JP3219562B2 - 繊維精練剤 - Google Patents

繊維精練剤

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JP3219562B2 JP18565593A JP18565593A JP3219562B2 JP 3219562 B2 JP3219562 B2 JP 3219562B2 JP 18565593 A JP18565593 A JP 18565593A JP 18565593 A JP18565593 A JP 18565593A JP 3219562 B2 JP3219562 B2 JP 3219562B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は工業用の繊維精練剤に関
する。更に詳しくは、繊維の洗浄工程において、良好な
る精練性能を保持しながら洗浄排液の排水処理性を向上
することが可能な繊維精練剤に関する。
【0002】
【従来の技術・発明が解決しようとする課題】一般に、
繊維工業界においては、繊維の漂白、染色、仕上げ加工
の各工程をより円滑に進めるとともに、繊維の特性を発
揮させ、製品の価値を高める目的で、事前の準備工程に
おいて繊維の精練を行っている。精練は、繊維に付着し
ている脂肪質、ロウ質および機械油等の撥水性物質を除
去して繊維に湿潤性と吸水性を与える操作であるが、従
来これはアルカリ剤、界面活性剤および溶剤等によって
行われており、なかでもアルカリ剤と界面活性剤との併
用系による方法が主流である。
【0003】また、近年、繊維工業界においては更なる
生産性および品質の向上が望まれており、精練性能に対
する要求が一段と高いものになってきている。そこでこ
れらの要求に対して様々な方法、例えば精練剤に含まれ
る界面活性剤、有機キレート剤の増量もしくは変更ある
いは洗浄処理方法の変更がとられてきた。しかしなが
ら、従来の方法ではいずれも充分満足のいく効果は得ら
れず、また効果が得られたとしても排水処理性が悪いた
め、今日、環境保護の目的で定められた工場排水のCO
D等の規制に合致しないという問題を有していた。
【0004】従って、繊維工業界をはじめとするアルカ
リ洗浄剤を使用する様々な工業界では、高洗浄性を有
し、かつ高い排水処理性能を有する繊維精練剤の開発が
望まれていた。特に昨今、上記問題点を改良するために
効果のあるリン酸塩は、河川及び湖沼の富栄養化の問題
があり、法的規制が強くなってきていること、またNT
A、EDTA等の有機キレート剤は、CODを高くする
ことと生態系への悪影響の懸念があること等の問題によ
り、できるだけ使用しない方向での改良が特に望まれて
いる。
【0005】このような問題点を解決するという要求に
対応すべく、例えば特開平4−323298号公報に、
特定の有機酸塩を使用して、従来の精練剤組成物に添加
配合することによって上記要求を満足させようという技
術が開示されている。しかしながら、従来の技術では、
環境に対する影響、排水処理性に対する低減等を満足す
る状態で、高い精練性の改良を十分に行なえるとは言い
難く、上記の特性を向上させた繊維精練剤の開発が待た
れている。また、珪酸塩類の中の珪酸アルカリ金属塩
は、無機ビルダーとして主に精練剤溶液中のアルカリ
剤、pH緩衝剤、汚れの再付着防止剤の役割を有するも
のとして従来より使用されている。また、工業的に用い
られる精練剤組成物中の珪酸アルカリ金属塩の使用に関
する特許公報(例えば、特開平4−323298号公
報)には、水溶性アルカリ剤としての珪酸アルカリ金属
塩(水ガラス類)の使用についての記述は多く見受けら
れるが、耐水溶性に優れ、かつカチオン交換能をも有す
る結晶性珪酸アルカリ金属塩の記述については触れられ
ていない。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、このよう
な技術的背景と前記の要望を満足し得る繊維精練剤につ
いて鋭意検討を重ねた結果、ある特定の組成からなる結
晶性の珪酸塩化合物が高いアルカリ能とカチオン交換能
を有することを見いだし、該結晶性珪酸塩及び/又はそ
の水和物、および界面活性剤を必須成分として含有させ
ることにより、該目的が達成された繊維精練剤を提供す
ることが可能であることを見いだし、本発明を完成させ
るに到った。
【0007】即ち、本発明の要旨は、無水物の一般式と
して xM2 O・ySiO2 ・zM' O (式中、MはNa及びKを示し、M' はCa及び/又は
Mgを示し、y/x=0.5〜4.0、z/x=0〜
1.0であり、かつM 2 O中のK/Na=0.01〜
8.0である。) で表される結晶性珪酸塩及び/又はその水和物、および
界面活性剤を必須成分として含有してなる繊維精練剤に
関する。
【0008】本発明における結晶性珪酸塩は、無水物で
の組成が、一般式xM2 O・ySiO2 ・zM’Oで表
される。ここでMはNa及び/又はKを示し、M’はC
a及び/又はMgを示す。また、y/xは0.5〜4.
0であり、好ましくは0.5〜1.9であり、さらに好
ましくは1.0〜1.9である。y/xが0.5未満で
は耐水溶性が不十分であり、4.0を超えると、イオン
交換能が低くなり、繊維精練剤としての使用に適さな
い。z/xは0〜1.0であり、好ましくは0.005
〜1.0であり、さらに好ましくは0.01〜0.6で
ある。z/xが1.0を超えるとイオン交換能が低く、
繊維精練剤としての使用に適さない。x、y、zは前記
のy/xおよびz/xに示されるような関係であれば、
特に限定されるものではない。K/Naはカチオン交換
速度を高める観点から通常0〜8.0であり、好ましく
は0.01〜8.0である。Mg/Caはカチオン交換
容量を高める観点から通常0〜10であり、好ましくは
0.02〜10である。
【0009】このような本発明における結晶性珪酸塩と
して、種々の態様があるが好適なものを例示すると次の
ようなものが挙げられる。前記の一般式において、y/
x=0.5〜1.9、z/x=0.005〜1.0、M
2 O中のK/Na=0.01〜8.0、M’O中のMg
/Ca=0〜10で表される、カチオン交換容量が20
0〜600CaCO3 mg/gである結晶性珪酸塩
【0010】また、本発明における結晶性珪酸塩は、水
和物であってもよく、この場合の水和量はH2 Oのモル
量換算として通常20モル%以下である。
【0011】本発明における結晶性珪酸塩は、合成によ
り得られるものであって、前記一般式に示されるように
2 O、SiO2 、M' Oの三成分よりなっている。従
って、本発明における結晶性珪酸塩を製造するには、そ
の原料として各成分に対応する物質が必要になるが、本
発明においては特に限定されることなく公知の化合物が
適宜用いられる。例えば、M2 O成分、M' O成分とし
ては、各々の当該元素の単独あるいは複合の酸化物、水
酸化物、塩類、当該元素含有鉱物が用いられる。具体的
には例えば、M2 O成分の原料としては、NaOH,K
OH,Na2 CO3 ,K2 CO3 ,Na2 SO4 等が、
M' O成分の原料としては、CaCO3,Ca(OH)
2 、MgCO3 ,Mg(OH)2 ,MgO,ドロマイト
等が挙げられる。SiO2 成分としては珪石,珪砂,ク
リストバライト石,カオリン,タルク,溶融シリカ,珪
酸ソーダ等が用いられる。
【0012】本発明においては、これらの原料成分を目
的とする結晶性珪酸塩のx、y、zとなるように所定の
量比で混合し、通常300〜1300℃、好ましくは5
00〜1000℃、さらに好ましくは600〜900℃
の範囲で焼成して結晶化させる方法、及び同様に混合
後、一旦1100℃〜1600℃で溶融してガラス化物
を得た後焼成する方法、更に溶融後水ガラス化し焼成す
る方法が例示される。加熱時間は通常0.1〜24時間
である。このような焼成は通常、電気炉、ガス炉等の加
熱炉で行うことができる。また、焼成後、必要に応じて
粉砕し所定の粒度に調製される。粉砕機としては例えば
ボールミル、ローラーミル等を用いてなされる。このよ
うな製造方法により、前述のような構造上の特徴を有す
る本発明における結晶性珪酸塩を得ることができる。
【0013】また、本発明における結晶性珪酸塩の水和
物を調製するには、公知の方法により容易に行うことが
でき、特に制限されるものではない。例えば、前記のよ
うにして得られた結晶性珪酸塩の無水物をイオン交換水
に懸濁して水和させ、乾燥せしめて粉末化する方法が挙
げられる。
【0014】このようにして得られた本発明における結
晶性珪酸塩またはその水和物は、一般に用いられる有機
キレート剤と同等またはそれ以上の特性が必要という観
点からカチオン交換容量として少なくとも200CaC
3 mg/g以上、好ましくは200〜600CaCO
3 mg/gを有するものである。本発明においてカチオ
ン交換容量とは、実施例で示す後述の測定方法により得
られるカチオン交換能の値をいう。但し、500CaC
3 mg/g以上の場合は塩化カルシウム溶液の量を2
00mlにして測定した値である。
【0015】本発明において耐水溶性とは、結晶性珪酸
塩の水中での安定性を意味する。従って耐水溶性に劣る
とは、水中での結晶性珪酸塩の安定性が悪く水中でのS
i溶出量が増大することを意味する。一方、耐水溶性に
優れるとは、結晶性珪酸塩の水中での安定性が高く、水
中でのSi溶出量が非常に少ないことをいう。本発明に
おける結晶性珪酸塩において、水へのSi溶出量はSi
2 換算で通常120mg/g以下であり、好ましくは
90mg/g以下、より好ましくは60mg/g以下で
あり、ほとんどが実質的に水に不溶である。なお、本発
明において実質的に水に不溶であるとは、試料2gをイ
オン交換水100g中に加え、25℃で30分攪拌した
場合におけるSi溶出量がSiO2 換算で通常120m
g/gより少ないものをいう。
【0016】本発明に用いる結晶性珪酸塩は、繊維精練
剤として幅広く用いられ、優れたCa、Mg等のカチオ
ン捕捉能およびアルカリ度調整能、更にpHの緩衝効果
を発揮する。また、珪酸アルカリ金属塩は、一般的に再
付着防止能および過酸化物漂白剤の安定化能も併せ持っ
ていることから、結晶性珪酸塩と界面活性剤を必須成分
として含有する本発明の繊維精練剤は、優れた繊維精練
性を有すると同時に良好なる排水処理性を有する。本発
明の繊維精練剤に用いる結晶性珪酸塩の配合量は、特に
限定されないが、組成物中に通常5〜95重量%、好ま
しくは20〜85重量%である。5重量%未満であると
十分な繊維精練性を発揮せず、95重量%を越えると界
面活性剤及びその他の添加剤の配合量が少なくなり、乳
化及び分散性が不良となる。
【0017】また、本発明で用いられる界面活性剤とし
ては、ノニオン型界面活性剤、アニオン型界面活性剤、
カチオン型界面活性剤及び両性界面活性剤のいずれでも
よく、例えば以下のものが挙げられる。
【0018】(1)例えば、ポリオキシエチレンアルキ
ルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリールエー
テル、ポリオキシエチレンアルキルアミノエーテル、ソ
ルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタ
ン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステ
ル、グリセリン脂肪酸モノ−,ジ−エステル等のノニオ
ン型界面活性剤、(2)例えば、高級アルコール硫酸ナ
トリウム、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリ
ル硫酸アンモニウム、ドデシルベンゼンスルフォン酸ナ
トリウム、アルキルナフタレンスルフォン酸ナトリウ
ム、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウム、ポリオキシ
エチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシ
エチレンアルキルエーテル硫酸トリエタノールアミン、
ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸ナト
リウム、β−ナフタレンスルフォン酸ホルマリン縮合物
のナトリウム塩等のアニオン型界面活性剤、(3)例え
ば、アルキルアミンアセテート、アルキルアミン塩酸
塩、第4級アンモニウム塩等のカチオン型界面活性剤、
(4)例えば、アルキルジメチルアミンオキサイド、ア
ルキルカルボキシメチルヒドロキシエチルイミダゾリウ
ムベタイン等の両性界面活性剤が挙げられる。この内、
(1)のノニオン型界面活性剤としては、次の一般式: R1 −O−(CH2 CH2 O)n −(CH2 CH2 CH
2 O)m H (式中、R1 はH、炭素数1〜18の直鎖脂肪族炭化水
素基、炭素数1〜12の分岐鎖脂肪族炭化水素基または
アルキル基の炭素数が1〜12のアルキルフェニル基を
示し、nは0〜60、mは0〜60で且つn+mは1よ
り大きい数を示す。)で表されるものが好ましい。
【0019】これらの具体例としては、例えば、ポリオ
キシエチレンヘキシルエーテル、ポリオキシエチレンオ
クチルエーテル、ポリオキシエチレンデシルエーテル、
ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチ
レンパルミチルエーテル、ポリオキシエチレンミリスチ
ルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、
ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチ
レントリルエーテル、ポリオキシエチレンキシレニルエ
ーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテ
ル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリ
オキシエチレンデシルフェニルエーテル、ポリオキシエ
チレンドデシルフェニルエーテル、ポリオキシプロピレ
ン、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンコポリマ
ー、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンオクチル
フェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロ
ピレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポ
リオキシプロピレンデシルフェニルエーテル、ポリオキ
シエチレンポリオキシプロピレンドデシルフェニルエー
テル、ポリオキシプロピレンオクチルフェニルエーテ
ル、ポリオキシプロピレンノニルフェニルエーテル、ポ
リオキシプロピレンデシルフェニルエーテル、ポリオキ
シプロピレンドデシルフェニルエーテル、ポリオキシプ
ロピレンブチルエーテル等が挙げられる。上記の界面活
性剤成分の配合量は、特に限定されないが、繊維精練剤
に対する水分を除いた換算比率で通常0.1〜50重量
%であり、好ましくは1〜30重量%である。
【0020】また、本発明の繊維精練剤は、本発明にお
ける結晶性珪酸塩および界面活性剤のみで著しい効果が
得られるが、更に無機ビルダー、有機ビルダーを含有さ
せるか、これらを併用することにより相乗効果を得るこ
とができる。本発明に用いることができる無機ビルダー
及び有機ビルダーを、以下に例示する。
【0021】無機ビルダー;水酸化ナトリウム、水酸
化カリウム、水酸化リチウム等の強アルカリ剤;硫酸、
塩酸、硝酸、リン酸、トリポリリン酸、ホウ酸、珪酸等
の無機酸のアルカリ金属塩;アンモニウム塩、低級アミ
ン塩等;炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどが用いられ
る。これらは通常、繊維精練剤に対して5〜90重量%
程度を添加して用いられる。 有機ビルダー;グリシン、ニトリロ三酢酸(NT
A)、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)ジエチレン
トリアミン五酢酸(DTPA)等のアミノカルボン酸
類;クエン酸、リンゴ酸酒石酸、グルコン酸、粘液酸等
のオキシカルボン酸類のアルカリ金属塩、アンモニウム
塩、低級アミン塩等が用いられる。これらは通常、繊維
精練剤に対して0.5〜15重量%程度を添加して用い
られる。 これらの無機ビルダーおよび有機ビルダーは、必要に応
じて、単独で又は2種以上を組み合わせて使用すること
ができる。
【0022】
【実施例】以下、実施例、比較例および試験例等により
本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実
施例等によりなんら限定されるものではない。ただし、
実施例1〜7、9は参考例である。尚、本実施例及び比
較例における測定値は、次に示す方法により測定した。
【0023】(1)カチオン交換能 試料0.1gを精秤し、塩化カルシウム水溶液(濃度は
CaCO3 として500ppm)100ml中に加え、
25℃で60分間撹拌した後、孔サイズ0.2μmのメ
ンブランフィルター(アドバンテック社、ニトロセルロ
ース製)を用いて濾過を行い、その濾液10ml中に含
まれるCa量をEDTA滴定により測定した。その値より試料
のカルシウムイオン交換容量(カチオン交換容量)を求
めた。
【0024】(2)Si溶出量 試料2gをイオン交換水100g中に加え、25℃で3
0分間攪拌する。その後遠心分離を行い、その上澄みを
孔サイズ0.2μmのメンブランフィルターを用いて濾
過する。濾液中のSi濃度をプラズマ発光分析(IP
C)により測定し、SiO2 換算でSiの溶出量を求め
た。
【0025】(3)アルカリ能 試料1gを精秤し、イオン交換水1000mlに懸濁し
撹拌しながら、0.25規定の塩酸を10ml滴下した
際に、懸濁液のpHが9.0〜12.0を示すようなも
のをアルカリ能が良好であると判定し、pHが9.0未
満の場合に、アルカリ能が不十分であると判定した。
【0026】実施例1 2号珪酸ソーダ(SiO2 / Na2 O=2.5)100
重量部に水酸化ナトリウム4.2重量部を加え、ホモミ
キサーにより、撹拌を行い水酸化ナトリウムを溶解し
た。ここに、微粉砕した無水炭酸カルシウム10重量部
を加え、ホモミキサーを用いて混合した。混合物をニッ
ケル製坩堝に適量採り、700℃の温度で、空気中1時
間焼成し、急冷後得られた焼成体を粉砕して、結晶性珪
酸塩粉末1を得た。この粉体のカチオン交換能は251
CaCO3 mg/gと高く、かつSi溶出量は、21.5S
iO2 mg/gであり耐水溶性に優れたものであった。ま
た、得られた焼成体の粉末X線(CuKα)回折パター
ンは、d=3.95±0.1Aに主回折ピークを示し、
焼成前の混合物とは異なる新規な結晶構造を示す物質で
あった。
【0027】実施例2〜4 実施例1において無水炭酸カルシウムの添加量を変える
ことにより、表1に示す組成となるようにした以外は実
施例1と同様にして結晶性珪酸塩粉末2〜4を得た。得
られた粉体についてカチオン交換能及びSi溶出量を測
定し、その結果を表1に示したが、結晶性珪酸塩粉末1
と同様にカチオン交換能及び耐水溶性に共に優れたもの
であった。また、得られた焼成体の粉末X線(CuK
α)回折パターンは、d=4.17〜2.05Aに主回
折ピークを示し、それぞれ焼成前の混合物とは異なる新
規な結晶構造を示す物質であった。
【0028】実施例5、6 実施例1において、無水炭酸カルシウムの代わりに無水
炭酸カルシウム及び無水炭酸マグネシウムを同時に用い
て、表1に示す組成となるようにした以外は実施例1と
同様にして結晶性珪酸塩粉末5、6を得た。得られた粉
体についてカチオン交換能及びSi溶出量を測定し、そ
の結果を表1に示したが、結晶性珪酸塩粉末1と同様に
カチオン交換能及び耐水溶性に共に優れたものであっ
た。また、得られた焼成体の粉末X線(CuKα)回折
パターンは、d=4.17〜2.05Aに主回折ピーク
を示し、それぞれ焼成前の混合物とは異なる新規な結晶
構造を示す物質であった。
【0029】実施例7、8 実施例1において2号珪酸ソーダの代わりに、325メ
ッシュパスの珪石粉を用い、水酸化ナトリウム、水酸化
カリウム、または無水炭酸マグネシウムを用いて、表1
に示す組成となるようにした以外は実施例1と同様にし
て結晶性珪酸塩粉末7、8を得た。得られた粉体につい
てカチオン交換能及びSi溶出量を測定し、その結果を
表1に示したが、結晶性珪酸塩粉末1と同様にカチオン
交換能及び耐水溶性に共に優れたものであった。また、
得られた焼成体の粉末X線(CuKα)回折パターン
は、d=4.17〜2.05Aに主回折ピークを示し、
それぞれ焼成前の混合物とは異なる新規な結晶構造を示
す物質であった。
【0030】実施例9、10 実施例3、8で得られた無水物10gを500mlのイ
オン交換水中に1時間分散させ、0.2μmのメンブラ
ンフィルターで濾過し、フィルター上の残渣を100℃
で16時間乾燥させ、それぞれ実施例3、8で得られた
ものの水和物である結晶性珪酸塩粉末9、10を得た。
得られた粉体についてカチオン交換能及びSi溶出量を
測定し、その結果を表1および表2に示したが、結晶性
珪酸塩粉末1と同様にカチオン交換能及び耐水溶性に共
に優れたものであった。また、得られた焼成体の粉末X
線(CuKα)回折パターンは、d=10.40〜3.
98Aに主回折ピークを示し、それぞれ焼成前の混合物
とは異なる新規な結晶構造を示す物質であった。
【0031】
【表1】
【0032】比較例1 2号珪酸ソーダ100重量部に水酸化ナトリウム1.9
重量部を加え、ホモミキサーを用いて水酸化ナトリウム
を溶解した。これを、ニッケル製坩堝に適量採り、70
0℃の温度で、空気中1時間焼成した。急冷後、粉砕を
行い比較粉末1を得た。この粉体のカチオン交換能は、
142CaCO3 mg/gと低い値であった。また、Si溶
出量は、3.8SiO2 mg/gであった。
【0033】比較例2 2号珪酸ソーダ100重量部に水酸化ナトリウム28重
量部を加え、ホモミキサーを用いて水酸化ナトリウムを
溶解した。これを、ニッケル製坩堝に適量採り、700
℃の温度で、空気中1時間焼成した。急冷後、粉砕を行
い比較粉末2を得た。この粉体のカチオン交換能は91
CaCO3 mg/gと低く、Si溶出量は、171SiO2
mg/gと耐水溶性に劣るものであった。
【0034】比較例3 2号珪酸ソーダの粉末を比較粉末3とした。この粉体の
カチオン交換能は、59CaCO3 mg/gと低く、全量水
ガラス状に溶解するため耐水溶性に劣るものであった。
【0035】
【表2】
【0036】繊維精練剤の調製例 前記の実施例で得られた結晶性珪酸塩粉末を用いた、本
発明の繊維精練剤の調製例(1〜10)を表3に示す。
また、前記の比較例で得られた比較粉末を用いた、比較
品調製例(11〜15)を表4に示す。表3、表4中の
各配合量は重量%を示す。界面活性剤としては、ドデシ
ルベンゼンスルフォン酸ナトリウム(a)、ポリオキシ
エチレン(3.0)アルキル(C12〜C16)エーテル硫
酸ナトリウム(b)、ポリオキシエチレン(8.0)ノ
ニルフェニルエーテル(c)を用いた。
【0037】
【表3】
【0038】
【表4】
【0039】試験例1(精練性評価試験) テスト材として糊抜きギャバジンを用いて下記条件で洗
浄し、精練性の評価を行った。その結果を表3、表4に
示す。 〔洗浄条件〕 使用水 ; 15°DH 浴比 ; 1:25 液温度 ; 90℃ 処理時間; 90分 〔評価方法〕精練処理した布から幅2.5cmに試料を
サンプリングし、バイレック法による30秒間の吸水高
さを測定して湿潤性の尺度とした。
【0040】試験例2(排水処理性能試験) 前記の調製例により得られた繊維精練剤を、蒸留水で1
00倍に希釈したもの1000mlを処理液とし、塩化
第二鉄を用いた凝集沈澱法により処理した。 〔排水処理法〕上記の処理液にHClを添加し、pH=
5に調整した後、塩化第二鉄を添加し、水酸化カルシウ
ムを添加し、pH=7にした後、濾過し、得られた濾液
のCOD値を測定し、これを排水処理後のCOD濃度
(ppm)として示し、評価を行った。この結果を表3
および表4に示す。
【0041】表3および表4の各試験結果から明らかな
ように、本発明品調製例では、精練性に優れ、CODも
低く排水処理性が良好であった。これに対し、比較用繊
維精練剤として2号珪酸ソーダを用いた場合(比較品調
製例13)、本発明の繊維精練剤に用いる結晶性珪酸塩
の範囲外の珪酸塩を用いた場合(比較品調整例11、1
2) には、精練性に劣っていた。またエチレンジアミン
四酢酸−4Na塩とトリポリリン酸ソーダを用いた場合
(比較品調製例14、15) には、精練性は本発明品調
製例の配合系のレベルに達せず、排水処理のCODが増
大し、またリン含量増大による富栄養化の原因となるた
め好ましくないことが判明した。
【0042】
【発明の効果】本発明の繊維精練剤を用いることによ
り、従来の精練剤では困難であった優れた精練性が得ら
れ、特に水の硬度が高い場合においても従来の精練方法
に比較して、優れた精練性を付与することが出来る。さ
らに、昨今問題となっている河川及び湖沼の富栄養化を
促進することなく、また、生態系への悪影響の懸念のあ
る有機化合物の使用を低減することが可能となる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭60−227895(JP,A) 特開 平5−184946(JP,A) 特開 平2−178398(JP,A) 特開 平4−292411(JP,A) 特開 平7−18564(JP,A) 特公 昭61−59245(JP,B2) 特許2618799(JP,B2) 特許2525318(JP,B2) 国際公開92/7928(WO,A1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D06L 1/00 - 3/16 C11D 1/00 - 19/00

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 無水物の一般式としてxM2 O・ySi
    2 ・zM'O (式中、MはNa及びKを示し、M' はCa及び/又は
    Mgを示し、y/x=0.5〜4.0、z/x=0〜
    1.0であり、かつM 2 O中のK/Na=0.01〜
    8.0である。) で表される結晶性珪酸塩及び/又はその水和物、および
    界面活性剤を必須成分として含有してなる繊維精練剤。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の一般式において、結晶
    性珪酸塩がy/x=0.5〜1.9、z/x=0.00
    5〜1.0、M’O中のMg/Ca=0〜10で表され
    る請求項1記載の繊維精練剤。
  3. 【請求項3】 結晶性珪酸塩のカチオン交換容量が20
    0〜600CaCO3 mg/gである請求項1又は2記
    載の繊維精練剤。
  4. 【請求項4】 結晶性珪酸塩の水へのSi溶出量がSi
    2 換算で120mg/g以下である請求項1、2又は
    3記載の繊維精練剤。
  5. 【請求項5】 結晶性珪酸塩が酸に対する緩衝作用であ
    るアルカリ能を有するものである請求項1〜4いずれか
    に記載の繊維精練剤。
  6. 【請求項6】 結晶性珪酸塩および/またはその水和物
    を5〜95重量%、および界面活性剤を0.1〜50重
    量%配合することを特徴とする請求項1〜5いずれかに
    記載の繊維精練剤。
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