JPH1081509A - 新規ケイ酸ナトリウム、その製法及び用途 - Google Patents

新規ケイ酸ナトリウム、その製法及び用途

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JPH1081509A
JPH1081509A JP25396596A JP25396596A JPH1081509A JP H1081509 A JPH1081509 A JP H1081509A JP 25396596 A JP25396596 A JP 25396596A JP 25396596 A JP25396596 A JP 25396596A JP H1081509 A JPH1081509 A JP H1081509A
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JP
Japan
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sodium silicate
ray diffraction
molar ratio
sio
plane index
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JP25396596A
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English (en)
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Kazuyoshi Sugano
和良 菅野
Madoka Minagawa
円 皆川
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Mizusawa Industrial Chemicals Ltd
Original Assignee
Mizusawa Industrial Chemicals Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高いカルシウムイオン交換能を有し、洗剤用
ビルダー等のイオン交換材として有用な新規ケイ酸ナト
リウム及びその製造方法を提供する。 【解決手段】 下記式(1) Na2 O・nSiO2 ・mH2 O(nは3乃至5、mは
0乃至10) で表される化学式を有し、特定の面指数[(031)面
と(200)面]によるX線回析強度比(RI =I031
/I200)が0.2乃至1.20の範囲にあり、且つ面指
数(031)の回析ピークの半価幅から求めた結晶子サ
イズが500オングストローム以下の範囲にあるケイ酸
ナトリウム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規ケイ酸ナトリ
ウム、その製造方法及びその用途に関するもので、より
詳細には、カルシウムイオン交換能に優れたケイ酸ナト
リウムに関する。
【0002】
【従来の技術】ポリケイ酸塩が、洗剤用ビルダーとして
有用なことは古くから知られている。例えば、特公昭2
3−3328号公報には、酸性白土または類似粘土を鉱
酸で処理してケイ酸以外の成分を溶出除去し以て活性ケ
イ酸を取得し、これにアルカリを作用せしめてポリケイ
酸アルカリを生成させこれを脂肪酸石鹸や樹脂石鹸を配
合することを特徴とする石鹸製造法が記載されている。
【0003】また、特開平1−192718号公報に
は、シート状構造及び SiO2 /Na2 Oモル比1.
9:1〜3.5:1を有するX線結晶性ケイ酸ナトリウ
ムを水に溶解し、そしてこの溶液を温度20〜445℃
で蒸発させることを特徴とするシート状構造及び Si
2 /Na2 Oモル比1.9:1〜3.5:1を有する
X線結晶性ケイ酸ナトリウムの製造方法が記載されてい
る。
【0004】更に、特開平6−183724号公報に
は、層構造及び1.9乃至20:1、好ましくは3.5
乃至4.5:1の SiO2 /Na2 Oモル比を有する
ケイ酸ナトリウムの製造方法において、実質的にδ−N
2 Si2 5 よりなるケイ酸ナトリウムを少なくとも
1種の酸と9乃至13のpH範囲において撹拌下に反応
せしめることを特徴とする上記結晶性ケイ酸ナトリウム
の製造方法が記載されている。
【0005】公知のケイ酸ナトリウムには、天然或いは
合成のものを含めて、ジケイ酸塩(Disilicate Na2
Si2 5 )、マカタイト(Makatite Na2 Si4
9 ・5H2 O)、マガデイアイト(Magadiite Na2
Si1429・xH2 O)、ケニヤアイト(Kenyaite N
2 Si20O・xH2 O)等が知られている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】これらのケイ酸ナトリ
ウムの内、ジケイ酸塩は、理論上最も高いカルシウムイ
オン交換能を有しているが、洗濯水中に添加したときの
pHが極めて高く、界面活性剤を分解したり、繊維を痛
める傾向があり、更に本邦のような多湿の環境では、こ
れが潮解して、洗剤の凝結やそれによる流動性低下を招
く点で、未だ十分満足しうるものではなかった。
【0007】一方、マカタイトの明確な記載はないが、
その分子式からも明らかなとおり、ジケイ酸塩に比し
て、水分散時のpHがそれほど高くなく、高湿度下での
潮解傾向も少ないことが予測されるが、その合成例は殆
ど知られていなく、わずかに、シリカとナトリウムとか
ら合成を行うことが報告されているが([L.Muculloch,J
our.Amer.Chem.Soc.,74,2453(1952)])、その合成条件
の詳細は不明である。
【0008】本発明者らは、マカタイトの合成を種々試
み、得られたマカタイトについて、カルシウムイオン交
換能を測定したが、得られたマカタイトのカルシウムイ
オン交換能は、理論値に比して著しく低いものであり、
実用的レベルにあるものは皆無であった。
【0009】従って、本発明の目的は、高いカルシウム
イオン交換能を有し、洗剤用ビルダー等のイオン交換材
として有用な新規ケイ酸ナトリウム及びその製造方法を
提供するにある。
【0010】本発明の他の目的は、上記ケイ酸ナトリウ
ムを、面倒な工程を必要とせずに、しかも比較的高い収
率で製造しうる方法を提供するにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、下記式
(1) Na2 O・nSiO2 ・mH2 O ‥‥(1) 式中、nは3乃至5の数、特に4乃至5であり、mは0
乃至10の数、特に4.0乃至7.0、更に好ましくは
5.0乃至7.0である、で表される化学組成を有し、
下記式(2) RI =I031 /I200 ‥‥(2) 式中、I031 は面指数(031)のX線回折ピークの相
対強度であり、 I200 は面指数(200)のX線回折ピークの相対強度
である、で定義されるX線回折強度比が0.20乃至
1.20の範囲内にあり、且つ面指数(031)の回折
ピークの半価幅から求めた結晶子サイズが500オング
ストローム以下の範囲にあることを特徴とするケイ酸ナ
トリウムが提供される。
【0012】本発明によればまた、Na2O:SiO2
モル比が1.0:2.8乃至1.0:3.8の範囲にあ
るケイ酸ナトリウム水溶液に、下記式(3) Na2 O・nSiO2 ・mH2 O ‥‥(3) 式中、nは3以上の数であり、mは0もしくは任意の正
数である、で表される化学組成を有し、且つ結晶子サイ
ズが500オングストローム以下の固体のケイ酸ナトリ
ウムを種として添加し、この組成物を常圧下に濃縮し、
得られる固体反応生成物を粉砕し、水洗することを特徴
とするケイ酸ナトリウムの製造方法が提供される。
【0013】本発明によれば更に、上記ケイ酸ナトリウ
ムからなる洗剤用ビルダーが提供される。
【0014】
【発明の実施形態】本発明のケイ酸ナトリウムは、前記
式(1)で表される化学組成とマカタイト型のX線回折
像とを有するが、前記式(2)で定義されるX線回折強
度比(RI)が0.2乃至1.20の範囲内、特に0.
5乃至1.10の範囲内にあり、且つ面指数(031)
の回折ピークの半価幅から求めた結晶子サイズが500
オングストローム以下、特に400オングストローム以
下の範囲にあることが特徴である。
【0015】図1はケイ酸ナトリウムのX線回折像を示
し、Aは本発明範囲外のケイ酸ナトリウムの回折像であ
り、B及びCは、本発明範囲内のケイ酸ナトリウムであ
って、特にCは本発明の目的に最も好適なものである。
【0016】公知のマカタイト型のケイ酸ナトリウム
は、ASTMカードによれば、次のX線回折像を有して
いる。 面間隔 d(A) 相対強度I/I 面指数(hkl) 5.09 100 031 2.99 55 142 9.04 55 020
【0017】本発明のケイ酸ナトリウムと公知のマカタ
イト型のケイ酸ナトリウムとは、回折ピーク位置におい
ては一致しているが、両者を3強線で比較すると、両者
は 本発明のケイ酸ナトリウム: 面間隔 d(A) 相対強度I/I 面指数(hkl) 3.71 100 200 5.09 62 031 3.42 64 220 公知のケイ酸ナトリウム: 面間隔 d(A) 相対強度I/I 面指数(hkl) 5.09 100 031 9.04 55 020 2.99 55 142 のように全く相違しており、結晶構造を異にするものと
認められる。
【0018】結晶のX線回折では、下記のBraggの
式(4) nλ = 2dhkl Sinθ ‥‥(4) 式中、nは次数であり、λはX線の波長であり、dhkl
は結晶の(hkl)の面間隔であり、θは回折角であ
る、を満足するとき、干渉に強度ピークが現れることが
知られており、この干渉ピークの鋭さと結晶の大きさと
の間にも、下記のScherrerの式(5) 式中、Lhkl は結晶の(hkl)面に垂直な方向の寸
法、Kは約0.9の定数、Hは干渉ピークの半価幅(ラ
ジアン)、λ及びθは前記式(1)と同一である、で表
される関係がある。
【0019】図2は、図1のX線回折像の測定に使用し
た各ケイ酸ナトリウムについて、面指数(031)の回
折ピークの半価幅を求めるため、走査速度を遅くして求
めた回折ピークを示している。この結果から、上記ケイ
酸ナトリウム試料では、A−B−Cの順序に半価幅が増
大していることが明らかとなる。この半価幅から、前記
式(5)により、結晶子のサイズを算出することができ
る。
【0020】本発明では、X線回折強度比(RI )を上
記の範囲とし、且つ面指数(031)の結晶子サイズを
前記範囲に抑制することにより、カルシウムイオン交換
能を100mgCaCO3 /g以上、特に150mgC
aCO3 /g以上に向上させることができる。
【0021】図3は、面指数(031)の結晶子サイズ
とカルシウムイオン交換能との関係をプロットしたもの
であるが、この結果から、面指数(031)の結晶子サ
イズを小さくすることが、ケイ酸ナトリウムのカルシウ
ムイオン交換能を増大させる上で極めて有効であるとい
う驚くべき事実が明らかとなる。
【0022】図4は、面指数(031)の回折ピーク位
置とカルシウムイオン交換能との関係を示す。この結果
によると、この回折ピークの低角側へのシフトにより、
やはり、カルシウムイオン交換能が増大しているという
事実が明らかとなる。
【0023】本発明では、以上のように、ケイ酸ナトリ
ウムの面指数(031)の方向への結晶の成長乃至配列
を抑制することにより、ケイ酸ナトリウムのカルシウム
イオン交換能を顕著に向上させることが可能となるもの
であるが、このX線回折像の違いにより、粒子構造もか
なり特異なものとなっている。
【0024】即ち、図5及び6は、図1のAのX線回折
像を有するケイ酸ナトリウムの粒子構造を示す走査型電
子顕微鏡写真(それぞれ1000倍及び5000倍)で
あり、図7及び8は、図1のBのX線回折像を有するケ
イ酸ナトリウムの粒子構造を示す走査型電子顕微鏡写真
(それぞれ1000倍及び5000倍)であり、図9及
び10は、図1のCのX線回折像を有するケイ酸ナトリ
ウムの粒子構造を示す走査型電子顕微鏡写真(それぞれ
1000倍及び5000倍)である。
【0025】これらの結果によると、本発明範囲外のマ
カタイト型ケイ酸ナトリウムは、粗大な板状結晶である
の対して、本発明範囲内のケイ酸ナトリウムは微細な柱
状結晶であって、両者は粒子の形状においても明確に区
別できる。本発明のケイ酸ナトリウムは、粒径が微細で
あるので、種々の媒体、例えば水、有機溶媒、樹脂等へ
の分散性に優れている。
【0026】本発明のケイ酸ナトリウムは、電子顕微鏡
観察下に求めた数平均粒径が一般に短径が0.02乃至
1.0μm、長径が0.2乃至10μm、特に短径が
0.02乃至0.7μm、長径が0.2乃至7μmで且
つアスペクト比が5以上の範囲にある。
【0027】また、このケイ酸ナトリウムの粉体特性と
して、JIS K5101−21による吸油量は、60
ml/100g以上ある。
【0028】本発明のケイ酸ナトリウムは、5g/10
0mlの水性サスペンジョンとしたときのpH(25
℃)が10.5乃至11.5の範囲にあり、ジケイ酸塩
のpH12.9に比べてかなり低い範囲にある。
【0029】本発明のケイ酸ナトリウムは、Na2O:
SiO2のモル比が1.0:2.8乃至1.0:3.
8、特に1.0:3.0乃至1.0:3.5の範囲にあ
るケイ酸ナトリウム水溶液に、下記式(3) Na2 O・nSiO2 ・mH2 O ‥‥(3) 式中、nは3以上の数であり、mは0もしくは任意の正
数である、で表される化学組成を有し、結晶子サイズが
500オングストローム以下の固体のケイ酸ナトリウム
を種(シード)として添加し、この組成物を常圧下に濃
縮し、得られる固体反応生成物を粉砕し、水洗すること
により、製造される。この製造工程は、添付図面の図1
1で示される。
【0030】本発明の製造方法では、ケイ酸ナトリウム
の水溶液中に、固体のケイ酸ナトリウムを種として添加
することが特に重要である。また、ケイ酸ナトリウムの
水溶液にあらかじめ食塩、フッ化ナトリウム、フッ化カ
リウム、フッ化リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナ
トリウム、硫酸ナトリウム(ケイ酸ソーダのNa2 O分
に対して、1〜20重量%)を添加したものを原料と
し、固体のケイ酸ナトリウムを種として添加することも
できる。
【0031】種の添加なしに、ケイ酸ナトリウム水溶液
から、マカタイト型のケイ酸ナトリウムを合成しようと
すると、オートクレーブのような密閉容器中での水熱反
応が必要であり、しかも生成するマカタイト型のケイ酸
ナトリウムは、図1のAに示すX線回折像を有するもの
であって、カルシウムイオン交換能は高々30mgCa
CO3 /g程度のものである。また、反応系中の水分量
が低いレベルになければならないことから、高粘度のス
ラリーを扱わねばならなく、しかも反応にかなりの長時
間を必要とし、しかも収率も低いという不利益もある。
更に、反応生成物も、粘結したケーキ状であって、内容
物を取り出しにくく、精製操作も容易でないという欠点
も認められる。
【0032】これに対して、本発明に従い、固体のケイ
酸ナトリウムを種として使用すると、通常の水ガラス等
を原料として使用することが可能となると共に、この添
加組成物を常圧下に加熱濃縮させるのみで、比較的短時
間で反応が進行し、図1のB及びCに示すX線回折像の
マカタイト型ケイ酸ナトリウムが高収率で得られるので
ある。更に、反応生成物も破砕容易な固体であり、これ
を破砕し、水洗により未反応の原料ケイ酸ナトリウムを
溶出させることにより、目的のマカタイト型ケイ酸ナト
リウムを高純度で回収することができる。
【0033】本発明において、種として使用する固体ケ
イ酸ナトリウムは、前記式(3)で規定する化学組成を
有するものであり、これを種として原料のケイ酸ナトリ
ウム溶液に添加することにより、目的のX線回折像と高
いカルシウムイオン交換能とを有するマカタイト型ケイ
酸ナトリウムを取得することができる。
【0034】本発明においては、種としての固体のケイ
酸ナトリウムが非晶質乃至低結晶性のケイ酸ナトリウム
であることが特に好適である。即ち、生成するマカタイ
ト型ケイ酸ナトリウムのカルシウムイオン交換能は、種
として用いる固体ケイ酸ナトリウムによって、大きな影
響を受けることが分かった。添付図面の図12は、種に
用いる固体ケイ酸ナトリウムの結晶子のサイズと、生成
するマカタイト型ケイ酸ナトリウムの結晶子サイズとの
関係をプロットしたものであるが、種の結晶子のサイズ
が小さくなるほど、生成物の結晶子サイズも小さくなっ
ており、種の結晶子サイズを小さくすることが、生成物
の結晶子サイズを小さくする上で有効であることが了解
される。
【0035】かくして、固体ケイ酸ナトリウムの種とし
ては、本発明の方法で得られるマカタイト型ケイ酸ナト
リウムをそのまま用いることもでき、また、このマカタ
イト型ケイ酸ナトリウムを脱水したり、酸処理もしくは
アルカリ処理したり、或いは微粉砕処理して、更に結晶
化度を低下させたものを種として使用することもでき
る。面指数(031)の回折ピークの半価幅から求めた
結晶子サイズが500オングストローム以下、特に40
0オングストローム以下のものが種として好適である。
【0036】シリカ基準で、溶液のケイ酸ナトリウムに
対して種としての固体のケイ酸ナトリウムを0.01重
量%以上、特に0.1乃至15重量%添加するのが好ま
しく、上記範囲を下回ると、本発明の前述した利点が得
られなくなる傾向があり、一方上記範囲を上回る量で用
いても、格別の利点が得れなく、経済的にはかえって不
利となる。
【0037】本発明では、組成物の濃縮を、H2 O/N
2 Oのモル比が1乃至15の範囲で行うのが、目的物
の収率の点で有利であり、また、組成物の濃縮を80乃
至160℃、特に90乃至150℃の温度で、且つ5時
間乃至7日間、特に5乃至40時間で行うのが好適であ
る。
【0038】本発明の方法では、加熱濃縮を任意の装置
を用いて行うことができ、例えば、固定床式、移動床
式、流動床式の装置を用いて行うことができる。移動床
式の装置としては、例えばバット・コンベアーや、液溜
部を形成したベルトコンベアーを用いることができる。
また、流動床式の装置としては、ビーズ等の流動性媒体
に原料組成物を噴霧し、加熱用不活性気体を吹き込む方
法が採用され、ここで、流動床は、膨張層であっても、
また循環層であってもよい。
【0039】反応生成物は、破砕の容易な固体として得
られる。反応生成物の粉砕には、粗砕機或いは粗砕機と
微粉砕機との組み合わせが使用され、粗砕機としては、
ハンマーミル等が使用される。粉砕が容易であると共
に、続いて行う水洗で解砕も生じるので、通常は、解砕
程度の粉砕で十分である。
【0040】本発明では、解砕した固体反応生成物を水
洗処理に付して、未反応の原料ケイ酸ナトリウムを溶出
させ除去する。即ち、原料のケイ酸ナトリウムは水に易
溶性であり、一方、生成したケイ酸ナトリウムは水に難
溶性であるので、両者の分離は容易に行われる。分離さ
れた原料ケイ酸ナトリウムは、勿論原料として循環使用
することができる。
【0041】水洗を行った後のマカタイト型ケイ酸ナト
リウムは、濾過により分離し、乾燥して製品とする。ま
た、使用目的により、酸処理、アルカリ処理、もしくは
イオン交換処理したものを製品としてもよい。更に、洗
剤用ビルダー等の用途として使用する場合は、分散性と
CECを高めるため該製品をジェットミル粉砕、ボール
ミル粉砕等の粉砕機で微粉砕を行うことがより好まし
い。
【0042】本発明のケイ酸ナトリウムは、カチオン交
換性を有するので、種々のイオン交換体として使用する
ことができ、特に洗剤用ビルダーとして有用である。本
発明のケイ酸ナトリウムは、洗浄力や可溶化力の増大、
表面活性の相乗的増大、pH緩衝作用、金属イオン封鎖作
用、汚れの再沈着防止作用等に優れている。本発明のケ
イ酸ナトリウムは、洗浄補助剤として、種々の洗浄用薬
剤、例えば、衣料用又は台所用の粉末或いは液体洗剤、
トイレット用洗剤乃至防汚剤、台所用クレンザー、衣料
用柔軟仕上げ剤、金属、自動車、床、磁器或いはガラス
用クリーナー、床用ポリッシュ、シャンプー、浴用剤、
石ケン、洗顔用乳液乃至クリーム、練歯磨等に配合し得
る。更に、塗料用、紙用添加剤及び樹脂用充填剤または
アンチブロッキング剤として、Zn、Cu、Agでイオ
ン交換したものは抗菌剤等の用途に使用できる。更にま
た、界面活性剤をインターカレートした後、600℃以
上で焼成してメソポーラスシリカを合成することもでき
る。洗浄補助剤の配合量は、用途や剤型等によっても相
違するが、一般的に言って、0.01乃至20重量%、特に
0.1 乃至5重量%の範囲から、前述した作用が得られる
ように配合量を定めるのがよい。本発明の洗浄補助剤
は、種々のアニオン系界面活性剤やノニオン系界面活性
剤との組み合わせで、特に優れた洗浄作用を示す。
【0043】
【実施例】以下の実施例における、測定は下記の方法で
行った。
【0044】(1)X線回折 理学電気(株)製ガイガーフレックスRAD−1Bシス
テム用をいて、Cu−Kαにて測定した。 ターゲット Cu フィルター Ni 管電圧 40kV 管電流 20mA カウントフルスケール 10kcps 走査速度 4deg/min 時定数 0.5sec スリット DS(SS) 1deg RS 0.15mm
【0045】(2)結晶子サイズ測定時の X線回折条
件 理学電気(株)製ガイガーフレックスRAD−1Bシス
テム用をいて、Cu−Kαにて測定した。 ターゲット Cu フィルター Ni 管電圧 40kV 管電流 20mA カウントフルスケール 4kcps 走査速度 0.25deg/min 時定数 0.5sec スリット DS(SS) 0.5deg RS 0.15mm
【0046】(3)CECの測定方法 試料0.65gを精秤して500mlのビーカーに投入
する。次に硬水(アンモニウムアルカリ性CaCl2
溶液、300mgCaO/l)を500ml加え、マグ
ネチックスターラーで10min撹拌する。撹拌後直ち
に6号濾紙にて吸引濾過し、ろ液を正確に10ml採取
する。そこで適量の脱イオン水を加えピペットにてNH
4 OH−NH4 Cl緩衝液(pH=10)2〜3mlを
加えブラックTを指示薬として1/100M EDTA
で滴定し、次式より計算した。 Ca結合能(CaCO3mg/g)={(C2-C1)×f×50000}/{(100−
I)×W} C2:ブランク(濃度M) C1:ろ液(濃度M) W:試料重量(g) I:試料の860℃での強熱減量(%) f:EDTAの力価
【0047】(4)吸油量 JIS K−5101-21に準拠して測定した。
【0048】(5)化学組成 JIS M−8852ケイ石分析法に準拠して測定し
た。
【0049】(6)pH K−5101-26(3.2)に準じて測定した5%サ
スペンジョンのpH値
【0050】(7)SEMによる粒径 走査型電子顕微鏡(日立製S−570)で得られた写真
像から、代表的な粒子を選んで、スケールを用いて粒子
像の長径と短径を測定し、一次粒子径として示した。
【0051】(8)蛍光X線分析 セイコー電子工業製 SEA2001Lにて生成物中の
金属、Na、Siを同定した。
【0052】(実施例1)3号ケイ酸ナトリウム水溶液
(モル比SiO2 /Na2 O=3.15)に、該ケイ酸
ナトリウムのシリカ(SiO2 )基準に対して5重量%
の種結晶(結晶子サイズ269 オングストローム)を添加
し、均一に分散させた後、常圧下110℃で7時間濃縮
した。得られたゲル状物質(H2 O/Na2 Oモル比=
13.8)を70℃の温水中に入れ、水可溶分を溶解
し、吸引ろ過後50℃で乾燥し粉末のケイ酸ナトリウム
を得た。この反応仕込み条件及び生成粉末の性状につい
て表1に示した。
【0053】(実施例2)3号ケイ酸ナトリウム水溶液
(モル比SiO2 /Na2 O=3.15)に、該ケイ酸
ナトリウムのシリカ(SiO2 )基準に対して5重量%
の種結晶(結晶子サイズ269 オングストローム)を添加
し、均一に分散させた後、常圧下110℃で12時間濃
縮した。得られたゲル状物質(H2 O/Na2 Oモル比
=7.5)を70℃の温水中に入れ、水可溶分を溶解
し、吸引ろ過後、50℃で乾燥し粉末のケイ酸ナトリウム
を得た。この反応仕込み条件及び生成粉末の性状につい
て表1に示した。
【0054】(実施例3)3号ケイ酸ナトリウム水溶液
(モル比SiO2 /Na2 O=3.15)に、該ケイ酸
ナトリウムのシリカ(SiO2 )基準に対して5重量%
の種結晶(結晶子サイズ269 オングストローム)を添加
し、均一に分散させた後、常圧下110℃で25時間濃
縮した。得られたゲル状物質(H2 O/Na2 Oモル比
=3.9)を70℃の温水中に入れ、水可溶分を溶解
し、吸引ろ過後、50℃で乾燥し粉末のケイ酸ナトリウ
ムを得た。この反応仕込み条件及び生成粉末の性状につ
いて表1に示した。
【0055】(実施例4)3号ケイ酸ナトリウム水溶液
(モル比SiO2 /Na2 O=3.15)に、該ケイ酸
ナトリウムのシリカ(SiO2 )基準に対して5重量%
の種結晶(結晶子サイズ453 オングストローム)を添加
し、均一に分散させた後、常圧下110℃で12時間濃
縮した。得られたゲル状物質(H2 O/Na2 Oモル比
=7.9)を70℃の温水中に入れ、水可溶分を溶解
し、吸引ろ過後、50℃で乾燥し粉末のケイ酸ナトリウ
ムを得た。この反応仕込み条件及び生成粉末の性状につ
いて表1に示した。
【0056】(実施例5)3号ケイ酸ナトリウム水溶液
(モル比SiO2 /Na2 O=3.14)に、該ケイ酸
ナトリウムのシリカ(SiO2 )基準に対して10重量
%の種結晶(結晶子サイズ269 オングストローム)を添
加し、均一に分散させた後、常圧下110℃で12時間
濃縮した。得られたゲル状物質(H2 O/Na2 Oモル
比=14.4)を70℃の温水中に入れ、水可溶分を溶
解し、吸引ろ過後、50℃で乾燥し粉末のケイ酸ナトリ
ウムを得た。この反応仕込み条件及び生成粉末の性状に
ついて表1に示した。
【0057】(実施例6)3号ケイ酸ナトリウム水溶液
(モル比SiO2 /Na2 O=3.15)に、該ケイ酸
ナトリウムのシリカ(SiO2 )基準に対して0.5重
量%の種結晶(結晶子サイズ308 オングストローム)を
添加し、均一に分散させた後、常圧下110℃で12時
間濃縮した。得られたゲル状物質(H2 O/Na2 Oモ
ル比=6.4)を70℃の温水中に入れ、水可溶分を溶
解し、吸引ろ過後、50℃で乾燥し粉末のケイ酸ナトリ
ウムを得た。この反応仕込み条件及び生成粉末の性状に
ついて表1に示した。
【0058】(実施例7)3号ケイ酸ナトリウム水溶液
(モル比SiO2 /Na2 O=3.17)に、該ケイ酸
ナトリウムのシリカ(SiO2 )基準に対して5重量%
の種結晶(結晶子サイズ486 オングストローム)を添加
し、均一に分散させた後、常圧下110℃で40時間濃
縮した。得られたゲル状物質(H2 O/Na2 Oモル比
=2.6)を70℃の温水中に入れ、水可溶分を溶解
し、吸引ろ過後、50℃で乾燥し粉末のケイ酸ナトリウ
ムを得た。この反応仕込み条件及び生成粉末の性状につ
いて表1に示した。
【0059】(実施例8)3号ケイ酸ナトリウム水溶液
(モル比SiO2 /Na2 O=3.17)に、該ケイ酸
ナトリウムのシリカ(SiO2 )基準に対して5重量%
の種結晶(結晶子サイズ449 オングストローム)を添加
し、均一に分散させた後、常圧下90℃で28時間濃縮
した。得られたゲル状物質(H2 O/Na2 Oモル比=
10.3)を70℃の温水中に入れ、水可溶分を溶解
し、吸引ろ過後、50℃で乾燥し粉末のケイ酸ナトリウ
ムを得た。この反応仕込み条件及び生成粉末の性状につ
いて表1に示した。
【0060】(実施例9)3号ケイ酸ナトリウム水溶液
(モル比SiO2 /Na2 O=3.15)に、該ケイ酸
ナトリウムのシリカ(SiO2 )基準に対して5重量%
の種結晶(結晶子サイズ308 オングストローム)を添加
し、均一に分散させた後、常圧下140℃で12時間濃
縮した。得られたゲル状物質(H2 O/Na2 Oモル比
=3.8)を70℃の温水中に入れ、水可溶分を溶解
し、吸引ろ過後、50℃で乾燥し粉末のケイ酸ナトリウ
ムを得た。この反応仕込み条件及び生成粉末の性状につ
いて表1に示した。
【0061】(実施例10)3号ケイ酸ナトリウム水溶
液(モル比SiO2 /Na2 O=3.17)に、該ケイ
酸ナトリウムのシリカ(SiO2 )基準に対して5重量
%の種結晶(酸処理したMakatite:H型-Makatite(H-M
k)) を添加し、均一に分散させた後、常圧下110℃
で27時間濃縮した。得られたゲル状物質(H2 O/N
2 Oモル比=8.6)を70℃の温水中に入れ、水可
溶分を溶解し、吸引ろ過後、50℃で乾燥し粉末のケイ
酸ナトリウムを得た。この反応仕込み条件及び生成粉末
の性状について表1に示した。
【0062】(比較例1)3号ケイ酸ナトリウム水溶液
(モル比SiO2 /Na2 O=3.17)を、常圧下1
10℃で800時間濃縮した。得られたゲル状物質(H
2 O/Na2 Oモル比=3.5)を70℃の温水中に入
れ、水可溶分を溶解し、吸引ろ過後、50℃で乾燥し粉
末のケイ酸ナトリウムを得た。この反応仕込み条件及び
生成粉末の性状について表2に示した。
【0063】(比較例2)3号ケイ酸ナトリウム水溶液
(モル比SiO2 /Na2 O=3.15)に、該ケイ酸
ナトリウムのシリカ(SiO2 )基準に対して5重量%
の種結晶(結晶子サイズ536 オングストローム)を添加
し、均一に分散させた後、常圧下110℃で12時間濃
縮した。得られたゲル状物質(H2 O/Na2 Oモル比
=6.7)を70℃の温水中に入れ、水可溶分を溶解
し、吸引ろ過後、50℃で乾燥し粉末のケイ酸ナトリウ
ムを得た。この反応仕込み条件及び生成粉末の性状につ
いて表2に示した。
【0064】(比較例3)3号ケイ酸ナトリウム水溶液
(モル比SiO2 /Na2 O=2.74)に、該ケイ酸
ナトリウムのシリカ(SiO2 )基準に対して5重量%
の種結晶(結晶子サイズ486 オングストローム)を添加
し、均一に分散させた後、常圧下110℃で40時間濃
縮した。得られたゲル状物質(H2 O/Na2 Oモル比
=2.8)を70℃の温水中に入れ、水可溶分を溶解
し、吸引ろ過後、50℃で乾燥し粉末のケイ酸ナトリウ
ムを得た。この反応仕込み条件及び生成粉末の性状につ
いて表2に示した。
【0065】(比較例4)3号ケイ酸ナトリウム水溶液
(モル比SiO2 /Na2 O=3.93)に、該ケイ酸
ナトリウムのシリカ(SiO2 )基準に対して5重量%
の種結晶(結晶子サイズ486 オングストローム)を添加
し、均一に分散させた後、常圧下110℃で40時間濃
縮した。得られたゲル状物質(H2 O/Na2 Oモル比
=2.6)を70℃の温水中に入れ、水可溶分を溶解
し、吸引ろ過後、50℃で乾燥し粉末のケイ酸ナトリウ
ムを得た。この反応仕込み条件及び生成粉末の性状につ
いて表2に示した。
【0066】(比較例5)3号ケイ酸ナトリウム水溶液
(モル比SiO2 /Na2 O=3.15)に、該ケイ酸
ナトリウムのシリカ(SiO2 )基準に対して5重量%
の種結晶(結晶子サイズ449 オングストローム)を添加
し、均一に分散させた後、常圧下50℃で200時間濃
縮した。得られたゲル状物質(H2 O/Na2 Oモル比
=13.4)を70℃の温水中に入れ、水可溶分を溶解
し、吸引ろ過後、50℃で乾燥し粉末のケイ酸ナトリウ
ムを得た。この反応仕込み条件及び生成粉末の性状につ
いて表2に示した。
【0067】(比較例6)3号ケイ酸ナトリウム水溶液
(モル比SiO2 /Na2 O=3.15)に、該ケイ酸
ナトリウムのシリカ(SiO2 )基準に対して5重量%
の種結晶(結晶子サイズ308 オングストローム)を添加
し、均一に分散させた後、常圧下200℃で5時間濃縮
した。得られたゲル状物質(H2 O/Na2 Oモル比=
1.1)を70℃の温水中に入れ、水可溶分を溶解し、
吸引ろ過後、50℃で乾燥し粉末のケイ酸ナトリウムを
得た。この反応仕込み条件及び生成粉末の性状について
表2に示した。
【0068】(比較例7)3号ケイ酸ナトリウム水溶液
(モル比SiO2 /Na2 O=3.93に、該ケイ酸ナ
トリウムのシリカ(SiO2 )基準に対して1重量%の
種結晶(層状ケイ酸塩の Ilerite)を添加し、均一に分
散させた後、常圧下110℃で7時間濃縮した。得られ
たゲル状物質(H2 O/Na2 Oモル比=4.0)を7
0℃の温水中に入れ、水可溶分を溶解し、吸引ろ過後、
50℃で乾燥し粉末のケイ酸ナトリウムを得た。この反
応仕込み条件及び生成粉末の性状について表2に示し
た。
【0069】
【表1】
【0070】
【表2】
【0071】
【発明の効果】本発明によれば、固体のケイ酸ナトリウ
ムを種として、通常の水ガラス等をケイ酸ナトリウム原
料に添加することにより、この添加組成物を常圧下に加
熱濃縮させるのみで、比較的短時間で反応が進行し、新
規なX線回折像のマカタイト型ケイ酸ナトリウムを高収
率で得ることができる。更に、反応生成物も破砕容易な
固体であり、これを破砕し、水洗により未反応の原料ケ
イ酸ナトリウムを溶出させることにより、目的のマカタ
イト型ケイ酸ナトリウムを高純度で回収することができ
る。
【0072】また、本発明によれば、ケイ酸ナトリウム
の面指数(031)の方向への結晶の成長乃至配列を抑
制することにより、ケイ酸ナトリウムのカルシウムイオ
ン交換能を顕著に向上させることが可能となり、この固
体ケイ酸ナトリウムは、粒子構造も微細な柱状となり、
分散性に優れていると共に、ビルダーとしての諸特性に
も優れている。
【図面の簡単な説明】
【図1】固体ケイ酸ナトリウムのX線回折像を示し、A
は本発明範囲外のケイ酸ナトリウムの回折像であり、B
及びCは、本発明範囲内のケイ酸ナトリウムの回折像で
ある。
【図2】図1のX線回折像の測定に使用した各ケイ酸ナ
トリウムについて、面指数(031)の回折ピークの半
価幅を求めるため、走査速度を遅くして求めた回折ピー
クを示す。
【図3】面指数(031)の結晶子サイズとカルシウム
イオン交換能との関係をプロットしたグラフである。
【図4】面指数(031)の回折ピーク位置とカルシウ
ムイオン交換能との関係を示すグラフである。
【図5】図1のAのX線回折像を有するケイ酸ナトリウ
ムの粒子構造を示す走査型電子顕微鏡写真(1000
倍)である。
【図6】図1のAのX線回折像を有するケイ酸ナトリウ
ムの粒子構造を示す走査型電子顕微鏡写真(5000
倍)である。
【図7】図1のBのX線回折像を有するケイ酸ナトリウ
ムの粒子構造を示す走査型電子顕微鏡写真(1000
倍)である。
【図8】図1のBのX線回折像を有するケイ酸ナトリウ
ムの粒子構造を示す走査型電子顕微鏡写真(5000
倍)である。
【図9】図1のCのX線回折像を有するケイ酸ナトリウ
ムの粒子構造を示す走査型電子顕微鏡写真(1000
倍)である。
【図10】図1のCのX線回折像を有するケイ酸ナトリ
ウムの粒子構造を示す走査型電子顕微鏡写真(5000
倍)である。
【図11】本発明の製造方法の工程図である。
【図12】種に用いる固体ケイ酸ナトリウムの結晶子の
サイズと、生成するマカタイト型ケイ酸ナトリウムの結
晶子サイズとの関係をプロットしたグラフである。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記式(1) Na2 O・nSiO2 ・mH2 O ‥‥(1) 式中、nは3乃至5の数であり、mは0乃至10の数で
    ある、で表される化学組成を有し、下記式(2) RI =I031 /I200 ‥‥(2) 式中、I031 は面指数(031)のX線回折ピークの相
    対強度であり、 I200 は面指数(200)のX線回折ピークの相対強度
    である、で定義されるX線回折強度比が0.20乃至
    1.20の範囲内にあり、且つ面指数(031)の回折
    ピークの半価幅から求めた結晶子サイズが500オング
    ストローム以下の範囲にあることを特徴とするケイ酸ナ
    トリウム。
  2. 【請求項2】 カルシウムイオン交換能が100mgC
    aCO3 /g以上の範囲にある請求項1記載のケイ酸ナ
    トリウム。
  3. 【請求項3】 Na2O:SiO2のモル比が1.0:
    2.8乃至1.0:3.8の範囲にあるケイ酸ナトリウ
    ム水溶液に、下記式(3) Na2 O・nSiO2 ・mH2 O ‥‥(3) 式中、nは3以上の数であり、mは0もしくは任意の正
    数である、で表される化学組成を有し、且つ結晶子サイ
    ズが500オングストローム以下の固体のケイ酸ナトリ
    ウムを種として添加し、この組成物を常圧下に濃縮し、
    得られる固体反応生成物を粉砕し、水洗することを特徴
    とするケイ酸ナトリウムの製造方法。
  4. 【請求項4】 シリカ基準で、溶液のケイ酸ナトリウム
    に対して固体のケイ酸ナトリウムを種として0.01重
    量%以上添加する請求項3記載の製造方法。
  5. 【請求項5】 下記式(1) Na2 O・nSiO2 ・mH2 O ‥‥(1) 式中、nは3乃至5の数であり、mは0乃至10の数で
    ある、で表される化学組成を有し、下記式(2) RI =I031 /I200 ‥‥(2) 式中、I031 は面指数(031)のX線回折ピークの相
    対強度であり、 I200 は面指数(200)のX線回折ピークの相対強度
    である、で定義されるX線回折強度比が0.20乃至
    1.20の範囲内にあり、且つ面指数(031)の回折
    ピークの半価幅から求めた結晶子サイズが500オング
    ストローム以下の範囲にあるケイ酸ナトリウムからなる
    洗剤用ビルダー。
  6. 【請求項6】 カルシウムイオン交換能が100mgC
    aCO3 /g以上の範囲にあるケイ酸ナトリウムからな
    る請求項5記載の洗剤用ビルダー。
JP25396596A 1996-09-05 1996-09-05 新規ケイ酸ナトリウム、その製法及び用途 Withdrawn JPH1081509A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2000003948A1 (fr) * 1998-07-17 2000-01-27 Kao Corporation Poudre composite

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