JPH107856A - 樹脂組成物と樹脂成形体 - Google Patents

樹脂組成物と樹脂成形体

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JPH107856A
JPH107856A JP16587996A JP16587996A JPH107856A JP H107856 A JPH107856 A JP H107856A JP 16587996 A JP16587996 A JP 16587996A JP 16587996 A JP16587996 A JP 16587996A JP H107856 A JPH107856 A JP H107856A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明の目的は、直接成形が可能な、分散性
に優れた難燃剤マスターバッチ樹脂組成物、及び当該組
成物とABS系樹脂を直接成形することによって得られ
る樹脂成形体を提供することである。 【解決手段】 本発明は、芳香族ビニル−シアン化ビニ
ル共重合体40〜80重量部及びハロゲン系難燃剤20
〜60重量部を含有してなる難燃剤マスターバッチ樹脂
組成物及び、当該マスターバッチ樹脂組成物とABS系
樹脂を直接成形してなる樹脂成形体を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ABS系樹脂に難
燃性を付与するために使用される難燃剤マスターバッチ
樹脂組成物、及びこの難燃剤マスターバッチ樹脂組成物
とABS系樹脂を同時に成形機に供給(以下、直接成形
法という)して成形してなる樹脂成形体に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】近年、複写機、テレビ及びビデオ機器に
代表される事務機器及び家電製品等の活電部を有する機
器に使用されるプラスチック材料には、難燃性が求めら
れている。また、国内においては電気用品取締法によっ
て、海外においてはCSA、UL規格等によって、電気
機器の部品毎に要求される難燃性の程度が規定されてい
る。
【0003】一方、ABS系樹脂は電気製品のハウジン
グやシャーシー等の部品に使用されるが、それ自体は易
燃性であり前記の規定に合致しない。
【0004】ABS系樹脂に難燃性を付与する方法とし
ては、ハロゲン系難燃剤を添加し複合化することが一般
的である。しかしながら、ABS系樹脂とハロゲン系難
燃剤とは相溶性が劣ることから、あらかじめ高混練の押
出機にて溶融混練しペレット形状のコンパウンドを作成
し(以下、予備コンパウンド法という)、これに続く射
出成形、シート押出し及びブロー成形等に供して成形品
を得ることが行われている。
【0005】これらの方法では、高混練の押出機でのコ
ンパウンド工程を介することにより、ABS系樹脂は熱
劣化をきたすため、衝撃強度等物性が低下するし、また
経済的にも好ましくない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、直接
成形が可能な、分散性に優れた難燃剤マスターバッチ樹
脂組成物、及び当該組成物とABS系樹脂を直接成形す
ることによって得られる樹脂成形体を提供することであ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、下記の特定
な樹脂組成物と、これから得られる樹脂成形体を見い出
し、本発明を完成させた。すなわち本発明は、特定の芳
香族ビニル−シアン化ビニル共重合体40〜80重量部
及びハロゲン系難燃剤20〜60重量部を含有してなる
難燃剤マスターバッチ樹脂組成物を提供するものであ
る。また、本発明は芳香族ビニル−シアン化ビニル共重
合体及びハロゲン系難燃剤の合計100重量部に対し、
熱安定剤0.2〜5重量部及び/または三酸化アンチモ
ン20重量部以下(但し、0を含まず)を含有する難燃
剤マスターバッチ樹脂組成物を提供するものである。更
に、本発明は難燃剤マスターバッチ樹脂組成物及びAB
S系樹脂、または難燃剤マスターバッチ樹脂組成物とA
BS系樹脂及び三酸化アンチモンを、同時に成形機に供
給して成形してなることを特徴とする樹脂成形体を提供
するものである。
【0008】本発明の難燃剤マスターバッチ樹脂組成物
に使用する芳香族ビニル−シアン化ビニル共重合体と
は、芳香族ビニル単量体とシアン化ビニル単量体を共重
合したものであり、本発明の主旨を損なわない範囲で、
これらの他にこれらの単量体と共重合可能な単量体も共
重合することができる。
【0009】芳香族ビニル単量体とシアン化ビニル単量
体の配合比率は、芳香族ビニル単量体65〜85重量%
及びシアン化ビニル単量体15〜35重量%が好まし
い。芳香族ビニル単量体としては、スチレン、α−メチ
ルスチレン、ビニルトルエン、t−ブチルスチレン、ク
ロルスチレン等及びその置換単量体が挙げられ、これら
の一種以上が用いられる。
【0010】シアン化ビニル単量体としては、アクリロ
ニトリル、メタクリロニトリル、α−クロルアクリロニ
トリル等があげられる。
【0011】これらの単量体と共重合可能な単量体とし
ては、メチルアクリル酸エステル、エチルアクリル酸エ
ステル等のアクリル酸エステル単量体、メチルメタクリ
ル酸エステル、エチルメタクリル酸エステル等のメタク
リル酸エステル単量体、アクリル酸、メタクリル酸等の
ビニルカルボン酸単量体、マレイミド、N−メチルマレ
イミド、N−ブチルマレイミド等のN−アルキルマレイ
ミド単量体、N−フェニルマレイミド、N−2−メチル
フェニルマレイミド、N−パラメトキシマレイミド等の
N−アリールマレイミド単量体及び無水マレイン酸等の
不飽和ジカルボン酸無水物が挙げられる。
【0012】本発明の難燃剤マスターバッチ樹脂組成物
に使用する芳香族ビニル−シアン化ビニル共重合体は、
メルトフローレイト(以下、MFRと略記)が、5〜1
00g/10min、好ましくは10〜50g/10m
in、特に好ましくは15〜40g/10minの範囲
にあるものが、これを使用してABS系樹脂と共に直接
成形した樹脂成形体の難燃性、耐衝撃性において特に好
ましい。MFRが5g/10min未満では難燃性が劣
り、100g/10minを超えると耐衝撃性が低下す
る。なお、MFRはASTM D1238に準拠して測
定した。芳香族ビニル−シアン化ビニル共重合体のMF
Rを調整する手段としては、芳香族ビニルとシアン化ビ
ニルの配合比率、重合体の分子量の調整及び可塑剤或い
は滑剤の添加量によるものが一般的に挙げられる。芳香
族ビニル−シアン化ビニル共重合体の重合方式として
は、懸濁重合法、塊状重合法、乳化重合法及び溶液重合
法があるが特に限定するものではない。
【0013】次に、本発明で使用するハロゲン系難燃剤
について説明する。ハロゲン系難燃剤は、フッ素、塩
素、臭素及びヨウ素のいずれか一種以上を構成成分とす
る化合物であり特に限定するものではないが、その代表
的なものとして雑誌‘プラスチックス’(日本プラスチ
ック工業連盟、1993年、第4巻、第9号、51〜5
6ページ)に記載してあるものが使用できる。すなわ
ち、塩素系難燃剤としては、塩素化パラフィン、パーク
ロロシクロペンタデカン、クロレンド酸及び塩化ビニー
ル等があり、臭素系難燃剤としては、デカブロモジフェ
ニルオキサイド、オクタブロモジフェニルオキサイド、
テトラブロモジフェニルオキサイド、テトラブロモビス
フェノールA、ヘキサブロモシクロドデカン、ビストリ
ブロモフェノキシエタン、トリブロモフェノール、エチ
レンビステトラブロモフタルイミド、TBAポリカーボ
ネートオリゴマー、臭素化ポリスチレン、TBAエポキ
シオリゴマー、TBAエポキシポリマー、エチレンビス
ペンタブロモジフェニル及び臭素化トリアジン系等があ
り、フッ素系難燃剤としては、ポリテトラフルオルエチ
レン、ポリフッ化ビニリデン及びポリトリフルオルクロ
ルエチレン等が挙げられる。
【0014】本発明の難燃剤マスターバッチ樹脂組成物
を構成するハロゲン系難燃剤の含有量は、経済性の観点
からは、多ければ多い程好ましいが、20〜60重量部
が好適であり、特に好ましくは30〜60重量部であ
る。含有量が20重量部未満であれば、難燃性が劣るこ
とから難燃剤マスターバッチ樹脂組成物の添加量が増え
耐衝撃性を低下させると共にマスターバッチとしての経
済効果が低い。含有量が60重量部を超えると、ABS
系樹脂との直接成形において難燃剤の分散不良に起因す
るシルバーストリーク状の外観不良を発生し好ましくな
い。
【0015】ハロゲン系難燃剤を含む難燃性ABS系樹
脂は、熱安定性が劣ることから熱安定剤を添加すること
が一般的に行われている。この熱安定剤を難燃剤マスタ
ーバッチ樹脂組成物に含有させABS系樹脂と直接成形
することにより、予備コンパウンド法と比較して、熱安
定剤の安定化効果をより向上させることができる。
【0016】ここで用いる熱安定剤としては、熱分解抑
制機能を有するもの及び成形時に発生するハロゲン捕捉
機能を有するものが使用できる。熱分解抑制機能を有す
るものとしては、スズマレート、スズメルカプト、鉛ス
テアレート等に代表されるスズ、鉛の有機化合物及び
2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、n−
オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒ
ドロキシフェニル)プロピオネートに代表されるフェノ
ール系安定剤があり、ハロゲン捕捉機能を有するものと
しては、ハイドロタルサイト、ゼオライト、酸化マグネ
シウム、ステアリン酸亜鉛等の塩基性金属塩があり、こ
れらを単独で或いは二種以上を併用することができる。
熱安定剤の添加量は、0.2〜5重量部の範囲が好適で
あり、0.2重量部未満では熱安定性の向上効果が少な
く、5重量部を超えて添加しても向上効果は添加量比例
で向上せず経済的ではない。
【0017】本発明の難燃剤マスターバッチ樹脂組成物
には、三酸化アンチモン、硫化亜鉛等の難燃助剤の他、
酸化防止剤、可塑剤、滑剤、着色剤及び帯電防止剤等の
添加物を目的に合わせて配合することができる。
【0018】このようにして得られる難燃剤マスターバ
ッチ樹脂組成物及びABS系樹脂を同時に成形機に供給
して成形してなる成形体は、予備コンパウンド法と比較
してABS系樹脂の熱履歴が少ないことから耐衝撃性等
が優れており、また難燃性改良効率も向上し、更にコン
パウンド工程が省略できることから加工費用が低減でき
る。
【0019】ここで、組み合わせて用いるABS系樹脂
とは、ABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレ
ン)樹脂及び耐熱ABS(アクリロニトリル−ブタジエ
ン−スチレン−α−メチルスチレン或いはN−フェニル
マレイミド)等のABS樹脂、AES(アクリロニトリ
ル−EPDM−スチレン)樹脂、AAS(アクリロニト
リル−アクリルゴム−スチレン)樹脂及びMABS(メ
タクリル酸エステル−アクリロニトリル−ブタジエン−
スチレン)樹脂等が挙げられる。さらにABS系樹脂と
相溶性のある他樹脂、すなわちポリカーボネート、ナイ
ロン、AS、及びPVCとのアロイ及びブレンドしたも
のにも適用することができる。
【0020】直接成形に供給するABS系樹脂と難燃剤
マスターバッチ樹脂組成物との配合比は、得られる成形
体に要求される難燃性の水準により変量することができ
特に限定しない。難燃剤マスターバッチ樹脂組成物の配
合割合は一般的には、5〜80重量%が好ましく、更に
は10〜60重量%が好ましい。
【0021】また、直接成形に供給する添加剤として、
難燃助剤、着色剤、酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収
剤、可塑剤、滑剤及び帯電防止剤等を目的に合わせて、
そのままの形態で、或いはマスターバッチとして供給す
ることができる。
【0022】本発明で用いる成形機としては、射出成形
機、シート成形機、異型成形機、ブロー成形機及び射出
ブロー成形機等が挙げられるが、これらに限定するもの
ではない。
【0023】本発明の難燃剤マスターバッチ樹脂組成物
とABS系樹脂を成形機に供給する方法としては、タン
ブラーやVブレンダー等の公知の装置を用いてプリブレ
ンドしたものを供給する方法や、成形機の供給口に両材
料を別々に定量的に供給する方法も採用することができ
る。
【0024】更に、成形機のスクリューは、最も汎用性
の高いフルフライトスクリューを用いることができる
が、より混練性の高いダルメージタイプ、ピンタイプ、
マドックタイプのスクリューを用いることができる。
【0025】
【実施例】以下、実施例によって本発明を具体的に説明
するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるも
のではない。
【0026】実施例1〜3、比較例1、2: 芳香族ビ
ニル−シアン化ビニル共重合体の配合比率 内容積50リットルのオートクレーブに純水25kg、
ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム1g、第3リン
酸カルシウム150gを加え、150rpmで撹拌し
た。続いて予め混合したスチレン11kgとアクリロニ
トリル6kgとを投入し、t−ブチルパーオキシ−3,
5,5−トリメチルヘキサノエート25gとt−ブチル
パーオキシアセテート15g及びt−ドデシルメルカプ
タン160gのそれぞれ表1に示す量を添加し、オート
クレーブ内を窒素ガスで置換してから密閉した。オート
クレーブは昇温し、100℃になった時点からスチレン
を1.6kg/時の速度で連続的に5時間添加した。そ
のまま100℃で5時間維持し、次いで125℃で2時
間保持して重合した後、冷却した。次いで、常法に従い
中和、脱水、乾燥し、押出ししてペレット形状の芳香族
ビニル−シアン化ビニル共重合体を得た。この樹脂のM
FRは28g/10minであった。このペレット形状
の芳香族ビニル−シアン化ビニル共重合体とTBAエポ
キシオリゴマー(東都化成社製TB60)をそれぞれ表
1に示す配合にて混合し、温度230℃にて同方向二軸
押出機にて溶融混練しペレット形状の難燃剤マスターバ
ッチ樹脂組成物を得た。
【0027】各実施例、比較例において難燃剤量がほぼ
同一の比率(8重量%)となるように、上記の難燃剤マ
スターバッチ樹脂組成物を表1に示した配合比率で、ま
た三酸化アンチモンを4重量%の比率で、更にABS系
樹脂としてデンカABS GR−2000(電気化学工
業(株)製)を全体が100重量%になるように配合し
て射出成形機のポッパーに投入し、直接成形にて、6
3.5×12.7×6.4mm及び127×12.7×
1.6mmの成形体を得た。成形は、川口鉄工株式会社
製射出成形機K−125に東レエンジニアリング株式会
社製静止型混合機TMN−16−06を取り付けて行っ
た。その他の成形条件は次の通りである。 シリンダー設定温度:220℃ 射出圧力:最小充填圧力+5kg/cm2G 射出速度:40% 金型温度:30℃ スクリュー:フルフライトタイプ このようにして得られた成形体を用いて、下記に示した
通り各種物性評価及び外観評価を行い、表1にその結果
を示す。
【0028】物性測定試験方法 1)メルトフローレイト ASTM D1238に準拠 シリンダー設定温度:200℃、荷重:5kg 2)耐衝撃性 ASTM D256に準拠 試験片形状:63.5×12.7×6.4mm 3)熱安定性 定量フィーダーにて射出成形機に供給し試験片を成形す
るが、下記条件にて成形した成形体を標準として、成形
機内に20分間滞留させた後の成形体の色差を測定し
た。 射出成形機: 川口鉄工株式会社製射出成形機K−125 東レエンジニアリング株式会社製静止型混合器TMN−
16−06付き 成形条件:シリンダー設定温度 270℃ サイクル 40秒 4)燃焼時間 UL94Vに準拠 試験片形状:127×12.7×1.6mm 燃焼時間:各5個の試験片に第1回接炎を行い、その有
炎燃焼時間の合計 5)外観性 射出成形した成形体の外観を目視し、以下の基準で判定
した。 ○:表面にシルバーストリーク状の不良が発生していな
い。 ×:表面にシルバーストリーク状の不良が発生してい
る。 6)色差 JIS Z8730のハンターの色差により測定した。 色差計:日本電色社製シグマ80
【0029】
【表1】
【0030】実施例4、5、比較例3、4:芳香族ビニ
ル−シアン化ビニル共重合体のMFRの影響 実施例1〜3と同様な重合条件でt−ドデシルメルカプ
タンを表2に示す添加量にそれぞれ変更して実施した。
得られた芳香族ビニル−シアン化ビニル共重合体のMF
Rを表2に示す。それぞれの芳香族ビニル−シアン化ビ
ニル共重合体42重量%、三酸化アンチモン8重量%及
びTBAエポキシオリゴマー50重量%を混合し、実施
例1〜3と同様な方法にてペレット形状の難燃剤マスタ
ーバッチ樹脂組成物を得た。この難燃剤マスターバッチ
樹脂組成物16重量%とABS系樹脂としてデンカAB
S GR2000(電気化学工業(株)製)84重量%
の比率にて、実施例1〜3と同様な方法にて直接成形を
行うことで成形体を得た。その成形体の評価結果を表2
に示す。
【0031】
【表2】
【0032】実施例6〜9:熱安定剤の効果 実施例1と同様な重合条件でMFR28g/10min
のペレット形状の芳香族ビニル−シアン化ビニル共重合
体を得た。この芳香族ビニル−シアン化ビニル共重合体
に、TBAエポキシオリゴマー50重量%及び表3に示
す種類、配合量の熱安定剤を混合し、実施例1と同様な
方法にてペレット形状の難燃剤マスターバッチ樹脂組成
物を得た。この難燃剤マスターバッチ樹脂組成物16重
量%、三酸化アンチモン4重量%とABS系樹脂として
デンカABS GR2000(電気化学工業(株)製)
80重量%の比率にて、実施例1と同様な方法にて直接
成形を行うことで成形体を得た。その成形体の評価結果
を表3に示す。
【0033】
【表3】
【0034】比較例5、6:予備コンパウンド法 三酸化アンチモン4重量%とABS系樹脂としてのデン
カABS GR2000(電気化学工業(株)製)及び
TBAエポキシオリゴマーを表4に示す比率にて混合
し、二軸押出機(東芝機械製TEM40)を用いてペレ
ット形状の難燃樹脂を得た。この難燃樹脂を実施例1と
同様な方法にて成形体を得た。その成形体の評価結果を
表4に示す。
【0035】
【表4】
【0036】実施例に示すように、本発明の難燃剤マス
ターバッチ樹脂組成物とABS系樹脂を直接成形するこ
とによって、予備コンパウンド法に比較して優れた耐衝
撃性、難燃性、熱安定性及び高品質外観を有した成形体
を得ることができる。一方、比較例に示すように、本発
明の範囲を逸脱した難燃剤マスターバッチ組成物を用い
ると、このような優れた品質の成形体を得ることは出来
ない。
【0037】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明の難燃剤マス
ターバッチ樹脂組成物はABS系樹脂と直接成形がで
き、その成形体は優れた耐衝撃性、難燃性、熱安定性及
び外観を有しており、OA機器、家電製品等広範囲な分
野で有用である。また、直接成形という経済的に優れた
プロセスを採用することができるため、産業上の利用価
値は極めて大きい。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 メルトフローレイトが5〜100g/1
    0minである芳香族ビニル−シアン化ビニル共重合体
    40〜80重量部と、ハロゲン系難燃剤20〜60重量
    部とを含有してなることを特徴とする難燃剤マスターバ
    ッチ樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 芳香族ビニル−シアン化ビニル共重合体
    とハロゲン系難燃剤の合計100重量部に対し、熱安定
    剤0.2〜5重量部を含有することを特徴とする請求項
    1記載の難燃剤マスターバッチ樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 芳香族ビニル−シアン化ビニル共重合体
    とハロゲン系難燃剤の合計100重量部に対し、三酸化
    アンチモン20重量部以下(但し、0を含まず)を含有
    することを特徴とする請求項1または請求項2記載の難
    燃剤マスターバッチ樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 請求項1または請求項2または請求項3
    記載の難燃剤マスターバッチ樹脂組成物及びABS系樹
    脂を同時に成形機に供給して成形してなることを特徴と
    する樹脂成形体。
  5. 【請求項5】 請求項1または請求項2記載の難燃剤マ
    スターバッチ樹脂組成物とABS系樹脂及び三酸化アン
    チモンを同時に成形機に供給して成形してなることを特
    徴とする樹脂成形体。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005281327A (ja) * 2004-03-03 2005-10-13 Nippon Polystyrene Kk 難燃剤マスターバッチ樹脂組成物を用いたポリスチレン系樹脂の成形方法、および、その成形方法によって得られる成形品
JP2014198807A (ja) * 2013-03-15 2014-10-23 株式会社ジェイエスピー ポリスチレン系樹脂押出発泡体の製造方法
KR20170058692A (ko) 2015-11-19 2017-05-29 주식회사 엘지화학 열가소성 수지, 열가소성 수지 조성물 및 경량 박형 성형품

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