JPH1087736A - 連続塊状重合法における不純物の除去方法 - Google Patents

連続塊状重合法における不純物の除去方法

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JPH1087736A
JPH1087736A JP24935396A JP24935396A JPH1087736A JP H1087736 A JPH1087736 A JP H1087736A JP 24935396 A JP24935396 A JP 24935396A JP 24935396 A JP24935396 A JP 24935396A JP H1087736 A JPH1087736 A JP H1087736A
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雅紀 能勢
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 メタクリル系樹脂を連続塊状重合において、
不純物などを除去し、光学特性に優れたメタクリル系樹
脂を製造する方法を提供する。 【解決手段】 メタクリル系樹脂の連続塊状重合にて単
量体より沸点の高い溶剤を蒸留塔ボトムに存在させボト
ム液を断続的もしくは連続的に抜き出すことにより重合
時生成する不純物などを除去する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、メタクリル系樹脂
の連続塊状重合法における不純物の除去方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】メタクリル系樹脂は、その卓越した透明
性、良好な機械的性質、加工性並びに成形品における外
観の美麗さなどによって、例えば照明器具、看板、各種
装飾品、銘板、テールランプなどの自動車部品、テーブ
ルウェアーなどに広く用いられている。又、最近は各種
レンズ、光ディスク、導光板などの光学分野にも広く用
いられてきている。その為に、高度な光学特性が要求さ
れつつある。
【0003】メタクリル系樹脂の製造方法としては懸濁
重合法が広く採用されている。しかしながら、この製造
方法の最大の欠点は、使用される懸濁安定剤がポリマー
中に一部残存し、ポリマー特性、特に光学特性が低下す
ることである。この懸濁重合法の欠点を改良する方法と
して、塊状重合法(特開昭49−37993号公報、特
開平3−111408号公報)、溶液重合法(特開昭6
3−57613号公報、特公平7−119259号公
報)が提案されている。
【0004】これらの方法によれば、懸濁重合方法と異
なり、懸濁安定剤が使用されない為に光学特性に優れた
メタクリル系樹脂の製造が可能である。塊状重合と溶液
重合とを比較すると、一長一短はあるが、塊状重合は性
能面、例えば成形時のポリマーの分解によるガス発生が
少なく、いわゆるシルバーストリークと呼ばれる銀条跡
が発生し難く耐熱分解性に優れるなど好ましい面もあり
工業的にも採用されている。しかしながら、この塊状重
合において大きな問題がある。
【0005】工業的に塊状重合を実施する場合は、懸濁
重合がバッチ式でメタクリル系樹脂を生産するのに比較
して、塊状重合は連続重合式で実施する。即ち、重合後
の未反応単量体を回収、リサイクル液とし、新たな単量
体を追加して重合、重合液を脱揮して、ポリマーと未反
応単量体を分離、ポリマーを取り出すと同時に未反応単
量体をリサイクル使用して連続生産するが、リサイクル
液中に混入してくる重合時に生成する不純物などがポリ
マー中に混入し、光学特性が低下する。これを回避する
為に、通常は、リサイクル液の精製を実施する。
【0006】精製の方法は、未反応の単量体とポリマー
を分離・回収する脱揮工程にパーシャルコンデンサーを
設置し高沸点不純物を除去する方法、または、蒸留塔を
設置し不純物を除去する方法が従来より行われている。
パーシャルコンデンサーを設置し高沸点不純物を除去す
る方法においては、除去すべき不純物の沸点が回収する
未反応の単量体あるいは使用する溶媒沸点と比較して充
分に高くないと除去は困難であるという欠点を有し、蒸
留塔での精製が好ましい。しかしながら、塊状重合で蒸
留塔を使用して精製する方法は、一般的には、リサイク
ル液を蒸留塔に供給、蒸留し、蒸留塔ボトム部よりメタ
クリル酸メチル単量体と共に高沸点の不純物を抜き出す
ことにより実施される。この場合、ボトム液の滞留時間
が長く且つ温度が高い為、蒸留塔ボトムでメタクリル酸
メチル単量体の重合が進行し、リボイラーでの熱交換効
率の低下や生成したポリマーによる配管の閉塞等が起こ
る。極端な場合は、蒸留塔ボトム全体で重合が進行し、
固化してしまうなど工業的に安定に製造する上において
大きな問題点がある。これらの問題点を回避する為に、
例えば、蒸留塔ボトム液の抜き出し量を増やし、蒸留塔
ボトム部でのメタクリル酸メチル単量体の滞留時間を短
くする等の手法がとられているが、必要以上に抜き出し
量を増加させる事は経済的に著しく不利になり好ましく
ない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、連続塊状重
合で工業的に安定して重合時に生成する不純物などを除
去し、光学特性に優れたメタクリル系樹脂を製造方法を
提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記問題を
解決する方法を鋭意検討した結果、メタクリル酸メチル
単量体などの重合で使用する単量体より高い沸点を有す
る溶媒を蒸留塔ボトムに存在させ、重合後の未反応単量
体を含むリサイクル液あるいはリサイクル液と新たな単
量体を蒸留し、蒸留された単量体を重合反応機に供給
し、連続重合することにより、蒸留塔ボトム部での重合
の進行による問題を起こすことなく、経済的かつ効率的
に重合時に生成する副生成物、更に原料中に含まれる重
合禁止剤及び不純物あるいはリサイクル液保存の為に添
加する重合禁止剤等の不純物を除去でき、光学特性に優
れたメタクリル系樹脂を製造できることを見出した。
【0009】即ち、本発明は、(A)(a)重合後の未
反応メタクリル酸メチルを主成分と単量体を含むリサイ
クル液と(b)新たなメタクリル酸メチルを主成分とす
る単量体とを連続して蒸留塔へ供給し、蒸留された単量
体を連続して重合反応機に供給、重合し、次いで重合液
を脱揮して重合物を取り出すと同時に未反応の単量体を
リサイクル使用してなる連続塊状重合プロセスあるいは
(B)(a)重合後の未反応メタクリル酸メチルを主成
分とする単量体を含むリサイクル液を連続して蒸留塔へ
供給し、蒸留された単量体と(b)新たなメタクリル酸
メチルを主成分とする単量体とを連続して重合反応機に
供給、重合し、次いで重合液を脱揮して重合物を取り出
すと同時に未反応単量体をリサイクル使用してなる連続
塊状重合プロセスにおいて、単量体の沸点より高い沸点
を有する溶媒を蒸留塔ボトムに存在させ、蒸留塔ボトム
部よりボトム液を連続的もしくは断続的に抜き出すと同
時に抜き出した量と同量の溶媒を連続的もしくは断続的
に蒸留塔ボトムに供給することにより、重合時に生成す
る副生成物、リサイクル液安定化の為に添加する重合禁
止剤あるいは原料中に含まれる重合禁止剤及び不純物な
どの不純物を除去することを特徴とする連続塊状重合法
である。
【0010】本発明におけるメタクリル酸メチルを主成
分とする単量体としては、メタクリル酸メチル単独ある
いはメタクリル酸メチルと共重合可能な単量体が挙げら
れる。メタクリル酸メチルと共重合可能な単量体として
は、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタク
リル酸シクロヘキシル等のメタクリル酸アルキルエステ
ル類、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル
酸ブチル等のアクリル酸アルキルエステル類、スチレ
ン、ビニルトルエン、αメチルスチレン等の芳香族ビニ
ル化合物類、アクリロニトリル、メタクリルニトリル等
のシアン化ビニル類、N−フェニルマレイミド、N−シ
クロヘキシルマレイミド等のマレイミド類、無水マレイ
ン酸等の不飽和カルボン酸無水物類、アクリル酸、メタ
クリル酸、マレイン酸等の不飽和酸類が挙げられる。こ
れらメタクリル酸メチルと共重合可能な単量体の中で
も、特にアクリル酸エステル類は耐熱分解性が良く、又
アクリル酸エステル類を共重合させて得られるメタクリ
ル系樹脂は成形加工時の流動性が高く好ましい。メタク
リル酸メチルにアクリル酸エステル類を共重合させる場
合のアクリル酸エステル類の使用量は、15重量%以下
が好ましい。15重量%以上では、耐熱分解性、流動性
等の改良効果は高いが、耐熱性即ち熱変形温度が低下し
好ましくない。アクリル酸エステル類の中でも、特にア
クリル酸メチル及びアクリル酸エチルは、それを少量メ
タクリル酸メチルと共重合させても上記改良効果は著し
く最も好ましい。上記メタクリル酸メチルと共重合可能
な単量体は一種または二種以上組み合わせて使用するこ
ともできる。
【0011】本発明における溶媒は、除去すべき不純物
を溶解させ、且つ、メタクリル酸メチル単量体及びメタ
クリル酸メチルと共重合可能な単量体より高い沸点を有
しておれば特に限定するものではないが、通常、トルエ
ン、キシレン、エチルベンゼン、ジエチルベンゼン等の
芳香族化合物、オクタン、デカン等の脂肪族化合物、デ
カリン等の脂環族化合物、酢酸ブチル、酢酸ペンチル等
のエステル化合物、1,1,1,2−テトラクロロエタ
ン、1,1,2,2,−テトラクロロエタン等のハロゲ
ン化合物等を用いる事ができる。溶媒の沸点は、メタク
リル酸メチル単量体及びメタクリル酸メチルと共重合可
能な単量体の沸点より高いこと、好ましくは10℃以
上、より好ましくは20℃以上、さらに好ましくは30
℃以上である。この中でも、アルキルベンゼンが重合に
悪影響を及ぼすこともなく且つ重合で生成する不純物の
溶解性も高く好ましい。また、アルキルベンゼンの中で
もトルエン、キシレン、エチルベンゼン、特にキシレ
ン、エチルベンゼンが、適度な沸点を有し、脱揮にも負
荷が少なく、又、重合に悪影響を及ぼすこともなく、重
合で生成する不純物の溶解性も高く且つ工業的に安価に
入手することができ最も好ましい。
【0012】リサイクル液の重合防止の為、あるいは原
料単量体の重合防止の為に添加する重合禁止剤は、溶媒
及び単量体に溶解するもので、例えば、ハイドロキノ
ン、メトキシハイドロキノン、t−ブチルカテコール等
が挙げられる。原料中に含まれる不純物としては、原料
であるメタクリル酸メチル単量体に含まれる不純物や、
連続塊状重合プロセスにて使用する重合開始剤、連鎖移
動剤等に含まれる不純物などである。
【0013】重合時に生成する副生成物としては、重合
反応器にて生成した生成物の内、脱揮工程で重合物と分
離・回収される成分であり、例えば、触媒分解物やメタ
クリル酸メチル単量体の二量体、三量体等、オリゴマー
成分などが挙げられる。代表的な蒸留塔の一例を図1、
連続塊状重合プロセスの一例を図2に示す。本発明は、
例えば図に示す様な設備を使用して以下の様に実施す
る。即ち、(A)(a)重合後の未反応メタクリル酸メ
チルを主成分とする単量体を含むリサイクル液と(b)
新たなメタクリル酸メチルを主成分とする単量体とを連
続して蒸留塔へ供給し、蒸留塔ボトム部より不純物を連
続的若しくは断続的に抜き出しすと同時に蒸留された単
量体に重合開始剤、分子量調整剤を追加添加し、連続し
て重合反応機に供給し、重合反応機に重合し、次いで重
合液を脱揮して重合物を取り出すと同時に未反応の単量
体をリサイクル使用して連続塊状重合する。あるいは (A)(a)重合後の未反応メタクリル酸メチルを主成
分とする単量体を含むリサイクル液を連続して蒸留塔へ
供給し、蒸留塔ボトム部より不純物を連続的若しくは断
続的に抜き出しすと同時に蒸留された単量体と(b)新
たなメタクリル酸メチルを主成分とする単量体と、更に
重合開始剤、分子量調整剤を追加添加し、連続して重合
反応機に供給、重合し、次いで重合液を脱揮して重合物
を取り出すと同時に未反応の単量体をリサイクル使用し
連続塊状重合する。
【0014】蒸留は、例えば充填塔式、棚段式などの蒸
留塔により実施する。蒸留の方式は、例えば、除去した
い不純物を含むリサイクル液あるいはこれと新たな単量
体との混合液を蒸留塔の中段または上段より供給し、蒸
留塔ボトム液をリボイラー等の加熱器で加熱しながら蒸
留し、蒸留塔の塔頂部より留出するメタクリル酸メチル
を主成分とする単量体の蒸気をコンデンサーにて凝縮す
ることによって実施する。この際、単量体より沸点の高
い不純物は溶剤からなる蒸留塔ボトムに濃縮される。こ
の不純物は、蒸留塔ボトムより連続してあるいは断続し
て取り出すと同時に取り出した量の溶媒を追加すること
によって連続的に不純物を除去することができる。溶媒
の追加添加は、蒸留塔ボトムに直接連続してあるいは断
続して実施するあるいは蒸留前のリサイクル液あるいは
新たな単量体と併せて連続して行うなどの方法で実施す
る。
【0015】又、蒸留は、上記の如く、新たな単量体と
重合後の未反応単量体を含むリサイクル液とを併せて蒸
留する方法とリサイクル液のみを蒸留する方法とがある
が、前者の方が新たな単量体中に含まれる不純物も除去
でき、より好ましい。なお、蒸留塔は、メタクリル酸メ
チルを主成分とする単量体が蒸留塔ボトム液に混入しな
いだけの段数を有していることが本発明の塊状重合で実
施する上で好ましい。しかしながら、溶剤の沸点が単量
体と近いあるいは段数が少なくて、蒸留塔ボトムに少量
の単量体が入ってくる場合でも、蒸留塔ボトムでの生成
する単量体の重合は起こらないかあるいは起こってもト
ラブルとなることは避けられる。
【0016】本発明の蒸留塔では、使用する溶媒の沸点
がメタクリル酸メチルを主成分とする単量体の沸点より
高く且つ除去すべき不純物の沸点は単量体の沸点より高
い為、蒸留塔ボトム液に濃縮され、従って蒸留塔ボトム
は除去すべき不純物と溶媒のみとなる。そこで、この蒸
留塔ボトム液をリボイラー等の加熱器を使用して加熱し
ながら、ボトム液の一部を連続的もしくは断続的に系外
に抜き出し、除去すべき不純物の系外排出及び蓄積防止
が計れる。この時、抜き出す量が少ない場合、この蒸留
塔ボトム液中の不純物濃度が高くなり、液粘度の上昇に
よる加熱器での熱交換効率の悪化や不純物の析出に伴う
配管や加熱器の閉塞を起こす可能性がある。また、抜き
出す量が多すぎる場合は運転上の問題は発生しないが経
済的でない。そのため、不純物の除去にあたっては加熱
器の能力がある限り不純物が析出しない程度に蒸留塔ボ
トム液の抜き出し量を減らす事が好ましい。
【0017】上記の様に蒸留したメタクリル酸メチルを
主成分とする単量体、場合により新たなメタクリル酸メ
チルを主成分とする単量体、更に重合開始剤、分子量調
整剤などを個別にあるいは混合して重合反応機に供給し
重合する。この単量体溶液は、光学特性を向上させる為
に、例えば向流接触塔へ連続的に供給し、不活性ガスと
置換し、単量体溶液中の溶存酸素を1ppm以下とす
る。更に金属異物などの異物を除去する為に、単量体溶
液を0.5μ以下のフィルターで濾過することが好まし
い。
【0018】この際、使用する重合開始剤は、重合温度
で活性に分解しラジカルを発生するもので、例えば、ジ
−tert−ブチルパーオキシド、ジ−クミルパーオキ
シド、メチルエチルケトンパーオキシド、ジ−tert
−ブチルパーフタレート、ジ−tert−ブチルパーベ
ンゾエート、tert−ブチルパーアセテート、2,5
−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルパーオキ
シ)ヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)
−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、ジ−ter
t−アミルパーオキジド、ベンゾイルパーオキシド、ク
メンハイドロパーオキシド及びラウリルパーオキシドな
どの有機過酸化物、アゾビスイソブタノールジアセテー
ト、1,1’−アゾビスシクロヘキサンカルボニトリ
ル、2−フェニルアゾ2,4−ジメチル−4−メトキシ
バレロニトリル、2−シアノ−2−2プロピルアゾホル
ムアシド及び2,2’−アゾビスイソブチロニトリルな
どのアゾ系化合物などを用いることができる。これらは
単独でまたは二種以上組み合わせて使用できる。これら
の重合開始剤の使用量は、全反応混合物の重量に基づき
0.0010〜0.03重量%の範囲が好ましい。
【0019】更に、分子量調整剤としては、主としてメ
ルカプタン類が使用される。メルカプタン類としては、
例えば、n−ブチルメルカプタン、イソブチルメルカプ
タン、n−オクチルメルカプタン、n−ドデシルメルカ
プタン、sec−ドデシルメルカプタン、tert−ブ
チルメルカプタンなどのアルキル基または置換アルキル
基を有する第一級、第二級及び第三級メルカプタン、フ
ェニルメルカプタン、チオクレゾールなどの芳香族メル
カプタン、チオグリコール酸とそのエステル及びエチレ
ンチオグリコールなどが使用できる。これらは単独でま
たは二種以上組み合わせて使用できる。これらの分子量
調整剤の使用量は、製造する重合体の分子量に応じて適
宜決定されるが、通常は、全反応混合物の重量に基づき
0.01〜0.5重量%の範囲で選ばれる。
【0020】重合反応機としては、ダブルヘリカルリボ
ン、ピッチドバドル型などの攪拌翼で均一に攪拌されて
いる装置を使用する。重合は、単量体溶液を重合反応機
に連続して供給し、単量体の重合転化率が40〜70%
の範囲内で実質的に一定になる様に、120〜160℃
の温度で重合反応を実施する。重合転化率が40%未満
では、揮発成分による脱揮工程の負荷が大きく、例えば
予備加熱器の伝熱面積の制約から脱揮不十分になる場合
があり好ましくない。一方、70%を越えると、例え
ば、重合反応機から予備加熱器間での配管圧力損失が大
きくなって、重合液の輸送が困難となり好ましくない。
重合温度が120℃未満では、重合速度が遅すぎて実用
的でなく、又160℃を越えると重合速度が速すぎて、
重合転化率の調整が困難となるあるいは耐熱分解性が低
下するなどで好ましくない。
【0021】この様な重合反応により得られた重合液
は、脱揮して重合物を取り出すと同時に揮発分である未
反応メタクリル酸メチルを主成分とする単量体を分離す
る。揮発分は、リサイクル液として蒸留・再使用し、連
続的にメタクリル系樹脂を製造する。なお、リサイクル
液は、通常その保存時の重合防止の為重合禁止剤を添加
することが好ましい。脱揮装置としては、多段ベント付
き押出機、脱揮タンクなどを使用する。好ましくは、重
合液を予備加熱器などで200〜290℃の温度に加熱
し、上部に十分な空間を有し、且つ200〜250℃、
20〜100トールの温度、真空下の脱揮タンクにフィ
ードして重合物を取り出すと同時に未反応メタクリル酸
メチルを主成分とする単量体からなる揮発成分を分離し
リサイクル液として再使用する。重合体に残存する揮発
分は、1重量%以下、好ましくは0.5重量%以下、更
に好ましくは0.3重量%以下である。この減圧下に保
持された脱揮タンクに重合液を導入する方法は、揮発成
分の間的な揮発とそれによる発泡を生じて、極めて大き
な蒸発面積を形成し、効率的に短時間で揮発成分が除去
され、ポリマー中に残存する残留単量体が少なく、且つ
ポリマーの着色も少なく光学特性に優れた好ましい脱揮
方法である。
【0022】以下、これに限定されるわけではないが、
蒸留塔での不純物除去の方法について図1で補足説明す
る。除去すべき不純物を含む単量体はライン1より蒸留
塔2に連続的に供給される。蒸留塔2の内部は、ラシヒ
リング等の充填剤等を充填するか、シーブトレイ等の棚
段を設置して蒸留を効率良く実施できる構造になってい
る。塔底部に蓄積した不純物と溶媒は滞留液循環ポンプ
3を経由しリボイラー4にて加熱された後、塔内に戻さ
れる。リボイラー4は一般に多管式熱交換器が使用さ
れ、熱媒の供給量や温度の管理は蒸留塔内の温度や蒸留
塔底部の滞留液量が一定となるよう適切な制御機構を設
置し制御される。不純物を含む溶媒は循環ポンプ3の出
口より分岐している抜き出しライン5より連続的もしく
は断続的に排出される。蒸留された単量体はコンデンサ
ー6にて冷却凝縮された後、反応器に連続的に供給され
る。また、蒸留塔の圧力は真空ライン7に設置されたコ
ントロールバルブにて一定圧力に制御する。
【0023】
【発明の実施の形態】重合体の各性質は次の様にして測
定した。 (1)重合体の固有粘度は、重合体150mgをクロロ
ホルム50mlに溶解し、25℃の温度でオストワルド
粘度計で測定した。 (2)全光線透過率の測定は、ASTM D−1003
法によって測定した。
【0024】
【実施例1】重合反応器より排出され脱揮タンクで脱揮
回収され、ハイドロキノン0.01部を添加したメタク
リル酸メチル97.8重量%、アクリル酸メチル2.2
重量%のリサイクル液/メタクリル酸メチル97.9重
量%、アクリル酸メチル2.1重量%のフレッシュ単量
体溶液/エチルベンゼンを49.9/49.9/0.2
の重量比に混合し、連続して蒸留塔にフィードした。蒸
留塔はステンレス製の図1に示す構造で、内部にはラシ
ヒリングが充填されている。蒸留塔は真空ライン7に設
置されたコントロールバルブにより80Torrに保持
された状態で蒸留塔底部の滞留液量が一定になるようリ
ボイラーにより滞留液をスチームで加熱する。蒸留塔ボ
トム部はエチルベンゼンとリサイクル液中に含まれる不
純物のみからなり、抜き出しライン5から不純物を含む
エチルベンゼンを蒸留塔に供給した同量を連続して抜き
出した。蒸留された単量体溶液は、メタクリル酸メチル
97.8重量%、アクリル酸メチル2.2重量%であっ
た。この単量体溶液に重合開始剤として1,1−ビス
(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシ
クロヘキサン85ppm、オクチルメルカプタン210
0ppmを追加し、完全混合型重合反応機で重合温度1
55℃、滞留時間2.0時間で重合し、重合転化率50
%まで連続的に重合させた。この重合液を連続的に重合
反応機から取り出し、次いで加熱板で260℃に加熱
し、加熱板の間隔を通して脱揮タンクに流延落下せしめ
た。脱揮タンク、30トール、230℃に維持し重合体
と未反応単量体を分離した。重合体は押出ダイスより押
し出し、更に未反応単量体はリサイクル液として蒸留再
使用し一週間の連続運転を実施した。得られたメタクリ
ル系樹脂ペレット中のアクリル酸メチル含有量1.9重
量%、残存単量体2400ppmであった。又、固有粘
度53ml/g、全光線透過率92.5%であった。ポ
リマー中の大きな異物は無く且つ製品の着色も無かっ
た。又、この1週間の連続運転で蒸留塔でのポリマー生
成による詰まりは全く発生しなかった。
【0025】
【実施例2】実施例1で、エチルベンゼンからキシレン
に変更し、実施例1とほぼ同じ重合転化率、分子量とな
る様に重合開始剤、連鎖移動剤を微修正した以外は実施
例1と同様な操作を行った。得られたメタクリル系樹脂
ペレット中のアクリル酸メチル含有量1.9重量%、残
存単量体2300ppmであった。又、固有粘度55m
l/g、全光線透過率93%であった。ポリマー中の大
きな異物は無く且つ製品の着色も無かった。又、1週間
の連続運転で蒸留塔でのポリマー生成による詰まりは全
く発生しなかった。
【0026】
【比較例1】エチルベンゼンを使用しないこと以外は実
施例1と全く同様な操作を行った。運転開始後3日で蒸
留塔底部滞留液からの抜き出しラインにポリマーが析出
し、5日目に抜き出しラインが閉塞したためその後の運
転を中止した。
【0027】
【比較例2】実施例1の条件で、エチルベンゼンを使用
せず且つ蒸留操作を行わず塊状重合しメタクリル系樹脂
は、連続運転を経過するに従って除々に着色した。
【0028】
【発明の効果】本発明の不純物除去方法によれば、製品
の着色を防止しながら、安定に長期間の連続塊状重合を
実施することができる。従って、連続塊状重合法により
高品質の製品を高い生産性で製造する事ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の不純物除去方法に使用する蒸留塔を例
示した図である。
【図2】本発明の不純物除去方法に使用する蒸留塔を利
用した連続塊状重合装置の概略図を例示した図である。
【符号の説明】
1、ビニル単量体及び場合により溶媒の供給ライン 2、蒸留塔 3、循環ポンプ 4、リボイラー 5、不純物抜き出しライン 6、コンデンサー 7、真空ライン 8、重合反応槽 9、送液ポンプ 10、加熱板 11、脱揮タンク 12、真空ライン

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)(a)重合後の未反応メタクリル
    酸メチルを主成分と単量体を含むリサイクル液と(b)
    新たなメタクリル酸メチルを主成分とする単量体とを連
    続して蒸留塔へ供給し、蒸留された単量体を連続して重
    合反応機に供給、重合し、次いで重合液を脱揮して重合
    物を取り出すと同時に未反応の単量体をリサイクル使用
    してなる連続塊状重合プロセスにおいて、単量体の沸点
    より高い沸点を有する溶媒を蒸留塔ボトムに存在させ、
    蒸留塔ボトム部よりボトム液を連続的もしくは断続的に
    抜き出すと同時に抜き出した量と同量の溶媒を連続的も
    しくは断続的に蒸留塔ボトムに供給することを特徴とす
    る連続塊状重合法。
  2. 【請求項2】 (B)(a)重合後の未反応メタクリル
    酸メチルを主成分とする単量体を含むリサイクル液を連
    続して蒸留塔へ供給し、蒸留された単量体と(b)新た
    なメタクリル酸メチルを主成分とする単量体とを連続し
    て重合反応機に供給、重合し、次いで重合液を脱揮して
    重合物を取り出すと同時に未反応単量体をリサイクル使
    用してなる連続塊状重合プロセスにおいて、単量体の沸
    点より高い沸点を有する溶媒を蒸留塔ボトムに存在さ
    せ、蒸留塔ボトム部よりボトム液を連続的もしくは断続
    的に抜き出すと同時に抜き出した量と同量の溶媒を連続
    的もしくは断続的に蒸留塔ボトムに供給することを特徴
    とする連続塊状重合法。
  3. 【請求項3】 溶媒の沸点がビニル単量体の沸点より1
    0℃以上であることを特徴とする請求項1又は2記載の
    連続塊状重合法。
  4. 【請求項4】 溶媒がアルキルベンゼンであることを特
    徴とする請求項3記載の連続塊状重合法。
  5. 【請求項5】 溶剤が、キシレン、エチルベンゼンから
    選ばれることを特徴とする請求項4記載の連続塊状重合
    法。
  6. 【請求項6】 溶剤が、トルエンから選ばれることを特
    徴とする請求項4記載の連続塊状重合法。
  7. 【請求項7】 メタクリル酸メチルを主成分とする単量
    体が、メタクリル酸メチルあるいはメタクリル酸メチル
    単量体と15重量%以下のアクリル酸エステル単量体か
    らなることを特徴とする請求項1又は2記載の連続塊状
    重合法。
  8. 【請求項8】 アクリル酸エステル単量体がアクリル酸
    メチル単量体又はアクリル酸エチル単量体であることを
    特徴とする請求項7の連続塊状重合法。
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