JPH1088291A - 高強度・高靱性耐熱鋳鋼 - Google Patents

高強度・高靱性耐熱鋳鋼

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JPH1088291A
JPH1088291A JP8239022A JP23902296A JPH1088291A JP H1088291 A JPH1088291 A JP H1088291A JP 8239022 A JP8239022 A JP 8239022A JP 23902296 A JP23902296 A JP 23902296A JP H1088291 A JPH1088291 A JP H1088291A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 蒸気タービンケーシング、精密鋳造翼及びバ
ルブ類に適用することができる高強度・高靱性耐熱鋳鋼
に関する。 【解決手段】 重量比で、0.08及至0.25%の炭
素、0.1%を超え0.5%以下のけい素、1%以下の
マンガン、0.05及至1%のニッケル、9及至12%
のクロム、0.3及至1.5%のモリブデン、1及至
1.95%のタングステン、0.1及至0.35%のバ
ナジウム、0.02及至0.1%のニオブ、0.01及
至0.08%の窒素、0.001及至0.01%のボロ
ン、2〜8%のコバルトを含有し、残部が実質的に鉄で
あり、組織がマルテンサイト基地からなる耐熱鋳鋼より
形成されてなる高強度・高靱性耐熱鋳鋼。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は蒸気タービンケーシ
ング、精密鋳造翼及びバルブ類等の鋳鋼材用の耐熱鋳鋼
に関し、特に、蒸気温度が593℃、又はこれより更に
高温で使用される蒸気タービンケーシング用鋼に適し、
550〜650℃の温度範囲の高温におけるクリープ破
断強度と常温における靱性に優れた蒸気タービンケーシ
ング、精密鋳造翼及びバルブ類に適用することができる
高強度・高靱性耐熱鋳鋼に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、火力発電プラントは効率向上の観
点から高温高圧化が目視されており、蒸気タービンの蒸
気温度は現在最高の593℃から、600℃更に究極的
には650℃が目標となっている。蒸気温度を高めるた
めには、従来使われているフェライト系耐熱鋼より高温
強度の優れた耐熱材料が必要である。その対策のひとつ
として、オーステナイト系耐熱合金が候補にあげられ
る。しかしながら、オーステナイト系耐熱合金の中には
耐熱強度の優れたものがあるが、熱膨張係数が大きいた
めに熱疲労強度が劣ること、高価であることなどの点か
ら実用化には問題があるのが現状である。このような超
々臨界圧下で用いられるケーシング、フランジ、バルブ
等の蒸気タービン用鋳鋼品は、苛酷な使用環境に耐えら
れるように高温特性に優れていることは勿論のこと、高
靱性で経年劣化の少ないことが要求される。
【0003】従来の大型蒸気タービンのケーシングに
は、いわゆるCr−Mo鋳鋼及びCr−Mo−V鋳鋼更
には12Cr−Mo鋳鋼、12Cr−Mo−V鋳鋼等が
使用されてきた。Cr−Mo鋳鋼、Cr−Mo−V鋳鋼
の場合は、高温における強度が低く、かつ種々の性質を
安定して得ることができないため現在計画されている前
述の蒸気条件では使用限界を超えてしまうので、高温用
ケーシングに用いることはできない。他方、12Cr−
Mo鋳鋼、12Cr−Mo−V鋳鋼の高温における強度
はCr−Mo鋳鋼、Cr−Mo−V鋳鋼よりも高いが、
蒸気温度593℃以上では長時間クリープ破断強度が低
下するので使用限界を超えてしまう。
【0004】このため、近年、高温でのクリープ破断強
度が高く、良好な溶接性を有する新しい耐熱鋳鋼が提案
されている。その例として、特開平7−70713号公
報の延靱性、高温強度に優れた耐熱鋳鋼のものがある。
同公報の鋳鋼はSi含有量を0.2%未満としている
が、その実施例の表2に示すように実際にはいずれも
0.05%〜0.08%と低い値となっている。後述す
るように本発明の鋳鋼の場合のSi含有量は製造上の裕
度(鋳造時の湯流れ性の改善)をもたせる観点から0.
5%未満としており、実際には0.2%含有量を実用的
としている。
【0005】更に、前記公報に示された鋳鋼はB無添加
であるのに対して、これまた、後述するように、本発明
の鋳鋼は、B添加を基本鋼としている。これらのことか
ら、本発明は前記公報に示された鋳鋼に比べ、ケーシン
グのような複雑形状の部材に対し、鋳造性をより重視し
たものとなっており、また、同公報記載の鋳鋼はB無添
加であるなど、本発明の鋳鋼とは材料特性も異なるもの
と見られる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】最近の、より苛酷な条
件下においては、上記した12Cr−Mo鋳鋼や12C
r−Mo−V鋳鋼では、延靱性や高温強度が十分でな
く、より延靱性が良好で高温強度の優れた12Cr系耐
熱鋳鋼の開発が望まれている。そこで、本発明は以上の
諸点に鑑み、本発明の第1の課題は前述の厳しい蒸気条
件においてもすぐれた長時間クリープ破断強度、切欠ク
リープ破断強度、クリープ破断延性及び靱性を有するケ
ーシング材等の耐熱鋳鋼を提供することにある。
【0007】本発明の第2の課題は高温での強度が優れ
ているだけでなく、常温での靱性の優れたケーシング材
等の耐熱鋳鋼を提供することにある。これは火力発電用
蒸気タービンにおいては、上記タービンの起動時常温の
靱性が低いと脆性破壊を起す危険があるからである。
【0008】本発明の第3の課題は熱疲労によるき裂の
発生を防止するために高い延性をもつケーシング材等の
耐熱鋳鋼を提供することである。昼間と夜間の電力需要
の変動に応じて停止、起動がしばしば繰返されると、特
に停止時にケーシング表面のみが急冷されて熱応力が発
生し、熱疲労によるき裂が発生するおそれがある。この
ような熱疲労によるき裂の発生を防止するためには、ケ
ーシング材等の耐熱鋳鋼は高い延性を有していることが
必要である。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは従来の耐熱
鋳鋼の見直しを行ない、更に高強度化をはかるために各
元素の最適添加量を研究した。その結果、マルテンサイ
ト組織の安定化並びに焼戻し軟化抵抗の増加をねらい、
Coを従来の同系統の耐熱鋼に比べて比較的多く積極的
に添加すること、更に、高温強度向上をねらい、Moと
Wを同時に添加するが、Moに比べてWの増量添加を図
り、従来よりも多量のMo当量(Mo+0.5W)を添
加すること、及びその結果としてMo当量とCoの相乗
効果により高温強度を一段と高められることを新規に見
出し本発明に至ったものである。
【0010】すなわち、本発明の第1の高強度・高靱性
耐熱鋳鋼は重量比で、0.08及至0.25%の炭素、
0.1%を超え0.5%以下のけい素、1%以下のマン
ガン、0.05及至1%のニッケル、9及至12%のク
ロム、0.3及至1.5%のモリブデン、1及至1.9
5%のタングステン、0.1及至0.35%のバナジウ
ム、0.02及至0.1%のニオブ、0.01及至0.
08%の窒素、0.001及至0.01%のボロン、2
〜8%のコバルトを含有し、残部が実質的に鉄であり、
組織がマルテンサイト基地からなる耐熱鋳鋼より形成さ
れることを特徴とするものである。
【0011】本発明の第2の高強度・高靱性耐熱鋳鋼は
重量比で、0.08及至0.25%の炭素、0.1%を
超え0.5%以下のけい素、1%以下のマンガン、0.
05及至1%のニッケル、9及至12%のクロム、0.
3及至1.5%のモリブデン、1及至1.95%のタン
グステン、0.1及至0.35%のバナジウム、0.0
2及至0.1%のニオブ、0.01及至0.08%の窒
素、0.001及至0.01%のボロン、2〜8%のコ
バルトを含有し、残部が実質的に鉄であり、組織がマル
テンサイト基地からなる耐熱鋳鋼であって、Cr+6S
i+4Mo+1.5W+11V+5Nb−40C−2M
n−4Ni−2Co−30Nで表わされるCr当量が
6.5%以下であり、B+0.5Nで表わされるB当量
が0.03%以下であり、Nb+0.4Cで表わされる
Nb当量が0.12%以下であり、Mo+0.5Wで表
わされるMo当量が1〜2%であり、かつ、不可避的不
純物元素のうち、硫黄:0.01%以下、リン:0.0
3%以下、銅:0.5%以下に抑えてなることを特徴と
する上記(1)記載のものである。
【0012】本発明の第3の高強度・高靱性耐熱鋳鋼は
上述の第1又は第2の耐熱鋳鋼において、予備熱処理後
の溶体化・焼入れ熱処理温度が1000〜1150℃で
あり、焼入れ後、少なくとも650〜730℃の温度に
おいて第1段焼戻し熱処理後、それより高い温度の70
0〜750℃の温度において応力除去焼鈍をかねて第2
段焼戻し熱処理を施した耐熱鋳鋼より形成されることを
特徴とするものである。
【0013】本発明の第4の高強度・高靱性耐熱鋳鋼は
上述の第3の耐熱鋳鋼において、前記熱処理によりM23
6 型炭化物及び金属間化合物を主として結晶粒界及び
マルテンサイトラス境界に析出させ、かつMX型炭窒化
物をマルテンサイトラス内部に析出させ、これら析出物
を含む耐熱鋳鋼より形成されることを特徴とするもので
ある。
【0014】更に、本発明の第5の高強度・高靱性耐熱
鋳鋼は上記第4の耐熱鋳鋼を形成する鋳鋼材の製造法と
して、溶解・取鍋精錬法を用いて得られることを特徴と
するものである。
【0015】(作用)以下に、本発明の高強度・高靱性
耐熱鋳鋼を形成する耐熱鋳鋼の組成及びその含有量につ
いて、上記のように限定した理由を下記に記す。なお、
以下の説明において、含有量を表す%は重量比とする。
【0016】炭素(C):Cは焼入れ性を確保し、焼戻
し過程で、Cr,Mo,W等と結合してM236 型炭化
物を結晶粒界、マルテンサイトラス境界上に形成すると
ともに、Nb,V等と結合してMX型炭窒化物をマルテ
ンサイトラス内に形成する。これより、両者の炭化物の
析出強化により高強度を高めることができる。更に、C
は耐力や靱性を確保する以外にもδ−フェライト及びB
Nの生成の抑制に必要不可欠な元素であり、本発明ケー
シング材等の耐熱鋳鋼に必要な耐力や靱性を得るために
は、0.08%以上必要であるが、あまり多量に添加す
ると、かえって靱性を害するとともに、M236 型炭化
物を過度に析出させ、マトリックスの強度を低めてかえ
って長時間側の高温強度を損なうので、0.08〜0.
25%に限定する。望ましくは、0.09〜0.13%
である。
【0017】けい素(Si):Siは溶鋼の脱酸剤とし
て有効な元素である。しかし、Siは多く添加すると脱
酸による生成物であるSiO2 が鋼中に存在し、鋼の清
浄度を害し靱性を低下させる。また、Siは金属間化合
物であるラーベス相(Fe2M)の生成を促し、また粒
界偏析などによりクリープ破断延性を低下させ、更に高
温使用中において焼戻し脆性を助長する。従って、Si
含有量は低い方が望ましいが、その上限を極端に低く定
めることは製造上の裕度(鋳造時の湯流れ性の改善)が
小さく実用的でないので0.1%を超え0.5%以下と
した。
【0018】マンガン(Mn):Mnは溶鋼の脱酸、脱
硫剤として有効であり、また、焼入れ性を増大させて強
度を高めるのに有効な元素である。また、Mnはδ−フ
ェライト及びBNの生成を抑制し、M236 型炭化物の
析出を促進する元素として有効な元素であるが、Mn量
増加とともにクリープ破断強度を低下させるので、その
含有量を最大1%に限定する。望ましくは、0.2〜
0.5%である。
【0019】ニッケル(Ni):Niは鋼の焼入れ性を
増大させ、δ−フェライト及びBNの生成を抑制し、室
温における強度及び靱性を高める有効な元素で、最低
0.05%必要であり、特に靱性向上に有効である。ま
た、これらの効果はNi及びCr両元素の含有量の多い
場合には、その相乗効果により著しく増加する。しかし
Niは1%を超えると、高温強度(クリープ強度、クリ
ープ破断強度)を低下させ、また、焼戻し脆性を助長す
るので、その含有量を0.05〜1%とした。望ましく
は、0.05〜0.5%である。
【0020】クロム(Cr):Crは耐酸化性・耐食性
を付与し、析出分散強化による高温強度に寄与するM23
6 型炭化物の構成元素として必要不可欠の元素であ
る。上記の効果を得るためには、本発明鋼の場合には最
低9%必要であるが、12%を超えるとδ−フェライト
を生成し、高温強度及び靱性を低下させるので9〜12
%に限定する。望ましくは、9.5〜10.5%であ
る。また、ケーシング材等の耐熱鋳鋼の製造にあたって
は、溶体化熱処理時にδ−フェライトの析出を阻止する
ことが不可欠である。本発明鋼におけるCr当量(Cr
+6Si+4Mo+1.5W+11V+5Nb−40C
−2Mn−4Ni−2Co−30N)は6.5%以下に
限定するのが好ましい。これにより、δ−フェライトの
生成を回避できる。
【0021】モリブデン(Mo):MoはCrと同様に
フェライト鋼の添加元素として重要な元素である。Mo
を鋼に添加すると、焼入れ性を増大し、また、焼戻し時
の焼戻し軟化抵抗を大きくして、常温の強度(引張強
さ、耐力)及び高温強度の増大に有効である。また、M
oは固溶強化元素として作用するとともに、M236
炭化物の微細析出を促進し、凝集を妨げる作用があり、
またその他の炭化物を生成して、析出強化作用元素とし
て、クリープ強度やクリープ破断強度などの高温強度の
向上に非常に有効な元素である。更に、Moは0.3%
程度以上添加すると、鋼の焼戻し脆性を阻止する元素と
して非常に有効な元素である。しかし、Moの過剰添加
はδ−フェライトを生成し、靱性を著しく低下させると
ともに、金属間化合物であるラーベス相(Fe2 M)の
新たな析出を招く元素のひとつであるが、本発明鋼の場
合、Coとの共存によりその傾向が抑制されている。従
って、Mo添加量の上限は1.5%まで高められる。そ
こでMo量は0.3〜1.5%とした。
【0022】タングステン(W):WはMo以上にM23
6 型炭化物の凝集粗大化を抑制する効果があり、さら
に固溶体強化元素としてクリープ強度やクリープ破断強
度などの高温強度の向上に有効な元素であり、その効果
はMoとの複合添加の場合に顕著である。しかし、Wを
多く添加するとδ−フェライトや金属間化合物であるラ
ーベス相(Fe2 M)を生成しやすくなり、延性、靱性
が低下するとともに、クリープ破断強度が低下する。ま
た、Wの添加量はMoの添加量の他に、後述のCoの添
加量に影響され、2〜8%のCo添加量の範囲ではWの
2%を超える増量添加は、凝固偏析など大型鋳造品とし
て好ましくない現象もでてくる。これらを考慮してW量
は1〜1.95%とした。なお、W添加はMoとの複合
添加の場合顕著であり、その添加量(Mo+0.5W)
は1〜2%が好ましい。この(Mo+0.5W)をMo
当量と定義する。
【0023】バナジウム(V):VはMoと同様に常温
における強度(引張強さ、耐力)の向上に有効な元素で
ある。更にVは固溶体強化元素として、また、Vの微細
な炭窒化物をマルテンサイトラス内に生成させる。これ
ら微細な炭窒化物はクリープ中の転位の回復を制御して
クリープ強度やクリープ破断強度など高温強度を増加さ
せるため、Vは析出強化元素として重要な元素である。
更に、Vはある程度の添加範囲(0.03〜0.35
%)の添加量であれば、結晶粒を微細化させて、靱性向
上にも有効である。しかし、あまりに多量に添加する
と、靱性を害するとともに炭素を過度に固定し、M23
6 型炭化物の析出量を減じて逆に高温強度を低下させる
ので、その含有量は0.1〜0.35%とした。望まし
くは0.15〜0.25%である。
【0024】ニオブ(Nb):NbはVと同様に引張強
さや耐力などの常温強度、並びにクリープ強度やクリー
プ破断強度などの高温強度の増大に有効な元素であると
同時に微細なNbCを生成して結晶粒を微細化させ、靱
性向上に非常に有効な元素である。また、一部は焼入れ
の際、固溶して焼戻し過程で上記のV炭窒化物と複合し
たMX型炭窒化物を析出し、高温強度を高める作用があ
り、最低0.02%必要であるが、0.1%を超えると
Vと同様炭素を過度に固定してM236 型炭化物の析出
量を減少し、高温強度の低下を招くので0.02〜0.
1%に限定する。望ましくは0.02〜0.05%であ
る。また、大型ケーシングの製造にあたっては鋼塊凝固
時に塊状のNbCが晶出し、この塊状NbCが機械的性
質に悪影響を及ぼすことがある。そこでNbと0.4倍
のCの和をNb+0.4C≦0.12%に限定するのが
好ましい。この(Nb+0.4C)をNb当量と定義す
る。これにより塊状NbCの晶出を回避できる。
【0025】ボロン(B):Bは粒界強化作用とM23
6 型炭化物中に固溶し、M236 型炭化物の凝集粗大化
を妨げる作用により高温強度を高める効果があり、最低
0.001%添加すると有効であるが、0.01%を超
えると溶接性などを害するので、0.001〜0.01
%に限定する。望ましくは、0.003〜0.008%
である。更に、Bと0.5倍のNの和をB+0.5N≦
0.03%に限定するのが好ましい。この(B+0.5
N)をB当量と定義する。これにより溶接性の低下を回
避できる。
【0026】窒素(N):NはVの窒化物を析出した
り、また固溶した状態でMoやWと共同でIS効果(侵
入型固溶元素と置換型固溶元素の相互作用)により高温
強度を高める作用があり、最低0.01%は必要である
が、0.08%を超えると延性を低下させるので、0.
01%〜0.08%に限定する。望ましくは0.02〜
0.04%である。また、上記のBとの共存によりBN
の生成を助長することがある。従って、上記のとおりB
当量(B+0.5N)≦0.03%に限定するのが好ま
しい。
【0027】コバルト(Co):Coは本発明を従来の
発明から区別して特徴づける重要な元素である。Coは
固溶強化に寄与するとともにδ−フェライトの析出抑制
に効果があり、大型鋳造品の製造に有用である。本発明
においてはCoの添加によりAC1変態点(約780℃)
をほとんど変えず、合金元素の添加が可能となり、高温
強度が著しく改善される。これはおそらく、Mo,Wと
の相互作用によるものと考えられ、Mo当量(Mo+
0.5W)を1%以上含む本発明鋼において特徴的な現
象である。このようなCoの効果を明確に実現するため
に、本発明鋼におけるCoの下限は2%とするが、一方
Coを過度に添加すると延性が低下し、またコストが上
昇するので、上限は8%に限定する。従って、Coの含
有量は2〜8%とする。望ましくは3〜4%である。ま
た、大型ケーシングの製造にあたっては、溶体化熱処理
時にδ−フェライトの析出を阻止することが不可欠であ
る。Coはδ−フェライトの析出予想のパラメータであ
るCr当量(Cr+6Si+4Mo+1.5W+11V
+5Nb−40C−2Mn−4Ni−2Co−30N)
を低下させる有効な元素である。本発明鋼におけるCr
当量は6.5%以下に限定するのが好ましい。これより
δ−フェライトの生成を回避できる。
【0028】その他:P,S,Cu等は不純物元素とし
て製鋼の原材料より混入され避けられないものである
が、これらはできるだけ低い方が望ましい。しかし、原
材料を厳選するとコスト高となるので、Pは0.03
%、好ましくは0.015%以下、Sは0.01%以
下、好ましくは0.005%以下、Cuは0.5%以下
が望ましく、その他の不純物としてAl,Sn,Sb,
As等がある。
【0029】次に、溶体化・焼入れ熱処理温度について
説明する。本発明に係わる耐熱鋳鋼はMX型炭窒化物を
析出させ高温強度を高める効果からNbを0.02〜
0.1%添加している。この効果を発起させるためには
溶体化熱処理時にNbを完全にオーステナイトに固溶さ
せることが不可欠である。しかしながら、Nbは焼入れ
温度を1000℃未満にした場合、凝固時に析出した粗
大な炭窒化物が熱処理後も残存し、クリープ破断強度の
増加に対し完全に有効には働き得ない。この粗大な炭窒
化物を一旦固溶させ微細な炭窒化物として高密度に析出
させるためにはオーステナイト化がより進行する100
0℃以上のオーステナイト化温度からの焼入れが必要に
なる。一方、1150℃を超えると本発明に係わる耐熱
鋳鋼の場合、δ−フェライトが析出する温度域に入り靱
性を低下させるため、焼入れ温度範囲は1000〜11
50℃が好ましい。
【0030】次に、焼戻し熱処理温度について説明す
る。本発明に係わる耐熱鋳鋼の特徴は焼入れ後の残留オ
ーステナイトを完全に除去するため650〜730℃の
温度において第1段焼戻し熱処理を採用し、更に、M23
6 型炭化物及び金属間化合物を主に結晶粒界及びマル
テンサイトラス境界に析出させ、かつMX型炭窒化物を
マルテンサイトラス内へ析出させることができる第2段
の焼戻し熱処理温度範囲である700〜750℃の熱処
理方法を採用していることである。第1段焼戻し熱処理
温度が650℃未満であると、未変態オーステナイトを
完全にマルテンサイトラスにすることができず、730
℃を超えると、第2段焼戻し熱処理の効果が十分に得ら
れないため、650〜730℃の範囲とした。第2段焼
戻し熱処理温度が700℃未満であると、上記のM23
6 型炭化物及びMX型炭窒化物の析出が十分に平衡値ま
で到達することができず、析出物の体積率が相対的に低
下する。しかも、このような不安定な状態にあるこれら
の析出物は、その後の600℃を超える高温で長時間の
クリープを受けると、更に析出が進行するとともに凝集
粗大化が著しくなる。一方、第2段焼戻し熱処理温度が
750℃を超えると、マルテンサイトラス内のMX型炭
窒化物の析出密度が低下するとともに焼戻しが過剰にな
り、かつオーステナイトへの変態点AC1点(約780
℃)に接近するため、第2段焼戻し熱処理温度範囲は7
00〜750℃が好ましい。
【0031】次に、本発明に係わる耐熱鋳鋼の製造方法
について説明する。本発明に係わる耐熱鋳鋼は溶解・取
鍋精錬法を用いて製造されることを特徴とする。蒸気タ
ービン用ケーシングに代表される大型鋳鋼品において
は、溶湯凝固時の添加元素の偏析や凝固組織の不均一性
の他にガス成分によるポロシティーが生じやすい。大型
鋳鋼に対して、特にこのガス成分によるポロシティーの
発生、ガス成分の低減化を極力抑制する製造法を採用す
ることが本発明に係わる耐熱鋳鋼の場合には不可欠であ
る。従ってこれらガス成分によるポロシティーの発生の
軽減化及び大型鋼塊の健全性・均質性向上をねらい溶解
後炉外精錬として取鍋精錬法を用いることが好ましい。
【0032】
【実施例】以下、本発明の具体的な実施例をあげ、本発
明の効果をより明らかにする。
【0033】(実施例1)供試材として用いた8種類の
耐熱鋳鋼の化学組成を表1に示す。このうちNo.1〜
No.6は本発明に係わる耐熱鋳鋼の化学組成範囲の鋼
であり、No.7、No.8は本発明に係わる耐熱鋳鋼
の化学組成範囲に当てはまらない比較材である。これら
の耐熱鋳鋼を実験室的規模の真空溶解炉にて溶解し、5
0kg鋳塊を溶製した。これらの鋳塊を実機のケーシン
グ材を想定して予備熱処理(例えば、1100℃空冷及
び700℃空冷)を施した。この鋳塊を大型蒸気タービ
ンケーシングの厚肉部の焼入れ冷却速度をシュミレート
した熱処理を行った。すなわち、1030℃で10h加
熱して完全にオーステナイト化後、厚肉部の焼入れ冷却
速度:5℃/minの冷却速度で焼入れした後、700
℃で10hの第1段焼戻しと700〜720℃で10h
の第2段焼戻しを行った。なお、焼戻し処理の条件はケ
ーシング材の設計に必要な強度、すなわち室温における
0.2%耐力が56kg/mm2 以上となるように調整
されたものである。
【0034】
【表1】
【0035】本発明鋼No.1〜No.6及び比較鋼N
o.7、No.8について、室温(20℃)において引
張試験及び衝撃試験を行った。更に、−20〜100℃
の温度領域を20℃間隔の温度で衝撃試験を行った。得
られたシャルピー衝撃試験結果より衝撃値及び50%F
ATTを求め、引張性質とともに表2に示す。また、本
発明鋼No.1〜No.6及び比較鋼No.7、No.
8を600℃及び650℃の各温度でクリープ破断試験
を実施した。表2には省略してあるが、クリープ破断伸
びは30〜40%、破断絞りは80〜90%であり、ク
リープ破断延性は良好で切欠強化であった。更に、その
結果から600℃及び650℃の105 hにおけるクリ
ープ破断強度を外挿により推定した。結果を表2に合わ
せて示す。表2から明らかなように、いずれの本発明鋼
の場合も室温における0.2%耐力は60kg/mm2
以上の強度レベルとなっており、蒸気タービンケーシン
グ材として十分な強度を有している。また、伸び・絞り
も一般のケーシング材で要求される伸び18%以上、絞
り40%以上を十分に満足している。一方、衝撃特性で
あるが、蒸気タービンケーシング材の50%FATTの
目標値は+100℃以下であるが、本発明鋼であるN
o.1〜No.6及び比較鋼No.7、No.8はいず
れの場合も目標値以下であり十分な靱性を有しているこ
とがわかる。
【0036】
【表2】
【0037】表2から本発明鋼No.1〜No.6の6
50℃×105 hrクリープ破断強度は比較鋼No.
7、No.8のそれの1.05〜1.25倍以上を示
し、クリープ破断強度が改善されており、格段にクリー
プ破断寿命が長いことがわかる。このように、比較鋼N
o.7、No.8は、上述のとおり引張特性及び靱性は
目標値を満足するものの、クリープ破断強度は本発明鋼
No.1〜No.6のそれらよりも低い。しかも、比較
鋼No.7、No.8は、鋳塊製造時にδ−フェライト
が発生しており、ケーシング材として好ましくない。
【0038】(実施例2)実施例1の表1のNo.4の
組成を有する合金(1トン試験材)を電気炉で溶解し、
炉外精錬で不純物を低減した後、砂型に鋳込んだ。鋳込
み形状を図1に示すが、押湯の直下を厚肉部及び底辺
を薄肉部と称する。これらの1トン鋳塊に実施例1と
同じ所定の熱処理(焼入れ、焼戻し)を施して供試材と
した。供試材の機械的性質を評価するために、供試材の
厚肉部及び薄肉部から試験片を切り出して材料試験
を行った。実施例1の小型溶解材と同様に、下記表3に
は省略してあるが、クリープ破断伸びは30〜40%、
破断絞りは80〜90%であり、クリープ破断延性は良
好で切欠強化であった。1トン鋳塊の材料試験結果を実
施例1の小型溶解材と同様な手法で整理して表3に示し
た。表3から明らかなように、実施例の供試材は高温ク
リープ強度及び延靱性ともに優れている。
【0039】
【表3】
【0040】(実施例3)実施例3においては、金属組
織、とくに析出物の種類及び析出量について説明する。
実施例1に示す本発明鋼にかかわる試料の抽出レプリカ
による金属組織観察結果の代表的な100%焼戻しマル
テンサイト組織(完全マルテンサイト組織)を模式的に
示して図2に示す。この図においてわかるように、10
0%焼戻しマルテンサイト組織はの結晶粒界(旧オー
ステナイト粒界)、のマルテンサイトラス境界及び
のマルテンサイトラス内部より構成される。図には焼戻
しままの試料及びクリープ破断後の試料に分けて析出物
の種類を分類したが、両者の間において析出物の種類に
特別な差はない。まず、の結晶粒界には塊状のM23
6 型炭化物と粒状の金属間化合物(ラーベス相)が析出
している。M236 型炭化物は組成上はM元素として、
Fe,Cr,Mo,W等の元素との化合物である。金属
間化合物(ラーベス相)はFe2 M型で組成上はM元素
として、Cr,Mo,W等の元素を含む。のマルテン
サイトラス境界にも上述のM236 型炭化物と金属間化
合物(ラーベス相)が析出している。更にのマルテン
サイトラス内部にはMX型炭窒化物が微細に析出してい
る。MX型炭窒化物は組成上はM元素として、Nb,V
がX元素のC及びNと結合して微細炭窒化物を形成す
る。なお、実施例1に示す試料No.1〜No.6及び
実施例2に示す試料の金属組織はいずれも100%焼戻
しマルテンサイト組織である。
【0041】
【発明の効果】本発明の化学組成範囲に適合するマルテ
ンサイト組織を有する耐熱鋳鋼を使用したので、例えば
実施例1の表1に示した比較材No.7、8に表示した
従来の蒸気タービン用耐熱鋳鋼に比較して、本発明の高
強度・高靱性耐熱鋳鋼は大幅にクリープ破断強度が改善
され、設計応力を十分満足することができる。また、高
温長時間における組織安定性に優れている。すなわち、
本発明鋼ではB添加を基本鋼とし、Coを2〜8%と多
く添加した。これによりB添加による固溶強化並びにC
o添加によるマルテンサイト組織の安定化並びに焼戻し
軟化抵抗の増加が図れた。更に、高温強度向上をねらい
MoとWを同時に添加するが、これによりCoが多く添
加されているため、Mo,Wの十分な固溶と長時間使用
中の組織安定性に優れたものにすることができた。従来
よりも多量のMo当量(Mo+0.5W)を添加した。
これにより、本発明の高強度・高靱性耐熱鋳鋼は室温強
度、高温強度及び靱性に優れ、従来のものよりも信頼性
が高く、またより大型で高温の蒸気タービンに適したケ
ーシング材等の鋳鋼材を得ることができ、例えば、超々
臨界圧蒸気条件下においても長時間にわたり高い信頼性
を発揮し、火力発電の効率向上に著しい効果がもたらさ
れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第2実施例に係わる供試材の鋳込み形
状を示す図。
【図2】本発明の第3実施例に係る金属組織の特徴を示
す図。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量比で、0.08及至0.25%の炭
    素、0.1%を超え0.5%以下のけい素、1%以下の
    マンガン、0.05及至1%のニッケル、9及至12%
    のクロム、0.3及至1.5%のモリブデン、1及至
    1.95%のタングステン、0.1及至0.35%のバ
    ナジウム、0.02及至0.1%のニオブ、0.01及
    至0.08%の窒素、0.001及至0.01のボロ
    ン、2〜8%のコバルトを含有し、残部が実質的に鉄で
    あり、組織がマルテンサイト基地からなる耐熱鋳鋼より
    形成されてなることを特徴とする高強度・高靱性耐熱鋳
    鋼。
  2. 【請求項2】 重量比で、0.08及至0.25%の炭
    素、0.1%を超え0.5%以下のけい素、1%以下の
    マンガン、0.05及至1%のニッケル、9及至12%
    のクロム、0.3及至1.5%のモリブデン、1及至
    1.95%のタングステン、0.1及至0.35%のバ
    ナジウム、0.02及至0.1%のニオブ、0.01及
    至0.08%の窒素、0.001及至0.01%のボロ
    ン、2〜8%のコバルトを含有し、残部が実質的に鉄で
    あり、組織がマルテンサイト基地からなる耐熱鋳鋼であ
    って、Cr+6Si+4Mo+1.5W+11V+5N
    b−40C−2Mn−4Ni−2Co−30Nで表わさ
    れるCr当量が6.5%以下であり、B+0.5Nで表
    わされるB当量が0.03%以下であり、Nb+0.4
    Cで表わされるNb当量が0.12%以下であり、Mo
    +0.5Wで表わされるMo当量が1〜2%であり、か
    つ、不可避的不純物元素のうち、硫黄:0.01%以
    下、リン:0.03%以下、銅:0.5%以下に抑えて
    なることを特徴とする請求項1に記載の高温強度に優れ
    た高強度・高靱性耐熱鋳鋼。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2に記載の高強度・
    高靱性耐熱鋳鋼において、予備熱処理後の溶体化・焼入
    れ熱処理温度が1000〜1150℃であり、焼入れ
    後、少なくとも650〜730℃の温度において第1段
    焼戻し熱処理後、それより高い温度の700〜750℃
    の温度において応力除去焼鈍をかねて第2段焼戻し熱処
    理を施した耐熱鋳鋼より形成されてなることを特徴とす
    る高強度・高靱性耐熱鋳鋼。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の高強度・高靱性耐熱鋳鋼
    において、前記熱処理によりM236 型炭化物及び金属
    間化合物を主として結晶粒界及びマルテンサイトラス境
    界に析出させ、かつMX型炭窒化物をマルテンサイトラ
    ス内部に析出させ、これら析出物を含む耐熱鋳鋼より形
    成されてなることを特徴とする高強度・高靱性耐熱鋳
    鋼。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の前記耐熱鋳鋼であって、
    前記耐熱鋳鋼を形成する鋳鋼材の製造法として溶解・取
    鍋精錬法を用いて得られてなることを特徴とする高強度
    ・高靱性耐熱鋳鋼。
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