JPH1087925A - スチレン系樹脂組成物 - Google Patents
スチレン系樹脂組成物Info
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- JPH1087925A JPH1087925A JP25001396A JP25001396A JPH1087925A JP H1087925 A JPH1087925 A JP H1087925A JP 25001396 A JP25001396 A JP 25001396A JP 25001396 A JP25001396 A JP 25001396A JP H1087925 A JPH1087925 A JP H1087925A
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Abstract
れ、射出、押出し成形性に優れる、電気・電子部品、O
A筐体部品等の射出成形品、シート、フィルム及びパイ
プ等の用途に好適に用いられるスチレン系樹脂組成物を
提供することである。 【解決手段】 (A)スチレンを40重量%以上共重合
したスチレン系樹脂及び/又はスチレンを40重量%以
上共重合したゴム強化スチレン系樹脂1〜99重量部
と、(B)芳香族ビニル化合物単量体単位含量が1〜5
5モル%であるアイソタクティク性の高いエチレン−芳
香族ビニル化合物共重合体99〜1重量部とを含有する
樹脂組成物。
Description
/またはゴム強化スチレン系樹脂と新規なエチレン−芳
香族ビニル化合物共重合体とからなるスチレン系樹脂組
成物に関する。
特に靭性に優れ、同時に射出、押出成形性の改良された
射出成形品、押出成形品等の用途に好適に用いられる新
規なスチレン系樹脂組成物に関する。
チレン系樹脂は、形状安定性に優れた材料であるが、機
械的特性、特に靭性に劣る欠点があった。かかる欠点を
改良する目的で用いられるスチレン−ブタジエンランダ
ム共重合体、スチレン−ブタジエンブロック共重合体、
スチレン−イソプレンブロック共重合体、水添スチレン
−ブタジエンブロック共重合体、エチレン−α−オレフ
ィン共重合体などとスチレン系樹脂またはゴム強化スチ
レン系樹脂とからなる樹脂組成物では、スチレン系樹脂
組成物の機械的特性、特に靭性が改良されており、射出
成形品及び押出成形品の用途に広く使用されている。
ダム共重合体、スチレン−ブタジエンブロック共重合
体、スチレン−イソプレンブロック共重合体ではブタジ
エンあるいはイソプレンに起因する二重結合のため射
出、押出成形時に樹脂が熱劣化を起こすという欠点があ
った。また水添スチレン−ブタジエンブロック共重合体
では、樹脂組成物の剛性が大幅に低下する問題があっ
た。またエチレン−α−オレフィン共重合体との樹脂組
成物は、相溶性が十分でなく成形物の表面が剥離する等
の欠点があった。
ような従来のスチレン系樹脂組成物の欠点を改良し、機
械特性、特に靭性に優れ、射出、押出成形時の熱劣化も
少なく、すなわち成形性に優れ、かつ相溶性も良好な新
規なスチレン系樹脂組成物を提供することにある。
脂及び/またはゴム強化スチレン系樹脂と特定の組成及
び構造を有する新規なエチレン−芳香族ビニル化合物共
重合体とからなる組成物により上記の課題を解決するも
のである。
を40重量%以上含むスチレン系樹脂及び/またはスチ
レン単量体単位を40重量%以上含むゴム強化スチレン
系樹脂1〜99重量部と、下記の(B)エチレン−芳香
族ビニル化合物共重合体99〜1重量部を含有するスチ
レン系樹脂組成物である。(B)は、芳香族ビニル化合
物単量体単位含量が1〜55モル%であるエチレン−芳
香族ビニル化合物共重合体であって、下記の一般式
(1)で示される構造を主とし、その構造中に含まれる
下記の一般式(2)で示されるエチレンと芳香族ビニル
化合物の交互構造のフェニル基の立体規則性がアイソタ
クティクダイアッド分率mで0.75以上のエチレン−
芳香族ビニル化合物共重合体である。
xは繰り返し単位数を示す2以上の整数、yは1以上の
整数であって、各繰り返し単位において同一でも異なっ
ていてもよい。zは0または1であって、各繰り返し単
位において同一でも異なっていてもよい。)
x’は繰り返し単位数を示し2以上の整数を表す。)
量部と、(B)成分を70〜1重量部含有するスチレン
系樹脂組成物である。更に本発明は、(B)成分のエチ
レン−芳香族ビニル化合物共重合体が、エチレンと芳香
族ビニル化合物単量体とを上記の一般式(3)または
(4)で示される遷移金属化合物と、助触媒とを用いて
重合して製造されるエチレン−芳香族ビニル化合物共重
合体であるスチレン系樹脂組成物である。
お、下記の説明で、化学式中のPhはフェニル基等の芳
香族基を、Meはメチル基を表す。本発明の(B)成分
であるエチレン−芳香族ビニル化合物共重合体とは、上
記の一般式(1)で示される構造を主として有する共重
合体において、上記の一般式(2)で示されるエチレン
と芳香族ビニル化合物の交互構造のフェニル基の立体規
則性がアイソタクティクダイアッド分率mで0.75以
上であり、共重合体の芳香族ビニル化合物単量体単位含
量が1〜55モル%の共重合体である。その構造は、核
磁気共鳴法(NMR法)によって決定される。
るエチレン−スチレン共重合体を例に取り、(B)成分
について更に詳細に説明する。スチレン含量が1〜55
モル%であるこの共重合体の13C−NMRスペクトル
は、主に以下に示す位置にピークを示す。即ち、主鎖メ
チレン及びメチン炭素に由来するピークを25ppm付
近、27ppm付近、30ppm付近、36ppm付
近、及び45ppm付近に、また、フェニル基のうちポ
リマー主鎖に結合していない5個の炭素に由来するピー
クを126ppm付近及び128ppm付近に、フェニ
ル基のうち共重合体の主鎖に結合している1個の炭素に
由来するピークを146ppm付近に示す。特開平3−
163088号公報に記載されている共重合体の13C
−NMRスペクトルとの比較により、これはヘッド−テ
イル構造のスチレン連鎖を有しない、いわゆる擬似ラン
ダム共重合体である。
で表される共重合体は、下式(i)で与えられる指数θ
が、スチレン含量が1〜45モル%未満の場合70より
大きく、44〜55モル%の場合30より大きいことを
特徴とする。 θ=Al/A2×100 式(i) ここで、AlはTMSを基準とした13C−NMRによ
って25〜50ppmの範囲に見い出される、下記一般
式(1’)中のα〜εのメチン、メチレン炭素に帰属さ
れるピーク面積の総和である。また、A2はTMSを基
準にした13C−NMRによる25〜50ppmの範囲
のピークの面積の総和である。
の整数、yは1以上の整数であって、各繰り返し単位に
おいて互いに同一でも異なっていてもよい。zは0また
は1であって、各繰り返し単位において互いに同一でも
異なっていてもよい。zが0の場合は、ポリマー内にお
いてエチレンに対するスチレンの結合方向が一様である
場合を示し、1の場合は、エチレンに対するスチレンの
結合方向が一様でない場合、即ち異種結合を含む場合を
示している。)
れるエチレン−スチレン交互構造の割合を示す指数λを
下式(ii)で定義する。 λ=A3/A2×100 式(ii) ここで、A3はTMSを基準とした13C−NMRによ
って25〜50ppmの範囲に見い出されるエチレン−
スチレン交互構造由来の、下記の一般式(2’)中の
a、b、c3種類のメチン、メチレン炭素に帰属される
ピークの面積の総和である。また、A2はTMSを基準
にした13C−NMRによる25〜50ppmの範囲の
ピークの面積の総和である。
上の整数を表す。)
レン共重合体は、交互構造指数λが70より小さく0.
1より大きい、好ましくは70より小さく5より大き
い、特に好ましくは70より小さく10より大きいこと
を特徴とする。また、本発明のエチレン−スチレン共重
合体では、重合条件等により、下記の一般式(5)で示
される、スチレンに由来する異種結合構造を含む場合が
ある。
す。)
合には、下記の一般式(6)で表される限定的なスチレ
ンの連鎖構造を含むことができる。
分であるエチレン−スチレン共重合体は、いずれのスチ
レン含量においても、TMSを基準とした13C−NM
Rスペクトルにおいて、40.8〜41.0ppmのシ
ンジオタクティクポリスチレン、40.5〜41.0p
pmのアタクティクポリスチレン、及びアイソタクティ
クポリスチレンの明確なピークが見られない。すなわ
ち、これらのピークで特徴づけられる、以下の一般式
(7)で示されるような、ヘッド−テイル構造のアタク
ティク、シンジオタクティク、またはアイソタクティク
ポリスチレンの連鎖が実質的に存在しないことが特徴で
ある。
いて、エチレンとスチレンの交互共重合構造のフェニル
基の立体規則性がアイソタクティク構造であるとは、ア
イソタクティクダイアッド分率mが0.75以上、好ま
しくは0.85以上、さらに好ましくは0.95以上を
示す構造をいう。ここで、アイソタクティクダイアッド
分率mは、25ppm付近に現れるメチレン炭素ピーク
において、ラセミダイアッド構造に由来する25.4〜
25.5ppm付近のピーク面積Arと、メソダイアッ
ド構造に由来する25.2〜25.3ppm付近のピー
ク面積Amとから、下式(iii)によって求めること
ができる。なお、13C−NMRスペクトルは、共に重
クロロホルムを溶媒とし、TMSを基準として求めた。 m=Am/(Ar+Am) 式(iii)
としてスチレンを例にとり、本発明の(B)成分である
エチレン−芳香族ビニル化合物共重合体を説明したが、
(B)成分に用いられる芳香族ビニル化合物単量体の具
体例には、スチレン、各種の置換スチレン、例えばp−
メチルスチレン、m−メチルスチレン、o−メチルスチ
レン、o−t−ブチルスチレン、m−t−ブチルスチレ
ン、p−t−ブチルスチレン、p−クロロスチレン、o
−クロロスチレン、α−メチルスチレン等があり、また
ジビニルベンゼン等の一分子中に複数個のビニル基を有
する単量体があり、これらを単独で、あるい2種以上を
併用して用いる。
00以上であるが、スチレン系樹脂組成物としての要求
特性を満足するために、好ましくは1万以上、特に好ま
しくは3万以上である。
粋な共重合体である必要はなく、構造及び立体規則性が
本発明の範囲にあれば、他の構造が含まれていても良
く、また、他の単量体が共重合されていても差し支えな
い。共重合される他の単量体としては、プロピレン、1
−ヘキセン、1−オクテン等の炭素数3以上のα−オレ
フィン、ブタジエン、イソプレン等の共役ジエン単量
体、シクロペンテン、シクロペンタジエン、シクロヘキ
セン等の環状オレフィン等が挙げられる。
ル化合物単量体が熱重合あるいはラジカル重合したアタ
クティクホモポリマーが少量含まれる場合があるが、そ
の量は全体の10重量%以下であることが好ましい。こ
のようなホモポリマーは溶媒抽出等の手段により除去で
きるが、物性上特に問題がなければ、これを含んだまま
使用することもできる。
いが、好ましくは、エチレンと芳香族ビニル化合物単量
体とを、非置換または置換インデニル基を少なくとも1
個以上含有する遷移金属化合物または、非置換または置
換シクロペンタジエニル基及び非置換または置換インデ
ニル基を含有する遷移金属化合物と助触媒とを用いて重
合することにより製造される。当該遷移金属化合物は、
下記の一般式(3)または一般式(4)で示される遷移
金属化合物である。
または置換インデニル基である。Ind1とInd2は
互いに同一であっても、異なっていてもよい。Yは、I
nd1、Ind2と結合を有し、他の置換基を有する炭
素、珪素、ゲルマニウムまたはほう素であり、他の置換
基には水素、ハロゲン、アルキル基好ましくは炭素数1
〜15のアルキル基、アリール基好ましくは炭素数6〜
10のアリール基、アルキルアリール基好ましくは炭素
数7〜40のアルキルアリール基等がある。この置換基
は同一であっても、互いに異なっていても、またはシク
ロヘキシル基、シクロペンチル基等の環状構造を有して
いてもよい。Yの構造を例示すると、−CH2 −、−C
Me2 −、−CPh2 −、−SiH2 −、−SiMe2
−、−SiPh2 −等がある。
臭素等のハロゲン、メチル基あるいはエチル基等のアル
キル基、フェニル基等のアリール基、トリメチルシリル
基等のシリル基、メトキシ基、エトキシ基あるいはイソ
プロポキシ基等のアルコキシ基等がある。また、X1、
X2は互いに同一でも異なっていてもよい。Mは第IV
族金属であり、Zr、Hf、Ti等が例示できる。)
は、1−インデニル、2−アルキル−1−インデニル、
2−アルキル−4−アリール−1−インデニル、2,4
−ジアルキル−1−インデニル、2,4−ジアリール−
1−インデニル、2,4,6−トリアルキル−1−イン
デニル、1−アルキル−4,5−ベンゾ−1−インデニ
ル、2,5−ジアルキル−1−インデニル、2,5,6
−トリアルキル−1−インデニル、2,4,5−トリア
ルキル−1−インデニル、2−アリール−1−インデニ
ル、2,6−ジアルキル−4−アリール−1−インデニ
ル、2−アルキル−5−アリール−1−インデニル、2
−アルキル−5,6−ジアリール−1−インデニル、2
−アルキル−4,5−ジアリール−1−インデニル、2
−アルキル−4,6−ジアリール−1−インデニル等が
挙げられる。
ンデニル基である。Cpは、非置換または置換シクロペ
ンタジエニル基である。Yは、Ind、Cpと結合を有
し、他の置換基を有する炭素、珪素、ゲルマニウムまた
はほう素であり、他の置換基とは水素、ハロゲン、アル
キル基好ましくは炭素数1〜15のアルキル基、アリー
ル基好ましくは炭素数6〜10のアリール基、アルキル
アリール基好ましくは炭素数7〜40のアルキルアリー
ル基等がある。この置換基は同一であっても、互いに異
なっていても、またはシクロヘキシル基、シクロペンチ
ル基等の環状構造を有していてもよい。Yの構造を例示
すると、−CH2 −、−CMe2 −、−CPh2 −、−
SiH2 −、−SiMe2−、−SiPh2 −等があ
る。
臭素等のハロゲン、メチル基あるいはエチル基等のアル
キル基、フェニル基等のアリール基、トリメチルシリル
基等のシリル基、メトキシ基、エトキシ基あるいはイソ
プロポキシ基等のアルコキシ基等がある。また、X1、
X2は互いに同一でも異なっていてもよい。Mは第IV
族金属であり、Zr、Hf、Ti等がある。)
2に使用できるものを例示できる。Cpの例としては、
シクロペンタジエニル、2−アルキル−1−シクロペン
タジエニル、2,4−ジアルキル−1−シクロペンタジ
エニル、2,4,5−トリアルキル−1−シクロペンタ
ジエニル、2−トリアルキルシリル−1−シクロペンタ
ジエニル、2−トリアルキルシリル−4−アルキル−1
−シクロペンタジエニル、2−トリアルキルシリル−
4,5−ジアルキル−1−シクロペンタジエニル、2−
アルキル−4−アリール−1−シクロペンタジエニル、
2−アルキル−4,5−ジアリール−1−シクロペンタ
ジエニル、2,5−ジアルキル−4−アリール−1−シ
クロペンタジエニル、2,4−ジアルキル−5−アリー
ル−1−シクロペンタジエニル、2−アリール−1−シ
クロペンタジエニル、2−アリール−4−アルキル−1
−シクロペンタジエニル、2−アリール−4,5−ジア
ルキル−1−シクロペンタジエニル、2,3,4,5−
テトラアルキルシクロペンタジエニル、2,3,4,5
−テトラアリールシクロペンタジエニル等がある。
記の遷移金属錯体と共に助触媒として有機アルミニウム
化合物及び/またはほう素化合物を用いることが好まし
い。助触媒として用いる有機アルミニウム化合物として
は、メチルアルモキサン、エチルアルモキサン、トリイ
ソブチルアルモキサン等のアルモキサンが好適に用いら
れるが、特にメチルアルモキサンが好ましい。必要に応
じ、これら種類の異なるアルモキサンの混合物を用いて
もよい。また、これらアルモキサンとアルキルアルミニ
ウム、例えば、トリメチルアルミニウム、トリエチルア
ルミニウム、トリイソブチルアルミニウムやハロゲンを
含むアルキルアルミニウム、例えばジメチルアルミニウ
ムクロライド等を併用してもよい。
N−ジメチルアニリニウムテトラ(ペンタフルオロフェ
ニル)ボレート、トリチルテトラ(ペンタフルオロフェ
ニル)ボレート、リチウムテトラ(ペンタフルオロフェ
ニル)ボレート、トリ(ペンタフルオロフェニル)ボレ
ート等である。また、これらほう素化合物と上記有機ア
ルミニウム化合物を同時に用いても差し支えない。特
に、ほう素化合物を助触媒として用いる場合、重合系内
に含まれる水等の重合に悪影響を与える不純物の除去に
トリイソブチルアルミニウム等のアルキルアルミ化合物
の添加は有効である。
媒の存在下あるいは不存在下で、所望の単量体を遷移金
属錯体および助触媒と混合して重合することができる。
用いられる溶媒にはペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シ
クロヘキサン等の脂肪族炭化水素、ベンゼン、トルエ
ン、キシレン、クロロ置換ベンゼン、クロロ置換トルエ
ン等の芳香族炭化水素、塩化メチレン、クロロホルム等
のハロゲン化炭化水素等があり、単独または混合溶媒と
して用いることが出来る。
−78℃から200℃が適当であり、好ましくは0℃〜
160℃である。−78℃より低い重合温度は工業的に
不利であり、200℃を超えると金属錯体の分解が起こ
るので適当ではない。助触媒として有機アルミニウム化
合物を用いる場合には、錯体の遷移金属に対し、アルミ
ニウム原子/錯体金属原子比で好ましくは0.1〜10
0000、特に好ましくは10〜10000の範囲で用
いる。0.1より小さいと遷移金属錯体の活性化が不十
分であり、100000を超えると経済的に不利とな
る。助触媒としてほう素化合物を用いる場合には、ほう
素原子/錯体金属原子比で0.01〜100の範囲で用
いることが適当であるが、好ましくは0.1〜10、特
に好ましくは1で用いられる。0.01より小さいと遷
移金属錯体の活性化が不十分であり、100を超えると
経済的に不利となる。第IV族金属錯体と助触媒は、重
合槽外で混合、調製しても、重合時に槽内で混合しても
よい。
単量体単位を40重量%以上含むスチレン系樹脂として
は、スチレン重合体、スチレン−メチルメタクリレート
共重合体、スチレン−メチルアクリレート共重合体、ス
チレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−アクリル酸
共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチ
レン−N−フェニルマレイミド共重合体等がある。ま
た、スチレン単量体単位を40重量%以上含むゴム強化
スチレン系樹脂としては、ハイインパクトポリスチレ
ン、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合
体、メチルメタクリレート−ブタジエン−スチレン共重
合体等がある。また、本発明で用いる(A)成分は、ス
チレン系樹脂及びゴム強化スチレン系樹脂の混合物であ
っても良い。
スチレン系樹脂及び/またはゴム強化スチレン系樹脂1
〜99重量部と、(B)エチレン−芳香族ビニル化合物
共重合体99〜1重量部を含有する。(A)に(B)が
添加された場合には、機械的特性、特に靭性に優れ、成
形性の改良されたスチレン系樹脂組成物が得られ、
(B)に(A)が添加された場合には、特に剛性が改良
され、機械的特性、成形性の良好な樹脂組成物が得られ
るので両者の配合比は上記の範囲において特別限定され
るものではなく、広範囲な比率で使用可能である。ま
た、(B)エチレン−芳香族ビニル化合物共重合体が
(A)スチレン系樹脂及び/またはゴム強化スチレン系
樹脂の改質材として用いられる場合には、(A)30〜
99重量部、(B)70〜1重量部の割合で含有するこ
とが好ましく、(A)を50〜95重量部、(B)を5
0〜5重量部の割合で含有することが更に好ましい。
応じ、従来の樹脂組成物に用いられる可塑剤、滑剤、安
定剤、着色剤、ガラスファイバー、セラミックファイバ
ー、シリカ、タルク等の無機添加剤等を混合して使用す
ることができる。また必要ならば他の樹脂、例えばポリ
エチレン、ポリプロピレン、ナイロン、ポリエステル、
ポリカーボネート、ポリフェニレンエーテル等を混ぜる
ことも可能である。
成分のスチレン系樹脂及び/またはゴム強化スチレン系
樹脂と(B)成分のエチレン−芳香族ビニル化合物共重
合体とを溶融混合して製造されるが、溶融混合は公知の
方法によればよく、通常160〜280℃の温度で行
い、溶融混合にあたっては押出機、ニーダー、バンバリ
ーミキサーなどのいずれの装置を使用してもよい。
これらの実施例は本発明を限定するものではない。
の手段によって実施した。13C−NMR測定は、装置
は日本電子社製JNMGX−270またはα−500を
用い、溶媒は重クロロホルムまたは重1,1,2,2−
テトラクロロエタンを用い、TMSを基準として測定し
た。ポリマー中のスチレン含量の決定は、1H−NMR
で行い、装置は日本電子社製JNMGX−270または
α−500を用い、溶媒は重クロロホルムまたは1,
1,2, 2−テトラクロロエタンを用い、TMSを基準
として、フェニル基プロトン由来のピークとアルキル基
由来のプロトンピークの強度比較で行った。分子量はG
PC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)を用
いて標準ポリスチレン換算の分子量を求めた。溶媒はT
HFまたは1,2,4−トリクロロベンゼンを用い、カ
ラムは東ソー社製HLC−8020またはセンシュウ科
学社製GPC−7100を用いた。
方法で行った。靭性は、落錘強度をJIS K−721
1に準じて測定し、50%非破壊をその値とした。曲げ
弾性率はJIS K−7203に準じて測定した。成形
表面特性はJIS K−7113の引張りダンベルの表
面剥離状態を目視で判定した。成形性としての熱安定性
は射出成形機中に300℃で5分間滞留した後、ダンベ
ルを成形し、その表面の色調変化を目視で判定した。
きオートクレーブに、スチレン340ml、トルエン4
0mlを加え、さらにメチルアルモキサン(東ソーアク
ゾ社製、MMAO−3A)をAl原子基準で25mmo
l加えた。次いで、室温でエチレンを導入して9kg/
cm2 Gに昇圧した後、オートクレーブを加熱し内温を
50℃で安定させた。オートクレーブ上部に設置した耐
圧タンクから、ラセミ体のイソプロピリデンビス(1−
インデニル)ジルコニウムジクロリド25μmolをト
ルエン100mlに溶解した触媒液をオートクレーブ中
に注入した。エチレン圧を2kg/cm2 Gに維持しな
がら1時間重合を行った。重合終了後、内容液を大過剰
の塩酸酸性メタノール液中に投入してポリマーを回収し
た。これを減圧下にて60℃で10時間以上乾燥したと
ころ、64gのエチレン−スチレン共重合体(P1)を
得た。
エン150mlに溶解した触媒液を用い、メチルアルモ
キサン量を42mmol、スチレン、トルエンの仕込み
量をそれぞれ200ml、130mlに、エチレン圧を
10kg/cm 2 Gに変更した以外は参考例1と同様に
重合を実施したところ、88gのエチレン−スチレン共
重合体(P2)を得た。
lに変更した以外は参考例2と同様に重合を実施したと
ころ、96gのエチレン−スチレン共重合体(P3)を
得た。得られたエチレン−スチレン共重合体P1、P2
及びP3の分析値を表1に示した。
1、P2、P3)それぞれ20重量部とハイインパクト
ポリスチレン(電気化学工業社製デンカHI−RQ)8
0重量部を20mmφ2軸押出機で230℃で溶融混練
した。得られたスチレン系樹脂組成物の物性評価を行
い、その結果を表2に示した。
とポリスチレン(電気化学工業社製デンカMW−1)6
0重量部を実施例1と同様に溶融混練した。得られたス
チレン系樹脂組成物の物性評価を行い、その結果を表2
に示した。
とスチレン−メチルメタクリレート共重合体(電気化学
工業社製デンカTP)75重量部を実施例1と同様に溶
融混練した。得られたスチレン系樹脂組成物の物性評価
を行い、その結果を表2に示した。
的特性、特に靭性に優れ、また熱安定性も良好で、成形
性にも優れ、かつ相溶性が良いため成形品の表面特性も
優れている。そのため電気・電子部品、OA筐体部品等
の射出成形品、シート、フィルム及びパイプ等の用途に
好適に用いられる。
Claims (3)
- 【請求項1】 (A)スチレン単量体単位を40重量%
以上含むスチレン系樹脂及び/またはスチレン単量体単
位を40重量%以上含むゴム強化スチレン系樹脂1〜9
9重量部と、下記の(B)エチレン−芳香族ビニル化合
物共重合体99〜1重量部を含有することを特徴とする
スチレン系樹脂組成物。(B)は、芳香族ビニル化合物
単量体単位含量が1〜55モル%であるエチレン−芳香
族ビニル化合物共重合体であって、下記の一般式(1)
で示される構造を主とし、その構造中に含まれる下記の
一般式(2)で示されるエチレンと芳香族ビニル化合物
の交互構造のフェニル基の立体規則性がアイソタクティ
クダイアッド分率mで0.75以上のエチレン−芳香族
ビニル化合物共重合体である。 【化1】 (式中、Phはフェニル基等の芳香族基、xは繰り返し
単位数を示す2以上の整数、yは1以上の整数であっ
て、各繰り返し単位において同一でも異なっていてもよ
い。zは0または1であって、各繰り返し単位において
同一でも異なっていてもよい。) 【化2】 (式中、Phはフェニル基等の芳香族基、x’は繰り返
し単位数を示し2以上の整数を表す。) - 【請求項2】 (A)成分を30〜99重量部と、
(B)成分を70〜1重量部含有することを特徴とする
請求項1記載のスチレン系樹脂組成物。 - 【請求項3】 (B)成分のエチレン−芳香族ビニル化
合物共重合体が、エチレンと芳香族ビニル化合物単量体
とを下記の一般式(3)または(4)で示される遷移金
属化合物と、助触媒とを用いて重合することにより製造
されることを特徴とする請求項1または請求項2記載の
スチレン系樹脂組成物。 【化3】 (式中、Ind1、Ind2は、非置換または置換イン
デニル基であり、Ind1とInd2は互いに同一であ
っても、異なっていても良い。Yは、Ind1、Ind
2と結合を有し、他の置換基を有する炭素、珪素、ゲル
マニウムまたはほう素であり、他の置換基としては水
素、ハロゲン、アルキル基、またはアリール基、アルキ
ルアリール基がある。置換基は互いに異なっていても同
一でも、シクロヘキシル基、シクロペンチル基等の環状
構造を有していてもよい。X1、X2は、水素や塩素、
臭素等のハロゲン、メチル基、エチル基等のアルキル
基、フェニル基等のアリール基、トリメチルシリル基等
のシリル基、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ
基等のアルコキシ基等である。また、X1、X2は互い
に同一でも異なっていてもよい。Mは、Zr、Hf、T
i等の第IV族金属である。) 【化4】 (式中、Indは、非置換または置換インデニル基であ
る。Cpは、非置換または置換シクロペンタジエニル基
である。Yは、Ind、Cpと結合を有し、他の置換基
を有する炭素、珪素、ゲルマニウムまたはほう素であ
り、他の置換基としては水素、ハロゲン、アルキル基、
またはアリール基、アルキルアリール基がある。置換基
は互いに異なっていても同一でも、シクロヘキシル基、
シクロペンチル基等の環状構造を有していてもよい。X
1、X2は、水素や塩素、臭素等のハロゲン、メチル
基、エチル基等のアルキル基、フェニル基等のアリール
基、トリメチルシリル基等のシリル基、メトキシ基、エ
トキシ基、イソプロポキシ基等のアルコキシ基等であ
る。また、X1、X2は互いに同一でも異なっていても
よい。Mは、Zr、Hf、Ti等の第IV族金属であ
る。)
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JP2000248135A (ja) * | 1999-03-04 | 2000-09-12 | Denki Kagaku Kogyo Kk | 帯電防止性樹脂組成物 |
WO2007138936A1 (ja) * | 2006-05-26 | 2007-12-06 | Denki Kagaku Kogyo Kabushiki Kaisha | テ-プ基材及び粘着テープ |
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