JPH1087664A - プリン誘導体の製造方法 - Google Patents

プリン誘導体の製造方法

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JPH1087664A
JPH1087664A JP23903196A JP23903196A JPH1087664A JP H1087664 A JPH1087664 A JP H1087664A JP 23903196 A JP23903196 A JP 23903196A JP 23903196 A JP23903196 A JP 23903196A JP H1087664 A JPH1087664 A JP H1087664A
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purine
benzyl
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JP23903196A
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Hiroshi Shiragami
浩 白神
Yumiko Uchida
裕美子 内田
Kunisuke Izawa
邦輔 井澤
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Ajinomoto Co Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 7−ベンジルプリンリン誘導体の工業的な製
造方法を提供する。 【解決手段】 プリンヌクレオシドまたはそのアルカリ
塩から合成されるトリアセチル或いはテトラアセチルプ
リンヌクレオシドにハロゲン化ベンジルを作用させ7位
をベンジル化し、引き続き酸を加えグリコシド結合を加
水分解し、最後に晶析溶媒を加え晶析単離する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は抗ウイルス作用、抗
ガン作用を有する、医薬品として有用なプリン誘導体の
製造方法に関する。更に詳しくは、本発明は発酵法によ
り工業的に得られるプリンヌクレオシドを原料とする7
−ベンジルプリン誘導体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ウイルスの複製阻害作用を有するヌクレ
オシド誘導体は、その選択的抗ウイルス作用からヘルペ
スウイルス、帯状疱疹、エイズ、肝炎、サイトメガロウ
イルス等のウイルス感染疾患に対する治療薬として重要
な化合物群である。特にプリン系の核酸塩基の9位に置
換基を有するプリン誘導体には、アシクロビル、ガンシ
クロビル、ペンシクロビル、ファムシクロビル等、既に
医薬品として認可されているものを始め開発中の誘導体
を含めると、数多くの重要な抗ウイルス作用を有する化
合物が知られている。
【0003】これらプリン誘導体の製造方法としては、
通常プリン塩基に対して側鎖と呼ばれる置換基を付加さ
せる方法がとられるが、その際プリン塩基の目的とする
位置のみに選択的に側鎖を導入することが非常に困難で
あり、その解決のために精力的に研究が行われてきた。
しかし通常既知の方法では、7位付加体に代表される位
置異性体の生成を完全に抑えることはできなかった。
【0004】この問題に対し、本発明者らは、下記式で
示される7−ベンジルプリン誘導体(2)
【0005】
【化4】
【0006】(但し式中Xは水素、水酸基、C1〜C8
の飽和或いは不飽和の低級アルコキシ基、C1〜C8の
飽和或いは不飽和の低級アシロキシ基、シロキシ基、フ
ルオロ基、クロロ基、ブロモ基、ヨード基、アミノ基、
1個または2個のC1〜C8のアシル基、C1〜C8の
アルコキシカルボニル基、アリロキシカルボニル基から
選ばれる保護基で保護されたアミノ基、C1〜C8の飽
和或いは不飽和の低級アルキル基を表し、Yは水素、水
酸基、C1〜C8の飽和或いは不飽和の低級アルコキシ
基、C1〜C8の飽和或いは不飽和の低級アシロキシ
基、シロキシ基、フルオロ基、クロロ基、ブロモ基、ヨ
ード基、アミノ基、1個または2個のC1〜C8のアシ
ル基、C1〜C8のアルコキシカルボニル基、アリロキ
シカルボニル基から選ばれる保護基で保護されたアミノ
基、C1〜C8の飽和或いは不飽和の低級アルキル基を
表し、Zは水素、或いはC1〜C6の低級アルキル基、
C1〜C6の低級アルコキシ基、水酸基、ニトロ基、ア
ミノ基、スルホン酸基、カルボキシ基、C1〜C6アル
コキシカルボニル基、フルオロ基、クロロ基、ブロモ
基、ヨード基を表す。)
【0007】を塩基側の原料として用いることにより、
目的とする置換基を9位に選択的に導入し、7位体の生
成を完全に抑える方法を報告した(特願平8−1071
0)。上記方法は、抗ウイルス作用を有する9位に置換
基を持つプリン誘導体の選択的合成方法として広く応用
することが可能であり、また工業的製造法としても用い
られる。
【0008】これまで、上記製法の原料として用いる7
−ベンジルプリン誘導体(2)の製造方法としては以下
の例がある。 1 ジメチルスルホキシド溶媒中グアノシンに臭化ベン
ジルを反応させ、引き続き酸で処理することにより7−
ベンジルグアニンを合成する方法(J.CHEM.SOC.(C) 202
6, 1968., SYNTHETIC COMMUN., 20(16), 2459 1990)。 2 ジメチルスルホキシド溶媒中イノシンに臭化ベンジ
ルを反応させ、引き続き酸処理を行い、7−ベンジルヒ
ポキサンチンを得る方法(J. Heterocyclic Chem., 25,
1179, 1988.)。 3 アデニンから3ステップで7−ベンジルアデニンを
合成する方法(Synthesis 154, 1988.)。
【0009】これらの方法は、1g程度を合成するよう
な、実験室スケールでは、問題なく目的とする7−ベン
ジルプリン誘導体(2)を合成することができるが、し
かしながら上記の方法においてベンジル化が、グアノシ
ンの糖部の水酸基にも起こるので、大過剰の臭化ベンジ
ルを使用しなくてはならず、また大過剰に用いたとして
も収率は80%程度に留まり、満足のいく方法ではなか
った。更にハロゲン化物との混合により暴走や爆発の可
能性のあるジメチルスルホキシドを溶媒として用い、し
かもここに臭化物を加える反応は1Kgを越える工業ス
ケールでの製造方法としては適当ではなかった。またジ
メチルスルホキシド自体溶媒としては沸点も高く扱いに
くく高価である等、工業的な製造方法が提供されている
とは言えなかった。
【0010】そこで、本発明者らはまず、既知の方法で
溶媒をジメチルスルホキシドから無溶媒や、或いは他の
溶媒に変更することを試みた。溶媒としてはジメチルホ
ルムアミド、ジメチルアセトアミド、アセトニトリル、
N−メチルピロリジノン等を用いて検討を行った。しか
し室温でも、また加熱を行ってもベンジル化は良好に進
行せず、目的とする7−ベンジルプリン誘導体(3)は
10%以下の低収率か或いはほとんど得られなかった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】7−ベンジルプリン誘
導体(3)の製造において、ジメチルスルホキシドを溶
媒として用いず、ベンジル化剤の量を抑え、かつ高収
率、高純度で目的物を得るための簡便で安全な製造方法
を開発することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】発明者らは、ヌクレオシ
ドの糖部水酸基の保護体を簡単に合成できれば、ヌクレ
オシドそのものよりも溶媒への溶解度が高くなり、ジメ
チルスルホキシド以外の溶媒を用いることが出来、また
水酸基を保護することによりベンジル化剤の使用量も抑
制することができると考えた。
【0013】そこで、トリアセチルプリンヌクレオシド
を、無溶媒もしくはジメチルスルホキシド以外の工業的
に使用可能な溶媒中ベンジルハライドと反応させ、さら
にベンジル化反応終了後反応液に直接酸を加えグリコシ
ド結合を加水分解することにより、7−ベンジルプリン
誘導体を高収率で、かつヌクレオシドを直接ベンジル化
する場合に比べ、ベンジルハライドの使用量を少なくし
て製造することが可能であることを見出し、本発明を完
成させるに至った。
【0014】すなわち、本発明は下記一般式(1)で表
されるトリアセチルプリンヌクレオシドに、
【0015】
【化5】
【0016】(但し式中Xは水素、水酸基、C1〜C8
の飽和或いは不飽和の低級アルコキシ基、C1〜C8の
飽和或いは不飽和の低級アシロキシ基、シロキシ基、フ
ルオロ基、クロロ基、ブロモ基、ヨード基、アミノ基、
1個または2個のC1〜C8のアシル基で保護されたア
ミノ基、C1〜C10のアルコキシカルボニルアミノ
基、アリロキシカルボニルアミノ基、置換基を有しても
良いベンジルオキシカルボニルアミノ基、C1〜C8の
飽和或いは不飽和の低級アルキル基のいずれかを表し、
Yは水素、水酸基、C1〜C8の飽和或いは不飽和の低
級アルコキシ基、C1〜C8の飽和或いは不飽和の低級
アシロキシ基、シロキシ基、フルオロ基、クロロ基、ブ
ロモ基、ヨード基、アミノ基、1個または2個のC1〜
C8のアシル基で保護されたアミノ基、C1〜C10の
アルコキシカルボニルアミノ基、アリロキシカルボニル
アミノ基、置換基を有しても良いベンジルオキシカルボ
ニルアミノ基、C1〜C8の飽和或いは不飽和の低級ア
ルキル基のいずれかを表す。)
【0017】置換基を有しても良いベンジルハライドを
加えプリン7位をベンジル化し、さらに酸によりグリコ
シド結合を加水分解せしめる下記一般式(2)で表され
る7−ベンジルプリン誘導体の製造方法である。
【0018】
【化6】
【0019】(式中のX、Yは式(1)の定義と同じで
あり、Zは水素、或いはC1〜C6の低級アルキル基、
C1〜C6の低級アルコキシ基、水酸基、ニトロ基、ア
ミノ基、スルホン酸基、カルボキシ基、C1〜C6アル
コキシカルボニル基、フルオロ基、クロロ基、ブロモ
基、ヨード基を表す。)
【0020】
【発明の実施の形態】本発明に用いるトリアセチルプリ
ンヌクレオシドは、プリンヌクレオシドを通常の方法で
アセチル化したものである。プリンヌクレオシドとして
は、グアノシン、アデノシン、イノシン、キサンチン
等、発酵法等工業的に得られるものが挙げられる。プリ
ン塩基部分は一部置換されていても良い。またこれらの
アルカリ塩も用いることができる。アルカリ塩としては
ナトリウム塩が最も通常に使われるが、カリウム塩、ア
ンモニウム塩等でも同様に使用できる。
【0021】アセチル保護反応はプリンヌクレオシドの
アルカリ塩に直接無水酢酸を3〜10当量程度加えるこ
とによって合成される。或いは、プリンヌクレオシドに
ピリジン、トリエチルアミン等の塩基存在下無水酢酸を
3〜10当量程度加えることによって合成される。この
とき無水酢酸を特に5〜6当量用いると高収率が得られ
る。反応液のスラリー性を良くするために、酢酸を適量
共存させても良く、また反応に直接関与しない非活性な
溶媒を共存させても問題はないが、原料の溶解度に悪い
影響を与えるとかえって収率が低下する。反応温度は室
温から無水酢酸の沸点付近の間で行われ、ナトリウム塩
であれば発熱反応が自発的に進行し反応は短時間で完了
する。通常30分〜1時間程度で十分であるが、加熱を
続けアセチル化を完了させることもできる。このアセチ
ル化反応の際に原料としてグアノシンを用いた場合、グ
アノシンの塩基部分(グアニン)は水酸基を有するので
反応後の生成物はテトラアセチルグアノシンとなり、テ
トラアセチル体となるがこの化合物も本発明ではトリア
セチルプリンヌクレオシドに含まれるものとする。
【0022】上記方法によって得られるトリアセチルプ
リンヌクレオシド溶液に、直接ベンジルハライドを加え
加熱を行うことによりベンジル化が進行し、7−ベンジ
ルプリン誘導体が得られる。また、単離されたトリアセ
チルプリンヌクレオシドを、ベンジルハライドとを無溶
媒、或いは溶媒中反応させても7−ベンジルプリン誘導
体が得られる。使用するベンジルハライドは、塩化ベン
ジル、臭化ベンジル、ヨウ化ベンジル等を単独或いは組
み合わせて使用しても良く、またベンゼン環上に置換基
を有していても良い。置換基としてはメチル基。エチル
基等の低級アルキル基、メトキシ基等の低級アルコキシ
基、水酸基、ニトロ基、アミノ基、スルホン酸基、カル
ボキシ基、メトキシカルボニルキ基等のアルコキシカル
ボニル基、フルオロ基、クロロ基、ブロモ基、ヨード基
等があげられる。使用するベンジルハライドの量は、ト
リアセチルプリンヌクレオシドに対して1〜5当量程度
用い、特に2〜3当量用いると反応が収率良く進行す
る。また溶媒を使用せず、10当量程度用いることもで
きる。反応を完結するために、通常30℃〜100℃の
範囲で加熱を行う。特に50℃〜70℃の範囲が好まし
い。反応時間は原料の消失まで行うが、10時間〜10
0時間、通常12時間〜24時間程度で反応は終了す
る。
【0023】反応終了後反応液に直接酸を加え、グリコ
シド結合の加水分解を行う。酸としては塩酸、硫酸等が
最も簡便に用いられ、使用する量は通常5〜50当量の
範囲特に10当量〜20当量程度が好ましい。酸を加え
ると自然に発熱が起こるが、場合によっては冷却下に加
える。酸の滴下終了後30分〜1時間で反応はほぼ終了
するが、加水分解を完結するために発熱が収まってから
50℃程度で1〜5時間程度加熱を行っても良い。な
お、加水分解の進行と共に生成物7−ベンジルプリン誘
導体が結晶として析出してくることもある。
【0024】加水分解終了後、反応液に晶析溶媒を加え
晶析を行う。晶析溶媒としてはメタノール、エタノー
ル、2−プロパノール等のアルコール系の溶媒が好まし
いが、晶析する基質によってアルコールと水の混合系、
その他の有機溶剤系を用いても良い。溶媒の量は反応液
に対して1倍〜20倍量程度を加えて行うが通常2〜5
倍程度が適当である。溶媒は室温下攪拌しながら滴下し
加える。加える際にある程度高温で加えてから冷却し晶
析を行っても良い。溶媒滴下の後室温或いは0℃付近ま
で冷却し攪拌を30分〜1時間程度行い結晶の分離を行
う。結晶は更に晶析溶媒等で洗浄した後乾燥し7−ベン
ジルプリン誘導体を結晶として単離する。
【0025】以上、本発明により7−ベンジルプリン誘
導体の工業化製造が可能となった。以下、実施例により
詳細に説明する。
【0026】(実施例1) トリアセチルグアノシンの
製造 グアノシン・ナトリウム塩(分子量306.23)9.
19g(30.0mmol)に無水酢酸12.7ml
(4.5当量)を加え、室温で攪拌した。約10分後に
系内の温度は100℃まで上昇し、反応液は均一に溶解
したが、次第に温度が下がりスラリーを生じた。つづけ
て60℃を保ち2時間反応させた。(途中、攪拌性を改
善するため酢酸5mlを添加した。)液体クロマトグラ
フィーで原料の消失を確認後室温に戻し、反応液を濃縮
乾固した。残渣にアセトニトリル30mlを加え、スラ
リー状態で1時間攪拌後ろ過した。固体をアセトニトリ
ル5mlで2回洗浄後、50℃で減圧乾燥して分析した
結果、ほとんど塩であることがわかった(トリアセチル
グアノシン0.7wt%)。母液中にトリアセチルグア
ノシンは23.6%含まれ、これは収率97.6%にあ
たる。この溶液を用い7−べンジルグアニンの合成を行
った。また、トリアセチルグアノシンの単離は以下の方
法で行った。母液を濃縮し、得られた残渣に水を加え
て、攪拌下1N水酸化ナトリウム水溶液で中和した。半
透明のスラリー状溶液を約90℃に加熱すると一瞬溶解
したがすぐに白色の固体が大量に析出した。室温に戻
し、スラリー状態で一晩攪拌後ろ過し、結晶を水20m
lで3回洗浄した。50℃で5時間減圧乾燥してトリア
セチルグアノシン結晶11.66gを得た。 晶析率98.1%。 1HNMR(DMSO−d6):d 10.73(s,1
H,NH)、7.92(s,1H,H−8)、6.53
(s,2H,NH2)、5.98(d,1H,H−
1’)、5.78(t,1H,H−2’)、5.48
(dd,1H,H−3’)、4.30(m,3H,H−
5’、H−4’)、2.10(s,3H,CH3)、
2.04(s,3H,CH3)、2.03(s,3H,
CH3) FAB−MS(MH+)=410.3
【0027】(実施例2) 7−ベンジルグアニンの製
造 実施例1で得られたトリアセチルグアノシン/アセトニ
トリル溶液4.24g(1.00g、2.45mmol
相当)に臭化ベンジル0.73ml(2.50当量)を
加え、60℃で19時間反応させた。室温に戻し、濃塩
酸2.1ml(10当量)を加え、2時間反応させた
(1時間半で固体が析出)。メタノール10mlを加
え、スラリー状態で2時間攪拌後ろ過し、結晶をメタノ
ール5mlで2回洗浄した。55℃で3時間減圧乾燥し
て、7−ベンジルグアニンの結晶 0.61gを得た。
収率82.1%。 1H−NMR(DMSO−d6):d 8.87(s,1
H,H−8)、7.35(m,5H,C6H5)、5.5
2(s,2H,CH2) FAB−MS(MH+)=242.2
【0028】(実施例3) 7−ベンジルグアニンの製
造 実施例1で得られたトリアセチルグアノシン/アセトニ
トリル溶液3.21g(0.76g、1.86mmol
相当)に塩化ベンジル2.14ml(10.0当量)を
加え、70℃で71時間反応させた。室温に戻して、濃
塩酸3.13ml(20.0当量)を加え、3時間反応
させると固体が析出した。メタノール10mlを加え、
スラリー状態で2時間攪拌後ろ過し、結晶をメタノール
5mlで2回洗浄した。50℃で2時間減圧乾燥して、
結晶0.413gを得た。収率71.9%
【0029】(実施例4) 7−ベンジルグアニンの製
造 トリアセチルグアノシン0.755g(1.84mmo
l)にアセトニトリル4mlと臭化ベンジル0.59m
l(2.7当量)を加え、50℃で16時間反応させ
た。次に、濃塩酸2.5ml(16.1当量)を加え、
50℃で50分反応後、室温に戻すと固体が析出した。
メタノール15mlを加え、スラリー状態で1時間攪拌
後ろ過し、結晶をメタノール5mlで2回洗浄した。5
0℃で2時間減圧乾燥して7−ベンジルグアニン結晶
0.496gを得た。収率90.1%
【0030】(実施例5) 7−ベンジルグアニンの製
造 トリアセチルグアノシン0.756g(1.85mmo
l)をアセトニトリル6mlに懸濁し、臭化ベンジル
0.28ml(1.25当量)と塩化ベンジル0.27
ml(1.25当量)を加え、50℃で24時間、60
℃で23時間反応させた。室温に戻し、濃塩酸1.58
ml(10.1当量)を加え、3時間反応させた。反応
開始後40分後に固体が析出した。メタノール15ml
を加え、スラリー状態で1時間半攪拌後ろ過し、結晶を
メタノール5mlで2回洗浄した。50℃で4時間減圧
乾燥して、7−ベンジルグアニン結晶0.468g得
た。収率87.2%
【0031】(実施例6) 7−ベンジルグアニンの製
造 トリアセチルグアノシン0.758g(1.85mmo
l)にN,Nージメチルホルムアミド4mlと塩化ベン
ジル0.53ml(2.49当量)を加え、60℃で2
2時間反応させた。液体クロマトグラフィー分析で原料
が69%残っていたため塩化ベンジル1.60ml(合
計10当量)を追加し60℃で23時間、70℃で5時
間反応させた。室温に戻し、濃塩酸1.57ml(10
当量)を加え、2時間反応させたが糖部分の切断が完結
しなかったため、濃塩酸1.58ml(合計20当量)
を追加し室温で一晩攪拌した。スラリー状の反応液にメ
タノール10mlを加え、2時間攪拌後ろ過し、結晶を
メタノール5mlで2回洗浄した。50℃で5時間減圧
乾燥して、7−ベンジルグアニン結晶0.444gを得
た。収率82.1%
【0032】(実施例7) 7−ベンジルグアニンの製
造 トリアセチルグアノシン0.758g(1.85mmo
l)にアセトニトリル8mlと塩化ベンジル2.13m
l(10当量)を加え、70℃で47時間反応させた。
室温に戻し、濃塩酸3.13ml(20当量)を加え、
4時間反応させた。反応開始後2時間後に固体が析出し
た。メタノール10mlを加え、スラリー状態で一晩攪
拌後ろ過し、結晶をメタノール5mlで2回洗浄した。
50℃で減圧乾燥して7−ベンジルグアニン結晶0.4
56gを得た。収率85.0%
【0033】(実施例8) テトラアセチルグアノシン
の製造 グアノシン・ナトリウム塩15.31g(50.01m
mol)に無水酢酸41.5ml(8.8当量)を加
え、約100℃で22時間反応させた。液体クロマトグ
ラフィーで反応の完結を確認後、室温に戻し濃縮した。
残渣にクロロホルム100mlと飽和重曹水50mlを
加え抽出し、有機層をさらに重曹水50mlと水50m
lで洗浄した。有機層を濃縮しイソプロパノールで共沸
して結晶化させた。残渣をかきとり55℃で減圧乾燥し
て、テトラアセチルグアノシンの結晶22.86gを得
た。収率98.8% 1H−NMR(CDCl3):12.00(s,1H,N
H)、9.37(s,1H,NH)、7.71(s,1
H,H−8)、5.95(d,1H,H−1’)、5.
94(t,1H,H−2’)、5.72(t,1H,H
−3’)、4.65(m,1H,H−4’)、4.46
(m,2H,H−5’)、2.32(s,3H,CH
3)、2.15(s,3H,CH3)、2.09(s,3
H,CH3)、2.09(s,3H,CH3) FAB−MS(MH+)=451.2
【0034】(実施例9) 7−ベンジルグアニンの製
造 テトラアセチルグアノシン0.904g(2.00mm
ol)をアセトニトリル2mlに溶解し、臭化ベンジル
0.59ml(2.48当量)を加え、50℃で17時
間反応させた。HPLCで原料の消失を確認後、濃塩酸
5ml(29.6当量)を加え、50℃で3時間攪拌す
ると反応液は黒く着色し、灰色の固体が析出した。室温
に戻し、メタノール5mlを加えて、スラリー状態で2
0分攪拌後ろ過した。結晶をメタノール10mlで洗浄
後、50℃で減圧乾燥して、灰色の結晶0.690gを
得た。収率57.4%
【0035】
【発明の効果】医薬として極めて有用な7−ベンジルプ
リンリン誘導体を工業的に製造することが可能となっ
た。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1)で表されるトリアセチ
    ルプリンヌクレオシドに、 【化1】 (但し式中Xは水素、水酸基、C1〜C8の飽和或いは
    不飽和の低級アルコキシ基、C1〜C8の飽和或いは不
    飽和の低級アシロキシ基、シロキシ基、フルオロ基、ク
    ロロ基、ブロモ基、ヨード基、アミノ基、1個または2
    個のC1〜C8のアシル基で保護されたアミノ基、C1
    〜C10のアルコキシカルボニルアミノ基、アリロキシ
    カルボニルアミノ基、置換基を有しても良いベンジルオ
    キシカルボニルアミノ基、C1〜C8の飽和或いは不飽
    和の低級アルキル基のいずれかを表し、Yは水素、水酸
    基、C1〜C8の飽和或いは不飽和の低級アルコキシ
    基、C1〜C8の飽和或いは不飽和の低級アシロキシ
    基、シロキシ基、フルオロ基、クロロ基、ブロモ基、ヨ
    ード基、アミノ基、1個または2個のC1〜C8のアシ
    ル基で保護されたアミノ基、C1〜C10のアルコキシ
    カルボニルアミノ基、アリロキシカルボニルアミノ基、
    置換基を有しても良いベンジルオキシカルボニルアミノ
    基、C1〜C8の飽和或いは不飽和の低級アルキル基の
    いずれかを表す。)置換基を有しても良いベンジルハラ
    イドを加えプリン7位をベンジル化し、さらに酸により
    グリコシド結合を加水分解せしめる下記一般式(2)で
    表される7−ベンジルプリン誘導体の製造方法。 【化2】 (式中のX、Yは式(1)の定義と同じであり、Zは水
    素、或いはC1〜C6の低級アルキル基、C1〜C6の
    低級アルコキシ基、水酸基、ニトロ基、アミノ基、スル
    ホン酸基、カルボキシ基、C1〜C6アルコキシカルボ
    ニル基、フルオロ基、クロロ基、ブロモ基、ヨード基を
    表す。)
  2. 【請求項2】 トリアセチルプリンヌクレオシド(1)
    がトリアセチルグアノシン(式中X=OH,Y=N
    2)である請求項1記載の7−ベンジルプリン(2)
    の製造方法。
  3. 【請求項3】 トリアセチルプリンヌクレオシド(1)
    がテトラアセチルグアノシン(式中X=OH,Y=NH
    COCH3)である請求項1記載の7−ベンジルプリン
    (2)の製造方法。
  4. 【請求項4】 ベンジルハライドのハライドがブロマイ
    ド、イオダイド、クロライドのいずれかである請求項1
    記載の7−ベンジルプリン(2)の製造方法。
  5. 【請求項5】 トリアセチルプリンヌクレオシド(1)
    が下記一般式(3)で表されるプリンヌクレオシドのア
    ルカリ塩と、 【化3】 (式中のX、Yは式(1)の定義と同じである。無水酢
    酸との反応液をそのまま用いることを特徴とする請求項
    1記載の7−ベンジルプリン(2)の製造方法。
  6. 【請求項6】 プリンヌクレオシド(1)がグアノシン
    のナトリウム塩(X=OH、Y=NH2)である請求項
    4記載の7−ベンジルプリン(2)の製造方法。
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