JPH1087627A - トリフェニルアミン誘導体 - Google Patents

トリフェニルアミン誘導体

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JPH1087627A
JPH1087627A JP18815097A JP18815097A JPH1087627A JP H1087627 A JPH1087627 A JP H1087627A JP 18815097 A JP18815097 A JP 18815097A JP 18815097 A JP18815097 A JP 18815097A JP H1087627 A JPH1087627 A JP H1087627A
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embedded image
compound
electrophotographic
photoreceptor
triphenylamine
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JP18815097A
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Sukekazu Araya
介和 荒谷
Toshiyuki Kobayashi
稔幸 小林
Toshiro Saito
俊郎 斎藤
Shigeo Suzuki
重雄 鈴木
Akira Hosoya
明 細谷
Toshio Sugawara
捷夫 菅原
Tsuneaki Kawanishi
恒明 川西
Tokuyuki Kaneshiro
徳幸 金城
Yasuo Katsuya
康夫 勝谷
Akira Kageyama
晃 景山
Kenzo Matsutani
謙三 松谷
Akira Jinpo
昭 神宝
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Hitachi Ltd
Showa Denko Materials Co Ltd
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Hitachi Chemical Co Ltd
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 感度、光応答性及び耐久性に優れた電子写真
感光体を提供する。 【解決手段】 下記の構造式で表されるトリフェニルア
ミン誘導体。 【化1】 【化2】 【化3】 【化4】 【化5】 【化6】 【化7】 のいずれかである。但し、mは1ないし2であり、Yは
−O−,−S−,−Se−,−NH−,−NR1 −,>
CR2 3 のいずれかであり、R1 は低級アルキル基で
あり、R2及びR3 は、水素あるいは低級アルキル基で
ある。Z2 ,Z3 ,Z4 :水素、置換されていてもよい
低級アルキル基、置換されていてもよい低級アルコキシ
基、置換されていてもよいアリール基である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【本発明の属する技術分野】本発明は、新規なトリフェ
ニルアミン誘導体に関する。本発明のトリフェニルアミ
ン誘導体は、レーザビームプリンタなどの電子写真装置
に適する電子写真感光体並びにその電子写真感光体を用
いた電子写真装置の光導電性材料として有用である。本
発明のトリフェニルアミン誘導体を用いた電子写真装置
は、各種計算機の出力装置、ファックスあるいは複写機
などの画像出力装置として適する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子写真に用いられる感光体の有
機光導電材料としては、ポリ−N−ビニルカルバゾール
をはじめとする高分子材料が提案されてきた。しかしな
がら、膜強度等実用上の問題を有していたため、その後
低分子化合物を樹脂分散したものが多く用いられるよう
になった。そのための低分子化合物として、特開昭52−
72231 号記載のピラゾリン化合物、特公昭55−42380 号
記載のヒドラゾン化合物や特開昭57−195254号記載のト
リフェニルアミン化合物など多くの材料が提案されてき
た。
【0003】ここでいうところの「電子写真方式」と
は、光導電性の感光体をまず暗所で帯電させ、そののち
露光部のみの電荷を選択的に中和することにより静電画
像を形成し、この潜像部をトナーなどを用いた現像手段
で可視化し、画像を形成する方法である。
【0004】このような電子写真方式に用いる感光体に
要求される特性は、(1)暗所において適当な電位に帯
電されること、(2)暗所における電荷の放電が少ない
こと、(3)露光により速やかに電荷を放電すること、
(4)繰返し使用時の劣化が少ないことなどが挙げられ
る。しかし、従来の光導電性有機材料はこれらの要求を
必ずしも充分に満足していないのが実状である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
のような要求特性を充分満足し、特に光応答性がよく耐
久性に優れた電子写真感光体を提供することにある。ま
た、本発明の他の目的は、メンテナンスの頻度が少な
く、出力速度が早く、良好な画像を得ることが出来る電
子写真装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記の目
的を達成するため鋭意研究した結果、電荷搬送材料の最
高被占軌道の分布と光応答性を決定する因子であるドリ
フト移動度との間に強い相関を見出した。すなわち、ト
リフェニルアミン誘導体において、最高被占軌道の電子
が、トリフェニルアミン構造上に集中したものほど高い
ドリフト移動度を示すことを見出した。従って、そのよ
うなトリフェニルアミン誘導体を電荷輸送物質として使
用することにより、上記目的を満足する電子写真感光体
を提供することが出来る。
【0007】本発明で用いるトリフェニルアミン誘導体
とは、最高被占軌道の電子がトリフェニルアミン構造上
に80%以上特に85%以上存在するもので、下記の一
般式で表されるものである。
【0008】
【化10】
【0009】X:少なくとも1つの窒素原子を有する複
素環基であり、置換されていても良い。
【0010】Q:単結合あるいは、−CH=CH−であ
る。
【0011】Z1 ,Z2 ,Z3 :水素、置換されていて
もよい低級アルキル基、置換されていてもよい低級アル
コキシ基、置換されていてもよいアリール基、ニトロ
基、ジアルキルアミノ基、−S−C6 5 ,−S−R´
(R´は低級アルキル基を表す。)を表す。
【0012】ここでいうところの「低級アルキル基」、
「低級アルコキシ基」とは、炭素数1から5までの基を
さすものである。
【0013】特に有効な化合物の一つは、トリフェニル
アミン構造上に最高被占軌道の電子が80%以上存在
し、かつ上記複素環の窒素原子がQに隣接する不飽和炭
素原子と結合している複素環を有するものである。
【0014】また他の有望な化合物としては、トリフェ
ニルアミン構造上に最高被占軌道の電子が80%以上存
在し、トリフェニルアミン骨格にC−C二重結合を介し
て結合する複素環を有するものである。
【0015】そのようなトリフェニルアミン誘導体の代
表例としては、以下のような化合物を上げることが出来
るが、これらの化合物に限定されるものではない。
【0016】
【化11】
【0017】
【化12】
【0018】
【化13】
【0019】
【化14】
【0020】
【化15】
【0021】
【化16】
【0022】
【化17】
【0023】
【化18】
【0024】
【化19】
【0025】
【化20】
【0026】
【化21】
【0027】
【化22】
【0028】
【化23】
【0029】
【化24】
【0030】
【化25】
【0031】
【化26】
【0032】このような化合物が高いドリフト移動度を
示す理由は、今のところ明らかではないが、次のような
理由が考えられる。
【0033】電荷輸送物質間の電荷移動は、それぞれの
分子の最高被占軌道を介して起こる。従って、最高被占
軌道の電子は、電荷移動を起こしやすい部分に存在する
ことが望ましい。トリフェニルアミン骨格は、そのよう
な電荷移動を起こしやすい構造と考えられ、そのため、
上記のような傾向を示すものと推定される。
【0034】上記化合物の最高被占軌道の電子の分布
は、汎用の分子軌道プログラムを用いることが出来る
が、計算時間や信頼性の点からMNDO(Modified Neg
lect ofDiatomic Orbital)法が好ましい。MNDO法
のプログラムは、QCPE(Quantum Chemistry Progra
m Exchange)、JCPE(日本化学プログラム交換機
構)等様々な機関より入手できる。本発明においては、
最高被占軌道の電子の分布は、MOPAC ver.4
(QCPE No.455)中のMNDO法のプログラ
ムを使用して計算したものと定義する。
【0035】また、その他の有望な化合物としては、次
のような一般式で表されるトリフェニルアミン誘導体を
挙げることが出来る。
【0036】
【化27】
【0037】
【化28】
【0038】
【化29】
【0039】
【化30】
【0040】
【化31】
【0041】
【化32】
【0042】
【化33】
【0043】のいずれかである。
【0044】但し、mは1ないし2であり、Yは−O
−,−S−,−Se−,−NH−,−NR1 −,>CR
2 3 のいずれかであり、R1 は低級アルキル基であ
り、R2及びR3 は、水素あるいは低級アルキル基であ
る。
【0045】Z2 ,Z3 ,Z4 :水素、置換されていて
もよい低級アルキル基、置換されていてもよい低級アル
コキシ基、置換されていてもよいアリ−ル基である。
【0046】X´として特に好ましい構造は、次のよう
なものである。
【0047】
【化34】
【0048】
【化35】
【0049】また、X´として好ましい構造としては、
次のような構造を挙げることが出来る。
【0050】
【化36】
【0051】
【化37】
【0052】
【化38】
【0053】
【化39】
【0054】
【化40】
【0055】(但し、R´は、−Hあるいは、−OCH
3 である。)
【0056】
【化41】
【0057】
【化42】
【0058】
【化43】
【0059】
【化44】
【0060】
【化45】
【0061】
【化46】
【0062】
【化47】
【0063】
【化48】
【0064】
【化49】
【0065】
【化50】
【0066】
【化51】
【0067】
【化52】
【0068】このような置換基を有するトリフェニルア
ミン誘導体の代表例としては、以下のような化合物を挙
げることが出来るが、これらの化合物に限定されるもの
ではない。
【0069】
【化53】
【0070】
【化54】
【0071】
【化55】
【0072】
【化56】
【0073】
【化57】
【0074】
【化58】
【0075】
【化59】
【0076】
【化60】
【0077】
【化61】
【0078】
【化62】
【0079】
【化63】
【0080】
【化64】
【0081】
【化65】
【0082】
【化66】
【0083】
【化67】
【0084】
【化68】
【0085】
【化69】
【0086】
【化70】
【0087】
【化71】
【0088】
【化72】
【0089】
【化73】
【0090】
【化74】
【0091】
【化75】
【0092】
【化76】
【0093】
【化77】
【0094】
【化78】
【0095】
【化79】
【0096】
【化80】
【0097】本発明の感光体の構成図を図1に示した。
導電性基板1としては、アルミニウムや銅などの基板、
あるいは、ポリエチレンテレフタレート樹脂などの高分
子薄膜にアルミニウムや酸化インジュウムなどを蒸着あ
るいは塗布した導電性シート使用することが出来る(図
8)。
【0098】本発明の電荷発生層3としては、電荷発生
物質単独ないしは、樹脂に分散した塗膜を使用する。電
荷発生物質としては、フタロシアニン化合物,アゾ化合
物,ペリレン系化合物などの有機顔料やSe,ZnOな
どの無機材料等を適宜使用することが出来る。電荷発生
層用樹脂としては、ポリエステル樹脂,ブチラール樹
脂,シリコーン樹脂等を適宜使用することが出来る。ま
た、電荷輸送層3用樹脂としては、ポリカーボネート樹
脂,ポリエステル樹脂,ブチラール樹脂,ポリスチレン
樹脂等を適宜使用できる。また、図2に示したようなブ
ロッキング層4を設けることもできる。ブロッキング層
用樹脂としては、ポリアミド樹脂,ポリビニルアルコー
ル樹脂,ポリウレタン樹脂,酸化アルミニウム等を適宜
選択して使用する。また、図3に示したように、電荷発
生層2と電荷輸送層3の間に中間層5を設けることが出
来る。中間層5には、オキサゾール誘導体,ヒドラゾン
誘導体あるいはトリフェニルアミン誘導体などの電荷輸
送材料をポリカーボネート樹脂,ポリスチレン樹脂,ポ
リエステル樹脂などの樹脂に分散したものを使用する。
また、図4に示したように、表面保護層6を設けること
もできる。表面保護層6としては、メラミン樹脂,アル
キルエーテル化メラミン・ホルムアルデヒド樹脂,ポリ
カーボネート樹脂,ポリウレタン樹脂などの単独膜ある
いは、電荷輸送物質をこれらに分散した塗膜を使用す
る。また、図5,図6に示したように、電荷発生物質
2′と電荷輸送物質3′を混合したいわゆる単層構造で
も使用することができる。
【0099】また、図7に示したようないわゆる逆層構
造でも使用することができる。
【0100】
【本発明の実施の形態】以下、実施例により本発明をさ
らに詳細に説明するが、本発明はこれらにより限定され
るものではない。
【0101】<合成例1>キナルジン11.4g,p−
ジ(p−トリル)アミノベンズアルデヒド20.0g,
無水塩化亜鉛5.0gを160−170℃の油浴上で8
時間加熱する。その後、N,N−ジメチルホルムアミド
100mlに溶解し、水10ml,濃アンモニア水20
mlを加え、油分をベンゼン200mlに溶解した。有
機層を水で数回洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後ベン
ゼンを留去した。生じた油分をベンゼン−酢酸エチルを
展開溶媒とするシリカゲルカラムクロマトにより2回精
製し、溶媒を留去後生じた油分を含水メタノールより再
結晶し、2−(p−ジ(p−トリル)アミノスチリル)
キノリン(例示化合物(12))を得た。収量は、1
5.5g,融点は、130.5−132.5℃であっ
た。
【0102】<実施例1>τ型無金属フタロシアニン
(東洋インキ社製、リオフォトンLS)1重量部と変性
シリコーン樹脂(信越化学社製、KR−5221,固形
部60%)2重量部とテトラヒドロフラン37重量部を
ボールミルで約5時間混練して電荷発生層用塗液を調合
した。この塗液を厚さ100μmのアルミニウム箔に、
オートマチックアプリケータ(東洋精機社製)を用いて
上記塗液を塗工し、130℃、2時間乾燥して電荷発生
層を得た。その膜厚は1μm以下であった。
【0103】次に、2−(p−ジ(p−トリル)アミノ
スチリル)キノリン(例示化合物(12))5重量部、
ポリカーボネート樹脂(GE社製、レキサン141)1
0重量部を塩化メチレン/1,2−ジクロロエタン=5
0/50(重量比)混合溶媒84重量部に溶解させ、電
荷搬送層用塗液を得た。この塗液を用い、先の電荷発生
層作製時と同様な方法で、電荷搬送層を電荷発生層上に
作成し感光体を得た。電荷搬送層の膜厚は約20μmで
あった。
【0104】上記感光体について、静電記録紙試験装置
(川口電機社製、SP−428型)を用いて電子写真特
性を測定した。測定は、ダイナミックモードで−5kV
のコロナ帯電を10秒間行い、30秒間暗所放置の後、
タングステン灯で露光を行った。この間感光体表面の電
位を記録し、コロナ帯電終了時の電位V0 、30秒間暗
所放置後の電位V30、V30が1/2になるまでの半減露
光量E50(lux・sec)を読み取った。その結果、V0
=−1200V,V30/V0 =0.82,E50=1.2
lux・secであり、良好な電子写真特性を示した。
【0105】次に、耐久性は、下記のような劣化試験に
より評価した。周速190cm/分の回転ドラムに感光
体を貼り付け、ドラムを回転させながら、このドラム近
傍に設置されているコロナ帯電器に−5.2kvの電圧
を印加させた後、コロナ帯電器と180度の方向に設置
されたタングステンランプ光(照度50lux)で露光
する過程を繰り返し3時間行った。その後、電子写真学
会テストチャート(No.1−R,1975年度版)の
解像度パターンを用いて密着露光後現像し、目視で解像
度を評価した。
【0106】上記評価法による本実施例の感光体は、初
期の解像度12.5本/mm,劣化試験後12.5本/
mmと変化がみられなかった。また、劣化試験後の電子
写真特性を上記と同様な方法で評価したが、E50=1.
3lux・secと大きな変化はみられなかった。
【0107】<実施例2−4>実施例1の電荷輸送物質
の代わりに例示化合物(19),(20),(25)を
使用し、実施例1と同様な方法で感光体を作成した。作
成した感光体の劣化試験前後の電子写真特性及び解像度
を実施例1と同様に評価した結果を表1に示した。
【0108】
【表1】
【0109】<実施例5>実施例1の電荷発生物質の代
わりにチタニルフタロシアニン(東洋インキ製造、TO
PA85)を使用して、実施例1と同様な方法で感光体
を作成した。作成した感光体の初期の電子写真特性は、
0 =−1100V, V30/V0 =0.75,E50
1.2lux・secであった。劣化試験後の電子写真
特性は、V0=−1120V,V30/V0 =0.74,
50=1.2lux・secであり、殆ど変化はみられ
なかった。また初期の解像度は、12.5本/mm,劣
化試験後の解像度は12.5本/mmであり、変化はみ
られなかった。 <実施例6>ブロッキング層用の塗液を、ポリアミド樹
脂(日本リルサン社製、H−104)2重量部、メラミ
ン樹脂(日立化成工業社製、メラン−200)0.5重
量部を、1,1,2−トリクロロエタン/エタノールの
1/1混合溶媒(重量比)100重量部に溶解して作成
した。その塗液に実施例1で使用したアルミニウム板を
浸漬して塗布した後、120℃で30分間加熱乾燥し
て、厚さ約0.2μmのブロッキング層を作成した。ブ
ロッキング層上に、実施例5と同様に電荷発生層,電荷
輸送層を作成して感光体を作成した。作成した感光体の
初期の電子写真特性は、V0 =−1155V,V30/V
0 =0.80,E50=1.3lux・sec、解像度
は、12.5本/mmであり、劣化試験後の電子写真特
性は、V0 =−1170V,V30/V0 =0.80,E
50=1.3lux・sec、解像度は、12.5本/m
mであった。
【0110】<合成例2>キナルジン10.0g,p−
ジフェニルアミノベンズアルデヒド19.0gより合成
例1と同様な方法で2−(p−ジフェニルアミノスチリ
ル)キノリン(例示化合物(1))5.7gを得た。融
点は、153.5−154.5℃であった。
【0111】<合成例3>レピジン10.0g,p−ジ
フェニルアミノベンズアルデヒド19.0gより合成例
1と同様な方法で、4−(p−ジフェニルアミノスチリ
ル)キノリン(例示化合物(18))6.9gを得た。
融点は、92.0−95.0℃であった。
【0112】<合成例4>レピジン17.0g,p−ジ
(p−トリル)アミノベンズアルデヒド30.0gより
合成例1と同様な方法で、4−(p−ジ(p−トリル)
アミノスチリル)キノリン(例示化合物(9))17.
0gを得た。融点は、90.5−93.0℃であった。
【0113】<合成例5>2,4−ジメチルチアゾール
5.4g,p−ジ(p−トリル)アミノベンズアルデヒ
ド12.0gより合成例1と同様な方法で、2−(p−
ジ(p−トリル)アミノスチリル)−4−メチルチアゾ
ール(例示化合物(f))3.6gを得た。融点は、1
00.0−102.0℃であった。
【0114】<実施例7−9>実施例5の電荷輸送物質
の代わりに合成例3,4及び5の化合物を電荷輸送物質
として使用して、実施例5と同様に感光体を作成し、そ
の特性を評価した。その劣化試験前後の電子写真特性及
び解像度を表2に示した。
【0115】
【表2】
【0116】<実施例10>実施例6と同様に、アルミ
ニウム盤上にブロッキング層を作成し、ついで実施例1
と同様に電荷発生層を作成した。その上に、電荷輸送物
質として例示化合物(d)を使用する以外は実施例1と
同様にして、電荷輸送層を作成し感光体を得た。
【0117】この感光体の電子写真特性を実施例1と同
様に測定した。その結果は、V0 =−1100V,V30
/V0 =0.90,E50=1.1lux・secであっ
た。
【0118】更に光応答性の評価を次のように行った。
高速光減衰測定装置(CYNTHIA 30HL,ジェンテック
社製)を用い、コロナ帯電を行った後、感光体表面の電
位が−700Vになった時点で、波長780nm,光量
40mJ/m2 の光を照射し、表面電位が1/2になる
までの半減露光時間t50を測定した。その結果、t50
18msであった。
【0119】また、例示化合物(d)の最高被占軌道の
電子がトリフェニルアミン部分に存在する確率を計算し
たところ、91.4%であった。次に、劣化試験前後の
解像度を評価したところ、初期の解像度12.5本/m
m,劣化試験後解像度12.5本/mmと変化がみられ
なかった。
【0120】<実施例11>例示化合物(d)の代わり
に例示化合物(18)を使用する以外は、実施例10と
同様にして、感光体を作成した。最高被占軌道の電子の
トリフェニルアミン構造上の電子密度は、75.2%で
あった。電子写真特性及び光応答性を実施例10と同様
に評価したところ、V0 =−1150V,V30/V0
0.91,E50=1.5lux・sec、t50=40m
sであった。
【0121】更に、特開昭58−65440 号270ペ−ジに
記載されている化合物A−(19)について最高被占軌
道の電子のトリフェニルアミン上の電子密度を計算した
ところ、71.8%であった。
【0122】<実施例12−20>実施例10で用いた
電荷輸送物質の代わりに、例示化合物(b), (f),
(k), (l), (p), (c), (e), (m),
(o)を用い、実施例10と同様にして、感光体を作成
した。これらの初期及び劣化試験後の電子写真特性光応
答性、解像度並びにこれらの化合物の最高被占軌道の電
子がトリフェニルアミン構造上に存在する割合Dを表3
に示した。
【0123】
【表3】
【0124】更に、例示化合物(a), (g),
(h), (i), (j), (n)についてDを計算した
ところ、それぞれ、80.2%,80.5%,84.5
%,87.0%,82.0%,82.5%であった。ま
たこれらの化合物を用いた感光体はいずれも優れた特性
を示した。
【0125】<実施例21>アルミニウムを真空蒸着し
たマイラーフィルム上に、実施例10と同様に感光体を
作成した。この感光体の初期及び劣化試験後の電子写真
特性、光応答性、解像度を同様に評価した。初期の電子
写真特性、光応答性及び解像度は、V0 =−1050
V,V30/V0 =0.84,E50=1.09lux・s
ec、t50=18ms、12.5本/mmであった。ま
た劣化試験後は、V0 =−1070V,V30/V0
0.86,E50=1.10lux・sec、t50=18
ms、12.5本/mmであった。
【0126】<実施例22>ブチルエーテル化メラミン
・ホルムアルデヒド樹脂60重量部、イソプロピルアル
コール40重量部、シランカップリング剤0.03重量
部からなる表面保護層用塗液を作成し、実施例10の感
光体上に電荷輸送層と同様に塗工し、120℃で硬化さ
せて、保護層を形成し感光体を得た。
【0127】この感光体について、劣化試験前後の電子
写真特性、光応答性及び解像度を評価した。その結果、
初期の電子写真特性、光応答性は、V0 =−1150
V,V30/V0 =0.95,E50=1.15lux・s
ec、t50=19ms、解像度は、12.5本/mmで
あった。また劣化試験後の電子写真特性、光応答性は、
0 =−1160V,V30/V0 =0.96,E50
1.16lux・sec、t50=19ms、解像度は、
12.5本/mmであった。
【0128】<実施例23>ダイアンブルー(シーアイ
ピグメントブル−25、CI 21180)1重量部と
テトラヒドロフラン150重量部を加えた混合物をボー
ルミルで5時間混練したのち、これに2−(p−ジトリ
ルアミノスチリル)ベンゾチアゾール(例示化合物
(f))12重量部、ポリエステル樹脂(デュポン社
製、アドヒーシブ49000)18重量部を加えて更に
混練して感光層用塗液を作製した。厚さ100μmのア
ルミニウム箔に、オートマチックアプリケータ(東洋精
機社製)を用いて上記塗液を塗工し、120℃、2時間
乾燥して感光層を得た。その膜厚は約20μmであっ
た。
【0129】上記感光体について、静電記録紙試験装置
(川口電機社製、SP−428型)を用いて電子写真特
性を測定した。測定は、ダイナミックモードで+5kV
のコロナ帯電を10秒間行い、30秒間暗所放置の後、
タングステン灯で露光を行った。この間感光体表面の電
位を記録し、コロナ帯電終了時の電位V0 、30秒間暗
所放置後の電位V30、V30が1/2になるまでの半減露
光量E50(lux・sec)を読み取った。その結果、
0 =1180V,V30/V0 =0.70,E50=4.
12ux・secであった。
【0130】次に、光応答性の評価として次のような実
験を行った。次に光応答性の評価として次のような実験
を行った。高速光減衰測定装置(ジェンテック社製、CY
NTHIA30HL)を用い、コロナ帯電を行ったのち、感光体表
面の電位が+700Vになった時点で、波長650n
m,光量40mJ/m2 の光を40msecの間照射
し、表面電位が1/2になるまでの半減露光時間t50
測定した。その結果、t50は40msであった。
【0131】次に、耐久性は、下記のような劣化試験に
より評価した。周速190cm/分の回転ドラムに感光
体を貼り付け、ドラムを回転させながら、このドラム近
傍に設置されているコロナ帯電器に5.2kvの電圧を
印加させた後、コロナ帯電器と180度の方向に設置さ
れたタングステンランプ光(照度50lux)で露光す
る過程を繰返し3時間行った。その後、電子写真学会テ
ストチャ−ト(No.1−R,1975年度版)の解像
度パターンを用いて密着露光後現像し、目視で解像度を
評価した。
【0132】上記評価法による本実施例の感光体は、初
期の解像度12.5本/mm,劣化試験後12.5本/
mmと変化がみられなかった。
【0133】<実施例24>実施例11と同様な方法
で、アルミニウム素管上に感光体を作成した。この感光
体ドラムを図9に示した構成の電子写真装置にて試験し
たところ、A4サイズの用紙を10万枚出力しても良好
な画像が得られた。
【0134】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、光応答性及び耐久性に優れた感光体を提供す
ることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の感光体の断面図である。
【図2】本発明の感光体の断面図である。
【図3】本発明の感光体の断面図である。
【図4】本発明の感光体の断面図である。
【図5】本発明の感光体の断面図である。
【図6】本発明の感光体の断面図である。
【図7】本発明の感光体の断面図である。
【図8】本発明の感光体の断面図である。
【図9】本発明を適用する電子写真装置の概略図であ
る。
【符号の説明】
1…導電性基板、2…電荷発生層、3…電荷輸送層、4
…ブロッキング層、5…中間層、6…表面保護層、7…
有機高分子フィルム、8…導電性薄膜、9…感光体ドラ
ム、10…現像剤、11…トナ−、12…現像器、13
…レ−ザ−光、14…帯電器、15…ファ−ブラシ、1
6…転写器、17…用紙、18…定着器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C07D 277/64 C07D 277/64 277/84 277/84 G03G 5/06 315 G03G 5/06 315B 316 316A 318 318A 318B // C07D 233/24 C07D 233/24 263/32 263/32 263/56 263/56 (72)発明者 斎藤 俊郎 茨城県日立市久慈町4026番地 株式会社日 立製作所日立研究所内 (72)発明者 鈴木 重雄 茨城県日立市久慈町4026番地 株式会社日 立製作所日立研究所内 (72)発明者 細谷 明 茨城県日立市久慈町4026番地 株式会社日 立製作所日立研究所内 (72)発明者 菅原 捷夫 茨城県日立市久慈町4026番地 株式会社日 立製作所日立研究所内 (72)発明者 川西 恒明 茨城県日立市久慈町4026番地 株式会社日 立製作所日立研究所内 (72)発明者 金城 徳幸 東京都千代田区神田駿河台四丁目6番地 株式会社日立製作所内 (72)発明者 勝谷 康夫 茨城県日立市東町四丁目13番1号 日立化 成工業株式会社山崎工場内 (72)発明者 景山 晃 茨城県日立市東町四丁目13番1号 日立化 成工業株式会社山崎工場内 (72)発明者 松谷 謙三 岡山県岡山市下石井1丁目2番3号 株式 会社日本感光色素研究所内 (72)発明者 神宝 昭 岡山県岡山市下石井1丁目2番3号 株式 会社日本感光色素研究所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の構造式で表されるトリフェニルア
    ミン誘導体。 【化1】 【化2】 【化3】 【化4】 【化5】 【化6】 【化7】 のいずれかである。但し、mは1ないし2であり、Yは
    −O−,−S−,−Se−,−NH−,−NR1 −,>
    CR2 3 のいずれかであり、R1 は低級アルキル基で
    あり、R2及びR3 は、水素あるいは低級アルキル基で
    ある。Z2 ,Z3 ,Z4 :水素、置換されていてもよい
    低級アルキル基、置換されていてもよい低級アルコキシ
    基、置換されていてもよいアリール基である。
  2. 【請求項2】 X´が下記の構造であることを特徴とす
    る請求項1記載のトリフェニルアミン誘導体。 【化8】
  3. 【請求項3】 X´が下記の構造であることを特徴とす
    る請求項1記載のトリフェニルアミン誘導体。 【化9】
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008096923A (ja) * 2006-10-16 2008-04-24 Fuji Xerox Co Ltd 画像形成装置及びプロセスカートリッジ

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