JP2575584Y2 - 使い捨ておむつ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この考案は、使い捨ておむつに関
する。

【０００２】

【従来の技術】従来、使い捨ておむつにおいて、前身頃
または後身頃いずれか一方の身頃の左右両側縁にそれか
ら延出するテープファスナーを設け、おむつを着用した
ときにそのテープファスナーの自由端部を他方の身頃の
外面、またはその外面に固着したターゲットテープ片に
着脱可能に止着する技術は周知である。例えば実開昭５
８−８３４０５号は、後身頃の左右両側縁にそれから延
出する粘着性のテープファスナーを設ける一方、前身頃
の裏面シート外面に胴周り方向へ延在する外面が平滑な
補強シート片を固着する構造の使い捨ておむつを開示し
ている。この補強シート片は、テープファスナーを剥離
可能に貼着するためのターゲットテープ片であって、こ
こでテープファスナーの貼着、剥離を繰り返すと、比較
的薄手のプラスチックシートからなる裏面シートであっ
ても破れることがない。なお、これら粘着性のテープフ
ァスナーとそのターゲットテープ片との組合せを、商品
名ベルクロで知られるような雌雄の組合せからなる面フ
ァスナーに代える技術も周知である。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】ところで、使用後のお
むつを廃棄する場合に、後身頃に粘着性テープファスナ
ーを有するおむつは、前身頃から後身頃へと丸め、最後
にそのテープファスナーを利用してしっかり止めておく
と、汚れた部分が露出しないから取り扱い易く、また、
清潔でもある。しかるに、この丸める手順を誤り、後身
頃から丸めてしまうとテープファスナーが巻き込まれ、
止着できなくなるという問題を生ずることがある。ま
た、面ファスナーを使用したおむつでは、粘着性テープ
ファスナーのように丸めたおむつを止めておくことがで
きないという問題がある。

【０００４】そこで、この考案は、テープファスナーを
止着すべきターゲットテープ片の一部をおむつ外面に対
して剥離および再貼着可能にすることにより、おむつを
丸めたのちに止めておくことができない場合を生ずると
いう前記従来技術の問題を解決することを課題にしてい
る。

【０００５】

【課題を解決するための手段】この考案が前記課題を解
決するために手段とするところは、以下のとおりであ
る。

【０００６】この考案においては、前身頃と後身頃との
間に股下部が介在し、前後身頃いずれか一方の身頃の側
縁からテープファスナーが延出し、他方の身頃の外面に
テープファスナーを着脱可能に止着するためのターゲッ
トテープ片が設けてある使い捨ておむつが前提である。

【０００７】かかる前提において、ターゲットテープ片
の胴周り方向外端部が前記外面に対して非粘着性の摘持
用端縁部と、剥離および再貼着可能であって前記端縁部
に内側から隣接する粘着部とによって構成されているこ
とがこの考案の特徴である。

【０００８】

【作用】このように構成した使用後の使い捨ておむつ
は、最後にターゲットテープ片が露出するように丸め、
該テープ片の摘持端を持って粘着部を身頃の外面から剥
離したのち、丸めたおむつの適宜の部位に貼着しておむ
つが広がらないように止める。使い捨ておむつのテープ
ファスナーが粘着性のものである場合には、そのテープ
ファスナーによって丸めたおむつを止めておくこともで
きるから、おむつは前後身頃のどちらからでも丸めるこ
とが可能になる。また、テープファスナーが面ファスナ
ーである場合には、ターゲットテープ片が必ず最後に露
出するようにおむつを丸める。

【０００９】

【実施例】この考案に係る使い捨ておむつの詳細を添付
の図面を参照して説明すると、以下のとおりである。

【００１０】図１は、使い捨ておむつ１を着用状態に組
み立てたときの斜視図である。このおむつ１は、開放型
のおむつであって、胴周り両側部で前身頃５に後身頃６
を重ね合わせたのち、後身頃６の側縁から延出するテー
プファスナー１０を前身頃５の胴周り方向へ延在するタ
ーゲットテープ片１３上の適宜の位置に剥離可能に貼着
してある。このようにおむつ１を組み立てることによ
り、胴周り開口部１１と左右一対の脚周り開口部１２と
が形成されている。なお、ターゲットテープ片１３上の
数字は、テープファスナー１０を貼着する位置の目安で
ある。

【００１１】図２は、開放状態にあるおむつ１の部分破
断斜視図である。おむつ１は、透液性表面シート２、不
透液性裏面シート３、これら両シート２，３間に介在す
る吸液性コア４とからなり、前身頃５と後身頃６との間
に股下部７を有する。後身頃６の両側縁のテープファス
ナー１０は、側縁に対する固定端部８と延出端部９とを
有し、延出端部９は、摘持域を形成する非粘着性の端縁
部９Ａと、その内側にあって内面に粘着剤を塗布した粘
着部９Ｂとによって構成されている。使用前のおむつ１
では、テープファスナー１０をおむつ１の側縁に沿って
内側へ折曲し、粘着部９Ｂを固定端部８へ剥離可能に貼
着し、粘着剤が汚れるのを防止する。図２では、一対の
テープファスナー１０の一方をそのように折曲、貼着し
て示し、もう一方を剥離、伸展して示してある。

【００１２】また、おむつ１の前身頃５において、裏面
シート３の外面には、胴周り方向へ延在するターゲット
テープ片１３がある。ターゲットテープ片１３は、おむ
つ１を左右に二分する中心線Ｃ−Ｃに関して左右対称で
あって、裏面シート３よりやや厚手のプラスチックシー
トからなり、胴周り方向の中央部１５はホットメルト接
着剤（図示せず）を介して裏面シート３に実質的に剥離
不能に固着し、中央部１５の両外側部１６は内面に塗布
した粘着剤１８を介して裏面シート３に剥離可能に貼着
し、外側部１６のさらに外側である端縁部１７は、ター
ゲットテープ片１３を構成するプラスチックシートその
ものであって、裏面シート３に対し非粘着性の摘持可能
な領域である。かかる端縁部１７は、ターゲットテープ
片１３の端縁を内側へ折り重ね、それを粘着剤１８で止
めることによってつくることもできる。端縁部１７を摘
持すれば、外側部１６を裏面シート３から剥離すること
ができる。ターゲットテープ片１３の外面は平滑で、必
要ならその表面に離型剤を塗布し、テープファスナー１
０の貼着、剥離の繰り返しを可能にしてある。図２で
は、ターゲットテープ片１３の左右の外側部１６のうち
の一方を裏面シート３から剥離して示し、他方を裏面シ
ート３に貼着して示してある。

【００１３】図３は、使用後のおむつ１を丸めて止める
ときの手順を示す図である。おむつ１は、まず後身頃６
の左右両側を内方へ折り（ステップ１）、次いで、後身
頃６から前身頃５へと丸めたのち、ターゲットテープ片
１３の外側部１６を裏面シート３から剥離する（ステッ
プ２）。最後に、外側部１６をおむつ１の適宜の部位に
貼着し、おむつ１が広がらないように止めておく。

【００１４】このおむつ１では、手順を間違えて前身頃
５から後身頃６へと丸めてしまったなら、ファスナーテ
ープ１０を利用して止めることができる。また、ファス
ナーテープ１０とターゲットテープ片１３とを、雌雄一
対の面ファスナーに代えたおむつ１では、ターゲットテ
ープ片１３に代わる面ファスナーに粘着性の外側部１６
と非粘着性の端縁部１７とを設ければよい。

【００１５】この考案において、ターゲットテープ片１
３にはポリエチレン、ポリエステルなどの各種プラスチ
ックからなるシートを使うことができる。表面シート２
や裏面シート３、ファスナーテープ１０、吸液性コア４
には周知の素材を使用することができる。

【００１６】

【考案の効果】この考案に係る使い捨ておむつにおいて
は、ファスナーテープの相手方となるターゲットテープ
片を利用して、丸めたおむつを止めるようにしたから、
ファスナーテープが粘着性のものである場合には、前後
身頃のいずれからおむつを丸めても、それを止めておく
ことが可能になる。また、ファスナーテープが面ファス
ナーである場合にも、別に粘着テープなどを用意せずに
丸めたおむつを止めておくことが可能になる。

【図面の簡単な説明】

【図１】着用状態に組み立てた使い捨ておむつの斜視
図。

【図２】使い捨ておむつの部分破断斜視図。

【図３】使い捨ておむつを丸める手順を示す図。

【符号の説明】

１ 使い捨ておむつ ５ 前身頃 ６ 後身頃 ７ 股下部 １０ テープファスナー １３ ターゲットテープ片 １６ 粘着部（外側部） １７ 端縁部

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】前身頃と後身頃との間に股下部が介在し、
   前記前後身頃いずれか一方の身頃の側縁からテープファ
   スナーが延出し、他方の身頃の外面に前記テープファス
   ナーを着脱可能に止着するためのターゲットテープ片を
   有する使い捨ておむつにおいて、 前記ターゲットテープ片の胴周り方向外端部が前記外面
   に対して非粘着性の摘持用端縁部と、剥離および再貼着
   可能であって前記端縁部に内側から隣接する粘着部とに
   よって構成されていることを特徴とする前記おむつ。