JP2521967Y2 - 写真記録長期保存用包装袋 - Google Patents

写真記録長期保存用包装袋

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JP2521967Y2
JP2521967Y2 JP1989040796U JP4079689U JP2521967Y2 JP 2521967 Y2 JP2521967 Y2 JP 2521967Y2 JP 1989040796 U JP1989040796 U JP 1989040796U JP 4079689 U JP4079689 U JP 4079689U JP 2521967 Y2 JP2521967 Y2 JP 2521967Y2
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睦男 赤尾
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【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は酸素や亜硫酸ガス等の気体や水分により退色
や変色、カーリングや画像のヒビ割れが発生しやすいカ
ラープリント等の写真記録を10年以上の長期間品質をほ
とんど低下させずに保存するための包装袋に関するもの
である。
写真記録は、情報を高密度にかつ確実に残す点で現在
では最も優れた長期記録保存手段と考えられている。し
かし、それでも記録の長寿を確保するためには、最適条
件におくことが必要であり、種々の保存技術を適用して
初めて可能なことである。
写真記録の寿命に及ぼす保存環境影響因子には種々の
ものがある。
温度、湿度、光、ガスなどは、変退色やステインの増
加などの化学的作用とかびの発生などの生物的影響を及
ぼす。また、温度、湿度の変動は、支持体や写真層の伸
縮によりカール、画面クラック、膜剥がれなどの物理的
故障を引き起こす。写真記録を保護するための包装材料
も構造や材料によっては化学的・物理的な故障をもたら
す。したがって、写真記録を長期保存するためには、
(1)低温かつ比較的低湿度で、(2)温度、湿度変化
がなく、(3)遮光された、(4)塵や活性ガスのない
保存環境を確保することが必要である。
上述の長期保存の要件を満たす1つの方法として写真
記録(=写真プリント)を本考案の包装袋に密封収納
し、それを更に耐圧、耐熱、体蝕性の保護カプセルに収
納して地中に保存する方法がある。
この場合、写真記録を密封収納する包装袋が写真記録
の長期保存の可否を左右する。
本考案は特にカラープリント等の写真記録を10年以上
の長期間保存可能にした密封性、物理強度、写真化学的
安定に優れた写真記録長期保存用包装袋に関するもので
ある。
〔従来の技術と問題点〕
従来、カラープリントの長期保存用包装袋としては、
防湿性、ガスバリヤ性確保のためのアルミニウム箔の内
側に、酸化防止剤や滑剤やブロッキング防止剤やカーボ
ンブラック等の遮光性物質を含む低密度ホモポリエチレ
ン(以後LDPEと表示)樹脂からなるヒートシール性フィ
ルム層を、外側には中性紙を接着剤層を介して積層した
積層フィルムを用いて製袋したものがあった(例えば特
開昭58-132555号公報)。然しこの包装袋に用いられて
いるアルミニウム箔は炭素数が12〜14個の脂肪族炭化水
素(ケロシン)を主成分としたイオウを含む圧延オイル
を用いて仕上げ圧延されるために、焼鈍前では0.1〜0.3
g/m2の圧延オイルが付着しており、これを除去するため
に圧延オイルの沸点附近の温度で24時間以上焼鈍される
が、完全に圧延オイルを除去することは困難である。圧
延オイルを完全に除去しようとして圧延オイルの沸点以
上の温度で焼鈍すると圧延オイルが分解したり変質して
10年以内のカラープリントの保存さえ不可能であること
が判明した。さらにウェットラミネート接着剤層を用い
た時はアルミニウム箔が3年以内で腐食しピンホールが
発生し、防湿性、ガスバリヤ性が確保できないことが判
明した。
さらにLDPE樹脂ヒートシール性フィルム層のフィルム
成形性向上、製袋適性向上、帯電防止のために添加され
ている脂肪酸アミド系滑剤や界面活性剤や樹脂焼け防止
のために添加されている酸化防止剤等はヒートシール性
フィルム層の表面に1ケ月以内にブリードアウトしてヒ
ートシール性を悪化させ、ヒートシール強度低下を大き
くし、ヒートシール部分にピンホールを数%発生させる
ことが判明した。さらに前記のブリードアウトする物質
の外にブリードアウトはしないがさらにヒートシール性
を悪化させるシリカ等のブロッキング防止剤や遮光性物
質を含むLDPE樹脂ヒートシール性フィルム層を用いた場
合は10年以上の長期間の完全密封性確保が困難であるこ
とが判明した。
さらに中性紙は吸湿性が大きくアルミニウム箔の腐食
や焼鈍後の残留圧延オイルの分解や変質を大きくし、カ
ラープリントの保存性を悪化させることも判明した。
本考案は、上記問題点を解消し、防湿性、ガスバリヤ
性、完全密封性、ヒートシール性、製袋性が優れた物理
強度の大きな、カラープリントの10年以上の長期保存が
可能な写真記録長期保存用包装袋を提供することを目的
とする。
〔問題点を解決するための手段〕
本考案は、上記目的を達成するためにブリードアウト
しやすい添加剤の量を限定し、且つ添加剤がブリードア
ウトしてもヒートシール性を確保でき、10年以上の長期
保存中でも酸やアルカリやガス等の発生が少ないエチレ
ン・α−オレフィン共重合体樹脂を10重量%以上含むポ
リオレフィン樹脂よりなるヒートシール性フィルム層
と、カラープリントに有害作用を及ぼす物質の1つであ
る圧延オイルを含まないアルミニウム蒸着膜を、防湿
性、ガスバリヤ性を20℃以下の温度では永久に確保でき
るようにするために腐食しない二軸延伸熱可塑性樹脂フ
ィルム層に施したアルミニウム蒸着二軸延伸熱可塑性樹
脂フィルム層と、耐熱性フレキシブルシート層を積層し
た積層フィルムよりなる包装袋としたものである。
すなわち、本考案の10年以上の長期保存が可能な長期
保存用包装袋は、最内層にエチレン・α−オレフィン共
重合体樹脂を10重量%以上、カーボンブラックを0.5〜1
5重量%、脂肪酸アミド系滑剤を0.3重量%以下、酸化防
止剤を0.01〜0.3重量%含むポリオレフィン系樹脂ヒー
トシール性フィルム層を、接着剤層を介して又は接着剤
層を介さずに直接その外側のアルミニウム蒸着二軸延伸
熱可塑性樹脂フィルム層に積層した積層フィルムであっ
て、少なくとも、圧延オイルを含まないアルミニウム蒸
着膜の外側には、耐熱性のフレキシブルシート層を有す
る層構成であり、且つ酸素透過率が50cc/m2・24時間atm
以下、透湿度が5g/m2・24時間以下である積層フィルム
を用いたことを特徴として構成されている。
このポリオレフィン系樹脂ヒートシール性フィルム層
は、少なくともエチレン・α−オレフィン共重合体樹脂
を10重量%含んでいる。
エチレン・α−オレフィン共重合体樹脂は一般には直
鎖状低密度ポリエチレン(Liner Low DensityPolyetyle
ne)樹脂と称され、低・中密度、高密度両ポリエチレン
樹脂の利点を併せもつ省エネルギー、省資源という時代
の要請に合致する低コスト、高強度の樹脂である。この
樹脂は低圧法又は高圧改良法でエチレンと炭素数が3〜
13個、好ましくは4〜10個のα・オレフィンを共重合さ
せた共重合体樹脂(コポリマー)で線状の直鎖に短分岐
をもった構造のエチレン・α−オレフィン共重合体樹脂
である。物理強度やコストの点で好ましいα−オレフィ
ンとしてはブテン−1、オクテン−1、ヘキセン−1、
4−メチルペンテン−1、ヘプテン−1などが使用され
る。
密度は一般に低・中密度ポリエチレン樹脂程度とされ
ているが、市販品では0.87〜0.95g/cm3の範囲内にある
ものが多い。メルトインデックスは0.1〜50g/10分の範
囲内にあるものが多い。本考案ではインフレーションフ
ィルム用としては0.5〜10g/10分、エクストルージョン
ラミネート用としては3.0g/10分以上が好ましい。
エチレン・α−オレフィン共重合体樹脂の重合プロセ
スとしては中・低圧装置を用いる気相法、液相法と高圧
改良法装置を用いるイオン重合法等がある。
エチレン・α−オレフィン共重合体樹脂の具体例を以
下に示す。
エチレン・ブテン−1共重合体樹脂 GレンジとNUC−FLX (UCC社) ダウレックス (ダウケミカル社) スクレアー (デヤポンカナダ社) マーレックス (フィリップス社) スタミレックス (DSM社) エクセレンVL (住友化学) ネオゼックス (三井石油化学) 三菱ポリエチ−LL (三菱油化) 日石リニレックス (日本石油化学) NUCポリエチレン−LL (日本ユニカー) 出光ポリエチレンL (出光石油化学) エチレン・ヘキセン−1共重合体樹脂 TUFLIN (UCC社) TUFTHENE (日本ユニカー) エチレン・4−メチルペンテン−1共重合体樹脂 ウルトゼックス (三井石油化学) エチレン・オクテン−1共重合体樹脂 スタミレックス (DSM社) ダウレックス (ダウケミカル社) スクレアー (デュポンカナダ社) MORETEC (出光石油化学) これらのエチレン・α−オレフィン共重合体樹脂の中
で物理強度とヒートシール強度とインフレーション法成
形性の点から特に好ましいものは、α−オレフィンの炭
素数が4〜8個の液相法プロセスと気相法プロセスで得
られたものである。最も多く製造されている安価で特性
の優れているエチレン・ブテン−1(炭素数4ケ)共重
合体樹脂の外で特に好ましい代表的な例を商品名であげ
ると、エチレンにα−オレフィン側鎖として炭素数6個
の4−メチルペンテン−1を導入した三井石油化学
(株)のウルトゼックス及びα−オレフィン側鎖として
炭素数8個のオクテン−1を導入した出光石油化学
(株)のMORETECとDSM社のスタミレックスとダウケミカ
ル社のダウレックスがある(以上4社品共液相法プロセ
スで得らたエチレン・α−オレフィン共重合体樹脂であ
る。) 低圧法の気相法プロセスで得られた好ましい代表的な
例を商品名であげると、α−オレフィン側鎖として炭素
数6個のヘキセン−1を導入したUCC社のTUFLIN及び日
本ユニカー(株)のTUFTHENE等がある。
また最近発売された密度が0.910g/cm3未満の低温ヒー
トシール性、突きさし強度、引裂き強度等が優れた超低
密度直鎖状低密度ポリエチレン樹脂、例えばUCC社のNUC
−FLXや住友化学(株)のエクセレンVLも好ましい(以
上2社品共α−オレフィンが炭素数4個のブテン−1を
使用)。
エチレン・α−オレフィン共重合体樹脂は10重量%以
上含まれる。
10重量%未満では物理強度向上効果やヒートシール適
正(ヒートシール強度、経時ヒートシール強度保持性、
夾雑物シール性、ホットタック性)改良効果が小さく、
長期保存中の密封性を100%確保(以後完全密封性と表
示)することが困難である。
エチレン・α−オレフィン共重合体樹脂として比較的安
価で物理強度、ヒートシール適正が優れており本考案と
して好ましい代表例をあげると、エチレン・プロピレン
共重合体樹脂、エチレン・ブテン−1共重合体樹脂、エ
チレン・ヘキセン−1共重合体樹脂、エチレン・4・メ
チルペンテン−1共重合体樹脂、エチレン・オクテン−
1共重合体樹脂がある。
写真記録に悪影響を与えず、フィルム成形性を良化
し、ブロッキング防止性、帯電防止性を有し、且つ写真
記録を包装袋に挿入しやすくする働き等種々の働きをす
る安価で滑性向上効果の大きい脂肪酸アミド系滑剤の代
表的市販品を以下に記載するが、本考案はこれらに限定
されるものではない。
(1)オレイン酸アミド系滑剤; アーモスリップCP(ライオン・アクゾ)、ニュートロ
ン(日本精化)、ニュートロンE−18(日本精化)、ア
マイドO(日東化学)、アルフロE−10(日本油脂)、
ダイヤミッドO−200(日本化成)、ダイヤミッドG−2
00(日本化成)等 (2)エルカ酸アミド系滑剤; アルフロ−P−10(日本油脂)等 (3)ステアリン酸アミド系滑剤 アルフロ−S−10(日本油脂)、ニュートロン2(日
本精化)、ダイヤミッド200ビス(日本化成)等 (4)ステアリルエルカ酸アミド系滑剤; STN(日本精化(株))等 (5)ビス脂肪酸アミド系滑剤; ビスアマイド(日本化成)、ダイヤミッド200ビス
(日本化成)、アーモワックスEBS(ライオン、アク
ゾ)等 (6)ベヘニン酸アミド系滑剤; BNT(日本精化(株))等である。
本考案で使用する酸化防止剤は、ブツやフィッシュア
イ及び着色故障等を防止するために添加する。この酸化
防止剤の代表例を以下に示す。
(イ)フェノール系酸化防止剤 6−t−ブチル−3−メチルフェニール誘導体、2,6
−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、2,2′−メチレン
ビス−(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,
4′−ブチリデンビス(6−t−ブチル−m−クレゾー
ル)、4,4′−チオビス(6−t−ブチル−m−クレゾ
ール)、4,4−ジヒドロキシジフェニルシクロヘキサ
ン、アルキル化ビスフェノール、スチレン化フェノー
ル、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、n
−オクタデシル−3−(3′,5′−ジ−t−ブチル−
4′−ヒドロキシフェニル)プロピネート、2,2′−メ
チレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノー
ル)、4,4′−チオビス(3−メチル−6−t−ブチル
フェニール)4,4′−ブチリデンビス(3−メチル−6
−t−ブチルフェノール)、ステアリル−β(3,5−ジ
−4−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネー
ト、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5
−t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル2,
4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベ
ンジル)ベンセン、テトラキス〔メチレン−3−(3,5
−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオ
ネート〕メタン等 (ロ)ケトンアミン縮合系酸化防止剤 6−エトキシ−2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキ
ノリン、2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリンの
重合物、トリメチルジヒドロキノリン誘導体等 (ハ)アリルアミン系酸化防止剤 フェニル−α−ナフチルアミン、N−フェニル−β−
ナフチルアミン、N−フェニル−N′−イソピロピル−
p−フェニレンジアミン、N,N′−ジフェニル−p−フ
ェニレンジアミン、N,N′−ジ−β−ナフチル−p−フ
ェニレンジアミン、N−(3′−ヒドロキシブチリデ
ン)−1−ナフチルアミン等 (ニ)イミダゾール系酸化防止剤 2−メルカプトベンゾイミダゾール、2−メルカプト
ベンゾイミダゾールの亜鉛酸、2ーメルカプトメチルベ
ンゾイミダゾール等 (ホ)ホスファイト系酸化防止剤 アルキル化アリルホスファイト、ジフェニルイソデシ
ルフォスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファ
イト亜リン酸ソーダ、トリノニルフェニルフォスファイ
ト、トリフェニルフォスファイト等 (ヘ)チオ尿素系酸化防止剤 チオ尿素誘導体、1,3−ビス(ジメチルアミのプロピ
ル)−2−チオ尿素等 (ト)硫黄系酸化防止 ジラウリルチオジプロピオネート、シミリスチルチオ
ジプロピオネート、ラウリルステアリルチオジプロピオ
ネート、ジステアリンチオジプロピオネート 代表的な市販の酸化防止剤を以下に示す。
(1)フェノール系酸化防止剤; SUMILIZER BHT(住友)、IRGANOX 1076(チバガイギ
ー)、MARK AO−50(アデカ・アーガス)、SUMILIZER B
P−76(住友)、TOMINOX SS(吉富)、IRGANOX 565(チ
バガイギー)、NONOX WSP(ICI)、SANTONOX(Monsant
o)、SUMILIZER WX R(住友)、ANTAGECRYSTAL(川
口)、IRGANOX 1035(チバガイギー)、ANTAGE W−400
(川口)、NOCLIZER NS−6(大内新興)、IRGANOX 142
5 WL(チバガイギー)、MARK AO−80(アデカ・アーガ
ス)、SUMILIZER GA−80(住友)、TOPANOL CA(IC
I)、MARK AO−30(アデカ・アーガス)、MARK AO−20
(アデカ・アーガス)、IRGANOX 3114(チバガイギ
ー)、MARK AO−330(アデカ・アーガス)、IRGANOX 13
30(チバガイギー)、CYANOX 1790(ACC)、IRGANOX 10
10(チバガイギー)、MARK AO−60(アデカ・アーガ
ス)、SUMILIZER BP−101(住友)、TO−MINOX TT(吉
富)等 (2)隣系酸化防止剤; IRGAFOS 168(チバガイギー)、MARK 2112(アデカ・
アーガス)、WESTON 618(ボルグワーナー)、MARK PEP
−8(アデカ・アーガス)、ULTRANOX 626(ボルグ・ワ
ーナー)、MARK PEP−24G(アデカ・アーガス)、MARK
PEP−36(アデカ・アーガス)、HCA(三光)等 (3)チオエーテル系酸化防止剤; DLTDP“YOSHITOMI"(吉富)、SUMILIZER TPL(住
友)、ANTIOX L(日油)、DMTD“YOSHITOMI"(吉富)、
SUMILIZER TPM(住友)、ANTIOX M(日油)、DSTP“YOS
HITOMI"(吉富)、SUMILIZER TPS(住友)、ANTIOX S
(日油)、SEENOX 412S(シプロ)、MARK AO−412 S
(アデカ・アーガス)、SUMILIZER TP−D(住友)、MA
RK AO−23(アデカ・アーガス)、SANDSTAB P−EPQ(サ
ンド)、IRGAFOS P−EPQ FF(チバガイギー)、IRGANOX
1222(チバガイギー)、MARK 329K(アデカ・アーガ
ス)、WES TON399(ボルグ・ワーナー)、MARK 260(ア
デカ・アーガス)、MARK 522A(アデカ・アーガス)等 (4)金属不活性化剤 NAUGARD XL−1(ユニロイヤル)、MARK CDA−1(ア
デカ・アーガス)、MARK CDA−6(アデカ・アーガ
ス)、LRGANOX MD−1024(チバガイギー)、CUNOX(三
井東圧)等 特に好ましい酸化防止剤はフェノール系の酸化防止剤
であり、市販品としてはチバガイギー社のノルガノック
ス各種と住友化学(株)のSumilizer BHT,Sumilizer BH
−76,Sumilizer WX−R,Sumilizer BP−101等である。
また,2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール(BH
T)、低揮発性の高分子量フェノール型酸化防止剤(商
品名Ireganox 1010,Ireganox 1076,Topanol CA,Ionox 3
30等)、ジラウリルチオジプロピオネート、ジステアリ
ルチオプロピオネート、ジアルキルフォスフェート等の
1種以上、特に2種以上を併用するのが効果的である。
着色故障防止の為にフェノール系酸化防止剤と隣系酸化
防止剤を併用することは特に好ましい。
この酸化防止剤は0.01〜1.0重量%含まれる。
添加量が0.01重量%未満では添加効果がほとんどな
い。一方、添加量が1.0重量%をこえるとブリードアウ
ト量が多くなり、経時ヒートシール強度保持性が低下し
10年以上の長期間完全密封を確保することが困難にな
る。経時ヒートシール強度を確保し10年以上の長期間完
全密封性を確保するためには0.3重量%以下にすること
が好ましく、このため酸化防止剤は着色故障やブツが発
生しない最少量を添加するようにすることが好ましい。
さらにカーボンブラック等と併用すると酸化防止効果
が相乗的に発揮される。
その他プラスチック・データ・ハンドブック(KK工業
調査会発行)の794〜799ページに開示された各種酸化防
止剤やプラスチック添加剤データー集(KK化学工業社)
の327〜329ページに開示された各種酸化防止剤やPLASTI
CS AGE ENCYCLOPEDIA進歩編1986(KKプラスチック・エ
ージ)の211〜212ページに開示された各種酸化防止剤等
を選択して用いることが可能である。
本考察では酸化防止剤は可能なかぎり最小量にし、且
つフェノール系酸化防止剤か燐系酸化防止剤を用いるの
が好ましい。硫黄成分含有酸化防止剤は用いない方が好
ましい。
本考案のカラープリント長期保存用包装袋は防湿性、
ガスバリヤ性の外に変退色やステインの増加を防止する
ために遮光性が必要である。
アルミニウム蒸着膜だけでは800Å以上の膜厚がない
と遮光性が不完全である。さらにラミネート時や製袋
時、密封包装時にアルミニウム蒸着膜にピンホールやキ
レツが発生する可能性があるため少なくとも1層以上に
遮光性物質を有するようにすることが好ましい。
この場合、写真化学的に安定で且つ遮光能力が大き
く、樹脂の酸化防止効果、ブロッキング防止効果、帯電
防止効果、長期ヒートシール強度保持効果を有し、安価
であるカーボンブラックを遮光性物質として含むように
することが好ましい。カーボンブラックの中でも遊離イ
オウ含有量が200ppm以下、平均粒子径が10〜120mμ、pH
が6.0〜8.5、吸油量が60ml/100g以上、発揮成分が3.0%
以下のファーネスカーボンブラックが特に好ましい。
遮光性物質として前記カーボンブラックの外、下記に
示す着色物質を用いることができる。
(1)無機化合物 A.酸化物…シリカ、ケイ藻土、アルミナ、酸化チタン、
酸化鉄、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化アンチモ
ン、バリウムフェライト、ストロンチウムフェライト、
酸化ベリリウム、軽石、軽石バルーン、アルミナ繊維 B.水酸化物…水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウ
ム、塩基性炭酸マグネシウム C.炭酸塩…炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ドロマ
イト、ドーソナイト D.(亜)硫酸塩…硫酸カルシウム、硫酸バリウム、硫酸
アンモニウム、亜硫酸カルシウム E.ケイ酸塩…タルク、クレー、マイカ、アスベスト、ガ
ラス繊維、ガラスバレーン、ガラスビーズ、ケイ酸カル
シウム、モンモリロナイト、ベントナイト F.炭素…グラファイト、炭素繊維、炭素中空球 G.その他…鉄粉、銅粉、鉛塩、錫粉、ステンレス粉、パ
ール顔料、アルミニウム粉、硫化モリブデン、ポロン繊
維、炭化ケイ素繊維、黄銅繊維、チタン酸カリウム、チ
タン酸ジルコン酸鉛、ホウ酸亜鉛、メタホウ酸バリウ
ム、ホウ酸カルシウム、ホウ酸ナトリウム、アルミニウ
ムペースト、等 本考案で遮光性物質として特に好ましいカーボンブラ
ックについて詳述する。
添加量は0.5〜15重量%が好ましい。0.5重量%未満で
は遮光性、帯電防止性、ブロッキング防止性、酸化防止
性が不十分で混練費アップになるだけである。
15重量%を越えると、フィルムの物理強度を低下さ
せ、ヒートシール性を悪化させ、フィルム成形性を悪化
させ、発塵が多くなりカラープリントを黒色に汚染す
る。さらに吸湿量が多くなり、遊離イオウの発生が多く
なりカラープリントの保存性を悪化させる。
カーボンブラックの使用形態はドライカラー、リキッ
ドカラー、ペーストカラー、マスターバッチペレット、
コンパウンドカラーペレット、顆粒状カラーペレット等
があるが、マスターバッチベレットを使用するマスター
バッチ法がコスト、作業場の汚染防止等の点で望まし
い。特公昭40−26196号公報では有機溶媒に溶解した重
合体の溶液中にカーボンブラックを分散せしめて、重合
体−カーボンブラックのマスターバッチをつくる方法
を、特公昭43−10362号公報にはカーボンブラックをポ
リエチレン樹脂に分散してマスターバッチをつくる方法
が記載されている。
本考案者も着色マスターバッチ用樹脂組成物を特開昭
63−186740号公報で提案している。
カーボンブラックを原料により分類すると、ガスファ
ーネスブラック、オイルファーネスブラック、チャンネ
ルブラック、アントラセンブラック、アセチレンブラッ
ク、ケッチェンカーボンブラック、サーマルブラック、
ランプブラック、油煙、松煙、アニマルブラック、ベジ
タブルブラック等になる。
本考案では遮光性、コスト、物性向上の目的ではファ
ーネスカーボンブラックが望ましく、高価であるが帯電
防止効果を有する着色物質としてはアセチレンカーボン
ブラック、変性副生カーボンブラックであるケッチェン
カーボンブラックが望ましい。必要により前者と後者を
必要特性に従ってミックスすることも望ましい。
本考案の積層フィルムの各層には必要に応じて各種の
添加剤を添加することができるがブリードアウトしやす
い添加剤や各種のガスを発生する物質は、必要最小量に
することがカラープリントの長期保存性確保のために好
ましい。
本考案に必須の写真記録に悪影響を与えずに、防湿
性、ガスバリヤ性、帯電防止性、遮光性等多くの写真記
録長期保存用包装袋として必要な特性を確保するのはア
ルミニウム蒸着二軸延伸熱可塑性樹脂フィルム層であ
る。
アルミニウム蒸着膜を形成支持する二軸延伸熱可塑性
樹脂フィルム層としては写真化学的に安定である各種ポ
リエチレン樹脂フィルム層、ポリエステル樹脂フィルム
層、ポリアミド樹脂フィルム層、エチレン共重合体樹脂
フィルム層、ポリプロピレン樹脂フィルム層、プロピレ
ン共重合体樹脂フィルム層、塩化ビニリデン樹脂フィル
ム層、ポリスチレン樹脂フィルム層、ポリビニルアルコ
ール樹脂フィルム層、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケ
ン化物フィルム層が好ましい。特にポリアミド樹脂フィ
ルム層、ポリエステル樹脂フィルム層、ポリプロピレン
樹脂フィルム層、エチレン・酢酸ビニル共重合体ケン化
物フィルム層とこれらの熱可塑性樹脂フィルム層の表面
に塩化ビニリデン樹脂を塗布したものである。さらに上
記熱可塑性樹脂フィルム層を2層以上共押出しした多層
共押出しフィルム等である。これらの二軸延伸熱可塑性
樹脂フィルム層の厚さはアルミニウム蒸着コスト、包装
袋の柔軟性確保等の点から5〜70μmが好ましい。
アルミニウム蒸着方法としては真空蒸着法、スパッタ
リング法、イオンプレーティング法、電子ビーム蒸着法
等により二軸延伸熱可塑性樹脂フィルム層の片面又は両
面に設けることができる。アルミニウム蒸着膜は二軸延
伸熱可塑性樹脂フィルム層の熱変形や物理強度低下防
止、カラープリントの10年以上の長期保存が可能な遮光
性、帯電防止性、防湿性、ガスバリヤ性の確保、及びコ
スト、品質等の点から55〜1200Åの厚さが好ましい。
即ち厚さが55Å未満ではアルミニウム蒸着二軸延伸熱
可塑性樹脂フィルム層だけではカラープリントの10年以
上の長期保存が可能な写真記録長期保存用包装袋に必要
な帯電防止性、防湿性、遮光性、ガスバリヤ性等を確保
することが出来ない。
また、厚さが1200Åを越えると、帯電防止性、防湿
性、遮光性、ガスバリヤ性等は確保できるがコストアッ
プになり、真空蒸着法等では加熱による二軸延伸熱可塑
性樹脂フィルム層の熱収縮やシワの発生、熱劣化等の問
題があり実用化が困難である。
アルミニウム真空蒸着膜の場合は、50Å以上、通常の
用途には80〜800Å、さらに好ましくは100〜600Åの膜
厚とすることが好ましい。
必要ならアルミニウム蒸着膜と二軸延伸熱可塑性樹脂
フィルム層との接着強度を向上させるために、二軸延伸
熱可塑性樹脂フィルム層表面に後述のアンカー剤を塗布
したり、表面物理処理法を用いたり、アルミニウム蒸着
膜の上に公知の各種の保護層を設けることができ、好ま
しい。
アルミニウム蒸着二軸延伸熱可塑性樹脂フィルム層の
防湿性二軸延伸熱可塑性樹脂フィルム層がアルミニウム
蒸着膜の外側(大気側)になる構成の場合は問題ないが
アルミニウム蒸着膜が外側になったり、吸湿性二軸延伸
熱可塑性樹脂フィルム層が外側になる場合は、アルミニ
ウム蒸着二軸延伸熱可塑性樹脂フィルム層の外側(大気
側)にさらに最内層のポリオレフィン系樹脂ヒートシー
ル性フィルム層と同等以上の融点を有する耐熱性フレキ
シブルシートを積層した層構成とすることが本考案では
完全密封性確保のために必要である。この耐熱性フレキ
シブルシートとしては各種の熱可塑性樹脂フィルム、各
種の紙、不織布、合成紙、セロハン、セルローズアセテ
ートフィルム等公知のフレキシブルシートの中から選択
して用いることが出来る。特に中性紙、晒クラフト紙、
不織布、二軸延伸ポリエステル樹脂フィルム、二軸延伸
ポリプロピレン樹脂フィルム、二軸延伸高密度ポリエチ
レン樹脂フィルム、塩化ビニリデン塗布各種二軸延伸熱
可塑性樹脂フィルム、グラシン紙、上質紙等がある。高
価になるがさらにアルミニウム蒸着一軸又は二軸分子配
向フィルムを積層することも好ましい。
上述の各層を積層するには公知の各種の接着剤を用い
ることができるが写真化学的に安定であるエクストルー
ジョンラミネート用ポリオレフィン系接着剤が特に好ま
しい。
エクストルージョンラミネート用ポリオレフィン系接
着剤はより具体的にいえば各種ポリエチレン樹脂、ポリ
プロピレン樹脂、ポリブチレン樹脂、などポリオレフィ
ン樹脂からなる重合物及びエチレン共重合体(EVA、EEA
等)樹脂の他L−LDPE樹脂の如く、エチレンに一部他の
モノマー(α−オレフィン)を共重合させたもの、Dupo
nt社の“サーリン”、三井ポリケミカル社の“ハイミラ
ン”、等のオイオノマー樹脂(イオン性共重合体)やポ
リオレフィン樹脂と不飽和カルボン酸及びその誘導体と
をグラフト変性した変性ポリオレフィン樹脂、例えば三
井石油化学(株)の“アドマー”、日本石油化学
(株)、“Nポリマー”、昭和電工(株)の“ERレジ
ン”、三菱油化(株)の“MODIC"、三菱化成工業(株)
の“ノバテック−AP"、エクソン社の“デクソン”、日
本ユニカー(株)の“NUC−ACE"、東亜燃料工業(株)
の“HAシリーズ”、出光石油化学(株)の“IDEMITSU P
LYTAC"、三井東圧化学(株)の“MITSUI LONPLY"、住友
化学(株)の“ボンド・ファースト”(接着性ポリマー
とも呼ばれる。)等がある。
特にLDPE樹脂とL−LDPE樹脂が安価でラミネート適性
に優れているので好ましい。さらにアンカーコートやコ
ロナ放電処理してもよく、接着強度の大きい接着性ポリ
マーを含むLDPE樹脂も好ましい。
これらの接着剤層は種層させようとするフレキシブル
シートより5℃以上融点が低いものであることが好まし
い。この程度の温度差があればフレキシブルシートに悪
影響を与えずに熱溶融接着を完全に行なわせることがで
きる。
熱可塑性樹脂を用いたエクストルージョンラミネート
法による接着剤層の厚さは、通例8〜50μm、好ましく
は10〜20μmとなるが、コスト、ラミネート速度、積層
体の全厚さ等に基づいて定められるので、この数値には
特に限定されない。
アルミ蒸着膜と二軸延伸熱可塑性樹脂フィルム層及び
各層を接着する積層用接着剤層の接着強度向上方法の代
表例を以下に記す。ラミネート業界で使用されている接
着促進剤または架橋剤を総称してAC剤(Anchor Coating
Agent)と呼んでいる。このAC剤は単なる接着剤と異な
り、化学的に接着する意味で接着剤とは区別してPrimer
あるいはAdhesive Promoter等とも呼ばれる。AC剤の代
表例を次に記す。
(1)有機チタネート(チタン系)アンカーコート剤 Tetra−propyl−titanateあるいはTetra−iso−butyl
−titanataを主成分にして、加水分解調整剤としてTetr
a−stearyl−titanateを添加して使用する。
(2)ポリエチレンイミン(イミン系)アンカーコート
剤 ポリエチレンイミン(−CH2−CH2−NH−n)の比較的
高重合度のものが用いられる。管理が容易でポットライ
フ(貯蔵寿命)が長いことから特に好ましい。
(3)イソシアネート系アンカーコート剤 イソシアネート基をもったポリマーを単独で用いるも
の(1液型)とOH基をもったポリエステル等と組合わせ
て用いるもの(2液型)があり、いずれも架橋等の化学
反応を起こし、接着効果があらわれる。欠点はポットラ
イフが短く高価。
(4)ポリエステル系及びウレタン系アンカーコート剤 飽和ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂を酢酸エチル、
トルエン等の溶剤に溶かして用いる。
(5)ポリオレフィン系アンカーコート剤 (6)ポリブタジエン系アンカーコート剤 AC層は極薄の厚さで形成するのがよい。AC剤のコーテ
ィング方法としてはグラビアロールーティング法、キス
ロールコーティング法、滴下コーティング法、バーコー
ティング法、リバースロールコーティング法、ダイレク
トロールコーティング法、エアナイフコーティング法等
が利用される。
アルミ蒸着膜と二軸延伸熱可塑性樹脂フィルム層及び
各層を接着するエクストルージョンラミネート接着剤層
の接着強度を向上させる表面物理的処理法の代表例を以
下に記す。これらを2種以上併用してもよく、またAC処
理と組み合わせてもよい。
フレーム(火焔)処理…ランニングコストが高く危険
性が有る。
プラズマ処理法…アルゴンガス等をプラズマに変換し、
接着面を処理する。物理強度はコロナ放電処理の数倍に
なるが、しかし装置コストもコロナ放電処理機の数十倍
にかかる。
コロナ放電処理…処理可能な基材は紙、各種ポリマー
フィルム、シートアルミニウム箔、アルミニウム真空蒸
着フィルム等である。もっとも多く用いられている安価
で効果の大きい処理である。
サンドブラスト処理…高圧でけい石等を吹きつけて表
面を粗面化する。
化学薬品処理…重クロム酸溶液等で表面処理する。
オゾン処理…オゾンを充填したボックス内で表面処理
する。エクストルージョンラミネート用の樹脂温度を低
下させても接着強度が向上する。
プレヒート処理…エクストルージョンラミネートさせ
ようにするフレキシブルシートをヒータードラムや熱風
等で加熱処理する。
その他に紫外線照射処理、高周波加熱処理、電気誘導
加熱処理、マイクロウェーブ処理等がある。
〔実施例〕
本考案のカラープリントの10年以上の長期保存が可能
な写真記録長期保存用包装袋の代表例を説明する。
〔本考案品〕
写真記録長期保存用包装袋は第1図に示した断面図の
積層フィルムで作られており、エチレン−dオレフィン
共重合体樹脂としてエチレンと4−メチルペンテン−1
共重合体樹脂91.85重量%、低密度ホモポリエチレン樹
脂4.8重量%、ファーネスカーボンブラック3.2重量%、
フェノール系酸化防止剤0.1重量%、脂肪酸アミド系滑
剤0.05重量%からなる樹脂組成物から成る厚さ50μmの
遮光性ポリオレフィン系樹脂ヒートシール性フィルム層
1aと高密度ポリエチレン樹脂20重量%、エチレンと4−
メチルペンテン−1共重合体樹脂71.9重量%、低密度ホ
モポリエチレン樹脂4.8重量%、ファーネスカーボンブ
ラック3.2重量%、フェノール系酸化防止剤0.1重量%か
らなる樹脂組成物からなる厚さ50μmの遮光性熱可塑性
樹脂フィルム層7aの2層よりなる多層共押出しフィルム
Iaの遮光性熱可塑性樹脂フィルム層面と厚さ500Åのア
ルミニウム真空蒸着膜3を厚さ15μmの二軸延伸ナイロ
ンフィルム2に蒸着したアルミニウム真空蒸着二軸延伸
ナイロンフィルム4に厚さ15μmの低密度ホモポリエチ
レン樹脂エクストルージョンラミネート接着剤層を介し
て二軸延伸ナイロンフィルム面と接着しアルミニウム真
空蒸着膜面と、秤量50g/m2の繊維長が4mmの晒クラフト
紙5とを厚さ15μmの低密度ホモポリエチレン樹脂エク
ストルージョンラミネート接着剤層6.6を介して接着し
た積層フィルムを用いて外寸が33.5cm×28.4cmの3方ヒ
ートシール袋(ヒートシール巾1cm)を作成し四つ切サ
イズのカラープリント(寸法30.5cm×25.4cm)を挿入後
巾1cmのヒートシートにより4方ヒートシール(各ヒー
トシール巾1cm)密封袋によりカラープリントを完全密
封包装した。
この積層フィルムの透湿度(JIS Z−0208の条件Bで
測定)は、1.0g/m2・24時間以下であり、酸素透過率は
(JIS Z−1707)は20cc/m2・24時間・atmであった。
ヒートシール後20℃、60%RHの恒温恒湿室に24時間及
び60日間放置後のヒートシール強度を第8図に示す。
本考案の包装袋でカラープリント(フジカラーペーパ
ー03使用)を完全密封包装し、銅製の内箱に入れチタン
合金製の中箱及びステンレス製の外箱(カプセル)の三
段構成の保護容器によって地震等の災害に耐えられる物
理強度を与えた。この保護容器を地中1メートルに埋設
した時の保存性をアレニウス法によってカラープリント
寿命の予測を行った結果を第9図に示す。
アレニウス法とは、化学反応(たとえば写真記録等の
劣化反応)速度の温度依存性を支配するアレニウスの法
則を利用して写真記録などのライフを予測する方法で、
ここでは90℃、80℃、70℃、60℃での強制試験から室温
でのカラープリントの経時カラー濃度とステインの変化
を求めた。
〔考案の効果〕
上に延べた長期保存の要件を満たす1つの方法として
カラープリントを完全密封包装袋に収納し、それを更に
耐圧・耐熱・耐蝕性の保護カプセルに収納して地中に保
存する方法を採用した。
完全密封包装袋は、第1図に示した積層構造の積層フ
ィルムで作られており、ポリオレフィン系樹脂ヒートシ
ール性フィルム層が完全密封性確保と写真化学的安定性
を、アルミニウム蒸着二軸延伸ナイロンフィルムが遮光
性とガス・湿気遮断性と物理強度を、カーボンブラック
が遮光性と経時ヒートシール強度保持性を、更に晒クラ
フト紙からなる耐熱性のフレキシブルシートが物理的強
度とヒートシール性を確保して完全密封性確保の要件を
満たすように設計されている。この積層フィルムは当社
の特許技術を用いて作製された。これを少なくとも地中
1メートルに埋設することにより、年間を通しての低温
と温度の恒常性を確保することができる。地中に埋設す
るためには、銅製の内箱、チタン合金の中箱及びステイ
ン製の外箱(カプセル)の三段構成の保護容器によって
地震などの災害に耐える物理強度が与えられる。この方
法によって国際規格(JIS 6051処理済み写真プリントの
保存方法)に示された推奨保存条件をすべて満たすこと
ができる。
【図面の簡単な説明】
第1図から第7図は本考案品のカラープリントの10年以
上の長期保存が可能な写真記録長期保存用包装袋に用い
る積層フィルムの代表的断面図である。第8図及び第9
図は実施例データを示すグラフである。そして第10図は
従来品の積層フィルムの断面図である。 1.1a……エチレン・α−オレフィン共重合体樹脂を10%
以上含むポリオレフィン系樹脂ヒートシール性フィルム
層 2.2a……二軸延伸熱可塑性樹脂フィルム層 ……耐熱性の二軸延伸熱可塑性樹脂フィルム層から成
る耐熱性フレキシブルシート層 3……アルミ蒸着膜 4.4a……アルミ蒸着二軸延伸熱可塑性樹脂フィルム層 5.5a……耐熱性フレキシブルシート 6.6a……接着剤層 7.7a……熱可塑性樹脂フィルム層 8.8a……低密度ホモポリエチレン樹脂フィルム層 9.……アルミニウム箔 Ia……多層共押出しフィルム a……遮光性物質を含むことを示す
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭60−151045(JP,A) 特開 昭56−135839(JP,A) 特開 昭52−60122(JP,A) 実公 平4−35890(JP,Y1)

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】最内層にエチレン・α−オレフィン共重合
    体樹脂を10重量%以上、カーボンブラックを0.5〜15重
    量%、脂肪酸アミド系滑剤を0.3重量%以下、酸化防止
    剤を0.01〜0.3重量%含むポリオレフィン系樹脂ヒート
    シール性フィルム層を、接着剤層を介して又は接着剤層
    を介さずに直接その外側のアルミニウム蒸着二軸延伸熱
    可塑性樹脂フィルム層に積層したフィルムであって、少
    なくとも圧延オイルを含まないアルミニウム蒸着膜の外
    側には、耐熱性のフレキシブルシートを有する積層構成
    であり、且つ酸素透過率が50cc/24時間・m2・atm以下、
    透湿度が5g/m2・24時間以下である積層フィルムにより
    構成したことを特徴とするカラープリントの10年以上の
    長期保存が可能な写真記録長期保存用包装袋。
JP1989040796U 1989-04-06 1989-04-06 写真記録長期保存用包装袋 Expired - Lifetime JP2521967Y2 (ja)

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