JPS63199972A - 弁素子の製造方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野〕 本発明は弁素子の製造方法に関し、特にインクジェット
記録ヘッドに適した弁素子の製造方法に関するものであ
る。

〔従来の技術） 従来より、弁座となる支持体上に弁部を配した微細な弁
素子が知られている。このような弁素子の製造方法とし
ては、例えば特開昭５９−６８２５１号公報あるいは特
開昭６０−２２２６７２号公報の例がある。

また、このような弁素子はインクの逆流防止など種々の
目的で使用されるが、インクジェット記録ヘッドに適用
した例としては特開昭６０−２３０８６５号公報等があ
る。しかしながら、このような従来の弁素子の製造方法
では、微細化を容易にするためメッキ技法を採用して弁
部を形成するものが一般的であり、１）弁部の厚みを均
一に形成するのが困難である、２）弁特性にバラツキが
多い、３）製造に長時間を要し、経済性にも劣ると言っ
た種々の問題があった。

〔発明が解決しようとする問題点〕

本発明は上記従来例の問題点に鑑みなされたもので、微
細な弁素子を仕上り精度よく製造することができ、しか
も量産性ならびに経済性にも優れた弁素子の製造方法を
提供することを目的とする。

〔問題点を解決するための手段〕

本発明の上記目的は、以下の本発明によって達成される
。

（１）弁座となる支持体表面に、該支持体上に形成され
る上部層の密着性向上もしくは剥離性向上のための表面
処理を部分的に施す第１の工程と、 （２）該支持体の表面処理部分および非処理部分をとも
に覆う所望パターンの上部層を該支持体上に形成する第
２の工程と、 （３）前記第１の工程で密着性向上のための表面処理を
支持体に施した場合は非処理部分上の上部層を、また剥
離性向上のための表面処理を支持体に施した場合は処理
部分上の上部層を支持体から剥離して弁部を形成する第
３の工程とを有することを特徴とする弁素子の製造方法
。

〔作　用〕

本発明では、上述した従来例におけるようなメッキ技法
を特に採用する必要がないため、微細かつ仕上り精度の
よい弁素子を量産性よく、しかも経済的に提供すること
ができる。

ここで、上部層の形成材料としては、パターン形成の容
易なものであることが好ましく、例えばフォトリソ技法
によって容易に微細パターンが形成可能な感光性樹脂を
用いることが特に好ましい。感光性樹脂としてはフィル
ム状のもの、あるいは液状のものなど任意形状のものを
特に限定することなく用いることができ、市販のものも
、希望の特性となるように配合したものも用いることが
できる０例えば、感光性フィルムではフォテック（日立
化成工業−社製）、サンフォート（旭化成工業■社製）
、リストン、バクレル（デュポン社製）、オーディル（
東京応化工業−社製）等が使用できるものとして挙げら
れる。また、液体状のものとしてはフォトニース（東洋
レーヨン■社製）、マイクロポジット（シップレイ・フ
ァーイースト■社製）、　ＣＢＲ，ＣＢＭ　　（日本合
成ゴム■社製）、セレクティラックス（メルク社製）等
が利用できる。また、後述の実施例で配合使用した感光
性樹脂なども挙げることができる。

〔実施例〕

以下、図面を用いて本発明の詳細な説明する。

第１−ａ図〜第１−ｅ図に本発明の一態様を示す。後述
するように、本例にて示される弁素子はインクジェット
記録ヘッドの弁素子として有用なものである。

まず、第１−ａ図に示すように、弁座となる所望形状の
支持体１０１を準備し、この支持体１０１上に密着性向
上もしくは剥離性向上のための表面処理を施す第１の工
程を実施する。

本例ではこの第１の工程を、支持体１０１を青板ガラス
とし、その一部１０２をセロテープで覆った後、密着性
向上処理剤としてγ−メルカプトプロピルトリメトキシ
シラン（Ｎ、ｕ、Ｃ社製、Ａ−１８９）の１％エタノー
ル溶液を用い、この溶液中に支持体１０１を１分間浸し
、その後にセロテープを剥して８０℃で１０分間乾燥す
ることにより行ない、密着性向上処理面１０３を有する
支持体１０１を得た。

次に、この支持体１０１上に、該支持体１０１の密着性
向上処理面１０３と非処理面１０２をともに覆う所望パ
ターンの上部層を形成する第２の工程を、以下の第１−
ｂ図〜第１−ｄ図に示す手順に従って行なった。

すなわち、上部層形成材料として表−１に示す配合の感
光性樹脂を用い、この感光性樹脂をワイヤーバーコータ
ーで乾燥後の厚さがｌＯμとなるように支持体１０１上
に積層し、その後に８０℃で１５分間これを乾燥して第
１−ｂ図に示すような感光性樹脂層１０４を支持体１０
１上に設けた。

表−１感光性樹脂の組成 分子量９５０００　、三菱レーヨン■社製）１００重量
部フォトマー６００８　（サンノブコ■社製）　　４０
重量部リポキシＶＲ−６０（昭和高分子−社製）　　３
０重量部トリメチロールプロパントリアクリレート３０
重量部 イルガキュア６５１（チバガイギー社製）５重量部エチ
ルセロソルブ　　　　　　　　　　５０重量部トルエン
　　　　　　　　　　　　　　　５０重量部次いで、こ
の感光性樹脂層１０４上に、第１−ａ図に示すような光
透過部１０５Ｂと光不透過部１０５＾とを有する所望の
フォトマスク１０５を重ね合せた。

この際、周知の方法で支持体１０１とフォトマスク１０
５との位置合せを行なった。その後、市販のアライナ−
（ＰＬＡ５０１．キャノン■社製）を用い、フォトマス
ク１０５の上部から紫外線を１５秒間照射した後、１，
１．１−１−リクロルエタンを用いて感光性樹脂の現像
を行なうことにより、第１−ｄ図に示すように密着性向
上処理面１０３と非処理面１（１２をともに覆う所望パ
ターンの上部層１０４Ｐを支持体１０１上に形成した。

最後に、第３の工程として、非処理面１０２上の上部層
１０４Ｐを支持体１０１から剥離して弁部１０８を有す
る第１−ｅ図の弁素子を得た。なお、上部層１０４Ｐの
剥離は、　１２１℃、２気圧の飽和水蒸気雰囲気中に上
記支持体１０１を１０時間保持することにより行なった
。また、本例では説明の都合上、弁部１０８を２個とし
たが、もちろん２個に限定されるものではなく、所望の
数としてよいことは言うまでもない。

次に、上記のようにして作成した第１−ｅ図の構造の弁
素子の動作例について、第１−ｆ図を用いて説明する。

なお、この第１−ｆ図には、第１−ｅ図の支持体を流路
管１０６の構成壁として用いた弁素子の一例の断面図が
示されている。

すなわち、この弁素子は逆止弁的な作用をし、流体＋０
７が順方向（第１−ｆ図で右から左の方向）に流れる時
は、弁部１０８が壁面に押し付けられて流体は円滑に流
れる。一方、流体＋０７が逆方向（第１−ｆ図で左から
右の方向）に流れる時は、弁部１０８が屈曲して流体の
流れを妨げる。

次に、本発明による弁素子をインクジェット記録ヘッド
に適用した例を第２−ａ図および第２−ｂ図に示す。な
お、第２−ａ図には組み立て前のインクジェット記録ヘ
ッドの外観斜視図が、また第２−ｂ図には完成した状態
におけるインクジェット記録ヘッドの外観斜視図が示さ
れている。

この記録ヘッド２００は、発熱素子２０５を配設した基
板２０３上にメッキ法やエツチング法、あるいは感光性
樹脂や感光性ガラス等を利用したフォトリソ技法などに
よって流路２０６Ａおよび液室２０６Ｂを形成するため
の壁２０６を作成した後、この上に前述した方法で形成
した弁素子２０４Ｐを有する覆い板２０１を接合するこ
とによって作成したものである。なお、この場合には覆
い板２０１が弁座として機能している。また、基板２０
３上には発熱素子に記録信号を印加するための配線（不
図示）が設けられており、図中に符合２０７にて示すも
のは記録ヘッドの外部からインクを供給するための供給
口である。

次に、この記録ヘッドの動作例を第２−ｃ図〜第２−ｅ
図を用いて説明する。なお、これらの図には第２−ｂ図
のＡ−Ａ’線に対応する部分で切断した際の上記記録ヘ
ッドの断面図が示されている。また、弁素子２０４Ｐは
発熱素子２０５の後方（吐出口とは反対側）に設けられ
でいる。

インク滴を吐出させて記録を行なう場合には、第２−ａ
図の非記録時の状態から、まず発熱素子２０５にパルス
状の電流を印加する。この電流印加によって発熱素子２
０５が発熱し、その結果として該素子２０５に接する部
分のインクが発泡して、第２−ｄ図に示すような急激な
体Ｍ膨張を引き起す。

この体積膨張にともなって、流路２０９中で発熱素子よ
り吐出口２０８側にあるインクが吐出口の方向へ急激に
移動し、吐出口に形成されているインクのメニスカス２
１０が第２−ｄ図のように吐出口２０８から外部に突出
する。一方、発熱素子２０５の後方にあるインクは液室
側に押し戻される。この時の流れは弁素子２０４Ｐに対
して逆方向であるため、弁部２１２が屈曲して液室側へ
のインクの流出が制限され、結果的にインク吐出に寄与
しない吐出エネルギーの後方への損失が抑止される。

次いで、発熱素子２０５への通電が終了すると、該素子
２０５上の泡が消泡を開始する。この消泡にともなって
、外部に突出したインクのメニスカス２１０が第２−ｃ
図のように流路２０９内に引き込まれ、このときインク
の一部がインク滴２１１として吐出される。そして、こ
のインク滴２１１が被記録材（不図示）に到達して記録
が行なわれる。また、この際には、インク吐出によって
失われた分のインクが液室から供給されることになるが
、この時の流れは弁素子に対して順方向となるので、弁
部２１２が流路の覆い板２０１に押しつけられ、インク
が円滑に流れて速やかなインク補給がなされる。

次に、比較のためにこのような弁素子を有しないインク
ジェット記録ヘッドの吐出特性を、第３−ａ図〜第３−
ｃ図に基づいて述べる。なお、この記録ヘッドは弁素子
を設けない以外は前述の第２図示の記録ヘッドと全く同
様の仕様とされており、図中に符合３０３で示すものが
基板、３０１は覆い板、３０５は発熱素子、３０９は流
路である。

これらの図に示されるように、上述のような弁素子を有
しない本例の記録ヘッドでは、発泡時における発熱素子
後方へのエネルギー損失が大きく、このため吐出エネル
ギーの有効利用が行なえなかった。

次に、上述した第２図の弁素子を有するインクジェット
記録ヘッドと、第３図に示した弁素子を有しないインク
ジェット記録ヘッドの性能比較を行なった結果を表−２
に示す。

この表から明らかなように、本発明によって形成した弁
素子を有するインクジェット記録ヘッドは応答周波数と
液滴速度に優れるばかりか、液滴径も大きく、優れた印
字性能と高速安定性を有するものであった。ちなみに、
これら記録ヘッドを８　ｋＨｚで駆動して、その印字性
能を見たところ、弁素子を有しない第３図示の記録ヘッ
ドでは文字のかすれが見られたのに対して、弁素子を有
する第２図示の記録ヘッドでは文字のかすれもなく、高
品位な画像が形成できた。

次に、第４図および第５図に本発明の別の態様例を示す
。本例では前述の第１図示の場合とは異なり、剥離性向
上処理が支持体に施される。

まず、第４図に示すような流体の通路となる穴５０３を
有する支持体５０１（材質ニステンレス）を準備した。

なお、本例では支持体をステンレスとしたが、もちろん
所望材質のものとしてよい。

次に、この支持体５０１の符合５０２にて示す領域に剥
離性向上処理を行なった。処理方法は以下の通りである
。まず、支持体５０１の全面に感光性樹脂（Ｐ）ＩＴ−
１４５Ｆ−２０、日立化成工業■社製）をラミネートし
、５０２に示す領域以外を露光した後、この感光性樹脂
を１．１．１−トリクロルエタンで現像して５０２の領
域を露出させた。その後、こうして露出させた５０２の
領域にフルオロシリコン系表面処理剤であるところのＭ
Ｐ−８０１（信越化学■社製）のダイフロン５２（ダイ
キン工業−社製）の３％溶液を塗布し、　１００℃で１
０分間乾燥することにより領域５０２の剥離性向上処理
を終了した。その後、支持体５０１上に残っている感光
性樹脂をジクロルメタンで除去し、第４図のように剥離
性向上処理面５０３と非処理面５０２を有する支持体５
０１を得た。

次に、前述の表−１に示した組成の感光性樹脂を用い、
第１−ｂ図〜第１−ｄ図で示した手順に準じて、第５図
に示すパターンの上部層５０４を形成した後、剥離性向
上処理面５０２上の上部層を剥離して、弁部５１２を有
する第５図の弁素子を得た。なお、感光性樹脂はポリエ
チレンテレフタレートフィルム（厚さ２５−）上にワイ
ヤーバーコータで乾燥後の厚さが１０μｓになるように
塗布し、８０℃で２０分間乾燥したものを用い、これを
ホットロール式ラミネーターで支持体にラミネートした
。また、上部層の剥離は、　１２１℃、２気圧の飽和水
蒸気雰囲気下に支持体を２時間保持することにより行な
った。また、弁部５１２は穴５０３上に位置するように
した。

次に、上記第５図の弁素子をインクジェット記録ヘッド
に適用した例を第６図に示す。この記録ヘッドは圧電素
子５０６をエネルギー発生体とするもので、図中に符合
５０７で示すものが吐出口、５０５はガラス管、５０８
はインク供給管、５０１は弁素子５０４の支持体である
。

このインクジェット記録ヘッドの動作例を第７−ａ図〜
第７−ｃ図に示す。この第７−ａ図〜第７−ｃ図には第
６図のＢ−Ｂ’線に対応する位置で切断した該ヘッドの
断面図が示されている。

すなわち、第７−ａ図の非記録時の状態から、圧電素子
５０６にパルス状の電圧を印加すると、インクの流路５
０９の容積を縮めるように圧電素子５０６が変形する。

これにより流路５０９内のインクが圧力を受け、第７−
ｂ図のように吐出口からインクのメニスカス５１０が突
出する。この時、弁部５１２はインクの圧力によって弁
座であるところの支持体５０１に押し付けられるので、
インクが穴５０３からインク供給管５０８の方へ流れる
ことはない。このため、圧電素子のエネルギーを吐出に
有効利用できる。

この状態から電圧を切ると、圧電素子は元の形、状に復
帰し、突出したインクのメニスカス５１０が第７−ｃ図
のように流路５０９内に引き戻される時、先端が分離さ
れてインク滴５１１が形成される。同時に、この時イン
ク供給管５０８内のインクが穴５０１を通過して弁部５
１２を押し上げ、吐出した分のインクが流路５０９に補
給される。このインクジェット記録ヘッドにおいても弁
素子を設けることにより、第２図示の記録ヘッドにおけ
ると同様に吐出エネルギーを有効利用できる。

次に、本発明による弁素子をインクジェット記録ヘッド
以外に適用した例を以下に示す。

第８−ａ図および第８−ｂ図は２個の弁素子を用い、微
小ポンプに応用した例を示すものである。すなわち、こ
の圧電素子６０４にパルス状の電圧を印加すると、該素
子６０４が収縮して圧力室６０６内の液体を加圧する。

この時、液体の動きは入口側の弁素子６０８に対しては
逆方向となるため、人口側の弁素子６０８の弁部６１０
は第８−ａ図のように閉じる。一方、出口側の弁素子６
０９に対しては、流体の動きが順方向となるため、出口
側の弁素子６０９の弁部６１１は開かれる。そして、圧
力室［ｉ０６内の液体の一部が出口側の流路６０７に押
し出される。次に、圧電素子に与えた電圧を切ると、圧
電素子は元の形状に復帰する。この時、流体の動きが入
口側の弁素子６０８に対しては順方向となって、入口側
の弁素子６０８の弁部６１０が第８〜ｂ図のように開く
。一方、出口側の弁素子６０９に対しては流体の動きが
逆方向となるので、出口側の弁素子８０９の弁部６月は
閉じられる。このようにして、パルス状の電圧を与える
ことにより、定量的に流体を流す微小ポンプとして機能
させることができる。なお、図中の符合６０１　、６０
２．６０３にて示すものはポンプの外壁である。

表−２ ※ｌ　メニスカスが通電開始時点の状態、つまり初期状
態からもとの状態に 戻るまでの時間（↑ｒ）の逆数 〔発明の効果〕 以上に説明したように、本発明によれば、微細な弁素子
を仕上り精度よく製造することができるばかりか、この
ような弁素子を量産性よく、しかも経済的に製造し得る
ものである。

【図面の簡単な説明】

第１−ａ図〜第１−ｅ図は本発明の方法の一例を説明す
る図、第１−ｆ図は本発明により作成した弁素子の動作
例を説明する図、第２−ａ図および第ｚ−ｂ図は本発明
により作成した弁素子を用いたインクジェット記録ヘッ
ドの一例を説明する図、第２−ａ図〜第２−ｅ図はイン
クジェット記録ヘッドに適用した弁素子の動作例を説明
する図、第３−ａ図〜第３−ｃ図は弁素子を有しないイ
ンクジェット記録ヘッドの吐出特性を説明する図、第４
図および第５図は本発明の方法の別の例を説明する図、
第６図は本発明により作成した弁素子を用いたインクジ
ェット記録ヘッドの別の例を説明する図、第７−ａ図〜
第７−ｃ図は第６図のインクジェット記録ヘッドの動作
例を説明する図、第８−ａ図および第８−ｂ図は本発明
により作成した弁素子を用いたポンプの動作例を説明す
る図である。 １０１　、５０１−・・支持体　１０２　、５０２・・
・非処理面１０３−・・密着性向上処理面 ５０３−・・剥離性向上処理面 ２０１　、２０３−・・覆い板　２０３　、３０３・・
・基板２０５　、３０５・・・発熱素子 ２０６Ａ、２０９　、３０９．５０９　、６０５　、６
０７−流路２０６　Ｂ−・・液室　　　　　２０７−・
・供給口２０８　、５０７−一吐出口 ２１０　、３１０　、５１０−・・メニスカス２１１．
３１１　、５１１・−インク滴５０７．６０４−・・圧
電素子

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １（１）弁座となる支持体表面に、該支持体上に形成さ
   れる上部層の密着性向上もしくは剥離性向上のための表
   面処理を部分的に施す第１の工程と、 （２）該支持体の表面処理部分および非処理部分をとも
   に覆う所望パターンの上部層を該支持体上に形成する第
   ２の工程と、 （３）前記第１の工程で密着性向上のための表面処理を
   支持体に施した場合は非処理部分上の上部層を、また剥
   離性向上のための表面処理を支持体に施した場合は処理
   部分上の上部層を支持体から剥離して弁部を形成する第
   ３の工程 とを有することを特徴とする弁素子の製造方法。 ２、前記上部層を感光性樹脂で形成することを特徴とす
   る特許請求の範囲第１項に記載の弁素子の製造方法。