JP3219561B2 - 漂白性向上剤 - Google Patents

漂白性向上剤

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JP3219561B2 JP18565493A JP18565493A JP3219561B2 JP 3219561 B2 JP3219561 B2 JP 3219561B2 JP 18565493 A JP18565493 A JP 18565493A JP 18565493 A JP18565493 A JP 18565493A JP 3219561 B2 JP3219561 B2 JP 3219561B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はセルロース系繊維用の漂
白性向上剤に関するものである。更に詳しくは、セルロ
ース系繊維の漂白浴に硬度成分等の漂白阻害因子が含ま
れている場合にも、従来以上の白度、風合い、縫製性を
付与することができ、更に使用排液の排水処理性も向上
させることができるセルロース系繊維の漂白性向上剤に
関するものである。
【0002】
【従来の技術・発明が解決しようとする課題】一般にセ
ルロース系繊維は精練後においてもなお繊維中に天然色
素が存在するので、この天然色素や更には二次的に付着
した着色物等を除去するために漂白操作がなされる。漂
白の方法としては、過酸化漂白、塩素漂白、亜塩素酸ナ
トリウム漂白などがあるが、なかでも過酸化漂白は、繊
維に損傷を与えることなく漂白が行なえ、操作も簡単
で、耐久性のある白さが得られることから一般的に広く
用いられている。
【0003】この過酸化漂白は、過酸化水素の分解によ
って生じる発生期の酸素を利用してセルロース系繊維中
の色素を酸化分解させることによってなされるが、この
酸化分解は、pHがアルカリ性である側の環境で行なわ
せる方が効率的であるため、水酸化ナトリウムなどのア
ルカリ剤が併用される。更にアルカリ下での過酸化水素
分解の安定化剤として珪酸ナトリウムも併用される。従
って漂白液組成は、過酸化水素、アルカリ(水酸化ナト
リウムなど)、珪酸ナトリウム(モル比でSiO2 :N
2 O=2.5:1のものなど)から構成されることに
なる。このものを用いてセルロース系繊維の漂白を行な
う際、使用する水の硬度が高いと、珪酸ナトリウムが水
の硬度成分と結合して珪酸カルシウムや珪酸マグネシウ
ムなどの水に不溶性の珪酸塩を生じ、これが繊維上に沈
着して布帛の白度が向上せず、風合いも粗硬化し、更に
はミシン針との摩擦係数も大きくなって縫製性に支障を
きたすという問題点が生ずる。そこでこの点に関しての
解決が望まれていた。
【0004】この問題点を改善するために、カチオン交
換能を有するエチレンジアミンテトラアセチックアシッ
ド(EDTA)、ジエチレントリアミンペンタアセチツ
クアシッド(DTPA)、ヒドロキシルエチレンジアミ
ントリアセチックアシッド(HEDTA)、ニトリロト
リアセチックアシッド(NTA)、トリポリリン酸ソー
ダ、また特定の有機キレート剤(特公昭51−3018
4号公報、特公昭51−30185号公報)などが併用
されるケースがある。
【0005】しかしながら、特に昨今、上記特性を改良
するために効果のあるトリポリリン酸ソーダに代表され
るリン酸塩類は、河川および湖沼の富栄養化の問題があ
り法的規制が強くなってきていること、EDTA、DT
PA等の有機キレート剤は、CODを高くすることと生
態系への悪影響の懸念があること等により、出来るだけ
使用しない方向での改良が特に望まれる。また、上記珪
酸ナトリウムに代表される珪酸アルカリ金属は、漂白操
作中のアルカリ剤、pH緩衝剤、汚れの再付着防止剤お
よび過酸化物漂白剤の安定化剤の役割を有するものとし
て従来より使用されている。更に、工業的に用いられる
漂白操作における珪酸アルカリ金属塩の使用に関する特
許公報(例えば、特公昭51−30184号公報、特公
昭51−30185号公報、および特開昭62−321
95号公報)には、水溶性アルカリ剤としての珪酸アル
カリ金属塩(水ガラス類)の使用についての記述につい
ては、多く見うけられるが、耐水溶性に優れ、かつ、カ
チオン交換能も有する結晶性珪酸塩の記述については見
あたらない。
【0006】
【課題を解決するための手段】そこで本発明者らはセル
ロース系繊維の前述のような漂白不良の問題点を解決す
るために鋭意研究した結果、ある特定の組成からなる結
晶性の珪酸塩化合物が高いアルカリ能とカチオン交換能
を有することを見出し、その結晶性珪酸塩および/また
はその水和物を従来使用されている漂白操作用薬剤の中
のいくつかの添加量の全て/あるいは一部と置き換える
ことにより該目的が達成されることを見出し、本発明を
完成した。
【0007】即ち、本発明の要旨は、無水物の一般式と
して xM2 O・ySiO2 ・zM' O (式中、MはNa及びKを示し、M' はCa及び/又は
Mgを示し、y/x=0.5〜4.0、z/x=0〜
1.0であり、かつM 2 O中のK/Na=0.01〜
8.0である。) で表される結晶性珪酸塩及び/又はその水和物で表され
るセルロース系繊維用の漂白性向上剤に関する。
【0008】本発明における結晶性珪酸塩は、無水物で
の組成が、一般式xM2 O・ySiO2 ・zM’Oで表
される。ここでMはNa及び/又はKを示し、M’はC
a及び/又はMgを示す。また、y/xは0.5〜4.
0であり、好ましくは0.5〜1.9、さらに好ましく
は1.0〜1.9である。y/xが0.5未満では耐水
溶性が不十分であり、4.0を超えると、イオン交換能
が低くなり、漂白性向上剤としての使用に適さない。z
/xは0〜1.0であり、好ましくは0.005〜1.
0、さらに好ましくは0.01〜0.6である。z/x
が1.0を超えるとイオン交換能が低く、漂白性向上剤
としての使用に適さない。x、y、zは前記のy/xお
よびz/xに示されるような関係であれば、特に限定さ
れるものではない。K/Naはカチオン交換速度を高め
る観点から通常0〜8.0であり、好ましくは0.01
〜8.0である。Mg/Caはカチオン交換容量を高め
る観点から通常0〜10であり、好ましくは0.02〜
10である。
【0009】このような本発明における結晶性珪酸塩と
して、種々の態様があるが好適なものを例示すると次の
ようなものが挙げられる。前記の一般式において、y/
x=0.5〜1.9、z/x=0.005〜1.0、M
2 O中のK/Na=0.01〜8.0、M’O中のMg
/Ca=0〜10で表される、カチオン交換容量が20
0〜600CaCO3 mg/gである結晶性珪酸塩。
【0010】また、本発明における結晶性珪酸塩は、水
和物であってもよく、この場合の水和量はH2 Oのモル
量換算として通常20モル%以下である。
【0011】本発明における結晶性珪酸塩は、合成によ
り得られるものであって、前記一般式に示されるように
2 O、SiO2 、M' Oの三成分よりなっている。従
って、本発明における結晶性珪酸塩を製造するには、そ
の原料として各成分に対応する物質が必要になるが、本
発明においては特に限定されることなく公知の化合物が
適宜用いられる。例えば、M2 O成分、M' O成分とし
ては、各々の当該元素の単独あるいは複合の酸化物、水
酸化物、塩類、当該元素含有鉱物が用いられる。具体的
には例えば、M2 O成分の原料としては、NaOH,K
OH,Na2 CO3 ,K2 CO3 ,Na2 SO4 等が、
M' O成分の原料としては、CaCO3,Ca(OH)
2 、MgCO3 ,Mg(OH)2 ,MgO,ドロマイト
等が挙げられる。SiO2 成分としては珪石,珪砂,ク
リストバライト石,カオリン,タルク,溶融シリカ,珪
酸ソーダ等が用いられる。
【0012】本発明においては、これらの原料成分を目
的とする結晶性珪酸塩のx、y、zとなるように所定の
量比で混合し、通常300〜1300℃、好ましくは5
00〜1000℃、さらに好ましくは600〜900℃
の範囲で焼成して結晶化させる方法、及び同様に混合
後、一旦1100℃〜1600℃で溶融してガラス化物
を得た後焼成する方法、更に溶融後水ガラス化し焼成す
る方法が例示される。加熱時間は通常0.1〜24時間
である。このような焼成は通常、電気炉、ガス炉等の加
熱炉で行うことができる。また、焼成後、必要に応じて
粉砕し所定の粒度に調製される。粉砕機としては例えば
ボールミル、ローラーミル等を用いてなされる。このよ
うな製造方法により、前述のような構造上の特徴を有す
る本発明における結晶性珪酸塩を得ることができる。
【0013】また、本発明における結晶性珪酸塩の水和
物を調製するには、公知の方法により容易に行うことが
でき、特に制限されるものではない。例えば、前記のよ
うにして得られた結晶性珪酸塩の無水物をイオン交換水
に懸濁して水和させ、乾燥せしめて粉末化する方法が挙
げられる。
【0014】このようにして得られた本発明における結
晶性珪酸塩またはその水和物は、一般に用いられる有機
キレート剤と同等または、それ以上の特性が必要である
という観点からカチオン交換容量として少なくとも20
0CaCO3 mg/g以上、好ましくは200〜600
CaCO3 mg/gを有するものである。本発明におい
てカチオン交換容量とは、実施例で示す後述の測定方法
により得られるカチオン交換能の値をいう。但し、50
0CaCO3 mg/g以上の場合は塩化カルシウム溶液
の量を200mlにして測定した値である。
【0015】本発明において耐水溶性とは、結晶性珪酸
塩の水中での安定性を意味する。従って耐水溶性に劣る
とは、水中での結晶性珪酸塩の安定性が悪く水中でのS
i溶出量が増大することを意味する。一方、耐水溶性に
優れるとは、結晶性珪酸塩の水中での安定性が高く、水
中でのSi溶出量が非常に少ないことをいう。本発明に
おける結晶性珪酸塩において、水へのSi溶出量はSi
2 換算で通常120mg/g以下であり、好ましくは
90mg/g以下、より好ましくは60mg/g以下で
あり、ほとんどが実質的に水に不溶である。なお、本発
明において実質的に水に不溶であるとは、試料2gをイ
オン交換水100g中に加え、25℃で30分攪拌した
場合におけるSi溶出量がSiO2 換算で通常120m
g/gより少ないものをいう。
【0016】本発明における結晶性珪酸塩は、漂白性向
上剤として幅広く用いられ、優れたCa、Mg等のカチ
オン捕捉能及びアルカリ度調整能さらに緩衝効果を発現
する。又、珪酸アルカリ金属塩類が一般に持つ再付着防
止能および過酸化物漂白剤の安定化能も併せ持っている
ので本発明における結晶性珪酸塩を漂白性向上剤として
用いた場合、優れた白度、風合い、縫製性を付与するこ
とができ、排水処理性も良好である。
【0017】本発明の漂白性向上剤の使用量は、一般的
には漂白浴に0.1〜20g(固形分換算)/リット
ル、好ましくは0.5〜10g(固形分換算)/リット
ルの範囲が望ましい。
【0018】本発明の漂白性向上剤を適用することので
きるセルロース系繊維としては、木綿、麻などのセルロ
ース天然繊維の他に、これらのセルロース天然繊維とナ
イロン、ポリエステル、アクリルなどの合成繊維との混
合繊維、更にはアセテートなどの半合成繊維との混合繊
維、レーヨン,キュプラなどの再生繊維との混合繊維な
どにも適用することが可能であり、漂白するときの形態
も、繊維、糸、綛、チーズ、織物、編物、不織布、更に
は衣類、寝装商品などの最終繊維製品などのいずれの形
態であっても差し支えない。
【0019】本発明の漂白性向上剤を用いてセルロース
系繊維を漂白する際の漂白方法としては、通常行なわれ
ている方法が適用でき、パッド−スチーム法、加圧煮沸
法、60℃程度から100℃までの温度での浸漬法ある
いはその他の方法などが適用可能である。更に、本発明
の漂白性向上剤は、これまでに述べてきたような漂白の
みならず、精練・漂白、のり抜き・精練・漂白などとい
うように他の工程と同時に行なわれる漂白にも適用する
ことができる。
【0020】セルロース系繊維の漂白を、過酸化水素等
の漂白に必要な薬剤と本発明の漂白性向上剤を共存させ
て行なうことにより、水の硬度が高い場合においても、
本発明の漂白性向上剤の有する高カチオン交換能、アル
カリ能、pH緩衝能、汚れの再付着防止能および過酸化
物等の漂白剤安定化能に起因する効果によって、従来の
漂白方法に比較して優れた白度、風合い、縫製性を付与
することができる。更に本発明のセルロース系繊維用の
漂白性向上剤は、その性能が低下しない範囲においてア
ニオン性、カチオン性、非イオン性等の界面活性剤を併
用することができる。本発明のセルロース系繊維用の漂
白性向上剤と併用することのできる界面活性剤として
は、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシ
エチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキル
エーテル硫酸化物、脂肪酸エステル硫酸化物、ベタイン
型両性活性剤等を例示することができる。
【0021】
【実施例】以下、実施例、比較例および試験例により本
発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施
例等によりなんら限定されるものではない。ただし、実
施例1〜7、9は参考例である。尚、本実施例及び比較
例における測定値は、次に示す方法により測定した。 (1)カチオン交換能 試料0.1gを精秤し、塩化カルシウム水溶液(濃度は
CaCO3 として500ppm)100ml中に加え、
25℃で60分間攪拌した後、孔サイズ0.2μmのメ
ンブランフィルター(アドバンテック社、ニトロセルロ
ース製)を用いて濾過を行い、その濾液10ml中に含
まれるCa量をEDTA滴定により測定した。その値より試料
のカルシウムイオン交換容量(カチオン交換容量)を求
めた。
【0022】(2)Si溶出量 試料2gをイオン交換水100g中に加え、25℃で3
0分間撹拌する。その後遠心分離を行ない、その上澄み
を孔サイズ0.2μmのメンブランフィルターを用いて
濾過する。濾液中のSi濃度をプラズマ発光分析(IC
P)により測定し、SiO2 換算でSiの溶出量を求め
た。
【0023】(3)アルカリ能 試料1gを精秤し、イオン交換水1000mlに懸濁し
撹拌しながら、0.25規定の塩酸を10ml滴下した
際に、懸濁液のpHが9.0〜12.0を示すようなも
のをアルカリ能が良好であると判定し、pHが9.0未
満の場合に、アルカリ能が不十分であると判定した。
【0024】実施例1 2号珪酸ソーダ(SiO2 / Na2 O=2.5)100
重量部に水酸化ナトリウム4.2重量部を加え、ホモミ
キサーにより、撹拌を行ない水酸化ナトリウムを溶解し
た。ここに、微粉砕した無水炭酸カルシウム10重量部
を加え、ホモミキサーを用いて混合した。混合物をニッ
ケル製坩堝に適量採り、700℃の温度で、空気中1時
間焼成し、急冷後得られた焼成体を粉砕して、本発明の
漂白性向上剤粉体1を得た。この粉体のカチオン交換能
は251CaCO3 mg/gと高く、かつSi溶出量
は、21.5SiO2 mg/gであり耐水溶性に優れた
ものであった。また、得られた焼成体の粉末X線(Cu
Kα)回折パターンは、d=3.95±0.1Aに主回
折ピークを示し、焼成前の混合物とは異なる新規な結晶
構造を示す物質であった。
【0025】実施例2〜4 実施例1において無水炭酸カルシウムの添加量を変える
ことにより、表1に示す組成となるようにした以外は実
施例1と同様にして本発明の漂白性向上剤粉体2〜4を
得た。得られた粉体についてカチオン交換能及びSi溶
出量を測定し、その結果を表1に示したが、漂白性向上
剤粉体1と同様にカチオン交換能及び耐水溶性に共に優
れたものであった。また、得られた焼成体の粉末X線
(CuKα)回折パターンは、d=4.17〜2.05
Aに主回折ピークを示し、それぞれ焼成前の混合物とは
異なる新規な結晶構造を示す物質であった。
【0026】実施例5、6 実施例1において無水炭酸カルシウムの代わりに無水炭
酸カルシウムおよび無水炭酸マグネシウムを共に用い
て、表1に示す組成となるようにした以外は実施例1と
同様にして本発明の漂白性向上剤粉体5および6を得
た。得られた粉体についてカチオン交換能及びSi溶出
量を測定し、その結果を表1に示したが、漂白性向上剤
粉体1と同様にカチオン交換能及び耐水溶性に共に優れ
たものであった。また、得られた焼成体の粉末X線(C
uKα)回折パターンは、d=4.17〜2.05Aに
主回折ピークを示し、それぞれ焼成前の混合物とは異な
る新規な結晶構造を示す物質であった。
【0027】実施例7、8 実施例1において2号珪酸ソーダの代わりに、325メ
ッシュパスの珪石粉と水酸化カリウムまたは珪石粉と水
酸化ナトリウム、水酸化カリウム、無水炭酸マグネシウ
ムを用いて、表1に示す組成となるようにした以外は実
施例1と同様にして本発明の漂白性向上剤粉体7および
8を得た。得られた粉体についてカチオン交換能及びS
i溶出量を測定し、その結果を表1に示したが、漂白性
向上剤粉体1と同様にカチオン交換能及び耐水溶性に共
に優れたものであった。また、得られた焼成体の粉末X
線(CuKα)回折パターンは、d=4.17〜2.0
5Aに主回折ピークを示し、それぞれ焼成前の混合物と
は異なる新規な結晶構造を示す物質であった。
【0028】実施例9、10 実施例3および8で得られた無水物10gを500ml
のイオン交換水中に1時間分散させ、0.2μmのメン
ブランフィルターで濾過し、フィルター上の残渣を10
0℃で16時間乾燥させ、それぞれ実施例3および8で
得られたものの水和物である本発明の漂白性向上剤粉体
9および10を得た。得られた粉体についてカチオン交
換能及びSi溶出量を測定し、その結果を表1に示した
が、漂白性向上剤粉体1と同様にカチオン交換能及び耐
水溶性に共に優れたものであった。また、得られた焼成
体の粉末X線(CuKα)回折パターンは、d=10.
40〜3.98Aに主回折ピークを示し、それぞれ焼成
前の混合物とは異なる新規な結晶構造を示す物質であっ
た。
【0029】
【表1】
【0030】比較例1 2号珪酸ソーダ100重量部に水酸化ナトリウム1.9
重量部を加え、ホモミキサーを用いて水酸化ナトリウム
を溶解した。これを、ニッケル製坩堝に適量採り、70
0℃の温度で、空気中1時間焼成した。急冷後、粉砕を
行ない比較粉体1を得た。この粉体のカチオン交換能
は、142CaCO3 mg/gと低い値であった。ま
た、Si溶出量は、3.8SiO2 mg/gであった。
【0031】比較例2 2号珪酸ソーダ100重量部に水酸化ナトリウム28重
量部を加え、ホモミキサーを用いて水酸化ナトリウムを
溶解した。これを、ニッケル製坩堝に適量採り、700
℃の温度で、空気中1時間焼成した。急冷後、粉砕を行
ない比較粉体2を得た。この粉体のカチオン交換能は9
1CaCO3 mg/gと低く、Si溶出量は、171S
iO2 mg/gと耐水溶性に劣るものであった。
【0032】比較例3 2号珪酸ソーダを比較粉体3とした。この粉体のカチオ
ン交換能は59CaCO3 mg/gと低く、全量水ガラ
ス状に溶解するため耐水溶性に劣るものであった。
【0033】
【表2】
【0034】漂白性向上剤の調製例 本発明のセルロース系繊維用の漂白性向上剤を用いて調
製した漂白液をNo.1〜10、比較粉体を用いて調製
した比較用漂白液をNo.11〜14とする配合例を表
3に示す。又、風合い、白度、縫製性の評価結果も表3
に示す。
【0035】
【表3】
【0036】試験例1(漂白性能試験) 精練した綿天竺編ニットを、本発明の漂白性向上剤を用
いて漂白し、その漂白性を調べた。 <漂白条件> 使用水の硬度 20°DH 浴比 1対25 温度 80℃ 時間 30分 漂白用薬剤 表3参照
【0037】<評価>処理した布の風合いは、官能検査
法により判定し、その結果を表3に示した。白度は、ス
ガ試験機(株)社製SMカラーコンピューターSM−3
型を用いて測色し、Lab系の白度式 W=100−〔(100−L)2 +a2 +b2 1/2 (式中、L;測定された明度、a,b;測定されたクロ
マチックネス指数)によって白度(W)を求め評価し
た。縫製性は、布を4枚重ねにし本縫ミシンで針#11
Sを用いて30cm空縫いした場合の地糸切れ箇所数で
評価した。
【0038】試験例2(排水処理性試験) 表3で用いた使用前の漂白液(漂白性向上剤および漂白
用薬剤を所定濃度含む水溶液)を蒸留水で更に100倍
に希釈したもの1000mlを処理液とし、塩化第二鉄
を用いた凝集沈澱法により処理した。その結果を表3に
併せて示す。 <排水処理法>上記100倍希釈品にHClを添加し、
pH5に調整した後、塩化第二鉄を添加し、水酸化カル
ウムを添加し、pH7にした後濾過し、得られた濾液の
COD値を測定し、これを排水処理後のCOD濃度(p
pm)として示し評価した。
【0039】表3の評価結果から明らかなように、本発
明の漂白性向上剤を用いた漂白液では、いずれも風合
い、白度、縫製性に優れ、排水性も良好であった。これ
に対し、過酸化水素とカセイソーダ、2号珪酸ソーダの
みによるもの(No.14)は、風合いが硬く、白度、
縫製性も劣っており、エチレンジアミンテトラアセチッ
クアシッドを併用したもの(No.13)でも大巾な漂
白性の改善はなされず、排水処理時のCOD増大の原因
となる。又、比較用漂白液(No.11、12)におい
ても、風合い、白度、縫製性において本発明の配合系の
レベルに達していない。
【0040】
【発明の効果】本発明の漂白性向上剤を用いることによ
り、従来の漂白液では困難であった優れた漂白性能が得
られ、特に水の硬度が高い場合においても、従来の漂白
方法に比較して優れた風合い、白度、縫製性を付与する
ことができるとともに、昨今問題となっている河川およ
び湖沼等の富栄養化を促進することなく、生態系への悪
影響が懸念される有機化合物の使用を低減化するか、あ
るいは不使用を可能にする。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭60−227895(JP,A) 特開 平5−184946(JP,A) 特開 平2−178398(JP,A) 特開 平4−292411(JP,A) 特開 平7−18562(JP,A) 特公 昭61−59245(JP,B2) 特許2618799(JP,B2) 特許2525318(JP,B2) 国際公開92/7928(WO,A1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D06L 1/00 - 3/16 C11D 1/00 - 19/00

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 無水物の一般式としてxM2 O・ySi
    2 ・zM'O (式中、MはNa及びKを示し、M' はCa及び/又は
    Mgを示し、y/x=0.5〜4.0、z/x=0〜
    1.0であり、かつM 2 O中のK/Na=0.01〜
    8.0である。) で表される結晶性珪酸塩及び/又はその水和物で表され
    るセルロース系繊維用の漂白性向上剤。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の一般式において、結晶
    性珪酸塩がy/x=0.5〜1.9、z/x=0.00
    5〜1.0、M’O中のMg/Ca=0〜10で表され
    る請求項1記載のセルロース系繊維用の漂白性向上剤。
  3. 【請求項3】 結晶性珪酸塩のカチオン交換容量が20
    0〜600CaCO3 mg/gである請求項1又は2記
    載のセルロース系繊維用の漂白性向上剤。
  4. 【請求項4】 結晶性珪酸塩の水へのSi溶出量がSi
    2 換算で120mg/g以下である請求項1、2又は
    3記載のセルロース系繊維用の漂白性向上剤。
  5. 【請求項5】 結晶性珪酸塩が酸に対する緩衝作用であ
    るアルカリ能を有するものである請求項1〜4いずれか
    に記載のセルロース系繊維用の漂白性向上剤。
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