JPH1086966A - 金属製品包装用フィルム - Google Patents

金属製品包装用フィルム

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JPH1086966A
JPH1086966A JP8240853A JP24085396A JPH1086966A JP H1086966 A JPH1086966 A JP H1086966A JP 8240853 A JP8240853 A JP 8240853A JP 24085396 A JP24085396 A JP 24085396A JP H1086966 A JPH1086966 A JP H1086966A
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rust
thermoplastic resin
film
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anticorrosive
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Shinkichi Kiyohara
信吉 清原
Yoshitomo Otsuka
良知 大塚
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AISERO KAGAKU KK
Honda Motor Co Ltd
Aicello Chemical Co Ltd
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AISERO KAGAKU KK
Honda Motor Co Ltd
Aicello Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】広い範囲での熱可塑性樹脂の使用を可能とする
とともに成形温度の制限を緩やかとして成形可能とし、
複数種類の金属に対する防錆効果が得られるようにして
金属製品包装用フィルムを形成する。 【解決手段】熱可塑性樹脂に相互に異なる種類の防錆剤
をそれぞれ個別に含有させて成る複数の帯状防錆部
1 ,12 が面方向に相互にずれて配置されて、金属製
品包装用フィルムが形成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、防錆を必要とする
複数種類の金属から構成される金属製品を包装するため
の金属製品包装用フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】金属製品を錆や変色から守る包装材とし
て、従来から、熱可塑性樹脂に防錆剤を含有させて成る
フィルム、防錆剤を含有させた防錆紙、ならびに防錆紙
とポリエチレンフィルム等のフィルムとの組み合わせか
ら成る包装材等が用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来からの
包装材で用いられる防錆剤の代表的なものとしては、ジ
シクロヘキシルアンモニウム・ナイトライト(以下、D
ICHANと略称する)、ベンゾトリアゾールおよび亜
硝酸ソーダ等があるが、これらの防錆剤には、複数種類
の金属に対する普遍的な防錆効果はない。たとえば防錆
剤としてDICHANを用いたときには、鉄類に対する
防錆効果が認められるが、アルミニウムおよび銅などの
非鉄金属に対しては激しい腐食性があるので、非鉄金属
に対してはベンゾトリアゾールなどの防錆剤を添加する
必要があり、一種類の防錆剤では適用可能な金属の種類
が限定されている。
【0004】そこで、鉄類に有効な防錆剤と、非鉄金属
に有効な防錆剤とを同一の合成樹脂内で溶融混練する
と、相互に熱反応を生じ、熱に対する安定性がさらに低
下する傾向となるため、使用可能な熱可塑性樹脂や成形
温度が制限されてしまう。
【0005】また複数種類の金属の防錆に有効な包装フ
ィルムとして、相互に異なる防錆剤を熱可塑性樹脂にそ
れぞれ含有させて成る複数層を積層して構成される多層
フィルムが、特開平1−210340号公報で開示され
ている。ところが、このような多層フィルムでは、防錆
剤をそれぞれ含有させた熱可塑性樹脂層が溶融状態で積
層されることになるので、層間の接触面で相互に異なる
防錆剤の反応が生じ易い傾向にあり、成形条件が制限さ
れたり、使用可能な熱可塑性樹脂が制限される問題が生
じてしまう。しかもこの多層フィルムでは、金属製品を
覆ったときに最も内側となる層に含まれる防錆剤の影響
が大きいのに対し、外側の層に含まれる防錆剤による防
錆効果が小さくなり、各層の防錆剤による防錆効果を充
分に発揮させることが困難である。
【0006】本発明は、かかる事情に鑑みてなされたも
のであり、広い範囲での熱可塑性樹脂の使用を可能とす
るとともに成形条件の制限を緩やかとして成形可能であ
り、複数種類の金属に対して優れた防錆効果が得られる
ようにした金属製品包装用フィルムを提供することを目
的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の金属製品包装用
フィルムは、熱可塑性樹脂に相互に異なる種類の防錆剤
をそれぞれ個別に含有させて成る複数の帯状防錆部を有
し、それらの帯状防錆部が面方向に相互にずれて配置さ
れる。
【0008】このような金属製品包装用フィルムでは、
相互に異なる種類の防錆剤が熱可塑性樹脂内で溶融混練
されるものではなく、帯状防錆部が相互に隣接していた
としても帯状防錆部相互の接触面積を極力小さくして防
錆剤相互の熱反応を抑えることができ、使用可能な熱可
塑性樹脂の範囲を広げることが可能となり、成形温度が
制限されることもない。しかも各防錆剤の気化成分が、
個別の金属表面に単分子皮膜を形成したり、気化成分相
互が結合して金属表面に吸着したりして、複数種類の金
属に対して有効な防錆効果が得られる。
【0009】また本発明の金属製品包装用フィルムで
は、熱可塑性樹脂に相互に異なる種類の防錆剤をそれぞ
れ個別に含有させて成る複数の帯状防錆部が面方向に相
互にずれて配置される防錆層に、防錆剤を含まない熱可
塑性樹脂から成る被覆層が積層される。
【0010】この金属製品包装用フィルムでは、防錆層
により複数の金属に対する有効な防錆効果を得ることを
可能とし、被覆層により、防錆層の帯状防錆部からの気
化成分の封印性を向上してより優れた防錆効果を得るこ
とが可能となるとともに、外気から内部への透湿度を低
下させることが可能となる。
【0011】
【発明の実施の形態】図1は本発明の第1実施例の金属
製品包装用フィルムの斜視図であり、この金属製品包装
用フィルムF1 は、熱可塑性樹脂に第1の防錆剤を含有
させて成る複数の帯状防錆部11 …と、熱可塑性樹脂に
第2の防錆剤を含有させて成る複数の帯状防錆部12
とを、それらの帯状防錆部11 …,12 …が面方向に交
互に配置されるようにして形成される。
【0012】防錆剤を含有させる熱可塑性樹脂として
は、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、直鎖状
低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピ
レン、ブテン−1等のポリオレフィン樹脂、エチレン−
酢酸ビニルやアクリル酸エステル等の共重合体樹脂、ポ
リスチレン、アクリロニトリル・スチレン、アクリロニ
トリル・ブタジェン・スチレン等のポリスチレン系樹
脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフ
タレート等のポリエステル系樹脂、ナイロン6、ナイロ
ン12、非晶質ナイロン等のポリアミド系樹脂およびア
イオノマー等の合成樹脂が好適に用いられる。
【0013】また防錆剤としては、リン酸三アンモニウ
ム、モリブデン酸アンモニウム、DICHAN(ジシク
ロヘキシルアンモニウム・ナイトライト)、ジシクロヘ
キシルアンモニウム・カプリレート、シクロヘキシルア
ミン・カーバメート、シクロヘキシルアミン・ラウレー
ト、ジイソプロピルアンモニウム・ナイトライト、ニト
ロナフタリンアンモニウム・ナイトライト、アンモニウ
ムベンゾエート、シクロヘキシルアミンベンゾエート、
ジシクロヘキシルアミンリン酸塩、亜硝酸ソーダ、クロ
ム酸ナトリウム、チオ尿素、ウロトロピン、ベンゾトリ
アゾール、メチルベンゾトリアゾール、3−メチル−5
−ヒドロキシピラゾール、5−アミノ−1H−テトラゾ
ール、2−ヘプタデジルイミダゾール、3−メチル−5
−ピラゾロン、トリアジンジチオールモノナトリウム、
1−ヒドロキシエチリデン−1、1−ジホスホン酸、ニ
トロトリメチレンホスホン酸、フェニルアントラニル酸
ソーダ等が好適に用いられる。
【0014】このような防錆剤は、単独あるいは相互に
適宜組み合わせて用いられればよく、特に融点や分解温
度が50〜100℃と比較的低い防錆剤が用いられる場
合には、エチレン−酢酸ビニルやアクリル酸エステル等
の共重合体樹脂等の融点が比較的低い熱可塑性樹脂に混
練、含有せしめることが望ましい。また融点や分解温度
が120〜200℃であって熱安定性が比較的高い防錆
剤が用いられる場合には、使用する熱可塑性樹脂の選択
範囲が大きくなる。
【0015】防錆剤を熱可塑性樹脂中に含有せしめるに
あたっては、熱可塑性樹脂のペレットおよび粉末等に防
錆剤を適当な混練手段を用いて混練し、バンバリーミキ
サー、ミキシングロールニーダーおよび二軸混練押出し
機等の装置を用いてコンパウンド化したり、前記ペレッ
トおよび防錆剤を直接ブレンドした後にフィルム成形機
に投入したりすればよい。
【0016】またフィルム成形にあたっては、インフレ
ーション法あるいはT−ダイ法等の溶融押出し成形が好
適に用いられるものであり、図1で示したように、相互
に異なる防錆剤を熱可塑性樹脂中にそれぞれ含有させた
帯状防錆部11 …,12 …が面方向に交互に配置されて
成る金属製品包装用フィルムF1 を形成するにあたっ
て、たとえばT−ダイ法が用いられる場合には、図2で
示すようなフィルム成形機が用いられる。このフィルム
成形機は、第1の防錆剤を含有させた熱可塑性樹脂を押
出す第1押出し機31 と、第2の防錆剤を含有させた熱
可塑性樹脂を押出す第2押出し機32 と、それらの押出
し機31 ,32 が共通に取付けられるダイ41 とで構成
される。而してダイ41 には、第1押出し機31 に連な
る複数の第1流路51 …と、第2押出し機32 に連なる
複数の第2流路52 …と、第1流路51 …に個別に通じ
る複数の第1リップ61 …と、第2流路52 …に個別に
通じる複数の第2リップ62 …とが設けられ、第1リッ
プ61 …および第2リップ6 2 …は交互に隣接するよう
にしてダイ41 に配設される。
【0017】このようなフィルム成形機によれば、第1
の防錆剤を含有させた熱可塑性樹脂ならびに第2の防錆
剤を含有させた熱可塑性樹脂が各押出し機31 ,32
溶融、混練され、それらの押出し機31 ,32 から押出
された熱可塑性樹脂が、相互に隣接したリップ61 …,
2 …で相互に溶融接触し、複数の帯状防錆部11 …,
2 …が面方向に交互に配置されて成る金属製品包装用
フィルムF1 が得られることになる。
【0018】またインフレーション法による場合には、
前記T−ダイ法のダイ41 のリップ61 …,62 …と同
様な樹脂吐出口を有する円管状ダイが用いられる。
【0019】このようにして得られた金属製品包装用フ
ィルムF1 で複数種類の金属から成る金属製品が包装さ
れることにより、各防錆剤の気化成分が、個別の金属表
面に単分子皮膜を形成して複数種類の金属に対して有効
な防錆効果が得られることになる。また亜硝酸ソーダと
尿素のような混合系で鉄類に相乗的に防錆効果を発揮す
る防錆剤の組み合わせは、同一の熱可塑性樹脂中で混合
せしめると、激しく熱分解を生じるのであるが、それぞ
れ個別に含有された熱可塑性樹脂が面方向に相互にずれ
て配置されることにより、相互に気化した防錆成分が包
装された雰囲気で相互に結合することにより、防錆効果
を発揮するようになる。
【0020】防錆剤をそれぞれ含有せしめる熱可塑性樹
脂は、類似した熱可塑性樹脂である方が相互の接触部で
裂けが生じ難くなるので望ましいが、裂けの発生を防止
するために、相溶化剤や粘着付与剤が熱可塑性樹脂中に
添加されるようにしてもよい。
【0021】ところで、防錆剤が或る種の金属に対して
変色および腐食を与えることもあり、そのようなマイナ
ス効果は、各帯状防錆部11 …,12 …の幅を細かく調
整することによって許容範囲に抑えることが可能であ
り、その幅は、対象となる金属製品によっても異なる
が、5〜120mm程度に調整されることが望ましい。
【0022】本発明の第2実施例として、図3で示すよ
うに、熱可塑性樹脂に第1の防錆剤を含有させて成る複
数の帯状防錆部11 …と、熱可塑性樹脂に第2の防錆剤
を含有させて成る複数の帯状防錆部12 …とがそれらの
帯状防錆部11 …,12 …が面方向に交互に配置されて
構成される防錆層7と、防錆剤を含まない熱可塑性樹脂
から成る被覆層8とが相互に積層されて金属製品包装用
フィルムF3 が形成されてもよい。
【0023】かかる金属製品包装用フィルムF2 の形成
にあたって、たとえばT−ダイ法が用いられる場合に
は、図4で示すようなフィルム成形機が用いられる。こ
のフィルム成形機は、第1の防錆剤を含有させた熱可塑
性樹脂を押出す第1押出し機3 1 と、第2の防錆剤を含
有させた熱可塑性樹脂を押出す第2押出し機32 と、防
錆剤を含有しない熱可塑性樹脂を押出す第3押出し機3
3 と、それらの押出し機31 ,32 ,33 が共通に取付
けられるダイ42 とで構成される。このダイ41には、
第1押出し機31 に連なる複数の第1流路51 …と、第
2押出し機32 に連なる複数の第2流路52 …と、第3
押出し機33 に連なる第3流路53 と、第1流路51
に個別に通じる複数の第1リップ61 …と、第2流路5
2 …に個別に通じる複数の第2リップ62 …と、第3流
路53 に通じる第3リップ63 とが設けられ、第1リッ
プ61 …および第2リップ62 …は横方向で交互に隣接
するようにしてダイ42 に配設され、第3リップ6
3 は、第1および第2リップ61…,62 …に上、下方
向で隣接するようにしてダイ42 に配設される。
【0024】このようなフィルム成形機によれば、第1
の防錆剤を含有させた熱可塑性樹脂ならびに第2の防錆
剤を含有させた熱可塑性樹脂が各押出し機31 ,32
溶融、混練され、それらの押出し機31 ,32 から押出
された熱可塑性樹脂、ならびに防錆剤を含まずに押出し
機33 から押出された熱可塑性樹脂が相互に隣接したリ
ップ61 …,62 …,63 で相互に溶融接触し、複数の
帯状防錆部12 …,1 2 …が面方向に交互に配置されて
成る防錆層7に、防錆剤を含まない熱可塑性樹脂から成
る被覆層8が積層されて成る金属製品包装用フィルムF
2 が得られることになる。
【0025】この金属製品包装用フィルムF2 は、金属
製品を包装する際に被覆層8を外方に配置するようにし
て用いられるものであり、この第2実施例によれば、上
記第1実施例と同様の効果を奏することができる上に、
被覆層8により、防錆層7の帯状防錆部12 …,12
からの気化成分の封印性の向上を図ってより優れた防錆
効果を得ることが可能となり、しかも外気から内部への
透湿度を低下させることが可能となる。
【0026】防錆剤をそれぞれ含有する帯状防錆部11
…,12 …は、必ずしも交互に隣接配置される必要はな
く、防錆剤を含有しない熱可塑性樹脂の部分が各帯状防
錆部11 …,12 …間に配置されていてもよく、そのよ
うな金属製品包装用フィルムにあっても、各防錆剤の気
化成分が個別の金属表面に単分子皮膜を形成したり、気
化成分相互が結合して金属表面に吸着したりして、複数
種類の金属に対して有効な防錆効果が得られる。
【0027】図5は本発明の第3実施例を示すものであ
り、熱可塑性樹脂に第1の防錆剤を含有させて成る複数
の帯状防錆部11 …と、防錆剤を含まない熱可塑性樹脂
から成る帯状部9…とが交互に隣接配置されて成る第1
層11と、熱可塑性樹脂に第2の防錆剤を含有させて成
る複数の帯状防錆部12 …と、防錆剤を含まない熱可塑
性樹脂から成る帯状部10…とが交互に隣接配置されて
成る第2層12とが、第1層11の帯状部9…に対応す
る部分に第2層12の帯状防錆部12 …が配置されると
ともに第1層11の帯状防錆部11 …が第2層12の帯
状部10…に対応する部分に配置されるようにして相互
に積層されることにより、金属製品包装用フィルムF3
が形成される。
【0028】この第3実施例によれば、防錆剤を含む熱
可塑性樹脂同士の接触部の接触面積を最小限に抑えるこ
とができるので、熱により相互の反応性が高くなる防錆
剤を用いていても使用可能な熱可塑性樹脂の制限や成形
温度の制限を最小限に抑えることができる。しかも各帯
状防錆部11 ,12 に積層されるのは、防錆剤を含まな
い熱可塑性樹脂から成る帯状部10,9であるので、相
互の積層部分で防錆剤が相互に影響を及ぼし合うことを
回避して、各帯状防錆部11 ,12 からの防錆剤の気化
成分による防錆効果を充分に発揮させることができる。
【0029】このため、各層11,12に相互の反応性
が高い防錆剤による複数の帯状防錆部をそれぞれ形成し
ても充分な防錆効果を得ることが可能となり、使用し得
る防錆剤の種類を増やすことができる。
【0030】次に本発明に従って形成した実施例1〜5
のフィルムと、防錆剤を含む熱可塑性樹脂を積層して成
る比較例1〜3のフィルムとを用いて本発明者が行なっ
た防錆試験結果について説明するが、実施例1〜5で
は、次のようにして調製した4種類の防錆剤のマスター
バッチペレットを用いた。
【0031】第1のマスターバッチペレット;エチレン
・酢酸ビニル共重合樹脂(住友化学(株)製 D205
3、密度0.92、メルトインデックスMI=7.5)
に対して、DICHANを20.0重量%添加し、二軸
押出機にて混練して成形温度110℃で溶融して押出し
た後、空冷法で冷却してペレタイザーによりペレット化
した。
【0032】第2のマスターバッチペレット;ジイソプ
ロピルアンモニウム・ナイトライトを20.0重量%含
有するマスターバッチペレットであり、上記第1のマス
ターバッチペレットと同じ条件で調製した。
【0033】第3のマスターバッチペレット;エチレン
・メチルアクリレート共重合樹脂(日本石油(株)製
RB5120、密度0.933、MI=10.0)に対
して、ベンゾトリアゾールを8.0重量%添加し、二軸
押出機にて混練し、成形温度95℃で溶融して押出した
後、空冷法で冷却してペレタイザーによりペレット化し
た。
【0034】第4のマスターバッチペレット;メチルベ
ンゾトリアゾールを8.0重量%含有するマスターバッ
チペレットであり、上記第3のマスターバッチペレット
と同じ条件で調製した。
【0035】〔実施例1〕 低密度ポリエチレン樹脂
(住友化学(株)製 F218−1、密度0.919、
MI=1.0)100重量部と第1のマスターバッチペ
レット8重量部とをよくブレンドし、DICHANを
1.5重量%含有する低密度ポリエチレン樹脂の帯状防
錆部を溶融温度130℃で幅15mmに調整するととも
に、前記低密度ポリエチレン樹脂100重量部と第3の
マスターバッチペレット5重量部とをよくブレンドし、
ベンゾトリアゾールを0.4重量%含有する低密度ポリ
エチレン樹脂の帯状防錆部を溶融温度120℃で幅20
mmに調整し、両帯状防錆部をインフレーション成形ダ
イにて設定温度135℃で面方向に交互に配列接合させ
て、図1で示した構成の金属包装用フィルムを100μ
mの厚さに成形した。
【0036】〔実施例2〕 実施例1と同一の成形条件
でDICHANを1.5重量パーセント含有する低密度
ポリエチレン樹脂の帯状防錆部を幅15mmに調整する
とともに、ベンゾトリアゾールを0.4重量%含有する
低密度ポリエチレン樹脂の帯状防錆部を幅20mmに調
整し、両帯状防錆部を面方向に交互に配列接合させた厚
み100μmの防錆層を形成するとともに、防錆剤を含
まない熱可塑性樹脂としての高密度ポリエチレン樹脂
(東燃化学(株)製 RS1000、密度0.951、
MI=0.15)を160℃で30μmに調整して成る
被覆層を形成し、前記防錆層および被覆層を積層して、
図3で示した構成の金属包装用フィルムを130μmの
厚さに成形した。
【0037】〔実施例3〕 直鎖状低密度ポリエチレン
樹脂(出光石油化学(株)製 0438、密度0.9、
MI=4.0)100重量部と第2のマスターバッチペ
レット8重量部とをよくブレンドし、ジイソプロピルア
ンモニウム・ナイトライトを1.5重量%含有する直鎖
状低密度ポリエチレン樹脂の帯状防錆部を溶融温度13
0℃で幅10mmに調整するとともに、エチレン・メチ
ルアクリレート共重合樹脂(日本石油(株)製 RB5
120、密度0.933、MI=10.0)100重量
部と第4のマスターバッチペレット5重量部とをよくブ
レンドし、メチルベンゾトリアゾールを0.4重量%含
有するエチレン・メチルアクリレート共重合樹脂の帯状
防錆部を溶融温度100℃で幅30mmに調整し、両帯
状防錆部をT−ダイにて設定温度135℃で面方向に交
互に配列接合させて、図1で示した構成の金属包装用フ
ィルムを150μmの厚さに成形した。
【0038】〔実施例4〕 実施例3と同一の成形条件
でジイソプロピルアンモニウム・ナイトライトを1.5
重量パーセント含有する直鎖状低密度ポリエチレン樹脂
の帯状防錆部を幅10mmに調整するとともに、メチル
ベンゾトリアゾールを0.4重量%含有するエチレン・
メチルアクリレート共重合樹脂の帯状防錆部を幅30m
mに調整し、両帯状防錆部を面方向に交互に配列接合さ
せた厚み150μmの防錆層を形成するとともに、防錆
剤を含まない熱可塑性樹脂としてのアイオノマー樹脂
(三井デュポン(株)製 ハイミラン1702、密度
0.95、MI=14)を165℃で40μmに調整し
て成る被覆層を形成し、前記防錆層および被覆層を積層
して、図3で示した構成の金属包装用フィルムを190
μmの厚さに成形した。
【0039】〔実施例5〕 第1の防錆剤である亜硝酸
ソーダを0.8重量%含有する低密度ポリエチレン樹脂
(住友化学(株)製 F218−1、密度0.919、
MI=1.0)の帯状防錆部を溶融温度150℃で幅1
0mmに調整し、第2の防錆剤であるベンゾトリアゾー
ルを0.4重量%含有する低密度ポリエチレン樹脂の帯
状防錆部を溶融温度125℃で幅20mmに調整し、さ
らに第3の防錆剤である尿素を0.5重量%含有するエ
チレン−酢酸ビニル共重合樹脂の帯状防錆部を溶融温度
130℃で幅15mmに調製し、各帯状防錆部を、イン
フレーション成形ダイにて設定温度135℃で面方向に
交互に配列接合させて、金属包装用フィルムを100μ
mの厚さに成形した。
【0040】〔比較例1〕 DICHANを1.5重量
%含有する低密度ポリエチレン樹脂から成る厚み50μ
mの内層と、ベンゾトリアゾールを0.4重量%含有す
る低密度ポリエチレン樹脂から成る厚み50μmの外層
とを、実施例1に対応した成形条件で形成するとともに
成形温度140℃で二層インフレーションダイを用いて
積層し、厚さ100μmの二層フィルムを成形した。
【0041】〔比較例2〕 ジイソプロピルアンモニウ
ム・ナイトライトを1.5重量パーセント含有する直鎖
状低密度ポリエチレン樹脂から成る厚さ55μmの内層
と、メチルベンゾトリアゾールを0.4重量%含有する
直鎖状低密度ポリエチレン樹脂から成る厚さ55μmの
中間層と、アイオノマー樹脂から成る40μmの外層と
を、実施例4に対応した成形条件で形成するとともにT
−ダイにより成形温度145℃で積層し、厚さ150μ
mの三層フィルムを成形した。
【0042】〔比較例3〕 亜硝酸ソーダを0.8重量
%含有する低密度ポリエチレン樹脂から成る厚さ45μ
mの内層と、ベンゾトリアゾールを0.4重量%含有す
る低密度ポリエチレン樹脂から成る厚さ25μmの中間
層とを、実施例5に対応した成形条件で形成するととも
に125℃で積層し、さらに尿素を0.5重量%含有す
るエチレン−酢酸ビニル共重合樹脂から成る外層を溶融
押出し温度140℃で30μmの厚みにして積層し、三
層積層インフレーション法で成形温度145℃にて10
0μmの三層フィルムに成形しようと試みたが、発泡し
たためにフィルムに成形できなかった。
【0043】このようにして得られた上記実施例1〜5
ならびに比較例1,2のフィルムの防錆試験を次の手順
で実行した。
【0044】先ず上記実施例1〜5、ならびに比較例
1,2のフィルムを、ヒートシールして600mm×9
00mmの袋を成形し、表1で示す4種類の試験片を風
乾した後に前記各袋にそれぞれ収納する。
【0045】
【表1】
【0046】次いで、試験片の収納後に各袋を再度ヒー
トシールして密封し、純水をヒーターで加熱して雰囲気
内の調温、調湿を行なうことにより、雰囲気温度49
℃、相対湿度95%以上の高温多湿雰囲気である試験環
境条件下で14日間放置し、各試験片の全面積に対する
錆および変色の発生率を次のような評価基準で評価し
た。
【0047】評価基準 ◎;錆、変色なし ○;点錆、わずかな変色発生 △;試験片の面積に対して10%未満に錆または変色発
生 ×;試験片の面積に対して10〜50%に錆または変色
発生 ××;試験片の面積に対して50%以上に錆または変色
発生 この評価の結果を、表2に示す。
【0048】
【表2】
【0049】表2で明らかなように、比較例1,2では
或る金属(鋼板)に対して優れた防錆効果があるもの
の、複数の金属に対して普遍的な防錆効果は得られず、
本発明に従って形成した実施例1〜5のフィルムでは複
数の金属に対して優れた防錆効果を得ることができる。
【0050】以上、本発明の実施例を詳述したが、本発
明は上記実施例に限定されるものではなく、特許請求の
範囲に記載された本発明を逸脱することなく種々の設計
変更を行なうことが可能である。
【0051】
【発明の効果】以上のように請求項1記載の発明によれ
ば、熱可塑性樹脂に相互に異なる種類の防錆剤をそれぞ
れ個別に含有させて成る複数の帯状防錆部が面方向に相
互にずれて配置されることにより、防錆剤相互の熱反応
が生じることを極力回避して成形条件の制限緩和を図る
とともに、使用可能な熱可塑性樹脂の範囲を広げること
ができ、複数の防錆剤の気化成分が、個別の金属表面に
単分子皮膜を形成したり、気化成分相互が結合して金属
表面に吸着したりして、複数種類の金属に対して有効な
防錆効果を得ることができる。
【0052】また請求項2記載の発明によれば、熱可塑
性樹脂に相互に異なる種類の防錆剤をそれぞれ個別に含
有させて成る複数の帯状防錆部が面方向に相互にずれて
配置される防錆層に、防錆剤を含まない熱可塑性樹脂か
ら成る被覆層が積層されることにより、上記請求項1記
載の発明の効果を得ることができた上に、防錆層からの
気化成分の封印性を向上してより優れた防錆効果を得る
ことが可能となり、さらに外気から包装内部への透湿度
を低下させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例の金属製品包装用フィルムの斜視図
である。
【図2】図1の金属製品包装用フィルムを成形するため
のフィルム成形機の概略図である。
【図3】第2実施例の金属製品包装用フィルムの斜視図
である。
【図4】図3の金属製品包装用フィルムを成形するため
のフィルム成形機の概略図である。
【図5】第3実施例の金属製品包装用フィルムの斜視図
である。
【符号の説明】 11 ,12 ・・・帯状防錆部 7・・・防錆層 8・・・被服層 F1 ,F2 ,F3 ・・・金属製品包装用フィルム
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08J 5/18 C08J 5/18 B29L 7:00

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性樹脂に相互に異なる種類の防錆
    剤をそれぞれ個別に含有させて成る複数の帯状防錆部
    (11 ,12 )を有し、それらの帯状防錆部(11 ,1
    2 )が面方向に相互にずれて配置されることを特徴とす
    る金属製品包装用フィルム。
  2. 【請求項2】 熱可塑性樹脂に相互に異なる種類の防錆
    剤をそれぞれ個別に含有させて成る複数の帯状防錆部
    (11 ,12 )が面方向に相互にずれて配置される防錆
    層(7)に、防錆剤を含まない熱可塑性樹脂から成る被
    覆層(8)が積層されて成ることを特徴とする金属製品
    包装用フィルム。
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