JPH11235828A - 液体吐出ヘッド、液体吐出方法、ヘッドカートリッジおよび液体吐出装置 - Google Patents

液体吐出ヘッド、液体吐出方法、ヘッドカートリッジおよび液体吐出装置

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JPH11235828A
JPH11235828A JP34756698A JP34756698A JPH11235828A JP H11235828 A JPH11235828 A JP H11235828A JP 34756698 A JP34756698 A JP 34756698A JP 34756698 A JP34756698 A JP 34756698A JP H11235828 A JPH11235828 A JP H11235828A
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flow path
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JP34756698A
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English (en)
Inventor
Hiroyuki Ishinaga
博之 石永
Yoichi Tanetani
陽一 種谷
Hiroyuki Sugiyama
裕之 杉山
Masami Ikeda
雅実 池田
Masahiko Ogawa
正彦 小川
Ichiro Saito
一郎 斉藤
Tomoyuki Hiroki
知之 廣木
Yoshiyuki Imanaka
良行 今仲
Masahiko Kubota
雅彦 久保田
Teruo Ozaki
照夫 尾崎
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Original Assignee
Canon Inc
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J2/00Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed
    • B41J2/005Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed characterised by bringing liquid or particles selectively into contact with a printing material
    • B41J2/01Ink jet
    • B41J2/135Nozzles
    • B41J2/14Structure thereof only for on-demand ink jet heads
    • B41J2/14016Structure of bubble jet print heads
    • B41J2/14032Structure of the pressure chamber
    • B41J2/14048Movable member in the chamber

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  • Ink Jet (AREA)
  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 液体を吐出させるための気泡の発生に基づく
圧力を効率的に吐出口方向に導くための可動部材を有す
る液体吐出ヘッドにおいて、可動部材の変位を補助する
ことで、より吐出効率を安定化または向上させる。 【解決手段】 素子基板1には、吐出口5が開口したオ
リフィスプレート部4と、流路側壁9とが一体に設けら
れ、この上に天板3が接合されて液流路7が構成され
る。液流路7の底壁には液体に気泡を発生させる発熱体
2が設けられ、この発熱体2に対面して、先端が自由端
となる可動部材6が設けられる。液流路7の発熱体2が
設けられた面は、オリフィスプレート部4の内面および
流路側壁9の側面に対してそれぞれ曲面1a,1bでな
だらかに繋がっている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱エネルギーを液
体に作用させることで起こる気泡の発生によって液体を
吐出する液体吐出ヘッド、液体吐出ヘッドを用いたヘッ
ドカートリッジおよび液体吐出装置に関する。また、本
発明は、可動部材の変位と気泡成長を伴う新たな液体吐
出方法及びこれを実行するための液体吐出ヘッド、ヘッ
ドカートリッジおよび液体吐出装置に関する。
【0002】本発明は、紙、糸、繊維、布帛、皮革、金
属、プラスチック、ガラス、木材、セラミックス等の被
記録媒体に対し記録を行う、プリンタ、複写機、通信シ
ステムを有するファクシミリ、プリンタ部を有するワー
ドプロセッサ等の装置、さらには各種処理装置と複合的
に組み合わせた産業用記録装置に適用できる発明であ
る。ここで、本発明における「記録」とは、文字や図形
等の意味を持つ画像を被記録媒体に対して付与すること
だけでなく、パターン等の意味を持たない画像を付与す
ることをも意味するものである。
【0003】
【従来の技術】熱等のエネルギーをインクに与えること
で、インクに急峻な体積変化(気泡の発生)を伴う状態
変化を生じさせ、この状態変化に基づく作用力によって
吐出口からインクを吐出し、これを被記録媒体上に付着
させて画像形成を行なうインクジェット記録方法、いわ
ゆるバブルジェット記録方法が従来知られている。この
バブルジェット記録方法を用いる記録装置には、米国特
許第4,723,129号明細書等の公報に開示されてい
るように、インクを吐出するための吐出口と、この吐出
口に連通するインク流路と、インク流路内に配されたイ
ンクを吐出するためのエネルギー発生手段としての電気
熱変換体が配されている。
【0004】この様な記録方法によれば、品位の高い画
像を高速、低騒音で記録することができるとともに、こ
の記録方法を行うヘッドではインクを吐出するための吐
出口を高密度に配置することができるため、小型の装置
で高解像度の記録画像、さらにカラー画像をも容易に得
ることができるという多くの優れた点を有している。こ
のため、このバブルジェット記録方法は、近年、プリン
タ、複写機、ファクシミリ等の多くのオフィス機器に利
用されており、さらに、捺染装置等の産業用システムに
まで利用されるようになってきている。
【0005】このようにバブルジェット技術が多方面の
製品に利用されるに従って、次のような様々な要求が近
年さらにたかまっている。例えば、エネルギー効率の向
上の要求に対する検討としては、保護膜の厚さを調整す
るといった発熱体の最適化が挙げられている。この手法
は、発生した熱の液体への伝搬効率を向上させる点で効
果がある。また、高画質な画像を得るために、インクの
吐出スピードが速く、安定した気泡発生に基づく良好な
インク吐出を行える液体吐出方法等を与えるための駆動
条件が提案されたり、また、高速記録の観点から、吐出
された液体の液流路内への充填(リフィル)速度の速い
液体吐出ヘッドを得るために、流路形状を改良したもの
も提案されている。
【0006】この流路形状の内、特開昭63−1999
72号公報等に記載されている流路構造やヘッド製造方
法は、気泡の発生に伴って発生するバック波(吐出口へ
向かう方向とは逆の方向へ向かう圧力、即ち、液室へ向
かう圧力)に着目した発明である。このバック波は、吐
出方向へ向かうエネルギーでないため損失エネルギーと
して知られている。特開昭63−199972号公報に
開示されているヘッドは、発熱素子が形成する気泡の発
泡領域よりも離れ、かつ、発熱素子に関して吐出口とは
反対側に位置する弁を有する。この弁は、板材等を利用
する製造方法によって流路の天井に貼り付いたように初
期位置を持ち、気泡の発生に伴って流路内に垂れ下が
る。この発明は、上述したバック波の一部を弁によって
制御することでエネルギー損失を制御するものとして開
示されている。
【0007】しかしながら、この構成において、吐出す
べき液体を保持する流路内部に気泡が発生した前後の流
路内の挙動を検討するとわかるように、弁によるバック
波の一部を抑制することは、液体の吐出にとって必ずし
も実用的なものでないことがわかる。もともとバック波
自体は、液体の吐出に直接的には関係しないものであ
る。従って、バック波のうちの一部を抑制したからとい
って、液体の吐出に大きな影響を与えることはない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、気泡(特に
膜沸騰に伴う気泡)を液流路中に形成して液体を吐出す
る方式における根本的な吐出特性を、従来では考えられ
なかった観点から、従来では予想できない水準にまで高
めることを主たる目的とする。
【0009】本発明者達の一部は、先に液滴吐出の原理
に立ち返り、従来では得られなかった気泡を利用した新
規な液滴吐出方法及びそれに用いられるヘッド等を提供
すべく鋭意研究を行った。そして、流路中の可動部材の
機構の原理を解析するといった液流路中の可動部材の動
作を起点とする第1技術解析、及び気泡による液滴吐出
原理を起点とする第2技術解析、さらには、気泡形成用
の発熱体の気泡形成領域を起点とする第3解析を行っ
た。
【0010】これらの解析により、可動部材を発熱体も
しくは気泡発生領域に面して配することで、積極的に気
泡を制御する全く新規な技術を確立するに至った。この
発明の他の特徴は、気泡自体が吐出量に与えるエネルギ
ーを考慮すると、気泡の下流側の成長成分を利用するこ
とが吐出特性を格段に向上できる要因として最大である
との知見に基づき、気泡の下流側の成長成分を吐出方向
へ効率よく変換させることにある。これにより、吐出効
率、吐出速度の向上をもたらすことができるものであ
る。
【0011】本発明は、前述した画期的な吐出原理を一
層優れたものにすることができる新たな吐出方法及び吐
出原理を提供するものである。すなわち、本発明は、可
動部材の自由端の変位と気泡発生領域から得られる気泡
の成長との関係に着目し、吐出効率の一層の向上を可能
ならしめる原理を追求したものである。
【0012】さらに本発明者達が認識した点は、上述し
た吐出原理をより有効に活用し、より高い吐出効率及び
吐出力を達成するには、気泡の成長に伴う液体の流れを
効率よく制御し可動部材の変位をより無駄なく行うため
に、液流路の構造が大きく寄与しているという点であ
る。
【0013】本発明の主たる目的は、先に述べた画期的
な吐出原理に対して、可動部材の変位を補助すること
で、より吐出効率を安定化または向上できる液体吐出ヘ
ッド、液体吐出方法、ヘッドカートリッジおよび液体吐
出装置を提供することである。また、本発明の他の目的
は、以下の説明から理解できよう。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明の液体吐出ヘッド
は、液体を吐出する吐出口と、液体に気泡を発生させる
気泡発生手段が設けられ前記吐出口と連通した液流路
と、前記液流路内で前記気泡発生手段に面して配され前
記吐出口に向かう下流側が自由端となる可動部材とを有
し、前記液流路を構成する面のうち前記気泡発生手段が
設けられた面が、前記液流路の側壁面または前記吐出口
が開口した前端面の少なくとも一方の面と曲面によって
連続となっているものである。
【0015】また、本発明の液体吐出方法は、液体を吐
出する吐出口と、液体に気泡を発生させる気泡発生手段
が設けられ前記吐出口と連通した液流路と、前記液流路
内で前記気泡発生手段に面して配され前記吐出口に向か
う下流側が自由端となる可動部材とを有し、前記液流路
を構成する面のうち前記気泡発生手段が設けられた面
が、前記液流路の側壁面または前記吐出口が開口した前
端面の少なくとも一方の面と曲面によって連続となって
いる液体吐出ヘッドを用い、前記気泡の発生に基づいて
前記可動部材の自由端を変位させて前記圧力を前記吐出
口に導くことで液体を吐出させる液体吐出方法であっ
て、前記気泡の発生に基づいて前記可動部材を変位させ
る際に、前記気泡の成長に伴って、液体が前記曲面に沿
って前記可動部材と前記液流路との間に流れる工程を有
する。
【0016】本発明では、液流路を構成する面のうち、
気泡発生手段が設けられた面が液流路の側壁面または吐
出口が開口した面の少なくとも一方の面と曲面によって
連続となっている。気泡の発生に基づく圧力によって、
液体は、上記曲面に沿って可動部材と液流路との間に流
れ込む。その結果、この液体の流れによって可動部材が
支持されることになり、可動部材の変位動作および気泡
の成長が安定して行われるので、吐出特性を向上させる
ことができるとともに、可動部材自身の耐久性を向上さ
せることができる。
【0017】一方、気泡の収縮過程においては、上記曲
面によって、気泡発生手段の周囲にうず流が生じる。こ
のうず流は、気泡を気泡発生手段から離脱させる作用を
生じさせ、これによって気泡が消泡する際に発生するキ
ャビテーションによる衝撃が気泡発生手段に直接与えら
れるのが防止される。これにより、気泡発生手段の寿命
を向上させることができる。
【0018】上述した液体の流れをより効果的に発生さ
せるには、上記液流路の幅を可動部材の変位が大きくな
る方向にいくにしたがって広くしたり、上記曲面を気泡
発生手段が設けられた面に対して凹曲面となる様に構成
するのが好ましい。この凹曲面の曲率半径としては、2
μm〜20μmの範囲内であることが好ましい。
【0019】さらに、本発明は、上述の液体吐出ヘッド
を備えるヘッドカートリッジ、及び液体吐出装置を提供
するものである。
【0020】なお、本発明の説明で用いる「上流」、
「下流」とは、液体の供給源から気泡発生領域(または
可動部材)を経て、吐出口へ向かう液体の流れ方向に関
しての表現として表わされている。また、気泡自体に関
する「下流側」とは、主として液滴の吐出に直接作用す
るとされる気泡の吐出口側部分を代表する。より具体的
には、気泡の中心に対して、上記流れ方向に関する下流
側、または発熱体の面積中心より下流側の領域で発生す
る気泡を意味する。
【0021】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施形態につい
て、図面を参照して説明する。 (第1の実施形態)図1は、本発明の第1の実施形態で
ある液体吐出ヘッドを示す図であり、同図(a)はその
液流路方向に沿った断面図、同図(b)は液流路の横断
面図である。
【0022】本実施形態の液体吐出ヘッドは、液体に気
泡を発生させるための熱エネルギーを与える複数個の発
熱体2が並列に設けられた素子基板1と、この素子基板
1上に接合された天板3と、素子基板1と天板3とで構
成される液流路7内に設置される可動部材6とを有す
る。
【0023】素子基板1は、互いに間隔をおいて並列に
設けられた複数の流路側壁9によって一部が仕切られた
複数の溝を有する部材であり、素子基板1と天板3とが
接合されることによって、これら溝の部分が液流路7を
構成する。素子基板1の前端部(図1(a)の左端部)
には、各溝に対応する位置にそれぞれ吐出口5が形成さ
れたオリフィスプレート部4が設けられている。流路側
壁9の後方部(図1(a)の流路側壁9よりも右側部)
は、素子基板1と天板3とが接合されることによって、
各液流路7に液体を供給するための共通液室8を構成
し、各吐出口5はそれぞれ液流路7を介して共通液室8
と連通している。なお、素子基板1はシリコン基板から
なり、後述するように、このシリコン基板に対する成膜
処理により流路側壁9およびオリフィスプレート部4が
素子基板1と一体に形成される。
【0024】発熱体2は、各流路側壁9の間の液流路7
の底壁となる部分に配置される。各流路側壁9の間で
は、素子基板1上に絶縁および蓄熱を目的としたシリコ
ン酸化膜または窒化シリコン膜が形成され、その上に、
発熱体2を構成する電気抵抗層および配線がパターニン
グされている。この配線を介して電気抵抗層に電圧を印
加し、電気抵抗層に電流を流すことで発熱体2が発熱す
る。
【0025】また、液流路7の発熱体2が設けられた面
は、オリフィスプレート部4の内面および流路側壁9の
側面に対して、それぞれ一定の曲率半径(5μm)を持
つ曲面1a,1bで、なだらかに繋がっている。
【0026】天板3は、素子基板1とともに液流路7お
よび共通液室8を構成するために素子基板1上に接合さ
れ、共通液室8となる部分に凹部が形成されている。天
板3も、素子基板1と同様にシリコン系の材料からな
り、共通液室8を構成する凹部は、エッチング等により
形成される。
【0027】可動部材6は、液流路7を、吐出口5に連
通した第1の液流路7aと、発熱体2を有する第2の液
流路7bとに分けるように、発熱体2に対面して片持梁
状に配置された、窒化シリコンや酸化シリコン等のシリ
コン系の材料で形成された薄膜である。
【0028】この可動部材6は、後述する液体の吐出動
作によって共通液室8から可動部材6を経て吐出口5側
へ流れる大きな流れの上流側に支点6aを持ち、この支
点6aに対して下流側に自由端6bを持つように、発熱
体2に面した位置に発熱体2を覆うような状態で発熱体
2から所定の距離を隔てて配されている。これにより、
可動部材6は、図1(a)に破線で示したように自由端
側が上方に向けて変位可能になっている。この発熱体2
と可動部材6との間が気泡発生領域10となる。
【0029】上述したように、流路側壁9およびオリフ
ィスプレート部4を含む素子基板1や可動部材6はシリ
コン系の材料で構成されるので、これらは半導体ウェハ
プロセス技術を用いて作製することができる。詳細は後
述する。
【0030】次に、図1に示した液体吐出ヘッドによる
吐出動作について、図2および図3を参照して詳しく説
明する。図2は図1に示した液体吐出ヘッドの吐出動作
を説明するための液流路に沿った断面図、図3は図1に
示した液体吐出ヘッドの吐出動作を説明するための液流
路の横断面図である。図3の(a)〜(d)の各過程
は、それぞれ図2の(a)〜(d)に対応している。
【0031】図2(a)および図3(a)は、発熱体2
に電気エネルギーが印加される前の状態であり、発熱体
2が熱を発生する前の状態である。この状態では、共通
液室8に供給された液体は、毛管現象により液流路7に
進入し、吐出口5でメニスカスMを形成して液流路7を
満たした状態を保っている。ここで重要なことは、可動
部材6が、発熱体2の発熱によって発生した気泡に対
し、この気泡の少なくとも下流側部分に対面する位置に
設けられていることである。つまり、気泡の下流側が可
動部材6に作用するように、液流路構造上では少なくと
も発熱体2の面積中心より下流(発熱体2の面積中心を
通って液流路7の長さ方向に直交する線より下流)の位
置まで可動部材6が配されている。
【0032】図2(a)および図3(b)は、発熱体2
に電気エネルギーが印加されて発熱体2が発熱し、発生
した熱によって気泡発生領域10内を満たす液体の一部
を加熱し、膜沸騰に伴う気泡15を発生させた状態であ
る。
【0033】このとき可動部材6は、気泡15の発生に
基づく圧力により、気泡15と可動部材6との間に液体
が介在されたまま、気泡15の圧力の伝搬方向を吐出口
方向に導くように変位する。また、気泡15の発生に伴
い、気泡発生領域10に存在していた液体の流れA,B
が生じる。
【0034】これらの流れA,Bのうち、流路側壁9へ
向かう流れAにおいては、素子基板1の発熱体2が設け
られた面と流路側壁9の側面とをつなぐ曲面1aに沿っ
て、可動部材6と流路側壁9との間に流れ込む。この流
れ込んだ液体により可動部材6の側方が流路側壁9に対
して支持(サポート)されることになり、可動部材6の
変位時に、可動部材6の流路側壁9方向への「ぶれ」が
規制されるので、可動部材6の変位がスムーズに行われ
る。さらに、流れAが生じることによって、可動部材6
と流路側壁9とが極めて近接した構造のヘッドにおいて
も、可動部材6と流路側壁9とが接することはなくな
る。
【0035】一方、素子基板1の発熱体2が設けられた
面とオリフィスプレート部4の内面とをつなぐ曲面1b
は、可動部材6の前端とオリフィスプレート部4の内面
との間を通って気泡発生領域10から下流へ向かう流れ
Bを吐出口5の方向にスムーズに向かわせる。また、こ
れら流れA,Bは曲面1a,1bに沿ってスムーズに流
れるので、気泡15の成長が安定して行われる。
【0036】図2(c)および図3(c)は、気泡15
がさらに成長した状態であるが、気泡15の発生に伴う
圧力は可動部材6に優先的に作用し、可動部材6は支点
6aを中心に吐出口5側に大きく開くように変位する。
可動部材6の変位もしくは変移した状態によって、気泡
15の発生に基づく圧力の伝搬や気泡自身の成長が吐出
口5側に導かれ、吐出口5から液体が吐出する。
【0037】つまり、気泡発生領域10上に、液流路7
内の液体の流れの上流側に支点6aを持ち下流側に自由
端6bを持つ可動部材6を設けることによって、気泡1
5の圧力伝搬方向が下流側へ導かれ、気泡15の圧力が
直接的に効率よく吐出に寄与することになる。そして、
気泡15の成長方向自体も圧力伝搬方向と同様に下流方
向に導かれ、上流より下流で大きく成長する。このよう
に、気泡15の成長方向自体を可動部材6によって制御
し、気泡15の圧力伝搬方向を制御することで、吐出効
率や吐出力または吐出速度等の根本的な吐出特性を向上
させることができる。
【0038】しかも、上述したように、気泡発生領域1
0からの液体の流れAによって可動部材6の変位がスム
ーズに行われるので、可動部材6は気泡15や発泡圧を
吐出口方向へ導く際もこの伝達の妨げになることは殆ど
ない。その結果、伝搬する圧力の大きさに応じて効率よ
く圧力の伝搬や気泡15の成長方向を制御することがで
き、吐出の安定性や吐出効率が向上することになる。一
方、可動部材6の変位がスムーズに行われ、「ぶれ」が
少なくなる結果、可動部材6自身の耐久性も向上する。
【0039】また、気泡発生領域10からの液体の流れ
Bがスムーズに吐出口5に向かうことも、吐出の安定性
を向上させることになる。さらには、気泡15の成長に
応じて可動部材6が徐々に変位していくことで、気泡1
5の圧力伝搬方向や体積移動しやすい方向、すなわち自
由端6b側への気泡15の成長方向を吐出口5に均一に
向かわせることができ、このことも吐出効率を高めると
考えられる。
【0040】図2(d)および図3(d)は、気泡15
が、前述した膜沸騰の後、気泡内部圧力の減少によって
収縮し、消滅する状態を示している。
【0041】変位していた可動部材6は、気泡15の収
縮による負圧と可動部材6自身のばね性による復元力に
よって、初期位置に復帰する。また、消泡時には、気泡
発生領域10での気泡15の収縮体積を補うため、ま
た、吐出された液体の体積分を補うために、上流側から
液体が流れ込み、液流路7内への液体の補充(リフィ
ル)が行われる。
【0042】また、気泡15が収縮する際、上述した曲
面1a,1bによって、発熱体2の周囲には流れC,D
のようなうず流が生じ、これが気泡15を発熱体2から
離脱させる作用を生じさせる。その結果、気泡15が消
泡する際に発生するキャビテーションによる大きな衝撃
が発熱体2に直接与えられることはなくなり、発熱体2
の寿命が向上する。さらに、曲面1a,1bによる連続
面構造によって、従来の液体吐出ヘッドにおいて液流路
の隅部で生じていた気泡の残留等は少なくなり、また多
少の気泡残留があったとしても、リフィル時の液体の流
れによって容易に排出することができる。このため、連
続発泡の際の気泡発生の均一性が図られ、安定した液体
の吐出が可能となる。
【0043】ここで、本実施形態での液体のリフィルを
含む液供給メカニズムを更に詳しく説明する。図2
(c)および図3(c)に示した動作の後、気泡15が
最大体積の状態を経て消泡過程に入ったときは、消泡し
た体積を補う体積の液体が気泡発生領域10に、第1の
液流路7aの吐出口5側と第2の液流路7bの共通液室
8側から流れ込む。可動部材6を持たない液流路構造に
おいては、消泡位置に吐出口5側から流れ込む液体の量
と共通液室8側から流れ込む液体の量は、気泡発生領域
10より吐出口5に近い部分と共通液室8に近い部分と
の流抵抗の大きさに起因する(流路抵抗と液体の慣性に
基づくものである)。
【0044】このため、吐出口5に近い側の流抵抗が小
さい場合には、多くの液体が吐出口5側から消泡位置に
流れ込み、メニスカスMの後退量が大きくなることにな
る。特に、吐出口5に近い側の流抵抗を小さくして吐出
効率を高めようとするほど、消泡時のメニスカスMの後
退量が大きくなり、リフィル時間が長くなって高速印字
を妨げることとなっていた。
【0045】これに対して本実施形態では可動部材6を
設けたため、気泡15の体積Wを可動部材6の初期位置
を境に上側をW1、気泡発生領域10側をW2とした場
合、消泡時に可動部材6が初期位置に戻った時点でメニ
スカスMの後退は止まり、その後残ったW2の体積分の
液体供給は主に第2の液流路7bの流れからの液供給に
よってなされる。これにより、従来、気泡15の体積W
の半分程度に対応した量がメニスカス後退量になってい
たのに対し、それより少ないW1の半分程度のメニスカ
ス後退量に抑えることが可能になった。
【0046】さらに、W2の体積分の液体供給は消泡時
の圧力を利用して可動部材6の発熱体2側の面に沿っ
て、主に第2の液流路7bの上流側から強制的に行うこ
とができるため、より速いリフィルを実現できた。
【0047】ここで特徴的なことは、可動部材6を設け
ていないヘッドで消泡時の圧力を用いたリフィルを行っ
た場合、メニスカスMの振動が大きくなってしまい画像
品位の劣化につながっていたが、本実施形態の高速リフ
ィルにおいては可動部材6によって吐出口5側の第1の
液流路7aの領域と、気泡発生領域10との吐出口5側
での液体の流通が抑制されるため、メニスカスMの振動
を極めて少なくすることができるということである。
【0048】このように本実施形態は、第2の液流路7
bからの気泡発生領域10への強制リフィルと、上述し
たメニスカス後退や振動の抑制によって高速リフィルを
達成することで、吐出の安定や高速繰り返し吐出、また
記録の分野に用いた場合、画質の向上や高速記録を実現
することができる。
【0049】本発明の構成においては、さらに次のよう
な有効な機能を兼ね備えている。それは、気泡の発生に
よる圧力の上流側への伝搬(バック波)を抑制すること
である。発熱体2上で発生した気泡のうち、共通液室8
側(上流側)の気泡による圧力は、その多くが、上流側
に向かって液体を押し戻す力(バック波)になってい
た。このバック波は、上流側の圧力と、それによる液体
移動、そして液移動に伴う慣性力を引き起こし、これら
は液体の液流路7内へのリフィルを低下させ高速駆動の
妨げにもなっていた。本発明においては、まず可動部材
31によって上流側へのこれらの作用を抑えることでも
リフィル供給性の向上をさらに図っている。
【0050】以上、主に液体の吐出動作およびリフィル
動作の点から本実施形態について説明してきたが、上述
した曲面1a,1bは、素子基板1と流路側壁9、およ
び素子基板1とオリフィスプレート部4との境界部に加
わる応力を分散させるという作用もある。その結果、流
路側壁9およびオリフィスプレート部4の強度が向上
し、液体吐出ヘッドの製造時や使用時の耐久性が向上す
る。
【0051】(第2の実施形態)図4は、本発明の第2
の実施形態である液体吐出ヘッドの図であり、同図
(a)はその流路方向に沿った断面図、同図(b)は液
流路の横断面図を示す。
【0052】本実施形態の液体吐出ヘッドも、素子基板
21と、天板23と、可動部材26とを有するものであ
るが、流路側壁29の形状を、厚みが高さ方向に先細り
となるテーパ形状とし、これにより、液流路27の幅
が、可動部材26の変位が大きくなる方向にいくにした
がって広くなっている点が、第1の実施形態の液体吐出
ヘッドと異なっている。その他、吐出口25が形成され
るオリフィスプレート部24および流路側壁29がシリ
コン基板への成膜処理により素子基板21と一体に形成
されている点や、素子基板21に複数の発熱体22が設
けられている点や、素子基板21の発熱体22が設けら
れている面がオリフィスプレート部24の内面および流
路側壁29の側面と曲面21a,21bによってなだら
かにつながっている点などは第1の実施形態と同様であ
るので、その説明は省略する。
【0053】図5に示すように、発熱体2の発熱によ
り、気泡発生領域30内に膜沸騰に伴う気泡35が発生
すると、第1の実施形態と同様に、可動部材26が変位
するとともに、気泡発生領域30に存在していた液体の
流れE,Fが生じる。ここで、流路側壁29は上述した
ようなテーパ形状となり液流路27の幅が可動部材26
の変位が大きくなる方向にいくにしたがって広くなって
いるので、気泡発生領域30に存在していた液体は、第
1の実施形態に比べて可動部材26の側方に流れ込み易
くなる。その結果、可動部材26の側方に流れ込んだ液
体による可動部材26の支持がより強力になり、可動部
材26の変位時の「ぶれ」がより規制されるので、吐出
安定性および可動部材26の耐久性がさらに向上する。
【0054】(第3の実施形態)図6は、本発明の第3
の実施形態である液体吐出ヘッドの図であり、同図
(a)はその液流路方向に沿った断面図、同図(b)は
液流路の横断面図を示す。
【0055】本実施形態の液体吐出ヘッドも、第2の実
施形態と同様に、複数の発熱体42が設けられ、吐出口
45が形成されるオリフィスプレート部44およびテー
パ形状の流路側壁49が一体に形成された素子基板41
と、素子基板41に接合されて液流路47を構成する天
板43と、液流路47内に配される可動部材46とを有
する。
【0056】本実施形態の液体吐出ヘッドと第2の実施
形態の液体吐出ヘッドとが異なる点は、素子基板41の
発熱体42が設けられた面とオリフィスプレート部44
の内面とをつなぐ曲面41bの形状、および同じく発熱
体42が設けられた面と流路側壁49の側面とをつなぐ
曲面41aの形状である。すなわち、これら曲面41
a,41bは発熱体42が設けられた面に対して凹曲面
を構成しており、発熱体42の周囲のオリフィスプレー
ト部44および流路側壁49と隣接する部分は凹形状に
窪んだ形状となっている。その他の構成は第2の実施形
態と同様であるので、その説明は省略する。
【0057】次に、本実施形態の液体吐出ヘッドによる
吐出動作について、図7および図8を参照して説明す
る。図7は図6に示した液体吐出ヘッドの吐出動作を説
明するための液流路に沿った断面図、図8は図6に示し
た液体吐出ヘッドの吐出動作を説明するための液流路の
横断面図であり、図8の(a)〜(d)の各過程は、そ
れぞれ図7の(a)〜(d)に対応している。
【0058】図7(a)および図8(a)は、発熱体4
2が発熱する前の状態であり、この状態では、液流路4
7内に進入した液体は、吐出口45でメニスカスMを形
成して液流路47を満たした状態を保っている。
【0059】発熱体42を発熱させると、図7(b)お
よび図8(b)に示すように、発生した熱によって発熱
体42上には膜沸騰に伴う気泡55が発生し、この気泡
55の発生に基づく圧力により可動部材46が変位す
る。このとき、気泡発生領域50に存在していた液体
の、流路側壁49へ向かう流れG、およびオリフィスプ
レート部44へ向かう流れHが生じる。これらの流れ
G,Hは、発熱体42の周囲の曲面41a,41bに沿
って流れるが、上述したように、各曲面41a,41b
はそれぞれ発熱体42が設けられた面に対して凹形状に
窪んでいるので、気泡発生領域50に存在していた液体
は、第2の実施形態に比べて、より流路側壁49および
オリフィスプレート部44に向けて流れ易くなる。その
結果、流れGによって可動部材46の「ぶれ」がより抑
制され可動部材46はよりスムーズに変位することにな
り、また、流れHによって吐出の安定性が向上する。
【0060】そして、図7(c)および図8(c)に示
すように、気泡55がさらに成長すると、可動部材46
は吐出口45側に大きく開くように変位し、気泡55の
発生に基づく圧力の伝搬や気泡自身の成長が吐出口45
側に導かれ、吐出口45から液体が吐出される。
【0061】図7(d)および図8(d)に示すように
気泡55が消泡工程に入ると、各曲面41a,41bに
よって、流れI,Jのようなうず流が生じるが、上述し
たように、各曲面41a,41bはそれぞれ発熱体42
が設けられた面に対して凹形状に窪んでいるので、第1
の実施形態や第2の実施形態に比べてうず流は大きくな
る。その結果、気泡55を発熱体42から離脱させる作
用が促進され、発熱体42の寿命をより向上させること
ができる。
【0062】(液体吐出ヘッドの製造方法)次に、本実
施形態の液体吐出ヘッドの製造方法について説明する。
図9〜図11は、これまでに説明した液体吐出ヘッドの
製造方法について説明するための工程図である。図9〜
図11に示される図(a)〜図(h)が、液流路が延び
る方向に対して垂直な方向の断面図であり、図(i)、
(j)が同方向の正面図であり、図9〜図11に示され
る図(a’)〜図(j’)が、液流路方向に沿った断面
図である。本実施形態の液体吐出ヘッドは、図9〜図1
1に示される図(a)および図(a’)から、図9〜図
11に示される図(j)および図(j’)の工程を経て
製造される。
【0063】まず、図9の(a)および(a’)におい
て、素子基板1の発熱体2側の面全体に、CVD法によ
って温度350℃の条件でPSG(phospho silicate g
lass)膜101を形成する。このPSG膜101の膜厚
は、図1に示した可動部材6と発熱体2とのギャップに
相当し、PSG膜101の膜厚を1〜20μmにする。
これにより、液体吐出ヘッドの液流路全体のバランス
上、可動部材6の効果が顕著にあらわれる。次に、PS
G膜101をパターニングするために、PSG膜101
の表面に、スピンコートなどによりレジストを塗布した
後、フォトリソグラフィーとして露光および現像を行
い、そのレジストの、可動部材6が固定された部分に相
当する部分を除去する。
【0064】そして、図9の(b)および(b’)にお
いて、PSG膜101の、前記レジストで覆われていな
い部分を、バッファードフッ酸によるウェットエッチン
グによって除去する。その後、PSG膜101の表面に
残っている前記レジストを、酸素プラズマによるプラズ
マアッシング、あるいは素子基板1をレジスト除去剤に
浸すことによって除去する。これにより、PSG膜10
1の一部が素子基板1の表面に残され、そのPSG膜1
01の一部が、気泡発生領域10の空間に相当する型部
材となる。このような工程を経て、素子基板1の表面
に、気泡発生領域10の空間に相当する型部材が作り込
まれる。
【0065】次に、図9の(c)および(c’)におい
て、素子基板1およびPSG膜101の表面に、スパッ
タ法により第1の材料層として厚さ1〜10μmのSi
N膜102を形成する。このSiN膜102の一部が可
動部材6となる。SiN膜102の組成としては、Si
34が最も良いとされるが、可動部材2の効果を得るた
めには、Siを1としてNの比率が1〜1.5の範囲で
あっても良い。このSiN膜は、半導体プロセスで一般
的に使用され、耐アルカリ性、化学的安定性、および耐
インク性を有している。
【0066】SiN膜102の一部が可動部材6となる
ため、この膜の材質が、可動部材6として最適な物性値
を得られる構造および組成であれば、この膜の製造方法
は限定されない。例えば、SiN膜102の形成方法と
して、前述したスパッタ法の代わりに、常圧CVD、L
PCVD、バイアスECRCVD、マイクロ波CVD、
あるいは塗装方法などを用いてもよい。また、SiN膜
においても、その応力、剛性、ヤング率などの物理的特
性や、耐アルカリ性、耐酸性などの化学的特性を、その
用途に応じて向上させるために、段階的に組成比を変え
て多層膜化してもよい。あるいは、段階的に不純物を添
加して多層膜化したり、単層で不純物を添加してもよ
い。
【0067】次に、図9の(d)および(d’)におい
て、SiN膜102の表面に耐エッチング保護膜103
を形成する。耐エッチング保護膜103として、スパッ
タリング法によって厚さ2μmのAl膜を形成した。こ
の耐エッチング保護膜103によって、次の工程で流路
側壁9を形成するためにエッチングを行う際に、可動部
材6となるSiN膜102へのダメージが防止される。
ここでは、可動部材6と流路側壁9とがほぼ同一の材料
で形成される場合、流路側壁9の形成時のエッチングで
可動部材6もエッチングされてしまうので、その可動部
材6の、エッチングによるダメージを防止する必要が生
じるので、可動部材6となるSiN膜102の、素子基
板1側と反対側の面に耐エッチング保護膜103を形成
する。
【0068】次に、SiN膜102および耐エッチング
保護膜103を所定の形状にするために、耐エッチング
保護膜103の表面にレジストをスピンコートなどによ
り塗布し、フォトリソグラフィーによりパターニングを
行う。その後、図10の(e)および(e’)におい
て、CF4ガスなどを使用したドライエッチング、ある
いはリアクティブイオンエッチング法などによってSi
N膜102および耐エッチング保護膜103のエッチン
グを行い、SiN膜102および耐エッチング保護膜1
03を可動部材6の形状にする。これにより、素子基板
1の表面に可動部材6が作り込まれる。ここでは、耐エ
ッチング保護膜103およびSiN膜102を同時にパ
ターニングしたが、保護膜103のみを可動部材6の形
状にパターニングし、後の工程でSiN膜102をパタ
ーニングしてもよい。
【0069】次に、図10の(f)および(f’)にお
いて、耐エッチング保護膜103、PSG膜101およ
び素子基板1の表面に、第2の材料層として、厚さ20
〜40μmのSiN膜104を形成する。SiN膜10
4を高速で形成したい場合には、マイクロウェーブCV
D法を用いる。このSiN膜104が、最終的に流路側
壁9となる。SiN膜104は、通常、半導体の製造工
程で求められるような膜の特性、例えばピンホール密度
や、膜の緻密さには左右されない。SiN膜104は、
液流側壁9としての耐インク特性や、機械的強度を満た
すものであればよく、SiN膜104の高速成形によっ
てSiN膜104のピンホール密度が多少高くなっても
問題はない。
【0070】また、ここではSiN膜を用いたが、流路
側壁9の材料としてSiN膜に限定されることはなく、
不純物を含んだSiN膜や、組成を変えたSiN膜な
ど、機械的特性および耐インク性を有するものであれば
よく、ダイヤモンド膜、水素化アモルファスカーボン膜
(ダイヤモンドラインカーボン膜)、アルミナ系、ジル
コニア系などの無機膜でもよい。
【0071】次に、SiN膜104を所定の形状にする
ために、SiN膜104の表面にレジストをスピンコー
トなどにより塗布し、流路側壁9およびオリフィスプレ
ート4に対応する部分を残すように、フォトリソグラフ
ィーによりレジストをパターニングする。そして、反応
ガスであるCF4ガスの加速電圧(RFバイアスパワ
ー)を100W程度の低めに設定したリアクティブイオ
ンエッチング法を用いてSiN膜104のエッチングを
行う。このようにして、図10の(g)および(g’)
に示すように、厚さ2〜30μmの、凹曲面1a、1b
をもつオリフィスプレート4および液流路側壁9を、素
子基板1の表面に同時に作り込む。
【0072】次に、図11の(h)および(h’)に示
すように、SiN膜102上の耐エッチング保護膜10
3をウェットエッチングまたはドライエッチングによっ
て除去する。
【0073】次に、図11の(i)および(i’)に示
すように、バッファードフッ酸によってSiN膜102
の下層のPSG膜101を除去する。
【0074】次に、図11の(j)および(j’)に示
すように、オリフィスプレート4にエキシマレーザを照
射してアブレーション加工を行い、オリフィスプレート
4に吐出口5を形成する。この時、SiN膜の結合解離
エネルギー105kcal/mol以上の光子エネルギー115
kcal/molを持つKrFエキシマレーザによって、SiN
膜の分子結合を直接切断する。このエキシマレーザによ
る加工は非熱加工であるため、加工部周辺熱だれや炭化
のない、精度の高い加工を行うことができる。その後、
天板3を上方から接合することにより、液体吐出ヘッド
を製造する。
【0075】上記のような液体吐出ヘッドの製造方法で
は、素子基板1上に可動部材6および流路側壁9を直接
作り込むので、それらの部材を別々に作製した後に液体
吐出ヘッドを組み立てる場合と比較して、組み立ての工
程がなくなり、製造工程が簡略化される。また、可動部
材6などを接着剤などによって接着させることがないの
で、接着剤によって第1の液流路7aや第2の液流路7
bの内部の液体が汚染されることがない。さらに、組み
立ての際に、素子基板1の表面に傷がつくことがなく、
可動部材6を貼り付ける時にごみが生じるということも
ない。そして、フォトリソグラフィーやエッチングなど
半導体の製造工程を経て、それぞれの部材が形成される
ので、高い精度で、かつ、高密度に可動部材6や流路側
壁9を形成することができる。また、液流路7を構成す
る溝をエッチングにより形成することで、曲面1a,1
bも容易かつ滑らかに形成することができる。
【0076】(その他の実施形態)以上、本発明の液体
吐出ヘッドや液体吐出方法の要部の実施形態について説
明したが、以下に、これらの実施形態に好ましく適用で
きる実施形態について説明する。
【0077】<液体吐出ヘッドカートリッジ>次に、上
記実施の形態に係る液体吐出ヘッドを搭載した液体吐出
ヘッドカートリッジを概略説明する。図12は、前述し
た液体吐出ヘッドを含む液体吐出ヘッドカートリッジの
模式的分解斜視図であり、液体吐出ヘッドカートリッジ
は、主に液体吐出ヘッド部200と液体容器90とから
概略構成されている。
【0078】液体吐出ヘッド部200は、素子基板6
1、天板63、押さえバネ78、液体供給部材80、ア
ルミベースプレート(支持体)70等から成っている。
素子基板61には、前述のように液体に熱を与えるため
の発熱抵抗体が、複数個、列状に設けられており、ま
た、この発熱抵抗体を選択的に駆動するための機能素子
が複数設けられている。この素子基板61と天板63と
の接合によって、吐出される液体が流通する液流路(不
図示)が形成される。
【0079】押さえバネ78は、天板63に素子基板6
1方向への付勢力を作用させる部材であり、この付勢力
により素子基板61、天板63と、後述する支持体70
とを良好に一体化させている。
【0080】支持体70は、素子基板61等を支持する
ためのものであり、この支持体70上にはさらに素子基
板61に接続し電気信号を供給するためのプリント配線
基板73や、装置側と接続することで装置側と電気信号
のやりとりを行うためのコンタクトパッド74が配置さ
れている。
【0081】液体容器90は、液体吐出ヘッド部200
に供給される液体を収容している。液体容器90の外側
には、液体吐出ヘッド部200と液体容器90との接続
を行う接続部材を配置するための位置決め部94と、接
続部材を固定するための固定軸95が設けられている。
液体の供給は、液体容器90の液体供給路92,93か
ら接続部材の供給路を介して液体供給部材80の液体供
給路81,82に供給され、各部材の液供給路83,7
9,20を介して共通液室に供給される。ここでは液体
容器90から液体供給部材80への液体の供給を2つの
経路に分けて行っているが、必ずしも分けなくてもよ
い。
【0082】なお、この液体容器90には、液体の消費
後に液体を再充填して使用してもよい。このためには液
体容器90に液体注入口を設けておくことが望ましい。
又、液体吐出ヘッド部200と液体容器90とは一体で
あってもよく、分離可能としてもよい。
【0083】<液体吐出装置>図13は、前述の液体吐
出ヘッドを搭載した液体吐出装置の概略構成を示してい
る。本実施の形態では特に吐出液体としてインクを用い
たインク吐出記録装置IJRAを用いて説明する。液体
吐出装置のキャリッジHCは、インクを収容する液体容
器90と液体吐出ヘッド部200とが着脱可能なヘッド
カートリッジを搭載しており、被記録媒体搬送手段で搬
送される記録紙等の被記録媒体150の幅方向(矢印
a,b方向)に往復移動する。
【0084】図13では不図示の駆動信号供給手段から
キャリッジHC上の液体吐出手段に駆動信号が供給され
ると、この信号に応じて液体吐出ヘッド部200から被
記録媒体150に対して記録液体が吐出される。
【0085】また、本実施例の液体吐出装置において
は、被記録媒体搬送手段とキャリッジHCを駆動するた
めの駆動源としてのモータ111、駆動源からの動力を
キャリッジHCに伝えるためのギア112,113、及
びキャリッジ軸85等を有している。この記録装置及び
この記録装置で行う本発明の液体吐出方法によって、各
種の被記録媒体に対して液体を吐出することで良好な画
像の記録物を得ることができた。
【0086】図14は、本発明の液体吐出ヘッドを適用
したインク吐出記録装置を動作させるための装置全体の
ブロック図である。記録装置は、ホストコンピュータ3
00より印字情報を制御信号として受ける。印字情報は
印字装置内部の入出力インタフェイス301に一時保存
されると同時に、記録装置内で処理可能なデータに変換
され、ヘッド駆動信号供給手段を兼ねるCPU302に
入力される。CPU302はROM303に保存されて
いる制御プログラムに基づき、前記CPU302に入力
されたデータをRAM304等の周辺ユニットを用いて
処理し、印字するデータ(画像データ)に変換する。
【0087】またCPU302は前記画像データを記録
用紙上の適当な位置に記録するために、画像データに同
期して記録用紙およびヘッド200を移動する駆動用モ
ータ306を駆動するための駆動データを作る。画像デ
ータおよびモータ駆動データは、各々ヘッドドライバ3
07と、モータドライバ305を介し、ヘッド200お
よび駆動モータ306に伝達され、それぞれ制御された
タイミングで駆動され画像を形成する。
【0088】上述のような記録装置に適用でき、インク
等の液体の付与が行われる被記録媒体としては、各種の
紙やOHPシート、コンパクトディスクや装飾板等に用
いられるプラスチック材、布帛、アルミニュウムや銅等
の金属材、牛皮、豚皮、人工皮革等の皮革材、木、合板
等の木材、竹材、タイル等のセラミックス材、スポンジ
等の三次元構造体等を対象とすることができる。
【0089】また上述の記録装置として、各種の紙やO
HPシート等に対して記録を行うプリンタ装置、コンパ
クトディスク等のプラスチック材に記録を行うプラスチ
ック用記録装置、金属板に記録を行う金属用記録装置、
皮革に記録を行う皮革用記録装置、木材に記録を行う木
材用記録装置、セラミックス材に記録を行うセラミック
ス用記録装置、スポンジ等の三次元網状構造体に対して
記録を行う記録装置、又布帛に記録を行う捺染装置等を
も含むものである。
【0090】また、これらの液体吐出装置に用いる吐出
液としては、夫々の被記録媒体や記録条件に合わせた液
体を用いればよい。
【0091】<記録システム>次に、本発明の液体吐出
ヘッドを記録ヘッドとして用い被記録媒体に対して記録
を行う、インクジェット記録システムの一例を説明す
る。図15は、前述した本発明の液体吐出ヘッドを用い
たインクジェット記録システムの構成を説明するための
模式図である。本実施の形態における液体吐出ヘッド
は、被記録媒体150の記録可能幅に対応した長さに3
60dpiの間隔で吐出口を複数配したフルライン型の
ヘッドであり、イエロー(Y),マゼンタ(M),シア
ン(C),ブラック(Bk)の4色に対応した4つのヘ
ッド201a〜201dをホルダ202によりX方向に
所定の間隔を持って互いに平行に固定支持されている。
【0092】これらのヘッド201a〜201dに対し
てそれぞれ駆動信号供給手段を構成するヘッドドライバ
307から信号が供給され、この信号に基づいて各ヘッ
ド201a〜201dの駆動が成される。各ヘッド20
1a〜201dには、吐出液としてY,M,C,Bkの
4色のインクがそれぞれインク容器204a〜204d
から供給されている。
【0093】また、各ヘッド201a〜201dの下方
には、内部にスポンジ等のインク吸収部材が配されたヘ
ッドキャップ203a〜203dが設けられており、非
記録時に各ヘッド201a〜201dの吐出口を覆うこ
とでヘッド201a〜201dの保守を成すことができ
る。符号206は、先の各実施の形態で説明したような
各種、被記録媒体を搬送するための搬送手段を構成する
搬送ベルトである。搬送ベルト206は、各種ローラに
より所定の経路に引き回されており、モータドライバ3
05に接続された駆動用ローラにより駆動される。
【0094】本実施の形態のインクジェット記録システ
ムにおいては、記録を行う前後に被記録媒体に対して各
種の処理を行う前処理装置251および後処理装置25
2をそれぞれ被記録媒体搬送経路の上流と下流に設けて
いる。前処理と後処理は、記録を行う被記録媒体の種類
やインクの種類に応じて、その処理内容が異なるが、例
えば、金属、プラスチック、セラミックス等の被記録媒
体に対しては、前処理として、紫外線とオゾンの照射を
行い、その表面を活性化することでインクの付着性の向
上を図ることができる。また、プラスチック等の静電気
を生じやすい被記録媒体においては、静電気によってそ
の表面にゴミが付着しやすく、このゴミによって良好な
記録が妨げられる場合がある。
【0095】このため、前処理としてイオナイザ装置を
用い被記録媒体の静電気を除去することで、被記録媒体
からごみの除去を行うとよい。また、被記録媒体として
布帛を用いる場合には、滲み防止、染着率の向上等の観
点から布帛にアルカリ性物質、水溶性物質、合成高分
子、水溶性金属塩、尿素およびチオ尿素から選択される
物質を付与する処理を前処理として行えばよい。前処理
としては、これらに限らず、被記録媒体の温度を記録に
適切な温度にする処理等であってもよい。一方、後処理
は、インクが付与された被記録媒体に対して熱処理、紫
外線照射等によるインクの定着を促進する定着処理や、
前処理で付与し未反応で残った処理剤を洗浄する処理等
を行うものである。
【0096】なお、本実施の形態では、ヘッド201a
〜201dとしてフルラインヘッドを用いて説明した
が、これに限らず、前述したような小型のヘッドを被記
録媒体の幅方向に搬送して記録を行う形態のものであっ
てもよい。
【0097】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、液流路の
気泡発生手段が設けられた面が、液流路の側壁面または
吐出口が開口した前端面の少なくとも一方の面と曲面で
連続し、気泡の成長に伴う液体の流れを、この曲面に沿
って流れるようにすることで、可動部材の動作が安定
し、しかも気泡の成長が安定して行われるので、吐出特
性を向上させることができる。また、可動部材の動作が
安定することから可動部材自身の耐久性を向上させるこ
とができる。
【0098】一方、気泡の収縮過程においては、上記曲
面によって、気泡が消泡する際に発生するキャビテーシ
ョンによる衝撃が気泡発生手段に直接与えられることが
防止されるので、気泡発生手段の寿命を向上させること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態である液体吐出ヘッド
の図であり、同図(a)はその液流路方向に沿った断面
図、同図(b)は液流路の横断面図である。
【図2】図1に示した液体吐出ヘッドの吐出動作を説明
するための液流路に沿った断面図である。
【図3】図1に示した液体吐出ヘッドの吐出動作を説明
するための液流路の横断面図である。
【図4】本発明の第2の実施形態である液体吐出ヘッド
の図であり、同図(a)はその流路方向に沿った断面
図、同図(b)は液流路の横断面図である。
【図5】図4に示した液体吐出ヘッドにおいて、膜沸騰
に伴う気泡を発生させた状態の流路方向に沿った断面図
および液流路の横断面図である。
【図6】本発明の第3の実施形態である液体吐出ヘッド
の図であり、同図(a)はその液流路方向に沿った断面
図、同図(b)は液流路の横断面図である。
【図7】図6に示した液体吐出ヘッドの吐出動作を説明
するための液流路に沿った断面図である。
【図8】図6に示した液体吐出ヘッドの吐出動作を説明
するための液流路の横断面図である。
【図9】本発明に係る液体吐出ヘッドの製造方法を示す
工程図である。
【図10】本発明に係る液体吐出ヘッドの製造方法を示
す工程図である。
【図11】本発明に係る液体吐出ヘッドの製造方法を示
す工程図である。
【図12】液体吐出ヘッドカートリッジを示す分解斜視
図である。
【図13】液体吐出装置の要部を示す斜視図である。
【図14】液体吐出装置のブロック図である。
【図15】液体吐出システムの要部を示す斜視図であ
る。
【符号の説明】
1,21,41,61 素子基板 1a,1b,21a,21b,41a,41b 曲面 2,22,42 発熱体 3,23,43,63 天板 4,24,44 オリフィスプレート部 5,25,45 吐出口 6.26,46 可動部材 6a 支点 7,27,47 液流路 7a 第1の液流路 7b 第2の液流路 8 共通液室 9,29,49 流路側壁 10,30,50 気泡発生領域 101 PSG膜 102,104 SiN膜 103 耐エッチング保護膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 池田 雅実 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 小川 正彦 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 斉藤 一郎 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 廣木 知之 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 今仲 良行 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 久保田 雅彦 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 尾崎 照夫 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液体を吐出する吐出口と、液体に気泡を
    発生させる気泡発生手段が設けられ前記吐出口と連通し
    た液流路と、前記液流路内で前記気泡発生手段に面して
    配され前記吐出口に向かう下流側が自由端となる可動部
    材とを有し、 前記液流路を構成する面のうち前記気泡発生手段が設け
    られた面が、前記液流路の側壁面または前記吐出口が開
    口した前端面の少なくとも一方の面と曲面によって連続
    となっている液体吐出ヘッド。
  2. 【請求項2】 前記液流路の幅が、前記可動部材の変位
    が大きくなる方向にいくにしたがって広くなっている請
    求項1に記載の液体吐出ヘッド。
  3. 【請求項3】 前記曲面は、前記気泡発生手段が設けら
    れた面に対して凹曲面を構成している請求項1に記載の
    液体吐出ヘッド。
  4. 【請求項4】 前記気泡発生手段はシリコン材料をベー
    スとする基体上に形成され、前記液流路の側壁面および
    前端面は前記基体と一体構造となっている請求項1に記
    載の液体吐出ヘッド。
  5. 【請求項5】 液体を吐出する吐出口と、液体に気泡を
    発生させる気泡発生手段が設けられ前記吐出口と連通し
    た液流路と、前記液流路内で前記気泡発生手段に面して
    配され前記吐出口に向かう下流側が自由端となる可動部
    材とを有し、前記液流路を構成する面のうち前記気泡発
    生手段が設けられた面が、前記液流路の側壁面または前
    記吐出口が開口した前端面の少なくとも一方の面と曲面
    によって連続となっている液体吐出ヘッドを用い、前記
    気泡の発生に基づいて前記可動部材の自由端を変位させ
    て前記圧力を前記吐出口に導くことで液体を吐出させる
    液体吐出方法であって、 前記気泡の発生に基づいて前記可動部材を変位させる際
    に、前記気泡の成長に伴って、液体が前記曲面に沿って
    前記可動部材と前記液流路との間に流れる工程を有する
    液体吐出方法。
  6. 【請求項6】 前記液流路の幅が、前記可動部材の変位
    が大きくなる方向にいくにしたがって広くなっている請
    求項5に記載の液体吐出方法。
  7. 【請求項7】 前記曲面は、前記気泡発生手段が設けら
    れた面に対して凹曲面を構成している請求項5に記載の
    液体吐出方法。
  8. 【請求項8】 前記気泡発生手段は、シリコン材料をベ
    ースとする基体上に形成され、前記液流路の側壁面およ
    び前端面は前記基体と一体構造となっている請求項5に
    記載の液体吐出方法。
  9. 【請求項9】 請求項1に記載の液体吐出ヘッドと、該
    液体吐出ヘッドに供給される液体を保持する液体容器
    と、を有するヘッドカートリッジ。
  10. 【請求項10】 請求項1に記載の液体吐出ヘッドと、
    該液体吐出ヘッドから液体を吐出させるための駆動信号
    を供給する駆動信号供給手段と、を有する液体吐出装
    置。
  11. 【請求項11】 請求項1に記載の液体吐出ヘッドと、
    該液体吐出ヘッドから吐出された液体を受ける被記録媒
    体を搬送する被記録媒体搬送手段と、を有する液体吐出
    装置。
  12. 【請求項12】 前記液体吐出ヘッドからインクを吐出
    し、被記録媒体にインクを付着させることで記録を行う
    請求項10または11に記載の液体吐出装置。
  13. 【請求項13】 前記液体吐出ヘッドから複数色の記録
    液体を吐出し、被記録媒体に前記複数色の記録液体を付
    着させることでカラー記録を行う請求項10または11
    に記載の液体吐出装置。
  14. 【請求項14】 前記吐出口が被記録媒体の記録可能領
    域の全幅にわたって複数配されている請求項10または
    11に記載の液体吐出装置。
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