JPH05124189A

JPH05124189A - インク吐出装置

Info

Publication number: JPH05124189A
Application number: JP28747991A
Authority: JP
Inventors: Takaaki Inoue; 卓見井上; Yutaka Miyazono; 豊宮園; Hideaki Horio; 英明堀尾; Kazumi Otsubo; 一三大坪
Original assignee: Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Current assignee: Panasonic Holdings Corp
Priority date: 1991-11-01
Filing date: 1991-11-01
Publication date: 1993-05-21

Abstract

(57)【要約】【目的】通電電流により発生したバブルの発生場所に
関わらず、また、バブルによる圧力変化のエネルギーを
損失することなく有効に利用し、安定したインク吐出を
行う。【構成】ノズル３の近傍に、副室１０と、インク流路
２と副室１０との入出口を開閉可能とする薄膜１１を設
け、副室１０内の電極４、５に電圧を印加し、副室１０
内にバブルを発生させることにより副室１０内の圧力を
変化させ、この圧力変化により薄膜１１をノズル３の方
向へ動作させてインクの吐出を行うような構成とする。【効果】副室内のどの場所にバブルが生成しても、薄
膜の動作は同一でノズル方向へ動作し、また、バブル発
生により得られる圧力変化もインク吐出方向へ統一され
るため、バブル発生場所に関わらず、かつ加えられたエ
ネルギーを有効にインク吐出に利用することができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、インクジェットプリン
タにおけるインク吐出装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】近年、インクジェットプリンタは印字の
際の静寂性などから、コンピュータ出力装置として広く
利用されるようになってきた。以下に従来のインクジェ
ットプリンタのインク吐出装置について説明する。

【０００３】図３は、従来のインク吐出装置の構成図で
ある。図３において、１は導電性インク、２はインク流
路、３はインク滴を吐出するノズル、４は一対の電極の
一方の電極、５は一対の電極の他方の電極、６は電極４
と電極５との間でパルス電圧を印加したときに導電性イ
ンク１中に生じる通電電流である。次に、図４は導電性
インク１吐出時の電極４、５およびノズル３周辺の要部
拡大図であり、７は電極４、５間に通電することにより
導電性インク１が沸騰して生じたバブル、矢印８ａ〜ｄ
は導電性インク１中の圧力変化の方向、９はノズル３か
ら吐出された導電性インク１の液滴である。

【０００４】以上のように構成されたインク吐出装置は
次のように動作する。信号発生装置（図示せず）により
電極４と電極５との間に電圧を印加すると、電極４、５
間にある導電性インク１を通って通電電流６が流れる。
導電性インク１は電極４、５間で発熱、蒸発してバブル
７を発生し、急峻な体積変化を生ずる。この体積変化は
圧力変動として他の導電性インク１に作用し、導電性イ
ンク１を吐出させ、液滴９を生成する。信号発生装置
（図示せず）により電極４、５間に印加されていた電圧
がオフになると、通電電流６は流れなくなり、導電性イ
ンク１中に発生したバブル７は熱量を周囲の導電性イン
ク１に奪われ速やかに消滅する。消費された導電性イン
ク１は常時供給され続けるので、信号に応じた液滴９が
連続的に生成され、記録紙（図示せず）に対して連続的
なドット形成が行われる。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の構成では、導電性インク１中に発生したバブル７に
よる圧力変化は、導電性インク１中においてあらゆる方
向へ伝わるため、図４において、導電性インク１中に矢
印で示す圧力変化の方向８ａ〜ｄの中で、８ｂ，８ｃ，
８ｄの方向は導電性インク１の吐出に関して有効ではな
い方向となっている。

【０００６】さらに、バブル７は、導電性インク１中で
通電電流６が通じている部分において、核となる小気泡
が通電エネルギーによって膨張して生成されるものであ
り、この小気泡の存在場所は特定できず、バブル７の発
生場所も特定できないため、バブル７の発生場所によっ
て導電性インク１中の圧力変化の分布も異なってくるこ
とになる。

【０００７】したがって、圧力変化の方向の全てが導電
性インク１の吐出方向ということではないことから、バ
ブル７発生に要するエネルギーの全てが導電性インク１
の吐出に有効というわけではなく、エネルギー損失が生
じるという問題と、バブル７の発生場所による圧力変化
の分布の違いから、液滴９生成のためのエネルギーは、
常に一定でないという二つの課題を有していた。

【０００８】そこで本発明は、上記従来手段の問題点を
解消できるインク吐出装置を提供することを目的とす
る。

【０００９】

【課題を解決するための手段】この課題を解決するため
に本発明は、インク流路と、このインク流路のインクを
吐出するノズルと、このノズルの近傍にあり、インク流
路からのインク流入出が可能な副室と、一部をインク流
路壁に固定され、その他の部分は自由であり、ノズル方
向へ移動可能で、インク流路と副室との出入口を開閉す
る薄膜とを有し、副室に一対の電極を設け、この一対の
電極に電圧を印加してインクに通電することにより、副
室内のインクを沸騰させ、この副室内のインクに圧力変
動を生じさせ、この圧力変動により薄膜をノズル方向へ
動作させ、この薄膜の動作により、インクをノズルから
吐出させるようにした。

【００１０】

【作用】本発明によれば、副室内の圧力変化によって薄
膜を動作させ、その動作の方向をインクの吐出方向と同
一であるようにすることにより、様々な方向を有してい
た副室内のインクの圧力変化をインク吐出方向に統一す
ることができ、インク沸騰のために加えられたエネルギ
ーを、損失することなく有効にインク吐出のためのエネ
ルギーに変換することができるとともに、また、沸騰に
よるバブルが副室内のどの場所に発生しても、圧力変化
の分布は副室内でのみ異なるだけで、薄膜の動作による
インク流路内の圧力分布の変化は、バブルの発生場所に
関わらず同一となり、吐出のためのエネルギーを安定し
て供給することができる。

【００１１】

【実施例】図１は本発明の一実施例におけるインク吐出
装置の構成図である。図において符号１から６までは、
図３の従来のインク吐出装置の構成と同じであるから説
明を省略する。１０は副室、１１はノズル３方向へ移動
可能な薄膜であり、１１ａの部分はインク流路２に固定
され、１１ａと反対側の端部は自由であり、副室１０内
に圧力変化が生じない場合には、図１中の実線のように
副室１０とインク流路２との間の出入口を閉じる位置に
あり、副室１０内の圧力が上昇した場合には、図１中の
破線のようにノズル３方向へ移動する構成となってい
る。

【００１２】図２は導電性インク１吐出時の副室１０お
よびノズル３周辺の要部拡大図で、符号７から９まで
は、図４の従来のインク吐出装置と同様の構成であるか
ら説明を省略する。また、図１と同様に符号１０は副
室、１１は薄膜である。

【００１３】以上のように構成されたインク吐出装置に
ついて、以下にその動作を説明する。信号発生装置（図
示せず）により、副室１０内の電極４と電極５との間に
電圧を印加すると、電極４、５間にある導電性インク１
を通って通電電流６が流れる。導電性インク１は電極
４、５間で発熱、蒸発してバブル７を発生し、急峻な体
積変化を生ずる。この体積変化は副室１０内の他の導電
性インク１に作用し、副室１０内の圧力を上昇させる。
副室１０内の圧力が上昇すると、この力により薄膜１１
が図１の破線、または図２に示すように開き、ノズル３
方向へ移動する。この薄膜の動作はバブル７の発生と同
様、極めて短い時間内に行われるため、この薄膜１１の
移動によりインク流路２内の導電性インク１に、図２に
矢印で示す圧力変化の方向８ａの方向へ圧力変化を生じ
る。圧力変化の方向８ａの方向はノズル方向であるの
で、発生した圧力変化を損失することなく、有効に導電
性インク１の吐出に利用することが可能となる。また、
副室１０内でのバブル７の発生場所に関わらず、バブル
７の体積変化が同一であれば、薄膜１１による導電性イ
ンク１の吐出のためのエネルギーは常に等しくなるの
で、安定した液滴９の生成を行うことができる。

【００１４】信号発生装置（図示せず）により電極４、
５間に印加されていた電圧がオフになると、通電電流６
は流れなくなり、導電性インク１中に発生したバブル７
は熱量を周囲の導電性インク１に奪われ速やかに消滅す
る。バブル７が消滅すると、副室１０内の圧力は減少
し、薄膜１１は副室１０とインク流路２との間の出入口
を閉じる位置へと復帰する。薄膜１１は、副室１０内が
再び導電性インク１で満たされるように、図１に示すよ
うな若干のクリアランスが存在し、副室１０とインク流
路２とを完全に遮断しないような構成とする。消費され
た導電性インク１は常時補給されるので、前記信号に応
じた液滴９が連続的に生成され、記録紙（図示せず）に
対して連続的なドット形成が行われる。

【００１５】この場合、電極４、５に交流電圧を印加す
れば、電極４、５の損耗は直流の場合と比較して皆無に
近くなる。この交流電圧は印字周波数より高い周波数を
有することが望ましい。なお、電極４および電極５は、
お互いを別々の部材で構成してもよい。

【００１６】

【発明の効果】以上説明したように本発明は、インク流
路と、このインク流路のインクを吐出するノズルと、こ
のノズルの近傍にあり、インク流路からのインク流出入
が可能な副室と、一部をインク流路壁に固定され、その
他の部分は自由であり、ノズル方向へ移動可能で、イン
ク流路と副室との出入口を開閉する薄膜とを有し、副室
に一対の電極を設け、この一対の電極に電圧を印加して
インクに通電することにより、副室内のインクを沸騰さ
せ、この副室内のインクに圧力変動を生じさせ、この圧
力変動により薄膜をノズル方向へ動作させ、この薄膜の
動作により、インクをノズルから吐出させるように構成
しているので、様々な方向を有していた副室内のインク
の圧力変化をインク吐出方向に統一することができ、従
来、吐出方向以外の圧力変化から生じていたエネルギー
損失を起こさず、インク沸騰のために加えられたエネル
ギーを、有効にインク吐出のためのエネルギーに変換す
ることができるとともに、また、沸騰によるバブルが副
室内のどの場所に発生しても、圧力変化の分布は副室内
でのみ異なるだけで、薄膜の動作によるインク流路内の
圧力分布の変化は、バブルの発生場所に関わらず同一と
なり、従来、バブルの発生場所により一定でなかったイ
ンク吐出のためのエネルギーを、常に安定して供給する
ことができる。さらに、交流通電駆動を併用すれば、ヘ
ッド寿命を飛躍的に増大させることもできる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例におけるインク吐出装置の構
成図

【図２】本発明の一実施例におけるインク吐出装置のイ
ンク吐出時の副室およびノズル周辺の要部拡大図

【図３】従来のインク吐出装置の構成図

【図４】従来のインク吐出装置のインク吐出時の電極お
よびノズル周辺の要部拡大図

【符号の説明】

１導電性インク２インク流路３ノズル４電極５電極６通電電流７バブル８ａ圧力変化の方向８ｂ圧力変化の方向８ｃ圧力変化の方向８ｄ圧力変化の方向９液滴１０副室１１薄膜

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者大坪一三大阪府門真市大字門真1006番地松下電器産業株式会社内

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】インク流路と、前記インク流路のインクを
吐出するノズルと、前記ノズルの近傍にあり、前記イン
ク流路からのインク流入出が可能な副室と、一部が前記
インク流路の壁に固定され、前記インク流路と前記副室
との出入口を開閉する薄膜と、前記副室内に設けられた
一対の電極とを備えたことを特徴とするインク吐出装
置。
【請求項２】前記電極に加えられる電圧が交流電圧であ
ることを特徴とする請求項１記載のインク吐出装置。