JPH1081931A - 耐食性に優れた熱交換器 - Google Patents

耐食性に優れた熱交換器

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JPH1081931A
JPH1081931A JP23566296A JP23566296A JPH1081931A JP H1081931 A JPH1081931 A JP H1081931A JP 23566296 A JP23566296 A JP 23566296A JP 23566296 A JP23566296 A JP 23566296A JP H1081931 A JPH1081931 A JP H1081931A
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JP
Japan
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tube
fin member
brazing
heat exchanger
corrosion resistance
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JP23566296A
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Shu Kuroda
周 黒田
Ken Toma
建 当摩
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MA Aluminum Corp
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Mitsubishi Aluminum Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、チューブが腐食し難いとともに、
チューブとフィン部材にわたって液が付着していない場
合であってもチューブの耐食性が高く、フィン部材の耐
食性も高い熱交換器を提供することを目的とする。 【解決手段】 本発明は、複数のヘッダーパイプ1、2
とチューブ3とフィン部材4が具備されてなる熱交換器
において、フィン部材4が、Mn:0.05〜2.5%、
Zn:2.5〜8%、Si:0.02〜1.5%、Fe:
0.05〜2.0%、Zr:0.05〜0.25%を含有す
るアルミニウム合金芯材の少なくとも一面にAl合金ろ
う材層をクラッドしたブレージングシートからなり、チ
ューブ3とフィン部材4のろう付け部のフィレット部6
aにフィン部材4を構成する合金成分のうち、Znが拡
散されてなり、ろう付け部6のフィレット部6aと、フ
ィン部材4のアルミニウム合金芯材と、チューブ3の順
で電気化学的に次第に貴となるように構成されてなるも
のである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、チューブとフィン
部材の耐食性を向上させる技術に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の熱交換器において、ヘッ
ダーパイプと称される左右一対の管体の間に多数のチュ
ーブを互いに平行に間隔をあけてヘッダーパイプと直角
に架設し、各チューブの端部をヘッダーパイプの側面に
接続して各チューブの内部空間とヘッダーパイプの内部
空間を連通させ、複数のチューブの間にフィン部材を配
して熱交換性を高めた構成の熱交換器が知られている。
この形式の熱交換器にあっては、ヘッダーパイプの内部
と各チューブの内部に渡って媒体が循環され、各チュー
ブ間に配されたフィンを介して効率よく熱交換できるよ
うになっている。
【0003】そして、この形式の熱交換器においてAl
あるいはAl合金からなる熱交換器にあっては、通常、
チューブとフィン部材がろう付けにより接合されるの
で、この際のろう付け性を考慮して、Al-Si系合金
などのろう材層を予めAl合金芯材にクラッド圧着した
構成のブレージングシートからなるフィン部材が用いら
れており、このフィン部材がろう付けによりチューブに
取り付けられていた。
【0004】また、前記構成の熱交換器において、ろう
付け部のフィレット部(ろう材が溶融凝固した部分)と
その周囲部分の耐食性を高めるために、フィン部材のA
l合金芯材にZn,In,Sn等の電位卑化元素を添加
してフィンの電位を他の部分よりも卑とすることによ
り、いわゆる犠牲陽極フィンを構成し、これによって仮
に腐食が生じた場合であっても、フィン部材を積極的に
腐食させてチューブは腐食しないように構成し、チュー
ブの耐食性を確保してチューブ内を流れる媒体の漏洩が
生じないようにすることがなされている。ところが、フ
ィン部材とチューブが濡れていない場合、あるいは、濡
れていても濡れた部分の液の導電率が低い場合、更には
電気化学的に最も卑であるフィン部材が濡れた部分から
離れている場合は、その陰極防食効果はほとんど期待で
きないことになるために、フィン部材のみによる防食機
構では不十分となり易い傾向がある。そこで従来では、
熱交換器のチューブ全体にZn層を溶射またはメッキで
形成し、このZn層による犠牲防食機構によってチュー
ブを防食する手法がとられてきた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前述の如く従来の犠牲
陽極機構を有する熱交換器にあっては、チューブやろう
付け部よりもフィン部材が優先的に腐食することによっ
てチューブの耐食性が高められているが、フィン部材の
腐食速度が速く、比較的早期にフィン部材の一部が失わ
れることがあると、熱交換効率の低下や疲労強度の低下
を引き起こし易い問題があった。また、従来構造の熱交
換器のチューブにおいては、フィン部材による犠牲陽極
防食機構のみでは耐食性の面で不満があり、特に、防食
効果の及ばないフィン部材どうしの間で濡れた場合には
腐食が早期に進行しやすく、腐食により貫通孔が形成さ
れてしまうおそれもあった。次に、チューブ全体にZn
層を溶射またはメッキにより形成することにより耐食性
は改善されるが、Zn層をチューブ全体に形成するため
に生産コストが上昇し、製造時間も長くなって製造効率
が低下してしまう問題があった。
【0006】本発明は前記課題に鑑みてなされたおので
あって、チューブ全面にZn層を形成しなくともチュー
ブが腐食し難いとともに、チューブとフィン部材にわた
って液が付着していない場合であってもチューブの耐食
性が高く、フィン部材の耐食性も高いとともに、疲労強
度の低下も少ない耐食性に優れた熱交換器を提供するこ
とを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は前記課題を解決
するために、複数のヘッダーパイプと、これらのヘッダ
ーパイプ間に架設された複数のチューブと、各チューブ
にろう付けされたフィン部材とが具備されてなる熱交換
器において、前記フィン部材が、Mn:0.05〜2.5
%、Zn:2.5〜8%、Si:0.02〜1.5%、F
e:0.05〜2.0%、Zr:0.05〜0.25%を含
有し、残部Alと不可避不純物からなるアルミニウム合
金芯材の少なくとも一面に、Al合金ろう材層をクラッ
ドしたブレージングシートからなり、かつ、チューブと
フィン部材とのろう付け部のフィレット部にフィン部材
を構成する合金成分のうち、Znが拡散されてなり、ろ
う付け部のフィレット部と、フィン部材のアルミニウム
合金芯材と、チューブの順で電気化学的に次第に貴とな
るように構成されてなるものである。また、ろう材層
は、Znを含まないAl-Si系のAl合金からなるこ
とが好ましい。
【0008】Znを含まないAl合金ろう材層を芯材に
被覆してフィン部材を構成し、フィン部材の芯材にZn
を2.5〜8%含有させたので、フィン部材をチューブ
にろう付けすることで芯材のZnはろう付け部分お溶融
凝固部分であるフィレット部に拡散される。これによ
り、ろう付け部のフィレット部と、フィン部材のアルミ
ニウム合金の芯材と、チューブの順で電気化学的に次第
に貴となるように各部材が配置されるので、ろう付け部
のフィレット部に比べてフィン部材が腐食し難くなり、
フィン部材よりもチューブが腐食し難くなる。これによ
り、フィン部材の全面にZn層を設けなくともチューブ
およびフィン部材の防食効果を得ることができる。
【0009】前記の構成において前記アルミニウム合金
芯材に、更に、Ti:0.05〜2.5%、Cr:0.0
2〜1.5%、V:0.05〜0.7%、Cu:0.05〜
0.7%、Mg:0.05〜0.7%の内、1種または2
種以上が含有されてなる構成とすることもできる。これ
らの元素が添加されることで、アルミニウム合金芯材の
組織が微細化し、疲労強度が向上する。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態について説明する。図1は本発明に係る熱交換
器の一例を示すもので、この例の熱交換器Aは、左右に
配置されて上下方向に伸びるヘッダーパイプ1、2と、
これらのヘッダーパイプ1、2の間に相互の間に間隙を
あけて互いに平行に、かつ、ヘッダーパイプ1、2に対
して直角に接合された複数のチューブ3と、チューブ3
にそれぞれろう付けされた波形のフィン4を主体として
構成されている。前記ヘッダーパイプ1、2とチューブ
3とフィン部材4は、それぞれ熱伝導性に優れたAlま
たはAl合金から構成されているが、これらの中でチュ
ーブ3は後述の組成のAl合金の押出材から構成され、
フィン部材4は、後述の組成のAl合金の芯材4aと、
この芯材4aの表面と裏面を覆って設けられた後述の組
成のAl合金からなるろう材層4bとからなるブレージ
ングシートをフィン状に加工することで構成されてい
る。
【0011】次に、前記チューブ3は、MnとCuとS
iとMgを添加したAl合金の押出材から形成され、各
添加元素の含有量は、0.1%≦Mn≦1.5%、0.0
5%≦Cu≦1.0%、0.1%≦Si≦1.0%、0.0
5%≦Mg≦1.0%、0.05%≦Zr≦0.25%、
0.02%≦Ti≦0.25%の関係を満足することが好
ましい。
【0012】前記アルミニウム合金芯材4aは、Alに
対し、Mn、Zn、Si、Fe、Zrを添加したAl合
金から構成され、各添加元素の含有量は、0.05%≦
Mn≦2.5%、2.5%≦Zn≦8%、0.02%≦S
i≦1.5%、0.05%≦Fe≦2.0%、0.05%≦
Zr≦0.25%の関係を満足することが好ましい。ま
た、他の組成例として、前記の組成に加えて、Ti、C
r、V、Cu、Mgの内、1種または2種以上を0.0
2%≦Ti≦0.25%、0.05%≦Cr≦0.25
%、0.05%≦V≦0.25%、0.05%≦Cu≦0.
7%、0.05%≦Mg≦0.7%の関係を満足するよう
に添加することができる。更に、ろう材層4bは、Zn
を含まないAl-Si系のAl合金から構成され、Si
含有量は、7%≦Si≦10%の範囲が好ましい。
【0013】次に、フィン部材4の折曲部4Aとチュー
ブ3のろう付け部を図2に拡大して示すが、フィン部材
4の折曲部4Aがチューブ3の外周部に当接され、この
当接部まわりのろう材層4bが、ろう付け時の熱により
溶融凝固されて折曲部分4Aの先端部周りを覆ってろう
付け部6が形成され、このろう付け部6においてろう材
層4bが溶融して拡がった部分がフィレット部6aとさ
れ、このフィレット部6aにはZnの拡散濃縮部が形成
されている。以上のことから、前記ろう付け部6のフィ
レット部6aとその周囲部分の構造において、フィレッ
ト部6aと芯材4aとチューブ3の順に次第に電気化学
的に貴になるように各部材が設けられている。
【0014】フィン部材4の芯材4aに含有させるZn
は、ろう付け時にろう材層4bとろう付け部6へ拡散
し、ろう付け時に液相へ濃縮することによりフィレット
部6aの電気化学的性質を最も卑にする作用を奏する。
Znの含有量を前記の範囲を超える量とすると、芯材4
aとろう材層4bとろう付け部6の融点を低くするため
に、ろう付け時に強度低下あるいはろう付け部分が完全
に溶融してしまう問題を引き起こす。また、Mn、S
i、Fe、Zrは、ろう付け後に微細な金属間化合物と
して分散し、ろう付け部の疲労強度を向上させるととも
に、Ti、Cr、Vは、組織を微細化して疲労強度を向
上させるが、これらの元素が前記の範囲を超えるようで
あるとフィン部材4としての加工性が低下し、前記の範
囲を下回るようであると前記効果が不十分になる。
【0015】次に、Cu、Mgは、固溶または析出物と
して分散してろう付け後の疲労強度を向上させるが、特
にCuは、フィン部材4の表面から内部へ向けて電気化
学的な勾配を形成させ、芯材4aの耐食性を向上させ
る。Cu、Mgの含有量が前記の範囲を超えると、耐食
性が低下するが、特にCuは液相に濃縮してフィレット
部6aの電位を貴にしてしまう。また、Cu、Mgの添
加量が前記範囲よりも少ない場合はろう付け後の疲労強
度向上効果が不十分になり易く、電気化学的な電位勾配
を形成する効果も不足になり易い。
【0016】チューブ3に含有させる元素として、M
n、Cuは、耐孔食性を向上させるためであり、Si、
Mgはろう付け後に微細な金属間化合物として分散し疲
労強度を向上させるためであり、ZrとTiは組織を微
細化して疲労強度を向上させるためである。これらの元
素の含有量が前記の範囲を超えるようであると、押出性
が低下し、前記範囲を下回ると前述の各効果が不十分と
なり易い。なお、本発明においては、ろう材層4bの組
成と、それの周囲に配置される芯材4aとフィレット部
6aとチューブ3の電気化学的性質が前述の関係を満た
していれば良いので、後述するろう付け条件、および、
フィン部材4の芯材4aとその他の部材の化学的な組成
等は前記の範囲に限定されないのは勿論である。
【0017】前記構造の熱交換器Aを製造する場合にフ
ィン部材4をチューブ3にろう付けするには、ブレージ
ングシートからなるフィン部材4をチューブ3に当接し
た状態で当接部分まわりを590℃以上の温度に、例え
ば、3分以上加熱してフィン部材4の表面のろう材層4
bを溶融させ、その後に溶融部分を冷却して凝固させ、
フィレット部6aを形成することでろう付けができる。
ここで、通常の熱交換器においてフィン部材をチューブ
にろう付けするには、比較的低温度で行っているが、本
願発明の構造を実現するには、590℃以上の高温に3
分程度以上加熱することが好ましい。
【0018】このような高温に加熱してろう付けするこ
とにより、ろう材層4bが溶融し、液相と固相に分かれ
るが、この際にZnは液相中に濃縮し、芯材4aあるい
はろう材層4bの固相部分よりも濃度が高くなる。この
際にフィレット部6aを形成するのは溶融部分であるか
ら、フィレット部6aの電気化学的性質は最も卑にな
る。従って、ろう付け部6のフィレット部6aと、フィ
ン部材4の芯材4aと、チューブ3の順で電気化学的に
次第に貴となるように構成される。このような間系か
ら、ろう付けの際の加熱温度は、ろう付け部分に液相が
十分に生成され、Znがフィレット部6aに十分に拡散
濃縮されるための温度範囲、即ち、580℃〜600℃
の範囲でより高い温度が好ましい。
【0019】前記のように電気化学的な電位関係となる
ならば、これらの部材およびその周囲が湿ってフィン部
材4とフィレット部6とチューブ3にまたがって腐食液
が付着し腐食環境にされた場合に、フィレット部6aが
最初に犠牲陽極になって腐食するので、チューブ3とフ
ィン部材4を防食することができる。また、仮にフィレ
ット部6aとチューブ3との間で濡れて、フィン部材4
が濡れていない場合であっても、フィレット部6aが犠
牲的に腐食することによりチューブ3を防食できるとと
もに、フィレット部6aとフィン部材4が濡れてチュー
ブ3が濡れていない場合であっても、フィレット部6a
が犠牲的に腐食することによりフィン部材4を防食でき
る。
【0020】従って前記の構造によれば、フィン部材4
とフィレット部6aとチューブ3とに渡って腐食液が接
触してこれらが濡れている場合は勿論、フィン部材4と
フィレット部とが濡れている場合、あるいは、フィレッ
ト部4とチューブ3とが濡れている場合であっても、防
食機構が完全に作用し、チューブ3あるいはフィン部材
4の防食効果を得ることができる。また、前記の構造に
よれば、フィン部材4の全面にZn溶射などの防食処理
を施す必要はなく、その分製造コストを削減でき、製造
工程の簡略化もできる。
【0021】
【実施例】熱交換器(コンデンサ)に図1と図2に示す
本願発明の構造を採用した。この構造において、チュー
ブとしてJIS規定のA1050合金を用い、フィン部
材の芯材を表1の組成のAl合金、ろう材層をAl-7.
5%Siの組成のAl合金ろう材から構成した。ろう付
けは、600℃で3分間、フラックス塗布N2ガス雰囲
気中ノコロックろう付け法で行うものとし、フィン部材
の折曲部とチューブとの当接部分のろう材層を溶融凝固
させて熱交換器を組み立てた。
【0022】この熱交換器に対し、塩水噴霧4時間→乾
燥2時間→湿潤2時間の乾湿サイクルを付加するサイク
ル試験を行い、腐食孔が形成されて腐食貫通が生じるま
での時間を測定して耐食性を評価した。また、前記の腐
食サイクル試験条件に500時間暴露して腐食させた
後、疲労強度を評価する目的で無荷重負荷と荷重10k
gを周波数30Hzで繰り返し負荷する疲労試験を行
い、疲労破壊による漏れを生じるまでの繰り返し数を測
定した。
【0023】
【表1】
【0024】
【表2】
【0025】表2に示すNo.1〜5の試験結果が本願
発明例に相当し、いずれも、ろう付け部のフィレット部
と、フィン部材のアルミニウム合金芯材と、チューブの
順で電気化学的に次第に貴となるように部材が配置され
た例、即ち、孔食電位(mV VSSCE)の値がこれらの
順に大きくなる関係とされた例である。表2に示す結果
から明らかなように、これらの順で孔食電位が調整さ
れ、更にフィレット部のZn濃度が高くされたNo.1
〜5の試料は、いずれも、優れた耐食性を備えているこ
とが明らかである。また、孔食電位を前記の順番に揃え
た構成であっても、フィレット部のZn濃度が低いN
o.12、13の試料と、フィレット部にZnを含んで
いないNo.14の試料はいずれも耐食性に劣ることが
明らかである。
【0026】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、ろう付け
部のフィレット部と、フィン部材のアルミニウム合金芯
材と、チューブの順で電気化学的に次第に貴となるよう
に部材が配置されるので、ろう付け部のフィレット部よ
りもフィン部材が腐食し難くなり、フィン部材よりもチ
ューブが腐食し難くなる。これにより、特にフィン部材
の全面にZn層を設けなくともチューブおよびフィン部
材の防食効果を得ることができる。従って従来必要であ
った全面Zn層を省略できるので、製造工程の簡略化、
製造コストの削減を実現できる。
【0027】また、相対的に厚さが大きく、応力が集中
し難いろう付け部のフィレット部をチューブよりも優先
的に腐食させることにより、チューブの腐食を防止し、
チューブの腐食による疲労強度低下を防止することがで
きる。更に、フィン部材よりもろう付け部のフィレット
部の電位を卑とすることにより、ろう付け部のフィレッ
ト部を犠牲陽極として働かせることができる。このよう
にすることによって、フィン部材とチューブにまたがっ
て液が付着していなくて、これらが濡れていなくとも、
距離的に近いろう付け部のフィレット部とチューブにま
たがって液が付着してこれらが濡れていればチューブの
防食が可能になる。また、距離的に近いフィン部材とフ
ィレット部にまたがって液が付着してこれらが濡れてい
れば、フィレット部が犠牲陽極になるので、フィン部材
の防食効果を得ることができる。
【0028】更に、仮に、フィン部材とチューブにまた
がって液が付着してこれらが濡れていても、濡れた部分
に存在する液の導電率が低いと、チューブから距離的に
離れているフィン部材の防食効果は期待できないが、犠
牲陽極がろう付け部のフィレット部であるならば、ろう
付け部のフィレット部がチューブに接触している関係か
ら、フィレット部とチューブが同時に濡れる場合に液の
導電率が低くてもチューブの防食効果を確実に得ること
ができる。また、同様に、フィレット部がフィン部材に
接触している関係から、フィレット部が犠牲陽極になる
ならば、フィレット部とフィン部材が同時に濡れる場合
に液の導電率が低くてもフィン部材の防食効果を確実に
得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る熱交換器の全体を示す側面図。
【図2】 図1に示す熱交換器の要部拡大図。
【符号の説明】
A 熱交換器 1、2 ヘッダーパイプ 3 チューブ 4 フィン部材 4a 芯材 4b ろう材層 6 ろう付け部 6a フィレット部

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数のヘッダーパイプと、これらのヘッ
    ダーパイプ間に架設された複数のチューブと、各チュー
    ブにろう付けされたフィン部材とが具備されてなる熱交
    換器において、 前記フィン部材が、 Mn:0.05〜2.5%、 Zn:2.5〜8%、 Si:0.02〜1.5%、 Fe:0.05〜2.0%、 Zr:0.05〜0.25% を含有し、残部Alと不可避不純物からなるアルミニウ
    ム合金芯材の少なくとも一面に、Al合金ろう材層をク
    ラッドしたブレージングシートからなり、かつ、チュー
    ブとフィン部材とのろう付け部のフィレット部にフィン
    部材を構成する合金成分のうち、Znが拡散されてな
    り、ろう付け部のフィレット部と、フィン部材のアルミ
    ニウム合金芯材と、チューブの順で電気化学的に次第に
    貴となるように構成され、チューブが押出管からなるこ
    とを特徴とする耐食性に優れた熱交換器。
  2. 【請求項2】 前記アルミニウム合金芯材に、更に、 Ti:0.02〜0.25%、 Cr:0.05〜0.25%、 V:0.05〜0.25%、 Cu:0.05〜0.7%、 Mg:0.05〜0.7% の内、1種または2種以上が含有されてなることを特徴
    とする請求項1記載の耐食性に優れた熱交換器。
  3. 【請求項3】 前記ろう材層が、Znを含まないAl-
    Si系合金からなることを特徴とする請求項1または2
    記載の耐食性に優れた熱交換器。
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