JP2005504036A - プリンヌクレオシドを調製する方法 - Google Patents
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Abstract
Description
【0001】
本願は、2001年8月2日に出願された米国仮特許出願第60/309,590号の優先権を主張しており、その内容は、本明細書中で参考として援用されている。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、一般に、プリンヌクレオチドの化学調製に関する。さらに具体的に言うと、本発明は、アデニン誘導体とブロックドアラビノフラノシルとをカップリングして、β−D−アデニンヌクレオシドを形成することに関する。このようなヌクレオシドは、癌治療の分野にて、また、抗ウイルス薬として、貴重な化合物である。
【背景技術】
【0003】
(発明の背景)
アデニンから誘導される多数のβ−D−プリンヌクレオシドは、抗腫瘍薬および抗ウイルス薬として有用である。このような薬剤の合成での重要な工程は、そのアデニン核酸塩基とアラビノフラノシル誘導体との間でN−グリコシド結合を形成することにある。2’−デオキシヌクレオシドのN−グリコシド結合を形成するのに使用されるカップリング反応により、典型的には、αおよびβ−アノマーの混合物の形成が生じた。
【0004】
ヌクレオシドは、融合グリコシル化により合成されており、ここで、その反応は、それらの反応物を溶融相に変換するのに十分な温度で、溶媒の非存在下にて、実行される。例えば、2,6−ジクロロプリンは、融合条件下にて、5−O−ベンジル−2−デオキシ−1,3−ジ−O−アセチル−2−フルオロアラビノースとカップリングされて、収率27%で、2’−フルオロアラビノヌクレオシドを形成する(Wrightら、J.Org.Chem.34:2632,1969)。他の合成方法は、シリル化核酸塩基誘導体を使用し、例えば、シリル化核酸塩基は、溶媒およびフリーデルクラフツ触媒の存在下にて、過アセチル化デオキシ糖とカップリングされる(Vorbruggenら、J.Org.Chem.41:,2084,1976)。この方法は、2’−デオキシ−2’−ジフルオロヌクレオシドの合成において、そのデオキシ糖にスルホネート脱離基を取り込むことにより、改良されている(米国特許第4,526,988号;米国特許第4,965,374号)。
【0005】
高収率の2’−デオキシ−2’−フルオロ−ピリミジンヌクレオシドは、ピリミジンを2−デオキシ−2−フルオロ−3,5−ジ−O−ベンゾイル−α−O−アラビノフラノシルブロマイドと共に還流することから得られた(Howellら、J.Org.Chem.53:85〜88,1988)。誘電率が低い溶媒を使用すると、高いβ:αアノマー比が得られることが発見された。このような溶媒は、SN2反応を好むのに対して、誘電率が高い溶媒は、イオン性SN1経路により、α−アノマーの生成を好むと想定された。
【0006】
アニオングリコシル化手順はまた、2’−デオキシ−2’−フルオロプリンヌクレオシドを調製するのに使用されている。EP428109は、SN2置換を好む条件を使用して、6−クロロプリンのナトリウム塩(これは、水素化ナトリウムから形成される)と3,5−ジベンジル−α−D−アラビノフラノシルブロマイドとのカップリングを開示している。1:1のアセトニトリル/塩化メチレンを使用すると、シリル化プリン反応物を使用するときに3.4:1の比が観察されるのに対して、10:1のβ:αアノマー比を有するヌクレオシド生成物が得られた。アデニン塩の使用に関して、そのC−6位置にあるアミノ置換基は、このカップリング反応中にて、ベンゾイル誘導体として保護された。この環外アミノ基を保護すると、そうしなければ生成されると予想されるアラビノフラノシル付加物が形成されなくなる(例えば、Ubukataら、Tetrahedron Lett.,27:3907〜3908,1986;Ubukataら、Agric.Biol.Chem.,52:1117〜1122,1988;Searleら、J.Org.Chem.,60:4296〜4298,1995;Baraldiら、J.Med.Chem.,41:3174〜3185,1998)。アニオングリコシル化により2’−デオキシ−2’−フルオロプリンおよび2’−ジフルオロプリンヌクレオシドのαおよびβアノマーの調製は、米国特許第5,744,597号および米国特許第5,281,357号で開示されており、β−アノマーに富んだヌクレオシドは、それぞれ、1:1より大きく約10:1までおよび1:1より大きく約7:1までのβ:αアノマー比で調製される。環外アミノ基で置換したプリンに関して、両方の特許は、再度、適切な糖部分へのカップリング中にこのような基を保護することを開示している。米国特許第5,281,357号はまた、2,6−ジピバルアミノプリンのカリウム塩と2−デオキシ−2,2−ジフルオロ−D−リボフラノシル−3,5−ジベンゾイル−1−トリフルオロメタンスルホネートのαアノマー富化調製物とをカップリングすることにより調製された9−[1−(2’−デオキシ−2’,2’−ジフルオロ−3’,5’−ジ−O−ベンゾイル−D−リボフラノシル)]−2,6−ジピバルアミドプリンのβ:αアノマー比に対する溶媒の効果を開示している。使用された6種の溶媒の誘電率とβ:αアノマー比との間には相関関係がなく、例えば、酢酸エチルおよびアセトニトリルからは、共に、1.6:1の同じ比が得られた。t−ブチルアルコールでは、3.5:1の最も高いβ:αアノマー比が得られた。
【0007】
当該技術分野で公知のプリンヌクレオシドの調製方法にもかかわらず、依然として、これらの化合物を調製する経済的の好ましく効果的かつ効率的な方法が必要とされている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、このような方法を提供することにある。さらに他の目的は、プロセス反応工程数をできるだけ少なくすること、および商業規模の量を生産するために容易に拡張可能な方法を提供することにある。他の目的および利点は、当業者に明らかとなり、また、本明細書を注意深く読むことから、背景を参照して分かるようになる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(発明の要旨)
最も一般的な意味では、本発明の1局面は、そのC−6位置にある未保護環外アミノ基を含有するアデニン誘導体とブロックドアラビノフラノシル誘導体とをカップリングすることによるβ−アデニンヌクレオシドの調製を提供する。好ましい実施形態では、この反応は、以下のように描写できる:
【0010】
【化25】
R1は、水素、ハロゲンまたは−OR6であり、ここで、R6は、ヒドロキシ保護基である。好ましい実施形態では、R1は、フルオロである。R2およびR3は、ヒドロキシ保護基である。好ましい実施形態では、R2、R3およびR6は、独立して、ベンゾイルまたはアセチルである。R4は、脱離基である。適切な脱離基には、ハロ、フルオロスルホニル、アルキルスルホニルオキシ、トリフルオロアルキルスルホニルオキシおよびアリールスルホニルオキシが挙げられる。好ましい実施形態では、R4は、ブロモである。R5は、水素、ハロゲンまたは−NH2である。好ましい実施形態では、R5は、クロロまたはフルオロである。
【0011】
驚くべきことに、この反応は、このブロックドアラビノフラノシル(1)と化合物(2)のC−6位置にある環外アミノ基(以下、「C−6環外アミノ基」と呼ぶ)(これは、この反応中に未保護のままである)および/またはアデニン環のN−7位置にある窒素との付加により得られる付加物を実質的に生成することなく進行する。望ましくないC−6環外アミノ基副生成物付加物の一例は、次式により表わされる:
【0012】
【化26】
本発明の目的のために、また、経済的に好ましく効果的かつ効率的な方法を提供する目的に照らして、「実質的な形成」とは、式(2)のアデニン誘導体の約40%が副生成物付加物または付加物(これは、式(1)のブロックドアラビノフラノシルを化合物(2)の未保護C−6環外アミノ基および/またはN−7位置に付加することにより得られる)に変換することを意味する。R5が−NH2(以下、「R5−NH2基」と呼ぶ)である実施形態では、「実質的な形成」とは、式(2)のアデニン誘導体の約40%が副生成物付加物(これは、式(1)のブロックドアラビノフラノシルを化合物(2)の未保護C−6環外アミノ基および/またはN−7位置および/またはR5−NH2基に付加することにより得られる)に変換することを意味する。
【0013】
さらに驚くべきことには、この反応は、式(1)のブロックドアラビノフラノシルを化合物(2)の未保護C−6環外アミノ基および/またはN−7位置に付加することにより得られる付加物の有意の生成なしで、進行できる。本発明の目的のために、「有意な生成」とは、式(2)のアデニン誘導体の約5%が副生成物付加物または付加物(これは、式(1)のブロックドアラビノフラノシルを、化合物(2)の未保護C−6環外アミノ基および/またはN−7位置に付加することにより得られる)に変換することを意味する。R5が−NH2である実施形態では、「有意な生成」とは、式(2)のアデニン誘導体の約5%が副生成物付加物(これは、式(1)のブロックドアラビノフラノシルを化合物(2)の未保護C−6環外アミノ基および/またはN−7位置および/またはR5−NH2基に付加することにより得られる)に変換することを意味する。
【0014】
有用な塩基は、一般に、15以上の水中でのpKaを有するものである。好ましい実施形態では、この塩基は、アルカリ金属塩基であり、さらに好ましくは、カリウム塩基である。好ましい実施形態では、この塩基は、立体障害塩基、例えば、カリウムt−ブトキシドまたはカリウムt−アミラートである。適切な不活性溶媒には、t−ブチルアルコール、アセトニトリル、ジクロロメタン、ジクロロエタン、t−アミルアルコール、テトラヒドロフランまたはそれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。好ましい実施形態では、この溶媒または溶媒混合物は、約80℃以上の沸点を有する。
【0015】
本発明の方法はまた、さらに、そのブロックド炭水化物部分を脱保護して、次式のβ−ヌクレオシドを形成する工程を包含する:
【0016】
【化27】
ここで、R1およびR5は、上で定義したとおりである。
【0017】
ある実施形態では、このアデニン誘導体は、2−クロロアデニンであり、そしてブロックドアラビノフラノシル誘導体は、2−デオキシ−2−フルオロ−α−アラビノフラノシル誘導体であり、それにより、得られるβ−ヌクレオシドは、2−クロロ−9−(2’−デオキシ−2’−フルオロ−β−D−アラビノフラノシル)アデニン誘導体である。この反応は、以下のように描写できる:
【0018】
【化28】
ここで、R2、R3およびR4は、上で定義したとおりである。この方法はまた、さらに、その炭水化物部分を脱保護して、2−クロロ−9−(2’−デオキシ−2’−フルオロ−β−D−アラビノフラノシル)アデニン(これはまた、クロファラビンとしても知られている)を形成する工程を包含する。
【0019】
本発明の別の局面は、2’−デオキシ−2’−β−D−アデニンヌクレオシドの生成で達成できる驚くべき立体選択性の発見にあり、ここで、このようなヌクレオシドはまた、高収率で生成される。この反応は、以下のようにして描写できる:
【0020】
【化29】
R7およびR8は、独立して、ハロゲンであり、M+は、カリウムであり、そしてR2、R3およびR5は、上で定義したとおりである。ハロゲンには、ブロモ、フルオロ、クロロおよびヨードが挙げられる。好ましい実施形態では、R8は、フルオロである。種々の実施形態では、R7は、クロロであるか、好ましくは、ブロモである。ある実施形態では、この方法は、さらに、水素化カルシウムを加える工程を包含する。適切な不活性溶媒には、t−ブチルアルコール、アセトニトリル、ジクロロメタン、ジクロロエタン、t−アミルアルコール、テトラヒドロフランまたはそれらの混合物が挙げられる。好ましい実施形態では、この溶媒は、t−ブチルアルコールとアセトニトリルとの混合物、またはt−ブチルアルコールとジクロロエタンとの混合物、またはジクロロエタンとアセトニトリルとの混合物、またはt−アミルアルコールとジクロロエタンとの混合物、またはt−アミルアルコールとアセトニトリルとの混合物、またはt−アミルアルコールとアセトニトリルとジクロロメタンとの混合物、またはt−アミルアルコールとアセトニトリルとジクロロエタンとの混合物である。好ましい実施形態では、この溶媒または溶媒混合物は、約80℃以上の沸点を有する。
【0021】
ある実施形態では、アデニン誘導体塩(10)は、カリウム塩基と対応するアデニン誘導体(2)との反応により、インサイチュで形成される。好ましい実施形態では、この塩基は、カリウムt−ブトキシドまたはカリウムt−アミラートである。
【0022】
本発明の種々の実施形態では、このカップリング反応は、式(11)のβ−アノマーと式(12)のα−アノマーとの比が、少なくとも約10:1、または好ましくは、少なくとも約15:1、またはさらに好ましくは、少なくとも約20:1である調製物を生成する。それゆえ、このアノマー比は、10:1以上、15:1以上、または20:1以上であり得る。好ましい実施形態では、式(11)のβ−アノマーは、約40%以上の収率で、調製される。さらに好ましい実施形態では、式(11)のβ−アノマーは、約50%以上、または約80%以上の収率で、調製される。
【0023】
本発明の方法はまた、さらに、βおよびα−アノマーの混合物を再結晶または再スラリー手順にかけることにより、β−アノマー(11)を単離する工程を包含し得る。好ましい実施形態では、さらなる精製は、メタノールからの再スラリー化または酢酸ブチルとヘプタンとの混合物からの再結晶を包含する。種々の実施形態では、精製した調製物は、ヌクレオシドの混合物を含有し、ここで、式(11)のβ−アノマーと式(12)のα−アノマーとの比は、少なくとも約20:1、または少なくとも約40:1、または少なくとも約60:1である。
【0024】
この方法はまた、さらに、保護したβ−アノマーのブロックド炭水化物部分を脱保護して、次式のβ−ヌクレオシドを形成する工程を包含する:
【0025】
【化30】
ここで、R5およびR8は、上で定義したとおりである。R5がクロロであり、そしてR8がフルオロのとき、式(13)の非ブロック化β−ヌクレオシドは、2−クロロ−9−(2’−デオキシ−2’−フルオロ−β−D−アラビノフラノシル)アデニンである。
【0026】
本発明の他の局面は、2−クロロ−9−(2’−デオキシ−2’−フルオロ−β−D−アラビノフラノシル)アデニンを含有する組成物を調製する多段階方法である。これは、本発明の他の局面を、2−クロロ−9−(2’−デオキシ−2’−フルオロ−β−D−アラビノフラノシル)アデニンの経済的に好ましく効果的かつ効率的な合成および単離と一体化することを包含する。この方法は、そのC−6環外アミノ基の保護が必要ではないことにより、工程数を部分的にできるだけ少なくする。それに加えて、このβ−アノマーに対する驚くべき立体選択的な好適性があるために、そのβ−アノマーを精製するのに分取クロマトグラフィー工程を利用することなく、少なくとも99:1、または好ましい実施形態では、約400:1以上、約500:1以上、または約1000:1以上のβ:α−アノマー比を有する組成物を調製することが部分的に可能となる。クロマトグラフィー工程がないことは、経済的に好ましい商業規模の方法に関して、大きな利点となる。
【0027】
この方法は、溶媒の存在下にて、3,5−O−ジベンゾイル−2−デオキシ−2−フルオロ−α−D−アラビノフラノシルブロマイドと次式のクロロアデニンカリウム塩とを反応させて、2−クロロ−9−(3’,5’−O−ジベンゾイル−2’−デオキシ−2’−フルオロ−β−D−アラビノフラノシル)アデニンを形成する工程を包含する:
【0028】
【化31】
この2−クロロアデニンカリウム塩のC−6環外アミノ基は、この工程の間、保護されていない。この2−クロロ−9−(3’,5’−O−ジベンゾイル−2’−デオキシ−2’−フルオロ−β−D−アラビノフラノシル)アデニンは、次いで、脱保護されて、2−クロロ−9−(2’−デオキシ−2’−フルオロ−β−D−アラビノフラノシル)アデニンを形成し、これは、次いで、単離されて、2−クロロ−9−(2’−デオキシ−2’−フルオロ−β−D−アラビノフラノシル)アデニンを含有する組成物を提供する。ある実施形態では、上記多段階方法により生成される組成物はまた、2−クロロ−9−(2’−デオキシ−2’−フルオロ−α−D−アラビノフラノシル)アデニンを含有し、この2−クロロ−9−(2’−デオキシ−2’−フルオロ−β−D−アラビノフラノシル)アデニンは、実質的に純粋である。本発明の目的のために、実質的に純粋な2−クロロ−9−(2’−デオキシ−2’−フルオロ−β−D−アラビノフラノシル)アデニンとは、β−アノマーとα−アノマーとの比が、高圧液体クロマトグラフィーおよび分光光度分析により測定される場合、少なくとも99:1であることを意味する。
【0029】
この方法は、さらに、この脱保護工程の前に、2−クロロ−9−(3’,5’−O−ジベンゾイル−2’−デオキシ−2’−フルオロ−β−D−アラビノフラノシル)アデニンを単離する工程を包含する。ある実施形態では、この単離は、再スラリーおよび/または再結晶を包含し得、これは、メタノールを使用することにより、または酢酸ブチルとヘプタンとの混合物を使用することにより、行われ得る。他の実施形態では、2−クロロ−9−(2’−デオキシ−2’−フルオロ−β−D−アラビノフラノシル)アデニンの単離はまた、再結晶を包含する。ある実施形態では、この再結晶は、メタノールからである。
【0030】
ある実施形態では、この2−クロロアデニンカリウム塩は、適切な不活性溶媒中で、カリウム塩基と2−クロロアデニンとを反応させることにより、インサイチュで調製される。好ましい実施形態では、この塩基は、カリウムt−ブトキシドまたはカリウムt−アミラートである。適切な不活性溶媒には、t−ブチルアルコール、アセトニトリル、ジクロロメタン、ジクロロエタン、t−アミルアルコール、テトラヒドロフランまたはそれらの混合物が挙げられる。好ましい実施形態では、この溶媒は、t−ブチルアルコールとアセトニトリルとの混合物、またはt−ブチルアルコールとジクロロエタンとの混合物、またはジクロロエタンとアセトニトリルとの混合物、またはt−アミルアルコールとジクロロエタンとの混合物、またはt−アミルアルコールとアセトニトリルとの混合物、またはt−アミルアルコールとアセトニトリルとジクロロメタンとの混合物、またはt−アミルアルコールとアセトニトリルとジクロロエタンとの混合物である。
【0031】
(発明の詳細な説明)
(1.プリン塩基を使用する未保護環外アミノ基とのカップリング反応)
本発明の1局面は、塩基および溶媒の存在下にて、未保護C−6環外アミノ基を有するアデニン誘導体とブロックしたアラビノフラノシル誘導体とをカップリングすることにより、β−アデニンヌクレオシドを調製することを提供する。このブロックしたアラビノフラノシル誘導体は、以下の構造により描写され得る:
【0032】
【化32】
R1は、水素、ハロゲンまたは−OR6であり、ここで、R6は、ヒドロキシ保護基である。ハロゲンには、ブロモ、クロロ、フルオロおよびヨードが挙げられる。R2およびR3は、ヒドロキシ保護基である。ヒドロキシ保護基は、化学化合物に存在しているヒドロキシ官能基に選択的に付加され得、かつそこから除去され得る化学官能基として、当該技術分野で公知であり、これは、このような官能基を、その化合物が晒される化学反応条件に対して不活化する。ヒドロキシ保護基は、GreeneおよびWuts,Protective Groups in Organic Synthesis,第2版、John Wiley & Sons,New York,1991で記述されており、これらには、ホルミル、アセチル、プロピオニル、アリールアシル(例えば、ベンゾイルまたは置換ベンゾイル)、トリチルまたはモノメトキシトリチル、ベンジルまたは置換ベンジル、カーボネート誘導体(例えば、フェノキシカルボニル、エトキシカルボニルおよびt−ブトキシカルボニル)、および三置換シリル(トリアルキルシリル(例えば、ジメチル−t−ブチルシリル)またはジフェニルメチルシリルを含む)が挙げられる。好ましい実施形態では、これらの保護基は、独立して、ベンゾイルまたはアセチルである。
【0033】
R4は、脱離基であり、その適切な例には、ハロゲン、アルキルスルホニルオキシおよびアリールスルホニルオキシが挙げられる。ハロゲンには、クロロ、フルオロ、ヨード、および好ましい実施形態では、ブロモが挙げられる。ブロックしたα−アラビノフラノシルハライド、当業者が一般的に使う標準手順を使用することにより、当該技術分野で公知の種々の方法により調製でき、例えば、3,5−O−ジベンゾイル−2−デオキシ−2−フルオロ−α−D−アラビノフラノシルブロマイド(実施例1で例示されている;Tannら、J.Org.Chem.,50:3644,1985;その内容は、本明細書中で参考として援用されている);3−O−アセチル−5−O−ベンジル−2−デオキシ−2−フルオロ−α−D−アラビノフラノシルブロマイド(Foxら、Carbohydrate Res.,42:233,1975;その内容は、本明細書中で参考として援用されている);2,3,5−O−トリベンジル−α−D−アラビノフラノシルクロライド(米国特許第5,110,919号;その内容は、本明細書中で参考として援用されている);および3,5−O−ジ−p−トルオイル−2−デオキシ−α−アラビノフラノシルクロライド(Bhattacharyaら、J.Org.Chem.,28:428 1963;Nuhnら、Pharmazie,24:237,1969;両方の内容は、本明細書中で参考として援用されている)がある。そのC−1位置でスルホン酸アルキルおよびスルホン酸アリールで置換されたブロックしたアラビノフラノシル誘導体の調製は、米国特許第5,401,861号および第5,744,579号で開示されており、両方の内容は、本明細書中で参考として援用されている。スルホン酸アルキルには、メタンスルホネート、スルホン酸エチルおよびスルホン酸ブチルが挙げられ、そして、置換スルホン酸アルキルには、トリフルオロメタンスルホネートおよび1,1,1−トリフルオロメタンスルホネートのような化合物が挙げられる。スルホン酸アリールには、置換スルホン酸アリール(例えば、p−ニトロベンゼンスルホネート、p−ブロモベンゼンスルホネート、p−メチルベンゼンスルホネートなど)が挙げられる。
【0034】
有用な塩基は、一般に、15以上の水中でのpKaを有し、次式で描写するように、アデニン誘導体(2)の塩を形成するのに適切である:
【0035】
【化33】
R5は、先に定義したとおりであり、そしてR+は、一価カチオンである。この塩基は、アルカリ金属塩基であり得、好ましい実施形態では、このアルカリ金属塩基は、カリウム塩基である。好ましい実施形態では、この塩基は、立体的に障害のある塩基(例えば、カリウムt−ブトキシドまたはカリウムt−アミラート)である。
【0036】
本発明で有用な溶媒は、その反応に関して不活性であるものである。適切な不活性溶媒には、t−ブチルアルコール、アセトニトリル、ジクロロメタン、ジクロロエタン、t−アミルアルコール、テトラヒドロフランまたはそれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0037】
好ましい実施形態では、この反応は、室温で実行される。しかしながら、他の実施形態では、この反応は、高温または低温で実行される。例えば、この反応は、約40℃または約50℃または約60℃、または還流条件下にて、実行できる。あるいは、この反応は、約−25℃〜約25℃、例えば、約−20℃または約−10℃、または約0℃、または約10℃で、実行できる。
【0038】
アミノ基が「未保護」として記述されるとき、これは、そのアミノ基がアミノ保護基でブロックされていないことを意味する。アミノ保護官能基の使用および種類は、当業者に周知である。例は、GreeneおよびWuts,Protective Groups in Organic Synthesis,第2版、John Wiley & Sons,New York,1991で記述されている。
【0039】
反応物のモル比は、重要であるとは考えられず、好ましい実施形態では、ほぼ同じモル当量のブロックしたアラビノフラノシル誘導体(1)、アデニン誘導体(2)および塩基が使用される。ある実施形態では、僅かにモル過剰(例えば、1.05〜1.15当量)のアデニン誘導体(2)および/または塩基が使用される。任意の特定の実施形態に好ましい添加順序および様式は、反応の性能と化学工学および製造要件との両方の観点から、常套的な実験により決定され得る。
【0040】
(2. 2−デオキシ−プリンヌクレオシドの立体選択的な調製)
本発明の他の局面は、2−デオキシ−β−D−アデニンヌクレオシドの立体選択的な調製である。この方法では、ブロックした2−デオキシ−α−D−アラビノフラノシルハライドは、次式で描写されるアデニン誘導体の塩とカップリングされる:
【0041】
【化34】
R5およびM+は、先に記述されている。驚くべきことに、このカチオンの正体は、このカップリング反応の立体選択性に対して、著しい影響を有する。カリウム塩は、リチウム塩またはナトリウム塩よりも高いβ:αアノマー比を生じた。式(10)で描写された塩は、式(2)のカリウム塩基およびアデニン誘導体を使用することにより、インサイチュで生成され得る。適切な塩基は、一般に、15以上の水中でのpKaを有し、これらは、カリウムt−アルコキシド塩基、水酸化カリウムが挙げられ、また、ヒンダード塩基には、カリウムジイソプロピルアミド、カリウムビス(トリメチルシリル)アミド、カリウムヘキサメチルジシラジド、水素化カリウムなどが挙げられる。好ましい実施形態では、この塩基は、立体的に障害のある塩基(例えば、カリウムt−ブトキシドまたはカリウムt−アミラート)である。
【0042】
いずれの理論にも束縛されないものの、カリウムを使って観察される好ましい立体選択性は、例えば、R8がフルオロでありR7がブロモのとき、図1で描写しているように、その電気陰性フッ素原子と硬質カリウムカチオンとの間の静電引力(これは、優先的なβ−面攻撃を引き起こす)が原因であり得る。リチウムおよびナトリウムに選択性がないことは、そのカチオンがプリン塩基とさらに多くの共有結合をすることが原因であり得る。本発明はまた、他のカチオン(例えば、セシウム)を包含し、これは、硬質カチオンとして、カリウムと置き換えることができる。
【0043】
使用される溶媒はまた、β:αアノマー比に対する顕著な効果を有する。一般に、誘電率が低い溶媒は、このβアノマーの生成に好ましい。しかし、溶媒の選択は、このβ:αアノマー比を高めることとβおよびαアノマーの収率との間で逆の関係がある傾向にある点で、単に誘電率には支配されない。この効果は、おそらく、反応物および中間生成物の可溶性に関係する。適切な溶媒には、t−ブチルアルコール、アセトニトリル、ジクロロメタン、ジクロロエタン、t−アミルアルコール、イソアミルアルコール、テトラヒドロフランまたはそれらの混合物が挙げられる。好ましい実施形態では、この溶媒は、t−ブチルアルコールとアセトニトリルとの混合物、またはt−ブチルアルコールとジクロロエタンとの混合物、またはジクロロエタンとアセトニトリルとの混合物、またはt−アミルアルコールとジクロロエタンとの混合物、またはt−アミルアルコールとアセトニトリルとの混合物、またはt−アミルアルコールとアセトニトリルとジクロロメタンとの混合物、またはt−アミルアルコールとアセトニトリルとジクロロエタンとの混合物である。2成分混合物では、これらの2種の溶媒は、約1:4〜約1:1(容量/容量)の範囲で、配合され得る。3成分混合物では、これらの3種の溶媒は、約2:2:1、または約2:1:1、または約1:1:1の比で、配合され得る。
【0044】
好ましい実施形態では、この反応は、室温で実行される。他の実施形態では、高温または低温が使用される。その反応の温度を低くすると(例えば、室温から約−25℃の範囲)、このβ:αアノマー比の上昇が起こり得る。高温は、室温から還流状態までの範囲で、使用され得る。
【0045】
ある実施形態では、水素化カルシウムが加えられる。水素化カルシウムの添加は、一般に、このβ:αアノマー比を高める。この効果は、一部には、その溶媒から水の痕跡を除去することが原因であり得る。
【0046】
反応物のモル比は、重要ではないと考えられているが、好ましい実施形態では、アデニン誘導体(10)がインサイチュで生成されるとき、ほぼ同じモル当量のブロックしたアラビノフラノシル誘導体(9)、アデニン誘導体(2)、塩基、および水素化カルシウム(加えるとき)が使用される。ある実施形態では、僅かにモル過剰(例えば、1.05〜1.15当量)のアデニン誘導体(2)および/または塩基が使用される。任意の特定の実施形態に好ましい添加順序および様式は、反応の性能と化学工学および製造要件との両方の観点から、常套的な実験により決定され得る。
【実施例】
【0047】
(発明の実施例)
さらに詳述することなく、当業者は、前述の記述を使用して、その最大範囲まで本発明を使用できると考えられる。以下の特定の実施例は、単に、本発明を例示する目的であり、いずれの様式でも、その開示範囲および特許請求の範囲の範囲を限定する意図はない。
【0048】
(実施例1、3,5−O−ジベンゾイル−2−デオキシ−2−フルオロ−α−D−アラビノフラノシルブロマイドの調製)
【0049】
【化35】
一ッ口丸底フラスコ(100mL)に、攪拌棒および窒素注入アダプタを備え付けた。このフラスコに、室温で、ジクロロメタン(10.4mL)および1,3,5−O−トリベンゾイル−2−デオキシ−2−フルオロ−β−D−アラビノフラノシル(16)(2.6gm、Sigma,St.Louis,MO)を充填した。その溶液を、窒素下に置いた。臭化水素の33%酢酸(0.96gm)溶液を充填し、得られた混合物を、18時間攪拌した。ロータリーエバポレーションにより溶媒を除去して、橙色残留物を得た。これをジクロロメタン(30mL)に溶解し、そして炭酸水素ナトリウムブライン(30mL)でクエンチすると、そのpHは、7〜8であった。その有機相を分配し、そして塩化ナトリウムブライン(30mL)で洗浄した。この有機相をMgSO4で乾燥し、そして濾過した。ロータリーエバポレーションおよび高真空により溶媒を除去すると、粘稠な黄色ゴム状物質として、3,5−O−ジベンゾイル−2−デオキシ−2−フルオロ−α−D−アラビノフラノシルブロマイド(17)が得られた。
【0050】
(実施例2、2−クロロ−9−(3,5−O−ジベンゾイル−2−デオキシ−2−フルオロ−β−D−アラビノフラノシル)アデニンの調製)
【0051】
【化36】
異なる塩基および多数の溶媒系および必要に応じた水素化カルシウムの添加を使用して、2−クロロ−9−(3,5−O−ジベンゾイル−2−デオキシ−2−フルオロ−β−D−アラビノフラノシル)アデニン(19)(Borregaard)を調製した。以下の例示では、3種の調製物を詳細に記述し、そして他の調製物は、表1で要約する。
【0052】
(A.調製I)
三ッ口丸底フラスコに、温度制御装置、窒素入口および出口チューブ、隔壁および磁気攪拌棒を備え付けた。窒素下にて、固形物として、クロロアデニン(18)(0.45g)を充填し、続いて、カリウムt−ブトキシド(0.34g)、アセトニトリル(2.3mL)およびt−ブチルアルコール(6.9mL)を充填した。24℃〜26℃で1時間攪拌した後、3,5−O−ジベンゾイル−2−デオキシ−2−フルオロ−α−D−アラビノフラノシルブロマイド(17)(1.21gm)を加えた。得られた橙色懸濁液を、24℃〜26℃で、16時間攪拌した。製造過程の対照試料をHPLC分析すると、96.6%の転化率および10.7:1のβ−アノマー(19):α−アノマー(20)の比が明らかとなった。HPLC分析は、30℃で、1mL/分の流速にて、Zorbax−SB−C18カラムを使う逆相システムおよび15容量%のトリフルオロ酢酸を含む80:20のアセトニトリル/水の移動相を使用した。検出は、263nmにて、分光光度分析により行った。転化率は、((19)+(20)/(18)+(19)+(20))×100の値の曲線下面積(a.u.c.)として、表わされる。溶媒を蒸発すると、橙色残留物1.79gが得られた。これに、酢酸エチル(34mL)を加え、その混合物を、周囲温度で、1.25時間攪拌し、次いで、濾紙で濾過し、その濾紙を、酢酸エチル5mLで2回リンスした。その濾液を蒸発すると、淡橙色結晶1.28gが得られた(合わせたアノマーの86.8%(HPLC面積による))。この物質は、依然として、HPLCにより、少量の2−クロロアデニン(13)を含有していた。そのアノマー比は、11.8:1であった。これらの結晶を、周囲温度で、酢酸エチル33mLに溶解して、僅かに不透明な溶液を得た。これを、セライトのパッドで濾過し、その濾液を蒸発させると、結晶1.16gが得られた。この物質は、依然として、少量の(13)を含有していた。この問題は、さらに効率的な濾過を行うことにより、矯正した。これらの結晶を、周囲温度で、一晩、酢酸エチル25mLに溶解して、僅かに曇った溶液を得た。これをWhatman 0.45mMナイロン注射器フィルターで濾過し、そして蒸発して、1.13gを得た。この物質は、HPLC分析により、(18)を含有しておらず、11.9:1のアノマー比および98.1%の純度で収率83%であった(a.u.c.)。アノマー(19)および(20)の生成を考慮して、3,5−O−ジベンゾイル−2−デオキシ−2−フルオロ−α−D−アラビノフラノシルブロマイド(17)と2−クロロアデニン(18)の非保護環外アミノ基とが反応することにより形成される副生成物付加物の実質的な形成がなかった。それに加えて、HPLC分析により、副生成物の実質的な形成は、見えなかった。
【0053】
(B.調製II)
三ッ口丸底フラスコに、磁気攪拌棒、温度制御装置および窒素注入ラインを備え付け、そして2−クロロアデニン(18)(0.29g)に続いて、アセトニトリル(1.6mL)、t−アミルアルコール(3.3mL)、カリウムt−ブトキシド(0.2g)および水素化カルシウム(0.069g)を充填した。この混合物を、25℃で、30分間攪拌した後、3,5−O−ジベンゾイル−2−デオキシ−2−フルオロ−α−D−アラビノフラノシルブロマイド(17)(0.68gm)(これは、ジクロロメタン(3.25mL)に溶解した)を充填した。この橙色溶液を2日間攪拌すると、HPLC分析により、18.8:1のβ:αアノマー比および約67%の転化率が明らかとなった。40℃で約4.5時間加熱すると、18.7:1のβ:αアノマー比が得られ、見かけ転化率が63%に低下した。この反応混合物を真空濾過し、その濾過ケークをジクロロメタン(2×12mL)で洗浄した。その濾液をナイロン注射器フィルターに通し、次いで、ロータリーエバポレーションおよび高真空ポンピングにより濃縮すると、19:1のβ:αアノマー比を有する物質0.72gが得られ、これは、HPLC(a.u.c.)によると純度88%であり、77%のアノマー(19)および(20)の収率が得られた。このクロロアデニンが約77%転化率を有する点で、3,5−O−ジベンゾイル−2−デオキシ−2−フルオロ−α−D−アラビノフラノシルブロマイド(17)と2−クロロアデニン(18)の非保護環外アミノ基との反応により形成する副生成物付加物の実質的な形成も有意の形成もいずれもなかった。それに加えて、HPLC分析により、副生成物の実質的な形成も有意の形成もないことが明らかとなった。
【0054】
(C.調製III)
三ッ口100ml丸底フラスコに、磁気攪拌棒、温度制御装置および窒素注入ラインを備え付け、そして2:1のt−アミルアルコール:アセトニトリル(9mL)に続いて、2−クロロアデニン(18)(0.63g)、カリウムt−アミラート(0.47g)および水素化カルシウム(0.15g)を充填した。この混合物を室温で30分間攪拌した後、3,5−O−ジベンゾイル−2−デオキシ−2−フルオロ−α−D−アラビノフラノシルブロマイド(17)(15gm)(これは、2:1のt−アミルアルコール:アセトニトリル(7mL)に溶解した)を加えた。その溶液を、17時間攪拌すると、HPLC分析により、約79%の転化率および14.5:1のβ:αアノマー比が明らかとなった。この反応混合物を真空濾過し、その残留物を、2×5mLのアセトニトリルで洗浄した。その濾液を0.45μナイロンフィルターで再度濾過し、次いで、濃縮した。その濃縮残留物を、酢酸ブチル(5mL)に溶解した。ヘプタン(35mL)を加え、得られた結晶を真空濾過により集め、そして高真空にかけた。これらの結晶のHPLC分析により、19.4:1のβ:αアノマー比および純度90%(a.u.c.)の物質の収率63%が明らかとなった。このクロロアデニンが約79%転化率を有する点で、3,5−O−ジベンゾイル−2−デオキシ−2−フルオロ−α−D−アラビノフラノシルブロマイド(17)と2−クロロアデニン(18)の非保護環外アミノ基との反応により形成する副生成物付加物の実質的な形成がなかった。それに加えて、HPLC分析により、副生成物の実質的な形成がないことが明らかとなった。
【0055】
(D.調製方法の要約)
調製I、IIおよびIIIで上で例示したものに加えて、調製実施例の結果は、表1で要約する。調製方法は、典型的には、ほぼ同じモル当量の(17)および(18)ならびに水素化カルシウムおよび僅かにモル過剰の塩基を使用した。
【0056】
【表1】
‡tBuOH=t−ブチルアルコール;DCE=ジクロロエタン;tAmOH=t−アミルアルコール;MeCN=アセトニトリル
*KOtBu=カリウムt−ブトキシド
†転化率%=(19)+(20)/(18)+(19)+(20)×100のa.u.c.
††ND=測定せず
(実施例3、再スラリー化による2−クロロ−9−(3,5−O−ジベンゾイル−2−デオキシ−2−フルオロ−β−D−アラビノフラノシル)アデニンの精製)
メタノール還流を利用する再スラリー化工程を使用して、化合物(19)を精製した。もし必要なら、この工程前に、その再スラリー化工程中の脱保護を防止するために、そのpHを6.0に調整するべきである。この再スラリー化に固相と溶液相との間の平衡が関与しなければならないと仮定すると、この平衡を所定セットの実験条件下で確立するには、一定時間が必要である。それゆえ、異なる溶媒比および温度でのスラリーのアノマー組成をモニターすることにより、平衡化に必要な時間を調べた。以下の3つの顕著な特徴が明らかとなった:(1)熱再スラリー化により、平衡状態で、その溶液中にて、より多くの量の(19)が得られた;(2)溶液相中の(19)の量は、この熱再スラリーについて平衡に近づくにつれて、時間の経過と共に増加し、そして室温でのスラリーについて、時間の経過と共に減少する;および(3)一晩攪拌しつつ、室温条件下にて、僅かな変化が認められるものの、熱または室温再スラリー化条件下にて、5時間で、事実上、平衡に達する。この室温再スラリー化により、アノマーの増加が大きくなった。室温で少なくとも5時間の再スラリー化、引き続く1時間の冷却および濾過により、最良の回収およびアノマー割合が得られると結論付けた。この方法の結果は、1L反応器で行った20gm実験について、表2で示す。
【0057】
【表2】
†条件:A:粗製(19)1グラムあたり10mlのMeOH、還流で0.5時間に次いで、室温で19時間、B:室温で5日間。
【0058】
‡は、メタノール再スラリー化工程に入るアノマーの比を意味する。
【0059】
*は、メタノール再スラリー化工程だけでの質量回収を意味する。
【0060】
(実施例4、2−クロロ−9−(3’,5’−O−ジベンゾイル−2’−デオキシ−2’−フルオロ−β−D−アラビノフラノシル)アデニンを得るための縮合生成物の加水分解)
【0061】
【化37】
安息香酸メチルは液体であり多くの有機溶媒に容易に溶解するので、ナトリウムメトキシドでベンジル基を開裂するのが好ましかった。熱電対、マグネチックスターラー、窒素パージおよび還流冷却器を備えた250mlの複数口フラスコに、周囲温度で、(19)(8.42gm、16.45mmol)およびメタノール15mlを充填した。攪拌を開始し、その混合物を38℃まで加熱した。その反応物に、ナトリウムメトキシド(62μl、0.329mmol)を充填した。この反応混合物を、38℃で、7時間攪拌し、次いで、加熱を止め、その混合物を周囲温度まで冷却し、そして一晩攪拌した。そのpHを、酢酸で、5.0に調整した。その反応フラスコを氷浴で2時間冷却し、この反応混合物を濾過し、そのフラスコおよび濾過ケークをメタノール9.5mlで洗浄した。その湿潤固形物およびメタノール105mlを、熱電対、マグネチックスターラー、窒素パージおよび還流冷却器を備えた250mlの複数口フラスコに充填し、攪拌し、そして加熱還流した。その熱溶液を濾過し、濾液を、最初の反応フラスコに移し、ここで、この混合物を室温まで冷却した。この混合物を氷/水浴で0.5時間冷却し、その混合物を濾過し、フラスコおよび濾過ケークをメタノール9.8mlでリンスした。この湿潤固形物を真空オーブンで乾燥すると、99.14(a.u.c.)の純度で、収率69.4%で、(21)が生成した。HPLCにより、α−アノマーは検出できなかった。
【0062】
種々の条件での脱保護方法の別の例は、表3で示す。
【0063】
【表3】
(実施例5、クロファラビンおよびエピ−クロファラビンのNMR帰属)
(19)および(20)のアノマー混合物のプールされた調製物をプールし、そしてナトリウムメトキシドおよびメタノールで処理してベンゾイル基を除去することにより、脱保護した。得られたクロファラビンおよびエピ−クロファラビンを、分取HPLCで単離した。典型的な実験では、Phenomenex Progidy C18(10μODS,250×21.2mmのカラム、12mL/分の流速)に注入するために、その移動相(すなわち、1:9(容量/容量)のアセトニトリル/水)1.4mLに、粗製試料60mgを溶解した。プールした画分を回転蒸発して、アセトニトリルを除去し、そして凍結乾燥した。精製した試料を、NMR分析にかけた。
【0064】
図2は、2−クロロ−9−(2’−デオキシ−2’−フルオロ−β−D−アラビノフラノシル)アデニン(クロファラビン)(21)および2−クロロ−9−(2’−デオキシ−2’−フルオロ−α−D−アラビノフラノシル)アデニン(エピ−クロファラビン)について、関連したプロトンおよびフッ素原子の予想立体配座を示す:
【0065】
【化38】
これらの立体配座の仮定およびKarpus関係に基づいて、β−アノマー(21)およびα−アノマー(22)の予測されたカップリング定数は、以下の関係に一致するべきである:
a)JH2Fは、βまたはαアノマーの両方について、大きい。
【0066】
b)(JH1F)β<(JH1F)α
c)(JH1H2)β>(JH1H2)α
d)JH2H3は、βまたはαアノマーの両方について、小さい。
【0067】
これらの予測は、表2、図3および図4で示すように、精製したアノマーのNMR分析により、確認される。特に、環外N6プロトンは、クロファラビン(21)およびエピ−クロファラビン(22)について、予測可能な化学シフト(7.8〜8.0ppm)で起こる。他のアデニン誘導体について、類似のN6化学シフトが報告された(Reidら、Helv.Chim.Acta,72:1597〜1606,1989)。
【0068】
(表2.アノマーについての関連した化学シフトおよびカップリング定数†)
【0069】
【表4】
†HNMRデータは、DMSO−d6中にて、250MHzで、集めた。
【0070】
本発明は、詳細な説明および実施例の両方により、示されている。実施例は、例にすぎず、本発明の範囲を限定するとは解釈できない。当業者は、請求発明の範囲および精神の範囲内に入る、上記請求の範囲により記述された本発明の方法と等価なものを想定する。
【図面の簡単な説明】
【0071】
以下の図面は、本明細書の一部をなし、そして本発明の特定の局面をさらに説明するために含まれている。本発明は、本明細書中で提示された特定の実施形態の詳細な説明と組み合わせて、これらの図面の1枚以上を参照して、さらによく理解され得る。
【図1】図1は、2’−デオキシ−2’−フルオロ−β−D−アデニンヌクレオシドの立体選択的な生成におけるカリウムの効果について、可能性のある理論的根拠を示す図である。R2、R3およびR5は、上で定義したとおりである。
【図2】図2は、2−クロロ−9−(2’−デオキシ−2’−ハロ−β−D−アラビノフラノシル)アデニン(クロファラビン)(21)および2−クロロ−9−(2’−デオキシ−2’−フルオロ−α−D−アラビノフラノシル)アデニン(エピ−クロファラビン)(22)について、関連したプロトンおよびフッ素原子の予想される立体配座の図である。
【図3】図3は、2−クロロ−9−(2’−デオキシ−2’−フルオロ−β−D−アラビノフラノシル)アデニン(クロファラビン)(21)の部分1H NMRである。
【図4】図4は、2−クロロ−9−(2’−デオキシ−2’−フルオロ−α−D−アラビノフラノシル)アデニン(エピ−クロファラビン)(22)の部分1H NMRである。
Claims (52)
- 次式のβ−ヌクレオシドを調製する方法であって、
方法。 - R5が、−NH2であり、そして前記R5−NH2基が、保護されておらず、前記α−アラビノフラノシル誘導体と前記アデニン誘導体の前記C−6環外アミノ基および/または該未保護R5−NH2基との付加により形成される付加物の実質的な生成がない、請求項1に記載の方法。
- 前記α−アラビノフラノシル誘導体と前記アデニン誘導体の前記C−6環外アミノ基との付加により形成される付加物の有意な生成がない、請求項1に記載の方法。
- R5が、−NH2であり、そして前記R5−NH2基が、保護されておらず、そして前記α−アラビノフラノシル誘導体と前記アデニン誘導体の前記C−6環外アミノ基および/または該未保護R5−NH2基との付加により形成される付加物の有意な生成がない、請求項1に記載の方法。
- R5が、クロロである、請求項1に記載の方法。
- R1が、フルオロである、請求項1に記載の方法。
- R2およびR3が、独立して、ベンジルまたはアセチルである、請求項1に記載の方法。
- R4が、ブロモである、請求項1に記載の方法。
- R5が、クロロである、請求項1に記載の方法。
- R1が、フルオロである、請求項9に記載の方法。
- 前記塩基が、カリウムt−ブトキシドまたはカリウムt−アミラートである、請求項1に記載の方法。
- 前記溶媒が、t−ブチルアルコール、アセトニトリル、ジクロロエタン、ジクロロメタン、テトラヒドロフランおよびt−アミルアルコールからなる溶媒群から選択される2種以上の溶媒の混合物である、請求項1に記載の方法。
- 次式のβ−ヌクレオシドを調製する方法であって、
方法。 - R4が、ブロモである、請求項14に記載の方法。
- R2およびR3が、独立して、ベンジルまたはアセチルである、請求項14に記載の方法。
- 前記塩基が、カリウムt−ブトキシドまたはカリウムt−アミラートである、請求項14に記載の方法。
- 前記溶媒が、t−ブチルアルコール、アセトニトリル、ジクロロエタン、ジクロロメタン、テトラヒドロフランおよびt−アミルアルコールからなる溶媒群から選択される2種以上の溶媒の混合物である、請求項14に記載の方法。
- 前記塩基が、カリウムt−ブトキシドであり、そして前記溶媒が、t−ブチルアルコールとアセトニトリルとの混合物である、請求項14に記載の方法。
- 次式の2’−デオキシ−β−ヌクレオシドを立体選択的に調製する方法であって、
- 前記2’−デオキシ−β−ヌクレオシドと前記2’−デオキシ−α−ヌクレオシドとの前記モル比が、少なくとも15:1である、請求項21に記載の方法。
- 前記2’−デオキシ−β−ヌクレオシドと前記2’−デオキシ−α−ヌクレオシドとの前記モル比が、少なくとも20:1である、請求項21に記載の方法。
- R7が、ブロモまたはクロロである、請求項23に記載の方法。
- R5が、クロロである、請求項21に記載の方法。
- R2およびR3が、独立して、ベンジルまたはアセチルである、請求項21に記載の方法。
- 前記カリウム塩基が、カリウムt−ブトキシドまたはカリウムt−アミラートである、請求項27に記載の方法。
- 前記溶媒が、t−ブチルアルコール、t−ブチルアルコールとアセトニトリルとの混合物、t−ブチルアルコールとジクロロエタンとの混合物、ジクロロエタンとアセトニトリルとの混合物、t−アミルアルコールとジクロロエタンとの混合物、t−アミルアルコールとアセトニトリルとの混合物、t−アミルアルコールとアセトニトリルとジクロロメタンとの混合物、およびt−アミルアルコールとアセトニトリルとジクロロエタンとの混合物からなる群から選択される、請求項21に記載の方法。
- 前記2−デオキシ−α−アラビノフラノシル誘導体と前記アデニン誘導体塩の前記C−6環外アミノ基との付加により形成される付加物の実質的な生成がない、請求項21に記載の方法。
- 前記2−デオキシ−α−アラビノフラノシル誘導体と前記アデニン誘導体塩の前記C−6環外アミノ基との付加により形成される付加物の有意な生成がない、請求項21に記載の方法。
- 不活性溶媒中でのスラリーの再結晶または調製により、前記β−ヌクレオシドを精製する工程をさらに包含する、請求項21に記載の方法。
- 前記β−ヌクレオシドを精製する前記工程が、メタノールから再スラリー化するか酢酸ブチルおよびヘプタンの混合物から再結晶する工程を包含する、請求項32に記載の方法。
- 前記2’−デオキシ−β−ヌクレオシドと前記2’−デオキシ−α−ヌクレオシドとの前記モル比が、少なくとも15:1である、請求項35に記載の方法。
- 前記2’−デオキシ−β−ヌクレオシドと前記2’−デオキシ−α−ヌクレオシドとの前記モル比が、少なくとも20:1である、請求項35に記載の方法。
- R2およびR3が、独立して、ベンジルまたはアセチルである、請求項35に記載の方法。
- 前記カリウム塩基が、カリウムt−ブトキシドまたはカリウムt−アミラートである、請求項39に記載の方法。
- 前記溶媒が、t−ブチルアルコール、t−ブチルアルコールとアセトニトリルとの混合物、t−ブチルアルコールとジクロロエタンとの混合物、ジクロロエタンとアセトニトリルとの混合物、t−アミルアルコールとジクロロエタンとの混合物、t−アミルアルコールとアセトニトリルとの混合物、t−アミルアルコールとアセトニトリルとジクロロメタンとの混合物、およびt−アミルアルコールとアセトニトリルとジクロロエタンとの混合物からなる群から選択される、請求項35に記載の方法。
- 前記2−デオキシ−α−アラビノフラノシル誘導体と前記アデニン誘導体塩の前記C−6環外アミノ基との付加により形成される付加物の実質的な生成がない、請求項35に記載の方法。
- 前記2−デオキシ−α−アラビノフラノシル誘導体と前記アデニン誘導体塩の前記C−6環外アミノ基との付加により形成される付加物の有意な生成がない、請求項35に記載の方法。
- 不活性溶媒中でのスラリーの再結晶または調製により、前記β−ヌクレオシドを精製する工程をさらに包含する、請求項35に記載の方法。
- 前記β−ヌクレオシドを精製する前記工程が、メタノールから再スラリー化するか酢酸ブチルおよびヘプタンの混合物から再結晶する工程を包含する、請求項44に記載の方法。
- 2−クロロ−9−(2’−デオキシ−2’−フルオロ−β−D−アラビノフラノシル)アデニンを含有する組成物を調製する方法であって、該方法は、以下の工程を包含する:
(1)溶媒の存在下にて、3,5−O−ジベンゾイル−2−デオキシ−2−フルオロ−α−D−アラビノフラノシルブロマイドと次式の2−クロロアデニンカリウム塩とを反応させて、2−クロロ−9−(3’,5’−O−ジベンゾイル−2’−デオキシ−2’−フルオロ−β−D−アラビノフラノシル)アデニンを形成する工程:
(2)該2−クロロ−9−(3’,5’−O−ジベンゾイル−2’−デオキシ−2’−フルオロ−β−D−アラビノフラノシル)アデニンを脱保護して、2−クロロ−9−(2’−デオキシ−2’−フルオロ−β−D−アラビノフラノシル)アデニンを形成する工程;ならびに
(3)該2−クロロ−9−(2’−デオキシ−2’−フルオロ−β−D−アラビノフラノシル)アデニンを単離して、2−クロロ−9−(2’−デオキシ−2’−フルオロ−β−D−アラビノフラノシル)アデニンを含有する組成物を形成する工程。 - 2−クロロ−9−(2’−デオキシ−2’−フルオロ−β−D−アラビノフラノシル)アデニンを含有する前記組成物が、実質的に純粋な2−クロロ−9−(2’−デオキシ−2’−フルオロ−β−D−アラビノフラノシル)アデニンを含有し、ここで、該2−クロロ−9−(2’−デオキシ−2’−フルオロ−β−D−アラビノフラノシル)アデニンと2−クロロ−9−(2’−デオキシ−2’−フルオロ−α−D−アラビノフラノシル)アデニンとの比が、高圧液体クロマトグラフィーおよび分光光度分析によって測定した場合、少なくとも99:1である、請求項47に記載の方法。
- 前記2−クロロ−9−(3’,5’−O−ジベンゾイル−2’−デオキシ−2’−フルオロ−β−D−アラビノフラノシル)アデニンを脱保護する前に、2−クロロ−9−(3’,5’−O−ジベンゾイル−2’−デオキシ−2’−フルオロ−β−D−アラビノフラノシル)アデニンを単離する工程をさらに包含する、請求項47に記載の方法。
- 前記2−クロロ−9−(3’,5’−O−ジベンゾイル−2’−デオキシ−2’−フルオロ−β−D−アラビノフラノシル)アデニンを単離する前記工程が、再スラリー手順を包含する、請求項49に記載の方法。
- 前記2−クロロ−9−(2’−デオキシ−2’−フルオロ−β−D−アラビノフラノシル)アデニンを単離する前記工程が、2−クロロ−9−(2’−デオキシ−2’−フルオロ−β−D−アラビノフラノシル)アデニンを再結晶する工程を包含する、請求項47に記載の方法。
- 前記2−クロロアデニンカリウム塩が、カリウム塩基と2−クロロアデニンとの反応により、前記溶媒中にて、インサイチュで形成される、請求項47に記載の方法。
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