JPH1078123A - 変速機の制御装置 - Google Patents

変速機の制御装置

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Publication number
JPH1078123A
JPH1078123A JP8255491A JP25549196A JPH1078123A JP H1078123 A JPH1078123 A JP H1078123A JP 8255491 A JP8255491 A JP 8255491A JP 25549196 A JP25549196 A JP 25549196A JP H1078123 A JPH1078123 A JP H1078123A
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JP
Japan
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shift
kick
mode
accelerator pedal
switch
Prior art date
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Application number
JP8255491A
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English (en)
Inventor
Atsushi Tabata
淳 田端
Hideo Tomomatsu
秀夫 友松
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 キックダウンスイッチに異常が生じても必要
な加速性を確保する。 【解決手段】 アクセルペダルを踏み込むことによって
操作されるキックダウンスイッチがオン信号を出力する
ことによりダウンシフトを実行する変速機の制御装置で
あって、キックダウンスイッチの異常を検出する異常検
出手段(ステップ3)と、前記キックダウンスイッチの
異常が検出された場合に、前記アクセルペダルの踏み込
み量が予め定めた所定値以上の場合にダウンシフトを実
行するダウンシフト手段(ステップ4−A)とを備えて
いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、車両用の変速機
に関し、特に手動操作に基づいて変速を実行することの
できる変速機の制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】最近では、車両用の自動変速機の変速を
電気的に判断し、かつ実行できるようになったことに伴
い、変速信号を手動操作に基づいて出力し、変速を手動
操作によって行うことができるように構成された自動変
速機が実用化されている。この種の自動変速モードと手
動変速モードとを備えた自動変速機は、基本的には電気
的に制御される変速機であるから、たとえ手動変速モー
ドが選択されている場合であっても、電気的な制御によ
るいわゆるバックアップが行われることがある。
【0003】例えば手動変速モードで走行中にアクセル
ペダルが大きく踏み込まれた場合には、キックダウンス
イッチの信号に基づいてダウンシフトを指示し、手動操
作によるダウンシフトが指示されない場合であっても、
自動的にダウンシフトを実行し、また反対に高速走行中
に手動操作によるダウンシフトが指示されても、エンジ
ンのオーバーレボリューションを防止するために、その
ダウンシフトを禁止(拒絶)するなどの制御が行われて
いる。前者の手動変速モードの際にキックダウンスイッ
チからの出力信号に基づいてダウンシフトを実行する自
動変速機の例が、雑誌「モーターマガジン」6月号(第
42巻第7号)第158頁に記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来の自動変
速機におけるキックダウンスイッチは、アクセルペダル
の背面側のフロアーに設置されたものであって、アクセ
ルペダルを大きく踏み込むことによってON動作させら
れてダウンシフトのための信号を出力する電気的な装置
である。そのためこの種のキックダウンスイッチは、断
線や短絡などの電気的なフェールや機械的なスティック
などによるフェールが皆無とは言えない。キックダウン
スイッチのこのようなフェールが生じた場合、キックダ
ウン信号が出力されず、あるいは常時オン信号を出力す
るなどの事態に至り、運転者の加速要求に応じた正規の
ダウンシフトを実行できず、駆動力すなわち加速性が不
足する可能性がある。
【0005】この発明は上記の事情に鑑み、キックダウ
ンスイッチに異常が生じた場合であっても運転者の加速
要求に応じたダウンシフトが可能な変速機の制御装置を
提供すること目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段およびその作用】上記の目
的を達成するために、請求項1に記載した発明は、手動
変速指示操作に基づいて変速を実行する手動変速手段を
備え、かつアクセルペダルを踏み込むことによって操作
されるキックダウンスイッチがオン信号を出力すること
によりダウンシフトを実行する変速機の制御装置におい
て、前記キックダウンスイッチの異常を検出する異常検
出手段と、前記キックダウンスイッチの異常が前記異常
検出手段で検出された場合に、前記アクセルペダルの踏
み込み量が予め定めた所定値以上の場合にダウンシフト
を実行するダウンシフト手段とを備えていることを特徴
とするものである。
【0007】したがって請求項1の発明によれば、アク
セルペダルを大きく踏み込めば、たとえキックダウンス
イッチがフェールしていた場合であっても、アクセルペ
ダルの踏み込み量すなわちアクセル開度が所定値以上に
なることによって、ダウンシフトが生じ、その結果、変
速比が増大することにより、要求する駆動力すなわち加
速性を得ることができる。
【0008】また請求項2の発明は、手動変速指示操作
に基づいて変速を実行する手動変速手段を備え、かつア
クセルペダルを踏み込むことによって操作されるキック
ダウンスイッチがオン信号を出力することによりダウン
シフトを実行する変速機の制御装置において、前記キッ
クダウンスイッチの異常が検出された場合に、前記アク
セルペダルの踏み込み量を少なくとも一つのパラメータ
として変速を実行するフェールモードに移行することを
特徴とするものである。
【0009】したがって請求項2の発明によれば、キッ
クダウンスイッチに異常があれば、少なくともアクセル
開度に基づいた変速段が自動的に設定され、その結果、
アクセル開度として表される加速要求が、アクセル開度
に応じた変速段を設定することによって達成され、所期
どおりの加速性を得ることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】つぎにこの発明を図を参照してよ
り具体的に説明する。先ず、全体的な制御系統について
説明すると、図3は、動力装置の一例としてのエンジン
1および自動変速機2についての制御系統図を示してお
り、アクセルペダル3の踏み込み量に応じた信号がエン
ジン用電子制御装置4に入力されている。またエンジン
1の吸気配管には、スロットルアクチュエータ5によっ
て駆動される電子スロットルバルブ6が設けられてい
る。そしてこの電子スロットルバルブ6は、アクセルペ
ダル3の踏み込み量に応じて制御装置4からスロットル
アクチュエータ5に制御信号が出力され、その制御量に
応じて開度が制御されるようになっている。
【0011】エンジン1を制御するための電子制御装置
4は、中央演算処理装置(CPU)および記憶装置(R
AM,ROM)ならびに入出力インターフェースを主体
とするものであって、この電子制御装置4には、上記の
アクセルペダル3の踏み込み量に応じた信号に加えて、
エンジン回転速度センサ7の出力信号、吸入空気量セン
タ(エアーフローメータ)8の出力信号、吸入空気温度
センサ9の出力信号、スロットル開度センサ10の出力
信号、車速センサ11の出力信号、冷却水温度センサ1
2の出力信号、ブレーキスイッチ13の出力信号など
が、制御データとして入力されている。またこのエンジ
ン用電子制御装置4は、上記のスロットルアクチュエー
タ5の制御に加えて、変速時などにおけるトルク制御の
ために燃料噴射装置14や点火時期を変更するイグナイ
タ15などに信号を出力するように構成されている。
【0012】上記のエンジン1に連結された自動変速機
2は、油圧を電気的に制御して変速やロックアップクラ
ッチの係合・解放の制御などを行ういわゆる電子制御式
の自動変速機であって、その油圧を制御する油圧制御回
路16は、主として変速を実行するための3つのシフト
ソレノイドバルブSOL1 ,SOL2 ,SOL3 と、主として
ロックアップクラッチを制御するリニアソレノイドバル
ブSLU、スロットル開度に応じてライン圧を制御するリ
ニアソレノイドバルブSLT、主としてアキュームレータ
の背圧を制御するリニアソレノイドバルブSLNとを備え
ている。
【0013】この油圧制御回路16における各ソレノイ
ドバルブに制御信号を出力する自動変速機用電子制御装
置17が設けられている。この自動変速機用電子制御装
置17は、前述したエンジン用電子制御装置4と同様
に、中央演算処理装置(CPU)および記憶装置(RA
M,ROM)ならびに入出力インターフェースを主体と
するものであり、したがって必要に応じてエンジン用電
子制御装置4と統合・一体化することができる。この自
動変速機用電子制御装置17は、予め記憶しているマッ
プや演算式に従って入力データに基づく演算を行い、そ
の演算結果に基づいた制御信号を前記各ソレノイドバル
ブに出力して変速やロックアップクラッチの係合・解放
の制御ならびに変速時の過渡油圧の制御などを実行する
ように構成されている。
【0014】そして自動変速機用電子制御装置17に
は、制御データとして、上記のスロットル開度センサ1
0の出力信号、車速センサ11の出力信号、冷却水温度
センサ12の出力信号、ブレーキスイッチ13の出力信
号に加えて、シフト装置18に設けられたシフトポジシ
ョンセンサ19からの信号、後述するトルクコンバータ
のタービン回転数センサ20からの信号、アクセルペダ
ル3を最大限踏み込んだ場合にON動作するダウンシフ
ト指示のためのキックダウンスイッチ21からの信号、
手動変速モードを設定するスポーツモード(ダイレクト
モード)スイッチ22からの信号、手動変速モードでア
ップシフトを指示するプラス(+)スイッチ23からの
信号、手動変速モードでダウンシフトを指示するマイナ
ス(−)スイッチ24から信号などが入力されている。
さらに自動変速機用電子制御装置17には、ランプやL
ED(発光ダイオード)あるいはブザーなどのインジケ
ータ25が接続され、設定されている変速段や変速の不
実行あるいは手動・自動の変速モードなどを、インジケ
ータ25の点灯や点滅あるいは鳴動などによって運転者
に告知するようになっている。
【0015】上記各電子制御装置4,17は、相互にデ
ータ通信可能に接続されており、また自動変速機用電子
制御装置17からは、各変速段を設定する信号がエンジ
ン用電子制御装置4に送信されている。さらに車輪のト
ルクを電気的に制御して車両の横滑りなどを抑制するこ
とにより車両の安定化制御を行うVSC(ビークル・ス
タビリティ・コントロール)用制御装置26が設けられ
ており、このVSC用制御装置26と前記各電子制御装
置4,17とが相互にデータ通信可能に接続されてい
る。
【0016】上記の自動変速機2は、前進4段・後進1
段の変速段を設定することができ、そのギヤトレーンの
一例を図4に示してある。ここに示すギヤトレーンは特
開平4−185967号公報に記載されたものと同様で
あり、この自動変速機2は、ロックアップクラッチLc
を有するトルクコンバータTc と、一組の遊星歯車機構
を有する第2変速部G2 と、二組の遊星歯車機構によっ
て複数の前進段および後進段を設定する第1変速部G1
とを備えている。
【0017】第2変速部G2 は、ハイ・ローの二段の切
換えを行うものであって、その遊星歯車機構のキャリヤ
27がトルクコンバータTc のタービンランナTr に連
結されており、またこのキャリヤ27とサンギヤ28と
の間にはクラッチC0 および一方向クラッチFo が相互
に並列の関係となるよう設けられ、さらにサンギヤ28
とハウジングHu との間にブレーキB0 が設けられてい
る。
【0018】第1変速部G1 の各遊星歯車機構における
サンギヤ29,30は、共通のサンギヤ軸31に設けら
れており、この第1変速部G1 の図における左側(フロ
ント側)の遊星歯車機構におけるリングギヤ32と第2
変速部G2 におけるリングギヤ33との間に第1クラッ
チC1 が設けられ、また前記サンギヤ軸31と第2変速
部G2 のリングギヤ33との間に第2クラッチC2 が設
けられている。第1変速部G1 における図の左側の遊星
歯車機構のキャリヤ34と右側(リヤ側)の遊星歯車機
構のリングギヤ35とが一体的に連結されるとともに、
これらのキャリヤ34とリングギヤ35とに出力軸36
が連結されている。
【0019】そしてバンドブレーキである第1ブレーキ
B1 がサンギヤ軸31の回転を止めるように、より具体
的には第2クラッチC2 のクラッチドラムの外周側に設
けられており、またサンギヤ軸31とハウジングHu と
の間に、第1一方向クラッチF1 と第2ブレーキB2 と
が直列に配置されており、またリヤ側の遊星歯車機構に
おけるキャリヤ37とハウジングHu との間に第2一方
向クラッチF2 と第3ブレーキB3 とが並列に配置され
ている。
【0020】上記の歯車列を備えた自動変速機2は、前
進段で第1速ないし第4速を設定することができ、これ
らのうち第1速および第2速は自動変速モードでエンジ
ンブレーキが効かず、手動変速モードでエンジンブレー
キを効かせる必要があるので、前記油圧制御回路16に
は図5に示す油圧回路が組み込まれている。
【0021】図5においてマニュアルバルブ40は、シ
フト装置18によって選択することのできるレンジ位置
と対応してP,R,N,D,DM,“3”,“2”,L
の8位置に切り換えられ、それぞれのレンジ位置に応じ
てライン圧PL を所定のポートから給排するようになっ
ている。
【0022】1-2シフトバルブ50は、第2ソレノイド
バルブSOL2 からの信号圧が制御ポート51に選択的に
供給され、また第2クラッチC2 の油圧がホールドポー
ト52に選択的に供給されることにより、第1速では図
の右半分に示す状態になり、また第2速ないし第4速で
は左半分に示す状態になって第1ないし第3のブレーキ
B1 ,〜B3 に油圧を給排する。
【0023】2-3シフトバルブ60は、第1ソレノイド
バルブSOL1 の信号圧が制御ポート61に選択的に供給
されることにより、第1速および第2速では図の右半分
に示す状態になり、また第3速および第4速では図の左
半分に示す状態になって第2クラッチC2 に選択的に油
圧を給排する。
【0024】3-4シフトバルブ70は、第2ソレノイド
バルブSOL2 からの信号圧がその制御ポート71に選択
的に供給され、またライン圧PL が 2-3シフトバルブ6
0を経てホールドポート72に選択的に供給されること
により、第1速ないし第3速では図の右半分に示す状態
になり、また第4速では図の左半分に示す状態になる。
その結果、第2変速部G2 のクラッチC0 とブレーキB
0 とに選択的に油圧を供給する。
【0025】第3ソレノイドバルブS0L3 は、コースト
ブレーキカットオフバルブ80を制御し、手動変速モー
ドで第1速もしくは第2速が選択された場合に、第3ソ
レノイドバルブSOL3 がONとなり、その結果、コース
トブレーキカットオフバルブ80から 2-3シフトバルブ
60ならびに 1-2シフトバルブ50を介して第1ブレー
キB1 もしくは第3ブレーキB3 にライン圧PL が供給
されてこれらの変速段でエンジンブレーキが効くような
っている。
【0026】ここで自動変速モード(AUTO.)およ
び手動変速モード(スポーツモードあるいはダイレクト
モード:MANU.)において各変速段を設定するため
の第1ないし第3のソレノイドバルブSOL1 ,SOL2 ,
SOL3 のON/OFFの状態および各摩擦係合装置の係
合・解放の状態を示せば、図6のとおりである。なお、
図6は作動表であって、○印はソレノイドバルブについ
てON、摩擦係合装置については係合を示し、また×印
はソレノイドバルブについてOFF、摩擦係合装置につ
いては解放を示す。
【0027】またシフト装置18における各レンジ位置
の配列について示せば、図7のとおりである。すなわち
車両の前後方向に向けてパーキング(P)レンジ位置と
リバース(R)レンジ位置とがここに挙げた順に直線的
に配列され、そのRレンジ位置に対してニュートラル
(N)レンジ位置が、右斜め後方に配置されている。こ
のNレンジ位置に対してドライブ(D)レンジ位置が車
両後方側に配置され、そのDレンジ位置を挟んだ左右両
側に手動変速モード(DM)位置と“3”レンジ位置と
が配置されている。この“3”レンジ位置に対して車両
後方側に“2”レンジ位置が配置され、その“2”レン
ジ位置の右斜め後方にLレンジ位置が配置されている。
そしてこれらの各レンジ位置は、シフトレバーをガイド
する溝によって連結されている。さらにDM位置にシフ
トレバーを移動させた状態では、全ての前進段でエンジ
ンブレーキが効くように油圧を供給するように構成され
ている。また手動変速モード(スポーツモード)を選択
するスイッチ22がシフト装置18もしくはステアリン
グコラムあるいはインストルメントパネル(それぞれ図
示せず)の適宜の位置に設けられている。
【0028】手動変速モード(スポーツモード)が選択
された場合に前記プラススイッチ23およびマイナスス
イッチ24が信号を出力できる状態になる。これらのス
イッチは、プッシュ操作を行った瞬間に信号を出力する
スイッチもしくはプッシュ操作を行っている間だけ信号
を出力するスイッチであり、一例として図8に示すよう
に、ステアリングホイール91の左右両側にそれぞれ一
対設けられている。
【0029】上述した自動変速機2での変速は、自動変
速モードであれば、スロットル開度および車速などの走
行状態と予め記憶してある変速マップとに基づいて変速
段を判断し、その変速段を設定するようにシフトソレノ
イドバルブSOL1 ,〜SOL3に信号を出力して行われ
る。これに対して手動変速モード(スポーツモードある
いはダイレクトモード)での変速は、DMスイッチ22
をON操作した状態でプラススイッチ23もしくはマイ
ナススイッチ24をプッシュすることによって行われ
る。
【0030】具体的には、プラススイッチ23を1回O
N操作すると、その時点の変速段から1段高速側の変速
段へのアップシフトを指示し、またマイナススイッチ2
4を1回ON操作すると、その時点の変速段から1段低
速側の変速段へのダウンシフトを指示するようになって
いる。したがって手動変速モード(スポーツモードある
いはダイレクトモード)での変速指示は、車速などの車
両の状態に関係なく実行できるが、その半面、アクセル
操作のみでは変速が生じない。そこで手動変速モードで
あってもキックダウンスイッチを機能させ、アクセルペ
ダルがフルスロットル以上に踏み込まれた場合に、ダウ
ンシフト信号を出力し、ダウンシフトを実行する。
【0031】ここで図9は、キックダウンスイッチ21
を示しており、アクセルペダル3の背面側のフロアー9
2に固定されている。このキックダウンスイッチ21の
ボタン部分21Bの高さは、スロットル開度が100%
になるまでアクセルペダル3を踏み込んだ場合にアクセ
ルペダル3の背面が接触する高さに設定されている。し
たがってキックダウンスイッチ21は、図9の(B)に
示すように、スロットル開度が100%となる踏み込み
深さ以上にアクセルペダル3を踏み込むことによりボタ
ン部分21Bが押されてオン信号を出力するように構成
されている。
【0032】図10は、キックダウン領域を第4速(オ
ーバードライブ段:O/D)から第3速へのダウンシフ
トについて示しており、スロットル開度100%以上の
所定の範囲KS がキックダウンスイッチ21のON領域
であり、第3速へのダウンシフトについて所定の上限車
速Vd 以下の車速で走行している際にオン信号を出力す
ることにより、第4速から第3速にダウンシフトされ
る。これは、他の変速段についても同様であり、したが
って図11に示すように、アクセル開度が100%以下
の領域は、手動変速モードでのホールド制御領域とな
り、基本的には手動変速操作が行われない限り、変速段
が現状のままの保持される領域となる。そしてその上限
のアクセル開度より高開度側にキックダウン線が設定さ
れ、アクセルペダル3がここまで踏み込まれることによ
り、ダウンシフトが生じる。
【0033】しかしながら手動変速モードで走行中にこ
のキックダウンスイッチ21に異常が生じた場合には、
アクセルペダル3を大きく踏み込んでも、手動変速操作
を行わないとダウンシフトが生じなくなる。そこでこの
発明の制御装置は、手動変速モードでキックダウンスイ
ッチ21に異常がある場合(フェールしている場合)、
一例として図1に示すように制御する。
【0034】すなわちデータの読み込みを主とする入力
信号の処理(ステップ1)を行った後に手動変速モード
(DMモード)が設定されているか否かを判断する(ス
テップ2)。これは、前述したDMスイッチ22がON
操作されて信号を出力しているか否かを検出することに
よって行うことができる。
【0035】自動変速モードが選択されていることによ
りステップ2で否定判断された場合には、特に制御を行
うことなくリターンし、また手動変速モードが選択され
ていてステップ2で肯定判断された場合には、キックダ
ウンスイッチ21に異常が生じているか否か、すなわち
フェールしているか否かが判断される(ステップ3)。
これは、請求項1の発明における異常検出手段に相当
し、例えばオン信号が継続して所定時間以上出力されて
いることや、アクセル開度が小さいにも拘わらずオン信
号が出力されているなどのことによってフェールを検出
することができる。
【0036】キックダウンスイッチ21にフェールが生
じていてステップ3で肯定判断された場合には、自動変
速モードに復帰する(ステップ4)。すなわち前記DM
スイッチ22の出力信号をキャンセルして手動変速モー
ドから自動変速モードに切り換える。その結果、例えば
図2に示す変速マップに従い、車速Vとアクセル開度と
に応じて変速段が自動的に設定される。したがってアク
セルペダル3を大きく踏み込めば、変速マップ上での走
行状態がダウンシフト線(図2での破線)を越えて変化
するので、ダウンシフトが実行され、変速比の増大に伴
って加速性が増大する。
【0037】このステップ4で自動変速モードへの復帰
制御を行った場合、運転者の意図とは異なる変速モード
が設定されることになる場合があるので、自動変速モー
ドに切り替わったことを適宜にインジケータによって表
示することが好ましい。また併せてキックダウンスイッ
チ21がフェールしていることを表示することが好まし
い。
【0038】なお、キックダウンスイッチ21に異常が
ないことによりステップ3で否定判断された場合には、
通常の手動変速モード(DMモード)での変速を実行す
る(ステップ5)。したがってアクセルペダル3を大き
く踏み込んでキックダウンスイッチ21がON動作させ
られると、その出力信号によってダウンシフトが生じ、
変速比の増大によって加速性が増大する。このDMモー
ドでの変速制御は、例えば特開平6−294466号公
報に記載されているように実行することができる。
【0039】上述のようにキックダウンスイッチ21の
フェールによって自動変速モードに切り換えるとする
と、運転者の意図しない変速モードとなることがあり、
これを避ける場合には、キックダウンバックアップモー
ドを設定することとしてもよい。これを図1に併せて記
載してあり、前述したステップ4の自動変速モード復帰
制御に替えてキックダウンバックアップモードの制御を
実行する(ステップ4−A)。このキックダウンバック
アップモードの一例は、アクセル開度の変化率が予め所
定値以上の場合にダウンシフトを実行する例であり、ま
た他の例は、キックダウン線を、アクセル開度100%
より若干低開度に設定して手動変速モードでのホールド
制御領域をアクセル開度100%未満に設定した変速マ
ップを使用して変速制御を実行する例である。キックダ
ウン線をこのように設定した例を図11に鎖線で示して
ある。このようにマップを使用した制御を行えば、電子
制御装置(コンピュータ)のメモリ容量を小さくするこ
とができる。したがってこのステップ4−Aが請求項1
の発明におけるダウンシフト手段に相当する。
【0040】後者の例では、手動変速モードでの走行時
にキックダウンスイッチ21のフェールが検出される
と、キックダウン線をアクセル開度100%未満に設定
した変速マップが読み込まれる。手動変速モードで走行
中にアクセルペダル3が踏み込まれてそのアクセル開度
が、上記変更後のキックダウン線を越えて増大すると、
現状の変速段に対して1段低速側の変速段へのダウンシ
フトが生じる。したがってアクセル開度が100%程度
になるまでアクセルペダル3を踏み込むことによる運転
者の駆動力増大要求が、自動変速機2でダウンシフトと
して実現され、加速性が増大する。
【0041】なお、この発明は上述した自動変速機を対
象とする制御装置に限定されないのであり、要は、手動
操作に基づいて複数の変速段のそれぞれを固定的に選択
することのできる変速機を対象とした制御装置に適用す
ることができる。したがってその変速機のギヤトレーン
や油圧回路あるいはシフト装置は、上記の実施例で示し
たものに限定されない。またシフトレバーによってアッ
プシフトスイッチあるいはダウンシフトスイッチをON
動作させる構成のシフト装置を備えた変速機を対象とす
る制御装置に適用することができる。
【0042】ここで、自動変速モードと手動変速モード
とに切り換えることのできる自動変速機を対象とする制
御装置にこの発明を適用した場合の特徴的構成を示せ
ば、以下のとおりである。
【0043】車両の走行状態に基づいて変速を実行する
自動変速モードと手動変速指示操作に基づいて変速を実
行する手動変速モードとを備え、かつ手動変速モードが
設定されている状態でアクセルペダルを踏み込むことに
よって操作されるキックダウンスイッチがオン信号を出
力することによりダウンシフトを実行する自動変速機の
制御装置であって、前記手動変速モードが設定されてい
ることを検出する手動変速モード検出手段(例えば前記
ステップ2)と、前記キックダウンスイッチの異常を検
出する異常検出手段(例えば前記ステップ3)と、手動
変速モードが設定されていることが前記手動変速モード
検出手段で検出されるとともに前記キックダウンスイッ
チの異常が前記異常検出手段で検出された場合に、前記
アクセルペダルの踏み込み量が予め定めた所定値以上の
場合にダウンシフトを実行するダウンシフト手段(例え
ば前記ステップ4−A)とを備えていることを特徴とす
る自動変速機の制御装置。
【0044】車両の走行状態に基づいて変速を実行する
自動変速モードと手動変速指示操作に基づいて変速を実
行する手動変速モードとを備え、かつ手動変速モードが
設定されている状態でアクセルペダルを踏み込むことに
よって操作されるキックダウンスイッチがオン信号を出
力することによりダウンシフトを実行する自動変速機の
制御装置であって、前記手動変速モードが設定されてい
ることを検出する手動変速モード検出手段(例えば前記
ステップ2)と、前記キックダウンスイッチの異常を検
出する異常検出手段(例えば前記ステップ3)と、手動
変速モードが設定されていることが前記手動変速モード
検出手段で検出されるとともに前記キックダウンスイッ
チの異常が前記異常検出手段で検出された場合に、前記
アクセルペダルの踏み込み量を少なくとも一つのパラメ
ータとして変速を実行する自動変速モードに移行する自
動変速モード復帰手段(例えば前記ステップ4)とを備
えていることを特徴とする自動変速機の制御装置。
【0045】
【発明の効果】以上説明したように請求項1の発明によ
れば、アクセルペダルを大きく踏み込めば、たとえキッ
クダウンスイッチがフェールしていた場合であっても、
アクセルペダルの踏み込み量すなわちアクセル開度が所
定値以上になることによって、ダウンシフトが生じ、そ
れに伴って変速比が増大することにより、要求する駆動
力すなわち加速性を得ることができる。
【0046】また請求項2の発明によれば、キックダウ
ンスイッチに異常があれば、少なくともアクセル開度に
基づいた変速段が自動的に設定され、その結果、アクセ
ル開度として表される加速要求が、アクセル開度に応じ
た変速段を設定することによって達成され、所期どおり
の加速性を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の制御装置で実施される制御例を説明
するためのフローチャートである。
【図2】自動変速モードで使用される変速マップの一例
を模式的に示す図である。
【図3】この発明で対象とする自動変速機の全体的な制
御系統を模式的に示す図である。
【図4】この発明で対象とする自動変速機のギヤトレー
ンの一例を示すスケルトン図である。
【図5】この発明で対象とする自動変速機の油圧回路の
一部を示す部分油圧回路図である。
【図6】その自動変速機で各変速段を設定するための摩
擦係合装置の係合作動表を示す図である。
【図7】シフト装置における各レンジ位置の配列を示す
図である。
【図8】アップシフトおよびダウンシフトを指示するた
めのスイッチの配置を示す図である。
【図9】キックダウンスイッチの側面図である。
【図10】第3速へのキックダウン領域の例を示す線図
である。
【図11】手動変速モードでのホールド制御領域とキッ
クダウン線とを説明するための線図である。
【符号の説明】
1 エンジン 2 自動変速機 17 自動変速機用電子制御装置 21 キックダウンスイッチ 22 スポーツモードスイッチ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 F16H 63:12

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 手動変速指示操作に基づいて変速を実行
    する手動変速手段を備え、かつアクセルペダルを踏み込
    むことによって操作されるキックダウンスイッチがオン
    信号を出力することによりダウンシフトを実行する変速
    機の制御装置において、 前記キックダウンスイッチの異常を検出する異常検出手
    段と、 前記キックダウンスイッチの異常が前記異常検出手段で
    検出された場合に、前記アクセルペダルの踏み込み量が
    予め定めた所定値以上の場合にダウンシフトを実行する
    ダウンシフト手段とを備えていることを特徴とする変速
    機の制御装置。
  2. 【請求項2】 手動変速指示操作に基づいて変速を実行
    する手動変速手段を備え、かつアクセルペダルを踏み込
    むことによって操作されるキックダウンスイッチがオン
    信号を出力することによりダウンシフトを実行する変速
    機の制御装置において、 前記キックダウンスイッチの異常が検出された場合に、
    前記アクセルペダルの踏み込み量を少なくとも一つのパ
    ラメータとして変速を実行するフェールモードに移行す
    ることを特徴とする変速機の制御装置。
JP8255491A 1996-09-05 1996-09-05 変速機の制御装置 Pending JPH1078123A (ja)

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