JP2000302811A - 環状オレフィン系共重合体の製造方法 - Google Patents

環状オレフィン系共重合体の製造方法

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JP2000302811A
JP2000302811A JP11333999A JP11333999A JP2000302811A JP 2000302811 A JP2000302811 A JP 2000302811A JP 11333999 A JP11333999 A JP 11333999A JP 11333999 A JP11333999 A JP 11333999A JP 2000302811 A JP2000302811 A JP 2000302811A
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cyclic olefin
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carbon atoms
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JP11333999A
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English (en)
Inventor
Osamu Nishizawa
理 西澤
Mitsutoshi Aritomi
充利 有富
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Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 環状オレフィン系共重合体において衝撃強
度、引張伸び性が改良され、剛性に優れた樹脂を製造す
る方法の提供。 【解決手段】 下記(A)で表わされる有機遷移金属化
合物と下記(B)で表わされる有機アルミニウムオキシ
化合物からなる触媒の共存下に、下記(C)で表わされ
る環状オレフィンと下記(D)で表わされる炭素数2〜
12のα−オレフィンとを接触せしめて下記(E)で表
わされる環状オレフィン系共重合体を製造することを特
徴とする環状オレフィン系共重合体の製造方法。 (A)CpMAm-1 【化1】 (C)特定の環状オレフィン(ノルボルネン等) (D)C=C−R14 (E)特定の環状オレフィン・α−オレフィン共重合体

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は環状オレフィン系共
重合体、更に詳しくは、剛性と共に耐衝撃性、引張り伸
び性に優れた環状オレフィン系共重合体の製造方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】オレフィン重合体において、環開裂を伴
わない環状オレフィン系重合体は、2次的架橋が問題と
なる二重結合がないこと、また環状オレフィンモノマー
の堅固な構造の故に耐熱性等に様々な特徴を有すること
から、多くの重合体が提案されてきた。
【0003】例えば、日本公開特許公報昭60−168
708号には、テトラシクロドデセン(DMON)とエ
チレンのランダム共重合体が開示されており、これは耐
熱性、耐薬品性に優れ、非晶性であるが故に透明性に優
れるとされている。また、環状オレフィンの1つである
ノルボルネンとエチレン類の共重合体についても、高含
量領域(Tg>室温)では高剛性透明フィルム(例えば
特開平5−112621号、特開平6−336526
号、特開平7−2953号)、光磁気記録媒体(特開平
5−217233号)や液晶ディスプレイ基材(特開平
6−202091号)等の用途への応用が開示されてい
る。
【0004】しかしポリオレフィン系熱可塑性樹脂は、
ガラス状態(Tg以下)においては剛性が高くなると脆
くなり(低衝撃強度)、また引張伸び性も低下し(低靱
性)、一方剛性が低いと衝撃強度、引張伸び性は上昇す
るのが一般的である。結晶性樹脂の場合はTg以上の温
度領域であっても結晶部によりある程度剛性は維持され
るが、非晶性樹脂の場合は剛性の低下が大きくなる(例
えばポリスチレン)。このため、非晶性樹脂の剛性−衝
撃強度バランスの改良研究が数多くなされてきた(例え
ばハイインパクトポリスチレン)。上述した環状オレフ
ィン系共重合体も非晶性、あるいは結晶性がほとんど無
いため例外ではなく、高剛性ではあるが、低衝撃強度、
低靱性であるという問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は環状オレフィ
ン系共重合体において衝撃強度、引張伸び性が改良さ
れ、剛性に優れた樹脂を製造する方法を提供することに
ある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意研究を
行った結果、特定の遷移金属化合物と特定の有機アルミ
ニウムオキシ化合物を組み合わせた触媒系により特定の
環状オレフィンとα−オレフィンの共重合を行うと上記
課題が解決されることを見出し、本発明を達成するに至
った。すなわち、本発明は、下記(A)で表わされる有
機遷移金属化合物と下記(B)で表わされる有機アルミ
ニウムオキシ化合物からなる触媒の共存下に、下記
(C)で表わされる環状オレフィンと下記(D)で表わ
される炭素数2〜12のα−オレフィンとを接触せしめ
て下記(E)で表わされる環状オレフィン系共重合体を
製造することを特徴とする環状オレフィン系共重合体の
製造方法、を提供するものである。 (A)有機遷移金属化合物 次の式(I)で表わされる化合物
【0007】
【化6】 CpMAm-1 (I)
【0008】(ここで、Cpは、炭素数1〜10のアル
キル基、アリール基、アリールアルキル基、アルキルア
リール基またはアルキルシリル基の置換基が1〜3個置
換したシクロペンタジエニル基を表わし、Mは、周期律
表4族または5族の遷移金属を、Aは、ハロゲン原子、
水素原子、炭素数1〜10個のアルキル基、アルコキシ
基、炭素数6〜18のアリールオキシ基、炭素数6〜2
0のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基、炭素
原子および/またはケイ素原子を含むアミド基、ケイ素
原子を含む炭化水素基またはジケトナト類を表わし、A
は、取りうる数の範囲内で同一でも異なっていてもよ
い。mは、遷移金属Mの原子価の値である。) (B)有機アルミニウムオキシ化合物 式(II)で表わされる構成単位a個と、式(III)で表わ
される構成単位b個とから構成され、そのb/(a+
b)の値が0.10以上0.90以下の範囲である有機
アルミニウムオキシ化合物
【0009】
【化7】
【0010】(式中、R1 は炭素数2〜10の炭化水素
基である。) (C)環状オレフィン 式(IV)で表わされる環状オレフィン
【0011】
【化8】
【0012】(式中、R2 〜R13はそれぞれ独立して水
素原子、炭素数1〜20の炭化水素基、ハロゲン原子ま
たは酸素原子もしくは窒素原子を含む置換基を表わし、
10またはR11と、R12またはR13とは互いに連結して
環を形成していてもよい。kは0以上の整数である。) (D)α−オレフィン 式(V)で表わされるα−オレフィン
【0013】
【化9】
【0014】(式中R14は、水素原子或いは炭素数1〜
10のアルキル基である。) (E)環状オレフィン系共重合体 式(VI)で表わされる構成単位で構成される共重合体
【0015】
【化10】
【0016】(式中、R2 〜R13はそれぞれ独立して水
素原子、炭素数1〜20の炭化水素基、ハロゲン原子ま
たは酸素原子もしくは窒素原子を含む置換基を表わし、
10またはR11と、R12またはR13とは互いに連結して
環を形成していてもよい。R14は水素原子または炭素数
1〜10のアルキル基であり、kは0以上の整数、nと
pは各構成単位の含有量を表わす。)
【0017】
【発明の実施の形態】本発明の環状オレフィン系共重合
体の製造法は、下記(A)で表わされる有機遷移金属化
合物と下記(B)で表わされる有機アルミニウムオキシ
化合物からなる触媒の共存下に後述の(C)環状オレフ
ィンと(D)α−オレフィンとを接触せしめて重合する
ものである。 (A)有機遷移金属化合物 本発明に使用される(A)有機遷移金属化合物としては
式(I)で表わされる化合物が使用される。
【0018】
【化11】 CpMAm-1 (I)
【0019】(ここで、Cpは、炭素数1〜10のアル
キル基、アリール基、アリールアルキル基、アルキルア
リール基またはアルキルシリル基の置換基で1〜3個置
換されたシクロペンタジエニル基を表わす。置換基の数
が3個を超えると環状オレフィンに対する重合活性が著
しく低下するため、環状オレフィン連鎖の構築が困難に
なる。具体的には、メチルシクロペンタジエニル基、エ
チルシクロペンタジエニル基、フェニルシクロペンタジ
エニル基、ベンジルシクロペンタジエニル基、トリメチ
ルシリルシクロペンタジエニル基、1,2−ジメチルシ
クロペンタジエニル基、1,3−ジメチルシクロペンタ
ジエニル基、1,2,3−トリメチルシクロペンタジエ
ニル基、1,2,4−トリメチルシクロペンタジエニル
基、インデニル基等を挙げることができる。本発明にお
いて特に好ましいのは、メチルシクロペンタジエニル
基、ジメチルシクロペンタジエニル基である。
【0020】Mは、周期表4族または5族の遷移金属を
表わし、具体的にはチタン、ジルコニウム、ハフニウ
ム、バナジウム、ニオブ、タンタルである。特に好まし
いのはジルコニウム、ハフニウムである。mは、遷移金
属Mの原子価の値である。Aは、ハロゲン原子、水素原
子、炭素数1〜10個のアルキル基もしくはアルコキシ
基、炭素数6〜18のアリールオキシ基、炭素数6〜2
0のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基、炭素
原子および/またはケイ素原子を含むアミド基、ケイ素
原子を含む炭化水素基、またはジケトナト類である。ハ
ロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、沃素であ
る。炭素数1〜10個のアルキル基もしくはアルコキシ
基、炭素数6〜18のアリールオキシ基、炭素数6〜2
0のアリール基または炭素数7〜20のアラルキル基の
具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル
基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t
−ブチル基、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ
基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ
基、t−ブトキシ基、フェノキシ基、フェニル基、トリ
ル基、ベンジル基等を挙げることができる。
【0021】アミド基としては、アミド基、メチルアミ
ド基、エチルアミド基、ブチルアミド基、アニリド基、
ジメチルアミド基、ジエチルアミド基、トリメチルシリ
ルアミド基、トリメチルシリルメチルアミド基、ビス
(トリメチルシリル)アミド基、ビス(ジフェニルシリ
ル)アミド基等を挙げることができる。ケイ素を含む炭
化水素基の具体例としては、トリメチルシリル基、トリ
フェニルシリル基、トリス(トリメチルシリル)シリル
基、(トリメチルシリル)メチル基、ビス(トリメチル
シリル)メチル基等を挙げることができる。
【0022】ジケトナト類の場合、中心金属Mへの配位
は2つのカルボニル基で行われるため、2座配位子とな
る。このようなジケトナト基になりうる親ジケトンの具
体例としては、2,4−ペンタンジオン、3,5−ヘプ
タンジオン、2,6−ジメチル−3,5−ヘプタンジオ
ン、2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタン
ジオン、3−フェニル−2,4−ペンタンジオン、1,
3−ジフェニル−1,3−プロパンジオン、1−フェニ
ル−1,3−ブタンジオン、1,1,1,2,2,3,
3−ヘプタフルオロ−7,7−ジメチル−4,6−オク
タンジオン、1,1,1−トリフルオロ−2,4−ペン
タンジオン、1,1,1,5,5,5−ヘキサフルオロ
−2,4−ペンタンジオン等が挙げられる。また、A
は、取りうる数の範囲内で同一でも異なっていても良
い。
【0023】このような化合物の例としては、メチルシ
クロペンタジエニルジルコニウムトリクロリド、エチル
シクロペンタジエニルジルコニウムトリクロリド、n−
プロピルシクロペンタジエニルジルコニウムトリクロリ
ド、n−ブチルシクロペンタジエニルジルコニウムトリ
クロリド、イソプロピルシクロペンタジエニルジルコニ
ウムトリクロリド、t−ブチルシクロペンタジエニルジ
ルコニウムトリクロリド、ベンジルシクロペンタジエニ
ルジルコニウムトリクロリド、トリメチルシリルシクロ
ペンタジエニルジルコニウムトリクロリド、1,2−ジ
メチルシクロペンタジエニルジルコニウムトリクロリ
ド、1−メチル−2エチル−シクロペンタジエニルジル
コニウムトリクロリド、1−n−ブチル−2−メチルシ
クロペンタジエニルジルコニウムトリクロリド、1−t
−ブチル−2−メチルシクロペンタジエニルジルコニウ
ムトリクロリド、1−ベンジル−2−メチルシクロペン
タジエニルジルコニウムトリクロリド、およびこれらの
1,3−置換体、あるいは、1,2,3−トリメチルシ
クロペンタジエニルジルコニウムトリクロリド、1−エ
チル−2,3−ジメチルシクロペンタジエニルジルコニ
ウムトリクロリド、1−t−ブチル−2,3−ジメチル
シクロペンタジエニルジルコニウムトリクロリド、1−
ベンジル−2,3−ジメチルシクロペンタジエニルジル
コニウムトリクロリド、1−トリメチルシリル−2,3
−ジメチルシクロペンタジエニルジルコニウムトリクロ
リド等とこれらの1,2,4−置換体、を挙げることが
できる。
【0024】またこれらの化合物の塩素原子を1個また
は2個または3個を上記した炭素数1〜10個のアルキ
ル基もしくはアルコキシ基ないし炭素数6〜18のアリ
ールオキシ基、炭素数6〜20のアリール基もしくは炭
素数7〜20のアラルキル基、炭素原子および/または
ケイ素原子を含むアミド基、またはケイ素原子を含む炭
化水素基で置換した化合物、例としてメチルシクロペン
タジエニルジルコニウム(メチル)ジクロリド、エチル
シクロペンタジエニルジルコニウム(フェニル)ジクロ
リド、n−プロピルシクロペンタジエニルジルコニウム
(ベンジル)ジクロリド、n−ブチルシクロペンタジエ
ニルジルコニウム(エトキシ)ジクロリド、イソプロピ
ルシクロペンタジエニルジルコニウム(フェノキシ)ジ
クロリド、t−ブチルシクロペンタジエニルジルコニウ
ムビス(ジメチルアミド)クロリド、ベンジルシクロペ
ンタジエニルジルコニウム(トリメチルシリル)ジクロ
リド、1−メチル−2エチル−シクロペンタジエニルジ
ルコニウム(トリス(トリメチルシリル)シリル)ジク
ロリド等が挙げられる。
【0025】また上記化合物の塩素原子をジケトン類に
置換した化合物としては、メチルシクロペンタジエニル
ビス(2,4−ペンタンジオナト)ジルコニウムクロリ
ド、メチルシクロペンタジエニルビス(2,2,6,6
−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオナト)ジルコニ
ウムクロリド、メチルシクロペンタジエニルビス(3−
フェニル−2,4−ペンタンジオナト)ジルコニウムク
ロリド、メチルシクロペンタジエニルビス(1,3−ジ
フェニル−1,3−プロパンジオナト)ジルコニウムク
ロリド、メチルシクロペンタジエニルビス(1−フェニ
ル−1,3−ブタンジオナト)ジルコニウムクロリド、
メチルシクロペンタジエニルビス(1,1,1−トリフ
ルオロ−2,4−ペンタンジオナト)ジルコニウムクロ
リド、メチルシクロペンタジエニルビス(1,1,1,
5,5,5−ヘキサフルオロ−2,4−ペンタンジオナ
ト)ジルコニウムクロリド、1,3−ジメチルシクロペ
ンタジエニルビス(2,4−ペンタンジオナト)ジルコ
ニウムクロリド、1,3−ジメチルシクロペンタジエニ
ルビス(2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプ
タンジオナト)ジルコニウムクロリド、1,3−ジメチ
ルシクロペンタジエニルビス(1,3−ジフェニル−
1,3−プロパンジオナト)ジルコニウムクロリド、
1,3−ジメチルシクロペンタジエニルビス(1,1,
1,5,5,5−ヘキサフルオロ−2,4−ペンタンジ
オナト)ジルコニウムクロリド、1,2−ジメチルシク
ロペンタジエニルビス(2,4−ペンタンジオナト)ジ
ルコニウムクロリド、1,2−ジメチルシクロペンタジ
エニルビス(2,2,6,6−テトラメチル−3,5−
ヘプタンジオナト)ジルコニウムクロリド、1,2−ジ
メチルシクロペンタジエニルビス(1,1,1,5,
5,5−ヘキサフルオロ−2,4−ペンタンジオナト)
ジルコニウムクロリド、ベンジルシクロペンタジエニル
ビス(2,4−ペンタンジオナト)ジルコニウムクロリ
ド、インデニルビス(2,4−ペンタンジオナト)ジル
コニウムクロリド等が挙げられる。またこれらのジルコ
ニウム金属をチタン、ハフニウム、バナジウム、ニオ
ブ、タンタル金属に置き換えた化合物でもよい。
【0026】(B)有機アルミニウムオキシ化合物 本発明で用いられる有機アルミニウムオキシ化合物は、
下記式(II)で表わされる構成単位をa個と、下記式
(III)で表わされる構成単位b個とから構成され、その
b/(a+b)の値が0.10以上0.90以下の領域
を満足する値を取るものである。
【0027】
【化12】
【0028】式中、R1 は炭素数2〜10の炭化水素基
であり、具体的には例えば、エチル基、n−プロピル
基、イソプロピル基、イソブチル基、t−ブチル基、ペ
ンチル基、ネオペンチル基およびシクロヘキシル基であ
る。更に、上記一般式(II)または(III) で表わされ
る各構成単位の数b/(a+b)の値は、0.10以上
0.90以下、好ましくは0.10以上0.70以下の
値を満足する値をとる。この値が0.90を超えると活
性が不十分となり、また0.10を下回ると分子量が不
十分となり、成形体としての性質が不十分となる(比較
例参照)。a+bは、一般的には2〜100、好ましく
は4〜50である。本発明での有機アルミニウムオキシ
化合物は、便宜的に下記の式(VII)または(VIII)のよ
うに示すことができる。
【0029】
【化13】
【0030】ここで、R15はそれぞれ独立して水素また
は炭素数1〜10の炭化水素残基、好ましくは炭素数1
〜10のアルキル基であり、具体的には例えばメチル
基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、s−ブ
チル基、イソブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘ
キシル基、或いはシクロヘキシル基である。R1 の定義
は前記と同じである。またaおよびbの定義も同様であ
る。
【0031】なお、これらの式は有機アルミニウムオキ
シ化合物中に前記の式(II)で表わされる構成単位がa
個存在し、かつ式(III)で表わされる構成単位がb個存
在していることを意味するものであって、1分子中に式
(II)の構成単位がa個連続し、かつ式(III)の構成単
位がb個連続して存在してなるもの、即ち2種の構成単
位がブロック的に存在してなるもの、のみを意味するも
のではない。従って、上記式(VII)または(VIII)は、
式(II)の構成単位と式(III)の構成単位が全くランダ
ム的に存在するもの、および式(II)の構成単位からな
る小ブロックと式(III)の構成単位からなる小ブロック
とがそれぞれ少なくとも1個存在し、それらが互いに結
合して1分子を形成しているもの、をも意味する。ま
た、化合物(VII)および(VIII)の混合物であってもよ
い。
【0032】上記式におけるaおよびbの値は、化合物
の置換基R15およびR1 を定量することにより求めるこ
とができる。それぞれの置換基の定量は、13C−NMR
または 1H−NMR測定や、水と反応させて発生する加
水分解生成物をガスクロマトグラフを用いて分析する方
法等により知ることができる。また、この有機アルミニ
ウムオキシ化合物の重合度あるいは分子量は、例えばベ
ンゼンの凝固点降下法により知ることができる。
【0033】本発明に使用する有機アルミニウムオキシ
化合物は、公知の様々な条件下に調製することができ
る。代表的、かつ好ましい調整方法としては下記のよう
なものがある。 (イ)トリメチルアルミニウムと他のトリアルキルアル
ミニウムを混合し、トルエン、ベンゼン、エーテル等の
適当な有機溶剤中で直接水と反応させる方法、(ロ)ト
リメチルアルミニウムと他のトリアルキルアルミニウム
を混合し、結晶水を有する塩水和物、例えば硫酸銅、硫
酸アルミニウム水和物、と加熱反応させる方法、(ハ)
シリカゲルなどに水分を含浸させ、トリメチルアルミニ
ウムで処理した後に、他のトリアルキルアルミニウムで
追加処理する方法、もしくはその逆の方法、(ニ)メチ
ルアルミニウムオキシ化合物と他のアルキルアルミニウ
ムオキシ化合物を公知の方法で合成し、これら2成分を
所定量混合し、加熱反応させる方法、(ホ)テトラアル
キルジアルモキサンとトリアルキルアルミニウムを混合
加熱した後、水を加える方法。
【0034】上記アルミニウムオキシ化合物の調製に用
いる好ましいトリアルキルアルミニウムの例としては、
トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、ト
リイソブチルアルミニウム等をあげることができ、テト
ラアルキルジアルモキサンの具体例としては、テトラエ
チルジアルモキサン、テトラノルマルプロピルジアルモ
キサン、テトライソプロピルジアルモキサン、テトラノ
ルマルブチルジアルモキサン、テトライソブチルジアル
モキサン、テトラノルマルヘキシルジアルモキサン等を
挙げることができる。
【0035】なお、該有機アルミニウムオキシ化合物
は、未反応の有機アルミニウム化合物を含有していても
よい。また製造した上記有機アルミニウムオキシ化合物
の溶液から溶媒、あるいは未反応有機アルミニウム化合
物を蒸留留去した後に溶媒に再溶解して用いてもよい。 (C)環状オレフィン 本発明で用いられる環状オレフィンモノマーは、式(I
V)で表わされるものである。
【0036】
【化14】
【0037】(式中、R2 〜R13はそれぞれ独立して水
素原子、炭素数1〜20の炭化水素基を表わし、R10
たはR11と、R12またはR13とは互いに連結して環を形
成していてもよい。)ここで、炭素数1〜20の炭化水
素基としては、具体的にはメチル基、エチル基、n−プ
ロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル
基、t−ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基
等のアルキル基、フェニル基、トリル基、ベンジル基等
のアリール基、アルキルアリール基、アラルキル基、あ
るいはビニル基、アリル基、メチレン基、エチリデン基
等のアルケニル基、アルキリデン基を挙げることができ
る。
【0038】kは0以上の整数、好ましくは0、1また
は2である。従って前記一般式(IV)で表わされる環状
オレフィンとしては、ノルボルネン(k=0)およびそ
の誘導体、1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,
4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン(k
=1)およびその誘導体と捉えることができるものを使
用することができる。
【0039】このような環状オレフィンモノマーの具体
例としては、ノルボルネン、1−メチルノルボルネン、
5−メチルノルボルネン、7−メチルノルボルネン、5
−エチルノルボルネン、5−ブチルノルボルネン、5−
フェニルノルボルネン、5−ベンジルノルボルネン、5
−エチリデンノルボルネン、5−ビニルノルボルネン、
5,6−ジメチルノルボルネン、2−メチル−1,4,
5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8
a−オクタヒドロナフタレン、2−エチル−1,4,
5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8
a−オクタヒドロナフタレン、2,3−ジメチル−1,
4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,
8,8a−オクタヒドロナフタレン、2−ヘキシル−
1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,
5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2−エチリデ
ン−1,4,5,8−シメタノ−1,2,3,4,4
a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、1,5−
ジメチル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,
4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2
−フェニル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,
4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン等が
挙げられる。 (D)α−オレフィン 本発明で上記環状オレフィンと共重合されるα−オレフ
ィンは、式(V)に表わされるものである。
【0040】
【化15】
【0041】ここでR14は、水素原子或いは炭素数1〜
10のアルキル基である。この式を満たすα−オレフィ
ン種の例としては、エチレン、プロピレン、1−ブテ
ン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン等の直鎖
状オレフィン類や、3−メチル−1−ブテン、4−メチ
ル−1−ペンテン等の分岐鎖状オレフィン等が挙げられ
る。
【0042】(重合)本発明における重合方法には特に
制限は無く、スラリー重合法、溶液重合法、塊状重合
法、懸濁重合法、或いは気相重合法いずれにおいても実
施することができるが、特にスラリー法、溶液法、塊状
法が好適である。また、バッチ法でも連続法でもよい。
また、重合は不活性ガス、例えば窒素、アルゴン等の雰
囲気下で行うのが好ましい。
【0043】本発明で使用する遷移金属化合物、有機ア
ルミニウムオキシ化合物の重合系への導入方法は任意の
方法、順序でありうる。すなわちモノマー成分の存在、
非存在を問わず、それぞれ別々に重合系に加えてもよい
し、これらを予備的に接触させてからモノマーの存在す
る重合系に加えてもよい。重合に用いられる環状オレフ
ィンとα−オレフィンとの仕込み比には特に制限はない
が、環状オレフィン/α−オレフィン比は1〜100、
好ましくは3〜50が望ましい。また、モノマー成分の
導入順序に関しても任意であり、両方のモノマーの存在
下に重合を開始してもよいし、先に環状オレフィン、ま
たはα−オレフィンのみを重合した後にα−オレフィ
ン、または環状オレフィンを導入して共重合を開始して
もよい。生成した重合体の、剛性を得るために好ましい
環状オレフィンの取り込み率は、10モル%以上であ
る。
【0044】重合温度は、通常−78℃〜150℃、好
ましくは−30℃〜120℃で行われるのが望ましい。
本発明で用いられる触媒系の構成成分の使用量は、合目
的的な範囲で任意である。例えば、スラリー重合法、溶
液重合法で行われる場合には、遷移金属化合物の使用量
は10-7〜102 ミリモル/リットル、好ましくは10
-4〜10ミリモル/リットルが望ましい。アルミニウム
オキシ化合物の使用量は、Al/遷移金属(モル比)が
10〜100000、好ましくは100〜10000が
望ましい。モノマーとして使用する環状オレフィンの使
用量は、モノマー/遷移金属(モル比)が1〜106
好ましくは1〜105 の範囲が望ましい。また、重合時
に水素を計量して導入することもできる。
【0045】重合溶媒を用いる重合の場合には、この種
の重合法において従来から用いられてきた重合溶媒、例
えば塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、クロロベ
ンゼン、オルトジクロロベンゼン、1,2,4−トリク
ロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素、ペンタン、ヘキ
サン、ヘプタン、オクタン等の脂肪族炭化水素、シクロ
ペンタン、シクロヘキサン、デカリン等の脂環式炭化水
素、ベンゼン、トルエン、キシレン、テトラリン等の芳
香族炭化水素、ガソリン、灯油、軽油等の石油留分、ま
たこれらの混合溶媒等を用いることができる。
【0046】(生成重合体)本発明によって製造される
環状オレフィン系共重合体は、該モノマーのエチレン性
不飽和結合を介しての付加重合であると解され、その構
造は(VI)に示される繰り返し単位を有するものと解さ
れる。
【0047】
【化16】
【0048】式中、R2 〜R14は、式(IV)、式(V)
と同義であり、nとpは各構成単位の含有量を示す整数
であり、構成単位の配列は任意であり、完全なランダム
重合体、いずれかの構成単位の小ブロックが少なくとも
1個存在し、それが他の構成単位の小ブロックまたはラ
ンダム共重合体と結合して1つの分子を形成しているも
のを含むものであるが、環状オレフィン連鎖、すなわち
式(IV)から得られる繰り返し単位が連なる(ブロック
部を有する)ことが望ましい。この場合の環状オレフィ
ンの連鎖数は3以上が好ましく、そのようなブロック部
が1分子鎖中に数個から数千個分散していてもよい。ま
たジブロック体でもよい。
【0049】本発明によって得られる環状オレフィン系
共重合体は、分子量分布が狭いという特色を有する。例
えばノルボルネン−エチレン共重合体の場合について示
せば、数平均分子量(Mn)と重量平均分子量(Mw)
の比(Mw/Mn)の値が1.0〜3.5、好ましくは
1.0〜2.5という値になる(いずれもGPCによ
る)。また分子量は数平均分子量で10,000〜1,
000,000好ましくは15,000〜500,00
0が望ましい。これ以上低いと脆くなり、これ以上高い
と溶融時の流動性が不十分となる。
【0050】本発明による製造方法によって製造される
重合体は、剛性、引張伸性、耐衝撃性等機械的特性に優
れ、透明性、耐薬品性、耐溶剤性、誘電特性等に良好な
性質を有しているので、例えば電気アイロンの水タン
ク、液晶表示基板、プリント基板、高周波用回路基板、
導電性シートやフィルム等の電気分野、注射器、ピペッ
ト、アニマルゲージ等の医療、化学分野、給湯管、給水
管、下水配管、ガス管等パイプ、或いは延伸パイプ、カ
メラボディ、各種計器類ハウジング、フィルム、ヘルメ
ット等の分野に利用できる。
【0051】
【発明の効果】本発明によれば、分子量分布が狭い環状
オレフィン重合体を効率よく製造することができる。得
られた重合体は、力学的性質、耐薬品性等に優れたもの
である。
【0052】
【実施例】以下に実施例に基づいて本発明を説明する
が、本発明は何らこれらに限定されるものではない。 <Mw、Mn、Mw/Mn>ゲル・パーミエーション・
クロマトグラフィー(GPC)により、o−ジクロロベ
ンゼンを溶媒とし、ポリエチレン換算で算出した。
【0053】<DSC測定>セイコー電子工業(株)社
製示差走査熱量測定機(DSC)により、加熱速度10
℃/minで、第二加熱曲線を使用して求めた。 <ノルボルネン含量>δ46〜54の重合主鎖炭素と、
δ29〜32のエチレンおよびノルボルネンの5位、6
位のピークの和の積分値の比から求めた。
【0054】<合成例1> 1,3−ジメチルシクロペンタジエニルジルコニウムト
リクロリドの合成 本錯体は、Organometallics,9,24
26(1990).を参考にし、原料として1,3−ジ
メチルシクロペンタジエンと四塩化ジルコニウムを用い
て合成した。
【0055】<合成例2> 1,3−ジメチルシクロペンタジエニルビス(アセチル
アセトナト)ジルコニウムクロリドの合成 本錯体はInorganic Chemistry,1
0,1388(1971).を参考にし、原料としてビ
ス(1,3−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニ
ウムジクロリドとアセチルアセトンを用いて合成した。
【0056】<合成例3> メチルシクロペンタジエニルビス(アセチルアセトナ
ト)ジルコニウムクロリドの合成 本錯体は、Inorganic Chemistry,
10,1388(1971).を参考にし、原料として
ビス(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジク
ロリドとアセチルアセトンを用いて合成した。
【0057】<合成例4> イソブチルメチルアルモキサンの合成 充分に窒素置換された攪拌機、還流コンデンサー付きの
1リットルフラスコに、脱水、脱酸素したトルエン10
0ミリリットルを導入した。次いで、2本の滴下ロート
の一方にトリメチルアルミニウム0.72グラム(10
ミリモル)およびトリイソブチルアルミニウム2.94
グラム(15ミリモル)をトルエン50ミリリットルに
希釈したものを、他の一方に飽和水含有トルエンをそれ
ぞれ導入し、この混合アルミニウム溶液および飽和水含
有トルエンを30℃の条件下、Alおよび水が等モルに
なる条件を維持しながら3時間かけて反応系にフィード
した。終了後、50℃に昇温し、2時間反応操作を行っ
た。反応終了後、溶媒を減圧留去して2.1グラムの白
色固体を得た。13C−NMRを測定した結果、イソブチ
ル基含有率は0.60であった。
【0058】<実施例1>窒素置換された1リットルの
乾燥したオートクレーブをエチレンガスでフラッシュし
た。これにノルボルネンのトルエン溶液118ml(ノ
ルボルネンとして84g)と、トルエン220mlを入
れ、更にエチレンガスでフラッシュした。これを50℃
まで昇温した後、合成例4で製造したイソブチルメチル
アルモキサン25ミリモルを加え、そのまま15分攪拌
した。これに合成例1で製造した1,3−ジメチルシク
ロペンタジエニルジルコニウムトリクロリド25マイク
ロモルを加えてエチレン圧を0.4MPaに調節し、そ
のまま2時間重合した。メタノール30ミリリットルを
加えて重合を停止させた後、塩酸酸性メタノール1.5
リットルに注いで重合体を析出させ、濾過した。アセト
ンで中性になるまで洗浄した後、80℃の減圧乾燥機で
8時間乾燥して、重合体68.8gを得た。分析結果を
表1に示す。
【0059】<実施例2>実施例1において、1,3−
ジメチルシクロペンタジエニルジルコニウムトリクロリ
ドの代わりに合成例2で製造した、1,3−ジメチルシ
クロペンタジエニルビス(アセチルアセトナト)ジルコ
ニウムクロリドを用いた以外は全く同様の重合操作を行
った。重合体76.3gを得た。結果を表1に示す。
【0060】<実施例3>実施例1において、ノルボル
ネン溶液236ml(ノルボルネンとして168グラ
ム)、トルエン100ミリリットル、エチレン圧0.7
MPa、1,3−ジメチルシクロペンタジエニルジルコ
ニウムトリクロリドの量を5マイクロモル、イソブチル
メチルアルモキサンの量を12.5ミリモルとした以外
は全く同様の重合操作を行った。重合体28.5gを得
た。結果を表1に示す。
【0061】<実施例4>実施例2において、ノルボル
ネン溶液236ml(ノルボルネンとして168グラ
ム)、トルエン100ミリリットル、1,3−ジメチル
シクロペンタジエニルビス(アセチルアセトナト)ジル
コニウムクロリドの量を5マイクロモル、イソブチルメ
チルアルモキサンの量を12.5ミリモルとした以外は
全く同様の重合操作を行った。重合体9.3gを得た。
結果を表1に示す。
【0062】<実施例5>実施例2において、ノルボル
ネン溶液137ml(ノルボルネンとして100グラ
ム)、トルエン180ミリリットル、1,3−ジメチル
シクロペンタジエニルビス(アセチルアセトナト)ジル
コニウムクロリドの代わりに合成例3で合成したメチル
シクロペンタジエニルビス(アセチルアセトナト)ジル
コニウムクロリド12.5マイクロモル、イソブチルメ
チルアルモキサンの量を12.5ミリモルとした以外は
全く同様の重合操作を行った。重合体33.5gを得
た。結果を表1に示す。
【0063】<比較例1>実施例3において、反応温度
を70℃、1,3−ジメチルシクロペンタジエニルジル
コニウムトリクロリドの代わりにrac−イソプロピレ
ンビス(1−インデニル)ジルコニウムジクロリド、イ
ソブチルメチルアルモキサンの代わりにウィトコ社製メ
チルアルモキサンを用い、エチレン圧を0.8MPa、
重合時間を1時間とした以外は全く同様の操作を行っ
た。重合体51.1gを得た。結果を表1に示す。
【0064】<比較例2>実施例3においてイソブチル
メチルアルモキサンの代わりにウィトコ社製ポリメチル
アルモキサンを用いた以外は全く同様の重合操作を行っ
た。重合体22.8gを得た。結果を表1に示す。 <比較例3>実施例1において、イソブチルメチルアル
モキサンの代わりに東ソー・アクゾ社製ポリイソブチル
アルモキサンを用いた以外は全く同様の重合操作を行っ
たが、重合体は得られなかった。
【0065】<比較例4>実施例1において、1,3−
ジメチルシクロペンタジエニルジルコニウムトリクロリ
ドの代わりにシクロペンタジエニルジルコニウムトリク
ロリドを用いた以外は全く同様の操作を行った。重合体
24.3gが得られた。結果を表1に示す。本触媒系で
の重合は、低活性で、得られた重合体も低分子量であっ
た。
【0066】<機械物性測定>上記実施例、比較例で得
られた重合体を射出成型機[カスタムサイエンティフィ
ック(Custom Scientific)社製、C
S183MMXミニマックス]を用いて250℃、金型
冷却温度40℃で以下の試験片をそれぞれ射出成形し、
以下の機械物性測定を行った。
【0067】<引張試験>平行部長さ9mm、平行部直
径1.5mmの円柱形状の試験片を引張試験機[カスタ
ムサイエンティフィック(Custom Scient
ific)社製、ミニマックスCS183TE型引張試
験機]を用いて延伸速度:10mm/分、23℃で行っ
た。
【0068】<アイゾッド衝撃試験>長さ31.5m
m、厚み6.2mm、幅3mmの直方体成形片試験片に
深さ1.2mmのノッチを設け、アイゾッド衝撃試験機
[カスタムサイエンティフィック(Custom Sc
ientific)社製、ミニマックスCS183TI
型アイゾッド衝撃試験機]を用いて、先端R0.25m
m、23℃で行った。
【0069】<E’貯蔵弾性率>長さ50mm、幅5m
m、厚さ2mmの試験片を、固体粘弾性測定装置(レオ
メトリックファーイースト社製、RSAII)を用いて周
波数1Hzの条件での貯蔵弾性率(E’)の温度依存性
を測定した。上記により測定した引張伸度、引張強さ、
衝撃強度、E’貯蔵弾性率の測定結果を表2に示す。比
較例2、及び比較例4で得られた重合体は脆く、成形体
として得ることができなかった。本発明による重合体
は、弾性率、引張伸び、衝撃強度に優れている。
【0070】
【表1】
【0071】
【表2】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の理解を助けるためのフローチャート
図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J028 AA01A AB00A AB01A AC01A AC02A AC10A AC22A AC28A AC31A AC39A BA01B BB01B BC14B BC20B BC25B EA01 EB02 EB03 EB04 EB05 EB07 EB09 EC02 FA01 FA02 FA03 FA04 FA07 4J100 AA02Q AA03Q AA04Q AA09Q AA16Q AA17Q AA19Q AA21Q AR11P AR21P AS15P BC26P BC27P BC43P CA04 DA01 DA04 FA10 JA28 JA39 JA43 JA51 JA67

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記(A)で表わされる有機遷移金属化
    合物と下記(B)で表わされる有機アルミニウムオキシ
    化合物からなる触媒の共存下に、下記(C)で表わされ
    る環状オレフィンと下記(D)で表わされる炭素数2〜
    12のα−オレフィンとを接触せしめて下記(E)で表
    わされる環状オレフィン系共重合体を製造することを特
    徴とする環状オレフィン系共重合体の製造方法。 (A)有機遷移金属化合物 次の式(I)で表わされる化合物 【化1】 CpMAm-1 (I) (ここで、Cpは、炭素数1〜10のアルキル基、アリ
    ール基、アリールアルキル基、アルキルアリール基また
    はアルキルシリル基の置換基が1〜3個置換したシクロ
    ペンタジエニル基を表わし、Mは、周期律表4族または
    5族の遷移金属を、Aは、ハロゲン原子、水素原子、炭
    素数1〜10個のアルキル基、アルコキシ基、炭素数6
    〜18のアリールオキシ基、炭素数6〜20のアリール
    基、炭素数7〜20のアラルキル基、炭素原子および/
    またはケイ素原子を含むアミド基、ケイ素原子を含む炭
    化水素基またはジケトナト類を表わし、Aは、取りうる
    数の範囲内で同一でも異なっていてもよい。mは、遷移
    金属Mの原子価の値である。) (B)有機アルミニウムオキシ化合物 式(II)で表わされる構成単位a個と、式(III)で表わ
    される構成単位b個とから構成され、そのb/(a+
    b)の値が0.10以上0.90以下の範囲である有機
    アルミニウムオキシ化合物 【化2】 (式中、R1 は炭素数2〜10の炭化水素基である。) (C)環状オレフィン 式(IV)で表わされる環状オレフィン 【化3】 (式中、R2 〜R13はそれぞれ独立して水素原子、炭素
    数1〜20の炭化水素基、ハロゲン原子または酸素原子
    もしくは窒素原子を含む置換基を表わし、R10またはR
    11と、R12またはR13とは互いに連結して環を形成して
    いてもよい。kは0以上の整数である。) (D)α−オレフィン 式(V)で表わされるα−オレフィン 【化4】 (式中R14は、水素原子あるいは炭素数1〜10のアル
    キル基である。) (E)環状オレフィン系共重合体 式(VI)で表わされる構成単位で構成される共重合体 【化5】 (式中、R2 〜R13はそれぞれ独立して水素原子、炭素
    数1〜20の炭化水素基、ハロゲン原子または酸素原子
    もしくは窒素原子を含む置換基を表わし、R10またはR
    11と、R12またはR13とは互いに連結して環を形成して
    いてもよい。R14は水素原子または炭素数1〜10のア
    ルキル基であり、kは0以上の整数、nとpは各構成単
    位の含有量を表わす。)
  2. 【請求項2】 (C)環状オレフィンと(D)α−オレ
    フィンの仕込量比(環状オレフィン/α−オレフィン)
    が3〜50である請求項1記載の環状オレフィン系共重
    合体の製造方法。
  3. 【請求項3】 (E)環状オレフィン系共重合体の数平
    均分子量(Mn)が10,000〜1,000,00
    0、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)と
    の比(Mw/Mn)が1.0〜3.5である請求項1ま
    たは2記載の環状オレフィン系共重合体の製造方法。
  4. 【請求項4】 (E)環状オレフィン系共重合体が、環
    状オレフィンの連鎖数が3以上の環状オレフィンブロッ
    クを有する請求項1〜3いずれかに記載の環状オレフィ
    ン系共重合体の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US8344070B2 (en) 2006-08-04 2013-01-01 Exxonmobil Chemical Patents Inc. Polymer compositions comprising cyclic olefin polymers, polyolefin modifiers, and fillers
WO2015178144A1 (ja) * 2014-05-23 2015-11-26 ポリプラスチックス株式会社 環状オレフィン共重合体の製造方法

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