
接合されているもので、上記支持ブラケット1の脚部1
aがボルトやナット等を用いて振動体である自動車のパ
ワープラント4に固定される。ゴム弾性体2は、後述す
るように特定のEPDMを主成分とするゴム組成物で形
成されているものである。
【0038】そして、ゴム弾性体2のばね定数と質量部
材3の質量とで決まる固有振動数を、例えばパワープラ
ント4の上下方向のピークの共振振動数と等しくなるよ
うに予め設定しておくことにより、パワープラント4の
振動時にゴム弾性体2をばねとして質量部材3が共振し
てそのパワープラント4の上下方向の振動を減衰させる
ことができる。
【0039】次に、上記ゴム弾性体2を形成しているゴ
ム組成物の具体例を実施例として説明する。
【0040】実施例1では、表1に示すように、EPD
M100重量部に、液状のエチレン・プロピレン共重合
体10重量部、カーボンブラック(N550)70重量
部、酸化亜鉛5重量部、ステアリン酸1重量部のほか、
パラフィン系プロセスオイルと、加硫促進剤3.5重量
部およびイオウ0.5重量部をそれぞれ加えて混練し、
この混練物を用いてゴム弾性体2を成形した上で支持ブ
ラケット1および質量部材3と接合して、図1と同様の
試験片を作製した。
【0041】上記のパラフィン系プロセスオイルの量は
(カーボンブラックの量−液状のエチレン・プロピレン
共重合体の量−35)とし、本実施例1では25重量部
とした。
【0042】上記のEPDMにおけるエチレンとプロピ
レンとのモル比は71/29であり、ヨウ素価が19.
5である。また、上記EPDMは、135℃のデカリン
中で測定した極限粘度(η)が3.8(dl/g)であ
り、かつGPC法測定により求められる分子量分布(M
w/Mn)の値Qが2.8である。
【0043】また、液状のエチレン・プロピレン共重合
体におけるエチレンとプロピレンとのモル比は68/3
2であり、極限粘度(η)は0.3(dl/g)であ
る。
【0044】実施例2では、EPDMにおけるエチレン
とプロピレンのモル比を68/32、ヨウ素価を15、
極限粘度の値(η)を4.2(dl/g)、分子量分布
の値Qを2.8とする一方、液状のエチレン・プロピレ
ン共重合体の量を20重量部、カーボンブラックの量を
65重量部とし、それ以外は実施例1と同じ条件で図1
と同様の試験片を作製した。
【0045】実施例3では、EPDMにおけるエチレン
とプロピレンのモル比を72/28、ヨウ素価を13、
極限粘度の値(η)を3.8(dl/g)とする一方、
液状のエチレン・プロピレン共重合体の量を25重量
部、カーボンブラックの量を60重量部とし、それ以外
は実施例1と同じ条件で図1と同様の試験片を作製し
た。
【0046】比較例1では、天然ゴム(NR)70重量
部に、スチレンブタジエンゴム(SBR)(日本合成ゴ
ム(株)製 JSR 1502)30重量部、酸化亜鉛
5重量部、カーボンブラック(N550)70重量部、
ステアリン酸1重量部、アロマ系プロセスオイル10重
量部、老化防止剤類5重量部、加硫促進剤1.8重量部
およびイオウ1.5重量部をそれぞれ加えて混練し、こ
の混練物を用いて図1と同様の試験片を作製した。
【0047】比較例2では、EPDMにおけるエチレン
とプロピレンとのモル比を68/32、ヨウ素価を1
2、極限粘度の値(η)を2.6(dl/g)、分子量
分布の値Qを2.7とする一方、液状のエチレン・プロ
ピレン共重合体を含ませることなく、それ以外は実施例
1と同じ条件で図1と同様の試験片を作製した。
【0048】比較例3では、EPDMにおけるエチレン
とプロピレンとのモル比を71/29、ヨウ素価を1
9.5、極限粘度の値(η)を3.8(dl/g)、分
子量分布の値Qを3.0とし、それ以外は比較例1と同
じ条件で図1と同様の試験片を作製した。
【0049】比較例4では、EPDMにおける分子量分
布の値Qを3.5とするとともに、液状のエチレン・プ
ロピレン共重合体の量を100重量部とし、さらにカー
ボンブラックの量を100重量部として、それ以外は実
施例1と同じ条件で図1と同様の試験片を作製した。
【0050】そして、表1に示すように、実施例1〜3
および比較例1〜4で得られたゴム組成物および加硫ゴ
ムについて混練加工時の加工性を○,△,×の三段階
(○;加工性が優れている、△;加工性が良好である、
×;加工性が悪い)で評価する一方、ゴム弾性体(加硫
ゴム)2単独での物性試験を行って、引張り強さ、伸
び、引裂き強さおよびゴム硬さを求めた。さらに、ゲー
マン低温ねじり試験および動的オゾン劣化試験を行うと
ともに、支持ブラケット1および質量部材3と組み合わ
された各試験片について共振周波数の測定と共振点耐久
性の試験を行った。
【0051】上記のゴム物性試験は、JIS K630
1に準拠して行い、上記のように引張り強さ、伸び、引
裂き強さおよびゴム硬さ(JIS・A 硬さ)を求め
た。
【0052】ゲーマン低温ねじり試験は、JIS K6
301に準拠して行い、T2(℃),T10(℃)を求め
た。
【0053】動的オゾン劣化試験は、JIS K625
9−1993に準拠して、オゾン濃度80pphm、温
度40℃で、0%→20%の繰り返し引張りを72hr
s行い、その後の試験片の亀裂状態を観察した。
【0054】共振周波数の測定は、図1に示すダイナミ
ックダンパにおいて、同図中の支持ブラケット1を矢印
方向に±0.05mm一定にてSweep加振し、質量
体3への振動伝達特性を測定し、振動伝達率が最大とな
る周波数を共振周波数とした。
【0055】共振点耐久性の測定は、上記試験により求
めた共振周波数にて図1中の支持ブラケット1を同図矢
印方向に±0.3mm一定で加振し、亀裂の状態を観察
した。
【0056】
【表1】
【0057】表1から明らかなように、比較例1は従来
から主流を占めているNR/SBRを主成分とするゴム
弾性体の例であり、耐熱性が劣るために熱老化後の特性
変化が大きく、同じく熱老化後の耐疲労性にも乏しい。
また、耐オゾン性の面でも十分でなく、動的オゾン劣化
により多数の亀裂が発生する。
【0058】比較例2は、極限粘度の値が低いEPDM
を用いているため、熱老化後の耐久性が乏しい。比較例
3では、製品化できないほど加工性が悪く、評価試験を
行うことができなかった。
【0059】また、比較例4では、液状のエチレン・プ
ロピレン共重合体が100重量部と多量に添加されてお
り、加工性は良好であるが、カーボンブラックを100
重量部添加しても、比較例1と同程度の硬さの加硫ゴム
が得られず、防振ゴム(ダイナミックダンパ)の特性調
整が難しい。また、熱老化後の耐久性も不十分である。
【0060】実施例1〜3は、いずれも優れた加工性を
有し、また熱老化後の特性変化も小さく、熱老化後の耐
久性も比較例1と比べて格段に優れている。しかも、動
的オゾン試験での亀裂の発生も全くない。
【0061】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように請求項1
に記載の発明によれば、支持ブラケットと質量部材との
間に介装されるゴム弾性体が、特定のエチレン・α−オ
レフィン・非共役ジエン共重合体ゴムと、同じく特定の
液状のエチレン・α−オレフィン共重合体と、イオウお
よびカーボンブラックとを主成分とするゴム組成物によ
り形成されていることから、天然ゴム系材料と同等のゴ
ム強度および低温柔軟性を有する一方で、天然ゴム系材
料よりも優れた耐熱性と耐耐久性および耐オゾン性とを
有しており、したがって、従来のものに比べて広い温度
領域での使用が可能であり、かつまた特性劣化を招くこ
となく長期間の使用にも十分に耐え得るという効果があ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の代表的な実施の形態を示すダイナミッ
クダンパの構成説明図。
【符号の説明】
1…支持ブラケット 2…ゴム弾性体 3…質量部材 4…パワープラント(振動体)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 振動体に弾性体を介して質量体を結合し
    た構造のダイナミックダンパにおいて、前記弾性体が下
    記(a)〜(d)を主成分とするゴム組成物により形成
    されていることを特徴とするダイナミックダンパ。 (a)エチレンと炭素原子数3〜20のα−オレフィン
    と非共役ジエンとからなり、かつエチレンとα−オレフ
    ィンとのモル比が60/40〜73/27、GPC法測
    定により求められた分子量分布(Mw/Mn)の値Qが
    4未満、135℃デカリン中で測定した極限粘度(η)
    が2.7〜5.0dl/g、ヨウ素価が10〜40で、
    かつ非共役ジエンが5−エチリデン−2−ノルボルネン
    であるエチレン・α−オレフィン・非共役ジエン共重合
    体ゴム100重量部。 (b)エチレンと炭素原子数3〜20のα−オレフィン
    とからなり、エチレンとα−オレフィンとのモル比が5
    0/50〜78/22で、かつ135℃デカリン中で測
    定した極限粘度(η)が0.2〜0.4dl/gである
    液状エチレン・α−オレフィン共重合体1〜70重量
    部。 (c)イオウ0.1〜10重量部。 (d)カーボンブラック25〜150重量部。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPH10196719A (ja) * 1997-01-09 1998-07-31 Toyoda Gosei Co Ltd ダンパプーリ
WO2005057045A1 (ja) * 2003-12-12 2005-06-23 Nok Corporation ダンパー
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