JP3008140B2 - 洗浄剤組成物 - Google Patents

洗浄剤組成物

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JP3008140B2 JP4297845A JP29784592A JP3008140B2 JP 3008140 B2 JP3008140 B2 JP 3008140B2 JP 4297845 A JP4297845 A JP 4297845A JP 29784592 A JP29784592 A JP 29784592A JP 3008140 B2 JP3008140 B2 JP 3008140B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、無機イオン交換体を含
有する洗浄剤組成物に関する。さらに詳しくは、イオン
交換能とアルカリ能にすぐれ耐水溶性を有する無機イオ
ン交換体を含有する洗浄剤組成物に関する。
【0002】
【従来の技術・発明が解決しようとする課題】洗浄剤に
配合するビルダーには、現在までに多くのキレート剤、
イオン交換体、沈澱剤、分散剤等が報告されている。近
年、トリポリ燐酸塩は、湖沼等の閉鎖系水域の富栄養化
への懸念から使用が減少し、特開昭50−12381号
公報、特開昭51−12805号公報に代表される結晶
性アルミノ珪酸塩が多く用いられている。またその他に
も、特開昭60−239320号公報、特開平3−93
649号公報には、イオン交換性の珪酸ナトリウムの使
用が提案されており、また特公昭61−59245号公
報には珪酸カルシウムアルカリ水和物、DD−2792
34A1公報にはマグネシウム含有シリケートが開示さ
れている。
【0003】しかしながら、これらのビルダーは耐水溶
性が充分でないためイオン交換能が充分とはいえなかっ
た。また近年、洗浄剤の使用者の便利性の追求から洗浄
剤の濃縮高密度化が進められており、洗浄剤に使用され
るビルダーは結晶性アルミノ珪酸塩のようなイオン交換
能のみの単機能のものに代わって、洗浄剤配合の濃縮化
に適した多機能のものが当業界で求められている。従っ
て、本発明の目的はイオン交換能とアルカリ能に優れる
とともに、耐水溶性を有する無機イオン交換体を含有す
る、濃縮化に適した洗浄剤組成物を提供する事にある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは前記課題を
解決するために鋭意研究を重ねた結果、特定の組成から
なる新規な無機イオン交換体を配合した洗浄剤組成物を
見出し、本発明を完成するに至った。
【0005】即ち、本発明の要旨は、(1)一般式、x
2 O・ySiO2 ・zMem n (但し、Mは水素または周期表のIa族元素を、Meは
周期表のIIa,IIb,IIIa,IVaもしくはVIII族元素を示
し、y/x=0.5〜2.0、z/x=0.01〜1.
0、n/m=0.5〜2.0である。)で表される組成
からなる結晶性珪酸塩であって、少なくとも100mg
CaCO3 /g以上のイオン交換容量を有する無機イオ
ン交換体および/またはその水和物、および界面活性剤
を含有する洗浄剤組成物、(2)界面活性剤が陰イオン
界面活性剤、非イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤
及び両性界面活性剤からなる群より選択される一種以上
である前記(1)記載の洗浄剤組成物、(3)無機イオ
ン交換体の含有量が0.5〜70重量%、界面活性剤の
含有量が1〜60重量%である前記(1)または(2)
記載の洗浄剤組成物、(4)さらに洗浄ビルダーを含有
することを特徴とする前記(1)、(2)または(3)
記載の洗浄剤組成物、並びに(5)洗浄ビルダーの含有
量が1〜80重量%である前記(4)記載の洗浄剤組成
物に関する。
【0006】本発明において無機イオン交換体とは、カ
チオン交換能を有する無機物質をいい、本発明における
無機イオン交換体は、その組成が一般式、xM2 O・y
SiO2 ・zMem n で表される結晶性珪酸塩であ
る。但し、Mは水素または周期表のIa族元素を、Me
は周期表のIIa,IIb,IIIa,IVaまたはVIII族元素を示
し、y/x=0.5〜2.0、z/x=0.01〜1.
0、n/m=0.5〜2.0である。
【0007】ここで、Mは水素又は周期表のIa族元素
から選ばれ、Ia族元素としてはNa、K等が挙げられ
る。これらは単独であるいは例えばNa2 OとK2 Oと
が混合してM2 O成分を構成していてもよい。Meは周
期表のIIa,IIb,IIIa,IVaまたはVIII族元素から選ば
れ、例えばMg、Ca、Zn、Y、Ti、Zr、Fe等
が挙げられる。これらは特に限定されるものではない
が、資源及び安全上の点から好ましくはMg、Ca、F
eである。また、これらは単独であるいは2種以上混合
していてもよく、例えばMgO、CaOなどが混合して
Mem n 成分を構成していてもよい。また、本発明に
おける無機イオン交換体においては、水和物であっても
よく、この場合の水和量はH2 Oのモル量換算として通
常0〜20である。
【0008】また、一般式においてy/xが0.5〜
2.0であり、好ましくは1.0〜1.8である。y/
xが0.5未満では耐水溶性が不十分であり、2.0を
越えると、イオン交換能が低くなり、イオン交換体とし
て不十分である。z/xは0.01〜1.0であり、好
ましくは0.02〜0.9である。z/xが0.01未
満では耐水溶性が不十分であり、1.0を越えるとイオ
ン交換能が低くなり、イオン交換体として不十分であ
る。x,y,zは前記のy/xおよびz/xに示される
ような関係であれば、特に限定されるものではない。な
お、前記のようにxM2 Oが例えばx’Na2 O・x”
2 Oとなる場合は、xはx’+x”となる。このよう
な関係は、zMem n 成分が2種以上のものからなる
場合におけるzにおいても同様である。また、n/m=
0.5〜2.0は、当該元素に配位する酸素イオン数を
示し、実質的には0.5、1.0、1.5、2.0の値
から選ばれる。
【0009】本発明における無機イオン交換体は、前記
の一般式に示されるようにM2 O、SiO2 、Mem
n の三成分よりなっている。したがって、本発明におけ
る無機イオン交換体を製造するには、その原料として各
成分が必要になるが、本発明においては特に限定される
ことなく公知の化合物が、適宜用いられる。例えば、M
2 O成分、Mem n 成分としては、各々の当該元素の
単独あるいは複合の酸化物、水酸化物、塩類、当該元素
含有鉱物が用いられる。具体的には例えば、M2 O成分
の原料としては、NaOH、KOH、Na2 CO3 、K
2 CO3 、Na2 SO4 等が、Mem n 成分の原料と
しては、CaCO3 、MgCO3 、Ca(OH)2 、M
g(OH)2 、MgO、ZrO2 、ドロマイト等が挙げ
られる。SiO2 成分としてはケイ石、カオリン、タル
ク、溶融シリカ、珪酸ソーダ等が用いられる。
【0010】本発明における無機イオン交換体の調製方
法は、目的とする無機イオン交換体のx,y,zの値と
なるように所定の量比で上記の原料成分を混合し、通常
300〜1500℃、好ましくは500〜1000℃、
さらに好ましくは600〜900℃の範囲で焼成して結
晶化させる方法が例示される。この場合、加熱温度が3
00℃未満では結晶化が不十分で耐水溶性に劣り、15
00℃を越えると粗大粒子化しイオン交換能が低下す
る。加熱時間は通常0.1〜24時間である。このよう
な焼成は通常、電気炉、ガス炉等の加熱炉で行う事がで
きる。また、焼成後、必要に応じて粉砕し所定の粒度に
調整される。粉砕機としては例えばボールミル、ローラ
ーミル等を用いてなされる。
【0011】また本発明における無機イオン交換体の水
和物を調製するには、公知の方法により容易に行う事が
でき、特に制限されるものではない。例えば、前記のよ
うにして得られた無機イオン交換体の無水物をイオン交
換水に懸濁して水和させ、乾燥せしめて粉末化する方法
が挙げられる。
【0012】このようにして得られた本発明における無
機イオン交換体またはその水和物は、イオン交換容量と
して少なくとも100mgCaCO3 /g以上、好まし
くは200〜600mgCaCO3 /gを有するもので
ある。また、水へのSi溶出量はSiO2 換算で通常1
00mg/g以下であり、実質的に水に不溶である。な
お、本発明において実質的に水に不溶であるとは、試料
2gをイオン交換水100g中に加え、25℃で30分
攪拌した場合におけるSi溶出量がSiO2 換算で通常
100mg/gより少ないものをいう。
【0013】本発明における無機イオン交換体は、0.
1重量%分散液において11以上のpHを示し、優れた
アルカリ能を示す。またアルカリ緩衝効果についても、
特に優れており、炭酸ソーダや通常の無定形珪酸ナトリ
ウムと比較してもアルカリ緩衝効果が優れるものであ
る。本発明における無機イオン交換体は、前記のように
優れたイオン捕捉能、アルカリ度調整能、さらに緩衝効
果を有するため、これを配合した本発明の洗浄剤組成物
は、優れた洗浄性能を有するとともに、濃縮化に適す
る。
【0014】以上の無機イオン交換体および/またはそ
の水和物の含有量は、全組成物中、通常0.5〜70重
量%、好ましくは2〜60重量%である。0.5重量%
未満であると、無機イオン交換体の性能が組成物として
発現されず、70重量%を越えると、洗浄剤に含まれる
他の成分の配合量が制約され、洗浄剤としての成分バラ
ンスに支障をきたす。
【0015】本発明に用いられる界面活性剤としては、
一般的に洗浄剤に用いられるものであれば特に限定され
るものではない。具体的には、以下に例示される陰イオ
ン界面活性剤、非イオン界面活性剤、陽イオン界面活性
剤及び両性界面活性剤からなる群より選択される一種以
上である。例えば、陰イオン界面活性剤の中から複数選
択する場合のごとく同一種類のみから選択してもよく、
また陰イオン界面活性剤と非イオン界面活性剤の中から
それぞれ選択する場合のごとく各種のものを複数選択し
てもよい。
【0016】陰イオン界面活性剤としては、アルキルベ
ンゼンスルホン酸塩、アルキルまたはアルケニルエーテ
ル硫酸塩、アルキルまたはアルケニル硫酸塩、α−オレ
フィンスルホン酸塩、α−スルホ脂肪酸塩またはエステ
ル塩、アルキルまたはアルケニルエーテルカルボン酸
塩、アミノ酸型界面活性剤、N−アシルアミノ酸型界面
活性剤、アルキルまたはアルケニル燐酸エステルまたは
その塩等が例示され、好ましくはアルキルベンゼンスル
ホン酸塩、アルキルまたはアルケニルエーテル硫酸塩、
アルキルまたはアルケニル硫酸塩等である。
【0017】非イオン界面活性剤としては、ポリオキシ
エチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキ
ルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂
肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エ
ステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリ
オキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテ
ル、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン
アルキルアミン、グリセリン脂肪酸エステル、高級脂肪
酸アルカノールアミド、アルキルグルコシド、アルキル
アミンオキサイド等が挙げられる。このうち、特に非イ
オン性界面活性剤として、炭素数10〜15の直鎖また
は分岐鎖の1級または2級アルコールのエチレンオキサ
イド付加物であって、平均付加モル数5〜15のポリオ
キシエチレンアルキルエーテルを使用するのが望まし
い。より好ましくは炭素数12〜14の直鎖または分岐
鎖の1級または2級のアルコールのエチレンオキサイド
付加物であって、平均付加モル数6〜10のポリオキシ
エチレンアルキルエーテルを使用するのが望ましい。
【0018】陽イオン界面活性剤としては第4アンモニ
ウム塩等が例示される。両性界面活性剤としては、カル
ボキシ型またはスルホベタイン型等の両性界面活性剤が
例示される。
【0019】以上の界面活性剤の含有量は、全組成物
中、好ましくは1〜60重量%、より好ましくは5〜5
0重量%配合される。1重量%未満であると洗浄剤とし
ての本来の性能を著しく欠くことになり、60重量%を
越えると、洗浄剤に含まれる他の成分の配合量が制約さ
れ、洗浄剤としての成分バランスに支障をきたす。
【0020】本発明の洗浄剤組成物は、前記のような無
機イオン交換体および/またはその水和物、および界面
活性剤を含有するものであるが、本発明では更に、洗浄
剤に通常配合される各種添加剤を適宜配合することがで
きる。このような添加剤としては、洗浄ビルダーが好ま
しいが、用いられる洗浄ビルダーとしては、以下に例示
される無機化合物および/または有機化合物が挙げられ
る。洗浄ビルダーとしては、例えば、次に示されるよう
な結晶性あるいは非結晶性アルミノ珪酸塩が挙げられ
る。
【0021】(1)次式で示される結晶性アルミノ珪酸
塩 p(M’2 OまたはM”O)・Al2 3 ・qSiO2
・wH2 O (式中、M’はアルカリ金属原子、M”はカルシウムと
交換可能なアルカリ土類金属原子、p,q,wは各成分
のモル数を表し、通常、0.7≦p≦1.5、0.8≦
q≦6、wは任意の正数である。) このうち、特に次式で示されるものが洗浄ビルダーとし
て好ましい。 Na2 O・Al2 3 ・rSiO2 ・w’H2 O (ここでrは1.8〜3.0、w’は1〜6の数を表
す。) (2)次式で示される非結晶性アルミノ珪酸塩 tQ2 O・Al2 3 ・uSiO2 ・wH2 O (式中、Qはナトリウム及び/またはカリウム原子を表
し、t,u,wは次の数値範囲内にある各成分のモル数
を表し、0.7<t≦1.2、1.6≦u≦2.8、w
は任意の正数である。)
【0022】その他にも、例えばトリポリ燐酸塩、ピロ
燐酸塩等の燐酸塩、アミノトリ(メチレンホスホン
酸)、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン
酸、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)、
ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)、
及びそれらの塩、2−ホスホノブタン−1,2−ジカル
ボン酸等のホスホノカルボン酸の塩、アスパラギン酸、
グルタミン酸等のアミノ酸の塩、ニトリロ三酢酸塩、エ
チレンジアミン四酢酸塩等のアミノポリ酢酸塩、ポリア
クリル酸、ポリアコニット酸等の高分子電解質、ポリエ
チレングリコール、ポリビニルアルコール、ポリビニル
ピロリドン等の非解離高分子、特開昭54−52196
号公報記載のポリアセタールカルボン酸重合体、ジグリ
コール酸、オキシカルボン酸塩等の有機酸の塩等のビル
ダー及び二価金属イオン捕捉剤、珪酸塩、炭酸塩、硫酸
塩等のアルカリ剤あるいは無機電解質、特開昭60−2
27895号公報記載の層状珪酸塩、ポリビニルピロリ
ドン、カルボキシメチルセルロース等の再汚染防止剤な
どが挙げられる。
【0023】以上の洗浄ビルダーの含有量は、全組成物
中、1〜80重量%、好ましくは5〜50重量%であ
る。1重量%未満であると、洗浄ビルダーとしての性能
が発現されず、80重量%を越えると、洗浄剤に含まれ
る他の成分の配合量が制約され、洗浄剤としての成分バ
ランスに支障をきたす。
【0024】本発明の洗浄剤組成物は、その他以下のよ
うな成分も含有する事ができる。例えば、プロテアー
ゼ、リパーゼ、セルラーゼ等の酵素、パラトルエンスル
ホン酸塩、スルホコハク酸塩、タルク、カルシウムシリ
ケート等のケーキング防止剤、第3ブチルヒドロキシト
ルエン、ジスチレン化クレゾール等の酸化防止剤、蛍光
染料、青味付剤、香料等を含むことができるが、これら
については特に限定されず、目的に応じた配合がなされ
てよい。
【0025】本発明の洗浄剤組成物は、例えば衣料用洗
剤、食器用洗剤、身体用洗浄剤、金属用洗浄剤等の各種
用途に使用される。
【0026】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳しく説
明するが、本発明は実施例によりなんら限定されるもの
ではない。尚、本実施例及び比較例における測定値は、
次に示す方法により測定した。 (1)イオン交換能 試料0.1gを精秤し、塩化カルシウム溶液(濃度はCaC
3 として1%)50ml中に加え、25℃で60分間撹拌した
後、5種C番の濾紙を用いて濾過を行う。その濾液10ml
を取って濾液中のCa量をEDTA滴定により測定し、その値
より試料のカルシウムイオン交換容量を求めた。 (2)Si溶出量 試料2gをイオン交換水100g中に加え、25℃で30
分間撹拌する。その後遠心分離を行い、その上澄みを孔
サイズ0.2μmのメンブランフィルターを用いて濾過
する。濾液中のSi濃度をプラズマ発光分析(ICP)
により測定し、SiO2 換算でSiの溶出量を求めた。
【0027】調製例(無機イオン交換体) 2号珪酸ソーダ(SiO2 /Na2 O=2.5)100
重量部に水酸化ナトリウム4.2重量部を加え、ホモミ
キサーにより攪拌を行い水酸化ナトリウムを溶解した。
ここに、微分散した無水炭酸カルシウム10重量部を加
え、ホモミキサーを用いて混合した。混合物をニッケル
製坩堝に適量採り、700℃の温度で、空気中1時間焼
成し、急冷後得られた焼成体を粉砕して本発明における
無機イオン交換体粉末Aを得た。この粉末のイオン交換
能は243mgCaCO3 /gと高く、かつSi溶出量
は、19.7mgSiO2 /gであり耐水溶性に優れた
ものであった。また、得られた焼成体の粉末X線(Cu
Kα)回析パターンは、焼成前の混合物とは異なる回折
パターンを示し、新規な結晶構造を示す物質であった。
これと同様にして、表1に示す組成の無機イオン交換体
粉末B,C,Dを得た。
【0028】
【表1】
【0029】実施例1〜50 前記の調製例で得られた無機イオン交換体粉末A〜Dを
用いて、表2〜7に示す組成からなる本発明の洗浄剤組
成物を以下の方法により製造した。
【0030】即ち、実施例1〜11においては、無機イ
オン交換体以外の成分を60%固形分水性スラリーに
し、これを噴霧乾燥して得られた粒子に無機イオン交換
体粉末を混合した。実施例12〜19,実施例30〜5
0では、無機イオン交換体以外の成分からなる60%固
形分スラリーを噴霧乾燥し、得られた粒子を攪拌型造粒
機に入れて、更に配合量相当の無機イオン交換体粉末を
入れて造粒を行った。実施例20〜29では、粉末原料
を攪拌式転動造粒機に入れ、液状非イオン界面活性剤を
徐々に投入しながら、混合造粒した。これらのようにし
て、平均粒径200〜500μmの粉末の洗浄剤組成物
を得た。
【0031】比較例1〜10 無機イオン交換体粉末の代わりにゼオライト4Aを用い
ること、又は無機イオン交換体粉末を用いないこと以外
は、実施例と同様にして表2〜表6に示す組成からなる
洗浄剤組成物を製造した。
【0032】比較例11〜12 無機イオン交換体粉末の代わりにゼオライト4A又はク
エン酸3Na・2H2Oを用い、洗浄率および洗浄前後
のpHが実施例46〜50と同等になるように配合量を
調整したこと以外は、実施例46〜50と同様にして表
7に示す組成からなる洗浄剤組成物を製造した。
【0033】試験例1 実施例1〜11、比較例1,2で得られた洗浄剤組成物
を用いて、以下の条件で洗浄試験を行った。 (人工汚染布の調製)10cm×10cmの木綿布に下
記組成の油脂と微量のカーボンブラックで汚染して調製
した。 綿実油 60% コレステロール 10% オレイン酸 10% パルミチン酸 10% 液体及び固体パラフィン 10% (洗浄条件)2槽式洗濯機(東芝(株)製,銀河)を使
用して、洗濯時間10分、温度20℃、使用水3°DH
(Ca/Mg=3/1)、流水すすぎ8分、洗剤濃度
0.133%で洗濯を行った。 (洗浄率の算出)原布及び洗浄前後の550mμにおけ
る反射率を自記色彩計(島津製作所製)にて測定し、次
式によって洗浄率D(%)を算出した。その結果を表2
に併せて示す。 D=(L2 −L1 )/(L0 −L1 )×100(%) L0 :原布の反射率 L1 :洗浄前汚染布の反射率 L2 :洗浄後汚染布の反射率
【0034】
【表2】
【0035】試験例2 実施例12〜19、比較例3,4で得られた洗浄剤組成
物を用い、洗浄条件のみを下記のように変えて、試験例
1と同様に試験を行った。 (洗浄条件)全自動洗濯機(松下電気産業(株)製,愛
妻号)を使用して、温度20℃、使用水3.5°DH
(Ca/Mg=3/1)、洗剤濃度0.0833%で、
標準コースにて洗濯を行った。その結果を表3に併せて
示す。
【0036】
【表3】
【0037】試験例3 実施例20〜29、比較例5,6で得られた洗浄剤組成
物を用い、洗浄条件のみを下記のように変えて、試験例
1と同様に試験を行った。 (洗浄条件)ターゴトメーターを使用して、回転数10
0rpm、洗濯時間10分、温度20℃、使用水3°D
H(Ca/Mg=3/1)、洗剤濃度0.0833%で
洗濯を行った。その結果を表4に併せて示す。
【0038】
【表4】
【0039】試験例4 実施例30〜37、比較例7,8で得られた洗浄剤組成
物を用い、洗浄条件のみを下記のように変えて、試験例
1と同様に試験を行った。 (洗浄条件)全自動洗濯機(米国Whirlpool
製,Model LA5580XT)を使用して、温度
35℃、使用水8°DH(Ca/Mg=2/1)、洗剤
濃度0.1%で標準コースにて洗濯を行った。その結果
を表5に併せて示す。
【0040】
【表5】
【0041】試験例5 実施例38〜45、比較例9,10で得られた洗浄剤組
成物を用い、洗浄条件のみを下記のように変えて、試験
例1と同様に試験を行った。 (洗浄条件)全自動洗濯機(BOSCH社製WFK400
0,ドラム式)を使用して、温度60℃、使用水16°
DH(Ca/Mg=2/1)、洗剤濃度0.8%で標準
コースにて洗濯を行った。その結果を表6に併せて示
す。
【0042】
【表6】
【0043】試験例6 実施例46〜50、比較例11,12で得られた洗浄剤
組成物を用い、試験例1と同じ洗浄条件で同様に洗浄試
験を行った。その結果を洗浄剤組成物の全配合量、使用
量、濃縮度、および洗浄前後のpHとともに表7に併せ
て示す。
【0044】
【表7】
【0045】表2〜表6の結果より、本発明の洗浄剤組
成物は、従来より洗浄剤用イオン交換体として用いられ
ているゼオライトを用いた場合(比較例1,3,5,
7,9)と同等の洗浄率を示すことが判明した。また、
無機イオン交換体を用いない場合(比較例2,4,6,
8,10)と比較すると洗浄率はかなり向上していた。
また、表7の結果より、本発明の洗浄剤組成物(実施例
46〜50)は従来の配合(比較例11〜12)と比較
して少ない使用量で同等の洗浄性能を得る事ができ、す
なわち同等の洗浄性能の洗浄剤組成物をより少ない使用
量となるように濃縮したことになる。これは本発明にお
ける無機イオン交換体が、イオン交換能とアルカリ能に
優れた多機能のものである為であり、その使用によっ
て、従来の配合ではイオン交換体とアルカリ剤を別々に
相当量用いていたものを、その合計量よりも少ない配合
量で同等の洗浄性能を得る事ができるためである。
【0046】
【発明の効果】本発明の洗浄剤組成物は、イオン交換能
とアルカリ能に優れるとともに、耐水溶性を有する無機
イオン交換体を含有するため、洗浄効果が優れるととも
に、洗浄剤の濃縮化に適したものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭55−149118(JP,A) 特開 昭60−227895(JP,A) 特開 平5−279013(JP,A) 特開 平5−184946(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C11D 3/12 C01B 33/20 - 33/32

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式、xM2 O・ySiO2 ・zMe
    m n (但し、Mは水素または周期表のIa族元素を、Meは
    周期表のIIa,IIb,IIIa,IVaもしくはVIII族元素を示
    し、y/x=0.5〜2.0、z/x=0.01〜1.
    0、n/m=0.5〜2.0である。)で表される組成
    からなる結晶性珪酸塩であって、少なくとも100mg
    CaCO3 /g以上のイオン交換容量を有する無機イオ
    ン交換体および/またはその水和物、および界面活性剤
    を含有する洗浄剤組成物。
  2. 【請求項2】 界面活性剤が陰イオン界面活性剤、非イ
    オン界面活性剤、陽イオン界面活性剤及び両性界面活性
    剤からなる群より選択される一種以上である請求項1記
    載の洗浄剤組成物。
  3. 【請求項3】 無機イオン交換体の含有量が0.5〜7
    0重量%、界面活性剤の含有量が1〜60重量%である
    請求項1または2記載の洗浄剤組成物。
  4. 【請求項4】 さらに洗浄ビルダーを含有することを特
    徴とする請求項1、2または3記載の洗浄剤組成物。
  5. 【請求項5】 洗浄ビルダーの含有量が1〜80重量%
    である請求項4記載の洗浄剤組成物。
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