JPH11350076A - 析出強化型フェライト系耐熱鋼 - Google Patents

析出強化型フェライト系耐熱鋼

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JPH11350076A
JPH11350076A JP15456598A JP15456598A JPH11350076A JP H11350076 A JPH11350076 A JP H11350076A JP 15456598 A JP15456598 A JP 15456598A JP 15456598 A JP15456598 A JP 15456598A JP H11350076 A JPH11350076 A JP H11350076A
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heat
resistant steel
precipitation
steel
temperature
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JP15456598A
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English (en)
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Yoshikuni Kadoya
好邦 角屋
Ryutaro Umagoe
龍太郎 馬越
Hisataka Kawai
久孝 河合
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 600℃以上で長時間クリープ破断強度、切
欠クリープ破断強度、クリープ破断延性および靱性を有
する析出強化型フェライト系耐熱鋼を提供する。 【解決手段】 重量%で、0.05乃至0.2%の炭
素、1.0%以下のニッケル、8.0乃至12.5%の
クロム、0.3乃至2.0%のモリブデン、0.5乃至
2.0%のタングステン、0.1乃至0.3%のバナジ
ウム、0.02乃至0.15のニオブ、0.01乃至
0.08%の窒素、2.0〜6.0%のコバルトを含有
し、残部が実質的にFe及び不可避的不純物からなり、
該不可避的不純物のうちのSi,Mn,P及びSの含有
量が重量%でSi:0.1%以下、Mn:0.3%以
下、P:0.015%以下、S:0.008%以下であ
り、組織が焼戻しマルテンサイト基地からなる耐熱鋼よ
り形成される析出強化型フェライト系耐熱鋼。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、蒸気タービン高中
圧ロータ及びバルブなどの大型鍛造材用として用いて好
適な耐熱鋼に関し、特に、蒸気温度が593℃またはこ
れよりさらに高温で使用される高温部品用鋼に適し、5
50〜650℃の温度範囲の高温におけるクリープ破断
強度と常温における靱性に優れた析出強化型フェライト
系耐熱鋼に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、火力発電プラントは効率向上の観
点から高温高圧化が目視されており、蒸気タービンの蒸
気温度は現在最高の593℃から、600℃さらに究極
的には650℃が目標となっている。蒸気温度を高める
ためには、従来使われているフェライト系耐熱鋼より高
温強度の優れた耐熱材料が必要である。
【0003】その対策のひとつとして、オーステナイト
耐熱合金が候補にあげられる。しかしながら、オーステ
ナイト系耐熱合金の中には耐熱強度の優れたものがある
ものの、熱膨張係数が大きいために熱疲労強度が劣るこ
と、高価であることおよび設計製作上の課題があるなど
の点から実用化には問題があるのが現状である。
【0004】一方、従来の大型蒸気タービンの高中圧ロ
ータ車室および弁等の高温部品には、いわゆるCr−M
o−V鋼および例えばロータ材として特公昭40−41
37号公報に示される12%Cr耐熱鋼が使用されてき
た。
【0005】Cr−Mo−V鋼の場合は、高温における
強度が低く且つ種々の性質を安定して得ることができな
いため低温の蒸気によってロータを冷却しているが、現
在計画されている前述の蒸気条件では使用限界を越えて
しまうので、Cr−Mo−V鋼をこのような計画の高中
圧ロータ車室および弁等の高温部品に用いることはでき
ない。他方、これまで用いられてきた12%Cr耐熱鋼
の高温における強度はCr−Mo−V鋼よりも高いが、
蒸気温度593℃以上では長時間クリープ破断強度が低
下するので使用限界を越えてしまう。
【0006】このため、近年長時間クリープ破断強度を
改良した新しい耐熱鋼がこれまでにも多数提案されてい
る。その例としては以下のものがある。特開昭62−1
03345号、特公昭57−25629号、特開平4−
147948号、特開平7−34202号、特願平8−
503786号、特開平8−120414号、特開平9
−296258号などである。また、本発明が改良の対
象とした他の耐熱鋼には、特開平7−216513号お
よび特願平7−086629号がある。
【0007】これらは、いずれもCo含有の12%Cr
耐熱鋼であるが、特徴がそれぞれ異なっている。特開平
4−147948号、特開平8−120414号および
特開平9−296258号の鋼は、Coを従来の同系統
の合金に比べて比較的多く添加し、MoとWを同時に添
加するが、Moに比べてWを重視し、従来よりも多量の
Wを添加して特徴づけている。しかも、特開平8−12
0414号および特開平9−296258号は、さらに
Hfなどの高融点元素と希土類元素の添加により特徴づ
けている。
【0008】本発明の合金組成との比較において、特に
MoとWの含有量が異なることおよび高融点元素と希土
類元素の添加もあることから本発明の鋼とは材料特性も
異なるものと見られる。このうち例えば、特開平4−1
47948号の鋼に類似した鋼を本発明合金との比較合
金として後述の実施形態において示すが、クリープ破断
強度の向上は認められるが、靱性の材料特性を表す衝撃
値は低い。
【0009】また、大型鋼塊の製造性可否の観点から本
発明で提案するB当量(B+0.5N)で整理してみる
と、特開平4−147948号の実施例1の表1に示さ
れた合金 No.1〜 No.12のうち、ほとんどの合金( N
o.4, No.5, No.8〜 No.11)がB当量で0.03
0%を超えており、共晶Fe2 BおよびBNが生成する
と予想され、鍛練不可ならびに機械的性質の低下が懸念
され、大型鋼塊での製造性は困難となる場合もありう
る。
【0010】一方、特開平7−34202号の鋼は、上
述の特開平4−147948号の合金設計と類似してい
るが、組織を100%焼戻しマルテンサイト組織とせ
ず、フェライト/マルテンサイト組織を有する耐熱鋼と
していることおよび特開平4−147948号の材料特
性のうち、靱性の向上を図るため新たにReを添加して
特徴づけている。特開平7−34202号の請求項3と
してReを3.0%以下含有することを請求している
が、特開平7−34202号の実施例1の表1に示され
た合金 No.1〜 No.10のうち、大半の合金( No.2〜
No.8, No.10)はRe:0.048〜1.205添
加して特徴づけている。
【0011】しかしながら、例えば実施例1の表2に示
された当該合金の室温(20℃)の衝撃値は、1.5〜
1.9kgf-m/cm2 であり、特開平4−147948号の
実施例3の表2に示された合金 No.2の4.5kgf-m/cm
2 よりも低い値を示しており、Re添加による靱性改善
の効果は期待できない。さらに、Re元素の単位重量あ
たりの金属単価は、鉄の500〜800倍であり、上記
のようにReの微量の添加量と言えども数10トンにも
及ぶ大型鋼塊となると合金単価としては従来の12%C
r耐熱鋼に比べて著しく高価となり、耐熱鋼の経済性を
著しく損なうなどの問題が生じている。
【0012】さらに、特願平8−503786号の鋼も
上述の特開平7−34202号の鋼と同様に基本的には
Reを添加して特徴づけている。このRe添加について
は上述したようにReの微量の添加量と言えども数10
トンにも及ぶ大型鋼塊となると合金単価としては従来の
12%Cr耐熱鋼に比べて著しく高価となり、耐熱鋼の
経済性を著しく損なうなどの問題が生じている。
【0013】一方、近年、蒸気タービンはますます高効
率化と大容量化が図られるようになり、前者において
は、熱効率向上のために蒸気圧力および温度をそれぞれ
316kg/cm2以上および593℃以上にまで上昇させる
方向にあり、このためロータの温度も高くなり、上記に
提案されている新しい耐熱鋼と言えども最高使用温度で
ある650℃という蒸気温度で使用することは難しく、
また後者においては、設計上必要とされるロータの形状
が大型化し、ロータ用鍛造品の単体重量が50トン以上
にもなってきており、ロータ製造上の偏析防止ならびに
靱性改善などの問題が生じてきている。
【0014】しかも、火力発電プラントのロータ等の高
温高圧部材は、高温強度と靱性の材料特性のバランスが
優れていると同時に、プラントの使用温度において高温
で長時間にわたりその材料特性の変化が少ないことが要
求されている。これまで用いられてきた12%Cr耐熱
鋼は、一般に上に述べた高温強度と靱性の材料特性のバ
ランスが比較的良好な材料である。
【0015】しかしながら、従来の12%Cr耐熱鋼
は、600℃を越える高温で長時間のクリープを受ける
と、金属組織の変化が著しくなり、結晶粒界あるいはマ
ルテンサイトラス境界上に析出させたM236 型炭化物
が顕著に粗大化するとともに、マルテンサイトラス内に
析出させたMX型炭窒化物も粗大化し、転位の回復・サ
ブグレイン化が活発になる。その結果、この組織変化に
対応して高温強度などの材料特性が大きく低下してしま
う。このため、従来の12%Cr耐熱鋼を用いて大型部
材である蒸気タービン用ロータなどを形成し600℃以
上の蒸気条件下で運転した場合、火力発電プラントの信
頼性が損なわれるという問題が懸念される。
【0016】このように蒸気温度650℃の蒸気タービ
ンを達成するするためには高中圧ロータ材として上記に
提案されている12%Cr耐熱鋼(例えば特公昭57−
25629号公報で提案されているもの)では600℃
−105 時間のクリープ破断強度が最大8〜10kgf/mm
2 であり未だ不十分であり、さらに高温強度の高い耐熱
鋼を開発する必要がある。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】以上の諸点に鑑み、本
発明の第1の課題は、前述の厳しい蒸気条件においても
すぐれた長時間クリープ破断強度、切欠クリープ破断強
度、クリープ破断延性および靱性を有するロータ材およ
び弁材等に用いて好適な耐熱鋼を提供することにある。
【0018】本発明の第2の課題は、高温での強度がす
ぐれているだけでなく、常温での靱性のすぐれたロータ
材および弁材等のための耐熱鋼を提供することにある。
これは火力発電用蒸気タービンにおいては、常温の靱性
が低いと上記タービンの起動時に脆性破壊を起こす危険
があるからである。
【0019】本発明の第3の課題は、熱疲労による亀裂
の発生を防止するために高い延性を持つロータ材および
弁材等に用いて好適な耐熱鋼を提供することである。昼
間と夜間の電力需要の変動に応じて停止、起動がしばし
ば繰り返されると、特に停止時にロータおよび弁等の表
面のみが急冷されて熱応力が発生し、熱疲労による亀裂
が発生するおそれがある。このような熱疲労による亀裂
の発生を防止するためには、ロータ材および弁材は高い
延性を有していることが必要である。
【0020】本発明の第4の課題は、ロータおよび弁の
外周部および薄肉部のみでなく、中心部および厚肉部の
諸性質とくに長時間クリープ破断強度および常温の靱性
がすぐれたロータ材および弁材等に用いて好適な耐熱鋼
を提供することである。発電容量が600〜100MW
にも及ぶ蒸気タービンでは高中圧ロータの重量は数10
トンおよび弁の重量は30トンにも達するために、固溶
化処理後、油あるいは水噴霧などで急冷してもロータお
よび弁の中心部および厚肉部の冷却速度は100℃/H
r程度となる。このような遅い冷却速度で焼入れされる
と、焼入れ途中に初析フェライトの析出が生じて所定の
強度および、靱性が得られないことがある。
【0021】そこで本発明では後述するようにロータお
よび弁の中心部および厚肉部の冷却条件をシミュレート
した試験を行ない、大型ロータおよび弁の中心部および
厚肉部の長時間クリープ破断強度が高く、また靱性が非
常にすぐれている耐熱鋼を提供するものである。
【0022】本発明の第5の課題は、高い温度で長時間
使用されても強度が著しく低下しないように焼戻し温度
が使用温度より十分高いロータ材および弁材等とに用い
て好適な耐熱鋼を提供することである。
【0023】本発明の第6の課題は、数10トンにも及
ぶ鍛造品において鋼塊製造段階で、溶融状態から凝固す
る時に共晶NbCの生成を阻止するとともに、900℃
〜1200℃に加熱した鍛造段階で、共晶Fe2 Bおよ
びBNの生成を阻止するとともに、熱処理段階で、10
50℃〜1150℃から焼入れされてもδ−フェライト
の発生がないロータ材および弁材等に用いて好適な耐熱
鋼を提供することである。
【0024】共晶NbCの生成は、機械的特性に有害で
あり、共晶Fe2 Bの生成は、割れ発生により鍛練が不
可となり、BNの生成は、機械的性質を低下させ、δ−
フェライトの生成は、高温使用時の疲労強度を著しく低
下させるので、共晶NbC,共晶Fe2 B,BNおよび
δ−フェライトのいずれも絶対に生成してはいけない。
【0025】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、従来の耐
熱鋼の見直しを行ない、さらに高強度化をはかるために
各元素の最適添加量を研究した。その結果、マルテンサ
イト組織の安定化ならびに焼戻し軟化抵抗の増加をねら
いCoを従来の同系統の耐熱鋼に比べて比較的多く、積
極的に添加すること、さらに、高温強度向上をねらいM
oとWを同時に添加するが、Moに比べてWの増量添加
を図り、従来よりも多量のMo当量(Mo+0.5W)
を添加すること、およびその結果としてMo当量とCo
の相乗効果により高温強度を一段と高められることを新
規に見出し本発明に至ったものである。
【0026】すなわち、本発明の第1の析出強化型フェ
ライト系耐熱鋼は、重量%で、0.05乃至0.2%の
炭素、1.0%以下のニッケル、8.0乃至12.5%
のクロム、0.3乃至2.0%のモリブデン、0.5乃
至2.0%のタングステン、0.1乃至0.3%のバナ
ジウム、0.02乃至0.15のニオブ、0.01乃至
0.08%の窒素、2.0〜6.0%のコバルトを含有
し、残部が実質的にFe及び不可避的不純物からなり、
該不可避的不純物のうちのSi,Mn,P及びSの含有
量が重量%でSi:0.1%以下、Mn:0.3%以
下、P:0.015%以下、S:0.008%以下であ
り、組織がマルテンサイト基地からなる耐熱鋼より形成
されることを特徴とする。
【0027】従来Coはシャルピー衝撃値を低下させる
ため、特に延性が低下しがちなW含有鋼においては、C
oの多量添加は不適当と考えられていたが、前記したよ
うにCoを2.0%以上、望ましくは4.0%程度添加
すると特に、NbおよびTaの固溶限を上昇させ、MX
型炭窒化物の析出を助長させることにより高温強度の向
上に著しい効果があることがわかったので、Coは2.
0%以上含有させ、Mo,W,NbおよびTaの十分な
固溶とMX型炭窒化物の析出助長ならびに長時間使用中
の組織安定性を図る。
【0028】本発明の第2の析出強化型フェライト系耐
熱鋼は、前記第1の耐熱鋼の組成に加えて、さらに重量
%でTa:0.02〜0.25%,B:0.001〜
0.03%のうちの一種又は二種以上を含有する組織が
焼戻しマルテンサイト基地からなる耐熱鋼の次式によっ
て求められるCr当量,Cr当量=Cr+6Si+4M
o+1.5W+11V+5Nb−40C−2Mn−4N
i−2Co−30N,が7.5%以下であり、B+0.
5Nで表されるB当量が0.030%以下であり、Nb
+0.4Cで表されるNb当量が0.12%以下であ
り、Mo+0.5Wで表されるMo当量が1.40〜
2.45%であることを特徴とする。
【0029】ロータ及びバルブなどの大型鍛造品を製造
する場合、鋼塊製造段階で、溶融状態から凝固する時に
塊状のNbCが生成(晶出)することがある。この粗大
NbCは機械的特性に有害である。したがって、鋼塊製
造時にこのNbCの生成を回避することが不可欠であ
る。そこで本発明では、ニオブと0.4倍の炭素の和を
Nb当量と定義し、Nb+0.4C≦0.12%に制御
してNbCの生成を回避する。
【0030】次の手段として、鍛造段階で、900℃〜
1200℃に加熱保持する時に、共晶Fe2 BおよびB
Nが生成することがある。共晶Fe2 Bの生成は割れ発
生により鍛練が不可となり、BNの生成は機械的性質を
低下させる。したがって鍛造時にこれら共晶Fe2 Bお
よびBNの生成を回避することが不可欠である。そこで
本発明では、Bと0.5倍のNの和をB当量と定義し、
B+0.5N≦0.030%に制御してFe2 B及びB
Nの生成を回避する。
【0031】さらに、熱処理段階で、1050℃〜11
50℃の溶体化熱処理する時に塊状のδ−フェライトが
生成することがある。この塊状のδ−フェライトの生成
は、鍛造割れ発生を起こすとともに、疲労強度を著しく
低下させる。したがって、熱処理時にこのδ−フェライ
トの生成を回避することが不可欠である。そこで本発明
では、従来から提案されているCr当量を7.5%以下
に抑制してδ−フェライトの生成を回避する。
【0032】本発明の第3の析出強化型フェライト系耐
熱鋼は、前記第1又は第2の耐熱鋼において、溶体化・
焼入れ熱処理温度を1050〜1150℃として焼入れ
後、少なくとも530〜570℃の温度において第1段
焼戻し熱処理後、それより高い温度の600〜750℃
の温度において第2段焼戻し熱処理を施すことを特徴と
する。
【0033】本発明の第4の析出強化型フェライト系耐
熱鋼は、前記第3の耐熱鋼において、前記熱処理により
236 型炭化物および金属間化合物を主として結晶粒
界及びマルテンサイトラス境界に析出させ、かつMX型
炭窒化物をマルテンサイトラス内部に析出させ、これら
析出する析出物の合計量が1.8〜4.5重量%である
ことを特徴とする。
【0034】また、本発明の第5の析出強化型フェライ
ト系耐熱鋼は、前記第4の耐熱鋼において前記焼入れ熱
処理後のオーステナイト結晶粒径が45〜250μmで
あることを特徴とする。
【0035】さらに、本発明の第6の析出強化型フェラ
イト系耐熱鋼は、前記第5の耐熱鋼において、その耐熱
鋼を形成する鋼塊がエレクトロスラグ再溶解法またはそ
れに準じる鋼塊製造法例えばエレクトロスラグ押湯保温
法などを用いて得られることを特徴とする。
【0036】以下に、本発明の析出強化型フェライト系
耐熱鋼を形成する耐熱鋼の組成及びその含有量につい
て、上記のように限定した理由を下記に記す。なお、以
下の説明において、含有量を表す%は、重量%である。
【0037】炭素(C):Cは焼入性を確保し、焼戻し
過程でCr,Mo,Wなどと結合してM236 型炭化物
を結晶粒界、マルテンサイトラス粒界上に形成するとと
もに、Nb,Ta,Vなどと結合してMX型炭窒化物を
マルテンサイトラス内に形成する。これにより、両者の
炭化物の析出強化により高強度を高めることができる。
さらに、Cは耐力や靱性を確保する以外にもδ−フェラ
イトおよびBNの生成の抑制に必要不可欠な元素であ
り、本発明の耐熱鋼に必要な耐力や靱性を得るために
は、0.05%以上必要であるが、あまり多量に添加す
ると、却って靱性を害するとともに、M236 型炭化物
を過度に析出させ、マトリックスの強度を低め却って長
時間側の高温強度を損なうので、0.05〜0.2%に
限定する。望ましくは、0.09〜0.13%である。
さらに望ましくは、0.10〜0.12%である。
【0038】ニッケル(Ni):Niは鋼の焼入性を増
大させ、δ−フェライトおよびBNの生成を抑制し、室
温における強度および靱性を高める有効な元素で、最低
0.05%必要であるが特に靱性向上に有効である。ま
た、これらの効果はNi及びCr両元素の含有量の多い
場合には、その相乗効果により著しく増加する。しか
し、Niは1.0%を越えると、高温強度(クリープ強
度,クリープ破断強度)を低下させ、また、焼戻し脆性
を助長するので、その含有量を1.0%以下とした。望
ましくは、0.05〜0.2%である。
【0039】クロム(Cr) :Crは耐酸化性・耐食性を
付与し、析出分散強化による高温強度に寄与するM23
6 型炭化物の構成元素として必要不可欠の元素である。
上記の効果を得るため本発明の耐熱鋼の場合には最低1
0%必要であるが、12.5%を越えるとδ−フェライ
トを生成し、高温強度および靱性を低下させるので8.
0〜12.5%に限定する。望ましくは、10.2〜1
1.5%である。また、大型ロータの製造にあたって
は、溶体化熱処理時にδ−フェライトの析出を阻止する
ことが不可欠である。本発明の耐熱鋼におけるCr当量
(Cr+6Si+4Mo+1.5W+11V+5Nb−
40C−2Mn−4Ni−2Co−30N)は7.5%
以下に限定するのが好ましい。これより、δ−フェライ
トの生成を回避できる。
【0040】モリブデン(Mo):Moは、Crと同様
にフェライト鋼の添加元素として重要な元素である。M
oを鋼に添加すると、焼入性を増大し、また、焼戻し時
の焼戻し軟化抵抗を大きくして、常温の強度(引張強
さ,耐力)および高温強度の増大に有効である。また、
Moは固溶強化元素として作用するとともに、M236
型炭化物の微細析出を促進し、凝集を妨げる作用があ
り、又その他の炭化物を生成して析出強化作用元素とし
て、クリープ強度やクリープ破断強度などの高温強度の
向上に非常に有効な元素である。
【0041】更に、Moは0.5%程度以上添加する
と、鋼の焼戻し脆性を阻止する元素として非常に有効な
元素である。しかし、Moの過剰添加はδ−フェライト
を生成し、靱性を著しく低下させるとともに、金属間化
合物であるラーベス相(Fe2M)の新たな析出を招く
元素のひとつであるが、本発明の耐熱鋼の場合、Coと
の共存によりその傾向が抑制されている。従って、Mo
添加量の上限は2%まで高められる。そこで、Mo量は
0.3〜2.0%とした。
【0042】タングステン(W):Wは、Mo以上にM
236 型炭化物の凝集粗大化を抑制する効果があり、さ
らに固溶強化元素として、クリープ強度やクリープ破断
強度などの高温強度の向上に有効な元素であり、その効
果はMoとの複合添加の場合に顕著である。しかし、W
を多く添加するとδ−フェライトや金属間化合物である
ラーベス相(Fe2 M)を生成しやすくなり、延性、靱
性が低下するとともに、クリープ破断強度が低下する。
【0043】また、Wの添加量はMoの添加量の他に、
後述のCoの添加量に影響され、2.0〜6.0%のC
o添加量の範囲では、Wの2%を超える増量添加は、凝
固偏析等大型鍛造品として好ましくない現象もでてく
る。これらを考慮してW量は0.5〜2.0%とした。
なお、W添加はMoとの複合添加の場合顕著であり、そ
の添加量(Mo+0.5W)は、1.40〜2.45%
が好ましい。この(Mo+0.5W)をMo当量と定義
する。
【0044】バナジウム(V):Vは、Moと同様に常
温における強度(引張強さ,耐力)の向上に有効な元素
である。さらに、Vは固溶強化元素として、又、Vの微
細な炭窒化物をマルテンサイトラス内に生成させる。こ
れら微細な炭窒化物は、クリープ中の転位の回復を制御
してクリープ強度やクリープ破断強度など高温強度を増
加させるため、Vは析出強化元素として重要な元素であ
る。更に、Vはある程度の添加範囲(0.1〜0.3
%)の添加量であれば、結晶粒を微細化させて、靱性向
上にも有効である。しかし、あまりにも多量に添加する
と、靱性を害するとともに、炭素を過度に固定し、M23
6 型炭化物の析出量を減じて逆に高温強度を低下させ
るので、その含有量は0.1〜0.3%とした。望まし
くは、0.15〜0.25%である。
【0045】ニオブ(Nb):Nbは、Vと同様に引張
強さや耐力などの常温強度、並びにクリープ強度やクリ
ープ破断強度などの高温強度の増大に有効な元素である
と同時に微細なNbCを生成して結晶粒を微細化させ、
靱性向上に非常に有効な元素である。また、一部は焼入
れの際、固溶して焼戻し過程で上記のV炭窒化物と複合
したMX型炭窒化物を析出し、高温強度を高める作用が
あり、最低0.02%必要であるが、0.15%を越え
るとVと同様炭素を過度に固定してM236 型炭化物の
析出量を減少し、高温強度の低下を招くので0.02〜
0.15%に限定する。望ましくは、0.04〜0.0
7%である。
【0046】また、大型ロータの製造にあたっては、溶
融状態から鋼塊へ凝固する時に塊状のNbCが晶出し、
この塊状NbCが機械的性質に悪影響を及ぼすことがあ
る。そこでNbCと0.4倍のCの和をNb+0.4C
≦0.12%に限定するのが好ましい。この(Nb+
0.4C)をNb当量と定義する。これにより、塊状N
bCの晶出を回避できる。
【0047】タンタル(Ta):Taは、Nbと同様の
作用を有し、高温クリープ強さを向上させるとともに、
低温靱性の向上に寄与するので、所望により添加する。
その含有量が0.02%未満では、上記作用効果が不十
分であり、0.25%を超えて含有させると、粗大な炭
化物が析出し、靱性を低下させるため、その含有量を
0.02〜0.25%に限定する。なお、Nb+Taの
合計量は0.25%以下に抑えるのが望ましい。
【0048】ボロン(B):Bは粒界強化作用とM23
6 型炭化物中に固溶し、M236 型炭化物の凝集粗大化
を妨げる作用により高温強度を高める効果があるので、
所望により添加される。最低0.001%添加すると有
効であるが、0.03%を超えると溶接性や鍛造性を害
するので、0.001〜0.03%に限定する。望まし
くは、0.003〜0.008%である。また、大型鍛
造品の製造にあたっては、900〜1200℃に加熱し
た鍛造時に共晶Fe2 BおよびBNが生成し、鍛造困難
および機械的性質に悪影響を及ぼすことがある。そこで
Bと0.5倍のNの和をB+0.5N≦0.030%に
限定するのが好ましい。この(B+0.5N)をB当量
と定義する。これにより、共晶Fe2 BおよびBNの生
成を回避できる。
【0049】窒素(N):Nは、Vの窒化物を析出した
り、また固溶した状態でMoやWと共同でIS効果(侵
入型固溶元素と置換型固溶元素の相互作用)により高温
強度を高める作用があり、最低0.01%は必要である
が、0.08%を超えると延性を低下させるので、0.
01%〜0.08%に限定する。望ましくは、0.02
〜0.04%である。また、上記のBとの共存により共
晶Fe2 B及びBNの生成を助長することがある。従っ
て、上記の通りB当量(B+0.5N)≦0.030%
に限定するのが好ましい。
【0050】コバルト(Co):Coは本発明の耐熱鋼
を従来の耐熱鋼から区別して特徴づける重要な元素であ
る。Coは固溶強化に寄与するとともにδ−フェライト
の析出抑制に効果があり、大型鍛造品の製造に有用であ
る。本発明の耐熱鋼においてはCoの添加によりAc1
変態点(約780℃)をほとんど変えず合金元素の添加
が可能となり、高温強度が著しく改善される。この効果
のひとつは、Mo,Wとの相互作用によるものと考えら
れ、Mo当量(Mo+0.5W)を1.40%以上含む
本発明耐熱鋼において特徴的な現象である。さらに、二
つめの効果としてCoはNbおよびTaの固溶限を上昇
させ、MX型炭窒化物の析出を助長させることにより、
高温強度を改善させるものと考えられる。
【0051】このようなCoの効果を明確に実現するた
めに、本発明鋼におけるCoの下限は2.0%とする
が、一方ではCoを過度に添加すると延性が低下し、ま
たコストが上昇するので、上限は6%に限定する。従っ
て、Coの含有量は2.0〜6.0とする。望ましくは
3.0〜4.0%である。また、大型鍛鋼品の製造にあ
たっては溶体化熱処理時にδ−フェライトの析出を阻止
することが不可欠である。Coはδ−フェライトの析出
予想のパラメータであるCr当量(Cr+6Si+4M
o+1.5W+11V+5Nb−40C−2Mn−4N
i−2Co−30N)を低下させる有効な元素である。
本発明鋼におけるCr当量は7.5%以下に限定するの
が好ましい。これより、δ−フェライトの生成を回避で
きる。
【0052】不可避的不純物であるSi,Mn,P及び
Sについては以下のとおりである。Siは溶鋼の脱酸剤
として有効な元素である。しかし、Siは多く添加する
と脱酸による生成物であるSiO2 が鋼中に存在し、鋼
の清浄度を害し、靱性を低下させる。また、Siは金属
間化合物であるラーベス相(Fe2 M)の生成を促し、
また粒界偏析等によりクリープ破断延性を低下させ、更
に、高温使用中において、焼戻し脆性を助長するので、
有害元素としてその含有量を0.10%以下とした。な
お、近年、真空カーボン脱酸法やエレクトロスラグ再溶
解法が適用され、必ずしもSi脱酸を行なう必要がなく
なって来ており、そのときの含有量は0.05%以下で
ありSi量は低減できる。
【0053】Mnは溶鋼の脱酸、脱硫剤として有効であ
り、また、焼入性を増大させて強度を高めるのに有効な
元素である。また、Mnは、δ−フェライトおよびBN
の生成を抑制し、M236 型炭化物の析出を促進する元
素として有効な元素であるが、Mn量増加とともにクリ
ープ破断強度を低下させるので、その含有量を最大0.
1%に限定する。望ましくは、0.05〜0.08%で
ある。
【0054】Pは、焼戻し脆化感受性を増大させる元素
であり、経年劣化を減少させ、信頼性を向上させるため
には、極力減少させることが望ましく、その許容含有量
を精錬技術の限界を考慮して0.015%以下とする。
【0055】Sは、大型鋼塊においてV偏析及び逆V偏
析の生成傾向を助長し、また、Mn,Nb,V,Feな
どと硫化物を形成し、靱性を劣化させるので、とりべ精
錬などにより極力低減することが望ましく、その許容含
有量を現状の精錬技術の限界を考慮して0.008%以
下とする。
【0056】また、その他の不可避的不純物としてA
s,Sn,Sbが挙げられる。これらの不純物は、Pと
同様に焼戻し脆化感受性を増大させる元素であり、極力
低減することが望ましい。しかし、これらの不純物元素
は、原材料に付随して不可避的に混入するものであり、
精錬によって除去することは困難である。したがって、
原材料の厳選によるところが大きく、焼戻し脆化感受性
低減の見地からAs:0.008%以下、Sn:0.0
1%以下、Sb:0.005%以下とすることが望まし
い。
【0057】次に、溶体化・焼入れ熱処理温度について
説明する。本発明による耐熱鋼はMX型炭窒化物を析出
させ高温強度を高める効果からNbを0.02〜0.1
5%および所望によりTaを0.02〜0.2%添加し
ている。この効果を発揮させるためには溶体化熱処理時
にNbおよびTaを完全にオーステナイトに固溶させる
ことが不可欠である。しかしながら、NbおよびTa
は、焼入温度を1050℃未満にした場合、凝固時に析
出した粗大な炭窒化物が熱処理後も残存し、クリープ破
断強度の増加に対し、完全に有効には働き得ない。
【0058】この粗大な炭窒化物を一旦固溶させ、微細
な炭窒化物として高密度に析出させるためにはオーステ
ナイト化がより進行する1050℃以上のオーステナイ
ト化温度からの焼入れが必要になる。一方、1150℃
を超えると本発明による耐熱鋼の場合、δ−フェライト
が析出する温度域に入り、且つ結晶粒径の大幅な粗大化
を生じ靱性を低下させるため、焼入れ温度範囲は105
0〜1150℃が好ましい。
【0059】次に、焼戻し熱処理温度について説明す
る。本発明による耐熱鋼の特徴は焼入れ後の残留オース
テナイトを完全に除去するため530〜570℃の温度
において第1段焼戻し熱処理を採用し、さらに、M23
6 型炭化物および金属間化合物を主に結晶粒界及びマル
テンサイトラス境界に析出させ、かつ、MX型炭窒化物
をマルテンサイトラス内へ析出させることができる焼戻
し熱処理温度範囲である600〜750℃の熱処理方法
を採用していることである。
【0060】焼戻し熱処理温度が600℃未満である
と、上記のM236 型炭化物およびMX型炭窒化物の析
出が十分に平衡値まで到達することができず、析出物の
体積率が相対的に低下する。しかも、このような不安定
な状態にあるこれらの析出物は、その後の600℃を超
える高温で長時間のクリープを受けると、さらに析出が
進行するとともに凝集粗大化が著しくなる。一方、焼戻
し熱処理温度が750℃を超えると、マルテンサイトラ
ス内のMX型炭窒化物の析出密度が低下するとともに焼
戻しが過剰になり、かつオーステナイへの変態点AC1
点(約780℃)に接近するため、焼戻し熱処理温度範
囲は600〜750℃が好ましい。
【0061】前記熱処理を施すことにより、結晶粒界及
びマルテンサイトラス境界に析出させるM236 型炭化
物の析出量を1.5〜2.5重量%の範囲ならびにマル
テンサイトラス内部に析出させるMX型炭窒化物の析出
量を0.1〜0.5重量%の範囲および結晶粒界及びマ
ルテンサイトラス境界に析出させる金属間化合物の析出
量を0〜1.5重量%の範囲とし、上記の析出物の合計
量を1.8〜4.5重量%の範囲に調整すると高温クリ
ープ破断強度及びクリープ抵抗が大きく向上し、高温長
時間後の特性低下が少なくなる。
【0062】特に好ましい析出物の合計量の範囲は2.
5〜3.0重量%である。しかも、析出物の合計量の内
訳は、特に、M236 型炭化物の析出量を1.6〜2.
0重量%およびMX型炭窒化物の析出量を0.1〜0.
2重量%に調整することが好ましい。なお、析出物の合
計量の測定は試料を10%アセチルアセトン−1%塩化
テトラメチルアンモニウム−メタノール混合液に入れ、
電気分解にて母相を溶解する電解抽出残渣法による。
【0063】次に、本発明による耐熱鋼の結晶粒径につ
いて説明する。従来の高Cr系耐熱鋼は靱性確保、クリ
ープ破断延性の確保あるいは疲労強度向上等の観点から
結晶粒径の粗大化は抑制されている。結晶粒径が45μ
m未満の場合、クリープ破断強度の値は小さく、一方2
50μmを超えると靱性およびクリープ破断延性が大幅
に低下するとともに焼入れ時に粒界割れを生じ易くなる
ため、好ましい結晶粒径の範囲は45〜250μmであ
る。
【0064】次に、本発明による耐熱鋼の製造方法につ
いて説明する。本発明による耐熱鋼塊は、エレクトロス
ラグ再溶解法またはそれに準じる鋼塊製造法を用いて製
造することを特徴とする。蒸気タービン用ロータに代表
される大型鍛鋼品においては、溶湯凝固時の添加元素の
偏析や凝固組織の不均一性が生じやすい。
【0065】本発明による耐熱鋼は、Coおよびもしく
は微量のB添加を特徴としており、特にBはCなどに比
べて鋼塊中においてより偏析しやすい元素である。大型
鋼塊に対して、このBの偏析を極力抑制する鋼塊製造法
を採用することが本発明による耐熱鋼の場合には不可欠
である。従って、これらBなどの偏析の軽減化および大
型鋼塊の健全性・均質性向上をねらいエレクトロスラグ
再溶解法またはそれに準じる鋼塊製造法を用いることが
好ましい。
【0066】
【発明の実施の形態】以下、本発明による耐熱鋼の実施
の形態について説明する。
【0067】(1)ロータ材を対象としたクリープと靱
性の材料特性 供試材として用いた18種類の耐熱鋼の化学組成を表1
に示す。このうち No.1から No.14は本発明による耐
熱鋼の化学組成範囲の鋼であり、 No.15から No.18
は本発明による耐熱鋼の化学組成範囲に当てはまらない
比較材である。このうち、 No.15, No.16および N
o.17はCo,MoおよびWのいずれかの添加量が本発
明の範囲に入らない鋼である。また No.16は例えば特
開昭40−4137号公報に開示されている鋼であり、
No.17は例えば特開昭62−103345号公報に開
示されている鋼であり、いずれも高中圧蒸気タービン用
ロータ材として使用されている。さらに、 No.18は、
本明細書の従来の技術の項目で説明した特開平4−14
7948号に開示されている実施例1の No.2合金に類
似の鋼である。
【0068】
【表1】
【0069】これらの耐熱鋼を実験室的規模の真空溶解
炉で溶解し、50kg鋼塊を溶製した。これらの鋼塊を実
機のロータ材を想定して均一加熱と鍛造(据込1/2.
8U,鍛伸3.7Sの鍛練)を行って、小型鍛造材を製
作した。その後、この鍛造材を結晶粒度調整を目的に予
備熱処理(例えば、1050℃空冷及び650℃空冷)
を施した。この鍛造材を直径1200mmの大型蒸気ター
ビンロータの中心部の焼入冷却速度をシミュレートした
熱処理を行なった。即ち1090℃で15h加熱して完
全にオーステナイト化後、ロータ中心部の焼入冷却速
度:100℃/hの冷却速度で焼入れした後、550℃
で15hの1次焼戻しと660〜700℃で23hの2
次焼戻しを行なった。なお、焼戻し処理の条件は、ロー
タ材の設計に必要な強度すなわち室温における0.2%
耐力が70kg/mm2以上となるように調整されたものであ
る。
【0070】本発明による耐熱鋼 No.1〜 No.14およ
び比較鋼 No.15〜 No.18について室温(20℃)に
おいて引張試験及び衝撃試験を行なった。シャルピー衝
撃試験結果より吸収エネルギおよび50%FATTを求
め、引張性質とともに表2に示す。また、本発明による
耐熱鋼 No.1〜 No.14および比較鋼 No.15〜 No.1
8を600℃および650℃の各温度でクリープ破断試
験を実施し、その結果から600℃および650℃の1
5 hにおけるクリープ破断強度を外挿により推定し
た。結果を表2に合わせて示す。
【0071】
【表2】
【0072】表2から明らかなように、いずれの本発明
耐熱鋼の場合も室温における0.2%耐力は70kg/mm2
以上の強度レベルとなっており、蒸気タービンロータ材
として十分な強度を有している。また、伸び・絞りも一
般のロータ材で要求される伸び16%以上、絞り45%
以上を十分に満足している。一方、衝撃特性であるが、
蒸気タービンロータ材の50%FATTの目標値は+8
0℃以下であるが、本発明の耐熱鋼である No.1〜 No.
14および比較鋼 No.15〜 No.17はいずれの場合も
目標値以下であり、充分な靱性を有していることがわか
る。これに対して、 No.18の50%FATTは90℃
と高く目標値を満足せず、ロータ材として靱性が不十分
であることがわかる。
【0073】表2から本発明による耐熱鋼 No.1〜 No.
14の650℃×105 hrクリープ破断強度は、比較
鋼 No.15〜 No.17に比較してクリープ破断強度が改
善されており、目標値(8kgf/mm2 以上)を満足してい
ることがわかる。なお、比較鋼 No.18は、上述の通り
靱性は目標値を満足しないものの、クリープ破断強度
は、目標値を満足している。以上より、本発明による耐
熱鋼の組成範囲をもつ No.1〜 No.14の耐熱鋼は優れ
た特性を有していることが判る。
【0074】(2)バルブ材を対象としたクリープと靱
性の材料特性 供試材として用いた6種類の耐熱鋼の化学組成を表3に
示す。このうち No.19から No.23は本発明による耐
熱鋼の化学組成範囲の鋼であり、 No.24は本発明によ
る耐熱鋼の化学組成範囲に当てはまらない比較材であ
り、本出願明細書の従来の技術の項目に記載した特開平
4−147948号に開示されている実施例1の No.2
合金に類似の鋼である。
【0075】
【表3】
【0076】これらの耐熱鋼を実験室的規模の真空溶解
炉にて溶解し、50kg鋼塊を溶製した。これらの鋼塊を
実機のバルブ材を想定して均一加熱と鍛造(据込1/
1.8U,鍛伸1.8Sの鍛練)を行って、小型鍛造材
を製作した。その後、この鍛造材を結晶粒度調整を目的
に予備熱処理(例えば、1050℃空冷及び650℃空
冷)を施した。この鍛造材を厚板400mmの大型蒸気タ
ービンバルブの厚肉部の焼入冷却速度をシミュレートし
た熱処理を行なった。即ち1050℃で15h加熱して
完全にオーステナイト化後、厚肉中心部の焼入冷却速
度:100℃/hの冷却速度で焼入れした後、550℃
で17hの1次焼戻しと760℃で17hの2次焼戻し
を行なった。なお、焼戻し処理の条件は、バルブ材の設
計に必要な強度すなわち室温における0.2%耐力が4
5kg/mm2以上となるように調整されたものである。
【0077】本発明による耐熱鋼 No.19〜 No.23お
よび比較鋼 No.24について室温(20℃)において引
張試験及び衝撃試験を行なった。シャルピー衝撃試験結
果より吸収エネルギおよび50%FATTを求め、引張
性質とともに表4に示す。また、本発明による耐熱鋼 N
o.19〜 No.23および比較鋼 No.24について600
℃および650℃の各温度でクリープ破断試験を実施
し、その結果から600℃および650℃の105 hに
おけるクリープ破断強度を外挿により推定した。結果を
表4に合わせて示す。
【0078】
【表4】
【0079】表4から明らかなように、いずれの本発明
耐熱鋼の場合も室温における0.2%耐力は45kg/mm2
以上の強度レベルとなっており、蒸気タービンバルブ材
として十分な強度を有している。また、伸び・絞りも一
般のバルブ材で要求される伸び16%以上、絞り45%
以上を十分に満足している。一方、衝撃特性であるが、
蒸気タービンバルブ材の50%FATTの目標値は+1
00℃以下であるが、本発明の耐熱鋼である No.19〜
No.23および比較鋼 No.24はいずれの場合も目標値
以下であり、充分な靱性を有していることがわかる。
【0080】表4から本発明の耐熱鋼 No.19〜 No.2
3の650℃×105 hrクリープ破断強度は、比較鋼
No.24に比較してクリープ破断強度が改善されてお
り、目標値(8kgf/mm2 以上)を満足していることがわ
かる。以上より、本発明による耐熱鋼の組成範囲をもつ
No.19〜 No.23の耐熱鋼は優れた特性を有している
ことが判る。
【0081】(3)ボルト材を対象としたクリープと靱
性の材料特性 供試材として用いた7種類の耐熱鋼の化学組成を表5に
示す。このうち No.25から No.29は本発明による耐
熱鋼の化学組成範囲の鋼であり、 No.30〜 No.31は
本発明による耐熱鋼の化学組成範囲に当てはまらない比
較材である。このうち No.30はNb当量(Nb+0.
4C)が本発明の範囲に入らない鋼である。さらに、 N
o.31は本明細書の従来の技術の項目で説明した特開平
4−147948号に開示されている実施例1の No.2
合金に類似の鋼である。
【0082】
【表5】
【0083】これらの耐熱鋼を実験室的規模の真空溶解
炉で溶解し、50kg鋼塊を溶製した。これらの鋼塊を実
機のバルブ材を想定して均一加熱と鍛造(据込1/2.
5U,鍛伸3.0Sの鍛練)を行って、小型鍛造材を製
作した。その後、この鍛造材を結晶粒度調整を目的に予
備熱処理(例えば、1050℃空冷及び650℃空冷)
を施した。この鍛造材を直径150mmの蒸気タービンボ
ルトの中心部の焼入冷却速度をシミュレートした熱処理
を行なった。即ち1120℃で2h加熱して完全にオー
ステナイト化後、650℃で3.5hの焼戻しを行なっ
た。なお、焼戻し処理の条件は、高温ボルト材の設計に
必要な強度すなわち室温における0.2%耐力が77kg
/mm2以上となるように調整されたものである。
【0084】本発明の耐熱鋼 No.25〜 No.29および
比較鋼 No.30〜 No.31について室温(20℃)にお
いて引張試験及び衝撃試験を行なった。シャルピー衝撃
試験結果より吸収エネルギおよび50%FATTを求
め、引張性質とともに表6に示す。また、本発明の耐熱
鋼 No.25〜 No.29および比較鋼 No.30〜 No.31
を600℃および650℃の各温度でクリープ破断試験
を実施し、その結果から600℃および650℃の10
5 hにおけるクリープ破断強度を外挿により推定した。
結果を表6に合わせて示す。
【0085】
【表6】
【0086】表6から明らかなように、いずれの本発明
の耐熱鋼の場合も室温における0.2%耐力は77kg/m
m2以上の強度レベルとなっており、蒸気タービン高温ボ
ルト材として十分な強度を有している。また、伸び・絞
りもボルト材で要求される伸び14%以上、絞り32%
以上を十分に満足している。一方、衝撃特性であるが、
蒸気タービンボルト材の吸収エネルギの目標値は2.0
kgf-m 以上であるが、本発明の耐熱鋼である No.25〜
No.29はいずれの場合も目標値以上であり、充分な靱
性を有していることがわかる。これに対して、比較鋼 N
o.30および No.31の吸収エネルギは1.8および
1.6kgf-m と低く目標値を満足せず、ボルト材として
靱性が不十分であることが判る。
【0087】表6から本発明の耐熱鋼 No.25〜 No.2
9の650℃×105 hrクリープ破断強度は、比較鋼
No.30および No.31に比較してクリープ破断強度が
改善されており、目標値(8kgf/mm2 以上)を満足して
いることがわかる。以上より、本発明による耐熱鋼の組
成範囲をもつ No.25〜 No.29の耐熱鋼は優れた特性
を有していることが判る。
【0088】(4)CoのNbおよびTaの固溶量に及
ぼす影響ここでは、本発明の耐熱鋼を従来の耐熱鋼から
区別して特徴づけている重要な元素であるCoに注目し
て、CoのNbおよびTaの固溶量に及ぼす影響、とく
にNbおよびTaによって形成されるMX型炭窒化物の
クリープ中の金属組織安定性について説明する。前記
(1)ロータ材を対象としたクリープと靱性の材料特性
の試験を実施した試料を用いて、各溶体化温度から焼入
れを実施、試料を分析して固溶Nb量および固溶Ta量
を求めた。観察に供した合金は、表1に示す No.11
(Co:3.3%), No.12(Co:3.2%), N
o.13(Co:3.3%,Ta:0.05%), No.1
4(Co:3.4%,Ta:0.23%)およびCo無
添加の比較鋼の No.15,16,17を選んだ。その結
果を表7に示す。
【0089】
【表7】
【0090】No.11, No.12の1100℃における
Nb固溶量は、Co無添加の比較鋼の No.15,16,
17のそれらに比較して、増加していることがわかる。
これらNb固溶量の増加は、Coの添加効果によるもの
とみなされる。そこで、表7に示した溶体化温度とNb
の固溶量の関係を整理して図1に示す。図1からわかる
ように、Coを添加した本発明の耐熱鋼の場合は、10
50℃〜1150℃の焼入れ温度範囲において、Nbの
固溶量がCo無添加の比較鋼に比べて大きいことが認め
られる。この効果により、その後の焼戻し熱処理後、N
bおよびTaで形成されるMX型炭窒化物が微細に析出
し、この析出分散強化によりクリープ強度が著しく改善
される。
【0091】(5)金属組織,析出物の種類 ここでは、金属組織、とくに析出物の種類および析出量
について説明する。抽出レプリカによる金属組織観察結
果の代表的な100%焼戻しマルテンサイト組織を模式
的に図2に示す。図2においてわかるように、100%
焼戻しマルテンサイト組織は、の結晶粒界(旧オース
テナイト粒界),のマルテンサイトラス境界および
のマルテンサイトラス内部より構成される。
【0092】図には焼戻したままの試料およびクリープ
破断後の試料に分けて析出物の種類を分類したが、両者
の間において析出物の種類に特別な差はない。まず、
の結晶粒界には、塊状のM236 型炭化物と粒状の金属
間化合物(ラーベス相)が析出している。M236 型炭
化物は、組成上はM元素として、Fe,Cr,Mo,W
などの元素との化合物である。金属間化合物(ラーベス
相)はFe2 M型で組成上はM元素として、Cr,M
o,Wなどの元素を含む。
【0093】のマルテンサイトラス境界にも上述のM
236 型炭化物と金属間化合物(ラーベス相)が析出し
ている。さらにのマルテンサイトラス内部には、MX
型炭窒化物が微細に析出している。MX型炭窒化物は、
組成上は、M元素として、Nb,Ta,VがX元素のC
およびNと結合して微細炭窒化物を形成する。
【0094】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は特許請求
の範囲に記載の化学組成範囲に適合するマルテンサイト
組織を有する耐熱鋼を提供するもので、例えば従来の蒸
気タービン用耐熱鋼に比較して、本発明の析出強化型フ
ェライト系耐熱鋼は大幅にクリープ破断強度が改善さ
れ、設計応力を十分満足することができる。また、高温
長時間における組織安定性にも優れている。
【0095】すなわち、従来の同系統の耐熱鋼ではCo
が最大3.0%に対し、本発明による耐熱鋼ではCoを
2.0〜6.0%と多く添加するとともに、Nbおよび
Taの析出強化元素も添加した。これにより、析出強化
の向上、マルテンサイト組織の安定化ならびに焼戻し軟
化抵抗の増加が図れた。さらに、高温強度向上をねらい
MoとWを同時に添加するが、これによりCoが多く添
加されているため、Mo,Wの十分な固溶と長時間使用
中の組織安定性にすぐれたものにすることが出来た。
【0096】また、従来よりも多量のMo当量(Mo+
0.5W)を添加することにより、本発明の析出強化型
フェライト系耐熱鋼は、室温強度、高温強度及び靱性に
優れ、従来のものよりも信頼性が高く、またより大型で
高温の蒸気タービンに適したロータ材およびバルブなど
の鍛鋼品を得ることができ、例えば、超々臨界圧蒸気条
件下においても長時間にわたり高い信頼性を発揮し、火
力発電の効率向上に著しい効果がもたらされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態における耐熱鋼の溶体化温度
とNb固溶量の関係を示す線図。
【図2】本発明の実施形態による耐熱鋼における金属組
織の特徴を示す説明図。
【符号の説明】 マルテンサイトラス内部 マルテンサイトラス境界 結晶粒界(旧オーステナイト粒界)

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量%で、0.05乃至0.2%の炭
    素、1.0%以下のニッケル、8.0乃至12.5%の
    クロム、0.3乃至2.0%のモリブデン、0.5乃至
    2.0%のタングステン、0.1乃至0.3%のバナジ
    ウム、0.02乃至0.15のニオブ、0.01乃至
    0.08%の窒素、2.0〜6.0%のコバルトを含有
    し、残部が実質的にFe及び不可避的不純物からなり、
    該不可避的不純物のうちのSi,Mn,P及びSの含有
    量が重量%でSi:0.1%以下、Mn:0.3%以
    下、P:0.015%以下、S:0.008%以下であ
    り、組織が焼戻しマルテンサイト基地からなる耐熱鋼よ
    り形成されることを特徴とする析出強化型フェライト系
    耐熱鋼。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の組成に加えて、さらに重
    量%でTa:0.02〜0.25%,B:0.001〜
    0.03%のうちの一種又は二種以上を含有する組織が
    マルテンサイト基地からなる耐熱鋼の次式によって求め
    られるCr当量,Cr当量=Cr+6Si+4Mo+
    1.5W+11V+5Nb−40C−2Mn−4Ni−
    2Co−30N,が7.5%以下であり、B+0.5N
    で表されるB当量が0.030%以下であり、Nb+
    0.4Cで表されるNb当量が0.12%以下であり、
    Mo+0.5Wで表されるMo当量が1.40〜2.4
    5%であることを特徴とする析出強化型フェライト系耐
    熱鋼。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2記載の析出強化型
    フェライト系耐熱鋼において、溶体化・焼入れ熱処理温
    度を1050〜1150℃として焼入れ後、少なくとも
    530〜570℃の温度において第1段焼戻し熱処理
    後、それより高い温度の600〜750℃の温度におい
    て第2段焼戻し熱処理を施すことを特徴とする析出強化
    型フェライト系耐熱鋼。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の析出強化型フェライト系
    耐熱鋼において、前記熱処理によりM236 型炭化物お
    よび金属間化合物を主として結晶粒界及びマルテンサイ
    トラス境界に析出させ、かつMX型炭窒化物をマルテン
    サイトラス内部に析出させ、これら析出する析出物の合
    計量が1.8〜4.5重量%であることを特徴とする析
    出強化型フェライト系耐熱鋼。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の析出強化型耐熱鋼におい
    て、前記焼入れ熱処理後のオーステナイト結晶粒径が4
    5〜250μmであることを特徴とする析出強化型フェ
    ライト系耐熱銅
  6. 【請求項6】 請求項5記載の析出強化型フェライト系
    耐熱鋼であって、同耐熱鋼を形成する鋼塊がエレクトロ
    スラグ再溶解法またはそれに準じる鋼塊製造法を用いて
    得ることを特徴とする析出強化型フェライト系耐熱鋼。
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