JPH074677B2 - アルミニウム用ろう合金およびアルミニウム製熱交換器用ブレージングシート - Google Patents
アルミニウム用ろう合金およびアルミニウム製熱交換器用ブレージングシートInfo
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- JPH074677B2 JPH074677B2 JP63181667A JP18166788A JPH074677B2 JP H074677 B2 JPH074677 B2 JP H074677B2 JP 63181667 A JP63181667 A JP 63181667A JP 18166788 A JP18166788 A JP 18166788A JP H074677 B2 JPH074677 B2 JP H074677B2
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- alloy
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- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B23—MACHINE TOOLS; METAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
- B23K—SOLDERING OR UNSOLDERING; WELDING; CLADDING OR PLATING BY SOLDERING OR WELDING; CUTTING BY APPLYING HEAT LOCALLY, e.g. FLAME CUTTING; WORKING BY LASER BEAM
- B23K35/00—Rods, electrodes, materials, or media, for use in soldering, welding, or cutting
- B23K35/22—Rods, electrodes, materials, or media, for use in soldering, welding, or cutting characterised by the composition or nature of the material
- B23K35/24—Selection of soldering or welding materials proper
- B23K35/28—Selection of soldering or welding materials proper with the principal constituent melting at less than 950 degrees C
- B23K35/286—Al as the principal constituent
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- Engineering & Computer Science (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
- Nonmetallic Welding Materials (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明はアルミニウムまたはアルミニウム合金のろう付
に用いられるろう合金に関するものである。
に用いられるろう合金に関するものである。
また、本発明は特にふっ化物系フラックスを使用するろ
う付法(以下NB法と略記)により造られるAl製熱交換器
の耐食性に優れたブレージングシートに関するものであ
る。
う付法(以下NB法と略記)により造られるAl製熱交換器
の耐食性に優れたブレージングシートに関するものであ
る。
[従来の技術] アルミニウム用ろう合金は通常Al−Mn系の芯材表面に片
面もしくは両面にクラッドしたブレージングシートとし
て用いられるか、そのまま置きろうとして使用されてい
る。
面もしくは両面にクラッドしたブレージングシートとし
て用いられるか、そのまま置きろうとして使用されてい
る。
従来のアルミニウムろう合金はろう付法によって変えて
おり、例えば真空ろう付法ではAA4004,4104に代表され
るAl−Si−Mg系ろう材が用いられている。またふっ化物
系の非腐食性フラックスを用いてN2ガスでろう付するNB
法においては、AA4343,4045等のAl−Si系ろう材が用い
られている。
おり、例えば真空ろう付法ではAA4004,4104に代表され
るAl−Si−Mg系ろう材が用いられている。またふっ化物
系の非腐食性フラックスを用いてN2ガスでろう付するNB
法においては、AA4343,4045等のAl−Si系ろう材が用い
られている。
Al製熱交換器の製造法としては、塩化物系フラックスを
用いて大気中でろう付するフラックスろう付法、真空中
でろう付する真空ろう付法およびふっ化物系の非腐食性
フラックスを用いてN2ガス中でろう付するNB法が知られ
ている。特にNB法はろう付設備が安価でメンテナンスも
容易なばかりか、ろう付後のフラックス除去が不要であ
るなどの理由により、近年普及しはじめている。
用いて大気中でろう付するフラックスろう付法、真空中
でろう付する真空ろう付法およびふっ化物系の非腐食性
フラックスを用いてN2ガス中でろう付するNB法が知られ
ている。特にNB法はろう付設備が安価でメンテナンスも
容易なばかりか、ろう付後のフラックス除去が不要であ
るなどの理由により、近年普及しはじめている。
NB法はろう付の際に生ずるフラックス残渣が非吸湿性、
必溶解性、非腐食性であるため、従来の塩化物系フラッ
クスを使用するフラックスろう付法で行なわれているよ
うなろう付後の残渣の洗浄処理が必要ないと言われてい
る。またNB法では、Mg入りの材料、例えばAA 6951やJIS
7NO1はフラックス(KAlF4)と材料中のMgの反応によ
り、ろう付性が阻害される欠点があるが、従来のフラッ
クスろう付用材料が使用可能であり、例えばブレージン
グの芯材としてAA 1050,3000,3203が使用可能であり、
ろう材としてAl−Si系のAA 4343,4045等が使用可能であ
る。
必溶解性、非腐食性であるため、従来の塩化物系フラッ
クスを使用するフラックスろう付法で行なわれているよ
うなろう付後の残渣の洗浄処理が必要ないと言われてい
る。またNB法では、Mg入りの材料、例えばAA 6951やJIS
7NO1はフラックス(KAlF4)と材料中のMgの反応によ
り、ろう付性が阻害される欠点があるが、従来のフラッ
クスろう付用材料が使用可能であり、例えばブレージン
グの芯材としてAA 1050,3000,3203が使用可能であり、
ろう材としてAl−Si系のAA 4343,4045等が使用可能であ
る。
従来のZnCl2を含んだフラックスを使用するフラックス
ろう付法では、ろう付加熱により材料表面層に100〜200
μm程度のZn拡散層が形成され、孔食発生防止に寄与す
るが、NB法ではZn拡散層が形成されないため、次の方法
で部材の防食、耐食性の向上を図っている。
ろう付法では、ろう付加熱により材料表面層に100〜200
μm程度のZn拡散層が形成され、孔食発生防止に寄与す
るが、NB法ではZn拡散層が形成されないため、次の方法
で部材の防食、耐食性の向上を図っている。
(1)ジンケート処理等によりZnを析出させ、ろう付加
熱により拡散させる。
熱により拡散させる。
(2)犠牲陽極フィン(Zn,In,Sn等の含有材)と組み合
わせる。
わせる。
前者はサーペンタイプのコンデンサー、エバボレーター
チューブ等に適用され、後者はラジエーターチューブ
(電縫管)に適用されている。
チューブ等に適用され、後者はラジエーターチューブ
(電縫管)に適用されている。
[発明が解決しようとする課題] ラジエーター等を製造する際、ヘッダープレートのよう
に犠牲陽極フィンの影響を受けにくい部材では通常使用
されているAA3003を芯材とする材料ではAl−Si系のろう
材より電位が卑なため、芯材が優先的に腐食されてい
た。この対策として、ヘッダープレートのような熱交換
器用部材の耐食性良好な芯材組成として例えば特開昭62
−207838、特開昭62−211360、特開昭62−230494、特開
昭62−280343に示されているAl−Mn−Cu系またはAl−Mn
−Cu−Ti系を用いることがあるが、ろう材としてAA434
3、4045等を用いると、ろう材の電位が芯材より卑なた
めろう材が優先して腐食され、継手部のもれを生ずるよ
うになる。
に犠牲陽極フィンの影響を受けにくい部材では通常使用
されているAA3003を芯材とする材料ではAl−Si系のろう
材より電位が卑なため、芯材が優先的に腐食されてい
た。この対策として、ヘッダープレートのような熱交換
器用部材の耐食性良好な芯材組成として例えば特開昭62
−207838、特開昭62−211360、特開昭62−230494、特開
昭62−280343に示されているAl−Mn−Cu系またはAl−Mn
−Cu−Ti系を用いることがあるが、ろう材としてAA434
3、4045等を用いると、ろう材の電位が芯材より卑なた
めろう材が優先して腐食され、継手部のもれを生ずるよ
うになる。
したがって、本発明は各種アルミニウム合金特に耐食性
がすぐれたアルミニウム合金のろう付けに用いた場合に
犠牲陽極効果を持続して発揮できるアルミニウム用ろう
合金を提供することを目的とする。
がすぐれたアルミニウム合金のろう付けに用いた場合に
犠牲陽極効果を持続して発揮できるアルミニウム用ろう
合金を提供することを目的とする。
さらに、本発明は芯材の耐食性がすぐれかつろう材の犠
牲陽極効果が持続して発揮される、フラックスろう付用
ブレージングシートを提供することを目的とする。
牲陽極効果が持続して発揮される、フラックスろう付用
ブレージングシートを提供することを目的とする。
また、本発明は、特にふっ化物系フラックスを使用する
ろう付法により造られるAl製熱交換器用ブレージングシ
ートを提供することを目的とする。
ろう付法により造られるAl製熱交換器用ブレージングシ
ートを提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段] すなわち、本発明に係わるアルミニウム用ろう合金は、
Si:5〜13wt%、Fe:0.05〜1.0wt%、およびTi:0.06〜0.3
wt%を含み、残部Alと不可避的不純物からなる合金であ
る。
Si:5〜13wt%、Fe:0.05〜1.0wt%、およびTi:0.06〜0.3
wt%を含み、残部Alと不可避的不純物からなる合金であ
る。
また、本発明に係わるAl製熱交換器用ブレージングシー
トは、 (1)Si:5〜13wt%、Fe:0.05〜1.0wt%、およびTi:0.0
6〜0.3wt%を含み、残部Alと不可避的不純物からなるろ
う合金を、該合金より電気化学的に貴なアルミニウム合
金からなる芯材の片面または両面にクラッドしたブレー
ジングシートを第1の発明とし、 (2)Mn:0.5〜1.5wt%、Cu:0.3〜1.0wt%、Fe:0.1〜0.
7wt%、およびSi:0.03〜0.4wt%を含み、残部Alと不可
避的不純物からなる合金を芯材とし、その片面または両
面にろう材としてSi:5〜13wt%、Fe:0.05〜1.0wt%、お
よびTi:0.06〜0.3wt%を含み、残部Alと不可避的不純物
からなる合金をクラッドしたことを特徴とするAl製熱交
換器用ブレージングシートを第2の発明とし、 (3)Mn:0.5〜1.5wt%、Cu:0.3〜1.0wt%、Fe:0.1〜0.
7wt%、およびSi:0.03〜0.4wt%を含み、さらにCr:0.05
〜0.3wt%、Zr:0.05〜0.3wt%のでいずれか1種または
2種を含み、残部Alと不可避的不純物からなる合金を芯
材とし、その片面または両面にろう材としてSi:5〜13wt
%、Fe:0.05〜1.0wt%、およびTi:0.06〜0.3wt%を含
み、残部Alと不可避的不純物からなる合金をクラッドし
たことを特徴とするAl製熱交換器用ブレージングシート
を第3の発明とし、 (4)Mn:0.5〜1.5wt%、Cu:0.3〜1.0wt%、Fe:0.1〜0.
7wt%、Si:0.03〜0.4wt%およびMg:0.05〜0.5wt%を含
み、残部Alと不可避的不純物からなる合金を芯材とし、
その片面または両面にろう材としてSi:5〜13wt%、Fe:
0.05〜1.0wt%、およびTi:0.06〜0.3wt%とを含み、残
部Alおよび不可避的不純物からなる合金をクラッドし、
かつ芯材のCuとMgが [Mg]≦0.6[Cu]+0.2(wt%) で表わされる関係にあることを特徴とするAl製熱交換器
用ブレージングシートを第4の発明とし、 (5)Mn:0.5〜1.5wt%、Cu:0.3〜1.0wt%、Fe0.1〜0.7
wt%、Si:0.03〜0.4wt%およびMg:0.05〜0.5wt%を含
み、さらにCr:0.05〜0.3wt%、Zr:0.05〜0.3wt%のいず
れか1種または2種以上を含み、残部Alと不可避的不純
物からなる合金を芯材とし、その片面または両面にろう
材としてSi:5〜13wt%、Fe:0.05〜1.0wt%、およびTi:
0.06〜0.3wt%を含み、残部Alと不可避的不純物からな
る合金をクラッドし、かつ芯材のCuとMgが [Mg]≦0.6[Cu]+0.2(wt%) で表わされる関係にあることを特徴とするAl製熱交換器
用ブレージングシートを第5の発明とし、 (6)Mn:0.5〜1.5wt%、Cu:0.3〜1.0wt%、Fe:0.1〜0.
7wt%、Si:0.03〜0.4wt%、Ti:0.05〜0.3wt%を含み、
残部Alと不可避的不純物からなる合金を芯材とし、その
片面または両面にろう材としてSi:5〜13wt%、Fe:0.05
〜1.0wt%、およびTi:0.06〜0.3wt%を含み、残部Alと
不可避的不純物からなる合金をクラッドしたことを特徴
とするAl製熱交換器用ブレージングシートを第6の発明
とし、 (7)Mn:0.5〜1.5wt%、Cu:0.3〜1.0wt%、Fe:0.1〜0.
7wt%、Si:0.03〜0.4wt%およびTi:0.05〜0.3wt%を含
み、さらにCr:0.05〜0.3wt%、Zr:0.05〜0.3wt%の1種
または2種を含み、残部Alと不可避的不純物からなる合
金を芯材とし、その片面または両面にろう材としてSi:5
〜13wt%、Fe:0.05〜1.0wt%、およびTi:0.06〜0.3wt%
を含み、残部Alと不可避的不純物からなる合金をクラッ
ドしたことを特徴とするAl製熱交換器用ブレージングシ
ートを第7の発明とし、 (8)Mn:0.5〜1.5wt%、Cu:0.3〜1.0wt%、Fe:0.1〜0.
7wt%、Si:0.03〜0.4wt%およびMg:0.05〜0.5wt%を含
み、残部Alと不可避的不純物からなる合金を芯材とし、
その片面または両面にろう材としてSi:5〜13wt%、Fe:
0.05〜1.0wt%、およびTi:0.06〜0.3wt%を含み、残部A
lと不可避的不純物からなる合金をクラッドし、かつ芯
材のCuとMgが [Mg]≦0.6[Cu]+0.2(wt%) で表わされる関係にあることを特徴とするAl製熱交換器
用ブレージングシートを第8の発明とし、 (9)Mn:0.5〜1.5wt%、Cu:0.3〜1.0wt%、Fe:0.1〜0.
7wt%、Si:0.03〜0.4wt%およびMg:0.05〜0.5wt%を含
み、さらにCr:0.05〜0.3wt%、Zr:0.05〜0.3wt%のいず
れか1種または2種を含み、残部Alと不可避的不純物か
らなる合金を芯材とし、その片面または両面にろう材と
してSi:5〜13wt%、Fe:0.05〜1.0wt%、およびTi:0.06
〜0.3wt%を含み、残部lと不可避的不純物からなる合
金をクラッドし、かつ芯材のCuとMgが [Mg]≦0.6[Cu]+0.2(wt%) で表わされる関係にあることを特徴とするAl製熱交換器
用ブレージングシートを第9の発明とする9つ発明より
なるものである。
トは、 (1)Si:5〜13wt%、Fe:0.05〜1.0wt%、およびTi:0.0
6〜0.3wt%を含み、残部Alと不可避的不純物からなるろ
う合金を、該合金より電気化学的に貴なアルミニウム合
金からなる芯材の片面または両面にクラッドしたブレー
ジングシートを第1の発明とし、 (2)Mn:0.5〜1.5wt%、Cu:0.3〜1.0wt%、Fe:0.1〜0.
7wt%、およびSi:0.03〜0.4wt%を含み、残部Alと不可
避的不純物からなる合金を芯材とし、その片面または両
面にろう材としてSi:5〜13wt%、Fe:0.05〜1.0wt%、お
よびTi:0.06〜0.3wt%を含み、残部Alと不可避的不純物
からなる合金をクラッドしたことを特徴とするAl製熱交
換器用ブレージングシートを第2の発明とし、 (3)Mn:0.5〜1.5wt%、Cu:0.3〜1.0wt%、Fe:0.1〜0.
7wt%、およびSi:0.03〜0.4wt%を含み、さらにCr:0.05
〜0.3wt%、Zr:0.05〜0.3wt%のでいずれか1種または
2種を含み、残部Alと不可避的不純物からなる合金を芯
材とし、その片面または両面にろう材としてSi:5〜13wt
%、Fe:0.05〜1.0wt%、およびTi:0.06〜0.3wt%を含
み、残部Alと不可避的不純物からなる合金をクラッドし
たことを特徴とするAl製熱交換器用ブレージングシート
を第3の発明とし、 (4)Mn:0.5〜1.5wt%、Cu:0.3〜1.0wt%、Fe:0.1〜0.
7wt%、Si:0.03〜0.4wt%およびMg:0.05〜0.5wt%を含
み、残部Alと不可避的不純物からなる合金を芯材とし、
その片面または両面にろう材としてSi:5〜13wt%、Fe:
0.05〜1.0wt%、およびTi:0.06〜0.3wt%とを含み、残
部Alおよび不可避的不純物からなる合金をクラッドし、
かつ芯材のCuとMgが [Mg]≦0.6[Cu]+0.2(wt%) で表わされる関係にあることを特徴とするAl製熱交換器
用ブレージングシートを第4の発明とし、 (5)Mn:0.5〜1.5wt%、Cu:0.3〜1.0wt%、Fe0.1〜0.7
wt%、Si:0.03〜0.4wt%およびMg:0.05〜0.5wt%を含
み、さらにCr:0.05〜0.3wt%、Zr:0.05〜0.3wt%のいず
れか1種または2種以上を含み、残部Alと不可避的不純
物からなる合金を芯材とし、その片面または両面にろう
材としてSi:5〜13wt%、Fe:0.05〜1.0wt%、およびTi:
0.06〜0.3wt%を含み、残部Alと不可避的不純物からな
る合金をクラッドし、かつ芯材のCuとMgが [Mg]≦0.6[Cu]+0.2(wt%) で表わされる関係にあることを特徴とするAl製熱交換器
用ブレージングシートを第5の発明とし、 (6)Mn:0.5〜1.5wt%、Cu:0.3〜1.0wt%、Fe:0.1〜0.
7wt%、Si:0.03〜0.4wt%、Ti:0.05〜0.3wt%を含み、
残部Alと不可避的不純物からなる合金を芯材とし、その
片面または両面にろう材としてSi:5〜13wt%、Fe:0.05
〜1.0wt%、およびTi:0.06〜0.3wt%を含み、残部Alと
不可避的不純物からなる合金をクラッドしたことを特徴
とするAl製熱交換器用ブレージングシートを第6の発明
とし、 (7)Mn:0.5〜1.5wt%、Cu:0.3〜1.0wt%、Fe:0.1〜0.
7wt%、Si:0.03〜0.4wt%およびTi:0.05〜0.3wt%を含
み、さらにCr:0.05〜0.3wt%、Zr:0.05〜0.3wt%の1種
または2種を含み、残部Alと不可避的不純物からなる合
金を芯材とし、その片面または両面にろう材としてSi:5
〜13wt%、Fe:0.05〜1.0wt%、およびTi:0.06〜0.3wt%
を含み、残部Alと不可避的不純物からなる合金をクラッ
ドしたことを特徴とするAl製熱交換器用ブレージングシ
ートを第7の発明とし、 (8)Mn:0.5〜1.5wt%、Cu:0.3〜1.0wt%、Fe:0.1〜0.
7wt%、Si:0.03〜0.4wt%およびMg:0.05〜0.5wt%を含
み、残部Alと不可避的不純物からなる合金を芯材とし、
その片面または両面にろう材としてSi:5〜13wt%、Fe:
0.05〜1.0wt%、およびTi:0.06〜0.3wt%を含み、残部A
lと不可避的不純物からなる合金をクラッドし、かつ芯
材のCuとMgが [Mg]≦0.6[Cu]+0.2(wt%) で表わされる関係にあることを特徴とするAl製熱交換器
用ブレージングシートを第8の発明とし、 (9)Mn:0.5〜1.5wt%、Cu:0.3〜1.0wt%、Fe:0.1〜0.
7wt%、Si:0.03〜0.4wt%およびMg:0.05〜0.5wt%を含
み、さらにCr:0.05〜0.3wt%、Zr:0.05〜0.3wt%のいず
れか1種または2種を含み、残部Alと不可避的不純物か
らなる合金を芯材とし、その片面または両面にろう材と
してSi:5〜13wt%、Fe:0.05〜1.0wt%、およびTi:0.06
〜0.3wt%を含み、残部lと不可避的不純物からなる合
金をクラッドし、かつ芯材のCuとMgが [Mg]≦0.6[Cu]+0.2(wt%) で表わされる関係にあることを特徴とするAl製熱交換器
用ブレージングシートを第9の発明とする9つ発明より
なるものである。
なお片側にろう材をクラッドしたブレージングシートに
おいてろう材の反対側に芯材より電位が卑な皮材を使用
することは本発明の効果を失うものではなく、特にきび
しい腐食環境にさらされる場合には有効な手段となりう
る。
おいてろう材の反対側に芯材より電位が卑な皮材を使用
することは本発明の効果を失うものではなく、特にきび
しい腐食環境にさらされる場合には有効な手段となりう
る。
[作用] <ろう材> 本発明のアルミニウム用合金ろうを上記化学成分範囲に
定めた理由を下記に説明する。
定めた理由を下記に説明する。
Si: Siはろう材の融点を低下させるのに必須の元素であり、
そのためには、5〜13wt%の範囲内の含有量とするのが
適切である。
そのためには、5〜13wt%の範囲内の含有量とするのが
適切である。
Fe: Feはろう材が溶融したときの粘性を向上させる効果があ
るが、0.05wt%未満ではその効果は少なく、一方1.0wt
%を越えて添加すると粘性が高すぎるためにろうの流動
性を阻害する。したがってFeの含有量の範囲を0.05〜1.
0wt%とした。
るが、0.05wt%未満ではその効果は少なく、一方1.0wt
%を越えて添加すると粘性が高すぎるためにろうの流動
性を阻害する。したがってFeの含有量の範囲を0.05〜1.
0wt%とした。
Ti: Tiはろう材中に固溶することによってろう材の自己耐食
性を向上する効果がある。すなわちTiの添加量が包晶反
応範囲であるとき、ろう付加熱によって一度溶融したろ
う材が冷却時に凝固するときTiはα相中に固溶し、α相
の自己耐食性が向上する。一般にろう材凝固時に、結晶
粒界面には不純物が晶出するため卑な電位になり、最初
に腐食する。これによって芯材の一部が表面に出ると芯
材とろう材のα相との電位差による腐食反応が開始する
が、芯材の電位を貴にすることによりろう材が優先的に
腐食する。本願発明においてはこのときのろう材の自己
耐食性を向上させるためにTiが有効に作用するのであ
る。以上はろう材を電位の貴な芯材とクラッドしたブレ
ージングシートの場合についての説明であるが、ユニオ
ン等のろう付け時にこのろう材を置きろうとして用いる
場合のユニオンや通路材やこのろう材を通常の芯材とク
ラッドして薄肉ブレージングフィンとして用いる場合の
相手方(押出チューブ等)との電位の関係が同様の場合
には同様のメカニズムでろう材の自己耐食性が向上す
る。Tiが0.06wt%未満ではその効果が少なく、一方0.3w
t%を越えて添加すると巨大な金属間化合物(Al−Ti
系)が生成されて加工性が低下するばかりでなく、この
金属間化合物はろう材のマトリックスより電位が貴にな
るためろう材の自己耐食性を低下させる。したがってTi
の含有量の範囲を0.06〜0.3wt%とした。
性を向上する効果がある。すなわちTiの添加量が包晶反
応範囲であるとき、ろう付加熱によって一度溶融したろ
う材が冷却時に凝固するときTiはα相中に固溶し、α相
の自己耐食性が向上する。一般にろう材凝固時に、結晶
粒界面には不純物が晶出するため卑な電位になり、最初
に腐食する。これによって芯材の一部が表面に出ると芯
材とろう材のα相との電位差による腐食反応が開始する
が、芯材の電位を貴にすることによりろう材が優先的に
腐食する。本願発明においてはこのときのろう材の自己
耐食性を向上させるためにTiが有効に作用するのであ
る。以上はろう材を電位の貴な芯材とクラッドしたブレ
ージングシートの場合についての説明であるが、ユニオ
ン等のろう付け時にこのろう材を置きろうとして用いる
場合のユニオンや通路材やこのろう材を通常の芯材とク
ラッドして薄肉ブレージングフィンとして用いる場合の
相手方(押出チューブ等)との電位の関係が同様の場合
には同様のメカニズムでろう材の自己耐食性が向上す
る。Tiが0.06wt%未満ではその効果が少なく、一方0.3w
t%を越えて添加すると巨大な金属間化合物(Al−Ti
系)が生成されて加工性が低下するばかりでなく、この
金属間化合物はろう材のマトリックスより電位が貴にな
るためろう材の自己耐食性を低下させる。したがってTi
の含有量の範囲を0.06〜0.3wt%とした。
また本ろう材に0.2%以下のSr(ストロンチウム)を添
加するとSi粒子及びその他の晶出物を微細化するため、
熱間圧延性を大幅に向上し、耳割れを防止し、また鋳塊
面削時のバイトの摩耗を減ずるのでSrを添加しても良
い。
加するとSi粒子及びその他の晶出物を微細化するため、
熱間圧延性を大幅に向上し、耳割れを防止し、また鋳塊
面削時のバイトの摩耗を減ずるのでSrを添加しても良
い。
<芯材> 芯材としては、上記ろう材より電気化学的に貴なアルミ
ニウム合金を使用することが好ましい。
ニウム合金を使用することが好ましい。
本発明のAl製熱交換器用ブレージングシートの好ましい
化学成分範囲を上記のように定めた理由を下記に説明す
る。
化学成分範囲を上記のように定めた理由を下記に説明す
る。
Cu: Cuは芯材の強度を向上させ、電位を貴にしてろう材によ
る犠牲陽極効果を発揮させるとともに、ろう付後の強度
を高めるために添加される。その含有量が0.3%未満で
はろう材より貴な電位に保つことができないため、犠牲
陽極効果が期待できない。一方、1.0wt%を越えて含有
するとろう材との電位差が大きくなりすぎ、芯材の犠牲
陽極となるろう材が異常に早く腐食してしまうため、ろ
う材の犠牲陽極効果が短時間で失われてしまう。さら
に、Cuは1.0wt%を越えて含有すると芯材自体の自己耐
食性が極端に低下する。したがって、Cuの含有量の範囲
を0.3〜1.0wt%とした。
る犠牲陽極効果を発揮させるとともに、ろう付後の強度
を高めるために添加される。その含有量が0.3%未満で
はろう材より貴な電位に保つことができないため、犠牲
陽極効果が期待できない。一方、1.0wt%を越えて含有
するとろう材との電位差が大きくなりすぎ、芯材の犠牲
陽極となるろう材が異常に早く腐食してしまうため、ろ
う材の犠牲陽極効果が短時間で失われてしまう。さら
に、Cuは1.0wt%を越えて含有すると芯材自体の自己耐
食性が極端に低下する。したがって、Cuの含有量の範囲
を0.3〜1.0wt%とした。
Mn: Mnは前述のようなCuの添加による自己耐食性劣化を抑制
するとともに、ろう材の腐食速度を低下させる作用を有
する。すなわち、Mnの添加によりMnを添加しないAl−Cu
合金よりも水素過電圧が大きくなりろう材の腐食速度を
小さくする作用を果たす。さらにろう付時の高温強度を
確保させる作用ももたらす。Mnが0.5wt%未満ではこれ
らの効果、特に自己耐食性劣化防止が充分に得られず、
一方、1.5wt%を越えて添加すると巨大なAl−Mn系化合
物を形成し加工性を損なうためばかりでなく、ろう付時
の加熱によって粒界腐食感受性を高めてしまうことがあ
る。したがってMnは0.5〜1.5wt%の範囲内に限定した。
するとともに、ろう材の腐食速度を低下させる作用を有
する。すなわち、Mnの添加によりMnを添加しないAl−Cu
合金よりも水素過電圧が大きくなりろう材の腐食速度を
小さくする作用を果たす。さらにろう付時の高温強度を
確保させる作用ももたらす。Mnが0.5wt%未満ではこれ
らの効果、特に自己耐食性劣化防止が充分に得られず、
一方、1.5wt%を越えて添加すると巨大なAl−Mn系化合
物を形成し加工性を損なうためばかりでなく、ろう付時
の加熱によって粒界腐食感受性を高めてしまうことがあ
る。したがってMnは0.5〜1.5wt%の範囲内に限定した。
Fe: Feは通常のアルミニウム合金において不可避的に含有さ
れる不純物元素であって、強度向上に有効であるが、そ
の含有量が0.1wt%未満では上記効果は小さくなるばか
りでなく、高純度の地金を使用しなければならなくなる
ためコストの上昇となる。一方、0.7wt%を越えて添加
すると芯材のマトリックスより電位が貴なAl−Fe系化合
物が多く存在するようになるため、芯材の自己耐食性を
劣化させる。したがって、Feは0.1〜0.7wt%の範囲内に
限定した。
れる不純物元素であって、強度向上に有効であるが、そ
の含有量が0.1wt%未満では上記効果は小さくなるばか
りでなく、高純度の地金を使用しなければならなくなる
ためコストの上昇となる。一方、0.7wt%を越えて添加
すると芯材のマトリックスより電位が貴なAl−Fe系化合
物が多く存在するようになるため、芯材の自己耐食性を
劣化させる。したがって、Feは0.1〜0.7wt%の範囲内に
限定した。
Si: SiはFeと同様に通常のアルミニウム合金において不可避
的に含有される不純物元素であって、強度向上に有効で
あるが、0.03wt%未満では高純度の地金を使用しなけれ
ばならなくなるためコストの上昇となる。一方、0.4wt
%を越えて添加すると成形加工性および芯材の自己耐食
性を劣化させる。したがって、Siは0.03〜0.4wt%の範
囲内に限定した。
的に含有される不純物元素であって、強度向上に有効で
あるが、0.03wt%未満では高純度の地金を使用しなけれ
ばならなくなるためコストの上昇となる。一方、0.4wt
%を越えて添加すると成形加工性および芯材の自己耐食
性を劣化させる。したがって、Siは0.03〜0.4wt%の範
囲内に限定した。
Cr,Zr: CrおよびZrはろう付性を損なわずにろう付時の高温強度
を高めるために有効な元素であるが、いずれも0.05wt%
未満ではその効果が少なく、一方、0.3wt%を越えて添
加すれば巨大な金属間化合物(Al−Cr系,Al−Zr系)が
生成されて加工性を低下させるため、いずれも0.05〜0.
3wt%の範囲内とした。
を高めるために有効な元素であるが、いずれも0.05wt%
未満ではその効果が少なく、一方、0.3wt%を越えて添
加すれば巨大な金属間化合物(Al−Cr系,Al−Zr系)が
生成されて加工性を低下させるため、いずれも0.05〜0.
3wt%の範囲内とした。
Mg: Mgはろう付加熱後の強度を高めるのに最も有効な元素で
あるが、Mgが0.05%未満ではその効果が少なく、一方0.
5%を越えて添加すると芯材の電位を卑にし、ろう材に
よる犠牲陽極効果が得られなくなる。さらにMgはフラッ
クス(KAlF4)との反応によりろう付性を阻害すること
があり、0.5wt%を越えて添加するとその影響は顕著と
なる。したがってMgの含有量の範囲を0.05〜0.5wt%と
した。
あるが、Mgが0.05%未満ではその効果が少なく、一方0.
5%を越えて添加すると芯材の電位を卑にし、ろう材に
よる犠牲陽極効果が得られなくなる。さらにMgはフラッ
クス(KAlF4)との反応によりろう付性を阻害すること
があり、0.5wt%を越えて添加するとその影響は顕著と
なる。したがってMgの含有量の範囲を0.05〜0.5wt%と
した。
またMgがCuと共存するときは [Mg]≦0.6[Cu]+0.2(wt%) の関係式を満足しないと芯材がろう材より電位が卑にな
るため、ろう材による犠牲陽極効果が失われる。したが
って、芯材のCuとMgが [Mg]≦0.6[Cu]+0.2(wt%) で表わされる関係にあることとした。
るため、ろう材による犠牲陽極効果が失われる。したが
って、芯材のCuとMgが [Mg]≦0.6[Cu]+0.2(wt%) で表わされる関係にあることとした。
Ti: TiはMnと同様に水素過電圧を大きくし、ろう材の腐食速
度を小さくする効果がある。さらに芯材の自己耐食性を
向上させる効果もあり、ろう材が腐食してなくなった後
でも芯材が腐食しずらくなる。Tiが0.5wt%未満ではそ
の効果が少なく、一方0.3wt%を越えて添加すると巨大
な金属間化合物(Al−Ti系)が生成されて加工性が低下
するばかりでなく、この金属間化合物は芯材マトリック
スより電位が貴になるため芯材の自己耐食性を低下させ
る。したがってTiの含有量の範囲を0.05〜0.3wt%とし
た。
度を小さくする効果がある。さらに芯材の自己耐食性を
向上させる効果もあり、ろう材が腐食してなくなった後
でも芯材が腐食しずらくなる。Tiが0.5wt%未満ではそ
の効果が少なく、一方0.3wt%を越えて添加すると巨大
な金属間化合物(Al−Ti系)が生成されて加工性が低下
するばかりでなく、この金属間化合物は芯材マトリック
スより電位が貴になるため芯材の自己耐食性を低下させ
る。したがってTiの含有量の範囲を0.05〜0.3wt%とし
た。
[実施例] 実施例1 第1表に示す合金組成のろう材を用い、第2表に示す合
金組成の芯材の両面にろう材を15%クラッドして板厚さ
0.6mm、質別Oのブレージングシートを作製した。これ
らのブレージングシートを用いて耐食性を調べた。ろう
材と芯材の組合わせおよび耐食性の結果を第2表に示し
た。
金組成の芯材の両面にろう材を15%クラッドして板厚さ
0.6mm、質別Oのブレージングシートを作製した。これ
らのブレージングシートを用いて耐食性を調べた。ろう
材と芯材の組合わせおよび耐食性の結果を第2表に示し
た。
耐食性は上記ブレージングシートをはば3mm、長さ120mm
に切り出しMEK脱脂後、第1図に示すように逆T継手の
形状にセットし、第3表でろう付加熱条件がNBと記した
ブレージングシートは5%濃度のふっ化アルミニウムカ
リ塩フラックスを塗布し、140℃で乾燥後窒素ガス中で6
00℃に10分間加熱した後に、CASS試験を行ない、フィレ
ット部とその他の部位での貫通孔食が発生するまでの時
間を測定した。
に切り出しMEK脱脂後、第1図に示すように逆T継手の
形状にセットし、第3表でろう付加熱条件がNBと記した
ブレージングシートは5%濃度のふっ化アルミニウムカ
リ塩フラックスを塗布し、140℃で乾燥後窒素ガス中で6
00℃に10分間加熱した後に、CASS試験を行ない、フィレ
ット部とその他の部位での貫通孔食が発生するまでの時
間を測定した。
第3表から明らかなように、本発明のろう合金を用いた
ブレージングシートNo.1〜2はいずれもすぐれた耐食性
を有している。
ブレージングシートNo.1〜2はいずれもすぐれた耐食性
を有している。
これに対し、芯材に耐食性合金を用い、ろう材に従来合
金を用いたブレージングシートNo.3〜4は芯材の電位が
ろう材より貴なため腐食はいずれもフィレット部とな
り、安定した耐食性が得られていない。
金を用いたブレージングシートNo.3〜4は芯材の電位が
ろう材より貴なため腐食はいずれもフィレット部とな
り、安定した耐食性が得られていない。
実施例2 第4表に示す合金組成の芯材およびろう材を用い、各芯
材の両面にろう材を15%クラッドして板厚0.6mm、質別
Oのブレージングシートを作成した。これらのブレージ
ングシートを用いて電位および耐食性を調べた。その結
果を第5表に示す。
材の両面にろう材を15%クラッドして板厚0.6mm、質別
Oのブレージングシートを作成した。これらのブレージ
ングシートを用いて電位および耐食性を調べた。その結
果を第5表に示す。
電位測定は上記ブレージングシートから幅50mm、長さ10
0mmのサンプルを切り出し、メチルエチルケトン(MEK)
脱脂後5%濃度のふっ化アルミニウムカリ塩フラックス
を塗布し、140℃で乾燥後窒素ガス中で600℃に10分間加
熱したものについて測定した。また電位は25℃の5%Na
Cl水溶液中に10分間浸漬後飽和カロメル電極(S.C.E.)
を基準として測定した。
0mmのサンプルを切り出し、メチルエチルケトン(MEK)
脱脂後5%濃度のふっ化アルミニウムカリ塩フラックス
を塗布し、140℃で乾燥後窒素ガス中で600℃に10分間加
熱したものについて測定した。また電位は25℃の5%Na
Cl水溶液中に10分間浸漬後飽和カロメル電極(S.C.E.)
を基準として測定した。
耐食性は上記ブレージングシートを幅30mm、長さ120mm
に切り出しMEK脱脂後第1図に示すように逆T継手の形
状にセットし、5%濃度のふっ化アルミニウムカリ塩フ
ラックスを塗布し、140℃で乾燥後窒素ガス中で600℃に
10分間加熱したものについてCASS試験を行ない、フィレ
ット部とその他の部位での貫通孔食が発生するまでの時
間を測定した。
に切り出しMEK脱脂後第1図に示すように逆T継手の形
状にセットし、5%濃度のふっ化アルミニウムカリ塩フ
ラックスを塗布し、140℃で乾燥後窒素ガス中で600℃に
10分間加熱したものについてCASS試験を行ない、フィレ
ット部とその他の部位での貫通孔食が発生するまでの時
間を測定した。
第5表から明らかなように、本発明合金No.1〜17の芯材
の電位は、いずれもろう材の電位より貴になっており、
優れた耐食性を有することがわかる。しかし、比較材で
あるNo.18の芯材の電位はろう材の電位より貴であり、
ろう材の犠牲陽極効果が発揮するが、ろう材の腐食速度
が大きいため、本発明合金よりCASS試験での貫通にいた
るまでの時間が短くなることがわかる。比較材No.19〜2
1の芯材はろう材の電位より卑になるため芯材が優先的
に腐食し、短時間で貫通孔を生じたことから耐食性が劣
ることがわかる。
の電位は、いずれもろう材の電位より貴になっており、
優れた耐食性を有することがわかる。しかし、比較材で
あるNo.18の芯材の電位はろう材の電位より貴であり、
ろう材の犠牲陽極効果が発揮するが、ろう材の腐食速度
が大きいため、本発明合金よりCASS試験での貫通にいた
るまでの時間が短くなることがわかる。比較材No.19〜2
1の芯材はろう材の電位より卑になるため芯材が優先的
に腐食し、短時間で貫通孔を生じたことから耐食性が劣
ることがわかる。
[発明の効果] 以上の説明で明らかなように、この発明のアルミニウム
用ろう合金は各種フラックスろう付法により作られるAl
製熱交換器の耐食性に優れており、特に耐食性芯材や耐
食性押出チューブ材としてCuを添加した材料のろう材に
用いると、長期間にわたり安定した性能を発揮すること
ができる。
用ろう合金は各種フラックスろう付法により作られるAl
製熱交換器の耐食性に優れており、特に耐食性芯材や耐
食性押出チューブ材としてCuを添加した材料のろう材に
用いると、長期間にわたり安定した性能を発揮すること
ができる。
また、この発明のAl製熱交換器用ブレージングシートは
NB法により造られるAl製熱交換器の耐食性に優れてお
り、したがって特に自動車用熱交換器のヘッダープレー
トやチューブなどの流体通路用ブレージングシートとし
て、長期間にわたり安定した性能を発揮することができ
る。
NB法により造られるAl製熱交換器の耐食性に優れてお
り、したがって特に自動車用熱交換器のヘッダープレー
トやチューブなどの流体通路用ブレージングシートとし
て、長期間にわたり安定した性能を発揮することができ
る。
第1図は腐食試験のための試験片の組立てを示す断面図
である。 1:芯材、2:ろう材
である。 1:芯材、2:ろう材
Claims (10)
- 【請求項1】Si:5〜13wt%、Fe:0.05〜1.0wt%、および
Ti:0.06〜0.3wt%を含み、残部Alと不可避的不純物から
なることを特徴とするアルミニウム用ろう合金。 - 【請求項2】Si:5〜13wt%、Fe:0.05〜1.0wt%、および
Ti:0.06〜0.3wt%を含み、残部Alと不可避的不純物から
なるろう合金を、該合金より電気化学的に貴なアルミニ
ウム合金からなる芯材の片面または両面にクラッドした
ことを特徴とするAl製熱交換器用ブレージングシート。 - 【請求項3】Mn:0.5〜1.5wt%、Cu:0.3〜1.0wt%、Fe:
0.1〜0.7wt%、およびSi:0.03〜0.4wt%を含み、残部Al
と不可避的不純物からなる合金を芯材とし、その片面ま
たは両面にろう材として、Si5〜13wt%、Fe:0.05〜1.0w
t%、およびTi:0.06〜0.3wt%を含み、残部Alと不可避
的不純物からなる合金をクラッドしたことを特徴とする
Al製熱交換器用ブレージングシート。 - 【請求項4】Mn:0.5〜1.5wt%、Cu:0.3〜1.0wt%、Fe:
0.1〜0.7wt%、およびSi:0.03〜0.4wt%を含み、さらに
Cr:0.05〜0.3wt%、Zr:0.05〜0.3wt%のいずれか1種ま
たは2種を含み、残部Alと不可避的不純物からなる合金
を芯材とし、その片面または両面にろう材としてSi:5〜
13wt%、Fe:0.05〜1.0wt%、およびTi:0.06〜0.3wt%を
含み、残部Alと不可避的不純物からなる合金をクラッド
したことを特徴とするAl製熱交換器用ブレージングシー
ト。 - 【請求項5】Mn:0.5〜1.5wt%、Cu:0.3〜1.0wt%、Fe:
0.1〜0.7wt%、Si:0.03〜0.4wt%およびMg:0.05〜0.5wt
%を含み、残部Alと不可避的不純物からなる合金を芯材
とし、その片面または両面にろう材としてSi:5〜13wt
%、Fe:0.05〜1.0wt%、およびTi:0.06〜0.3wt%とを含
み、残部Alと不可避的不純物からなる合金をクラッド
し、かつ芯材のCuとMgが [Mg]≦0.6[Cu]+0.2(wt%) 表わされる関係にあることを特徴とするAl製熱交換器用
ブレージングシート。 - 【請求項6】Mn:0.5〜1.5wt%、Cu:0.3〜1.0wt%、Fe:
0.1〜0.7wt%、Si:0.03〜0.4wt%、およびMg:0.05〜0.5
wt%を含み、さらにCr:0.05〜0.3wt%、Zr:0.05〜0.3wt
%のいずれか1種または2種を含み、残部Alと不可避的
不純物からなる合金を芯材とし、その片面または両面に
ろう材としてSi:5〜13wt%、Fe:0.05〜1.0wt%、および
Ti:0.06〜0.3wt%を含み、残部Alと不可避的不純物から
なる合金をクラッドし、かつ芯材のCuとMgが [Mg]≦0.6[Cu]+0.2(wt%) 表わされる関係にあることを特徴とするAl製熱交換器用
ブレージングシート。 - 【請求項7】Mn:0.5〜1.5wt%、Cu:0.3〜1.0wt%、Fe:
0.1〜0.7wt%、Si:0.03〜0.4wt%およびTi:0.05〜0.3wt
%を含み、残部Alと不可避的不純物からなる合金を芯材
とし、その片面または両面にろう材としてSi:5〜13wt
%、Fe:0.05〜1.0wt%、およびTi:0.06〜0.3wt%とを含
み、残部Alと不可避的不純物からなる合金をクラッドし
たことを特徴とするAl製熱交換器用ブレージングシー
ト。 - 【請求項8】Mn:0.5〜1.5wt%、Cu:0.3〜1.0wt%、Fe:
0.1〜0.7wt%、Si:0.03〜0.4wt%、およびTi:0.05〜0.3
wt%を含み、さらにCr:0.05〜0.3wt%、Zr:0.05〜0.3wt
%のいずれか1種または2種を含み、残部Alと不可避的
不純物からなる合金を芯材とし、その片面または両面に
ろう材としてSi:5〜13wt%、Fe:0.05〜1.0wt%、および
Ti:0.06〜0.3wt%を含み、残部Alと不可避的不純物から
なる合金をクラッドしたことを特徴とするAl製熱交換器
用ブレージングシート。 - 【請求項9】Mn:0.5〜1.5wt%、Cu:0.3〜1.0wt%、Fe:
0.1〜0.7wt%、Si:0.03〜0.4wt%、Mg:0.05〜0.5wt%、
およびTi:0.05〜0.3%を含み、残部Alと不可避的不純物
からなる合金を芯材とし、その片面または両面にろう材
としてSi:5〜13wt%、Fe:0.05〜1.0wt%、およびTi:0.0
6〜0.3wt%を含み、残部Alと不可避的不純物からなる合
金をクラッドし、かつ芯材のCuとMgが[Mg]≦0.6[C
u]+0.2(wt%)で表わされる関係にあることを特徴と
するAl製熱交換器用ブレージングシート。 - 【請求項10】Mn:0.5〜1.5wt%、Cu:0.3〜1.0wt%、F
e:0.1〜0.7wt%、Si:0.03〜0.4wt%、Mg:0.05〜0.5wt%
およびTi:0.06〜0.3wt%を含み、さらにCr:0.05〜0.3wt
%、Zr:0.05〜0.3wt%のいずれか1種または2種を含
み、残部Alと不可避的不純物からなる合金を芯材とし、
その片面または両面にろう材として Si:5〜13wt%、Fe:0.05〜1.0wt%、およびTi:0.06〜0.3
wt%を含み、残部Alと不可避的不純物からなる合金をク
ラッドし、かつ芯材のCuとMgが [Mg]≦0.6[Cu]+0.2(wt%) で表わされる関係にあることを特徴とするAl製熱交換器
用ブレージングシート。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63181667A JPH074677B2 (ja) | 1988-07-22 | 1988-07-22 | アルミニウム用ろう合金およびアルミニウム製熱交換器用ブレージングシート |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63181667A JPH074677B2 (ja) | 1988-07-22 | 1988-07-22 | アルミニウム用ろう合金およびアルミニウム製熱交換器用ブレージングシート |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0234296A JPH0234296A (ja) | 1990-02-05 |
JPH074677B2 true JPH074677B2 (ja) | 1995-01-25 |
Family
ID=16104760
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP63181667A Expired - Lifetime JPH074677B2 (ja) | 1988-07-22 | 1988-07-22 | アルミニウム用ろう合金およびアルミニウム製熱交換器用ブレージングシート |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH074677B2 (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2500711B2 (ja) * | 1991-06-19 | 1996-05-29 | 日本軽金属株式会社 | 耐食性に優れたブレ―ジングシ―ト及び製造方法 |
JP4053793B2 (ja) * | 2002-03-08 | 2008-02-27 | 古河スカイ株式会社 | 熱交換器用アルミニウム合金複合材の製造方法とアルミニウム合金複合材 |
JP4861905B2 (ja) * | 2007-06-13 | 2012-01-25 | 古河スカイ株式会社 | アルミニウム合金ろう材およびアルミニウム合金ブレージングシート |
JP5599131B2 (ja) * | 2007-06-13 | 2014-10-01 | 株式会社Uacj | アルミニウム合金ろう材およびアルミニウム合金ブレージングシートの製造方法 |
JP2010064080A (ja) * | 2008-09-08 | 2010-03-25 | Mitsubishi Alum Co Ltd | ろう充填性に優れるアルミニウムろう合金及びそれを用いたブレージングシート、熱交換器用ヘッダーパイプ並びに熱交換器 |
Family Cites Families (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5827335A (ja) * | 1981-08-11 | 1983-02-18 | Fujitsu Ltd | 半導体装置の製造方法 |
JPS6182992A (ja) * | 1984-09-28 | 1986-04-26 | Furukawa Alum Co Ltd | Al合金ブレ−ジングシ−ト |
JPS6280246A (ja) * | 1985-10-02 | 1987-04-13 | Mitsubishi Alum Co Ltd | 高温強度の優れた熱交換器用Al合金材 |
-
1988
- 1988-07-22 JP JP63181667A patent/JPH074677B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0234296A (ja) | 1990-02-05 |
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