JPH1076655A - 液体吐出方法と液体吐出ヘッドおよびそれを用いたヘッドカートリッジと記録装置 - Google Patents

液体吐出方法と液体吐出ヘッドおよびそれを用いたヘッドカートリッジと記録装置

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JPH1076655A
JPH1076655A JP9179474A JP17947497A JPH1076655A JP H1076655 A JPH1076655 A JP H1076655A JP 9179474 A JP9179474 A JP 9179474A JP 17947497 A JP17947497 A JP 17947497A JP H1076655 A JPH1076655 A JP H1076655A
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定之 須釜
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博之 石永
Toshio Kashino
俊雄 樫野
Fumi Yoshihira
文 吉平
Kiyomitsu Kudo
清光 工藤
Yoshie Asakawa
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Hiroyuki Sugiyama
裕之 杉山
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  • Ink Jet (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 気泡を有効に制御し、安定した吐出力、吐出
効率の向上を図った液体吐出方法およびヘッドを提供す
ること。 【解決手段】 液体の吐出口と対面して配された液体に
気泡を生じさせるための熱を発生する発熱面を有する基
板と、前記発熱面と前記吐出口とが直接連通する直接連
通領域を有するとともに、前記発熱面に対向し、前記発
熱面と前記吐出口との間に介在するように設けられ、前
記気泡によって変位する自由端を有する可動部材と、前
記直接連通領域を挟んで対向した複数の前記可動部材の
前記自由端が前記気泡によって変位したときに、可動部
材は互いに協動して前記気泡を前記吐出口の方へ導く。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱エネルギーを利
用して形成した気泡を外気と連通させる工程を用いる記
録方法及び記録装置に関し、特に、気泡の発生を利用し
て変位する可動部材を有する液体吐出ヘッド、液体吐出
ヘッドを用いたヘッドカートリッジ、液体吐出装置に関
する。記録媒体としての紙、糸、繊維、布帛、皮革、金
属、プラスチック、ガラス、木材、セラミックス等記録
を行うプリンター、複写機、送信システムを有するファ
クシミリやプリンタ部を有するワードプロセッサ等の装
置、さらには各種処理装置と複合的に組み合わせた産業
用記録装置に適用できる発明である。
【0002】なお、本発明における、「記録」とは、文
字や図形等の意味を持つ画像を被記録媒体に対して付与
することだけでなく、パターン等の意味を持たない画像
を付与することをも意味するものである。
【0003】
【従来の技術】熱等のエネルギーをインクに与えること
で、インクに急峻な体積変化(気泡の発生)を伴う状態
変化を生じさせ、この状態変化に基づく作用力によって
吐出口からインクを吐出し、これを被記録媒体上に付着
させて画像形成を行なうインクジェット記録方法、いわ
ゆるバブルジェット記録方法が従来知られている。この
バブルジェット記録方法を用いる記録装置には、USP
4,723,129等の公報に開示されているように、
インクを吐出するための吐出口と、この吐出口に連通す
るインク流路と、インク流路内に配されたインクを吐出
するためのエネルギー発生手段としての電気熱変換体が
一般的に配されている。
【0004】この様な記録方法によれば、品位の高い画
像を高速、低騒音で記録することができると共に、この
記録方法を行うヘッドではインクを吐出するための吐出
口を高密度に配置することができるため、小型の装置で
高解像度の記録画像、さらにカラー画像をも容易に得る
ことができるという多くの優れた点を有している。この
ため、このバブルジェット記録方法は近年、プリンタ
ー、複写機、ファクシミリ等の多くのオフィス機器に利
用されており、さらに、捺染装置等の産業用システムに
まで利用されるようになってきている。
【0005】このようにバブルジェット技術が多方面の
製品に利用されるに従って、次のような様々な要求が近
年さらにたかまっている。
【0006】例えば、エネルギー効率の向上の要求に対
する検討としては、保護膜の厚さを調整するといった発
熱体の最適化が挙げられている。この手法は、発生した
熱の液体への伝搬効率を向上させる点で効果がある。
【0007】また、高画質な画像を得るために、インク
の吐出スピードが速く、安定した気泡発生に基づく良好
なインク吐出を行える液体吐出方法等を与えるための駆
動条件が提案されたり、また、高速記録の観点から、吐
出された液体の液流路内への充填(リフィル)速度の速
い液体吐出ヘッドを得るために流路形状を改良したもの
も提案されている。
【0008】この流路形状の内、流路構造として図18
(a),(b)に示すものが、特開昭63−19997
2号公報等に記載されている。この公報に記載されてい
る流路構造やヘッド製造方法は、気泡の発生に伴って発
生するバック波(吐出口へ向かう方向とは逆の方向へ向
かう圧力、即ち、液室1012へ向かう圧力)に着目し
た発明である。このバック波は、吐出方向へ向かうエネ
ルギーでないため損失エネルギーとして知られている。
【0009】図18、(a),(b)に示す発明は、発
熱素子1002が形成する気泡の発生領域よりも離れ且
つ、発熱素子1002に関して吐出口1011とは反対
側に位置する弁1010を開示する。
【0010】図18(b)においては、この弁1010
は、板材等を利用する製造方法によって、流路1003
の天井に貼り付いたように初期位置を持ち、気泡の発生
に伴って流路1003内へ垂れ下がるものとして開示さ
れている。この発明は、上述したバック波の一部を弁1
010によって制御することでエネルギー損失を抑制す
るものとして開示されている。
【0011】しかしながら、この構成において、吐出す
べき液体を保持する流路3内部に、気泡が発生した際を
検討するとわかるように、弁10によるバック波の一部
を抑制することは、液体吐出にとっては実用的なもので
ないことがわかる。
【0012】もともとバック波自体は、前述したように
吐出に直接関係しないものである。このバック波が流路
3内に発生した時点では、図18(a)に示すように、
気泡のうち吐出に直接関係する圧力はすでに流路3から
液体を吐出可能状態にしている。従って、バック波のう
ち、しかもその一部を抑制したからといっても、吐出に
大きな影響を与えないことは明らかである。
【0013】他方、バブルジェット記録方法において
は、発熱体がインクに接した状態で加熱を繰り返すた
め、発熱体の表面にインクの焦げによる堆積物が発生す
る。しかし、インクの種類によってはこの堆積物が多く
発生する。これが発生すると、インクの吐出が不安定と
なる。加えて、吐出すべき液体が熱によって劣化しやす
い液体の場合や十分に発泡が得られにくい液体の場合に
おいても、変質せず、良好に吐出される液体が望まれて
いた。
【0014】熱により気泡を発生させる液体(発泡液)
と吐出する液体(吐出液)とを別液体とし、発泡による
圧力を吐出液に伝達することで吐出液を吐出する方法
が、特開昭61−69467号公報、特開昭55−81
172号公報、USP4,480,259号等の公報に
開示されている。これらの公報では、吐出液であるイン
クと発泡液とをシリコンゴムなどの可撓性膜で完全分離
し、発熱体に吐出液が直接接しないようにすると共に、
発泡液の発泡による圧力を可撓性膜の変形によって吐出
液に伝える構成をとっている。このような構成によっ
て、発熱体表面の堆積物の防止や、吐出液体の選択自由
度の向上等を達成している。
【0015】しかしながら、前述のように吐出液と発泡
液とを完全分離する構成のヘッドにおいては、発泡時の
圧力を可撓性膜の伸縮変形によって吐出液に伝える構成
であるため、発泡による圧力を可撓性膜がかなり吸収し
てしまう。また、可撓性膜の変形量もあまり大きくない
ため、吐出液と発泡液とを分離することによる効果を得
ることはできるものの、エネルギー効率や吐出力が低下
してしまう。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、液流路に気
泡(特に膜沸騰に伴う気泡)を形成して液体を吐出する
方式における液体の吐出特性を、従来では考えられなか
った観点から、従来では予想できない水準に高めること
を主たる課題とする。発明者達は、液滴吐出の原理に立
ち返り、従来では得られなかった、気泡を利用した新規
な液滴吐出方法及びそれを用いる液体吐出ヘッド等を提
供すべく鋭意研究を行った。この結果、自由端を有する
可動部材を発熱体の発熱面と吐出口との間に介在させる
とともに、発熱面と吐出口とが直接連通する直接連通領
域を有することにより、気泡を有効に制御する全く新規
な技術を確立し、本発明をなすに至った。
【0017】発明者達は、先に液滴吐出の原理に立ち返
り、可動部材を用いることにより従来では得られなかっ
た気泡を利用した新規な液体吐出方法及びそれを用いる
液体吐出ヘッドを提供できる発明を提案している。
【0018】上記の発明を踏まえて、特に本発明におい
て注目したことは、可動部材と吐出口および発熱体の構
成について考慮することで、先に提案した吐出方法をよ
り有効に作用させ、簡略な構成で吐出力を安定させ、吐
出効率を高めるという画期的な発明を導き出すに至っ
た。
【0019】本発明の目的の1つは、気泡を有効に制御
し、安定した吐出力、吐出効率の向上を図った液体吐出
方法およびヘッドを提供することにある。
【0020】本発明の第2の目的は、先の目的を達成し
たうえで、簡易な構成で製造歩留りの良い液体吐出方法
およびヘッドを提供することにある。
【0021】本発明の他の目的は、液体の吐出効率、吐
出力、吐出速度、更には被記録媒体への着弾精度の向上
を図った液体吐出方法、液体吐出ヘッド等を提供するこ
とにある。
【0022】本発明の更に他の目的は、バック波による
液体供給方向とは逆方向への慣性力が働くのを抑え、可
動部材の弁機能によってメニスカスの後退量を低減させ
ることにより、リフィル周波数を高め、印字速度を向上
させることのできる液体吐出方法、液体吐出ヘッド等を
提供することにある。
【0023】本発明の更に他の目的は、発熱体上の液体
への蓄熱を軽減し、発熱体上に残留する気泡を低減する
ことにより、良好な液体の吐出を安定して行い得る液体
吐出方法、液体吐出ヘッド等を提供することにある。
【0024】本発明の更に他の目的は、発熱体上への堆
積物を低減すると共に、吐出液の用途範囲、選択自由度
を広げることができ、しかも吐出効率や吐出力が十分に
高い液体吐出方法、液体吐出ヘッド等を提供することに
ある。
【0025】本発明の更に他の目的は、前述のような液
体吐出ヘッドを備えたヘッドカートリッジ及び液体吐出
装置を提供することである。
【0026】本発明の更に他の目的は、本発明の液体吐
出ヘッドの再利用を容易にするための液体吐出ヘッドキ
ットを提供することにある。
【0027】
【課題を解決するための手段】本発明の液体吐出方法
は、液体の吐出口と対面して配された液体に気泡を生じ
させるための熱を発生する発熱面を有する基板と、前記
発熱面と前記吐出口との間に介在するように設けられ、
前記気泡によって変位する自由端を有し、該自由端また
は変化部が吐出口最小面積域に対向する領域または該対
向する領域よりも上流側に位置する可動部材と、前記可
動部材の前記自由端が前記気泡によって変位したとき
に、可動部材の発熱面側となる面と対向し、前記可動部
材の変位時に可動部材と協動して前記気泡を前記吐出口
の方へ導くための固定された対向面とによって、気泡を
規制して吐出口へ導くことを特徴とする。
【0028】この場合、液体中に形成した気泡を成長さ
せて吐出口領域で外気に連通させて液体を吐出する事と
してもよく、さらに、気泡が外気と連通した後の液体中
の気泡を外気へ排出するために、吐出が行われない程度
の気泡を発生させて可動部材を変位させることとしても
よい。
【0029】本発明の液体吐出ヘッドは、液体の吐出口
と対面して配された、液体に気泡を生じさせるための熱
を発生する発熱面を有する基板と、前記発熱面と前記吐
出口との間に介在するように設けられ、前記気泡によっ
て変位する自由端を有する可動部材と、を有し、前記可
動部材の前記自由端は、前記吐出口の中心を貫く垂線に
沿った前記吐出口の投影領域、の界面の近傍または前記
界面の外にまで前記気泡によって変位し、前記気泡の消
泡に伴って初期の位置に戻ることを特徴とする。
【0030】また、液体の吐出口と対面して配された液
体に気泡を生じさせるための熱を発生する発熱面を有す
る基板と、前記発熱面と前記吐出口との間に介在するよ
うに設けられ、前記気泡によって変位する自由端を有す
る可動部材と、前記可動部材の前記自由端が前記気泡に
よって変位したときに、可動部材の発熱面側となる面と
対向し、前記可動部材の変位時に可動部材と協動して前
記気泡を前記吐出口の方へ導くための固定された対向面
を有し、前記吐出口を通って前記吐出口に垂直な垂線に
対して前記発熱面の中心および前記可動部材の自由端あ
るいは変化部が前記液体の吐出口方向への流れに対して
上流側に配設されていることを特徴とする。
【0031】また、液体の吐出口と対面して配された液
体に気泡を生じさせるための熱を発生する発熱面を有す
る基板と、前記発熱面と前記吐出口との間に介在するよ
うに設けられ、前記気泡によって変位する自由端を有す
る可動部材と、前記可動部材の前記自由端が前記気泡に
よって変位したときに、可動部材の発熱面側となる面と
対向し、前記可動部材の変位時に可動部材と協動して前
記気泡を前記吐出口の方へ導くための固定された対向面
を有し、前記吐出口を通って前記吐出口に垂直な垂線に
対して前記発熱面の中心および前記可動部材の自由端あ
るいは変化部が前記液体の吐出口方向への流れに対して
上流側に配設され、前記可動部材は気泡によって最大変
位に達したときにその自由端が吐出口の基板面への投影
領域外に位置することを特徴とする。
【0032】また、液体中に形成した気泡を成長させて
吐出口領域で外気に連通させて液体を吐出する液体吐出
ヘッドにおいて、液体の吐出口と対面して配された液体
に気泡を生じさせるための熱を発生する発熱面を有する
基板と、前記発熱面と前記吐出口との間に介在するよう
に設けられ、前記気泡によって変位する自由端を有する
可動部材と、前記可動部材の前記自由端が前記気泡によ
って変位したときに、可動部材の発熱面側となる面と対
向し、前記可動部材の変位時に可動部材と協動して前記
気泡を前記吐出口の方へ導くための固定された対向面を
有し、前記吐出口を通って前記吐出口に垂直な垂線に対
して前記発熱面の中心および前記可動部材の自由端ある
いは変化部が前記液体の吐出口方向への流れに対して上
流側に配設されていることを特徴とする。
【0033】上記の対向面は障壁としてもよい。
【0034】また、障壁の少なくとも一部の面が吐出口
方向に向かう流路の断面積を小さくするように形成され
てもよい。
【0035】また、液体中に形成した気泡を成長させて
吐出口領域で外気に連通させて液体を吐出する液体吐出
方法において、液体の吐出口と対面して配された液体に
気泡を生じさせるための熱を発生する発熱面を有する基
板と、前記発熱面と前記吐出口との間に介在するように
設けられ、前記気泡によって変位する自由端を有する可
動部材と、前記可動部材の前記自由端が前記気泡によっ
て変位したときに、可動部材の発熱面側となる面と対向
し、前記可動部材の変位時に可動部材と協動して前記気
泡を前記吐出口の方へ導くための固定された対向面を有
し、前記吐出口を通って前記吐出口に垂直な垂線に対し
て前記発熱面の中心および前記可動部材の自由端あるい
は変化部が前記液体の吐出口方向への流れに対して上流
側に配設され、前記可動部材は気泡によって最大変位に
達したときにその自由端が吐出口の基板面への投影領域
外に位置することを特徴とする。
【0036】(作用)本発明では、発熱体の発熱面と吐
出口との間に介在する、気泡の成長方向を規制する可動
部材が、発熱面において発生した気泡による圧力によっ
て吐出口の側に変位する。この結果、可動部材は、可動
部材と対向する対向部材と協働し、あたかも発熱面と吐
出口との連通路を絞る様にして、気泡の成長方向を吐出
口へ向けることができ、気泡による圧力を吐出口の方へ
集中させる。このため、高吐出効率、高吐出力、更には
被記録媒体への高着弾精度でもって液体を吐出すること
ができる。
【0037】また、可動部材によってバック波の影響を
も低減することができ、さらに、吐出が行われた後の可
動部材が初期状態に変位する方向が液体のリフィルされ
る方向となる。従って、連続的な液体吐出時の高応答
性、気泡の安定的な成長性、液滴の安定的な吐出特性を
得ることができ、高速液体吐出による高速記録及び高画
質記録を達成することができる。
【0038】なお、本発明の説明で用いる「上流」「下
流」とは、液体の供給源から気泡発生領域(又は可動部
材)を経て、吐出口へ向かう液体の流れ方向に関して、
又はこの構成上の方向に関しての表現として表されてい
る。
【0039】また、気泡自体に関する「下流側」とは、
主として液滴の吐出に直接作用するとされる気泡の吐出
口側部分を代表する。より具体的には気泡の中心に対し
て、上記流れ方向や上記構成上の方向に関する下流側、
又は、発熱体の面積中心より下流側の領域で発生する気
泡を意味する。
【0040】さらに、本発明でいう「分離壁」とは、広
義では気泡発生領域と吐出口に直接連通する領域とを区
分するように介在する壁(可動部材を含んでもよい)を
意味し、狭義では気泡発生領域を含む流路を吐出口に直
接連通する液流路とを区分し、それぞれの領域にある液
体の混合を防止するものを意味する。
【0041】本発明の他の形態による液体吐出方法、液
体吐出ヘッドは、発熱面と吐出口とが直接連通する直接
連通領域を有することを特徴とするものであり、具体的
には以下のように構成されている。
【0042】本発明の他の形態による液体吐出方法は、
液体の吐出口と対面して配された液体に気泡を生じさせ
るための熱を発生する発熱面を有する基板と、前記発熱
面と前記吐出口とが直接連通する直接連通領域を有する
とともに、前記発熱面に対向し、前記発熱面と前記吐出
口との間に介在するように設けられ、前記気泡によって
変位する自由端を有する可動部材と、前記可動部材の前
記自由端が前記気泡によって変位したときに、可動部材
の発熱面側となる面と対向し、前記可動部材の変位時に
可動部材と協動して前記気泡を前記吐出口の方へ導くた
めの固定された対向面とによって、気泡を規制して吐出
口へ導くことを特徴とする。
【0043】また、液体の吐出口と対面して配された液
体に気泡を生じさせるための熱を発生する発熱面を有す
る基板と、前記発熱面と前記吐出口とが直接連通する直
接連通領域を有するとともに、前記発熱面に対向し、前
記発熱面と前記吐出口との間に介在するように設けら
れ、前記気泡によって変位する自由端を有し、該自由端
が吐出口中心域に対向する領域または該対向する領域よ
りも上流側に位置する可動部材と、前記可動部材の前記
自由端が前記気泡によって変位したときに、可動部材の
発熱面側となる面と対向し、前記可動部材の変位時に可
動部材と協動して前記気泡を前記吐出口の方へ導くため
の固定された対向面とによって、気泡を規制して吐出口
へ導くことを特徴とする。
【0044】また、液体の吐出口と対面して配された液
体に気泡を生じさせるための熱を発生する発熱面を有す
る基板と、前記発熱面と前記吐出口とが直接連通する直
接連通領域を有するとともに、前記発熱面に対向し、前
記発熱面と前記吐出口との間に介在するように設けら
れ、前記気泡によって変位する自由端を有する可動部材
と、前記直接連通領域を挟んで対向した複数の前記可動
部材の前記自由端が前記気泡によって変位したときに、
可動部材は互いに協動して前記気泡を前記吐出口の方へ
導くことを特徴とする。
【0045】また、上記のいずれかの液体吐出方法にお
いて、直接連通領域の幅は5μmより大きく、吐出口径
より小さなことを特徴とする。
【0046】また、液体の吐出口と対面して配された液
体に気泡を生じさせるための熱を発生する有効発泡領域
に対して前記吐出口が直接連通する直接連通領域、及
び、前記有効発泡領域と前記吐出口との間に、前記気泡
によって変位する可動部材の自由端が前記吐出口の最小
内径内に対向する介在領域を隣接して有し、前記可動部
材の変位とともに前記気泡を規制して吐出口へ導き、液
体の吐出を行う液体吐出方法であって、上記直接連通す
る領域に対向する上記有効発泡領域の長さが5μm以
上、もしくは、上記直接連通する領域の上記有効発泡領
域に沿う長さが5μm以上として吐出を行うことを特徴
とする。
【0047】また、液体の吐出口と対面して配された液
体に気泡を生じさせるための熱を発生する有効発泡領域
に対して前記吐出口が直接連通する直接連通領域、及
び、前記有効発泡領域と前記吐出口との間に、前記気泡
によって変位する可動部材の自由端が前記吐出口の最小
内径内に対向する介在領域を隣接して有し、前記可動部
材の変位とともに前記気泡を規制して吐出口へ導き、液
体の吐出を行う液体吐出方法であって、有効発泡領域と
吐出口中央部が直接対向する条件下で吐出を行うことを
特徴とする。
【0048】本発明の他の形態による液体吐出ヘッド
は、液体の吐出口と対面して配された液体に気泡を生じ
させるための熱を発生する発熱面を有する基板と、前記
発熱面と前記吐出口とが直接連通する直接連通領域と、
前記発熱面に対向し、前記発熱面と前記吐出口との間に
介在するように設けられ、前記気泡によって変位する自
由端を有する可動部材と、前記可動部材の前記自由端が
前記気泡によって変位したときに、可動部材の発熱面側
となる面と対向し、前記可動部材の変位時に可動部材と
協動して前記気泡を前記吐出口の方へ導くための固定さ
れた対向面とを備えることを特徴とする。
【0049】また、液体の吐出口と対面して配された液
体に気泡を生じさせるための熱を発生する発熱面を有す
る基板と、前記発熱面と前記吐出口とが直接連通する直
接連通領域と、前記発熱面に対向し、前記発熱面と前記
吐出口との間に介在するように設けられ、前記気泡によ
って変位する自由端を有し、該自由端が吐出口中心域に
対向する領域または該対向する領域よりも上流側に位置
する可動部材と、前記可動部材の前記自由端が前記気泡
によって変位したときに、可動部材の発熱面側となる面
と対向し、前記可動部材の変位時に可動部材と協動して
前記気泡を前記吐出口の方へ導くための固定された対向
面とを備えることを特徴とする。
【0050】また、液体の吐出口と対面して配された液
体に気泡を生じさせるための熱を発生する発熱面を有す
る基板と、前記発熱面と前記吐出口とが直接連通する直
接連通領域と、前記発熱面に対向し、前記発熱面と前記
吐出口との間に介在するように複数設けられ、前記気泡
によって変位する自由端を備え、各自由端が前記気泡に
よって変位したときに、互いに協動して前記気泡を前記
吐出口の方へ導く可動部材を有することを特徴とする。
【0051】また、上記のいずれかの液体吐出ヘッドに
おいて、直接連通領域の幅は5μmより大きく、吐出口
径より小さなことを特徴とする。
【0052】(直接連通領域を設けた場合の作用)本発
明でいう「吐出口と発熱面との間の直接連通領域または
連通領域」では、吐出口と気泡を発生するための発熱面
とが間に液体以外介在するものがなく、直接対向する領
域を意味するものであり、この領域によって発熱面で発
生した気泡の圧力波の伝搬や気泡自身の成長成分は、直
接吐出口に向うことができる。特に、この直接連通領域
においては、上記圧力波や気泡の成長成分が優先的に吐
出口に導かれるので、直接的に圧力波を通過させて一層
効果的に圧力波を吐出口へ指向させながら可動部材の自
由端を変位せしめることができる。この直接連通領域の
大きさとしては、この意味で幅5μm以上の幅を持つ連
通空間を設けることが好ましい。
【0053】さらに、本発明でいう発熱面は、発熱面の
有効発泡領域としての意味も含むものである。
【0054】本発明によれば、可動部材の支点よりも自
由端が吐出口側に位置する前提条件下で、有効発泡領域
から発生する気泡のうち、吐出口へ直接導かれる部分が
この支点から自由端への方向に関して、有効発泡領域の
中央から下流側の前方部分であることを、自由端の直接
の移動をもたらす圧力勾配形成に対して、自由端が移動
し易い環境形成に利用するということができ、総合的に
吐出効率を向上できる。即ち、有効発泡領域から気泡発
生時にもたらされる音響波(疎密波)が直接液体中を伝
搬して、変位領域内の液体中に圧力勾配(分布)を、可
動部材の変位領域(液流路)に対して早期且つ確実に形
成する。この結果、可動部材の自由端及び自由端近傍の
可動部材面の移動方向に位置する液体に吐出口へ移動す
る量を増大させることができる。
【0055】また、本発明によれば、変位領域におい
て、吐出口側、支点側の夫々に液体の流れが分散される
分断領域を可動部材の面領域の支点側へシフトできるの
で、液体の吐出量をより一層安定化でき、吐出効率を向
上し、リフィル時のリフィル作用も合理的に行われ、リ
フィル時間を短時間化できる。
【0056】本発明のヘッドカートリッジは上記のよう
に構成された液体吐出ヘッドと、該液体吐出ヘッドに供
給される液体を保持する液体容器とを有するヘッドカー
トリッジ。
【0057】本発明の記録装置は、上記のように構成さ
れた液体吐出ヘッドと、該液体吐出ヘッドから液体を吐
出させるための駆動信号を供給する駆動信号供給手段
と、を有する。
【0058】また、上記のように構成された液体吐出ヘ
ッドと、該液体吐出ヘッドから吐出された液体を受ける
被記録媒体を搬送する被記録媒体搬送手段と、を有す
る。
【0059】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を説明
する。
【0060】[実施例1]図1は、本発明の液体吐出ヘ
ッドの第1の実施例について、可動部材を支える支持部
を含めた構成を示す模式的部分破断斜視図である。
【0061】本実施例の液体吐出ヘッドは、発熱体40
2の発熱面に実質的に平行に対面する様に吐出口418
が配された、いわゆるサイドシュータタイプのヘッドで
ある。発熱体402(本実施例では48μm×46μm
の発熱抵抗体)は、基板401上に設けられており、液
体に米国特許第4,723,129に記載されている様
な膜沸騰を生じさせて気泡を発生させるために利用され
る熱エネルギーを発生する。吐出口418は、吐出口部
材であるオリフィスプレート414に設けられている。
このオリフィスプレート414は、ニッケルを電鋳する
ことで形成されている。
【0062】吐出口418に直接連通する様に、液体を
流すための液流路410がオリフィスプレート414と
基板401との間に設けられている。本実施例では、吐
出する液体として水系インクを用いた。
【0063】液流路410には、発熱体402に対向し
て平板片持梁形状の可動部材431が設けられている。
可動部材431は、発熱体402の発熱面に垂直な方向
における発熱面の上方への投影空間辺りに位置するとと
もに、発熱体402および可動部材431の端部406
aは吐出口418の投影領域外となるように配置されて
いる。可動部材431は、金属等の弾性を有する材料か
らなる。本実施例では、厚さ5μmのニッケルで形成さ
れている。可動部材431の一端405aは、支持部材
405bに固定されて支持されている。支持部材405
bは、基板401上に感光性樹脂をパターニングにより
形成されている。可動部材431と発熱体402の発熱
面とは、15μm程度の間隔をもって配されている。
【0064】符号415aに示されるのは、可動部材4
31の開放時に可動部材431の発熱面側となる面に対
向する対向部材としての壁部材である。可動部材431
は、共通液室(不図示)から供給路(不図示)を介し可
動部材431を経て吐出口418へ至る液体の流れの上
流側に固定端(支点)406bと、下流側に自由端40
6aと、を有する。固定端406bは、可動部材431
の開放時に支点となる基部として働く。
【0065】可動部材431の少なくとも自由端406
aは、気泡による圧力が及ぶ領域内に配されている。
【0066】以下の説明において、定常状態での可動部
材431の上側(吐出口側)の領域を”A”、下側(発
熱体側)の領域を”B”とする。
【0067】発熱体402の発熱面から熱が発生して領
域Bで気泡が発生すると、気泡の発生と成長に伴う圧力
或いは成長する気泡自体により、可動部材431の自由
端406aは基部406bを支点として領域A側へ図1
中の2点二点鎖線方向に瞬時に移動し、液体が吐出口4
18から吐出される。
【0068】本実施例において、可動部材431はその
自由端406aが吐出口418の略中心に対して上流側
となるように配置されている。
【0069】尚、電気熱変換体である発熱体402に電
気信号を印加することは、基板401に配された配線電
極(不図示)により行われる。
【0070】この原理を可動部材を用いない従来の液流
路構造を模式的に示した図2と本発明の要部構成を示す
図3とを比較してさらに詳しく説明する。なお、ここで
は吐出口方向への圧力の伝搬方向をVA、上流側への圧
力の伝搬方向をVBとして示し、1つの可動部材431
として説明する。
【0071】図2で示されるような従来のヘッドにおい
ては、発生した気泡440による圧力の伝搬方向を規制
する構成はない。このため気泡440の圧力伝搬方向は
1〜V8のように気泡表面の垂線方向となり様々な方向
を向いていた。このうち、特に液吐出に最も影響を及ぼ
すVA方向に圧力伝搬方向の成分を持つものは、V1〜V
4即ち気泡のほぼ半分の位置より吐出口に近い部分の圧
力伝搬の方向成分であり、液吐出効率、液吐出力、吐出
速度等に直接寄与する重要な部分である。さらにV1
吐出方向VAの方向に最も近いために効率よく働き、逆
にV4はVAに向かう方向成分は比較的少ない。
【0072】これに対して、図3に示される本発明の場
合には、可動部材431が図2の場合のように様々な方
向を向いていた気泡の圧力伝搬方向V1〜V4を下流側
(吐出口側)へ導き、VAの圧力伝搬方向に変換するも
のであり、これにより気泡440の圧力が直接的に効率
よく吐出に寄与することになる。そして、気泡の成長方
向自体も圧力伝搬方向V1〜V4と同様に下流方向に導か
れ、上流より下流で大きく成長する。このように、気泡
の成長方向自体を可動部材によって制御し、気泡の圧力
伝搬方向を制御することで、吐出効率や吐出力また吐出
速度等の根本的な向上を達成することができる。
【0073】次に、本実施例に係る液体吐出ヘッドの吐
出動作について説明する。図4(a)〜(d)は、本実
施例に係る液体吐出ヘッドの吐出動作を説明するための
模式的断面図である。図4においては、説明をわかりや
すいものとするために、支持部材405bが省略されて
いる。
【0074】図4(a)は、発熱体2に電気エネルギー
等のエネルギーが印加される前の状態であり、発熱体が
熱を発生する前の初期状態を示している。
【0075】図4(b)は、発熱体402に電気エネル
ギー等が印加されて発熱体402が発熱し、発生した熱
によって膜沸騰に伴う気泡440が発生し成長している
状態を示している。この気泡の発生と成長に伴う圧力
は、主として可動部材431に伝搬する。この可動部材
431の機械的変位は、吐出口からの吐出液の吐出に寄
与する。
【0076】図4(c)は、気泡440が更に成長した
状態を示している。気泡440の成長に伴い、可動部材
431がその基部406bを支点として吐出口418の
方へ一層変位している。この可動部材431の変位によ
り、吐出口側領域Aと発熱体側領域Bとが初期状態に較
べて大きく連通する。この状態は、あたかも発熱面と吐
出口418との連通路が可動部材431によって適度に
細く絞られて、気泡の力を吐出口418の方へ集中させ
るかの様である。この様にして、気泡440の成長に基
づく圧力波は、吐出口418に向けて直上方向に集中的
に伝わる。この様な圧力波の直接的な伝搬と可動部材4
31の機械的変位とにより、吐出液が滴411a(図4
(d))として吐出口418から高速、高吐出力、高吐
出効率でもって吐出される。
【0077】図4(c)においては、吐出口418の方
への可動部材431の変位に伴い、発熱体側領域Bで発
生した気泡440の一部が吐出口側領域Aに延在してい
る。このように、発熱体402の発熱面または基板40
1(図1参照)の表面から、可動部材431までの間隔
を気泡440が吐出口側領域Aに延在するような高さと
することにより、吐出力を一層向上させることができ
る。気泡440が可動部材431の初期位置を越えて吐
出口418の方へ延在するようにするためには、発熱体
側領域Bの高さを最大気泡の高さより低くすることが望
ましく、数μm〜30μmとすることが望ましい。
【0078】図4(d)は、気泡440がその内部圧力
の減少によって収縮し、消滅していく状態を示してい
る。気泡440の収縮による負圧と可動部自身のばね性
による復元力により、可動部材431が初期位置に復帰
する。これに伴い、液流路410では、吐出された液量
に相当する量の液体が速やかに供給される。液流路41
0では、気泡によるバック波の影響を受けることがほと
んどなく、可動部材431が閉じることと並行してなさ
れるので可動部によって妨げられることも少ないためで
ある。
【0079】本実施例においては上述したように、可動
部材431の自由端406aが吐出口418の略中心に
対して上流側となるように形成、配置されているため、
図4(c)に示すように可動部材431が変位したとき
に、吐出口418の基板面への投影領域内に自由端40
6aが入り込むことがない。このため、気泡440の吐
出口方向への成長が阻害されることはなく、良好な吐出
力を得ることができるものとなっている。可動部材43
1およびその端部406aの上記のような配置は気泡4
40の発生による圧力の上流側への伝搬(バック波)の
抑制についても、より効率的に作用し、安定した吐出を
行うことができる。
【0080】次に、本実施例に係る液体吐出ヘッドにお
ける液体のリフィルについて更に説明する。
【0081】気泡440が最大体積の状態を経て消泡過
程に入ったときには、消泡した体積を補う体積の液体が
各領域に、吐出口418側と液流路410とから流れ込
む。気泡440の体積Wを可動部材431の初期位置を
境に上側(吐出口側)をW1、下側(発熱体側)をW2
とした場合、消泡時に可動部が初期位置に戻った時点で
W1の一部を補償するための吐出口418におけるメニ
スカスの後退は止まり、その後残ったW2の体積分の補
償は主に可動部材431と発熱面との間における液供給
によってなされる。これにより、吐出口418における
メニスカスの後退量を少なく抑えることが可能となる。
【0082】また、本実施例においては、W2の体積分
の補償は、消泡時の圧力変化を利用して発熱体402の
発熱面に沿って主に液流路410から強制的に行うこと
ができるため、より速いリフィルを実現できる。更に、
従来のヘッドで消泡時の圧力を用いたリフィルを行った
場合、メニスカスの振動が大きくなってしまい画像品質
の劣化につながっていたが、本実施例においては、可動
部材431によって吐出口側領域Aと発熱体側領域Bと
の液体の流通が抑制されるため、メニスカスの振動を極
めて少なくすることができる。これにより、画質の向上
や高速記録を実現することができる。
【0083】本実施例の基板401の表面は、発熱体4
02の発熱面と実質的に平坦につながる(発熱体402
の表面が大きく落ち込んでいない)。このような場合、
領域Bへの液体の供給は、基板401の表面に沿ってな
される。このため、発熱体402の発熱面上に液体が淀
むことが抑制され、液体中に溶存していて析出した析出
気泡や消泡できずに残ったいわゆる残留気泡が除去され
易く、また液体への蓄熱が高くなり過ぎることもない。
従って、より安定した気泡の発生を高速に繰り返し行う
ことができる。なお、本実施例では、基板401の表面
が実質的に平坦な内壁をもつ例を説明したが、これに限
らず、発熱体表面となだらかにつながり、なだらかな内
壁を有する液流路であればよく、発熱体上に液体の淀み
を生じたり液体中に大きな乱流を生じたりしない形状で
あればよい。
【0084】[実施例2]図5は、本発明の液体吐出ヘ
ッドの第2の実施例の要部を示す模式的断面図である。
図5においては、説明をわかりやすいものとするため
に、図1における支持部材405bを省略している。
【0085】本実施例が第1の実施例と異なる点は、発
熱体502および可動部材531の自由端506aは、
吐出口518の投影領域内に配置されているが、可動部
材531の自由短506aの近傍に溝506cを形成し
て撓みやすくしたことが挙げられる。これにより、図5
中の点線で示される様に、気泡440(図3参照)によ
って変位した可動部材531の自由端506aは吐出口
518の方へさらに撓んでいる。このように可動部材5
31の自由端506aをさらに変形させることにより、
比較的低い発泡圧でも可動部材531の自由端506a
近傍における変形量を大きく変位することができ、気泡
440の成長を妨げることがなくなり、発泡圧を一層効
率良く吐出口518の方へ向けることができる。本実施
例においても、高吐出力で高吐出効率の液体吐出ヘッド
を得ることができた。
【0086】[実施例3]図6(a)〜図6(d)は本
発明の第3の実施例の構造および吐出動作を連続的に示
す断面図である。
【0087】本実施例は、液体を吐出させるために発生
させる気泡を液体中で消泡させることなく、外気(大
気)に連通させるものである。
【0088】可動部材631の端部606aおよび発熱
体602の配置についていうと、これらはいずれも吐出
口618の投影領域内とされている。また、図面左側と
なり、障壁支持部604上に形成される障壁605は、
吐出口618に向かって液流路610の断面積を小さく
するような傾斜が付けられている。
【0089】各図には、共通液室を不図示としている
が、共通液室は図面右側に設けられ、液流路を屈曲した
形状としている。
【0090】図6(a)に示す状態は、発熱体602に
電気エネルギー等のエネルギーが印加される前であり、
発熱体602が熱を発生する前の状態の状態を示してい
る。本実施例においても、可動部材631は発熱体60
2の発熱によって発生した気泡に対し、この気泡の少な
くとも下流側部分に対面する位置に設けられ、気泡の下
流側が可動部材631に作用するように、液流路構造上
では少なくとも発熱体602の面積中心より下流(発熱
体の面積中心を通って流路の長さ方向に直交する線より
下流)の位置まで可動部材631が配されている。
【0091】図6(b)は、発熱体602に電気エネル
ギー等が印加されて発熱体602が発熱し、発生した熱
によって気泡発生領域内を満たす液体の一部を加熱し、
膜沸騰に伴う気泡を発生させた状態である。
【0092】このとき可動部材631は気泡640の発
生に基づく圧力により、気泡640の圧力の伝搬方向を
壁面を介して吐出口618方向に導くように変位する。
【0093】ここで重要なことは前述したように、可動
部材631の自由端606aを下流側(吐出口618
側)に配置し、可動部材631の変位支点を上流側(共
通液室側)に位置するように配置して、可動部材631
の少なくとも一部を発熱体602の下流部分すなわち気
泡640の下流部分に対面させることである。
【0094】図6(c)は気泡640がさらに成長した
状態であるが、気泡640発生に伴う圧力に応じて可動
部材631はさらに変位している。
【0095】また、気泡640の成長は、障壁605に
吐出口618に向かって液流路610の断面積を小さく
するような傾斜が付けられていることから、少なくとも
図示される断面方向に関しては、図面から明らかなよう
に可動部材631と障壁605によってほぼ同形状に規
制され、その吐出方向性も安定したものとなるる。
【0096】発生した気泡640は上流より下流に大き
く成長するとともに図6(a)に示した可動部材631
の初期位置を越えて大きく成長している。可動部材63
1は気泡640や発泡圧を吐出口618方向へ導く際に
もこの伝達の妨げになることはほとんどなく、伝搬する
圧力の大きさに応じて効率よく圧力の伝搬方向や気泡6
40の成長方向を制御することができる。
【0097】上記のように気泡640の成長に応じて可
動部材631が徐々に変位して行くことで気泡640の
圧力伝搬方向や体積移動のしやすい方向、すなわち、可
動部材631の自由端606a側への気泡640の成長
方向を吐出口618に向けて均一的に向かわせることが
できる。また、これに伴って吐出口618方向に向って
液体が移動する速度VAは上流側へ向うB方向へ移動す
る速度VBよりも充分大きなものとなり、吐出効率が高
いものとなっている。
【0098】また、気泡640が外気と連通する直前の
状態となっても液路内の気泡640はその成長段階で液
流路を完全に遮断することがないので、後続のインク記
録のためのリフィル特性が優れている。
【0099】本実施例における、発生する気泡640を
決定するパラメータとしては、発熱体602の発生する
熱エネルギー量(発熱体602の構成、形成材料、駆動
条件、面積、発熱体602の設けられる基体の熱容量
等)、インク物性、記録ヘッドの各部の大きさ(吐出口
618と発熱体602間の距離、吐出口618や液流路
の幅および高さ)などが挙げられ、これらを適宜選択す
ることにより気泡640を所望の状態で外気と連通させ
ることができる。
【0100】図6(d)は気泡640と外気が連通し、
液体が吐出された状態を示す図である。図示するよう
に、本実施例においては可動部材631が設けられてい
ることから気泡640と外気が連通した状態においても
吐出された液体は吐出口周囲に対して片寄りがなく、均
等バランスで吐出口から離脱するため、安定した吐出方
向性が得られる。
【0101】また、吐出液体は、気泡640が大気と連
通する以前に気泡640との界面を形成していた部分の
多くを含むものとなる。気泡640発生時における液体
の温度分布は気泡640との界面の温度が最も高いもの
であり、本実施例においてはこの部分の液体が吐出され
るため、ヘッドの温度上昇が低く抑えられる。
【0102】吐出の後には、可動部材631は図6
(d)に示すようにその変位が初期状態となるまで除々
に戻るが、初期状態となるまで可動部材631の自由端
の上側と下側にはメニスカスがそれぞれ形成され、可動
部材631は各メニスカスの力がバランスするように変
位しながら初期状態に戻り、液体のリフィルも完了す
る。
【0103】本実施例におけるリフィル動作も第1の実
施例と同様のものであり、速やかに行われるとともにリ
フィル時に振動が発生することが抑えられ、初期状態に
早期に復帰できるものとなっている。
【0104】なお、障壁支持部604の形状についてい
うと、吐出後に泡が残ることを防ぐことを目的とし、吐
出時にも液体を残すために吐出口618側に向けて開口
面が狭くなるようなテーパ形状としてもよい。このよう
なテーパ形状とすることにより、この部分には吐出動作
が行われても常に液体が滞留することとなり、泡の発生
が防がれる。
【0105】また、障壁支持部604のテーパ形状は、
上記の場合とは逆に吐出口618側に向けて開口面が広
くなるように形成してもよい。このような形状とした場
合には、可動部材631の変位後の復帰時に気泡が大気
に連通した後に侵入した大気が効率良く吐出口618側
に誘導されて可動部材631の下側部分となる液流路に
気泡を残すことなく吐出口618から排出され、同時に
リフィル完成が早まるために高速駆動が可能となる。ま
た、仮に液体に覆われて気泡状になった気体があったと
しても、可動部材631の変位の傾斜とその圧変化及び
このテーパ部とで、気泡形成領域から排出できるので、
気泡形成及び吐出効率の安定化が保たれる。
【0106】[実施例4]図7(a),(b)は本発明
の第4の実施例の構成を示す断面図であり、図7(a)
は初期状態を示し、図7(b)は吐出時の状態を示して
いる。
【0107】本実施例における発熱体702、可動部材
731の端部706aと吐出口718との位置関係は第
1の実施例と同様であるが、気泡による可動部材の変位
を効率よく行なうことを目的として、障壁支持部704
が図7(a)に示す初期状態のときの可動部材731の
端部706a近傍まで延設されている。
【0108】上記のように、障壁支持部704が延在す
ることにより、発生した気泡による力はすぐに可動部材
731を押し上げる方向に向い、その後は吐出口718
へ向うこととなり、効率よく吐出を行なうことができ
る。また、効率が向上することから、従来、熱を加えて
も発泡が十分に行われにくく吐出力が不十分であったポ
リエチレングリコール等の高粘度の液体であっても、良
好に吐出させることができる。
【0109】[実施例5]図8は本発明の第5の実施例
の構成を示す断面図である。
【0110】本実施例は、図7に示した第4の実施例の
障壁705を、発生した気泡を吐出項718方向へ成長
しやすいものとするために、吐出口718方向に向かう
流路の断面積が小さくなるように傾斜した障壁805と
したものである。この他の構成は図7に示した第4の実
施例と同様であるため、同じ符号を付す。このような形
状とすることによって、発生した気泡は吐出口718へ
向けて成長および外成長による液体の吐出が安定したも
のとなった。
【0111】[実施例6]図9は、本発明の第6の実施
例を示す模式的部分破断斜視図である。
【0112】本実施例の液体吐出ヘッドは、発熱体Hの
発熱面に実質的に平行に対面する様に吐出口Oが配され
た、いわゆるサイドシュータタイプのヘッドである。発
熱体H(本実施例では48μm×46μmの発熱抵抗
体)は、基板2上に設けられており、液体に米国特許第
4,723,129に記載されている様な膜沸騰を生じ
させて気泡を発生させるために利用される熱エネルギー
を発生する。吐出口Oは、吐出口部材であるオリフィス
プレートOMに設けられている。このオリフィスプレー
トOMは、支持部材1に固定支持されるものでニッケル
を電鋳加工することで形成されている。
【0113】吐出口Oに直接連通する様に、液体を流す
ための液流路10がオリフィスプレートOMと基板2と
の間に設けられている。本実施例では、吐出する液体と
して水系インクを用いた。
【0114】液流路10には、発熱体Hに対向して平板
片持梁形状の2つの可動部材M1,M2が設けられてい
る。可動部材M1,M2は、発熱体Hの発熱面に垂直な
方向における発熱面の上方への投影空間辺りに位置する
とともに、発熱体Hおよび可動部材M1,M2のスリッ
トSLを介して吐出口Oと直接連通する直接連通領域を
挟んで対向するように配置されている。可動部材M1,
M2は、金属等の弾性を有する材料からなる。本実施例
では、厚さ5μmのニッケルで形成されている。可動部
材M1,M2の支点側は、支持部材5bに固定されて支
持されている。支持部材5bは、基板2上に感光性樹脂
をパターニングすることにより形成されている。可動部
材M1,M2と発熱面とは、15μm程度の間隔をもっ
て配されている。
【0115】可動部材M1,M2の少なくとも自由端を
含む一部分は発熱体Hに面し、気泡による圧力が直接及
ぶ領域内に配されている。また、可動部材M1,M2の
自由端のスリットSLは気泡の成長成分が吐出口Oに直
接向う領域を有し、かつ、吐出口Oに向う成分以外を可
動部材M1,M2の変位によって吐出口Oに導くため、
その幅は5μm〜吐出口径φOとされている。
【0116】本実施例における各部材の配置は図9
(a)に示される通りである。発熱体Hは、発熱体Hの
発熱面および吐出口Oの吐出面にほぼ平行となる水平方
向(図面左右方向)に関する端部の位置をHA,HBと
し、これらの間の長さをHLとする。可動部材M1,M
2の自由端の水平方向に関するそれぞれの位置はMA,
MBとされ、これらの間がスリットSLとされる。オリ
フィスプレートOMに形成される吐出口Oは、吐出液体
の形状を安定させるめに図示するように外側に向けて径
が小さくなるテーパ形状に形成されている。このため、
オリフィスプレートOMの外面および内面にそれぞれ形
成される径は異なるものとなっており、外面に形成され
る吐出口径φOは水平方向に関する位置OA,OBを最
大径とし、内面に形成される吐出口径φOBはφOより
もさらに大きな径を有している。
【0117】また、支持部材5bと可動部材M1,M2
とによって基板2を囲むことにより液体供給路21が形
成され、さらにその外側を支持部材1とオリフィスプレ
ートOMとによって囲むことにより液体供給路20が形
成されている。
【0118】図9(b)に示すように、発熱体Hの発熱
面から熱が発生することで液体に気泡が発生すると気泡
の発生による圧力波や気泡自身の成長方向のうち、吐出
口に向うものはスリットSLを介して吐出口Oに直接作
用して液体吐出動作を開始させ、メニスカスを盛り上げ
る。気泡の端部の圧力波および成長方向は放射状に拡が
るため直接は吐出口Oに向わないが、この部分には可動
部材M1,M2が配置されており、可動部材M1,M2
の変位を引き起こす。
【0119】図9(c)はさらに気泡が成長し、メニス
カスの盛り上りと可動部材M1,M2の変位を大きくし
た状態が示されている。このときには、特に気泡の成長
成分は可動部材M1,M2の変位により、さらに吐出口
の中心に集められつつ吐出口Oへ導かれる形状が示され
ている。
【0120】図9(d)は、さらに気泡が成長し、最大
体積付近まで成長した状態を示しており、成長した気泡
は可動部材M1,M2によりさらに吐出口Oに導かれて
いる。この際、可動部材M1,M2は第1液流路10側
に圧力成分が逃げないように変位するとともに、吐出口
径φOに対して完全に開放した状態に変位しているた
め、吐出効率は最も高い状態となる。
【0121】図9(e)は、気泡の収縮仮定を示すもの
で、気泡は内部圧力の減少とともに急速に収縮しつつあ
り、それに伴って吐出口Oからメニスカスを引き込み、
同時に可動部材M1,M2は変位状態から自然位置に戻
り、液供給をスムーズに行わせる。このため、メニスカ
スの引き込みは小さく抑えられる。
【0122】図10は、液体吐出方向から吐出口Oが複
数配置されたヘッドフェイス面を見た図である。吐出口
Oの開口からは液体が透明の場合には可動部材M1,M
2の自由端を含む一部が見られる。さらに、自由端のス
リットSLを介して発熱体Hの一部を見ることができ
る。自由端のスリットSLは5μm以上の幅があり、発
熱体Hによる気泡の圧力伝搬を直接吐出口Oに伝える直
接連通領域を有している。スリットSLを5μmとする
ことで直接連通領域を確保することができる。また、ス
リットSLは吐出口径φOよりも狭いため、前述したよ
うに変位することで気泡を吐出口O方向へ導くように制
御することができる。
【0123】尚、電気熱変換体である発熱体Hに電気信
号を印加することは、基板2に配された配線電極(不図
示)により行われる。
【0124】ここで、本発明の基本的な吐出原理の一つ
を説明する。本発明において最も重要な原理の1つは、
気泡に対面するように配された可動部材M1,M2が気
泡の圧力あるいは気泡自体に基づいて、定常状態の第1
の位置から変位後の位置である第2の位置へ変位し、こ
の変位する可動部材M1,M2によって気泡の発生に伴
う圧力や気泡自身を吐出口Oが配された下流側へ導くこ
とである。
【0125】[実施例7]次に、本発明の第7の実施例
について説明する。
【0126】図11は可動部材Mを片側のみに設けた本
発明の第7の実施例の構成を示す断面図である。
【0127】可動部材Mは気泡の発生により変位するこ
とで可動部材Mに対向する固定部材(壁)と協動して気
泡の圧力と成長成分をオリフィスプレートOMに形成さ
れた吐出口Oへ導く。本実施例において可動部材Mの自
由端は、その発熱体Hの発熱面および吐出口Oの吐出面
にほぼ平行となる水平方向(図面左右方向)に関する位
置が、オリフィスプレートOMの内面および外面にそれ
ぞれ形成される吐出口Oの端部A,Bは超えるものの発
熱体Hの中心部Cには達しないものとされている。この
ため、発熱体Hは、吐出口Oに直接連通する直接連通領
域を有することとなり、発熱体Hにより発生した気泡の
うち、吐出口Oに向う成分を妨げることなく吐出口Oに
向わせることと、吐出口Oに向わない成分を可動部材M
の変位によって吐出口Oに導くことが行われ、吐出効率
をより向上することができるものとなっている。
【0128】[実施例8]図12(a),(b)は、本
発明の第8の実施例の実際の吐出動作を示す断面図であ
る。
【0129】本実施例は、図9,10および図11に示
した第6および第7の実施例のように大気連通領域を確
保しつつ、図7に示した第4の実施例のように障壁支持
部を可動部材Mの自由端近傍に近付けて吐出効率の向上
を図ったものである。このような構成とすることによ
り、各実施例の効果が相乗され、吐出効率およびリフィ
ル特性が向上したものとなった。
【0130】上記のように気泡を発生させることによっ
て吐出動作を行う各実施例においては、吐出後に吐出ノ
ズル内に気泡を残さないことが重要となる。気泡の一部
が気泡発生領域に残っている場合には、気泡の発生が不
安定となって吐出が安定しないこととなり、吐出領域に
気泡が残っている場合には、吐出液体にむらが生じて記
録が安定に行われないものとなる。上述したように底面
端部となる障壁支持部をテーパ状に加工することで気泡
の滞留を防ぐ構成を採ることができるが、発熱体の駆動
条件によっても気泡の滞留を防ぐことができる。このよ
うな駆動条件としては吐出後に可動部材周辺、特に、可
動部材下方の液体の状態を安定とするために可動部材を
わずかに移動させることが挙げられ、このような駆動条
件を吐出を行うための通常の駆動条件と組み合せること
により安定な吐出を行うことができる。
【0131】本発明による吐出方法について、吐出を行
うための通常の駆動条件を駆動条件Aとし、吐出後に可
動部材周辺の液体の状態を安定とするために可動部材を
わずかに移動させる駆動条件を駆動条件Bとして以下に
説明する。
【0132】図13は上記のような各駆動条件を組み合
せた吐出方法を示すフローチャートである。吐出動作を
行う場合には、まず、駆動条件Aによる駆動が行われる
(ステップS701)。これにより、各実施例にて説明
したように可動部材が変位し(ステップS702)、気
泡と外気が連通する状態にて吐出がなされ(ステップS
703)、リフィルが行われる(ステップS704)。
この後、駆動条件Bによる駆動が行われて液体中の不要
な気泡が排出されて(ステップS705)、終了する。
【0133】吐出の際に上記の各ステップを一連の動作
として行うことにより、液体中に気泡が滞留することを
防ぐことができ、良好な記録を行うことができる。
【0134】<液体>先の実施例で説明したように本発
明においては、前述のような可動部材を有する構成によ
って、従来の液体吐出ヘッドよりも高い吐出力や吐出効
率でしかも高速に液体を吐出することができる。本実施
例においては、発熱体から加えられる熱によって劣化せ
ずに、また加熱によって発熱体上に堆積物を生じにく
く、熱によって気化、凝縮の可逆的状態変化を行うこと
が可能であり、さらに液流路や可動部材や分離壁等を劣
化させない液体であれば種々の液体を用いることができ
る。
【0135】このような液体の内、記録を行う上で用い
る液体(記録液体)としては従来のバブルジェット装置
で用いられていた組成のインクを用いることができる。
【0136】本発明においては、記録液体として以下の
ような組成のインクを用いて記録を行ったが、吐出力の
向上によってインクの吐出速度が高くなったため、液滴
の着弾精度が向上し非常に良好な記録画像を得ることが
できた。
【0137】染料インク粘土2cp: (C.I.フードブラック2)染料 3wt% ジエチレングリコール 10wt% チオジギリコール 5wt% エタノール 3wt% 水 77wt% ところで、前述したような従来吐出されにくいとされて
いた液体の場合には、吐出速度が低いために、吐出方向
性のバラツキが助長され記録紙上のドットの着弾精度が
悪く、また吐出不安定による吐出量のバラツキが生じこ
れらのことで、高品位画像が得にくかった。しかし、上
述の実施例の構成においては、気泡の発生を発泡液を用
いることで充分に、しかも安定して行うことができる。
このことで、液滴の着弾精度向上とインク吐出量の安定
化を図ることができ記録画像品位を著しく向上すること
ができた。
【0138】<液体吐出ヘッドカートリッジ>次に、上
記実施形態例に係る液体吐出ヘッドを搭載した液体吐出
ヘッドカートリッジを概略説明する。
【0139】図14は、前述した液体吐出ヘッドを含む
液体吐出ヘッドカートリッジの模式的分解斜視図であ
り、液体吐出ヘッドカートリッジは、主に液体吐出ヘッ
ド部200と液体容器80とから概略構成されている。
【0140】液体吐出ヘッド部200は、基板201、
分離壁230、溝付部材250、押えバネ(不図示)、
液体供給部材290、支持体270等から成っている。
基板201には、前述のように発泡液に熱を与えるため
の発熱抵抗体が、複数個、列状に設けられており、ま
た、この発熱抵抗体を選択的に駆動するための機能素子
が複数設けられている。この基板201と可動壁を持つ
前述の分離壁230との間に液路が形成され液体が流通
する。この分離壁230と溝付天板250との接合によ
って、吐出される液体が流通する流路(不図示)が形成
される。
【0141】押さえバネは、溝付部材250に基板20
1方向への付勢力を作用させる部材であり、この付勢力
により基板201、分離壁230、溝付部材250と、
後述する支持体270とを良好に一体化させている。
【0142】支持体270は、基板201等を支持する
ためのものであり、この支持体270上にはさらに基板
201に接続し電気信号を供給するための回路基板や、
装置側と接続することで装置側と電気信号のやりとりを
行うためのコンタクトパッドが配置されている。
【0143】液体容器290は、液体吐出ヘッドに供給
される、インク等の液体を内部に収容している。液体容
器290の外側には、液体吐出ヘッドと液体容器との接
続を行う接続部材を配置するための位置決め部と接続部
を固定するための固定軸等が設けられている。液体の供
給は、液体容器の液体供給路292,293から接続部
材を介して液体供給部材280の液体供給路281,2
82に供給され、液体供給路283,284を介して共
通液室に供給される。
【0144】なお、この液体容器には、各液体の消費後
に液体を再充填して使用してもよい。このためには液体
容器に液体注入口を設けておくことが望ましい。また、
液体吐出ヘッドと液体容器とは一体であってもよく、分
離可能としてもよい。
【0145】<液体吐出装置>図15は、前述の液体噴
射ヘッドを搭載した液体吐出装置の概略構成を示してい
る。本実施例では特に吐出液体としてインクを用いたイ
ンク吐出記録装置を用いて説明する液体吐出装置のキャ
リッジHCは、インクを収容する液体タンク部90と液
体吐出ヘッド部200とが着脱可能なヘッドカートリッ
ジを搭載しており、被記録媒体搬送手段で搬送される記
録紙等の被記録媒体150の幅方向に往復移動する。
【0146】不図示の駆動信号供給手段からキャリッジ
上の液体吐出手段に駆動信号が供給されると、この信号
に応じて液体吐出ヘッドから被記録媒体に対して記録液
体が吐出される。
【0147】また、本実施例の液体吐出装置において
は、被記録媒体搬送手段とキャリッジを駆動するための
駆動源としてのモータ111、駆動源からの動力をキャ
リッジに伝えるためのギア112、113キャリッジ軸
115等を有している。この記録装置及びこの記録装置
で行う液体吐出方法によって、各種の被記録媒体に対し
て液体を吐出することで良好な画像の記録物を得ること
ができた。
【0148】図16は、本発明の液体吐出方法および液
体吐出ヘッドを適用したインク吐出記録を動作させるた
めの装置全体のブロック図である。
【0149】記録装置は、ホストコンピュータ300よ
り印字情報を制御信号として受ける。印字情報は印字装
置内部の入力インタフェイス301に一時保存されると
同時に、記録装置内で処理可能なデータに変換され、ヘ
ッド駆動信号供給手段を兼ねるCPU302に入力され
る。CPU302はROM303に保存されている制御
プログラムに基づき、前記CPU302に入力されたデ
ータをRAM304等の周辺ユニットを用いて処理し、
印字するデータ(画像データ)に変換する。
【0150】またCPU302は前記画像データを記録
用紙上の適当な位置に記録するために、画像データに同
期して記録用紙および記録ヘッドを移動する駆動用モー
タを駆動するための駆動データを作る。画像データおよ
びモータ駆動データは、各々ヘッドドライバ307と、
モータドライバ305を介し、ヘッド200および駆動
モータ306に伝達され、それぞれ制御されたタイミン
グで駆動され画像を形成する。
【0151】上述のような記録装置に適用でき、インク
等の液体の付与が行われる被記録媒体としては、各種の
紙やOHPシート、コンパクトディスクや装飾板等に用
いられるプラスチック材、布帛、アルミニュウムや銅等
の金属材、牛皮、豚皮、人工皮革等の皮革材、木、合板
等の木材、竹材、タイル等のセラミックス材、スポンジ
等の三次元構造体等を対象とすることができる。
【0152】また上述の記録装置として、各種の紙やO
HPシート等に対して記録を行うプリンタ装置、コンパ
クトディスク等のプラスチック材に記録を行うプラスチ
ック用記録装置、金属板に記録を行う金属用記録装置、
皮革に記録を行う皮革用記録装置、木材に記録を行う木
材用記録装置、セラミックス材に記録を行うセラミック
ス用記録装置、スポンジ等の三次元網状構造体に対して
記録を行う記録装置、又布帛に記録を行う捺染装置等を
も含むものである。
【0153】またこれらの液体吐出装置に用いる吐出液
としては、夫々の被記録媒体や記録条件に合わせた液体
を用いればよい。
【0154】<記録システム>次に、本発明の液体吐出
ヘッドを記録ヘッドとして用い被記録媒体に対して記録
を行う、インクジェット記録システムの一例を説明す
る。
【0155】図17は、前述した本発明の液体吐出ヘッ
ド201を用いたインクジェット記録システムの構成を
説明するための模式図である。本実施例における液体吐
出ヘッドは、被記録媒体150の記録可能幅に対応した
長さに360dpiの間隔で吐出口を複数配したフルラ
イン型のヘッドであり、イエロー(Y),マゼンタ
(M),シアン(C),ブラック(Bk)の4色に対応
した4つのヘッドをホルダ202によりX方向に所定の
間隔を持って互いに平行に固定支持されている。
【0156】これらのヘッドに対してそれぞれ駆動信号
供給手段を構成するヘッドドライバ307から信号が供
給され、この信号に基づいて各ヘッドの駆動が成され
る。
【0157】各ヘッドには、吐出液としてY,M,C,
Bkの4色のインクがそれぞれ204a〜204dのイ
ンク容器から供給されている。なお、符号204eは発
泡液が蓄えられた発泡液容器であり、この容器から各ヘ
ッドに発泡液が供給される構成になっている。
【0158】また、各ヘッドの下方には、内部にスポン
ジ等のインク吸収部材が配されたヘッドキャップ203
a〜203dが設けられており、非記録時に各ヘッドの
吐出口を覆うことでヘッドの保守を成すことができる。
【0159】符号206は、先の各実施例で説明したよ
うな各種、非記録媒体を搬送するための搬送手段を構成
する搬送ベルトである。搬送ベルト206は、各種ロー
ラにより所定の経路に引き回されており、モータドライ
バ305に接続された駆動用ローラにより駆動される。
【0160】本実施例のインクジェット記録システムに
おいては、記録を行う前後に被記録媒体に対して各種の
処理を行う前処理装置251および後処理装置252を
それぞれ被記録媒体搬送経路の上流と下流に設けてい
る。
【0161】前処理と後処理は、記録を行う被記録媒体
の種類やインクの種類に応じて、その処理内容が異なる
が、例えば、金属、プラスチック、セラミックス等の被
記録媒体に対しては、前処理として、紫外線とオゾンの
照射を行い、その表面を活性化することでインクの付着
性の向上を図ることができる。また、プラスチック等の
静電気を生じやすい被記録媒体においては、静電気によ
ってその表面にゴミが付着しやすく、このゴミによって
良好な記録が妨げられる場合がある。このため、前処理
としてイオナイザ装置を用い被記録媒体の静電気を除去
することで、被記録媒体からごみの除去を行うとよい。
また、被記録媒体として布帛を用いる場合には、滲み防
止、先着率の向上等の観点から布帛にアルカリ性物質、
水溶性物質、合成高分子、水溶性金属塩、尿素およびチ
オ尿素から選択される物質を付与する処理を前処理とし
て行えばよい。前処理としては、これらに限らず、被記
録媒体の温度を記録に適切な温度にする処理等であって
もよい。
【0162】一方、後処理は、インクが付与された被記
録媒体に対して熱処理、紫外線照射等によるインクの定
着を促進する定着処理や、前処理で付与し未反応で残っ
た処理剤を洗浄する処理等を行うものである。
【0163】なお、本実施例では、ヘッドとしてフルラ
インヘッドを用いて説明したが、これに限らず、前述し
たような小型のヘッドを被記録媒体の幅方向に搬送して
記録を行う形態のものであってもよい。
【0164】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、1つの
可動部材を用いるという簡単な構成で、可動部材の自由
端へ向う方向へ気泡の成長を集中させることができ、吐
出口に対する気泡の成長分布を一層均一化することがで
きる。したがって、本発明によれば吐出滴自体のばらつ
きが少なく、吐出方向性も均一化される。
【0165】上記のような様々な優れた効果を奏する可
動部材を外気連通式の吐出構造に応用することにより、
通常の外気連通式の吐出構造では避けられない吐出効率
とリフィル効率および吐出安定性を両立することが可能
となり、吐出効率と、リフィル効率と、吐出安定性の少
なくとも1つまたはすべてを向上することができる。さ
らにその記録画像は極めて精度の良いものとなる効果が
ある。
【0166】また、上記各効果に従って、従来ヘッドで
使えなかった高粘度、コゲやすい吐出液の効率良い使用
ができるようになり、高画質画像を得ることができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による液体吐出ヘッドの一実施例の吐出
ノズル部の部分破断斜視図である。
【図2】従来のヘッドにおける気泡からの圧力伝搬を示
す模式図である。
【図3】本発明のヘッドにおける気泡からの圧力伝搬を
示す模式図である。
【図4】(a)〜(d)のそれぞれは本発明の第1の実
施例による吐出動作を連続的に示す断面図である。
【図5】本発明の第2の実施例の要部を示す模式的断面
図である。
【図6】(a)〜(d)のそれぞれは本発明の第3の実
施例による吐出動作を連続的に示す断面図である。
【図7】(a),(b)のそれぞれは本発明の第4の実
施例の模式的断面図である。
【図8】本発明の第5の実施例の構成を示す断面図であ
る。
【図9】(a)〜(e)は本発明による液体吐出ヘッド
の第6の実施例の吐出ノズルの断面図である。
【図10】図9に示した実施例の平面図である。
【図11】本発明の第7の実施例の要部を示す模式的断
面図である。
【図12】(a),(b)のそれぞれは本発明の第8の
実施例を示す断面図である。
【図13】本発明による吐出方法を示すフローチャート
である。
【図14】液体吐出ヘッドカートリッジの分解斜視図で
ある。
【図15】液体吐出装置の概略構成図である。
【図16】装置ブロック図である。
【図17】液体吐出記録システムを示す図である。
【図18】従来の液体吐出ヘッドの液流路構造を説明す
るための図である。
【符号の説明】
H 発熱体 10 液流路 O 吐出口 M,M1,M2 可動部材 40 気泡
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成9年9月10日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0001
【補正方法】変更
【補正内容】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱エネルギーを利
用して形成した気泡を用いる記録方法及び記録装置に関
し、特に、気泡の発生を利用して変位する可動部材を有
する液体吐出ヘッド、液体吐出ヘッドを用いたヘッドカ
ートリッジ、液体吐出装置に関する。記録媒体としての
紙、糸、繊維、布帛、皮革、金属、プラスチック、ガラ
ス、木材、セラミックス等記録を行うプリンター、複写
機、送信システムを有するファクシミリやプリンタ部を
有するワードプロセッサ等の装置、さらには各種処理装
置と複合的に組み合わせた産業用記録装置に適用できる
発明である。
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図6
【補正方法】変更
【補正内容】
【図6】
フロントページの続き (72)発明者 樫野 俊雄 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 吉平 文 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 工藤 清光 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 浅川 佳恵 長野県南安曇群穂高町大字穂高8248−7 (72)発明者 杉山 裕之 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内

Claims (27)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液体の吐出口と対面して配された、液体
    に気泡を生じさせるための熱を発生する発熱面を有する
    基板と、 前記発熱面と前記吐出口との間に介在するように設けら
    れ、前記気泡によって変位する自由端を有する可動部材
    と、を有し、 前記可動部材の前記自由端は、前記吐出口の中心を貫く
    垂線に沿った前記吐出口の投影領域、の界面の近傍また
    は前記界面の外にまで前記気泡によって変位し、前記気
    泡の消泡に伴って初期の位置に戻ることを特徴とする液
    体吐出ヘッド。
  2. 【請求項2】 液体の吐出口と対面して配された液体に
    気泡を生じさせるための熱を発生する発熱面を有する基
    板と、 前記発熱面と前記吐出口との間に介在するように設けら
    れ、前記気泡によって変位する自由端を有し、該自由端
    または変化部が吐出口最小面積域に対向する領域または
    該対向する領域よりも上流側に位置する可動部材と、 前記可動部材の前記自由端が前記気泡によって変位した
    ときに、可動部材の発熱面側となる面と対向し、前記可
    動部材の変位時に可動部材と協動して前記気泡を前記吐
    出口の方へ導くための固定された対向面とによって、気
    泡を規制して吐出口へ導く液体吐出方法。
  3. 【請求項3】 液体の吐出口と対面して配された液体に
    気泡を生じさせるための熱を発生する発熱面を有する基
    板と、 前記発熱面と前記吐出口との間に介在するように設けら
    れ、前記気泡によって変位する自由端を有する可動部材
    と、 前記可動部材の前記自由端が前記気泡によって変位した
    ときに、可動部材の発熱面側となる面と対向し、前記可
    動部材の変位時に可動部材と協動して前記気泡を前記吐
    出口の方へ導くための固定された対向面を有し、 前記吐出口を通って前記吐出口に垂直な垂線に対して前
    記発熱面の中心および前記可動部材の自由端あるいは変
    化部が前記液体の吐出口方向への流れに対して上流側に
    配設されていることを特徴とする液体吐出ヘッド。
  4. 【請求項4】 液体の吐出口と対面して配された液体に
    気泡を生じさせるための熱を発生する発熱面を有する基
    板と、 前記発熱面と前記吐出口との間に介在するように設けら
    れ、前記気泡によって変位する自由端を有する可動部材
    と、 前記可動部材の前記自由端が前記気泡によって変位した
    ときに、可動部材の発熱面側となる面と対向し、前記可
    動部材の変位時に可動部材と協動して前記気泡を前記吐
    出口の方へ導くための固定された対向面を有し、 前記吐出口を通って前記吐出口に垂直な垂線に対して前
    記発熱面の中心および前記可動部材の自由端あるいは変
    化部が前記液体の吐出口方向への流れに対して上流側に
    配設され、 前記可動部材は気泡によって最大変位に達したときにそ
    の自由端が吐出口の基板面への投影領域外に位置するこ
    とを特徴とする液体吐出ヘッド。
  5. 【請求項5】 液体中に形成した気泡を成長させて吐出
    口領域で外気に連通させて液体を吐出する液体吐出方法
    において、 液体の吐出口と対面して配された液体に気泡を生じさせ
    るための熱を発生する発熱面を有する基板と、 前記発熱面と前記吐出口との間に介在するように設けら
    れ、前記気泡によって変位する自由端を有し、該自由端
    または変化部が吐出口最小面積域に対向する領域または
    該対向する領域よりも上流側に位置する可動部材と、 前記可動部材の前記自由端が前記気泡によって変位した
    ときに、可動部材の発熱面側となる面と対向し、前記可
    動部材の変位時に可動部材と協動して前記気泡を前記吐
    出口の方へ導くための固定された対向面とによって、気
    泡を規制して吐出口へ導く液体吐出方法。
  6. 【請求項6】 液体中に形成した気泡を成長させて吐出
    口領域で外気に連通させて液体を吐出する液体吐出ヘッ
    ドにおいて、 液体の吐出口と対面して配された液体に気泡を生じさせ
    るための熱を発生する発熱面を有する基板と、 前記発熱面と前記吐出口との間に介在するように設けら
    れ、前記気泡によって変位する自由端を有する可動部材
    と、 前記可動部材の前記自由端が前記気泡によって変位した
    ときに、可動部材の発熱面側となる面と対向し、前記可
    動部材の変位時に可動部材と協動して前記気泡を前記吐
    出口の方へ導くための固定された対向面を有し、 前記吐出口を通って前記吐出口に垂直な垂線に対して前
    記発熱面の中心および前記可動部材の自由端あるいは変
    化部が前記液体の吐出口方向への流れに対して上流側に
    配設されていることを特徴とする液体吐出ヘッド。
  7. 【請求項7】 請求項3または請求項6に記載の液体吐
    出ヘッドにおいて、 対向面が障壁である液体吐出ヘッド。
  8. 【請求項8】 請求項7記載の液体吐出ヘッドにおい
    て、 障壁の少なくとも一部の面が吐出口方向に向かう流路の
    断面積を小さくするように形成されている液体吐出ヘッ
    ド。
  9. 【請求項9】 液体中に形成した気泡を成長させて吐出
    口領域で外気に連通させて液体を吐出する液体吐出ヘッ
    ドにおいて、 液体の吐出口と対面して配された液体に気泡を生じさせ
    るための熱を発生する発熱面を有する基板と、 前記発熱面と前記吐出口との間に介在するように設けら
    れ、前記気泡によって変位する自由端を有する可動部材
    と、 前記可動部材の前記自由端が前記気泡によって変位した
    ときに、可動部材の発熱面側となる面と対向し、前記可
    動部材の変位時に可動部材と協動して前記気泡を前記吐
    出口の方へ導くための固定された対向面を有し、 前記吐出口を通って前記吐出口に垂直な垂線に対して前
    記発熱面の中心および前記可動部材の自由端あるいは変
    化部が前記液体の吐出口方向への流れに対して上流側に
    配設され、 前記可動部材は気泡によって最大変位に達したときにそ
    の自由端が吐出口の基板面への投影領域外に位置するこ
    とを特徴とする液体吐出ヘッド。
  10. 【請求項10】 液体の吐出口と対面して配された液体
    に気泡を生じさせるための熱を発生する発熱面を有する
    基板と、 前記発熱面と前記吐出口とが直接連通する直接連通領域
    を有するとともに、前記発熱面に対向し、前記発熱面と
    前記吐出口との間に介在するように設けられ、前記気泡
    によって変位する自由端を有する可動部材と、 前記可動部材の前記自由端が前記気泡によって変位した
    ときに、可動部材の発熱面側となる面と対向し、前記可
    動部材の変位時に可動部材と協動して前記気泡を前記吐
    出口の方へ導くための固定された対向面とによって、気
    泡を規制して吐出口へ導くことを特徴とする液体吐出方
    法。
  11. 【請求項11】 液体の吐出口と対面して配された液体
    に気泡を生じさせるための熱を発生する発熱面を有する
    基板と、 前記発熱面と前記吐出口とが直接連通する直接連通領域
    を有するとともに、前記発熱面に対向し、前記発熱面と
    前記吐出口との間に介在するように設けられ、前記気泡
    によって変位する自由端を有し、該自由端が吐出口中心
    域に対向する領域または該対向する領域よりも上流側に
    位置する可動部材と、 前記可動部材の前記自由端が前記気泡によって変位した
    ときに、可動部材の発熱面側となる面と対向し、前記可
    動部材の変位時に可動部材と協動して前記気泡を前記吐
    出口の方へ導くための固定された対向面とによって、気
    泡を規制して吐出口へ導くことを特徴とする液体吐出方
    法。
  12. 【請求項12】 液体中に形成した気泡を成長させて吐
    出口領域で外気に連通させて液体を吐出する液体吐出方
    法において、 液体の吐出口と対面して配された液体に気泡を生じさせ
    るための熱を発生する発熱面を有する基板と、 前記発熱面と前記吐出口とが直接連通する直接連通領域
    を有するとともに、前記発熱面に対向し、前記発熱面と
    前記吐出口との間に介在するように設けられ、前記気泡
    によって変位する自由端を有する可動部材と、 前記可動部材の前記自由端が前記気泡によって変位した
    ときに、可動部材の発熱面側となる面と対向し、前記可
    動部材の変位時に可動部材と協動して前記気泡を前記吐
    出口の方へ導くための固定された対向面とによって、気
    泡を規制して吐出口へ導くことを特徴とする液体吐出方
    法。
  13. 【請求項13】 液体中に形成した気泡を成長させて吐
    出口領域で外気に連通させて液体を吐出する液体吐出方
    法において、 液体の吐出口と対面して配された液体に気泡を生じさせ
    るための熱を発生する発熱面を有する基板と、 前記発熱面と前記吐出口とが直接連通する直接連通領域
    を有するとともに、前記発熱面に対向し、前記発熱面と
    前記吐出口との間に介在するように設けられ、前記気泡
    によって変位する自由端を有し、該自由端が吐出口中心
    域に対向する領域または該対向する領域よりも上流側に
    位置する可動部材と、 前記可動部材の前記自由端が前記気泡によって変位した
    ときに、可動部材の発熱面側となる面と対向し、前記可
    動部材の変位時に可動部材と協動して前記気泡を前記吐
    出口の方へ導くための固定された対向面とによって、気
    泡を規制して吐出口へ導くことを特徴とする液体吐出方
    法。
  14. 【請求項14】 液体の吐出口と対面して配された液体
    に気泡を生じさせるための熱を発生する発熱面を有する
    基板と、 前記発熱面と前記吐出口とが直接連通する直接連通領域
    を有するとともに、 前記発熱面に対向し、前記発熱面と前記吐出口との間に
    介在するように設けられ、前記気泡によって変位する自
    由端を有する可動部材と、 前記直接連通領域を挟んで対向した複数の前記可動部材
    の前記自由端が前記気泡によって変位したときに、可動
    部材は互いに協動して前記気泡を前記吐出口の方へ導く
    ことを特徴とする液体吐出方法。
  15. 【請求項15】 請求項10乃至請求項14のいずれか
    に記載の液体吐出方法において、 直接連通領域の幅は5μmより大きく、吐出口径より小
    さなことを特徴とする液体吐出方法。
  16. 【請求項16】 液体の吐出口と対面して配された液体
    に気泡を生じさせるための熱を発生する発熱面を有する
    基板と、 前記発熱面と前記吐出口とが直接連通する直接連通領域
    と、 前記発熱面に対向し、前記発熱面と前記吐出口との間に
    介在するように設けられ、前記気泡によって変位する自
    由端を有する可動部材と、 前記可動部材の前記自由端が前記気泡によって変位した
    ときに、可動部材の発熱面側となる面と対向し、前記可
    動部材の変位時に可動部材と協動して前記気泡を前記吐
    出口の方へ導くための固定された対向面とを備えること
    を特徴とする液体吐出ヘッド。
  17. 【請求項17】 液体の吐出口と対面して配された液体
    に気泡を生じさせるための熱を発生する発熱面を有する
    基板と、 前記発熱面と前記吐出口とが直接連通する直接連通領域
    と、 前記発熱面に対向し、前記発熱面と前記吐出口との間に
    介在するように設けられ、前記気泡によって変位する自
    由端を有し、該自由端が吐出口中心域に対向する領域ま
    たは該対向する領域よりも上流側に位置する可動部材
    と、 前記可動部材の前記自由端が前記気泡によって変位した
    ときに、可動部材の発熱面側となる面と対向し、前記可
    動部材の変位時に可動部材と協動して前記気泡を前記吐
    出口の方へ導くための固定された対向面とを備えること
    を特徴とする液体吐出ヘッド。
  18. 【請求項18】 液体中に形成した気泡を成長させて吐
    出口領域で外気に連通させて液体を吐出する液体吐出ヘ
    ッドにおいて、 液体の吐出口と対面して配された液体に気泡を生じさせ
    るための熱を発生する発熱面を有する基板と、 前記発熱面と前記吐出口とが直接連通する直接連通領域
    と、 前記発熱面に対向し、前記発熱面と前記吐出口との間に
    介在するように設けられ、前記気泡によって変位する自
    由端を有する可動部材と、 前記可動部材の前記自由端が前記気泡によって変位した
    ときに、可動部材の発熱面側となる面と対向し、前記可
    動部材の変位時に可動部材と協動して前記気泡を前記吐
    出口の方へ導くための固定された対向面とを備えること
    を特徴とする液体吐出ヘッド。
  19. 【請求項19】 液体中に形成した気泡を成長させて吐
    出口領域で外気に連通させて液体を吐出する液体吐出ヘ
    ッドにおいて、 液体の吐出口と対面して配された液体に気泡を生じさせ
    るための熱を発生する発熱面を有する基板と、 前記発熱面と前記吐出口とが直接連通する直接連通領域
    と、 前記発熱面に対向し、前記発熱面と前記吐出口との間に
    介在するように設けられ、前記気泡によって変位する自
    由端を有し、該自由端が吐出口中心域に対向する領域ま
    たは該対向する領域よりも上流側に位置する可動部材
    と、 前記可動部材の前記自由端が前記気泡によって変位した
    ときに、可動部材の発熱面側となる面と対向し、前記可
    動部材の変位時に可動部材と協動して前記気泡を前記吐
    出口の方へ導くための固定された対向面とを備えること
    を特徴とする液体吐出ヘッド。
  20. 【請求項20】 液体の吐出口と対面して配された液体
    に気泡を生じさせるための熱を発生する発熱面を有する
    基板と、 前記発熱面と前記吐出口とが直接連通する直接連通領域
    と、 前記発熱面に対向し、前記発熱面と前記吐出口との間に
    介在するように複数設けられ、前記気泡によって変位す
    る自由端を備え、各自由端が前記気泡によって変位した
    ときに、互いに協動して前記気泡を前記吐出口の方へ導
    く可動部材を有することを特徴とする液体吐出ヘッド。
  21. 【請求項21】 請求項16乃至請求項20のいずれか
    に記載の液体吐出ヘッドにおいて、 直接連通領域の幅は5μmより大きく、吐出口径より小
    さなことを特徴とする液体吐出ヘッド。
  22. 【請求項22】 請求項5、12または13のいずれか
    に記載の液体吐出方法において、 気泡が外気と連通した後の液体中の気泡を外気へ排出す
    るために、吐出が行われない程度の気泡を発生させて可
    動部材を変位させることを特徴とする液体吐出方法。
  23. 【請求項23】 請求項3、4、6乃至9、16乃至2
    0のいずれかに記載の液体吐出ヘッドと、該液体吐出ヘ
    ッドに供給される液体を保持する液体容器とを有するヘ
    ッドカートリッジ。
  24. 【請求項24】 請求項3、4、6乃至9、16乃至2
    0のいずれかに記載の液体吐出ヘッドと、該液体吐出ヘ
    ッドから液体を吐出させるための駆動信号を供給する駆
    動信号供給手段と、を有する記録装置。
  25. 【請求項25】 請求項3、4、6乃至9、16乃至2
    0のいずれかに記載の液体吐出ヘッドと、該液体吐出ヘ
    ッドから吐出された液体を受ける被記録媒体を搬送する
    被記録媒体搬送手段と、を有する記録装置。媒体搬送手
    段と、を有する記録装置。
  26. 【請求項26】 液体の吐出口と対面して配された液体
    に気泡を生じさせるための熱を発生する有効発泡領域に
    対して前記吐出口が直接連通する直接連通領域、及び、
    前記有効発泡領域と前記吐出口との間に、前記気泡によ
    って変位する可動部材の自由端が前記吐出口の最小内径
    内に対向する介在領域を隣接して有し、前記可動部材の
    変位とともに前記気泡を規制して吐出口へ導き、液体の
    吐出を行う液体吐出方法であって、 上記直接連通する領域に対向する上記有効発泡領域の長
    さが5μm以上、もしくは、上記直接連通する領域の上
    記有効発泡領域に沿う長さが5μm以上として吐出を行
    うことを特徴とする液体吐出方法。
  27. 【請求項27】 液体の吐出口と対面して配された液体
    に気泡を生じさせるための熱を発生する有効発泡領域に
    対して前記吐出口が直接連通する直接連通領域、及び、
    前記有効発泡領域と前記吐出口との間に、前記気泡によ
    って変位する可動部材の自由端が前記吐出口の最小内径
    内に対向する介在領域を隣接して有し、前記可動部材の
    変位とともに前記気泡を規制して吐出口へ導き、液体の
    吐出を行う液体吐出方法であって、 有効発泡領域と吐出口中央部が直接対向する条件下で吐
    出を行うことを特徴とする液体吐出方法。
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