JPH1074538A - リチウムイオン二次電池 - Google Patents
リチウムイオン二次電池Info
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Abstract
池を提供する。 【解決手段】 集電体の両面に少なくとも正極活物質を
含有する塗膜を形成してなるシート状の正極と集電体の
両面に少なくとも負極活物質を含有する塗膜を形成して
なるシート状の負極とをセパレータを介在させて巻回し
て作製した渦巻状の電極体を有するリチウムイオン二次
電池であって、上記正極または負極の少なくとも一方の
巻回中心側の集電体の露出部分にテープを貼り付ける。
上記集電体の露出部分に貼り付けるテープの長さは最内
周部の周長より長いことが好ましく、電池形状は角型が
適している。
Description
次電池に係わり、さらに詳しくは、その電極体の構造の
改良に関する。
を図るため、金属箔などからなる集電体の両面に少なく
とも正極活物質を含有する塗膜を形成してなるシート状
の正極と金属箔などからなる集電体の両面に少なくとも
負極活物質を含有する塗膜を形成してなるシート状の負
極とをセパレータを介在させて渦巻状に巻回して作製し
た渦巻状の電極体を筒形の電池缶に挿入し、封口する構
造を採用している。
て、その巻回中心では、集電体を露出させるか、あるい
は電極をそのまま、すなわち、集電体の両面に活物質含
有塗膜を付着させた状態で巻回している。
比にもよるが、上記渦巻状電極体を角型の電池缶に挿入
しなければならないため、直線部と半円部とからなる楕
円形に近い形状にしていて、特にその巻回中心では半円
部の曲率半径が小さくなるため、電極に割れが生じ、サ
イクル特性が低下するという問題があった。
な従来技術における問題点を解決し、サイクル特性の優
れたリチウムイオン二次電池を提供することを目的とす
る。
に少なくとも正極活物質を含有する塗膜を形成してなる
シート状の正極と集電体の両面に少なくとも負極活物質
を含有する塗膜を形成してなるシート状の負極とをセパ
レータを介在させて渦巻状に巻回して作製した渦巻状の
電極体を有するリチウムイオン二次電池において、上記
正極または負極の少なくとも一方の巻回中心側の集電体
の露出部分にテープを貼り付けることによって、上記目
的を達成したものである。
側の端部にテープを貼り付けておくと、そのテープによ
って巻回中心部が弾性を持つようになるので、そのテー
プを貼り付けた部分で折り曲げると、巻き始め部分の曲
率半径が大きくなり、いわゆる押し潰されることがなく
なるので、電極の割れが防止でき、電極の割れに基づく
サイクル特性の低下を防止することができる。
上記集電体に貼り付けるテープの長さは、渦巻状電極体
の最内周部の周長、すなわち最内周部の1周の長さより
長いことが好ましい。
フィルム、ポリプロピレンフィルムなどの電解液溶媒に
対する耐性を有するポリマーのフィルムを用いることが
できる。そして、上記テープを集電体に貼り付ける際の
接着剤としては、たとえばアクリル系接着剤などの電解
液溶媒に対して耐性を有する接着剤を用いることができ
る。
mが好ましく、テープの厚さが10μmより薄くなる
と、テープの持つ弾性が充分でなく、折り曲げたときの
曲率半径も電極の割れを防止するほど大きくならず、そ
のため、テープを貼り付けたことによる効果が低下し、
また、テープの厚さが300μmより厚くなると、電池
内容積中でテープの占める割合が大きくなって、活物質
の充填量が少なくなり、電池容量が小さくなるおそれが
ある。
の最内周部の周長より長いことが好ましいが、数値的に
は、電池の大きさなどを考慮して、通常5〜100mm
の範囲から選択するのが好ましい。テープの幅は電極の
集電体の幅と同程度、好ましくは、集電体の幅の50%
以上であればよい。
は、正極、負極のいずれか一方でもよく、また、両方で
あってもよい。
とえば、リチウムコバルト酸化物、リチウムニッケル酸
化物、リチウムマンガン酸化物(これらは、通常、それ
ぞれ、LiCoO2 、LiNiO2 、LiMnO2 など
で表すが、これらのLiとNiの比、LiとCoの比、
LiとMnの比は化学量論組成からずれている場合が多
い)などのリチウム含有複合金属酸化物が単独でまたは
2種以上の混合物として、あるいはそれらの固溶体とし
て用いられる。ただし、正極活物質はこれらのみに限定
されることはなく、他のものであってもよい。
極活物質に、必要に応じ、たとえばりん状黒鉛、アセチ
レンブラック、カーボンブラックなどの電子伝導助剤
や、たとえばポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオ
ロエチレン、エチレンプロピレンジエンゴム(EPD
M)などのバインダーを添加することができる。
み、必要に応じて、電子伝導助剤やバインダーを含んで
溶剤に溶解または分散させることによって調製された塗
料を集電体に塗布し、乾燥して、集電体上に少なくとも
正極活物質を含有する塗膜を形成する工程を経て作製さ
れる。ただし、正極の作製方法は上記方法に限られるこ
となく、他の方法を採用してもよい。
は、たとえばリチウム含有化合物が用いられるが、その
リチウム含有化合物としては、たとえば乱層構造を有す
る炭素材料、黒鉛、タングステン酸化物、リチウム鉄複
合酸化物などが挙げられる。これらは製造時にはリチウ
ムを含んでいないものもあるが、負極活物質として作用
するときには、化学的手段、電気化学的手段などにより
リチウムを含有した状態になる。
要に応じ、たとえばりん状黒鉛、アセチレンブラック、
カーボンブラックなどの電子伝導助剤を添加し、さら
に、たとえばポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオ
ロエチレン、エチレンプロピレンジエンゴムなどのバイ
ンダーを加え、さらに溶剤を加え、混合して塗料を調製
し、その塗料を集電体に塗布し、乾燥して、塗膜を形成
する工程を経て作製される。ただし、負極の作製方法は
上記方法に限られることなく、他の方法を採用してもよ
い。
ては、正極活物質、負極活物質の種類によっても異なる
が、正極活物質としてリチウムコバルト酸化物(LiC
oO 2 )を用い、負極活物質として黒鉛を用いた場合、
正極活物質/負極活物質=1.8〜2.8(重量比)で
あることが好ましい。
する際の塗布方法としては、たとえば、押出しコータ
ー、リバースローラー、ドクターブレードなどをはじ
め、各種の塗布方法を採用することができる。
電極の集電体としては、たとえば、アルミニウム、ステ
ンレス鋼、チタン、銅などの金属の網、パンチドメタ
ル、エキスパンドメタル、フォームメタル、箔などが用
いられる。
トキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、プロピレン
カーボネート、エチレンカーボネート、γ−ブチロラク
トン、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、ジ
エチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、エチル
メチルカーボネートなどの単独または2種以上の混合溶
媒に、たとえばLiCF3 SO3 、LiC4 F9 S
O3 、LiClO4 、LiPF6 、LiBF4 などの電
解質の1種または2種以上を溶解させた有機電解液が用
いられる。
〜50μmで、開孔率30〜70%の微多孔性ポリプロ
ピレンフィルムまたは微多孔性ポリエチレンフィルムな
どが好適に用いられる。
されたシート状の正極とシート状の負極との間にセパレ
ータを介在させて渦巻状に巻回して作製した渦巻状電極
体などを、ニッケルメッキを施した鉄やステンレス鋼製
の電池缶内に挿入し、封口する工程を経て作製される。
また、上記電池には、通常、電池内部に発生したガスを
ある一定圧力まで上昇した段階で電池外部に排出して、
電池の高圧下での破裂を防止するための防爆機構が取り
入れられる。
することを目的として開発されたものであるが、円筒形
の電池に適用してもよい。
に説明する。ただし、本発明はそれらの実施例のみに限
定されるものではない。
CoO2 で示すが、LiとCoとの比は化学量論組成か
ら若干ずれている場合が多い)を用い、正極の作製を行
った。
ト酸化物91重量部と電子伝導助剤としてのりん状黒鉛
6重量部と結着剤としてのポリフッ化ビニリデン3重量
部とをN−メチルピロリドンの存在下で混合することに
よって調製した。
は、まず、フッ化ビニリデンをN−メチルピロリドンに
溶解し、その溶液に正極活物質のリチウムニッケル酸化
物と電子伝導助剤としてのりん片状黒鉛を加え、さらに
N−メチルピロリドンを加えて粘度を約10000mP
a・sに調整することによって行った。
さ20μmのアルミニウム箔上にのせ、一定のスリット
(隙間)を設けた塗布機で塗料を擦り切り塗布し、つい
で、乾燥した。同様に、このアルミニウム箔の裏面にも
上記塗料を塗布し、100℃で真空乾燥した。この電極
体をプレスし、厚さ約170μmのシート状正極を作製
した。ただし、上記塗料の塗布にあたっては、集電体と
なるアルミニウム箔の一方の端部から36mm長の部分
には塗料を塗布せずアルミニウム箔を露出させておい
た。
が270mm×54mmの長方形状になるように切断
し、その巻回時に巻回中心側となる端部から32mmの
位置に当たる集電体(アルミニウム箔)の露出部分にア
ルミニウム製のタブを溶接し、かつ上記シート状正極の
巻回中心側の端部の集電体(アルミニウム箔)の露出部
分に厚さ50μmで長さ15mmのポリイミドフィルム
からなるテープをアクリル系接着剤で貼り付けた。
つつ説明する。図1は上記シート状正極の巻回中心側の
端部を模式的に示すものであり、1aは上記シート状の
正極1の集電体であり、1bはその集電体1aに形成さ
れた活物質含有塗膜で、この活物質含有塗膜1bの形成
されている部分がいわゆるシート状正極1の本体部分に
相当し、図1に示されている集電体1aはシート状正極
1における集電体の露出部分に相当する。
り、前述したように、この図1に示す集電体1aはシー
ト状正極1における集電体の露出部分に相当し、その長
さは36mmである。
部から32mmの位置にはアルミニウム製のタブ1cが
溶接によって取り付けられ、その巻回中心側の端部には
厚さ50μmで長さ15mmのポリイミドフィルムから
なるテープ1dが貼り付けられている。なお、上記集電
体1aの巻回中心側の端部から32mmという位置はタ
ブ1cの中心で測った位置である。
状負極とをセパレータを介在させて渦巻状に巻回して渦
巻状電極体を作製し、その渦巻状電極体を角型の電池缶
に挿入することができるように楕円径に近い形状にする
ため、渦巻状電極体を押圧するが、上記テープ1dを貼
り付けた部分がその折曲点となる。
部の周長は約14mmになり、上記テープ1dの長さは
15mmなので、テープ1dの長さの方が渦巻状電極体
の最内周部の周長より1mm長い。
であり、その巻回中心側の端部を模式的に示している。
い、バインダーとしてポリフッ化ビニリデンを用いて、
それらを下記の割合で含む塗料を調製した。 人造黒鉛(2800℃で合成) 90重量部 ポリフッ化ビニリデン 10重量部
フッ化ビニリデンをN−メチルピロリドンに溶解し、そ
の溶液に人造黒鉛を添加し、混合することにより行っ
た。
電体として用いる厚さ10μmの銅箔の両面に前記正極
の場合と同様に塗布し、乾燥して活物質含有塗膜を形成
し、その後、ロールプレスして、全厚160μmのシー
ト状の負極を作製した。なお、正極と負極の活物質の重
量比は2:1となるようにした。また、このシート状負
極の一方の端部の集電体(銅箔)を露出させた部分には
ニッケル製のタブを溶接した。
混合溶媒(混合比は体積比で1:3)にLiPF6 を1
mol/l溶解して有機溶媒系の電解液を調製した。
い、角型電池(サイズ:17mm×10mm×65m
m)を組み立てた。
側を巻回中心側とし、負極は前記のニッケル製タブを溶
接した側を巻き終わり側とし、これらの正極と負極との
間に厚さ25μmで開孔率40%の微多孔性ポリエチレ
ンフィルムからなるセパレータを介在させて渦巻状に巻
回して渦巻状電極体を作製し、その渦巻状電極体を押圧
して楕円形に近い形状にした後、ステンレス鋼製の電池
缶に挿入した。上記電池缶は横断面が17mm×10m
mの長方形状の筒形容器からなるものであり、渦巻状電
極体は一旦ほぼ円形に作製した後、上記のように押圧し
て断面が長方形状の電池缶に挿入できるように楕円形に
近い形状にしている。
電池缶の上部側面に溶接し、電池缶の上部に絶縁板を挿
入し、正極のアルミニウム製タブの延長部と電池蓋の正
極端子とを溶接した後、上記電池蓋を電池缶の開口部に
挿入し、電池蓋の外周部と電池缶の開口端部とをレーザ
溶接し、ついで、電池蓋のボディ部にあらかじめ設けて
おいた電解液注入口から前記の電解液を2ml注入し、
その後、上記電解液注入口にステンレス鋼製のプラグを
挿入し、その周囲を電池蓋のボディ部に溶接して密閉
し、図2に示す構造の角型リチウム二次電池を作製し
た。
と、1は前記の正極で、2は負極である。ただし、図2
では、煩雑化を避けるため、正極1や負極2の作製に当
たって使用した集電体としてのアルミニウム箔や銅箔な
どは図示していない。そして、3はセパレータである。
が、この正極1の最内周部が他の部分(すなわち、図2
において、中心から3周目および5周目)より薄く図示
されているのは、この最内周部には活物質含有塗膜が形
成されていないからである。そして、図3には、図2に
示す電池の渦巻状電極体(すなわち、正極1と負極2と
セパレータ3とからなる渦巻状電極体)の最内周部の正
極1のみの横断面を模式的に示しているが、正極1の最
内周部は、ほぼ半円部とほぼ直線部とからなるほぼ楕円
に近い形状をしていて、この実施例に示すものにおいて
は、集電体1aに貼り付けたテープ1dの長さが渦巻状
電極体の最内周部、すなわち、正極1の最内周部の周長
より長くなっている。
電池缶4は負極端子を兼ねている。電池缶4の底部には
ポリテトラフルオロエチレンシートからなる絶縁体5が
配置され、電池缶4の内周部にもポリテトラフルオロエ
チレンシートからなる絶縁体6が配置されていて、前記
正極1、負極2およびセパレータ3からなる渦巻状電極
体は、この電池缶4内に収容されている。
はステンレス鋼製のボディ部8にポリプロピレン製の絶
縁パッキング9を介して正極端子10を取り付けること
によって形成されていて、上記ボディ部8の外周部は前
記電池缶4の開口端部と溶接によって接合されている。
ム合金でもよい)で形成されていて、その底部はかしめ
られ、その底部に正極1のアルミニウム製タブ1c(図
1参照)の延長部である正極側のリード体11の一端が
溶接されている。そして、負極2のニッケル製タブの延
長部である負極側のリード体12は渦巻状電極体の巻き
終わり側に位置し、その一端が電池缶4の上部の内周部
に溶接されている。
正極端子10に嵌め込まれ、正極端子10の底部のかし
めによって正極端子10に固定されている。また、電池
蓋7のボディ部8には、防爆用のベント14が設けられ
ていて、電池内部の圧力が異常に上昇した際には上記ベ
ント14が開裂して電池内部のガスを電池外部に排出
し、電池の高圧下での破壊が防止できるようにされてい
る。この図2では、スペース上の関係で、上記防爆用の
ベント14の詳細な構造の図示は省略しているが、この
実施例の電池に設けられている防爆用のベント14は、
ボディ部8に直径約7mmの環状に薄肉部を形成し、電
池内部の圧力が異常に上昇した際に該薄肉部が先に開裂
して電池内部のガスを電池外部に排出することによって
電池の高圧下での破壊を防止できるようにしたものであ
る。ただし、防爆用のベント14は他の構成のものでも
よい。15はポリプロピレン製の絶縁板であり、この絶
縁板15は電池缶4内の上部に挿入されていて、電池蓋
7のボディ部8と渦巻状電極体の正極1との間を絶縁し
ている。そして、正極側のリード体11はこの絶縁板1
5のスリットを通り抜けたところで約90°ねじられ、
その先端が正極端子10に溶接されている。
この電池には電解液が注入されており、その電解液は電
池蓋7のボディ部8に設けられた電解液注入口から電池
内に注入され、その電解液の注入後、上記電解液注入口
にステンレス鋼製のプラグを挿入し、溶接によって封止
して密閉している関係で、この図2には上記電解液注入
口も図示していない。
さ15mmのポリイミドフィルムを用いた以外は、実施
例1と同様にして電池を作製した。
5mmのポリイミドフィルムを用いた以外は、実施例1
と同様にして電池を作製した。
行うための集電体の露出部分(長さ19mm)を設け
ず、集電体の露出部分の長さを17mmにした以外は、
実施例1と同様にして電池を作製した。
よび比較例1の電池について下記の充放電試験を行い、
その容量を測定した。
合、700mAを1Cとして充放電を行った。充電は1
Cの電流制限回路を設けて4.1Vの定電圧で行い、放
電は電池の電極間電圧が2.75Vに低下するまで行っ
た。1サイクル後、10サイクル後、100サイクル後
および300サイクル後の容量を表1に示す。
例1に比べて、サイクル数が増加した時の容量が大き
く、サイクル特性が優れていた。
クル特性の優れたリチウムイオン二次電池を提供するこ
とができた。
の巻回前の状態を模式的に示す図である。
的に示す縦断面図である。
状電極体の最内周部の一例を模式的に示す横断面図であ
る。
Claims (3)
- 【請求項1】 集電体の両面に少なくとも正極活物質を
含有する塗膜を形成してなるシート状の正極と集電体の
両面に少なくとも負極活物質を含有する塗膜を形成して
なるシート状の負極とをセパレータを介在させて巻回し
て作製した渦巻状電極体を有するリチウムイオン二次電
池であって、上記正極または負極の少なくとも一方の巻
回中心側の集電体の露出部分にテープを貼り付けたこと
を特徴とするリチウムイオン二次電池。 - 【請求項2】 集電体の露出部分に貼り付けたテープの
長さが渦巻状電極体の最内周部の周長より長いことを特
徴とする請求項1記載のリチウムイオン二次電池。 - 【請求項3】 形状が角型である請求項1または2記載
のリチウムイオン二次電池。
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