JPH1078413A - 原子燃料被覆管の表面探傷法 - Google Patents

原子燃料被覆管の表面探傷法

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JPH1078413A
JPH1078413A JP8233355A JP23335596A JPH1078413A JP H1078413 A JPH1078413 A JP H1078413A JP 8233355 A JP8233355 A JP 8233355A JP 23335596 A JP23335596 A JP 23335596A JP H1078413 A JPH1078413 A JP H1078413A
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賢次 三越
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教嗣 藤井
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高度の安全性が求められる原子燃料被覆管を
対象とし、品質基準を外れる極く小さな傷であっても、
その方向性に関わりなく確実に検知することができ、し
かも、比較的短い時間で全面を効率よくもれなく検知す
ることができる信頼性の高い探傷法を提供すること。 【解決手段】 原子燃料被覆管表面の有害微小欠陥を検
知するために渦電流を形成して探傷する方法であって、
探傷有効領域が直径1mm以下である複数個のプローブ
型センサーを被検査管の表面に対し法線方向から近接さ
せると共に、該センサー内のコイルに周波数2〜7MH
zの高周波を印加することにより無方向性磁束を発生さ
せ、該磁束を被検査管表面に対して直径方向に導入しつ
つ、該被検査管とプローブ型センサーを相対的に高速回
転下に移動させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ジルカロイやステ
ンレス等で作られた原子燃料被覆管の表面に存在する微
小欠陥を簡単且つ確実に検知し、その健全性を保証する
ための改善された探傷法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】各種管材の健全性を保証する為の表面探
傷法としては、従来より目視検査法、超音波探傷法、渦
流探傷法等が採用されているが、目視検査法では、微細
な表面傷に対する検知感度が低く且つ検査官の疲労等に
よる見逃しもあるため信頼性に欠け、また超音波探傷法
ではスポット状もしくは球形状の傷(ピットやメタル押
込み傷など)あるいは造管工程で発生する斜め割れ等に
対する検知感度が低く、高度の品質が要求される管材の
探傷法としては満足し得るものとは言えない。
【0003】これらに対し渦流探傷法は、ある程度の大
きさの表面傷に対しては一応の検知感度が得られるとこ
ろから、幾つかの管材の探傷法として一部で実用化され
ている。この種の渦流探傷法では、被検査管に対して交
番磁場を作用させ、生成する渦電流の変化によって探傷
が行なわれる。たとえば図1に示す如く、検出コイル2
を有する貫通型センサー3に被検査管1を貫通させ、こ
れを管軸方向に直進移動させることにより表面を走査さ
せて傷の有無を検知する。図中4は、検出コイル2に適
切な周波数を印加するための高周波発信機、5は信号処
理装置(フィルター)、6は記録部を示している。
【0004】この種の渦流探傷法に用いられる貫通型セ
ンサーの検出コイルに印加される適切な周波数は、例え
ばJIS G 0568では0.5〜1,000KHz
とされており、一般的には8〜126KHzの範囲であ
る。また、通常のセンサーによって得られる傷の検知精
度は、公称肉厚の略10%深さ以上、最小傷深さで0.
07mm程度以上とされている。
【0005】一方、貫通コイル型のセンサーを用いた渦
流探傷法によって探傷を行なう場合、例えば図2に示す
如く管材1の円周方向に存在する表面傷(D)に対して
は、検出コイルの走査方向が該表面傷に直交するため、
精度良く探傷が行なわれるが、管材1の軸方向(L)や
斜方向(N)に現われる傷、あるいは圧延工程で発生す
るピットや同種金属の押込み傷の様なスポット傷(P)
の場合は、表面傷が走査方向と直交しないため検知精度
は極端に低下してくる。
【0006】そのためこれらの渦流探傷法は、それほど
高品質が要求されない通常の鋼板や鋼管などに対しては
支障なく適用できるが、安全性の観点から極めて高度の
品質が求められる原子燃料被覆管の場合、上記の様な渦
流探傷法ではその健全性を保証することができない。
【0007】また、他の渦流型センサーとしてプローブ
型コイルを採用したものも知られており、これは検出コ
イルの軸が検査体の面に対して垂直となる様に適用して
探傷を行なうタイプのものであるから、傷の方向性に関
係なく探傷を行なうことができるが、検査体の全表面を
走査して探傷を行なわなければならないため探傷速度が
極端に遅く、探傷速度を高めるために検出コイル径を大
きくすると、探傷感度が悪くなるという問題が生じてく
る。そのためこの種のプローブ型コイルを用いた渦流探
傷法も、安全性と精度の観点から原子燃料用被覆管の探
傷には適用されたことがない。
【0008】ちなみに原子燃料被覆管においては、通常
下記の合否基準が適用されている。 ジルカロイ被覆管の場合:深さ0.043mm以下×幅
0.050mm以下×長さ3.17mm以下、 ステンレス被覆管の場合:深さ0.030mm以下×幅
0.030mm以下×長さ3.17mm以下。
【0009】但しいずれの場合も、メタル押込みや割れ
など、深さの測定できない傷は有害傷として合格基準か
ら外される。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは上記の様
な状況の下で、特に高度の安全性が求められる原子燃料
被覆管を対象とし、品質基準を外れる極く小さな傷であ
っても、その方向性に関わりなく確実に探傷することが
できる、信頼性の高い探傷法を確立することを目的とす
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決すること
のできた本発明に係る表面探傷法とは、原子燃料被覆管
表面の有害微小欠陥を検知するために渦電流を形成して
探傷する方法であって、探傷有効領域が直径1mm以下
である複数個のプローブ型センサーを被検査管の表面に
対し法線方向から近接させると共に、該センサー内のコ
イルに周波数2〜7MHzの高周波を印加することによ
り無方向性磁束を発生させ、該磁束を被検査管表面に対
して直径方向に導入しつつ、該被検査管とプローブ型セ
ンサーを相対的に高速回転下に移動させるところにその
特徴が存在する。
【0012】上記本発明を実施するに当たっては、表面
傷の検知精度を一段と高めるため、被検査管表面とプロ
ーブ型センサー先端面との間隔を0.15〜0.5mm
の範囲に維持することが望ましい。また本発明では、検
知精度を高めるためセンサー内のコイルに周波数2〜7
MHzの高周波を印加することが必須となるが、この様
な高い周波数の高周波の印加を可能にするには、プロー
ブ型センサーにおける検出コイルとして、作動コイルと
励磁コイルを複合した構成のものを採用することが望ま
しい。
【0013】
【発明の実施の形態】上記の様に本発明では、まず原子
燃料被覆管の表面傷をその方向性に関わりなく検知する
ためプローブ型のセンサーを使用し、且つ微細な傷も確
実に検知できる様、探傷有効領域すなわち(探傷)検出
コイル径が直径1mm以下であるセンサーを用い、しか
も該センサー内のコイルに周波数2〜7MHzの高周波
を印加することにより無方向性磁束を発生させ、該磁束
を被検査管表面に対して直径方向に導入しつつ走査を行
なう。
【0014】ここで検出コイル径を直径1mm以下に定
めたのは、センサーによる検査領域を狭くして微小傷で
あっても確実に検知可能とするためであり、探傷有効領
域が直径1mmを超えると有害微小傷に対する検知精度
が低下し、微細な有害傷に対して確実な検知感度が保障
されなくなる。該コイルの探傷有効領域は、その径が小
さい程微細傷に対する検知感度は向上するが、余りに径
が小さくなると検査管の全表面をもれなく走査させるた
めの延べ走査距離を極端に長くしなければならなくな
り、検知効率が低下してくるので、好ましくはコイル径
を0.3mm程度以上、より一般的には0.5〜0.8
mm程度の範囲に設定することが望ましい。
【0015】また、該検出コイルに印加される高周波の
周波数を2〜7MHzの範囲に定めたのは、表面傷に対
しその方向性に拘らずその深さを確実に検出可能とする
為である。先に説明した様に、従来のプローブ型センサ
ーに用いられる検出コイルに印加される高周波は高々
1,000KHz、即ち1MHzまでであり、この程度
の周波数では、本発明で意図する様な微小傷に対して満
足のいく検知感度を保証することができず、信頼性ある
検知精度を確保するには少なくとも2MHz以上の高周
波を印加して無方向性磁束を形成することが必要とな
る。但し、印加する高周波を高めるため電流を極端に高
めると、コイル磁界内の導体に渦電流が誘起され、該渦
電流に伴なう電気抵抗によってジュール熱が発生すると
いった難点が現れてくるので、こうした難点を回避する
ため周波数の上限を7MHzと定めている。印加される
高周波のより好ましい周波数は3〜6MHzの範囲であ
る。尚、この様な高レベルの高周波は、後で詳述する如
く作動コイルと励磁コイルを複合した構成の検出コイル
を採用することによって無理なく印加することができ
る。
【0016】このとき、被検査管表面とプローブ型セン
サー先端面との間隔を0.15〜0.5mm、より好ま
しくは0.20〜0.30mmの範囲に維持して探傷を
行なえば、表面傷の検知精度を一段と高めることができ
るので好ましい。
【0017】上記の様に本発明で使用されるプローブ型
センサーは、1mm以下といった狭い検知有効領域を有
するものであり、従ってこの様な狭い検知有効領域で検
査管の全表面をもれなく走査する為の延べ走査長さは非
常に長くなり、単一のセンサーを用いたのでは検査効率
が極端に低下してくる。そこで本発明では、検査管の全
表面を短時間でもれなく探傷する為の手段として、上記
の様なプローブ型センサーを複数個使用し、それらを被
検査管の表面に対し法線方向から近接させると共に、該
被検査管とプローブ型センサーを相対的に高速回転下に
移動させる方法を採用している。即ちこの様な走査法を
採用すれば、被検査管とセンサーの相対的回転・移動に
よるピッチ幅を広く取ることが可能となり、即ち2個の
センサーを使用すれば、単一のセンサーを用いた場合に
比べてピッチ幅を2倍に、3個のセンサーを使用すれば
ピッチ幅を3倍に、センサーの使用個数を多くした分だ
けピッチ幅を広げることが可能となり、相対的回転速度
を十分に高めることによって、短時間で全表面を確実に
走査して探傷することが可能となる。
【0018】以下、実施例図面を参照しつつ更に詳細に
説明するが、本発明はもとより図示例の構成のみに限定
されるものではない。図3は、本発明に用いられる表面
探傷装置の全体図であり、図中1は被検査管、7,7は
(プローブ型)探傷センサー、8はセンサー保持具、9
はホルダー、10は水槽を夫々示しており、探傷センサ
ー7,7は、被検査管1の表面に近接して磁束が法線方
向に導入される様に2個配置されている。尚この例で
は、探傷センサー7を2個配置しているが、120度の
角度で3個配置したり、90度の角度で4個配置し、あ
るいは5個以上を配置することも可能であり、更には、
図3の紙面貫通方向にずらして複数個配置することも可
能である。各探傷センサー7は、探傷精度を高める意味
から、図4に示す如くその先端面と被検査管1との間隔
を好ましくは0.15〜0.5mm、より好ましくは
0.20〜0.30mmの範囲に維持することが望まし
い。
【0019】そして、保持具8を介してセンサー7,7
を保持するホルダー9は、探傷時における被検査管1の
回転・移動に伴う振動に追従して、探傷センサー7,7
を被検査管1の外周面に対して法線方向に維持し、且つ
そのセンサー先端面と被検査管との間隔を前記好適間隔
に維持し得る様、図3の上下方向および紙面貫通方向に
微調整できる様に構成されている。被検査管1は、紙面
貫通方向の上下で図示しない治具により図3に示す位置
を維持しつつ回転かつ前進可能に支持されると共に、そ
の一方端側で回転・移動装置に接続されており、例えば
1,000〜5,000rpm程度、より一般的には
2,000〜4,000rpm程度の速度で回転しつつ
適当な速度で前進させることにより、探傷センサー7,
7によって適当なピッチの螺旋状に走査・探傷が行なわ
れる様に構成されている。
【0020】この走査・探傷に当たっては、被検査管を
高速回転させながら前進させる方法、被検査管を固定し
探傷センサーを高速回転させながら前進させる方法、被
検査管を特定位置で高速移転させながら探傷センサーを
前進させる方法、被検査管を前進させながら探傷センサ
ーを所定位置で高速回転させる方法、等を採用すること
ができ、要は被検査管と探傷センサーを相対的に回転下
に移動させる限りどの様な方法を採用しても構わない。
【0021】尚図3に示す装置では、渦流探傷が水槽1
0内で行なわれる様に構成されており、この様な構成と
すれば同時に超音波探傷を並行して実施することができ
るので好ましいが、渦流探傷のみを実施する場合は、敢
えてこの様な水槽10を設けることなく大気中で探傷を
行なう様にすることも可能である。
【0022】図5は、探傷センサー7の先端構造を示す
一部断面概略図であり、先端中央部に純鉄などからなる
コア11とその周りに巻かれたコイル12、およびそれ
らを外周側から支持固定する熱硬化性樹脂層13からな
り、更にそれらの先端面には、コイルの先端保護および
水などの侵入防止を兼ねて、ガラス等からなる透磁性の
表面被覆層14が設けられている。
【0023】尚検出コイルの巻回構造は特に制限されな
いが、本発明では前述の如く直径1mm以下といった狭
い探傷有効領域で2〜7MHzといった非常に高い高周
波を印加して無方向性磁束を発生させる必要があり、そ
のためには通電によって生じるコイル内の抵抗をできる
だけ小さくすることが必要となる。そのためには、例え
ば図6(A),(B)に示す如くコア11を作動コア1
1aと励磁コア11bによって構成すると共に、夫々に
作動コイル12aと励磁コイル12bを巻回して自己誘
導型コイルとし、小径有効磁束を効率よく得るため、例
えば直径0.5mm程度の純鉄コア(軸芯)を用い、検
出と励磁を兼ねた構造とすることが望ましい。もっと
も、図示したコイル巻回構造はその一例に過ぎず、上記
の目的に叶うものであれば他のコイル巻構造を採用する
ことも勿論可能である。
【0024】次に、上記の装置を用いた探傷法について
実施例を挙げて説明する。なお採用した探傷諸元は下記
の通りである。 (a) 被検査管:ジルカロイ製またはステンレス製原子燃
料被覆管、外径6〜16mm、肉厚0.3〜1.0mm (b) 検出コイル径:直径0.5〜0.8mm(−3d
B) (c) 探傷周波数:2〜7MHz(中心周波数4MHz) (d) センサーと被検査管との間隔:0.2〜0.5mm (e) 探傷環境:水浸または大気中 (f) フィルター定数:900〜250Hz (g) 被検査管の走査条件:回転数3,000rpm、前
進ピッチ:0.6mm
【0025】被検査管の表面に、下記の軸方向傷、斜め
傷、周方向傷および平底穴を形成し、下記の軸方向標準
欠陥を基準にして探傷実験を行なった。なお被検査管の
表面は、探傷センサーを0.2〜0.5mm間隔で近接
したときでも検知精度に悪影響を及ぼすことのないよ
う、表面を十分平滑に仕上げ加工して用いた。 [検出用人工傷] d(深さ)×w(幅)×l(長さ) 軸方向傷A 20 μm × 32 μm× 0.695μm B 31 μm × 32 μm× 0.695μm C 43 μm × 32 μm× 0.695μm 斜め傷 D 20 μm × 33 μm× 0.690μm E 43 μm × 33 μm× 0.692μm 周方向傷F 20 μm × 33 μm× 0.700μm G 43 μm × 34 μm× 0.700μm 平底穴 H 21 μm × 0.201μm(直径) I 43 μm × 0.203μm(直径) [軸方向標準欠陥] d(深さ)×w(幅)×l(長さ) 軸方向傷X 20 μm × 32 μm× 0.695μm Y 31 μm × 32 μm× 0.695μm Z 43 μm × 32 μm× 0.695μm
【0026】結果は図7(検出傷)および図8(標準欠
陥)に示す通りであり、この探傷法によれば、表面傷が
軸方向、斜め方向、周方向、或は平底傷などの如何に殆
んど影響を受けることなく、傷の深さをほぼ正確に検知
し得ることが分かる。また図9は、上記探傷結果から表
面に設けた人工傷と検出チャート上の振幅との関係を整
理して示したグラフであり、この図からも明らかである
様に、欠陥の種類によって傾斜は若干異なるが、傷の深
さと探傷振幅との間にはいずれも比例関係が認められ、
検出チャートの振幅から欠陥深さをほぼ正確に確認し得
ることが分かる。
【0027】次に、上記の測定諸元を採用した実際の表
面探傷結果を示す。尚下記いずれの探傷試験において
も、その標準(探傷器の較正)には、前述した検出用人
工傷の検出チャート(図7)を用いた。
【0028】まず図10(表面傷の外観を示す図面代用
写真)および図11(表面傷の断面を示す拡大写真)に
示す斜め方向の圧延割れ傷について探傷を行なった結果
を、図12に示す。図12からも明らかである様に、こ
の探傷に用いた被覆管の斜め方向傷は、検出チャートの
振幅で40mmを超えており、前記図9における斜め方
向傷の深さとの関係を示すグラフから当該斜め傷の最大
深さを求めると、50μm以上であり、該斜め傷部の断
面顕微鏡写真によって求めた実測の最大深さ60μmと
合致していることが確認された。
【0029】次に、図13(表面傷の外観を示す図面代
用写真)および図14(表面傷の断面を示す拡大写真)
に示すメタル押込み傷について探傷を行なった結果を、
図15に示す。図15からも明らかである様に、この探
傷に用いた被覆管のメタル押込み傷は、検出チャートの
振幅で34mmであり、前記図9における平穴傷の深さ
との関係を示すグラフから当該メタル押込み傷の最大深
さを求めると、約36μmであり、該押込み傷部の断面
顕微鏡写真によって求めた実測の最大深さ35μmとほ
ぼ合致していることが確認された。
【0030】また、図16(円形傷として現れたピット
の外観を示す図面代用写真)および図17(外ピットの
断面を示す拡大写真)に示すピットについて探傷を行な
った結果を、図18に示す。図18からも明らかである
様に、この探傷に用いた被覆管のピットは、検出チャー
トの振幅で36mmであり、前記図9における平穴傷の
深さとの関係を示すグラフから当該メタル押込み傷の最
大深さを求めると、約40μmであり、該平底穴部の断
面顕微鏡写真によって求めた実測の最大深さ42μmと
ほぼ合致していることが確認された。
【0031】尚上記探傷実験では、図9に示した様な人
工傷深さと渦流探傷チャートの振幅の関係から、実際の
探傷チャートの振幅を最大深さに換算して求める方法を
採用したが、図9に示した様な相関関係や許容誤差など
を予めコンピューターに記録しておき、実測された探傷
チャートの振幅をこれに入力して最大深さを自動的に算
出すると共に、即座に合否を表示する様なシステムを採
用することも勿論可能である。
【0032】上記の探傷結果からも明らかである様に、
本発明によれば、原子燃料被覆管の外表面に発生する斜
め割れ傷、押し込み傷、ピット傷などを見逃すことな
く、高いS/N比(探傷シグナル/ノイズシグナルの
比)をもって確実に検出することが可能となる。また検
出コイル径を直径0.5〜0.8mmにしてやれば、標
準欠陥規定長さ3.17mmに対して1/5倍程度の大
きさの有害傷も確実に検出できることが確認された。
【0033】ジルカロイ原子燃料被覆管は、圧延工程の
のち最終工程で管外表面を研磨して仕上げられ、圧延工
程で発生する有害傷は、従来は超音波探傷法と外観検査
によって確認されてきたが、超音波探傷法では、管外表
面の斜め傷や円形傷の探傷が行なえないところから、も
っぱら外観検査に頼ってきた。ところが、圧延傷特有の
同種金属を押込みによって生じるメタル押込み傷は、表
面研磨工程で押込まれた金属が研磨肌となるため、外観
検査で見逃されることが多かったが、本発明によれば、
この様なメタル押込み傷であっても確実に検知すること
ができ、最終製品としての信頼性を高めることが可能と
なる。
【0034】
【発明の効果】本発明は以上の様に構成されており、高
度の安全性が求められる原子燃料被覆管を対象とし、品
質基準を外れる極く小さな傷であっても、その方向性に
関わりなく確実に検知することができ、表面探傷法とし
ての信頼性を著しく高めることが可能となった。しか
も、単位当りの検知有効領域が非常に狭いセンサーを使
用するにも拘らず、比較的短い時間で全面を効率よくも
れなく検知することができ、極めて実用に即した方法と
いえる。
【図面の簡単な説明】
【図1】貫通型センサーを用いた従来の探傷法を例示す
る説明図である。
【図2】管外表面の代表的な傷を例示する説明図であ
る。
【図3】本発明で用いられる探傷装置を例示する全体説
明図である。
【図4】被検査管に対するセンサーの配置を例示する説
明図である。
【図5】本発明で用いられるセンサーの好ましい先端構
造を例示する要部断面説明図である。
【図6】検出コイルの好ましい巻回構造を示す説明図で
ある。
【図7】検出用に設けた各種人工傷の検出チャートであ
る。
【図8】軸方向標準欠陥の検出チャートである。
【図9】人工傷と検出チャート上の振幅との関係を示す
グラフである。
【図10】探傷実験に用いたジルカロイ製原子燃料被覆
管における圧延割れ傷(斜め傷)の外観を示す拡大写真
である。
【図11】探傷実験に用いたジルカロイ製原子燃料被覆
管における圧延割れ傷(斜め傷)の断面拡大写真であ
る。
【図12】上記図11,12に示した圧延割れ傷の探傷
チャートである。
【図13】探傷実験に用いたジルカロイ製原子燃料被覆
管におけるメタル押込み傷の外観を示す拡大写真であ
る。
【図14】探傷実験に用いたジルカロイ製原子燃料被覆
管におけるメタル押込み傷の断面拡大写真である。
【図15】上記図13,14に示したメタル押込み傷の
探傷チャートである。
【図16】探傷実験に用いたジルカロイ製原子燃料被覆
管におけるピット(円形傷)の外観を示す拡大写真であ
る。
【図17】探傷実験に用いたジルカロイ製原子燃料被覆
管におけるピット(円形傷)の断面拡大写真である。
【図18】上記図16,17に示したピット(円形傷)
の探傷チャートである。
【符号の説明】
1 被検査管 2 検出コイル 3 貫通型センサー 4 高周波発信器 5 信号処理器(フィルター) 6 記録部 7 プローブ型センサー 8 センサー保持具 9 ホルダー 10 水槽 11 コア 12 コイル 13 熱硬化性樹脂層 14 表面被覆層

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原子燃料被覆管表面の有害微小欠陥を検
    知するために渦電流を形成して探傷する方法であって、
    探傷有効領域が直径1mm以下である複数個のプローブ
    型センサーを被検査管の表面に対し法線方向から近接さ
    せると共に、該センサー内のコイルに周波数2〜7MH
    zの高周波を印加することにより無方向性磁束を発生さ
    せ、該磁束を被検査管表面に対して直径方向に導入しつ
    つ、該被検査管とプローブ型センサーを相対的に高速回
    転下に移動させることを特徴とする原子燃料被覆管の表
    面探傷法。
  2. 【請求項2】 被検査管表面とプローブ型センサー先端
    面との間隔を0.15〜0.5mmの範囲に維持する請
    求項1記載の表面探傷法。
  3. 【請求項3】 プローブ型センサーにおける検出コイル
    が、作動コイルと励磁コイルによって構成されている請
    求項1または2に記載の表面探傷法。
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