JPH1087918A - 樹脂組成物 - Google Patents

樹脂組成物

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JPH1087918A
JPH1087918A JP25001296A JP25001296A JPH1087918A JP H1087918 A JPH1087918 A JP H1087918A JP 25001296 A JP25001296 A JP 25001296A JP 25001296 A JP25001296 A JP 25001296A JP H1087918 A JPH1087918 A JP H1087918A
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JP
Japan
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group
ethylene
aromatic vinyl
vinyl compound
copolymer
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JP25001296A
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English (en)
Inventor
Akio Okamoto
彰夫 岡本
Toru Arai
亨 荒井
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Denka Co Ltd
Original Assignee
Denki Kagaku Kogyo KK
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Publication date
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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
  • Transition And Organic Metals Composition Catalysts For Addition Polymerization (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明の目的は、機械的特性、特に靭性と剛
性のバランス、相溶性、及び射出、押出成形性に優れ、
電気・電子部品、OA筐体部品等の射出成形品、シー
ト、フィルム及びパイプ等の用途に好適に用いられる樹
脂組成物を提供することにある。 【解決手段】 (A)ポリプロピレン及び/又はその共
重合体1〜99重量部と、(B)芳香族ビニル化合物単
量体単位含量が1〜55モル%であるアイソタクティク
性の高いエチレン−芳香族ビニル化合物共重合体99〜
1重量部とを含有する樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はポリプロピレン系樹
脂と新規なエチレン−芳香族ビニル化合物共重合体とか
らなる新規な樹脂組成物に関する。
【0002】さらに詳しくは、本発明は、機械的特性、
特に靭性と剛性のバランス及び相溶性に優れ、同時に射
出、押出成形性の改良された射出成形品、押出成形品等
の用途に好適に用いられる新規な樹脂組成物に関する。
【0003】
【従来の技術】ポリプロピレン系樹脂は、形状安定性に
優れた材料であるが、機械的特性、特に靭性と剛性のバ
ランスに劣る欠点があった。かかる欠点を改良する目的
で使用される水添スチレン−ブタジエンブロック共重合
体、エチレン−α−オレフィン共重合体とポリプロピレ
ン系樹脂とからなる組成物では、ポリプロピレン系樹脂
の機械的特性、特に靭性が改良されており、射出成形及
び押出成形品の用途に広く使用されている。しかしなが
ら、プロピレン系樹脂と水添スチレン−ブタジエンブロ
ック共重合体、エチレン−α−オレフィン共重合体とか
らなる樹脂組成物では大幅に剛性が低下する問題があっ
た。
【0004】また剛性を改良するという目的でポリプロ
ピレン系樹脂とポリスチレン、ゴム強化ポリスチレンと
からなる組成物があるが、相溶性が十分でなく成形物の
表面が剥離する等の欠点があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、この
ような従来のポリプロピレン系樹脂組成物の欠点を改良
し、機械特性、特に靭性と剛性のバランスに優れ、射
出、押出成形性に優れ、かつ相溶性も良好な新規な樹脂
組成物を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、ポリプロピレ
ン系樹脂と特定の組成及び構造を有する新規なエチレン
−芳香族ビニル化合物共重合体とからなる樹脂組成物に
より上記の課題を解決したものである。
【0007】即ち本発明は、(A)プロピレン単独重合
体及び/またはプロピレン共重合体1〜99重量部と、
下記の(B)エチレン−芳香族ビニル化合物共重合体9
9〜1重量部を含有する樹脂組成物である。(B)は、
芳香族ビニル化合物単量体単位含量が1〜55モル%で
あるエチレン−芳香族ビニル化合物共重合体であって、
下記の一般式(1)で示される構造を主とし、その構造
中に含まれる下記の一般式(2)で示されるエチレンと
芳香族ビニル化合物の交互構造のフェニル基の立体規則
性がアイソタクティクダイアッド分率mで0.75以上
であることを特徴とするエチレン−芳香族ビニル化合物
共重合体である。
【0008】
【化5】
【0009】(式中、Phはフェニル基等の芳香族基、
xは繰り返し単位数を示す2以上の整数、yは1以上の
整数であって、各繰り返し単位において同一でも異なっ
ていてもよい。zは0または1であって、各繰り返し単
位において同一でも異なっていてもよい。)
【0010】
【化6】
【0011】(式中、Phはフェニル基等の芳香族基、
x’は繰り返し単位数を示し2以上の整数を表す。)
【0012】また本発明は、(B)成分のエチレン−芳
香族ビニル化合物共重合体が、エチレンと芳香族ビニル
化合物単量体とを上記の一般式(3)または(4)で示
される遷移金属化合物と、助触媒とを用いて重合されて
なる上記の樹脂組成物である。
【0013】以下、本発明の内容を詳細に説明する。な
お、下記の説明で、化学式中のPhはフェニル基等の芳
香族基をMeはメチル基を表す。本発明の(B)成分で
あるエチレン−芳香族ビニル化合物共重合体とは、上記
の一般式(1)で示される構造を主として有する共重合
体において、上記の一般式(2)で示されるエチレンと
芳香族ビニル化合物の交互構造のフェニル基の立体規則
性がアイソタクティクダイアッド分率mで0.75以上
であり、共重合体の芳香族ビニル化合物単量体単位含量
が1〜55モル%であることを特徴とする共重合体であ
る。その構造は、核磁気共鳴法(NMR法)によって決
定される。
【0014】以下に、本発明の(B)成分の代表例であ
るエチレン−スチレン共重合体を例に取り、(B)成分
について更に詳細に説明する。スチレン含量が1〜55
モル%であるこの共重合体の13C−NMRスペクトル
は、主に以下に示す位置にピークを示す。即ち、主鎖メ
チレン及びメチン炭素に由来するピークを25ppm付
近、27ppm付近、30ppm付近、36ppm付
近、及び45ppm付近に、また、フェニル基のうちポ
リマー主鎖に結合していない5個の炭素に由来するピー
クを126ppm付近及び128ppm付近に、フェニ
ル基のうち共重合体の主鎖に結合している1個の炭素に
由来するピークを146ppm付近に示す。特開平3−
163088号公報に記載されている共重合体の13C
−NMRスペクトルとの比較により、これはヘッド−テ
イル構造のスチレン連鎖を有しない、いわゆる擬似ラン
ダム共重合体である。
【0015】本発明の(B)成分である、一般式(1)
で表される共重合体は、下式(i)で与えられる指数θ
が、スチレン含量が1〜45モル%未満の場合70より
大きく、45〜55モル%の場合30より大きいことを
特徴とする。 θ=Al/A2×100 式(i) ここで、AlはTMSを基準とした13C−NMRによ
って25〜50ppmの範囲に見い出される、下記一般
式(1’)中のα〜εのメチン、メチレン炭素に帰属さ
れるピーク面積の総和である。また、A2はTMSを基
準にした13C−NMRによる25〜50ppmの範囲
のピークの面積の総和である。
【0016】
【化7】
【0017】(式中、xは繰り返し単位数を示す2以上
の整数、yは1以上の整数であって、各繰り返し単位に
おいて互いに同一でも異なっていてもよい。zは0また
は1であって、各繰り返し単位において互いに同一でも
異なっていてもよい。zが0の場合は、ポリマー内にお
いてエチレンに対するスチレンの結合方向が一様である
場合を示し、1の場合は、エチレンに対するスチレンの
結合方向が一様でない場合、即ち異種結合を含む場合を
示している。)
【0018】一般式(1)で表される共重合体中に含ま
れるエチレン−スチレン交互構造の割合を示す指数λを
下式(ii)で定義する。 λ=A3/A2×100 式(ii) ここで、A3はTMSを基準とした13C−NMRによ
って25〜50ppmの範囲に見い出されるエチレン−
スチレン交互構造由来の、下記の一般式(2’)中の
a、b、c3種類のメチン、メチレン炭素に帰属される
ピークの面積の総和である。また、A2はTMSを基準
にした13C−NMRによる25〜50ppmの範囲の
ピークの面積の総和である。
【0019】
【化8】
【0020】(式中、x’は繰り返し単位数を示し2以
上の整数を表す。)
【0021】本発明の(B)成分であるエチレン−スチ
レン共重合体は、交互構造指数λが70より小さく0.
1より大きい、好ましくは70より小さく5より大き
い、特に好ましくは70より小さく10より大きいこと
を特徴とする。また、本発明のエチレン−スチレン共重
合体では、重合条件等により、下記の一般式(5)で示
されるスチレンに由来する異種結合構造を含む場合があ
る。
【0022】
【化9】
【0023】(式中、nは0または1以上の整数を表
す。)
【0024】また、スチレン含量が30モル%以上の場
合には、下記の一般式(6)で表される限定的なスチレ
ンの連鎖構造を含むことができる。
【0025】
【化10】
【0026】しかし、いずれにせよ、本発明の(B)成
分であるエチレン−スチレン共重合体は、いずれのスチ
レン含量においても、TMSを基準とした13C−NM
Rスペクトルにおいて、40.8〜41.0ppmのシ
ンジオタクティクポリスチレン、40.5〜41.0p
pmのアタクティクポリスチレン、及びアイソタクティ
クポリスチレンの明確なピークが見られない。すなわ
ち、これらのピークで特徴づけられる、以下の一般式
(7)で示されるような、ヘッド−テイル構造のアタク
ティク、シンジオタクティク、またはアイソタクティク
ポリスチレンの連鎖が実質的に存在しないことが特徴で
ある。
【0027】
【化11】
【0028】(式中、qは3以上の整数を表す。)
【0029】本発明のエチレン−スチレン共重合体にお
いて、エチレンとスチレンの交互共重合構造のフェニル
基の立体規則性がアイソタクティク構造であるとは、ア
イソタクティクダイアッド分率mが0.75以上、好ま
しくは0.85以上、さらに好ましくは0.95以上を
示す構造をいう。ここで、アイソタクティクダイアッド
分率mは、25ppm付近に現れるメチレン炭素ピーク
において、ラセミダイアッド構造に由来する25.4〜
25.5ppm付近のピーク面積Arと、メソダイアッ
ド構造に由来する25.2〜25.3ppm付近のピー
ク面積Amとから、下式(iii)によって求めること
ができる。なお、13C−NMRスペクトルは、共に重
クロロホルムを溶媒とし、TMSを基準として求めた。 m=Am/(Ar+Am) 式(iii)
【0030】芳香族ビニル化合物単量体の代表例として
スチレンを例にとり、本発明の(B)成分であるエチレ
ン−芳香族ビニル化合物共重合体を説明したが、(B)
成分に用いられる芳香族ビニル化合物単量体の具体例に
は、スチレン、各種の置換スチレン、例えばp−メチル
スチレン、m−メチルスチレン、o−メチルスチレン、
o−t−ブチルスチレン、m−t−ブチルスチレン、p
−t−ブチルスチレン、p−クロロスチレン、o−クロ
ロスチレン、α−メチルスチレン等があり、またジビニ
ルベンゼン等の一分子中に複数個のビニル基を有する単
量体があり、これらを単独で、あるい2種以上を併用し
て用いる。
【0031】本発明の(B)成分は重量平均分子量10
00以上であるが、樹脂組成物としての要求特性を満足
するために、好ましくは1万以上、特に好ましくは3万
以上である。
【0032】本発明の(B)成分は、必ずしもそれが純
粋な共重合体である必要はなく、構造及び立体規則性が
本発明の範囲にあれば、他の構造が含まれていても良
く、また、他の単量体が共重合されていても差し支えな
い。共重合される他の単量体としては、プロピレン、1
−ヘキセン、1−オクテン等の炭素数3以上のα−オレ
フィン、ブタジエン、イソプレン等の共役ジエン単量
体、シクロペンテン、シクロペンタジエン、シクロヘキ
セン等の環状オレフィン等が挙げられる。
【0033】また、重合条件等によっては、芳香族ビニ
ル化合物単量体が熱重合あるいはラジカル重合したアタ
クティクホモポリマーが少量含まれる場合があるが、そ
の量は全体の10重量%以下であることが好ましい。こ
のようなホモポリマーは溶媒抽出等の手段により除去で
きるが、物性上特に問題がなければ、これを含んだまま
使用することもできる。
【0034】本発明の(B)成分の製法は特に制限はな
いが、好ましくは、エチレンと芳香族ビニル化合物単量
体とを、非置換または置換インデニル基を少なくとも1
個以上含有する遷移金属化合物または、非置換または置
換シクロペンタジエニル基及び非置換または置換インデ
ニル基を含有する遷移金属化合物と助触媒とを用いて重
合することにより製造される。当該遷移金属化合物は、
下記の一般式(3)または一般式(4)で示される遷移
金属化合物である。
【0035】
【化12】
【0036】(ここで、Ind1、Ind2は、非置換
または置換インデニル基である。Ind1とInd2は
互いに同一であっても、異なっていてもよい。Yは、I
nd1、Ind2と結合を有し、他の置換基を有する炭
素、珪素、ゲルマニウムまたはほう素であり、他の置換
基には水素、ハロゲン、アルキル基好ましくは炭素数1
〜15のアルキル基、アリール基好ましくは炭素数6〜
10のアリール基、アルキルアリール基好ましくは炭素
数7〜40のアルキルアリール基等がある。この置換基
は同一であっても、互いに異なっていても、またはシク
ロヘキシル基、シクロペンチル基等の環状構造を有して
いてもよい。Yの構造を例示すると、−CH2 −、−C
Me2 −、−CPh2 −、−SiH2 −、−SiMe2
−、−SiPh2 −等がある。
【0037】X1、X2としては、水素、塩素あるいは
臭素等のハロゲン、メチル基あるいはエチル基等のアル
キル基、フェニル基等のアリール基、トリメチルシリル
基等のシリル基、メトキシ基、エトキシ基あるいはイソ
プロポキシ基等のアルコキシ基等がある。また、X1、
X2は互いに同一でも異なっていてもよい。Mは第IV
族金属であり、Zr、Hf、Ti等が例示できる。)
【0038】Ind1及び/またはInd2の例として
は、1−インデニル、2−アルキル−1−インデニル、
2−アルキル−4−アリール−1−インデニル、2,4
−ジアルキル−1−インデニル、2,4−ジアリール−
1−インデニル、2,4,6−トリアルキル−1−イン
デニル、1−アルキル−4,5−ベンゾ−1−インデニ
ル、2,5−ジアルキル−1−インデニル、2,5,6
−トリアルキル−1−インデニル、2,4,5−トリア
ルキル−1−インデニル、2−アリール−1−インデニ
ル、2,6−ジアルキル−4−アリール−1−インデニ
ル、2−アルキル−5−アリール−1−インデニル、2
−アルキル−5,6−ジアリール−1−インデニル、2
−アルキル−4,5−ジアリール−1−インデニル、2
−アルキル−4,6−ジアリール−1−インデニル等が
挙げられる。
【0039】
【化13】
【0040】(ここで、Indは、非置換または置換イ
ンデニル基である。Cpは、非置換または置換シクロペ
ンタジエニル基である。Yは、Ind、Cpと結合を有
し、他の置換基を有する炭素、珪素、ゲルマニウムまた
はほう素であり、他の置換基とは水素、ハロゲン、アル
キル基好ましくは炭素数1〜15のアルキル基、アリー
ル基好ましくは炭素数6〜10のアリール基、アルキル
アリール基好ましくは炭素数7〜40のアルキルアリー
ル基等がある。この置換基は同一であっても、互いに異
なっていても、またはシクロヘキシル基、シクロペンチ
ル基等の環状構造を有していてもよい。Yの構造を例示
すると、−CH2 −、−CMe2 −、−CPh2 −、−
SiH2 −、−SiMe2−、−SiPh2 −等があ
る。
【0041】X1、X2としては、水素、塩素あるいは
臭素等のハロゲン、メチル基あるいはエチル基等のアル
キル基、フェニル基等のアリール基、トリメチルシリル
基等のシリル基、メトキシ基、エトキシ基あるいはイソ
プロポキシ基等のアルコキシ基等がある。また、X1、
X2は互いに同一でも異なっていてもよい。Mは第IV
族金属であり、Zr、Hf、Ti等がある。)
【0042】Indは一般式(3)のInd1、Ind
2に使用できるものを例示できる。Cpの例としては、
シクロペンタジエニル、2−アルキル−1−シクロペン
タジエニル、2,4−ジアルキル−1−シクロペンタジ
エニル、2,4,5−トリアルキル−1−シクロペンタ
ジエニル、2−トリアルキルシリル−1−シクロペンタ
ジエニル、2−トリアルキルシリル−4−アルキル−1
−シクロペンタジエニル、2−トリアルキルシリル−
4,5−ジアルキル−1−シクロペンタジエニル、2−
アルキル−4−アリール−1−シクロペンタジエニル、
2−アルキル−4,5−ジアリール−1−シクロペンタ
ジエニル、2,5−ジアルキル−4−アリール−1−シ
クロペンタジエニル、2,4−ジアルキル−5−アリー
ル−1−シクロペンタジエニル、2−アリール−1−シ
クロペンタジエニル、2−アリール−4−アルキル−1
−シクロペンタジエニル、2−アリール−4,5−ジア
ルキル−1−シクロペンタジエニル、2,3,4,5−
テトラアルキルシクロペンタジエニル、2,3,4,5
−テトラアリールシクロペンタジエニル等がある。
【0043】本発明の(B)成分の製造に際しては、上
記の遷移金属錯体と共に助触媒として有機アルミニウム
化合物及び/またはほう素化合物を用いることが好まし
い。助触媒として用いる有機アルミニウム化合物として
は、メチルアルモキサン、エチルアルモキサン、トリイ
ソブチルアルモキサン等のアルモキサンが好適に用いら
れるが、特にメチルアルモキサンが好ましい。必要に応
じ、これら種類の異なるアルモキサンの混合物を用いて
もよい。また、これらアルモキサンとアルキルアルミニ
ウム、例えば、トリメチルアルミニウム、トリエチルア
ルミニウム、トリイソブチルアルミニウムやハロゲンを
含むアルキルアルミニウム、例えばジメチルアルミニウ
ムクロライド等を併用してもよい。
【0044】助触媒として用いるほう素化合物は、N,
N−ジメチルアニリニウムテトラ(ペンタフルオロフェ
ニル)ボレート、トリチルテトラ(ペンタフルオロフェ
ニル)ボレート、リチウムテトラ(ペンタフルオロフェ
ニル)ボレート、トリ(ペンタフルオロフェニル)ボレ
ート等である。また、これらほう素化合物と上記有機ア
ルミニウム化合物を同時に用いても差し支えない。特
に、ほう素化合物を助触媒として用いる場合、重合系内
に含まれる水等の重合に悪影響を与える不純物の除去に
トリイソブチルアルミニウム等のアルキルアルミ化合物
の添加は有効である。
【0045】本発明の(B)成分の製造では、適当な溶
媒の存在下あるいは不存在下で、所望の単量体を遷移金
属錯体および助触媒と混合して重合することができる。
用いられる溶媒にはペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シ
クロヘキサン等の脂肪族炭化水素、ベンゼン、トルエ
ン、キシレン、クロロ置換ベンゼン、クロロ置換トルエ
ン等の芳香族炭化水素、塩化メチレン、クロロホルム等
のハロゲン化炭化水素等があり、単独または混合溶媒と
して用いることが出来る。
【0046】(B)成分の製造にあたり、重合温度は、
−78℃から200℃が適当であり、好ましくは0℃〜
160℃である。−78℃より低い重合温度は工業的に
不利であり、200℃を超えると金属錯体の分解が起こ
るので適当ではない。助触媒として有機アルミニウム化
合物を用いる場合には、錯体の遷移金属に対し、アルミ
ニウム原子/錯体金属原子比で好ましくは0.1〜10
0000、特に好ましくは10〜10000の範囲で用
いる。0.1より小さいと遷移金属錯体の活性化が不十
分であり、100000を超えると経済的に不利とな
る。助触媒としてほう素化合物を用いる場合には、ほう
素原子/錯体金属原子比で0.01〜100の範囲で用
いることが適当であるが、好ましくは0.1〜10、特
に好ましくは1で用いられる。0.01より小さいと遷
移金属錯体の活性化が不十分であり、100を超えると
経済的に不利となる。第IV族金属錯体と助触媒は、重
合槽外で混合、調製しても、重合時に槽内で混合しても
よい。
【0047】本発明の(A)成分として用いるプロピレ
ン単独重合体及び/またはプロピレン共重合体として
は、ポリプロピレン、プロピレン−オレフィン共重合体
がある。共重合に用いられるオレフィンとしては、エチ
レン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−
ヘプテン、1−オクテン等の炭素数2以上のオレフィン
がある。また、本発明で用いる(A)成分は、ポリプロ
ピレンとプロピレン−オレフィン共重合体との混合物で
あっても良い。
【0048】本発明の樹脂組成物は、(A)プロピレン
単独重合体及び/またはプロピレン共重合体1〜99重
量部と、(B)エチレン−芳香族ビニル化合物共重合体
99〜1重量部とを含有する。(A)プロピレン単独重
合体及び/またはプロピレン共重合体と(B)エチレン
−芳香族ビニル化合物共重合体の樹脂組成物は、広範囲
な組成比で機械的特性、特に靱性と剛性のバランスに優
れ、成形性に優れた樹脂組成物が得られるので、両者の
配合比は上記の範囲において特別限定されるものではな
く、広範囲な比率で使用可能であるが、(A)プロピレ
ン単独重合体及び/またはプロピレン共重合体を10〜
90重量部、(B)エチレン−芳香族ビニル化合物共重
合体を90〜10重量部の割合で含有することが好まし
い。
【0049】本発明の樹脂組成物は、用途に応じ、従来
の樹脂組成物に用いられる可塑剤、滑剤、安定剤、着色
剤、ガラスファイバー、セラミックファイバー、シリ
カ、タルク等の無機添加剤等を混合して使用することが
できる。また必要ならば他の樹脂、例えばポリエチレ
ン、ナイロン、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリ
フェニレンエーテル等を混ぜることも可能である。
【0050】本発明の樹脂組成物は(A)成分のプロピ
レン系樹脂と(B)成分のエチレン−芳香族ビニル化合
物共重合体とを溶融混合して製造されるが、溶融混合は
公知の方法によればよく、通常160〜280℃の温度
で行い、溶融混合にあたっては押出機、ニーダー、バン
バリーミキサーなどのいずれの装置を使用してもよい。
【0051】
【実施例】以下、実施例により、本発明を説明するが、
これらの実施例は本発明を限定するものではない。
【0052】各実施例で得られたポリマーの分析は以下
の手段によって実施した。13C−NMR測定は、装置
は日本電子社製JNMGX−270またはα−500を
用い、溶媒は重クロロホルムまたは重1,1,2,2−
テトラクロロエタンを用い、TMSを基準として測定し
た。ポリマー中のスチレン含量の決定は、1H−NMR
で行い、装置は日本電子社製JNMGX−270または
α−500を用い、溶媒は重クロロホルムまたは1,
1,2, 2−テトラクロロエタンを用い、TMSを基準
として、フェニル基プロトン由来のピークとアルキル基
由来のプロトンピークの強度比較で行った。分子量はG
PC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)を用
いて標準ポリスチレン換算の分子量を求めた。溶媒はT
HFまたは1,2,4−トリクロロベンゼンを用い、カ
ラムは東ソー社製HLC−8020またはセンシュウ科
学社製GPC−7100を用いた。
【0053】樹脂組成物の物性評価は以下の方法で行っ
た。靭性は、落錘強度をJIS K−7211に準じて
測定し、50%非破壊をその値とした。曲げ弾性率はJ
IS K−7203に準じて測定した。成形表面特性は
JIS K−7113の引張りダンベルの表面剥離状態
を目視で判定した。
【0054】参考例1 窒素置換後、エチレンで置換された容量1Lの攪拌機付
きオートクレーブに、スチレン80ml、トルエン36
0mlを加え、更にメチルアルモキサン(東ソーアクゾ
社製、MMAO−3A)をAl原子基準で8.4mmo
l加えた。次いで、室温でエチレンを導入して9kg/
cm2 Gに昇圧した後、オートクレーブを加熱し、内温
を50℃で安定させた。オートクレーブ上部に設置した
耐圧タンクから、ラセミ体のイソプロピリデンビス(1
−インデニル)ジルコニウムジクロリド2.1μmol
をトルエン40mlに溶解した触媒液をオートクレーブ
中に注下した。エチレン圧を10kg/cm2 Gに維持
しながら1時間重合を行った。重合終了後、内容液を大
過剰の塩酸酸性メタノール液中に投入してポリマーを回
収した。これを減圧下、60℃で10時間以上乾燥した
ところ、58gのエチレン−スチレン共重合体(P1)
を得た。
【0055】参考例2 重合装置、スチレン、トルエン、メチルアルモキサンの
仕込みは、参考例1と同様に行い、室温でエチレンを導
入して9kg/cm2 Gに昇圧した後、オートクレーブ
を加熱し、内温を50℃で安定させた。オートクレーブ
上部に設置した耐圧タンクから、ラセミ体のイソプロピ
リデンビス(1−インデニル)ジルコニウムジクロリド
8.4μmolをトルエン40mlに溶解した触媒液を
オートクレーブ中に注下した。次いで、エチレン圧を1
0kg/cm2 Gに維持しながら1時間重合を行った。
ポリマーを参考例1と同様にして回収した結果、97g
のエチレン−スチレン共重合体(P2)を得た。
【0056】参考例3 参考例1と同じ錯体42μmolをトルエン150ml
に溶解した触媒液を用い、メチルアルモキサン量を42
mmol、スチレン、トルエンの仕込み量をそれぞれ2
00ml、130mlに変更した以外は参考例2と同様
に重合を実施したところ、88gのエチレン−スチレン
共重合体(P3)を得た。
【0057】参考例4 参考例1と同じ錯体25μmolをトルエン100ml
に溶解した触媒液を用い、メチルアルモキサン量を25
mmol、スチレン、トルエンの仕込み量は340m
l、40mlに、エチレン圧を2kg/cm2 Gに変更
した以外は参考例2と同様に重合を実施したところ、6
4gのエチレン−スチレン共重合体(P4)を得た。得
られたエチレン−スチレン共重合体P1〜P4の分析値
を表1に示した。
【0058】
【表1】
【0059】実施例1〜4 表2に示したように、表1のエチレン−スチレン共重合
体(P1、P2、P3、P4)それぞれ30重量部とプ
ロピレン重合体(チッソ社製K1016)70重量部を
30mmφ2軸押出機で220℃で溶融混練した。得ら
れた樹脂組成物の物性評価を行い、その結果を表2に示
した。
【0060】実施例5 表1のエチレン−スチレン共重合体(P3)40重量部
とプロピレン−α−オレフィン共重合体(宇部興産社製
JL2516)60重量部を実施例1と同様に溶融混練
し、得られた樹脂組成物の物性評価を行い、その結果を
表2に示した。
【0061】
【表2】
【0062】
【発明の効果】本発明の樹脂組成物は、機械的特性、特
に靭性と剛性のバランスに優れ、かつ相溶性が良いため
成形品の表面特性も優れている。そのため電気・電子部
品、OA筐体部品等の射出成形品、シート、フィルム及
びパイプ等の用途に好適に用いられる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08F 212/08 C08F 212/08

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)プロピレン単独重合体及び/また
    はプロピレン共重合体1〜99重量部と、下記の(B)
    エチレン−芳香族ビニル化合物共重合体99〜1重量部
    を含有することを特徴とする樹脂組成物。(B)は、芳
    香族ビニル化合物単量体単位含量が1〜55モル%であ
    るエチレン−芳香族ビニル化合物共重合体であって、下
    記の一般式(1)で示される構造を主とし、その構造中
    に含まれる下記の一般式(2)で示されるエチレンと芳
    香族ビニル化合物の交互構造のフェニル基の立体規則性
    がアイソタクティクダイアッド分率mで0.75以上で
    あることを特徴とするエチレン−芳香族ビニル化合物共
    重合体である。 【化1】 (式中、Phはフェニル基等の芳香族基、xは繰り返し
    単位数を示す2以上の整数、yは1以上の整数であっ
    て、各繰り返し単位において同一でも異なっていてもよ
    い。zは0または1であって、各繰り返し単位において
    同一でも異なっていてもよい。) 【化2】 (式中、Phはフェニル基等の芳香族基、x’は繰り返
    し単位数を示し2以上の整数を表す。)
  2. 【請求項2】 (B)成分のエチレン−芳香族ビニル化
    合物共重合体が、エチレンと芳香族ビニル化合物単量体
    とを下記の一般式(3)または(4)で示される遷移金
    属化合物と、助触媒とを用いて重合することにより製造
    されることを特徴とする請求項1記載の樹脂組成物。 【化3】 (式中、Ind1、Ind2は、非置換または置換イン
    デニル基であり、Ind1とInd2は互いに同一であ
    っても、異なっていても良い。Yは、Ind1、Ind
    2と結合を有し、他の置換基を有する炭素、珪素、ゲル
    マニウムまたはほう素であり、他の置換基としては水
    素、ハロゲン、アルキル基、またはアリール基、アルキ
    ルアリール基がある。置換基は互いに異なっていても同
    一でも、シクロヘキシル基、シクロペンチル基等の環状
    構造を有していてもよい。X1、X2は、水素や塩素、
    臭素等のハロゲン、メチル基、エチル基等のアルキル
    基、フェニル基等のアリール基、トリメチルシリル基等
    のシリル基、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ
    基等のアルコキシ基等である。また、X1、X2は互い
    に同一でも異なっていてもよい。Mは、Zr、Hf、T
    i等の第IV族金属である。) 【化4】 (式中、Indは、非置換または置換インデニル基であ
    る。Cpは、非置換または置換シクロペンタジエニル基
    である。Yは、Ind、Cpと結合を有し、他の置換基
    を有する炭素、珪素、ゲルマニウムまたはほう素であ
    り、他の置換基としては水素、ハロゲン、アルキル基、
    またはアリール基、アルキルアリール基がある。置換基
    は互いに異なっていても同一でも、シクロヘキシル基、
    シクロペンチル基等の環状構造を有していてもよい。X
    1、X2は、水素や塩素、臭素等のハロゲン、メチル
    基、エチル基等のアルキル基、フェニル基等のアリール
    基、トリメチルシリル基等のシリル基、メトキシ基、エ
    トキシ基、イソプロポキシ基等のアルコキシ基等であ
    る。また、X1、X2は互いに同一でも異なっていても
    よい。Mは、Zr、Hf、Ti等の第IV族金属であ
    る。)
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000248135A (ja) * 1999-03-04 2000-09-12 Denki Kagaku Kogyo Kk 帯電防止性樹脂組成物
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