JPH1085254A - 使い捨ての体液吸収性着用物品 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 使い捨ての体液吸収性着用物品に取り付けら
れた粘着性帯状片の使用状態において、この帯状片の粘
着域が露出して物品取り扱い時の邪魔になることがない
ようにする。 【解決手段】 着用物品の一例である使い捨ておむつを
廃棄するときに丸めておくための粘着性帯状片１６が、
互いに重なり合って並行する第１，２帯状片１７，１８
によって構成される。第１帯状片１７は、おむつ外面３
と第２帯状片１８との間に位置し、第１端部２１が外面
３に固着され、第２端部２２が第２帯状片１８内面に固
着される。第２帯状片１８は第１帯状片１７の第１，２
端部２１，２２から延出する第３，４端部３３，３４が
その内面に形成された第１，２粘着域４１，４２におい
て物品外面３に剥離可能に接着される。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、使い捨ておむつ
や生理用ナプキン、吸尿パッドなどの使い捨ての体液吸
収性着用物品に関し、より詳しくは、該物品を着用した
り廃棄したりするときに該物品を所要の形状に保持する
ことが可能な形状保持手段を有する該物品に関する。

【０００２】

【従来の技術】米国特許第５，１８２，１５６号公報に
は、使い捨ておむつを着用するときに使用するテープフ
ァスナが開示されている。図６に側面図で示されたその
テープファスナは、Ｚ字型に折り畳まれたものであっ
て、Ｚ字の頂部水平線を形成する第１テープ部分６１、
斜線を形成する第２のテープ部分６２、底部水平線を形
成する第３テープ部分６３とによって構成されている。
図において第１テープ部分６１は、その下面に感圧性接
着剤６４が塗布されている。第２テープ部分６２は、右
端部が上面を内側にして折り返されて接着剤６４に対し
て接着されている。第２テープ部分６２の上面全体には
低粘着性のコーティング６８が施されている。第３テー
プ部分６３は左端部が上面を内側にして折り返されて接
着剤７０を介して第２テープ部分６２に接着されてい
る。第３テープ部分６３の内面には、感圧性接着剤のコ
ーティング７２が施されている。第２，第３テープ部分
６２，６３の間には、ホットメルト接着剤またはワック
スの塗布部７７が形成されている。折り畳まれたテープ
ファスナは、第１，２テープ部分６１，６２の下面と上
面とが接着剤６４を介して剥離可能に接着され、第２，
３テープ部分６２，６３の下面と上面とが接着剤７２と
ホットメルト接着剤塗布部７７とを介して剥離可能に接
着されている。このテープファスナは、非粘着性の自由
端部６５を摘持して左方へ引っ張ると、第１，２，３テ
ープ部分６１，６２，６３がそれぞれの剥離可能な接着
部位において互いに剥れ、全体が直線状に延びた一条の
テープファスナとなる。

【０００３】また、実公平８−１０３０５号公報には、
汚れたおむつを丸めて廃棄するときに使用する粘着性テ
ープが開示されている。このテープは、前記米国特許公
報に開示のテープファスナと同様に構成され、互いに連
結する第１，２，３テープ片がＺ字型に折り畳まれてい
る。このテープの第１，２テープ片の下面と上面とは剥
離可能に接着されているが、第２，３テープ片の下面と
上面とは単に重なり合うだけで接着されていない。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】前記米国特許第５，１
８２，１５６号公報のＺ字型に折り畳まれたテープファ
スナは、直状に延ばされると、第３テープ部分６３の感
圧性接着剤のコーティング７２が露出する。露出したコ
ーティング７２は肌や衣服にくっついて、おむつの着用
感を妨げることになりかねないし、廃棄するときには徒
に手にくっついたりすることもある。

【０００５】一方、前記実公平８−１０３０５号公報の
Ｚ字型の粘着性テープには、そのような問題がない。し
かしながら、このテープは、Ｚ字型に折り畳まれている
とはいえ、第２テープ片と第３テープ片とが固定されて
いないので、第１テープ片とそれに接着された第２テー
プ片とがおむつの裏面シート上で踊ってしまい、おむつ
を着用しているときの邪魔になったり、おむつを着用す
る乳幼児のいたずらの対象になり易く、そのいたずらに
よってテープが延ばされてテープ粘着面を徒に汚すこと
になりかねない。

【０００６】そこで、この発明は、使い捨ての体液吸収
性着用物品において、該物品に取り付けられた粘着性テ
ープが折り畳んだ状態に確実に保持され、しかも、その
粘着性テープが延びたときに、粘着域が徒に露出するこ
とがないようにすることを課題にしている。

【０００７】

【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、この発明が前提とするのは、着用したときに肌当接
側となる内面と肌非当接側となる外面とを有し、前記内
面から体液を吸収する物品の前記外面に、該物品を着用
するときおよび／または廃棄するときに該物品を所要の
形状に保持するために使用可能な形状保持手段を有する
使い捨ての体液吸収性着用物品である。

【０００８】かかる前提において、この発明が特徴とす
るところは、前記手段が、互いに重なり合って並行する
少なくとも第１帯状片と第２帯状片とによって構成さ
れ、前記第１帯状片は、前記物品外面と第２帯状片との
間に位置し、前記物品外面と向かい合う内面と該内面の
裏面側である外面とを有し、長手方向が第１端部とその
反対端部である第２端部とこれら第１，２端部間に位置
する第１中間部とによって構成され、前記第１端部にお
いて前記物品に固着され、前記第２帯状片は、前記第１
帯状片外面と向かい合う内面と該内面の裏面側である外
面とを有し、長手方向が第３端部とその反対端部である
第４端部とこれら第３，４端部間に位置する第２中間部
とによって構成され、前記第３端部が前記第１帯状片の
第１端部を越えてその先に位置する一方、前記第４端部
が前記第２端部を越えてその先に位置し、これら第３，
４端部それぞれの内面に形成された粘着域において前記
物品外面に剥離可能に接着されるとともに、前記第３端
部には前記粘着域よりもさらに先の部位に内外面が非粘
着性の摘持域が形成され、前記第２中間部には前記第４
端部近傍の内面に前記第１帯状片の第２端部が固着され
ていること、にある。

【０００９】この発明の実施態様の一つにおいて、前記
物品は、その外面に剥離用シート片が固着され、前記第
２帯状片が該シート片を介して前記物品外面に剥離可能
に接着されていることがある。

【００１０】この発明の実施態様の他の一つにおいて、
前記第１帯状片は、前記第１端部が前記内面を内側にし
て折り返されて、その折り返された部位において前記物
品外面に固着され、前記第２端部が前記外面を内側にし
て折り返されて、その折り返された部位において前記第
２帯状片内面に固着されていることがある。

【００１１】

【発明の実施の態様】この発明に係る使い捨ての体液吸
収性着用物品として使い捨ておむつを例にとり、その詳
細を添付の図面を参照して説明すると、以下のとおりで
ある。その説明において、直接的または間接的に当接し
ているものどうしが固着されているというときには、そ
れらのものが実質的に剥離不能な状態にあることを意味
している。また、接着されているというときには、接着
剤または粘着剤を介してそれらが剥離可能または剥離不
能な状態にあることを意味している。

【００１２】図１に部分破断斜視図で示された使い捨て
おむつ１は、パンツ型のものであって、熱可塑性合成繊
維からなる不織布性の透液性内面シート２と、熱可塑性
合成樹脂フィルム製の不透液性外面シート３と、これら
両シート間に介在する吸液性コア４とによって構成さ
れ、前胴周り域（前身頃）６と、後胴周り域（後身頃）
７と、これら両域６，７に位置する股下域８とを有す
る。内外面シート６，７は、コア４の周縁から延出し、
ホットメルト接着剤（図示せず）を介して互いに固着さ
れている。また、前後胴周り域６，７の左右側縁部は互
いに合掌状に重なり合い、上下方向に間欠的に配設され
た部位９において溶着している。その溶着によって、胴
周り開口部１１と、左右の脚周り開口部１２とが形成さ
れている。後胴周り域７の左右を二分する中心線Ｃ−Ｃ
上には、汚れたおむつを捨てるときに、それを丸めた
り、折り畳むために使用する廃棄処理手段１６が設けら
れている。

【００１３】図２は、図１のＣ−Ｃ線部分断面図であっ
て、外面シート３の外面には、熱可塑性合成樹脂フィル
ム製の剥離用シート１０がホットメルト接着剤（図示せ
ず）を介して固着され、フィルム１０の外面に廃棄処理
手段１６が位置している。

【００１４】廃棄処理手段１６は、互いに重なり合って
並行する第１帯状片１７と第２帯状片１８とによって構
成されている。第１帯状片１７は、外面シート３と向か
い合う内面２６とその裏面側である外面２７とを有し、
おむつ１の上下方向に第１端部（上端部）２１と、第２
端部（下端部）２２と、第１，２端部間に位置する第１
中間部２３とを有する。第１端部２１は、その内面２６
がホットメルト接着剤２４を介して剥離用シート１０に
固着される一方、第２端部２２は、その外面２７が第２
帯状片１８の後記内面２８に固着され、第１中間部２３
は自由な変形が可能である。第２帯状片１８は、第１帯
状片１７と向かい合う内面２８とその裏面側である外面
２９とを有し、第１帯状片１７の第１端部２１から延出
してその先に位置する第３端部（上端部）３３と、第２
端部２２から延出してその先に位置する第４端部（下端
部）３４と、第３，４端部間に位置する第２中間部３６
とを有する。第３端部３３には内外面２８，２９が非粘
着性の先端摘持部３７と、摘持部３７に隣接する部位の
内面２８に粘着剤３８が塗布された第１粘着域４１とが
形成されている。第４端部３４の内面２８には第２粘着
剤３９が塗布された第２粘着域４２が形成されている。
これら第１，２粘着域４１，４２は、剥離用シート１０
に剥離可能に接着されている。

【００１５】このように構成されたおむつ１では、第２
帯状片１８の摘持部３７を持って矢印Ａ方向へ引っ張る
と、第１，２粘着域４１，４２が剥離用シート１０から
剥れ、第１，２帯状片１７，１８が仮想線のように一条
となって長く延びる（図１を併せて参照）。

【００１６】図３は、廃棄処理手段１６を使用して丸め
られたおむつ１の斜視図である。汚れたおむつ１は、胴
周り開口部１１から股下域８へ向かって上から下へと丸
められた後に、長く延びた第１，２帯状片１７，１８が
巻きつけられ、第１粘着域４１が外面シート３の適宜の
部位に接着される。

【００１７】再び図２において、第１，２帯状片１７，
１８が延びた状態では、第１，２粘着域４１，４２がと
もに外面シート３と直接的または間接的に向かい合った
状態にあるから、図３のおむつ１において、これら第
１，２粘着域４１，４２が露出しておむつ１を取り扱う
者の手などに徒に付着することがない。また、第２粘着
域４２は、第１，２帯状片１７，１８が延びる過程で、
図示されたように第１帯状片１７の内面２６に付着する
ことが可能であり、かかる付着によって第１，２帯状片
１７，１８の剥離を防止することもできる。図２では、
重なり合う第１，２帯状片１７，１８や剥離用シート１
０の相互の位置関係の理解を容易にするために、それら
帯状片１７，１８とシート１０の離間寸法が誇張され、
それに伴いホットメルト接着剤２４や第１，２粘着剤３
８，３９の厚みも誇張され、かつ、相対的な厚み関係も
無視されている。しかしながら、これら接着剤２４や第
１，２粘着剤３８，３９は、当該技術分野において周知
慣用の技術によって塗布されればよいもので、それによ
って得られる廃棄処理手段１６は、第１，２帯状片１
７，１８と剥離用シート１０とが相互に密着し、薄手の
ものとなる。

【００１８】図４は、おむつ１を構成する廃棄処理手段
１６の一例を示す図２と同様な図面である。この手段１
６では、第１帯状片１７の第１端部２１が内面２６を内
側にして折り返され、その折り返された部位がホットメ
ルト接着剤２４を介して剥離用シート１０に固着され、
第２端部２２が外面２７を内側にして折り返され、接着
剤２４を介して第２帯状片１８の内面２８に固着されて
いる。かかる手段１６は、仮想線のように長く延びたと
きに、第１帯状片１７の第１，２端部２１，２２の折り
返しが消えて直状となることにおいて、図２の手段１６
と異なる。図４の場合には、第２帯状片１８が矢印Ａ方
向へ強く引っ張られたときに、第１帯状片１７が第２帯
状片１８に固着する第１端部２１および剥離用シート１
０に固着する第２端部２２には、剪断力が作用するのみ
でいわゆる剥離力が作用しないから、第１帯状片１７
は、それが固着される部位において容易に剥離すること
がない。なお、図４の廃棄処理手段１６は、第１帯状片
１７の態様を除けば図２のそれと同じである。

【００１９】図５もまた、おむつ１を構成する廃棄処理
手段１６の一例を示す図２と同様な図面である。このお
むつ１では、図２と同じ廃棄処理手段１６が、外面シー
ト３に対して直接取り付けられている。第１帯状片１７
の第１端部２１は、ホットメルト接着剤２４を介して外
面シート３に固着され、第２帯状片１８の第３，４端部
３３，３４は、第１，２粘着剤３８，３９を介して、外
面シート３に剥離可能に接着されている。この剥離を容
易にするために、外面シート３の所要部位に離型剤４６
が塗布されている。

【００２０】この発明において、使い捨ての体液吸収性
着用物品とは、図示例のおむつの他に、トレーニングパ
ンツ、失禁者用吸尿パッド、生理用ナプキン等、肌に当
接して体液を吸収させるためのものを広く意味してい
る。また、この発明における形状保持手段には、前記物
品を廃棄するときに丸めたり、折り畳んだりするために
使用する廃棄処理手段の他に、前記物品を着用するとき
に使用するテープファスナが含まれる。第１および／ま
たは第２帯状片１７，１８には、その長手方向において
非伸長性または非伸縮性のテープ素材を使用することが
できる他に、その素材に代えて伸長性または伸縮性の素
材を使用することもできる。

【００２１】

【発明の効果】この発明に係る使い捨ての体液吸収性着
用物品では、その形状を保持するために使用される手段
が互いに並行して重なる第１，２帯状片によって構成さ
れている。第２帯状片は、第１帯状片の第１，２端部か
ら延出する部分の内面に形成された粘着域において着用
物品の外面シートに剥離可能に接着され、第１帯状片
は、第２帯状片と外部シートとの間に位置し、両端部の
それぞれが第２帯状片と外面シートとに固着されてい
る。第１，２帯状片が長く延ばされると、第２帯状片の
粘着域は、外面シートと向かい合う状態となって露出す
ることがなく、着用物品取り扱い時の邪魔になることが
ない。

【図面の簡単な説明】

【図１】使い捨ておむつの部分破断斜視図。

【図２】図１のＣ−Ｃ線部分断面図。

【図３】丸められたおむつの斜視図。

【図４】廃棄処理手段の一態様を示す図２と同様な図
面。

【図５】廃棄処理手段の他の一態様を示す図２と同様な
図面。

【図６】従来技術によるテープファスナの側面図。

【符号の説明】

１ 着用物品（おむつ） ２ 内面（シート） ３ 外面（シート） ４ コア １０ 剥離用シート １６ 保持手段 １７ 第１帯状片 １８ 第２帯状片 ２１ 第１端部 ２２ 第２端部 ２３ 第１中間部 ２６ 内面 ２７ 外面 ２８ 内面 ２９ 外面 ３３ 第３端部 ３４ 第４端部 ３６ 第２中間部 ３７ 摘持域 ４１，４２ 粘着域

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 着用したときに肌当接側となる内面と肌
   非当接側となる外面とを有し、前記内面から体液を吸収
   する物品の前記外面に、該物品を着用するときおよび／
   または廃棄するときに該物品を所要の形状に保持するた
   めに使用可能な形状保持手段を有する使い捨ての体液吸
   収性着用物品であって、 前記手段が、互いに重なり合って並行する少なくとも第
   １帯状片と第２帯状片とによって構成され、 前記第１帯状片は、前記物品外面と第２帯状片との間に
   位置し、前記物品外面と向かい合う内面と該内面の裏面
   側である外面とを有し、長手方向が第１端部とその反対
   端部である第２端部とこれら第１，２端部間に位置する
   第１中間部とによって構成され、前記第１端部において
   前記物品に固着され、 前記第２帯状片は、前記第１帯状片外面と向かい合う内
   面と該内面の裏面側である外面とを有し、長手方向が第
   ３端部とその反対端部である第４端部とこれら第３，４
   端部間に位置する第２中間部とによって構成され、前記
   第３端部が前記第１帯状片の第１端部を越えてその先に
   位置する一方、前記第４端部が前記第２端部を越えてそ
   の先に位置し、これら第３，４端部それぞれの内面に形
   成された粘着域において前記物品外面に剥離可能に接着
   されるとともに、前記第３端部には前記粘着域よりもさ
   らに先の部位に内外面が非粘着性の摘持域が形成され、
   前記第２中間部には前記第４端部近傍の内面に前記第１
   帯状片の第２端部が固着されていることを特徴とする前
   記物品。
2. 【請求項２】 前記物品は、その外面に剥離用シート片
   が固着され、前記第２帯状片が該シート片を介して前記
   物品外面に剥離可能に接着されている請求項１記載の物
   品。
3. 【請求項３】 前記第１帯状片は、前記第１端部が前記
   内面を内側にして折り返されて、その折り返された部位
   において前記物品外面に固着され、前記第２端部が前記
   外面を内側にして折り返されて、その折り返された部位
   において前記第２帯状片内面に固着されている請求項１
   または２記載の物品。