JP3270156B2 - 無機ビルダー - Google Patents
無機ビルダーInfo
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は無機ビルダーに関する。
さらに詳しくは、洗剤に用いられる水軟水化剤、アルカ
リ調整剤として有用な無機ビルダーおよびその水和物に
関する。
さらに詳しくは、洗剤に用いられる水軟水化剤、アルカ
リ調整剤として有用な無機ビルダーおよびその水和物に
関する。
【0002】
【従来の技術・発明が解決しようとする課題】珪酸ナト
リウムはゼオライト以上のイオン交換能を有している
が、水に完全溶解するため、イオン交換速度が小さくそ
の利用が限られていた。それを解決する手段として、珪
酸ナトリウムを加熱脱水、焼成して、粉末化する方法が
特開昭60−239320号公報に、また同様の手法で
珪酸ナトリウムの珪素の一部をアルミニウムあるいはホ
ウ素で同型置換する方法が特開平3−93649号公
報、特開平4−160013号公報に開示されている
が、いずれも耐水性が不十分で、イオン交換能も低く、
イオン交換速度も小さい。また、水熱合成により得られ
る結晶性の珪酸カルシウムアルカリ水和物が特公昭61
−59245号公報に開示されているが、耐水性は充分
であるもののイオン交換能は低く、実質的に洗剤用ビル
ダーとして適さない。さらに、粒子形状が粗大の長繊維
状あるいは雲母状であるため水への分散性が悪く、実質
的なイオン交換能はさらに低下する。またDD−279
234A1公報には水熱合成により得られる結晶性のマ
グネシウム含有シリケートが開示されているが、イオン
交換能が極端に低く、実用上洗剤用ビルダーとしては適
用できないという問題が指摘されている。特に、洗剤用
の水軟化剤として利用する場合、限られた時間内にイオ
ン交換する必要があり、初期のカチオン交換速度の大な
るものが要求される。つまり、Ca,Mgイオン等を5
分以内、好ましくは3分以内に充分捕捉する必要があ
る。
リウムはゼオライト以上のイオン交換能を有している
が、水に完全溶解するため、イオン交換速度が小さくそ
の利用が限られていた。それを解決する手段として、珪
酸ナトリウムを加熱脱水、焼成して、粉末化する方法が
特開昭60−239320号公報に、また同様の手法で
珪酸ナトリウムの珪素の一部をアルミニウムあるいはホ
ウ素で同型置換する方法が特開平3−93649号公
報、特開平4−160013号公報に開示されている
が、いずれも耐水性が不十分で、イオン交換能も低く、
イオン交換速度も小さい。また、水熱合成により得られ
る結晶性の珪酸カルシウムアルカリ水和物が特公昭61
−59245号公報に開示されているが、耐水性は充分
であるもののイオン交換能は低く、実質的に洗剤用ビル
ダーとして適さない。さらに、粒子形状が粗大の長繊維
状あるいは雲母状であるため水への分散性が悪く、実質
的なイオン交換能はさらに低下する。またDD−279
234A1公報には水熱合成により得られる結晶性のマ
グネシウム含有シリケートが開示されているが、イオン
交換能が極端に低く、実用上洗剤用ビルダーとしては適
用できないという問題が指摘されている。特に、洗剤用
の水軟化剤として利用する場合、限られた時間内にイオ
ン交換する必要があり、初期のカチオン交換速度の大な
るものが要求される。つまり、Ca,Mgイオン等を5
分以内、好ましくは3分以内に充分捕捉する必要があ
る。
【0003】従って、本発明の目的は、耐水性に優れか
つ高いイオン交換能と速い初期カチオン交換速度を有す
る新規な無機ビルダーおよびその水和物を提供すること
にある。
つ高いイオン交換能と速い初期カチオン交換速度を有す
る新規な無機ビルダーおよびその水和物を提供すること
にある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは前記課題を
解決するために鋭意研究を重ねた結果、特定の組成から
なる新規な無機ビルダーおよびその水和物を見出し、本
発明を完成するに至った。即ち、本発明の要旨は、
(1)一般式、SiO2 ・aB2 O3 ・bNa2 O・c
K2 O・dCaO・eMgO(但し、a=0.01〜
1.0、b+c=0.5〜2.0、c/b=0.005
〜8.0、d+e=0.01〜1.0、e/d=0.1
〜10)で表される組成からなる無機ビルダー、(2)
初期カチオン交換速度が70CaCO3 mg/g・mi
n以上であり、カチオン交換容量が200〜600Ca
CO3 mg/gである前記(1)記載の無機ビルダー、
並びに、(3)前記(1)または(2)記載の無機ビル
ダーの水和物に関する。
解決するために鋭意研究を重ねた結果、特定の組成から
なる新規な無機ビルダーおよびその水和物を見出し、本
発明を完成するに至った。即ち、本発明の要旨は、
(1)一般式、SiO2 ・aB2 O3 ・bNa2 O・c
K2 O・dCaO・eMgO(但し、a=0.01〜
1.0、b+c=0.5〜2.0、c/b=0.005
〜8.0、d+e=0.01〜1.0、e/d=0.1
〜10)で表される組成からなる無機ビルダー、(2)
初期カチオン交換速度が70CaCO3 mg/g・mi
n以上であり、カチオン交換容量が200〜600Ca
CO3 mg/gである前記(1)記載の無機ビルダー、
並びに、(3)前記(1)または(2)記載の無機ビル
ダーの水和物に関する。
【0005】本発明の無機ビルダーは、組成が一般式、
SiO2 ・aB2 O3 ・bNa2 O・cK2 O・dCa
O・eMgOで表わされるものである。ここで、aは通
常0.01〜1.0であり、好ましくは0.02〜0.
5である。即ち、カチオン交換容量を高めるにはaが
0.01以上であるのが好ましく、カチオン交換速度を
高めるには1.0以下にするのが好ましい。b+cは通
常0.5〜2.0であり、好ましくは0.5〜1.0で
ある。即ち、カチオン交換容量を高めるにはb+cが
0.5以上であるのが好ましく、カチオン交換速度を高
めるには2.0以下にするのが好ましい。c/bは通常
0.005〜8.0であり、好ましくは0.01〜6.
0である。即ち、カチオン交換速度を高めるにはc/b
が0.005以上であるのが好ましく、耐吸湿性を良好
にする観点から8.0以下にするのが好ましい。d+e
は通常0.01〜1.0であり、好ましくは0.01〜
0.64である。即ち、カチオン交換速度を高めるには
d+eが0.01以上であることが好ましく、カチオン
交換容量を高めるには1.0以下にするのが好ましい。
e/dはカチオン交換容量を高める観点から通常0.1
〜10であり、好ましくは0.1〜5.0である。ま
た、本発明の無機ビルダーにおいては、水和物であって
もよく、この場合の水和量はH2 Oのモル量換算として
通常0〜20モル%である。
SiO2 ・aB2 O3 ・bNa2 O・cK2 O・dCa
O・eMgOで表わされるものである。ここで、aは通
常0.01〜1.0であり、好ましくは0.02〜0.
5である。即ち、カチオン交換容量を高めるにはaが
0.01以上であるのが好ましく、カチオン交換速度を
高めるには1.0以下にするのが好ましい。b+cは通
常0.5〜2.0であり、好ましくは0.5〜1.0で
ある。即ち、カチオン交換容量を高めるにはb+cが
0.5以上であるのが好ましく、カチオン交換速度を高
めるには2.0以下にするのが好ましい。c/bは通常
0.005〜8.0であり、好ましくは0.01〜6.
0である。即ち、カチオン交換速度を高めるにはc/b
が0.005以上であるのが好ましく、耐吸湿性を良好
にする観点から8.0以下にするのが好ましい。d+e
は通常0.01〜1.0であり、好ましくは0.01〜
0.64である。即ち、カチオン交換速度を高めるには
d+eが0.01以上であることが好ましく、カチオン
交換容量を高めるには1.0以下にするのが好ましい。
e/dはカチオン交換容量を高める観点から通常0.1
〜10であり、好ましくは0.1〜5.0である。ま
た、本発明の無機ビルダーにおいては、水和物であって
もよく、この場合の水和量はH2 Oのモル量換算として
通常0〜20モル%である。
【0006】本発明の無機ビルダーは、一般式に示され
るようにSiO2 、B2 O3 、Na2 O、K2 O、Ca
O、MgOの各成分よりなっている。従って、本発明の
無機ビルダーを製造するには、その原料として各成分が
必要になるが、本発明においては特に限定されることな
く公知の化合物が適宜用いられる。例えばSiO2 以外
の各成分としては、各々の当該元素の単独あるいは複合
の酸化物、水酸化物、塩類、当該元素含有鉱物が用いら
れる。具体的には、Na2 O成分、K2 O成分の原料と
しては、NaOH,KOH,Na2 CO3 ,K2 C
O3 ,Na2 SO4等が、CaO成分の原料としては、
CaCO3 ,Ca(OH)2 ,ドロマイト,ホウ酸カル
シウム等が、MgO成分の原料としては、MgCO3 ,
Mg(OH)2 ,ドロマイト,ホウ酸マグネシウム等
が、B2 O3 成分の原料としては、ホウ酸カリウム、ホ
ウ酸ナトリウム等が挙げられる。SiO2 成分としては
ケイ石,ケイ砂,カオリン,タルク,溶融シリカ,ケイ
酸ソーダ等が用いられる。
るようにSiO2 、B2 O3 、Na2 O、K2 O、Ca
O、MgOの各成分よりなっている。従って、本発明の
無機ビルダーを製造するには、その原料として各成分が
必要になるが、本発明においては特に限定されることな
く公知の化合物が適宜用いられる。例えばSiO2 以外
の各成分としては、各々の当該元素の単独あるいは複合
の酸化物、水酸化物、塩類、当該元素含有鉱物が用いら
れる。具体的には、Na2 O成分、K2 O成分の原料と
しては、NaOH,KOH,Na2 CO3 ,K2 C
O3 ,Na2 SO4等が、CaO成分の原料としては、
CaCO3 ,Ca(OH)2 ,ドロマイト,ホウ酸カル
シウム等が、MgO成分の原料としては、MgCO3 ,
Mg(OH)2 ,ドロマイト,ホウ酸マグネシウム等
が、B2 O3 成分の原料としては、ホウ酸カリウム、ホ
ウ酸ナトリウム等が挙げられる。SiO2 成分としては
ケイ石,ケイ砂,カオリン,タルク,溶融シリカ,ケイ
酸ソーダ等が用いられる。
【0007】本発明においては、これらの原料成分を目
的とする無機ビルダーの1:a:b:c:d:eとなる
ように所定の量比で混合し、通常300〜1500℃、
好ましくは500〜1000℃、さらに好ましくは60
0〜900℃の範囲で焼成して結晶化させる方法、また
原料成分を溶融させガラス化し、さらに加水した後ある
いは水ガラス化した後、焼成する方法が例示される。こ
の場合、加熱温度が300℃未満では結晶化が不充分で
耐水性に劣り、1500℃を超えると粗大粒子化しイオ
ン交換能が低下する。加熱時間は通常0.1〜24時間
である。このような焼成は通常、電気炉、ガス炉等の加
熱炉で行うことができる。また、焼成後、必要に応じて
粉砕し所定の粒度に調製される。粉砕機としては例えば
ボールミル、ローラーミル等を用いてなされる。粉砕粒
度は特に限定されないが、分散性の観点から0.1〜5
0μmの範囲が好ましい。また、本発明の無機ビルダー
の水和物を調製するには、公知の方法により容易に行う
ことができ、特に制限されるものではない。例えば、前
記のようにして得られた無機ビルダーの無水物をイオン
交換水に懸濁して水和させ、乾燥せしめて粉末化する方
法が挙げられる。
的とする無機ビルダーの1:a:b:c:d:eとなる
ように所定の量比で混合し、通常300〜1500℃、
好ましくは500〜1000℃、さらに好ましくは60
0〜900℃の範囲で焼成して結晶化させる方法、また
原料成分を溶融させガラス化し、さらに加水した後ある
いは水ガラス化した後、焼成する方法が例示される。こ
の場合、加熱温度が300℃未満では結晶化が不充分で
耐水性に劣り、1500℃を超えると粗大粒子化しイオ
ン交換能が低下する。加熱時間は通常0.1〜24時間
である。このような焼成は通常、電気炉、ガス炉等の加
熱炉で行うことができる。また、焼成後、必要に応じて
粉砕し所定の粒度に調製される。粉砕機としては例えば
ボールミル、ローラーミル等を用いてなされる。粉砕粒
度は特に限定されないが、分散性の観点から0.1〜5
0μmの範囲が好ましい。また、本発明の無機ビルダー
の水和物を調製するには、公知の方法により容易に行う
ことができ、特に制限されるものではない。例えば、前
記のようにして得られた無機ビルダーの無水物をイオン
交換水に懸濁して水和させ、乾燥せしめて粉末化する方
法が挙げられる。
【0008】このようにして得られた本発明の無機ビル
ダーまたはその水和物は、初期カチオン交換速度が通常
70CaCO3 mg/g・min以上であり、好ましく
は100CaCO3 mg/g・min以上を有するもの
である。また、本発明の無機ビルダーまたはその水和物
は、カチオン交換容量が通常200〜600CaCO3
mg/gであることが好ましく、更に好ましくは250
〜600CaCO3 mg/gである。
ダーまたはその水和物は、初期カチオン交換速度が通常
70CaCO3 mg/g・min以上であり、好ましく
は100CaCO3 mg/g・min以上を有するもの
である。また、本発明の無機ビルダーまたはその水和物
は、カチオン交換容量が通常200〜600CaCO3
mg/gであることが好ましく、更に好ましくは250
〜600CaCO3 mg/gである。
【0009】本発明の無機ビルダーは、衣料、食器、金
属、歯、身体等の洗浄剤構成物として幅広く用いられ、
従来のものに較べ優れたCa,Mg等のカチオン捕捉能
及びアルカリ度調整能さらに緩衝効果を発現する。その
結果、本発明の無機ビルダーを配合した洗浄剤は、優れ
た洗浄性能を有する。本発明において使用される洗浄剤
としては、特に限定されるものではないが、衣料用洗
剤、柔軟剤、食器用洗剤、歯ミガキ、身体用洗浄剤、金
属用洗浄剤等に本発明の無機ビルダーを配合して用いら
れる。その配合量は特に限定されないが、通常0.1〜
90%、好ましくは0.5〜80%、さらに好ましくは
1〜75%である。0.1%未満であると充分な洗浄性
能を発現せず、90%を超えると分散性が不良となる。
なかでも衣料用洗浄剤としての本発明の無機ビルダーの
配合量は、通常0.5〜70%、好ましくは1〜60
%、さらに好ましくは2〜55%である。また、本発明
の無機ビルダーは2種以上を併用してもよく、ゼオライ
ト、クエン酸ソーダ、炭酸ソーダ、トリポリリン酸ソー
ダ、メタリン酸ソーダ等の他のビルダーと組合せて使用
することもできる。
属、歯、身体等の洗浄剤構成物として幅広く用いられ、
従来のものに較べ優れたCa,Mg等のカチオン捕捉能
及びアルカリ度調整能さらに緩衝効果を発現する。その
結果、本発明の無機ビルダーを配合した洗浄剤は、優れ
た洗浄性能を有する。本発明において使用される洗浄剤
としては、特に限定されるものではないが、衣料用洗
剤、柔軟剤、食器用洗剤、歯ミガキ、身体用洗浄剤、金
属用洗浄剤等に本発明の無機ビルダーを配合して用いら
れる。その配合量は特に限定されないが、通常0.1〜
90%、好ましくは0.5〜80%、さらに好ましくは
1〜75%である。0.1%未満であると充分な洗浄性
能を発現せず、90%を超えると分散性が不良となる。
なかでも衣料用洗浄剤としての本発明の無機ビルダーの
配合量は、通常0.5〜70%、好ましくは1〜60
%、さらに好ましくは2〜55%である。また、本発明
の無機ビルダーは2種以上を併用してもよく、ゼオライ
ト、クエン酸ソーダ、炭酸ソーダ、トリポリリン酸ソー
ダ、メタリン酸ソーダ等の他のビルダーと組合せて使用
することもできる。
【0010】
【実施例】以下、実施例、比較例および試験例により本
発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施
例等によりなんら限定されるものではない。尚、本実施
例及び比較例における測定値は、次に示す方法により測
定した。 (1)初期カチオン交換速度 試料0.1gを精秤し、塩化カルシウム溶液(濃度はC
aCO3 として500ppm)200ml中に加え、2
5℃で30秒、60秒、120秒、180秒間撹拌した
後、それぞれについて孔サイズ0.2μmのメンブラン
フィルター(アドバンテック社,ニトロセルロース製)
を用いて濾過を行い、その濾液を10ml取って濾液中
のCa量をEDTA滴定によりそれぞれ測定した。その値より
試料のカルシウムイオン交換容量(カチオン交換容量)
を求め、各々の時間でのカチオン交換速度を平均した値
を初期カチオン交換速度とした。 (2)カチオン交換容量 前記の方法において、試料溶液を60分間撹拌した後、
同様にして濾液中のCa量をEDTA滴定により測定し、試料
のカルシウムイオン交換容量を求めた。
発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施
例等によりなんら限定されるものではない。尚、本実施
例及び比較例における測定値は、次に示す方法により測
定した。 (1)初期カチオン交換速度 試料0.1gを精秤し、塩化カルシウム溶液(濃度はC
aCO3 として500ppm)200ml中に加え、2
5℃で30秒、60秒、120秒、180秒間撹拌した
後、それぞれについて孔サイズ0.2μmのメンブラン
フィルター(アドバンテック社,ニトロセルロース製)
を用いて濾過を行い、その濾液を10ml取って濾液中
のCa量をEDTA滴定によりそれぞれ測定した。その値より
試料のカルシウムイオン交換容量(カチオン交換容量)
を求め、各々の時間でのカチオン交換速度を平均した値
を初期カチオン交換速度とした。 (2)カチオン交換容量 前記の方法において、試料溶液を60分間撹拌した後、
同様にして濾液中のCa量をEDTA滴定により測定し、試料
のカルシウムイオン交換容量を求めた。
【0011】実施例1 1号水ガラス(SiO2 /Na2 O=2.14,H2 O
量45.0%)100gと水酸化ナトリウム(NaO
H)4.10gとホウ酸カリウム(K2 B4 O7・4H
2 O)4.72g、Ca(OH)2 3.64g、Mg
(OH)2 1.43g、H2 O50gをホモミキサーを
用いて混合した。混合物をニッケル製坩堝に適量採り、
700℃の温度で、空気中1時間焼成し、急冷後得られ
た焼成体を粉砕して、本発明の無機ビルダー1を得た。
この粉体の初期カチオン交換速度は86CaCO3 mg/g
・min であり、カチオン交換容量は291CaCO3 mg
/gであった。また、得られた焼成体の粉末X線(CuK
α)回折パターンは、焼成前の混合物とは異なる回折パ
ターンを示し、新規な結晶構造を示す物質であった。ま
た、30℃,80°HDの恒温恒湿槽内に1週間放置
後、ケーキング現象がなく、耐水性は充分であった。
量45.0%)100gと水酸化ナトリウム(NaO
H)4.10gとホウ酸カリウム(K2 B4 O7・4H
2 O)4.72g、Ca(OH)2 3.64g、Mg
(OH)2 1.43g、H2 O50gをホモミキサーを
用いて混合した。混合物をニッケル製坩堝に適量採り、
700℃の温度で、空気中1時間焼成し、急冷後得られ
た焼成体を粉砕して、本発明の無機ビルダー1を得た。
この粉体の初期カチオン交換速度は86CaCO3 mg/g
・min であり、カチオン交換容量は291CaCO3 mg
/gであった。また、得られた焼成体の粉末X線(CuK
α)回折パターンは、焼成前の混合物とは異なる回折パ
ターンを示し、新規な結晶構造を示す物質であった。ま
た、30℃,80°HDの恒温恒湿槽内に1週間放置
後、ケーキング現象がなく、耐水性は充分であった。
【0012】実施例2〜8 KOH,NaOH,Ca(OH)2 ,Mg(OH)2 ,
K2 B4 O7 ・4H2Oを適宜添加して、表1に示す組
成となるようにした以外は実施例1と同様にして無機ビ
ルダー2〜8を得た。得られた粉体について初期カチオ
ン交換速度、カチオン交換容量を測定し、その結果を表
1に示した。表1が示すように、いずれも初期カチオン
交換速度、カチオン交換容量が共に優れたものであっ
た。また、得られた焼成体の粉末X線(CuKα)回折
パターンは、いずれも焼成前の混合物とは異なる回折パ
ターンを示し、新規な結晶構造を示す物質であった。ま
た、いずれの無機ビルダーも30℃,80°HDの恒温
恒湿槽内に1週間放置後、ケーキング現象がなく、耐水
性は充分であった。
K2 B4 O7 ・4H2Oを適宜添加して、表1に示す組
成となるようにした以外は実施例1と同様にして無機ビ
ルダー2〜8を得た。得られた粉体について初期カチオ
ン交換速度、カチオン交換容量を測定し、その結果を表
1に示した。表1が示すように、いずれも初期カチオン
交換速度、カチオン交換容量が共に優れたものであっ
た。また、得られた焼成体の粉末X線(CuKα)回折
パターンは、いずれも焼成前の混合物とは異なる回折パ
ターンを示し、新規な結晶構造を示す物質であった。ま
た、いずれの無機ビルダーも30℃,80°HDの恒温
恒湿槽内に1週間放置後、ケーキング現象がなく、耐水
性は充分であった。
【0013】
【表1】
【0014】比較例1〜5 実施例1と同様に表1の組成となるよう混合し、これを
ニッケル製坩堝に適量採り、700℃の温度で、空気中
1時間焼成した。急冷後、粉砕を行い比較ビルダー1〜
5を得た。30℃,80°HDの恒温恒湿槽内に1週間
放置後、ケーキング現象が認められ、耐水性は不充分で
あった。
ニッケル製坩堝に適量採り、700℃の温度で、空気中
1時間焼成した。急冷後、粉砕を行い比較ビルダー1〜
5を得た。30℃,80°HDの恒温恒湿槽内に1週間
放置後、ケーキング現象が認められ、耐水性は不充分で
あった。
【0015】洗浄剤組成物の調製例 表2に示す組成からなる洗浄剤(配合A、Bは本発明の
無機ビルダーを含有する本発明品を、配合Cは含有しな
い比較品を示す)を以下の方法により製造した。即ち、
粉末原料(珪酸ソーダ、炭酸ソーダ、芒硝、非晶質シリ
カ、無機ビルダーA、B)を攪拌式転動造粒機(レディ
ゲミキサー)に入れ、ポリオキシエチレンドデシルエー
テルとポリエチレングリコールを添加し、平均粒径36
8〜412μmの粉末洗浄剤を得た。ここで用いられる
無機ビルダーA、Bはそれぞれ前記の実施例2、5で得
られた無機ビルダーである。
無機ビルダーを含有する本発明品を、配合Cは含有しな
い比較品を示す)を以下の方法により製造した。即ち、
粉末原料(珪酸ソーダ、炭酸ソーダ、芒硝、非晶質シリ
カ、無機ビルダーA、B)を攪拌式転動造粒機(レディ
ゲミキサー)に入れ、ポリオキシエチレンドデシルエー
テルとポリエチレングリコールを添加し、平均粒径36
8〜412μmの粉末洗浄剤を得た。ここで用いられる
無機ビルダーA、Bはそれぞれ前記の実施例2、5で得
られた無機ビルダーである。
【0016】
【表2】
【0017】同様にして、表3に示す組成からなる洗浄
剤(配合D、Eは本発明の無機ビルダーを含有する本発
明品を、配合Fは比較ビルダーを含有するものである)
を製造した。ここで、無機ビルダー以外の成分の水性ス
ラリーを60℃で作製し、噴霧乾燥機によって乾燥粉末
とした。これを遠心転動造粒機(ハイスピードミキサ
ー)にいれ、若干の水を添加して造粒し平均粒径396
〜418μmの粉末洗浄剤を得た。
剤(配合D、Eは本発明の無機ビルダーを含有する本発
明品を、配合Fは比較ビルダーを含有するものである)
を製造した。ここで、無機ビルダー以外の成分の水性ス
ラリーを60℃で作製し、噴霧乾燥機によって乾燥粉末
とした。これを遠心転動造粒機(ハイスピードミキサ
ー)にいれ、若干の水を添加して造粒し平均粒径396
〜418μmの粉末洗浄剤を得た。
【0018】
【表3】
【0019】試験例 前記の洗浄剤組成物の調製例により得られた配合A〜F
を用いて、以下の方法によって洗浄テストを行った。 (1)泥汚れ汚染布(人工汚染布):鹿沼園芸用赤玉土
を120℃±5℃で4hr乾燥後粉砕、150Mesh(100μ
m)パスのものを120℃±5℃で2hr乾燥後、土15
0g を1000リットルのパークレンに分散し、金巾#2023
布をこの液に接触、ブラッシングし、分散液の除去、過
剰付着汚れを脱落させる(特開昭55−26473 号公報)。 (2)皮脂/カーボン汚れ汚染布(人工汚染布): (モデル皮脂/カーボン汚れ組成) カーボンブラック 15% 綿実油 60% コレステロール 5% オレイン酸 5% パルミチン酸 5% 液体パラフィン 10% 上記組成物1kgを80リットルのパークレンに溶解分散
し、金巾#2023布を浸漬して汚れを付着させた後パーク
レンを乾燥除去する。
を用いて、以下の方法によって洗浄テストを行った。 (1)泥汚れ汚染布(人工汚染布):鹿沼園芸用赤玉土
を120℃±5℃で4hr乾燥後粉砕、150Mesh(100μ
m)パスのものを120℃±5℃で2hr乾燥後、土15
0g を1000リットルのパークレンに分散し、金巾#2023
布をこの液に接触、ブラッシングし、分散液の除去、過
剰付着汚れを脱落させる(特開昭55−26473 号公報)。 (2)皮脂/カーボン汚れ汚染布(人工汚染布): (モデル皮脂/カーボン汚れ組成) カーボンブラック 15% 綿実油 60% コレステロール 5% オレイン酸 5% パルミチン酸 5% 液体パラフィン 10% 上記組成物1kgを80リットルのパークレンに溶解分散
し、金巾#2023布を浸漬して汚れを付着させた後パーク
レンを乾燥除去する。
【0020】(3)洗浄条件:評価用洗剤水溶液1リッ
トルに10cm×10cmの綿の泥汚れ汚染布又は皮脂/カーボ
ン汚れ汚染布(人工汚染布)を各5枚入れ、ターゴトメ
ーターにて100rpmで次の洗浄条件で洗浄した。 (洗浄条件) 洗浄時間 10分 洗浄濃度 0.133 % 水の硬度 4° 水 温 20℃ ススギ 水道水にて5分間 (4)洗浄試験の評価方法:洗浄力は汚染前の原布及び
洗浄前後の汚染布の460nm における反射率を自記色彩計
(島津製作所製)を用いて測定し、次式によって洗浄率
(%)を求めた。 洗浄率(%)=(洗浄後の反射率−洗浄前の反射率)/
(原布の反射率−洗浄前の反射率)×100 得られた結果を表4に示すが、本発明の洗浄剤組成物を
用いることにより、優れた洗浄性能が認められた。
トルに10cm×10cmの綿の泥汚れ汚染布又は皮脂/カーボ
ン汚れ汚染布(人工汚染布)を各5枚入れ、ターゴトメ
ーターにて100rpmで次の洗浄条件で洗浄した。 (洗浄条件) 洗浄時間 10分 洗浄濃度 0.133 % 水の硬度 4° 水 温 20℃ ススギ 水道水にて5分間 (4)洗浄試験の評価方法:洗浄力は汚染前の原布及び
洗浄前後の汚染布の460nm における反射率を自記色彩計
(島津製作所製)を用いて測定し、次式によって洗浄率
(%)を求めた。 洗浄率(%)=(洗浄後の反射率−洗浄前の反射率)/
(原布の反射率−洗浄前の反射率)×100 得られた結果を表4に示すが、本発明の洗浄剤組成物を
用いることにより、優れた洗浄性能が認められた。
【0021】
【表4】
【0022】
【発明の効果】本発明の無機ビルダーは、カチオン交換
能、初期カチオン交換速度及び耐水性に共に優れたもの
であるため、例えば洗剤に用いられる水軟水化剤、アル
カリ調整剤として有用である。
能、初期カチオン交換速度及び耐水性に共に優れたもの
であるため、例えば洗剤に用いられる水軟水化剤、アル
カリ調整剤として有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−330088(JP,A) 特開 平6−128590(JP,A) 特開 昭60−239320(JP,A) 特開 平3−93649(JP,A) 特開 平4−160013(JP,A) 特開 昭63−190706(JP,A) 特公 昭61−59245(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C01B 33/00 - 39/54 C11D 3/12 A61K 7/50 CA(STN) WPI(DIALOG)
Claims (3)
- 【請求項1】 一般式、SiO2 ・aB2 O3 ・bNa
2 O・cK2 O・dCaO・eMgO(但し、a=0.
01〜1.0、b+c=0.5〜2.0、c/b=0.
005〜8.0、d+e=0.01〜1.0、e/d=
0.1〜10)で表される組成からなる無機ビルダー。 - 【請求項2】 初期カチオン交換速度が70CaCO3
mg/g・min以上であり、カチオン交換容量が20
0〜600CaCO3 mg/gである請求項1記載の無
機ビルダー。 - 【請求項3】 請求項1または2記載の無機ビルダーの
水和物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32841692A JP3270156B2 (ja) | 1992-11-12 | 1992-11-12 | 無機ビルダー |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32841692A JP3270156B2 (ja) | 1992-11-12 | 1992-11-12 | 無機ビルダー |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06157026A JPH06157026A (ja) | 1994-06-03 |
JP3270156B2 true JP3270156B2 (ja) | 2002-04-02 |
Family
ID=18210021
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP32841692A Expired - Fee Related JP3270156B2 (ja) | 1992-11-12 | 1992-11-12 | 無機ビルダー |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3270156B2 (ja) |
Families Citing this family (5)
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---|---|---|---|---|
EP1010752A1 (en) * | 1997-07-09 | 2000-06-21 | Vitro Corporativo, S.A. de C.V. | Unique multifunctional product for detergent formulations |
JP4185188B2 (ja) * | 1998-07-17 | 2008-11-26 | 花王株式会社 | 複合粉体 |
JP2017095585A (ja) * | 2015-11-24 | 2017-06-01 | 靖志 鎌田 | 粉末洗浄剤 |
KR102456463B1 (ko) * | 2020-12-15 | 2022-10-18 | 엘지전자 주식회사 | 친환경 세제용 유리 조성물 및 이를 이용한 친환경 세제용 유리 분말 제조 방법 |
KR102456471B1 (ko) * | 2020-12-15 | 2022-10-18 | 엘지전자 주식회사 | 친환경 세탁 세제 및 세척 보조제용 유리 조성물 및 그 유리 분말 제조 방법 |
-
1992
- 1992-11-12 JP JP32841692A patent/JP3270156B2/ja not_active Expired - Fee Related
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---|---|
JPH06157026A (ja) | 1994-06-03 |
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