JPH1085534A - 自動フィルタ清掃装置付空調機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 塵埃吸入阻止用のフィルタを自動的に清掃で
きる空調機を提供する。 【解決手段】 送風機２３の回転により吸入口３１より
取り込まれる空気は、空調機内部に塵埃が吸引されない
ように、フィルタ３２で塵埃が取り除かれる。ここで取
り除かれた塵埃は、吸入口３１に対向する部分のフィル
タ３２に付着する。空調機３０の運転が一定積算時間に
達すると、フィルタ３２上に付着した塵埃を取り除くた
めに、駆動モータ４６を介して、軸４２及び駆動ローラ
３６が回転し、先ず、塵埃が付着した部分のフィルタ３
２は塵埃除去ケース部３８に送り込まれる。この塵埃除
去ケース部３８内では、軸４２に固定された回転振動子
４４が軸４２と連動回転し、この回転時に回転振動子４
４の先端がフィルタ３２に叩き付けられて、付着してい
た塵埃が落下除去される。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、空調機に関し、特
に空調機内部に外気中の塵埃の取込みを阻止するために
フィルタを備えた空調機に関する。

【０００２】

【従来の技術】図１１に従来の天井埋込み式の空調機１
０を示す。

【０００３】天井１４に埋設された空調機１０は、中央
に外気を吸入する吸入口１６が設けられ、この吸入口１
６の周囲には、空調機１０内において温度調節された空
気を送り出すための送風口１８が設けられている。

【０００４】また、前記吸入口１６には、外気中の塵埃
の空調機１０内への取込みを阻止するためのフィルタ２
０が吸込グリル２２に固定されて設けられている。

【０００５】この空調機１０の内部は、前記吸入口１６
に対向して送風機２３が設けられ、この送風機２３の回
転に吸入口１６から空気が取り入れられて、送風口１８
から空気が送り出される。また、この送風口から送り出
す空気を所定の温度に調節するための温度調節器２４
は、前記吸入口１６と送風口１８とを仕切るように内部
上端面から吊り下げ固定されている。この結果、前記送
風機２３により吸入口１６から吸入された空気は、温度
調節器２４を通過することで所定の温度に調節されて送
風口１８から室内へ送り出される。この温度調節器２４
の下方には、空調機を冷房運転している際の温度調節器
２４に付着する結露水を受けるためのドレンパン２６が
設けられている。

【０００６】上記の通り構成された空調機１０におい
て、送風機２３を始動させることにより、外気を吸入口
１６から吸収する。この際に、外気中の塵埃は吸入口１
６に設けられたフィルタ２０により吸着され取り除かれ
る。そして、吸入口１６から吸入された空気は、冷却器
１を通過することにより冷やされた後、送風口１８から
室内へと送風される。

【０００７】このように空調機１０を長期にわたり使用
すると、フィルタ２０には大量の塵埃が付着することに
なり、その結果、吸入口１６からの外気吸入が低下し、
送風口１８からは空気が十分に供給されなくなる。その
ため、通常、フィルタ２０は定期的に清掃され、空調機
１０の正常な運転が維持されている。

【０００８】図１２には、上記の従来の天井埋込み式の
空調機１０におけるフィルタ２０の清掃方法を示す。

【０００９】作業者２７は、脚立２８等の上に位置し
て、吸込グリル２２を開き、吸込グリル２２に固定され
たフィルタ２０を取り外す。ここで取り外されたフィル
タ２０は、流し台等の適当な場所に運ばれて、付着した
塵埃が取り除かれる。塵埃が除去されたフィルタ２０
は、元の吸込グリル２２に取り付けられて、吸込グリル
２２を閉じることにより清掃作業が終了する。

【００１０】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このフ
ィルタの清掃作業は人的な労力を要する作業であり、ま
た、特に天井埋め込み式の空調機の場合には、高所に設
置されていることから、その清掃作業は大変手間のかか
る作業である。

【００１１】また、この清掃作業を怠ると、吸入力の低
下を招くだけでなく、フィルタに付着した塵埃がフィル
タを通過して空調機の内部、特に温度調節器やドレンパ
ンに溜まった場合には、温度調節器の故障の原因やドレ
ンパンの排水口が詰り水漏れの原因となる。そのため、
フィルタへの塵埃の付着量の監視及び清掃作業は欠かす
ことができなかった。

【００１２】そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなさ
れたものであり、その目的とするところは、自動でフィ
ルタを清掃できる空調機を提供することである。

【００１３】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の空調機は、外気を吸入する吸入口を覆って
外気中の塵埃の取り込みを阻止するフィルタを備えた空
調機において、前記フィルタがループベルト状に形成さ
れ、前記フィルタの両端内側に設けられ前記フィルタを
送り駆動可能に巻回する一対のローラと、前記フィルタ
が通過可能な開口を備え、この開口を通り前記フィルタ
の塵埃付着部分が送り込まれる塵埃除去ケース部と、前
記塵埃除去ケース部内において前記フィルタの幅方向に
わたり係合するように設けられたフィルタ清掃装置と、
を含み、塵埃除去ケース部内において、ローラより送り
駆動されるフィルタに付着した塵埃がフィルタ清掃装置
により取り払われてフィルタが自動清掃されることを特
徴とする。

【００１４】上記構成によれば、空調機の吸入口がルー
プベルト状のフィルタが張設された状態で覆われて、吸
入口からの塵埃の吸入が阻止される。一方、ここで塵埃
を吸着した部分のフィルタは、両端に備えられたローラ
により塵埃除去ケース部内へ送り駆動され、この塵埃除
去ケース部内において、フィルタ清掃装置によりフィル
タから塵埃が除去されてフィルタの清掃が行われる。

【００１５】このように本発明の空調機においては、上
記の通り自動的にフィルタ清掃が実行されるため、従来
のように定期的にフィルタの清掃作業を行うことなく、
空調機の正常な運転を維持することができる。

【００１６】上記構成において、フィルタ清掃装置とし
ては、フィルタの塵埃を拭き取るもの、払い落とす例え
ばブラシ状のもの、振動により振るい落とすもの等が挙
げられるが、好適には、フィルタの塵埃を叩き落すこと
が可能な構成とする。具体的には、前記フィルタ清掃装
置は、前記ローラに沿って軸支された回転振動子から構
成し、この回転振動子の先端を前記フィルタに係合させ
ることができる。

【００１７】前記回転振動子を回転させる場合、ギヤ等
を介して前記ローラと回転振動子との軸とを係合させて
ローラと連動回転させることにより、一の駆動モータに
より、双方を回転させることが可能となる。

【００１８】上記の通りフィルタ清掃装置を回転振動子
から構成することにより塵埃除去、ケース部内におい
て、ローラより送り駆動されるフィルタに付着した塵埃
が叩き落されてフィルタが清掃される。

【００１９】

【発明の実施の形態】以下に、本発明の好適な実施の形
態を図面を用いて説明する。なお、従来の技術と同一の
部材には、同一の符号を付してその説明を省略する。

【００２０】図１には、本実施の形態の空調機３０の正
面断面図を示し、図２には、側面断面図を示す。

【００２１】図１において、ループベルト状に形成され
たフィルタ３２は、空調機３０内への塵埃等の吸入を防
止するために、吸入口１６を覆うように後述するローラ
３４及び駆動ローラ３６に両端で巻回されて設けられて
いる。

【００２２】前記ローラ３４は、空調機３０内の吸入口
１６の一端側、すなわち、図１において右手側に回転可
能に設けられている。また、駆動ローラ３６は、吸入口
１６の他端側に隣接して設けられた塵埃除去ケース部３
８の内部に設けられ、後述する軸２４に備えられた駆動
モータにより、この軸２４の回転と連動して駆動されて
いる。

【００２３】また、この塵埃除去ケース部３８の側壁に
は、フィルタ３２が丁度通過可能な開口４１が上下に２
本設けられ、この開口４１を通過して前記フィルタ３２
は塵埃除去ケース部３８内の駆動ローラ３６に巻回され
ている。また、これらローラ３４及び駆動ローラ３６に
巻回されたフィルタ３２を吸入口１６に平行に対向させ
ると同時、後述する回転振動子４４による振動を吸収す
るために、前記塵埃除去ケース部３８の近傍には２本の
支持ローラ４０が設けられている。

【００２４】前記塵埃除去ケース部３８には、前記フィ
ルタ３２に付着した塵埃を除去するためのフィルタ清掃
装置として回転振動子４４が設けられ、この回転振動子
４４は後に詳述するように、回転により先端が前記フィ
ルタ３２に押し当てられて、フィルタ３２上の塵埃を塵
埃除去ケース部３８内に叩き落とすように構成されてい
る。ここで叩き落とされた塵埃を回収し取り除くため
に、塵埃除去ケース部３８の底部は、取り外し可能な塵
埃受け３９が設けられている。

【００２５】以下に、前記回転振動子４４を詳述する。
この回転振動子４４は、前記駆動ローラ３６に沿って設
けられた軸４２にフィルタ３２の幅方向にわたり複数回
転可能に並設されている。また、この軸４２の一端に
は、軸４２を回転させるための駆動モータ４６が設けら
れている。

【００２６】前述したように、この軸４２の回転を前記
駆動ローラ３６に伝えるために、前記軸４２の一端には
駆動ギヤ４８が設けられ、一方の駆動ローラ３６には、
前記駆動ギヤ４８に係合して回転する係合ギヤ５０が設
けられている。この駆動ギヤ４８は、前記軸４２よりも
ゆっくりと駆動ローラ３６を回転させて、フィルタの送
り速度を下げるために、係合ギヤ５０よりも直径が小さ
く構成されている。従って、駆動ローラ３６により、ゆ
っくりと送られるフィルタ３２に回転振動子４４が繰り
返し押し付けられることになる。

【００２７】図４〜１０には、回転振動子４４が詳細に
示されている。

【００２８】回転振動子４４には、前記軸４２に固定さ
れ軸４２と連動回転する回転支持体５２が備えられ、こ
の回転支持体５２には、後述する振動体５４を支持する
ための支持溝５６が形成されている。

【００２９】この支持溝５６内で前後に振動可能に固定
された振動子５４は、後端が支持溝５６の側壁をわたす
ように設けられた支持軸５８に支持され、先端は前記支
持溝５６より突出し前記フィルタ３２に係合可能に設け
られている。また、前記振動子５４の背面５４ａと支持
溝５６の壁面との間には、スプリング６０が設けられて
いる。この結果、このスプリング６０の作用により振動
子５４が支持溝５６内を前後に振動し、この振動に伴い
振動子５４の先端がフィルタ３２に押し当てられる。

【００３０】次に、上記の通り構成された空調機３０の
動作を説明する。

【００３１】空調機３０の運転が開始すると、送風機２
３が始動し、外気が吸入口３１から取り込まれる。この
吸収の際、外気中の塵埃は吸入口３１を覆うように設け
られたフィルタ３２により取り除かれて、塵埃等を含ま
ない空気が吸入口３１より取り込まれる。ここで取り込
まれた空気は、温度調節器２４により所望の温度に調節
されて送風口３３から送風される。

【００３２】一方、フィルタ３２上に付着する塵埃を除
去するために、空調機３０の運転時間を積算し一定時間
に達すると、駆動モータ４６が始動し、それに伴い軸４
２が回転を開始する。この軸４２の回転により、軸４２
の一端に設けられた駆動ギヤ４８を介して係合ギヤ５０
が回転し、駆動ローラ３６が回転を開始する。この駆動
ローラ３６が回転を開始すると、駆動ローラ３６及びロ
ーラ３４に巻回されたフィルタ３２が回転し、吸入口３
１に対向していた部分すなわち塵埃が付着した部分が塵
埃除去ケース部３８内に送り込まれる。

【００３３】この塵埃除去ケース３８内では、図７〜１
０に示すように、軸４２の回転に伴い回転支持体５２が
回転し、振動体５４の先端がフィルタ３２に係合する。
この状態で、さらに軸４２が回転すると、振動体５４の
先端がスプリングのバネ圧によりフィルタ３２を押圧
し、この押圧力は軸４２に回転に伴い徐々に増す。フィ
ルタは、この押圧力により山状に凹み、この押圧力を支
え切れなくなくと、振動体５４の先端がフィルタ３２上
を滑り、これらの係合が外れ、振動体５４はスプリング
６０のバネ圧により急速にフィルタ３２から遠ざかる。
この時、一方のフィルタ３２は、前記振動体５４の押圧
により山状となっていた凹みが急速に平坦に戻り、この
戻る際に付着していた塵埃が落下除去される。

【００３４】ここでフィルタ３２から離れた振動体は、
軸４２の回転により再びフィルタ３２に係合する位置に
配置され、上記と同様の動作が、ゆっくりと送られるフ
ィルタに対して繰り返されて、ほぼ完全に塵埃がフィル
タ３２上から取り除かれる。

【００３５】ここで取り除かれた塵埃は、塵埃除去ケー
ス部３８に内に回収され、一定期間経過後に塵埃除去ケ
ース部３８の塵埃受け３９を取り外して取り除かれる。

【００３６】尚、上記において、フィルタ清掃装置とし
て、塵埃を叩き落とす回転振動子４４を採用したが、こ
れに代えて、塵埃を払い落とすブラシ状の構成、塵埃を
拭き取るような構成、振動により払い落とすような構成
を採用することも可能である。

【００３７】

【発明の効果】本発明の自動フィルタ清掃装置付空調機
は、空調機の吸入口がループベルト状のフィルタが張設
された状態で覆われて、吸入口からの塵埃の吸入が阻止
され、ここで、塵埃が吸着した部分のフィルタは、両端
に備えられたローラにより送り駆動されて塵埃除去ケー
ス部内で、フィルタ清掃装置により塵埃が除去されてフ
ィルタが清掃される。

【００３８】以上の通り、本発明によれば、フィルタ清
掃が自動的に実行されるため、従来のように人為的なフ
ィルタ清掃作業を削除することができることから、清掃
作業の簡便化及び効率的な空調機の運転を図ることがで
きる。

【００３９】また、本発明によれば、空調機における効
率的な空気循環を確保することができるため、無駄な電
力消費を削減することも可能となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本実施の形態における空調機の正面断面図で
ある。

【図２】 本実施の形態における空調機の左側面断面図
である。

【図３】 本実施の形態における空調機の平面断面図で
ある。

【図４】 本実施の形態における回転振動子の側面図で
ある。

【図５】 本実施の形態における回転振動子の背面図で
ある。

【図６】 本実施の形態における回転振動子の正面図で
ある。

【図７】 本実施の形態における回転振動子の回転時の
回転振動子とフィルタとの関係を示す側面図である。

【図８】 本実施の形態における回転振動子の回転時に
回転振動子がフィルタに押圧係合していることを示す側
面図である。

【図９】 本実施の形態における回転振動子の回転時に
フィルタが回転振動子の押圧係合から放たれたことを示
す側面図である。

【図１０】 本実施の形態における回転振動子の回転時
に回転振動子がフィルタから離れていく様子を示す側面
図である。

【図１１】 従来の空調機の正面断面図である。

【図１２】 従来の空調機において、フィルタ清掃のた
めに吸込グリル２２を開放したことを示す図である。

【符号の説明】

１０ 空調機、１６，３１ 吸入口、２０，３２ フィ
ルタ、３０ 空調機、３４ ローラ、３６ 駆動ロー
ラ、３８ 塵埃除去ケース部、４２ 軸、４４回転振動
子。

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 外気を吸入する吸入口を覆って外気中の
   塵埃の取り込みを阻止するフィルタを備えた空調機にお
   いて、 前記フィルタがループベルト状に形成され、 前記フィルタの両端内側に設けられ前記フィルタを送り
   駆動可能に巻回する一対のローラと、 前記フィルタが通過可能な開口を備え、この開口を通り
   前記フィルタの塵埃付着部分が送り込まれる塵埃除去ケ
   ース部と、 前記塵埃除去ケース部内において前記フィルタの幅方向
   にわたり係合するように設けられたフィルタ清掃装置
   と、を含み、 塵埃除去ケース部内において、ローラより送り駆動され
   るフィルタに付着した塵埃がフィルタ清掃装置により取
   り払われてフィルタが自動清掃されることを特徴とする
   自動フィルタ清掃装置付空調機。
2. 【請求項２】前記フィルタ清掃装置が、前記フィルタの
   幅方向に沿って軸支された回転振動子からなり、前記回
   転振動子の先端が前記フィルタに係合するように設けら
   れていることを特徴とする請求項１に記載の自動フィル
   タ清掃装置付空調機。
3. 【請求項３】前記塵埃除去ケース部がいずれか一方のロ
   ーラを取り囲むように設けられ、 前記回転振動子が前記ローラと連動回転することを特徴
   とする請求項２に記載の自動フィルタ清掃装置付空調
   機。