JPH1073533A - 共存呈色物を含む固相の呈色物定量方法 - Google Patents

共存呈色物を含む固相の呈色物定量方法

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JPH1073533A
JPH1073533A JP23052596A JP23052596A JPH1073533A JP H1073533 A JPH1073533 A JP H1073533A JP 23052596 A JP23052596 A JP 23052596A JP 23052596 A JP23052596 A JP 23052596A JP H1073533 A JPH1073533 A JP H1073533A
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light
color
chromaticity coordinates
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JP23052596A
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English (en)
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Shingo Hirose
信吾 廣瀬
Kyoichi Oshiro
京一 大代
Yoshinori Takahashi
好範 高橋
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Arkray Inc
Original Assignee
KDK Corp
Kyoto Daiichi Kagaku KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の呈色物定量方法に比して、正確な定量
結果が得られる、共存呈色物を含む固相の呈色物定量方
法を提供する。 【解決手段】 光源11から、定量対象である呈色物と
共存呈色物が含まれる試験紙21(固相試料)に対して
所定の分光分布を有する光を照射し、試験紙21からの
反射光の色度座標および光量を三刺激値測定装置12に
よって測定し、測定された色度座標と、予め測定された
呈色物の色度座標及び共存呈色物の色度座標及び光源1
1が出力する光の色度座標に基づき、試験紙21からの
反射光に含まれる呈色物からの反射光成分の光量を算出
し、算出した光量に基づき、呈色物の含量を求める。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、共存呈色物が含ま
れる固相内の呈色物定量方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、生物試料(尿、血液など)に
含まれる被検物質を定量するために、試験紙を用いた検
査が行われている。試験紙には、被検物質と反応して呈
色する試薬が含浸されており、当該検査時には、試験紙
を、被検試料中に短時間浸漬するか、試験紙上に被検試
料を点着することによって、試験紙内の試薬と被検物質
による呈色反応を進行させる。そして、試験紙の呈色の
程度(色)を観測することによって、被検物質の定量を
行う。被検物質の定量は、各種濃度の被検物質を含浸さ
せた際の試験紙の色が示された比色表を用いて、目視に
よって行われることが多いが、目視による定量では、同
一量の被検物質を含有する被検試料に対する定量結果
が、検査者によって異なるといったことが生ずる。特
に、被検試料に、被検物質以外の色がついた物質(共存
呈色物)が含まれていた場合、その共存呈色物の影響に
よって全く誤った定量結果が得られてしまうことがあっ
た。
【0003】このため、試験紙の色を、機器を用いて測
定することによって、共存呈色物の影響を除外して、被
検物質の定量を行うことも試みられている。たとえば、
特開平3−220445号公報には、試験紙からの反射
光に含まれる、赤色光、緑色光、青色光成分の強度を測
定し、測定した強度に基づき、共存呈色物が含まれる試
験紙内の呈色物の定量を行う技術が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述したような従来の
呈色物定量方法では、定量結果に検査者の違いによる誤
差が含まれることを防止することはできる。しかしなが
ら、従来の呈色物定量方法では、機器を用いている割に
は、測定精度が高くないといった問題があった。
【0005】そこで、本発明の課題は、従来の定量方法
に比して、正確な定量結果が得られる、共存呈色物を含
む固相の呈色物定量方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意研究を繰り返した結果、従来の呈
色物定量方法では、反射光に関する測定結果から、直
接、呈色物の量を求めていたため、定量結果がばらつい
ているということを見いだした。
【0007】すなわち、測定対象である試験紙全体から
の反射光には、呈色物からの反射光以外に、試験紙への
照射光と全く同じ分光分布を有する反射光である鏡面反
射光や、呈色物を除く部分からの反射光が含まれてい
る。従来の呈色物定量方法では、このような呈色物以外
からの反射光に関する情報を含む測定結果から、直接、
呈色物の量を求めていたため、呈色物以外からの反射光
の量(割合)が変化した場合、その変化が定量結果に反
映されてしまっていた訳である。
【0008】このため、本発明の、共存呈色物を含む固
相の呈色物定量方法では、以下に記すように、反射光の
測定結果から、呈色物の色度座標を有する光成分の大き
さに関するパラメータを算出し、算出したパラメータを
用いて、呈色物の定量を行う。
【0009】本発明による、第1の共存呈色物を含む固
相の呈色物定量方法は、定量対象である呈色物と定量対
象ではない共存呈色物が含まれる固相試料に対して所定
の分光分布を有する光を照射し、固相試料からの反射光
の色度座標を測定する測定過程と、この測定過程で測定
された色度座標と、予め測定された呈色物の色度座標及
び共存呈色物の色度座標及び所定の分光分布を有する光
の色度座標に基づき、反射光に含まれる各反射光成分の
割合を算出する割合算出過程と、この割合算出過程で算
出された割合に基づき、呈色物の含量を定める定量過程
とを備える。
【0010】すなわち、第1の共存呈色物を含む固相の
呈色物定量方法では、固相試料(試験紙)からの反射光
が、呈色物自体からの反射光と、呈色物を除く固相試料
からの反射光と、照射光と同じ色度座標を有する反射光
からなると看做して、反射光に関する測定結果から、そ
の反射光に含まれる呈色物自体からの反射光成分の割合
を求め、その割合に基づき、呈色物の定量を行う。
【0011】この第1の方法では、呈色物の含量の対数
値を、光量算出過程で算出された光量の2次式に関連づ
けた式を用いて含量を定める定量過程を採用することが
できる。
【0012】本発明による、第2の共存呈色物を含む固
相の呈色物定量方法は、被検物質と反応したときに呈色
物を生成する試薬を含む試験部と、試薬を含まない参照
試験部とを用いて、共存呈色物を含む被検試料内の被検
物質の定量を行う定量方法であって、試験部と参照試験
部にそれぞれ所定量の被検試料を含浸させる含浸過程
と、含浸過程によって被検試料が含浸された参照試験部
に対して所定の分光分布を有する光を照射し、参照試験
部からの反射光の色度座標および光量を測定する第1測
定過程と、この含浸過程によって被検試料が含浸された
試験部に対して所定の分光分布を有する光を照射し、試
験部からの反射光の色度座標および光量を測定する第2
測定過程と、第1測定過程で測定された色度座標および
光量と、予め測定された被検試料が含浸されていないと
きの参照試験部の色度座標及び共存呈色物の色度座標及
び所定の分光分布を有する光の色度座標に基づき、参照
試験部からの反射光に含まれる共存呈色物と同じ色度座
標を有する反射光成分の光量である共存呈色物光量を算
出する第1光量算出過程と、この第1光量算出過程で算
出された共存呈色物光量と、第2測定過程で測定された
色度座標および光量と、予め測定された被検物質が含浸
されていないときの試験部の色度座標と呈色物の色度座
標と共存呈色物の色度座標と所定の分光分布を有する光
の色度座標に基づき、試験部からの反射光に含まれる呈
色物と同じ色度座標を有する反射光成分の光量を算出す
る第2光量算出過程と、この第2光量算出過程で算出さ
れた光量に基づき、試験部内の呈色物の含量を定める定
量過程とを備える。
【0013】すなわち、第2の方法では、試験部からの
反射光が、呈色物自体からの反射光と、共存呈色物から
の反射光と、呈色物を除く固相試料からの反射光と、照
射光と同じ色度座標を有する反射光からなると看做され
る。第2の共存呈色物を含む固相の呈色物定量方法で
は、参照試験部からの反射光の色度座標並びに光量の測
定結果から、その反射光中に含まれる、共存呈色物に起
因した反射光成分の光量が求められ、その値を用いて
(未知数を1つ減らして)、試験部からの反射光に含ま
れる、呈色物自体からの反射光成分の光量が求められ
る。そして、その光量に基づき、定量が行われる。
【0014】第2の共存呈色物を含む固相の呈色物定量
方法では、呈色物の含量の対数値を、第2光量算出過程
で算出された光量の2次式に関連づけた式を用いて含量
を定める定量過程を採用することができる。
【0015】なお、第1あるいは第2の共存呈色物を含
む固相の呈色物定量方法では、色度座標として、どのよ
うな表色系に属するものをも用いることができる。例え
ば、国際照明委員会のRGB表色系やXYZ表色系に属
する色度座標や、MacAdamのUCS表色系に属す
る色度座標を用いることができる。また、国際照明委員
会の規定する色度座標の原刺激の代わりに、測定に関与
する呈色物の吸収極大波長または吸収極大領域を含むよ
うに設定された測光波長または測光領域の測定器の機械
刺激に基づき算出された色度座標を用いることもでき
る。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、本発明に
よる、共存呈色物を含む固相の呈色物定量方法を具体的
に説明する。
【0017】本呈色物定量方法は、共存呈色物が含まれ
る試料を対象とする定量方法であり、図1に示したよう
に、光源11と三刺激値測定装置12と情報処理装置1
3とからなる装置によって実現される。
【0018】光源11は、所定の分光分布(波長分布)
を有する光を出力する機器であり、ここでは、タングス
テンランプを用いている。三刺激値測定装置12は、国
際照明委員会(CIE)のXYZ表色系の三刺激値
(X、Y、Z)を測定する機器であり、測定結果をデジ
タルデータとして出力する機能を有する。図示したよう
に、光源11は、試験紙21に対して、その紙面の法線
とおよそ45度の角度をなす光を照射できるように配置
される。また、三刺激値測定装置12は、試験紙21か
らの反射光のうち、紙面の法線方向への反射光を受光す
るように配置される。
【0019】なお、本呈色物定量方法は、試験紙だけを
用いる方法(第1の呈色物定量方法)と、試験紙及び参
照試験紙を用いる方法(第2の呈色物定量方法)に大別
されており、第2の呈色物定量方法の実行時には、試験
紙21が配置される部分に、参照試験紙22が配置さ
れ、試験紙21からの反射光の測定とは別に、参照試験
紙22からの反射光の測定も行われる。
【0020】情報処理装置13は、いわゆる、コンピュ
ータであり、第1の呈色物定量方法実行時には、内部に
記憶された第1の呈色物定量用のプログラムに従って動
作することによって、三刺激値測定装置12からの、試
験紙21に関する三刺激値の測定結果に基づき、試験紙
21に含まれる呈色物(被検物質)の含量を算出する。
当該プログラムは、呈色物含量の算出時に、呈色物の色
度座標(xL、yL)、共存呈色物の色度座標(xR
R)、光源11が出力する光の色度座標(xW、yW
を用いるプログラムとなっており、情報処理装置13内
には、予め測定された各種試験紙に対する各色度座標が
記憶されている。
【0021】また、第2の呈色物定量方法実行時、情報
処理装置13は、内部に記憶された第2の呈色物定量用
のプログラムに従って動作する。この場合、情報処理装
置13は、三刺激値測定装置12からの、試験紙21並
びに参照試験紙22に関する三刺激値の測定結果に基づ
き、試験紙21に含まれる呈色物(被検物質)の含量を
算出する。第2の呈色物定量用のプログラムは、呈色物
含量の算出時に、呈色物の色度座標(xL、yL)、共存
呈色物の色度座標(xR、yR)、光源11が出力する光
の色度座標(xW、yW)に加えて、呈色物を含まないと
きの試験紙の色度座標(xB、yB)を用いるプログラム
となっており、情報処理装置13内には、各種試験紙に
対する色度座標(xB、yB)も記憶されている。
【0022】また、両プログラムは、試験紙21からの
反射光に含まれる、呈色物と同じ色度座標を有する反射
光成分の光量を算出し、算出した光量から、呈色物の量
を算出するプログラムとなっており、情報処理装置13
内には、算出した光量から呈色物含量を算出する際に使
用する比例係数も試験紙ごとに記憶されている。
【0023】以下、情報処理装置13による呈色物含量
の算出手順を具体的に説明する。まず、第1の呈色物定
量方法実行時における呈色物含量の算出手順を説明す
る。
【0024】第1の呈色物定量方法では、試験紙21か
らの反射光が、呈色物からの反射光と、共存呈色物から
の反射光と、照射光と同じ分光分布を有する反射光とい
った三種の光からなっていると看做される。すなわち、
実際には、試験紙21からの反射光中には、試験紙自体
からの反射光成分も含まれているのであるが、第1の呈
色物定量方法では、その反射光成分の色度座標は、照射
光の色度座標と同じであるとする。なお、市販されてい
る一般的な試験紙では、この条件がほぼ満たされてい
る。
【0025】試験紙21からの反射光が、このような3
種の光からなっていると看做した場合、その反射光(以
下、M光と略記する)の測定結果である三刺激値XM
M、ZMと、三種の光の三刺激値との間には、以下に記
す(1)〜(3)式(色の加法則)が成立する。なお、(1)〜
(3)式において、添字“L”が付してある三刺激値
(X L、YL、ZL)が、呈色物からの反射光(以下、L
光と略記する)の三刺激値を表し、添字“R”が付して
ある三刺激値(XR、YR、ZR)が、共存呈色物からの
反射光(以下、R光と略記する)の三刺激値を表してい
る。また、添字“W”が付してある三刺激値(XW
W、ZW)が照射光と同じ分光分布を有する反射光(以
下、W光と略記する)の三刺激値を表している。
【0026】
【数1】
【0027】(1)〜(3)式において、呈色物含量に直接的
に関係するパラメータは、XL、YL、ZLであるが、
R、XW等の刺激値は、直接測定できない値である。こ
のため、これらの式だけから、XL、YL、ZLを求める
ことはできない。しかし、L光の色度座標(xL
L)、R光の色度座標(xR、yR)、W光の色度座標
(xW、yW)は、予め測定しておくことが可能な値であ
る。従って、これらの値を測定しておけば、上記3式に
加えて、以下に記す(4)〜(9)式が成立することになる。
【0028】
【数2】
【0029】ここで、計算の便宜上、RL=XL+YL
L、RW=XW+YW+ZW、RR=XR+YR+ZRと置
き、(1)、(2)式を、それぞれ、(4)〜(9)式を用いて変形
すると、(10)、(11)式が得られる。また、(1)〜(3)式を
加算することにより、(12)式が得られる。
【0030】
【数3】
【0031】(10)〜(12)式において、未知数は、RL
W、RRの3個であるため、これら3式から、各Rを求
めることが出来る。具体的には、(10)式の両辺を(12)式
で割り、rA=RA/(RL+RW+RR)(A=L、W、
R)と置くと、rL+rW+rR=1が成立することにな
るため、測定された反射光の色度座標xMと、rL
R、xL、xW、xRとを関係づける(13)式が得られる。
同様に、(11)式の両辺を(12)式で割ると、測定された反
射光の色度座標yMと、rL、rR、yL、yW、yRとを関
係づける(14)式が得られる。なお、rL、rRは、図2に
示したように、L光、W光、R光、M光の色度座標を、
それぞれ、色度図上の点L、W、R、Mで表したとき
に、点Wと点Mを結ぶ直線と、線分LRとの交点である
点Pによる線分LRの分割位置(線分LPの長さ:線分
PRの長さ=rR:rL)を示すデータとなっている。
【0032】
【数4】
【0033】(13)、(14)式中、未知数は、rL、rRの2
個であるので、これらの式から、r L、rRの値を求める
ことができる。すなわち、(17)式に示した行列演算を実
行すれば、rL、rRを算出することができる。また、r
L=RL/(RL+RW+RR)という関係式と、(12)式と
から、RLを、rL、XM、YM、ZMで表す(18)式が得ら
れる。
【0034】
【数5】
【0035】従って、(17)、(18)式を用いることによっ
て、実測値であるXM、YM、ZMと、予め測定可能な値
であるxR、yR、xL、yL、xW、yWとから、呈色物の
量と最も密接に関連するデータであるRL(=XL+YL
+ZL)が得られることになる。情報処理装置13内で
は、このような手順で、試験紙21からの反射光(M
光)に含まれる、呈色物単体からの反射光(L光)と同
じ色度座標を有する反射光成分の光量(大きさ)が求め
られる。そして、情報処理装置13は、関係式LOG
(C)=αRL 2+βRL+γを用いることによって、呈
色物含量Cを算出する。なお、当該関係式(比例係数
α、β、γ)は、共存呈色物を含まず、異なる量の呈色
物(被検物質)を含ませた複数の試験紙の反射光測定を
行い、その測定結果から上記手順によって得られたRL
と呈色物含量との対応関係に基づき、予め決定した式で
ある。
【0036】このように、第1の呈色物定量方法では、
試験紙からの反射光の刺激値の測定結果に基づき、呈色
物と同じ色度座標を有する光成分の光量が求められ、そ
の光量を用いて呈色物の定量が行われる。このため、第
1の呈色物定量方法によれば、共存呈色物の存在による
影響を補償した形で、定量が行えることになるととも
に、試験紙の表面状態や乾燥の程度の違いに起因して、
W光の割合が変化した場合にも、呈色物の正確な定量が
行えることになる。
【0037】ここで、RL(=XL+YL+ZL)が、W光
の割合に依存しないパラメータであることを実験結果を
用いて示しておく。以下に記す実験結果は、濾紙に、濃
度の異なる色素(青色1号)を点着し、点着後、10
秒、15分、30分経過時における三刺激値を測定する
ことによって得られたものである。また、xR、yRとし
て、濾紙自体の反射光の色度座標を用いて、RLの算出
を行っている。
【0038】図3に、三刺激値測定装置12による、実
際の測定値(色度座標)y(=YM/(XM+YM+ZM))と
色素濃度との対応関係を示す。なお、図3では、本方法
による定量精度との比較が容易に行えるように、色度座
標yの絶対値ではなく、濃度が0mg/lの試料に対す
る値が“0”に、濃度が500mg/lの試料に対する
値が“100”となるように、係数a、bを定めた値a
y+bを示してある。
【0039】色素点着後の経過時間が変わると、反射光
中に含まれるW光成分の割合が変化するため、図示した
ように、同一濃度の試料に対するay+bの値は、経過
時間によって大きく異なることになる。
【0040】これに対し、RLを色素濃度に対してプロ
ットすると、図4に示したように、各経過時間における
濃度−RL特性のバラツキは、図3に示した濃度−y特
性のバラツキに比して小さいものとなる。なお、図4の
縦軸に示した値は、濃度が500mg/lの試料に対す
る値が“100”となるように、RLを規格化した値で
ある。
【0041】このように、本方法によって求められるR
Lは、呈色物以外からの反射光成分の大きさの違いの影
響を受けないものとなっており、本方法によれば、従来
の方法に比して、高い精度で、呈色物の定量が行えるこ
とになる。
【0042】なお、図4に示した各計算値RLを、濃度
の対数に対してプロットすると、図5に示したようにな
る。図から明かなように、濃度CとRLとは、濃度の対
数値が、RLの一次式(あるいは二次式)によって近似
できる関係を有している。このため、本方法では、前述
したように、関係式LOG(C)=αRL 2+βRL+γ
を用いて、呈色物含量Cを求めている。
【0043】次に、第2の呈色物定量方法実行時におけ
る呈色物含量の算出手順を説明する。第2の呈色物定量
方法では、試験紙と参照試験紙とを用いて、呈色物の定
量が行われる。参照試験紙としては、被検物質との反応
によって呈色する試薬を含まず、被検試料が含浸されて
いない状態では、試験紙と同じ色を呈するものが用いら
れる。
【0044】第2の呈色物定量方法を実践する際、検査
者は、まず、参照試験紙に対して、被検試料を点着し、
参照試験紙の反射光の三刺激値を測定する。参照試験紙
に関する測定結果XMR、YMR、ZMRを受けた情報処理装
置13は、それらの値と、共存呈色物の反射光(R光)
の色度座標(xR、yR)、光源11(W光)の色度座標
(xW、yW)、参照試験紙自体からの反射光(B光:試
験紙からの反射光と同じ色度座標を有する)の色度座標
(xB、yB)とから、(20)ないし(23)式を用いて、R光
の刺激値であるXR、YR、ZRを求める。
【0045】
【数6】
【0046】なお、上記各式は、(17)、(18)式と同様
に、色の加法則から導き出されるものであるので、これ
らの式の導出手順に関する説明は省略する。参照試験紙
に対する測定を終えた後、検査者は、試験紙に対して、
被検試料を点着し、試験紙の反射光の三刺激値を測定す
る。参照試験紙に関する測定結果X M、YM、ZMを受け
た情報処理装置13は、それらの値と、(21)〜(23)式に
よって求めたXR、YR、ZRと、呈色物の反射光(L
光)の色度座標(xL、yL)、光源11(W光)の色度
座標(xW、yW)、試験紙自体からの反射光(B光)の
色度座標(xB、yB)とから、(24)ないし(27)式を用い
て、RL(=XL+YL+ZL)を求める。そして、既に説
明した関係式LOG(C)=αRL 2+βRL+γを用い
ることによって、呈色物含量Cを算出する。
【0047】
【数7】
【0048】すなわち、第2の呈色物定量方法では、試
験紙からの反射光に含まれるR光、L光、B光、W光と
いった4つの反射光成分の大きさを求めるために、参照
試験紙に関する測定結果から、(20)〜(23)式によって、
まず、R光成分の大きさ(刺激値)XR、YR、ZRが求
められる。次いで、(25)式に示したように、試験紙から
の反射光の測定結果XM、YM、ZMから、求めた各刺激
値を減ずることによって、共存呈色物が存在していなか
った場合に得られたであろう反射光の刺激値X M′、
M′、ZM′が求められる。次いで、その刺激値
M′、YM′、ZM′によって表される光を、L光、B
光、W光といった3つの反射光の和であると看做して、
その光に含まれるL光成分の大きさRL(刺激値の和
“XL+YL+ZL”)が求められる。そして、そのRL
用いて、呈色物の定量が行われる。
【0049】このように、第2の呈色物定量方法では、
L光とB光の色度座標の違いをも考慮に入れた形で、共
存呈色物が存在する状況下における目的呈色物の定量が
行われる。従って、第2の呈色物定量方法は、いかなる
測定系にも適用できる方法となっている。
【0050】なお、本呈色物定量方法を、XYZ表色系
以外の表色系(例えば、RGR表色系や、MacAda
mのUCS表色系)に属する三刺激値あるいは色度座標
を基に実行しても良いことは当然である。また、白色光
を照射する代わりに、例えば、R,G,B光を順次照射
し、各光を照射した際の反射光強度を測定することによ
って、反射光の刺激値に関する情報を得るようにするこ
とも出来る。また、本呈色物定量方法を実行する際に、
情報処理装置を用いる必要もなく、例えば、手計算によ
って、YL等を求めても良い。さらに、図2に示したよ
うに、色度図上に測定結果をプロットし、線分LP、線
分PR等の長さを実測することによって、rL等を求
め、その結果から、RL等を求めても良い。また、試験
紙からの反射光の測光結果の代わりに、透過光の測光結
果を用いても、同様の手順で、その試験紙内に含まれる
呈色物の定量を行うことができる。
【0051】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明に
よる、共存呈色物を含む固相の呈色物定量方法では、測
定された反射光から、共存呈色物からの反射光成分や鏡
面反射光成分が除去されて、呈色物の量に直接的に関連
するデータが算出される。そして、そのデータに基づ
き、呈色物の定量が行われるので、本発明の方法によれ
ば、従来の呈色物定量方法に比して、共存呈色物が存在
する試料内の呈色物含量を、高い精度で測定できること
になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による、共存呈色物を含む固相の呈色物
定量方法を実現するための装置構成を示したブロック図
である。
【図2】本発明による、共存呈色物を含む固相の呈色物
定量方法を説明するための色度図である。
【図3】測定値yの濃度依存性を示した図である。
【図4】本呈色物定量方法による算出値RLの濃度依存
性を示した図である。
【図5】本呈色物定量方法による算出値RLを濃度の対
数値に対してプロットした図である。
【符号の説明】
11 光源 12 三刺激値測定装置 13 情報処理装置 21 試験紙 22 参照試験紙

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 定量対象である呈色物と定量対象ではな
    い共存呈色物が含まれる固相試料に対して所定の分光分
    布を有する光を照射し、前記固相試料からの反射光の色
    度座標を測定する測定過程と、 この測定過程で測定された色度座標と、予め測定された
    前記呈色物の色度座標及び前記共存呈色物の色度座標及
    び前記所定の分光分布を有する光の色度座標に基づき、
    前記反射光に含まれる各反射光成分の割合を算出する割
    合算出過程と、 この割合算出過程で算出された割合に基づき、前記呈色
    物の含量を定める定量過程とを備える共存呈色物を含む
    固相の呈色物定量方法。
  2. 【請求項2】 被検物質と反応したときに呈色物を生成
    する試薬を含む試験部と、前記試薬を含まない参照試験
    部とを用いて、共存呈色物を含む被検試料内の被検物質
    の定量を行う定量方法であって、 前記試験部と前記参照試験部にそれぞれ所定量の前記被
    検試料を含浸させる含浸過程と、 前記含浸過程によって被検試料が含浸された参照試験部
    に対して前記所定の分光分布を有する光を照射し、参照
    試験部からの反射光の色度座標および光量を測定する第
    1測定過程と、 この含浸過程によって被検試料が含浸された試験部に対
    して所定の分光分布を有する光を照射し、試験部からの
    反射光の色度座標および光量を測定する第2測定過程
    と、 前記第1測定過程で測定された色度座標および光量と、
    予め測定された前記被検試料が含浸されていないときの
    前記参照試験部の色度座標及び前記共存呈色物の色度座
    標及び前記所定の分光分布を有する光の色度座標に基づ
    き、前記参照試験部からの反射光に含まれる前記共存呈
    色物と同じ色度座標を有する反射光成分の光量である共
    存呈色物光量を算出する第1光量算出過程と、 この第1光量算出過程で算出された共存呈色物光量と、
    前記第2測定過程で測定された色度座標および光量と、
    予め測定された前記被検物質が含浸されていないときの
    前記試験部の色度座標及び前記呈色物の色度座標及び前
    記所定の分光分布を有する光の色度座標に基づき、前記
    試験部からの反射光に含まれる前記呈色物と同じ色度座
    標を有する反射光成分の光量を算出する第2光量算出過
    程と、 この第2光量算出過程で算出された光量に基づき、前記
    試験部内の呈色物の含量を定める定量過程とを備える共
    存呈色物を含む固相の呈色物定量方法。
  3. 【請求項3】 前記定量過程が、呈色物の含量の対数値
    を、前記光量算出過程で算出された光量の2次式に関連
    づけた式を用いて含量を定める過程であることを特徴と
    する請求項1記載の共存呈色物を含む固相の呈色物定量
    方法。
  4. 【請求項4】 前記定量過程が、呈色物の含量の対数値
    を、前記第2光量算出過程で算出された光量の2次式に
    関連づけた式を用いて含量を定める過程であることを特
    徴とする請求項2記載の共存呈色物を含む固相の呈色物
    定量方法。
  5. 【請求項5】 前記色度座標が、国際照明委員会のRG
    B表色系に属する色度座標であることを特徴とする請求
    項1ないし請求項4のいずれかに記載の共存呈色物を含
    む固相の呈色物定量方法。
  6. 【請求項6】 前記色度座標が、国際照明委員会のXY
    Z表色系に属する色度座標であることを特徴とする請求
    項1ないし請求項4のいずれかに記載の共存呈色物を含
    む固相の呈色物定量方法。
  7. 【請求項7】 前記色度座標が、MacAdamのUC
    S表色系に属する色度座標であることを特徴とする請求
    項1ないし請求項4のいずれかに記載の共存呈色物を含
    む固相の呈色物定量方法。
  8. 【請求項8】 前記色度座標が、国際照明委員会の規定
    する色度座標の原刺激の代わりに、測定に関与する呈色
    物や共存呈色物の吸収極大波長または吸収極大領域を含
    むように設定された測光波長または測光領域の測定器の
    機械刺激に基づき算出された色度座標であることを特徴
    とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の共存
    呈色物を含む固相の呈色物定量方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR20020032453A (ko) * 2002-02-19 2002-05-03 강구태 색채측정 및 비교장치
WO2010091539A1 (zh) * 2009-02-10 2010-08-19 致茂电子股份有限公司 光源测量方法及光源测量系统

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