JPH1073135A - デュアルモードドラムブレーキ - Google Patents

デュアルモードドラムブレーキ

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JPH1073135A
JPH1073135A JP9165651A JP16565197A JPH1073135A JP H1073135 A JPH1073135 A JP H1073135A JP 9165651 A JP9165651 A JP 9165651A JP 16565197 A JP16565197 A JP 16565197A JP H1073135 A JPH1073135 A JP H1073135A
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shoe
strut
lever
anchor
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直樹 藪崎
Masaharu Oba
正晴 大庭
Mitsuyasu Mizuno
光康 水野
Kenichi Hasegawa
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Hosei Brake Industry Co Ltd
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    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 パーキングレバーを長くしながらケーブルを
ホイールシリンダとは反対側から引き出し得るデュアル
モードドラムブレーキを提供する。 【解決手段】 パーキングレバー38を、ブレーキシュ
ー14のホイールシリンダ22側の部分において連結ピ
ン36によりバッキングプレート10に直角な軸線まわ
りの相対回動可能に中間レバー34に連結し、パーキン
グレバー38に大きなレバー比で第1ストラット28を
移動させるとともにケーブル40を下方側部分から取り
出す。パーキングブレーキ時にパーキングレバー38が
連結ピン36の軸線まわりにブレーキシュー12側へ回
動させられれば、第1ストラット28、パーキングレバ
ー38、中間レバー34、第2ストラット44を介して
ブレーキシュー12,14が互いに離間させられ、つれ
回りトルクの作用時にサーボ効果による大きな制動力を
生ずる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、サービスブレーキ
時(常用ブレーキ時)にはリーディングトレーリング式
ブレーキとして機能し、パーキングブレーキ時にはデュ
オサーボ式ブレーキとして機能するデュアルモードドラ
ムブレーキの改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】リーディングトレーリング式ドラムブレ
ーキは、一般に、(A)バッキングプレートと、(B)
一対のピストンを備えたホイールシリンダと、(C)ア
ンカと、(D)2つのブレーキシューとを備え、車両の
サービスブレーキ(走行中の車両を減速させるためのブ
レーキ)として広く用いられている。バッキングプレー
トは、概して円板状を成し、車輪と一体的に回転するブ
レーキドラムの開口に対向する状態で回転不能に設けら
れ、ホイールシリンダは、概して両端が開口した円筒状
を成し、バッキングプレートの外周部に軸方向がほぼバ
ッキングプレートの周方向と一致する姿勢で設けられ、
両端の開口からそれぞれ突出可能な一対のピストンを備
えている。また、アンカは、バッキングプレートのホイ
ールシリンダの固定位置とは直径方向に隔たった位置に
固定され、2つのブレーキシューは、それらホイールシ
リンダとアンカとにそれぞれの両端部が対向する状態
で、バッキングプレートに、そのバッキングプレートに
平行な方向に移動可能に支持される。制動時には、一対
のピストンがホイールシリンダから互いに逆向きに突出
させられ、2つのブレーキシューがそれぞれ、一端部が
アンカに当接したままの状態で、車輪と共に回転するブ
レーキドラムに押し付けられ、車輪の回転が抑制され
る。
【0003】このようなリーディングトレーリング式ド
ラムブレーキの一種として、パーキングブレーキ(車両
駐車時に使用されるブレーキ)時にはデュオサーボによ
る比較的大きな制動作用が得られるようにしたデュアル
モードドラムブレーキが提案されている。特開平3−1
13133号公報に記載されている装置(従来例1)は
その一例であり、(a) 2つのブレーキシューの一方であ
る第1ブレーキシューとほぼ平行に配設されるととも
に、その第1ブレーキシューの中間部に、前記バッキン
グプレートと直角な第1回動軸線まわりの相対回動可能
に連結された中間レバーと、(b) その中間レバーと2つ
のブレーキシューの他方である第2ブレーキシューとの
両端部間に互いにほぼ平行に配設された一対のストラッ
トと、(c) 前記アンカ側のストラットの中間レバー側の
端部にバッキングプレートとほぼ平行な第2回動軸線ま
わりの回動可能に取り付けられ、パーキングブレーキ時
にその第2回動軸線まわりに回動させられることによ
り、そのアンカ側のストラットと中間レバーとを離間さ
せるパーキングレバーとを備えて構成されている。
【0004】また、米国特許5275260号には、上
記パーキングレバーが第2ブレーキシューとほぼ平行に
配設されるとともに、その第2ブレーキシューの一端部
すなわちアンカ側の端部にバッキングプレートに対して
直角な第2回動軸線まわりに回動可能に係止され、パー
キングブレーキ時にその第2回動軸線まわりに回動させ
られることにより、アンカ側のストラットと第2ブレー
キシューとを離間させるようにしたデュアルモードドラ
ムブレーキ(従来例2)が記載されている。
【0005】しかしながら、従来例1のデュアルモード
ドラムブレーキには、パーキングレバーを十分長くする
ことが困難である不利があった。パーキングドラムブレ
ーキにおいては、一般に、パーキングレバーの回動角度
は小さいことが望ましく、かつ、パーキングレバーのケ
ーブル連結部のストロークはできるだけ大きいことが望
ましいのに対し、従来例1に記載のデュアルモードドラ
ムブレーキにおいては、パーキングレバーを短くせざる
を得ないため、これらの要求を満たすことが困難なので
ある。ケーブルはアウタチューブ内に収容され、一端部
がパーキングレバーに連結され、他端部がイコライザ,
インタミディエイトレバー等を介してパーキングブレー
キ操作部材に連結される。アウタチューブは、一端部が
バッキングプレートに固定される一方、他端が車体に固
定され、パーキングブレーキ操作部材が操作されれば、
ケーブルがアウタチューブに対して移動し、操作力がパ
ーキングレバーに伝達される。この際、ケーブルとアウ
タチューブとが湾曲しており、かつ両者の間に半径方向
の隙間が存在することにより、アウタチューブの一端と
ケーブルの対応する部分とが相対移動しなくてもアウタ
チューブの他端とケーブルの対応する部分とが一定距離
相対移動し得、この遊びがパーキングブレーキ操作部材
に無駄な操作ストロークを生じさせる。また、ケーブル
に伸びが生ずる一方、アウタチューブに縮みが生じ、こ
れら伸びおよび縮みもパーキングブレーキ操作部材に無
駄な操作ストロークを生じさせる。これら遊び,伸びお
よび縮みの量はパーキングブレーキの構造からほぼ決ま
るものであり、パーキングブレーキ操作部材の全操作ス
トロークに占める無駄な操作ストロークの比率を小さく
し、操作ストロークの無駄を少なくすることが望まし
い。そのためには、パーキングレバーを長くし、パーキ
ングレバーのケーブル連結部の移動ストロークを大きく
して、パーキングブレーキ操作部材の全操作ストローク
に占める有効ストローク(ケーブル連結部の移動に使用
されるストローク)の比率を大きくすればよいのであ
り、また、パーキングレバーを長くすれば、パーキング
レバーの回動角度も小さくすることができる。しかしな
がら、前記従来例1に記載のパーキングブレーキにおい
ては、パーキングレバーが短く、この要求を満たすこと
ができない。従来例1に記載のパーキングブレーキにお
いてパーキングレバーは、バッキングプレートに直角な
方向に延びる姿勢で設けられているため、ブレーキドラ
ムの回転軸線に平行な方向においてブレーキドラム内に
収められる長さにしなければならず、短くせざるを得な
いのである。また、パーキングレバーが短いため、レバ
ー比、すなわちパーキングレバーの回動支点からパーキ
ングブレーキ時の操作力が加えられる力点(ケーブルの
連結部)までの距離と、パーキングレバーの回動支点か
らブレーキシューに力を作用させる作用点までの距離と
の比の設定の自由度が小さく、倍力率を大きくすること
が困難である。そのため、ケーブルおよびアウタチュー
ブに加えられる張力および圧縮力がそれぞれ大きくな
り、ケーブルおよびアウタチューブを強度の高いものと
しなければならず、重量が大きく、コストが高くなる問
題が生ずる。
【0006】一方、従来例2のデュアルモードドラムブ
レーキは、パーキングレバーがほぼ第2ブレーキシュー
に沿って延び、バッキングプレートに直角な回動軸線ま
わりに回動可能に第2ブレーキシューの一端部に係止さ
れているため、パーキングレバーを長くすることがで
き、パーキングレバーの回動角度を小さくしつつケーブ
ル連結部のストロークを大きくし、かつ、パーキングレ
バーの倍力率も大きくすることができる。しかし、パー
キングレバーのケーブル連結部がホイールシリンダ側で
あるため、そのホイールシリンダ側からケーブルを取り
出す必要があり、その配索が困難である。すなわち、ド
ラムブレーキは一般にホイールシリンダが上方側に位置
する姿勢で配置されるが、その上方側部分の車体側には
コイルスプリング等のサスペンション部品が存在したり
車体ボディが近接して位置していたりするなど、ケーブ
ルの取り廻しが困難であるため、パーキングレバーがホ
イールシリンダ側で支持され、アンカ側にケーブル連結
部が設けられることが望ましいのであるが、従来例2の
デュアルモードドラムブレーキにおいてはケーブル連結
部がホイールシリンダ側になってしまうのである。ホイ
ールシリンダがバッキングプレートの上部に限らず、側
方へずれた位置に設けられることがあっても、パーキン
グレバーのケーブル連結部がホイールシリンダ側であれ
ば、ホイールシリンダに作動流体圧を供給するための配
管等との干渉を避けつつケーブルを配索しなければなら
ず、やはりケーブルの取り廻しが困難になる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題,課題解決手段,作用お
よび効果】本発明は、以上の事情を背景として、パーキ
ングレバーを長くしながらケーブル連結部をホイールシ
リンダとは反対側に設けることができるデュアルモード
ドラムブレーキを得ることを課題として為されたもので
あり、本発明によって、下記各態様のデュアルモードド
ラムブレーキが得られる。各態様は請求項と同様に、項
に区分し、各項に番号を付し、必要に応じて他の項の番
号を引用する形式で記載する。各項に記載の特徴の主な
組合わせの可能性を明示するためである。 (1)前記(A)のバッキングプレート、(B)のホイ
ールシリンダ、(C)のアンカおよび(D)の2つのブ
レーキシューと、それら2つのブレーキシューの一方に
ほぼ沿って延び、前記ホイールシリンダに近い側の部分
に、前記バッキングプレートに直角な回動軸線のまわり
の回動支点を有し、前記アンカに近い側の自由端部にパ
ーキングケーブル連結部を有するパーキングレバーと、
そのパーキングレバーと前記2つのブレーキシューとの
間に設けられ、少なくとも前記ブレーキドラムに回転ト
ルクが作用している状態では、パーキングレバーの回動
に応じて2つのブレーキシューの前記アンカに対向する
端部同士を互いに離間させるリンク機構とを含むデュア
ルモードドラムブレーキ。(請求項1) 「それら2つのブレーキシューの一方にほぼ沿って延
び、」とは、パーキングレバーをブレーキシューと平行
に設けてもよく、僅かに傾けて設けてもよいことを意味
する。本態様のドラムブレーキにおいてサービスブレー
キ時には、ホイールシリンダへの作動流体圧(例えば、
液圧の一種である油圧)の供給により、2つのブレーキ
シューがアンカとの当接部を支点として拡開させられ、
ブレーキドラムの内周面に押し付けられて制動力が発生
する。ドラムブレーキがリーディングトレーリング式と
して作用するのである。その作用状態でパーキングブレ
ーキ操作部材が操作されれば、パーキングレバーが回動
支点を中心として回動させられるとともに、リンク機構
がドラムブレーキをリーディングトレーリング式として
作用させる状態へ作動する。この状態でサービスブレー
キ操作部材の操作が解除され、車輪に大きな回転トルク
が作用してブレーキドラムが回転すれば、2つのブレー
キシューにつれ回りトルクが作用し、回転方向において
上流側のブレーキシュー(プライマリシュー)はアンカ
から離れる一方、下流側のブレーキシュー(セカンダリ
シュー)はアンカに当接した状態を維持する。上流側の
ブレーキシューのつれ回りに伴って、リンク機構がドラ
ムブレーキをデュオサーボ式として作用させる状態へ移
行する。リンク機構が上流側のブレーキシューのつれ回
りトルクを下流側のブレーキシューに伝達する状態に移
行するのであり、それにより、下流側のブレーキシュー
はブレーキドラムの内周面に強く押し付けられ、ドラム
ブレーキがデュオサーボ式として作用することとなる。
このリーディングトレーリング式として作用する状態か
らデュオサーボ式として作用する状態への移行に伴っ
て、パーキングレバーのパーキングケーブル連結部が移
動しないように、リンク機構が構成されることが望まし
い。パーキングケーブル連結部がパーキングケーブル側
へ移動すれば、パーキングケーブルの張力が低下してパ
ーキングブレーキとしての効きが悪くなり、反対側へ移
動すればパーキングケーブルの張力が増大し、ドラムブ
レーキおよびパーキングブレーキ操作装置の構成部材に
過大な力が作用する恐れがあるからである。また、サー
ビスブレーキが作用させられていない状態でパーキング
ブレーキ操作部材が操作されれば、2つのブレーキシュ
ーはリンク機構によって互いに離間させられ、ブレーキ
ドラムの内周面に押し付けられる。この際、ドラムブレ
ーキは、リーディングトレーリング式として作用する
か、デュオサーボ式として作用するかはわからないが、
ドラムブレーキがリーディングトレーリング式として作
用している状態でブレーキドラムに、その作用状態での
制動トルクより大きい回転トルクが加えられてブレーキ
ドラムが回転すれば、2つのブレーキシューにつれ回り
トルクが作用し、回転方向において上流側のブレーキシ
ューがアンカから離れる一方、下流側のブレーキシュー
がアンカに押し付けられ、ドラムブレーキがデュオサー
ボ式として作用する状態となる。勿論、パーキングブレ
ーキ操作部材が操作されたときにドラムブレーキがデュ
オサーボ式として作用すれば、そのままデュオサーボ式
として作用し続ける。パーキングレバーはブレーキシュ
ーにほぼ沿って延びるため、これを長くしてパーキング
ケーブル連結部の移動ストロークを大きくし、パーキン
グブレーキ操作部材の全操作ストロークに占める有効ス
トロークの比率を大きくし得るとともに、パーキングレ
バーの回動角度を小さくすることができる。また、レバ
ー比、すなわちパーキングレバーの回動支点からパーキ
ングブレーキ時の操作力が加えられる力点(パーキング
ケーブル連結部)までの距離と、パーキングレバーの回
動支点からリンク機構のパーキングレバーから力が作用
する作用点までの距離との比の設定の自由度が大きくな
り、大きなレバー比を得ることが容易になる。これによ
り、パーキングブレーキ時にもリーディングトレーリン
グ式で制動力を作用させる通常のリーディングトレーリ
ング式ドラムブレーキと同程度の操作力でパーキングブ
レーキを作動させることが可能となり、デュオサーボ機
能の分だけ従来より大きな制動力が得られるようにな
る。言い換えれば、従来より小さな操作力で充分な制動
力を得ることができるようになるのであり、パーキング
ブレーキ時にケーブルにかかる力が小さくて済み、ケー
ブルを強度の高いものとしなくてもよく、ドラムブレー
キを軽量かつ安価に構成することができる。さらに、パ
ーキングレバーは、ホイールシリンダ側に近い側の部分
に回動支点を有し、パーキングケーブル連結部をアンカ
側に有するため、ホイールシリンダへの作動流体圧供給
配管やサスペンション部品等との干渉を回避しつつ、ケ
ーブルを容易に配索することができる。ホイールシリン
ダはバッキングプレートの上部に固定され、アンカは下
部に固定されることが多いが、その場合にケーブルの配
索が容易になることは勿論、ホイールシリンダおよびア
ンカがバッキングプレートの上下方向から側方へ外れた
位置に設けられる場合であっても、ケーブルを容易に配
索することができる。 (2)前記ホイールシリンダと前記アンカとが、それぞ
れ前記バッキングプレートの上部と下部とに固定され、
前記パーキングレバーが前記回動支点を上部に有し、前
記アンカに向かって垂下した姿勢で設けられた (1)項に
記載のデュアルモードドラムブレーキ。(請求項2) 本態様のドラムブレーキにおいては、パーキングレバー
に連結されるパーキングケーブルはバッキングプレート
の下側部分(アンカ側)に設けられたケーブル引出部か
ら、バッキングプレートの外へ引き出される。また、ア
ンカの2つのブレーキシューと当接する面の、アンカと
ホイールシリンダとの各中央を通り、かつバッキングプ
レートに直角な平面に対する角度であるアンカ角が0よ
り大きくされるとともに、2つのブレーキシューのアン
カに対向する側の端部同士を互いに接近させる向きに付
勢するシューリターンスプリングが設けられれば、2つ
のブレーキシューがアンカにより下方から支持される状
態となり、2つのブレーキシューの下方への位置ずれが
防止される。 (3)前記リンク機構が、前記2つのブレーキシューの
前記一方である第1ブレーキシューの中間部に中間部が
前記バッキングプレートに直角な回動軸線のまわりに回
動可能に取り付けられ、その中間部から前記ホイールシ
リンダ側へ延び出た第1アームと前記アンカ側へ延び出
た第2アームとを備え、第1アームに前記パーキングレ
バーが前記回動支点において回動可能に取り付けられた
中間レバーと、前記2つのブレーキシューの前記ホイー
ルシリンダ側の部分同士の間に掛け渡されるとともに、
前記パーキングレバーの前記回動支点より前記自由端部
側の部分と当接可能な第1ストラットと、前記中間レバ
ーの前記第2アームと前記2つのブレーキシューの他方
である第2ブレーキシューの前記アンカ側の部分との間
に掛け渡された第2ストラットとを含む (1)または (2)
項に記載のデュアルモードドラムブレーキ。(請求項
3) 第1ブレーキシューは、車両前進時におけるリーディン
グシューおよびトレーリングシューの何れであっても差
し支えない。本態様のデュアルモードドラムブレーキに
おいては、パーキングブレーキ操作部材が操作されれ
ば、パーキングレバーが回動支点のまわりに回動させら
れ、パーキングレバーから第1ストラットを介して第2
ブレーキシューのホイールシリンダ側の端部に、外側
(ブレーキドラム側)へ向かう向きの力が伝達されると
ともに、その反力により、パーキングレバーの回動支点
に外側へ向かう向きの力が加えられる。それにより中間
レバーに、第2アームが第2ブレーキシューに接近する
向きの回転トルクが加えられ、第2ストラットを介して
第2ブレーキシューのアンカ側の端部に外側へ向かう向
きの力が伝達される。この力の反力と、パーキングレバ
ーの回動支点から加えられる力とにより、中間レバーが
全体として外側へ向かう向きに押され、第1ブレーキシ
ューとの係合部を介して第1ブレーキシューに外側へ向
かう向きの力が伝達される。第1,第2ストラットおよ
び中間レバーから成るリンク機構とパーキングレバーと
により第1,第2ブレーキシューに、それらを互いに離
間させる向きの力が加えられるのである。これは、サー
ビスブレーキが作用させられている状態でパーキングブ
レーキ操作部材が操作され、その後、サービスブレーキ
操作部材の操作が解除された場合であっても、サービス
ブレーキが作用させられていない状態でパーキングブレ
ーキ操作部材が操作された場合であっても同じであり、
この状態で車輪が大きな回転トルクにより回転させられ
れば、回転方向において上流側のブレーキシューのつれ
回りトルクが第1ストラットを介して下流側のブレーキ
シューに伝達され、下流側のブレーキシューはアンカに
受けられる状態となってドラムブレーキがデュオサーボ
式として作用する。第1ストラットおよび第2ストラッ
トは、第1ブレーキシューおよび第2ブレーキシューの
拡開方向とほぼ平行となる姿勢、すなわちホイールシリ
ンダとアンカとの各中央を結ぶ直線に対してほぼ直角で
バッキングプレートとほぼ平行となる姿勢で、かつ互い
にほぼ平行となるように配設することが望ましく、ホイ
ールシリンダおよびアンカの内側部分にそれ等に近接し
て配設することが望ましい。また、デュオサーボ式とし
て作用する場合、回転方向において上流側のブレーキシ
ューのつれ回りトルクは直接第1ストラットに伝達さ
れ、第1ストラットから下流側のブレーキシューに伝達
されることが望ましく、第1ストラットおよび第2スト
ラットの長さ寸法や配設形態、中間レバーおよびパーキ
ングレバーのレバー比などは、その要求を満たすように
設定されることが望ましい。 (4)前記パーキングレバーが前記2つのブレーキシュ
ーの前記一方である第2ブレーキシューの前記ホイール
シリンダ側の部分に前記回動支点において回動可能に取
り付けられ、かつ、前記リンク機構が、前記2つのブレ
ーキシューの他方である第1ブレーキシューの中間部に
中間部が前記バッキングプレートに直角な回動軸線のま
わりに回動可能に取り付けられ、その中間部から前記ホ
イールシリンダ側へ延び出た第1アームと前記アンカ側
へ延び出た第2アームとを備えた中間レバーと、その中
間レバーの前記第1アームと、前記パーキングレバーの
前記回動支点より前記自由端部側の部分との間に掛け渡
された第1ストラットと、前記中間レバーの前記第2ア
ームと前記第2ブレーキシューの前記アンカ側の部分と
の間に掛け渡された第2ストラットとを含む (1)または
(2)項に記載のデュアルモードドラムブレーキ。第1ブ
レーキシューは、車両前進時におけるリーディングシュ
ーおよびトレーリングシューの何れであっても差し支え
ない。本態様のデュアルモードドラムブレーキにおいて
は、パーキングブレーキ操作部材が操作されれば、パー
キングレバーが回動支点のまわりに回動させられ、第1
ストラットを介して中間レバーに、第1アームが外側に
向かう向きの回転トルクが加えられるとともに、その反
力により、パーキングレバーの回動支点、すなわち第2
ブレーキシューのホイールシリンダ側の部分が外側へ向
かう向きに押される。また、中間レバーから第2ストラ
ットを介して第2ブレーキシューのアンカ側の部分に、
外側へ向かう向きの力が伝達され、その反力と第1スト
ラットから加えられる力とにより中間レバーが全体とし
て外側に向かう向きに押され、中間レバーと第1ブレー
キシューとの連結部を介して第1ブレーキシューに外側
へ向かう向きの力が伝達される。これは、サービスブレ
ーキが作用させられている状態でパーキングブレーキ操
作部材が操作され、その後、サービスブレーキ操作部材
の操作が解除された場合であっても、サービスブレーキ
が作用させられていない状態でパーキングブレーキ操作
部材が操作された場合であっても同じであり、この状態
で車輪が大きな回転トルクにより回転させられれば、回
転方向において上流側のブレーキシューのつれ回りトル
クが、第1ストラット,中間レバー等を介して下流側の
ブレーキシューに伝達され、下流側のブレーキシューは
アンカに受けられる状態となってドラムブレーキがデュ
オサーボ式として作用する。 (5)前記第1ストラットとほぼ平行に配置され、前記
第1ブレーキシューと前記第2ブレーキシューとの前記
ホイールシリンダ側の部分間に掛け渡された第3ストラ
ットを含む (4)項に記載のデュアルモードドラムブレー
キ。(請求項4) 本態様のデュアルモードドラムブレーキにおいてパーキ
ングブレーキ操作部材の操作時には、 (4)項のドラムブ
レーキにおけると同様に力が伝達されて第1,第2ブレ
ーキシューがブレーキドラムに押し付けられる。これ
は、サービスブレーキが作用させられている状態でパー
キングブレーキ操作部材が操作され、その後、サービス
ブレーキ部材の操作が解除された場合であっても、サー
ビスブレーキが作用させられていない状態でパーキング
ブレーキ操作部材が操作された場合であっても同じであ
り、この状態で車輪が大きな回転トルクにより回転させ
られれば、回転方向において上流側のブレーキシューの
つれ回りトルクが第3ストラットにより直接下流側のブ
レーキシューに伝達され、下流側のブレーキシューはア
ンカに受けられる状態となり、ドラムブレーキがデュオ
サーボ式として作用する。(4)項に記載のドラムブレー
キによれば、ストラットが2本で済むが、つれ回りトル
クが中間レバー,第2ストラット等にも加えられるた
め、それらを強度および剛性の高いものにしなければな
らないのに対し、 (5)項に記載のドラムブレーキでは、
ストラットが3本設けられるが、つれ回りトルクが第
1,第2ブレーキシューの間で第3ストラットにより直
接的に伝達されるため、中間レバー,第2ストラット等
を強度,剛性の高いものにしなくて済む。本態様では、
パーキングブレーキ操作部材の操作によってパーキング
レバーが回動させられたときに、一対のブレーキシュー
を離間させる作用を為すストラットが第1ストラット、
第1,第2ブレーキシューの間でつれ回りトルクを伝達
する作用を為すストラットが第3ストラットであり、前
記 (3)項および (4)項にそれぞれ記載のドラムブレーキ
では、第1,第3ストラットが兼用になっている。 (6)前記第3ストラットが長さ調節機構を備えた (5)
項に記載のデュアルモードドラムブレーキ。ブレーキシ
ューの摩擦材が摩耗すれば、第3ストラットが長さ調節
機構によって長くされ、非制動時における第1,第2ブ
レーキシューとブレーキドラムの内周面との間の隙間が
広くならないようにされて、ブレーキの効き遅れの発生
が回避される。 (7)前記第1ストラットが長さ調節機構を備えた (3)
または (4)項に記載のデュアルモードドラムブレーキ。
本態様のドラムブレーキにおいてもブレーキの効き遅れ
の発生が回避される。 (8)前記2つのブレーキシューを互いに接近する向き
に付勢する付勢手段を含む (1)ないし (7)項のいずれか
1つに記載のデュアルモードドラムブレーキ。サービス
ブレーキの作動時には、2つのブレーキシューは付勢手
段の付勢力に抗してホイールシリンダにより拡開させら
れ、制動解除後、付勢手段の付勢力により互いに接近す
る向きに移動させられてブレーキドラムから確実に離間
させられる。 (9)前記付勢手段が、前記2つのブレーキシューの前
記ホイールシリンダ側の部分を互いに接近する向きに付
勢する第1ばね部材と、前記2つのブレーキシューの前
記アンカ側の部分を互いに接近する向きに付勢する第2
ばね部材とを含む (8)項に記載のデュアルモードドラム
ブレーキ。 (10)前記第1ブレーキシューが前記バッキングプレ
ートにほぼ平行なシューウェブを備え、前記中間レバー
と前記パーキングレバーとがそのシューウェブを間に挟
んで互いに重なり合う状態で配設された (3)項に記載の
デュアルモードドラムブレーキ。第1ブレーキシューと
ほぼ平行に配設される中間レバーおよびパーキングレバ
ーは、第1ブレーキシューのシューウェブとほぼ重なる
ように、かつそのシューウェブを挟んで互いに反対側に
位置するように配設されるため、シューウェブから両側
(バッキングプレートに対して直角な方向)へ延び出す
シューリムのスペース内にそれら中間レバーおよびパー
キングレバーを良好に配設することが可能であり、デュ
アルモードドラムブレーキのバッキングプレートに対し
て直角な方向の寸法を従来と同程度に維持できる。 (11)前記第1ブレーキシューのシューウェブが、前
記中間レバーと前記パーキングレバーとを相対回動可能
に連結する連結ピンの貫通を許容するとともに中間レバ
ーの回動に伴う連結ピンの移動を許容する相対移動許容
部を含む(10)項に記載のデュアルモードドラムブレー
キ。中間レバーおよびパーキングレバーは、連結部材の
一種である連結ピンにより相対回動可能に連結される
が、連結ピンは、第1ブレーキシューに対して、バッキ
ングプレートに平行な方向に相対移動可能である必要が
あり、第1ブレーキシューのシューウェブには必要に応
じて切欠や開口などの相対回動許容部が設けられる。 (12)前記第1ブレーキシューが前記バッキングプレ
ートにほぼ平行なシューウェブと、第1ブレーキシュー
を前記バッキングプレートに保持させるシューホールド
ダウン装置のシューホールドダウンピンの貫通を許容す
べくシューウェブに形成されたピン穴とを備え、前記中
間レバーがそのピン穴に嵌合された中空円筒状のカラー
によりシューウェブに対して相対回動可能に取り付けら
れた (3)ないし(11)項のいずれか1つに記載のデュアル
モードドラムブレーキ。本態様によれば、シューホール
ドダウン装置を利用して中間レバーを第1ブレーキシュ
ーに安価に取り付けることができる。 (13)前記第2ストラットが、前記第2ブレーキシュ
ーと前記中間レバーとの、第1,第2ブレーキシューの
前記アンカへの2つの当接点を含み、ブレーキ中心線に
平行な平面上にほぼ位置する部分同士の間に、アンカを
迂回して掛け渡された (3)ないし(12)項のいずれか1つ
に記載のデュアルモードドラムブレーキ。(請求項5) 第1,第2ブレーキシューを構成する摩擦材が摩耗すれ
ば、例えば (6)項および (7)項のドラムブレーキにおけ
るようにストラットの長さ調節機構等により構成される
シュークリアランス調節装置によって、両ブレーキシュ
ーのホイールシリンダに対向する側の端部同士の間隔が
広くされる。そのため、第2ストラットが、上記2つの
当接点を含み、ブレーキ中心線に平行な平面から外れた
位置において中間レバーと第2ブレーキシューとに掛け
渡されていれば、摩擦材の摩耗につれて第2ストラット
と中間レバーおよび第2ブレーキシューとの間の第2ブ
レーキシューの拡開方向における遊びが大きくなり、パ
ーキングレバーの所要作動ストロークが大きくなる。そ
れに対し、第2ストラットが、第2ブレーキシューと中
間レバーとの、上記2つの当接点を含み、ブレーキ中心
線に平行な平面上にほぼ位置する部分同士の間に、アン
カを迂回して掛け渡されれば、摩擦材の摩耗につれてシ
ュークリアランス調節装置により第1,第2ブレーキシ
ューのホイールシリンダに対向する端部同士の間隔が広
くされても、第2ブレーキシューおよび中間レバーの第
2ストラットへの当接位置が殆ど変わらないため、パー
キングレバーの作動ストロークが大きくなることが回避
される。 (14)前記アンカの前記2つのブレーキシューの少な
くとも一方と当接する面の、そのアンカと前記ホイール
シリンダとの各中央を通りかつ前記バッキングプレート
に直角な面に対する傾斜角度であるアンカ角が7度以下
である (1)ないし(13)項のいずれか1つに記載のデュア
ルモードドラムブレーキ。(請求項6) デュアルモードドラムブレーキがリーディングトレーリ
ング式として作用するときには、2つのブレーキシュー
の各アンカ側の端部がアンカに当接し、その当接部を支
点として開いて摩擦材がブレーキドラムに押し付けら
れ、デュオサーボ式として作用するときには、2つのブ
レーキシューがリンク機構によって互いに離間させられ
るとともに、つれ回りトルクが作用すれば、ブレーキシ
ューの一方がアンカから離れ、他方がアンカに当接し
て、つれ回りトルクがアンカにより受けられる。そのた
め、アンカ角が大きければ、リーディングトレーリング
式として作用する場合と、デュオサーボ式として作用す
る場合とで、ブレーキシューとブレーキドラムとの間の
面圧の方向が変わる。摩擦材は、デュアルモードドラム
ブレーキがサービスブレーキとして使用されている間
に、リーディングトレーリング式にあった形状に摩耗し
ているため、ドラムブレーキがデュオサーボ式として作
用するパーキングブレーキ時には、サービスブレーキ時
とは違った部分がブレーキドラムに強く当たる傾向が生
じ、当たりが不安定になって制動力にばらつきが生ず
る。アンカ角を小さくすれば、サービスブレーキ時とパ
ーキングブレーキ時とで摩擦材のブレーキドラムへの当
たり方が近くなり、サービスブレーキ時とパーキングブ
レーキ時とでブレーキシューの面圧が最大になる部分が
ほぼ同じになって、パーキングブレーキ時におけるブレ
ーキシューのブレーキドラムへの当たり方が安定し、制
動力のばらつきが小さくなる。パーキングブレーキとし
ての作用が安定したデュアルモードドラムブレーキが得
られるのである。アンカ角は7度以下とすることが望ま
しく、5度以下とすることが特に望ましい。しかし、0
度ではセルフロック傾向が生ずるため、2度以上とする
ことが望ましく、3度以上とすることが特に望ましい。
サービスブレーキ時とパーキングブレーキ時とでブレー
キシューの面圧が最大になる部分がほぼ同じになるよう
にする手段としては、上述のようにアンカ角を小さくす
ることの他に、ホイールシリンダと、2つのブレーキシ
ューの間でつれ回りトルクを伝達するストラット( (3)
項および (4)項にそれぞれ記載のドラムブレーキにおい
ては第1ストラット、 (5)項に記載のドラムブレーキに
おいては第3ストラット)との位置を近づけ、ストラッ
トからブレーキシューへの力の入力点とホイールシリン
ダからブレーキシューへの力の入力点とを近づけるこ
と、あるいはアンカをブレーキ中心(ブレーキドラムの
中心)からより遠くの位置に設けることが考えられる
が、アンカ角を小さくすることが最も簡便な手段であ
る。アンカの2つのブレーキシューの一方と当接する面
のアンカ角を7度以下にすれば、アンカ角が7度以下で
ある面に当接するブレーキシュー側において上記効果が
得られ、アンカの2つのブレーキシューが当接する2つ
の面の各アンカ角を共に7度以下にすれば、2つのブレ
ーキシューの各側において共に上記効果が得られる。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形態
であるデュアルモードドラムブレーキの一部を切り欠い
た正面図で、図2は縦断面図、図3〜図6はそれぞれ図
1における III−III断面、IV−IV断面、V−V断面、V
I−VI断面に相当する図である。なお、これらの図に示
すドラムブレーキは右後輪用であり、左後輪用のドラム
ブレーキは、右後輪用のドラムブレーキとは、車両の前
後方向の中心線に対して左右対称に作られている。
【0009】図1において、車体に一体的に固設される
概して円板状を成すバッキングプレート10には、円弧
状を成す一対のブレーキシュー12,14が拡開可能、
すなわち図1における左右方向であって、バッキングプ
レート10に平行な方向に移動可能に支持されている。
ブレーキシュー12,14は、バッキングプレート10
と平行なシューウェブ12a,14aと、そのシューウ
ェブ12a,14aの外周側端縁に直角、すなわち断面
がT字形状を成すように固設されたシューリム12b,
14bと、そのシューリム12b,14bの外周面に固
設されたライニング12c,14cとを一体的に備えて
いるとともに、シューウェブ12a,14aの中間部分
にはそれぞれシューホールドダウン装置16,18が配
設され、バッキングプレート10に上記拡開方向への移
動可能に押圧されている。
【0010】シューホールドダウン装置18は、図5に
示されているように、バッキングプレート10に対して
直角となる姿勢で下端部がそのバッキングプレート10
に係止されたシューホールドダウンピン18aと、シュ
ーウェブ14aに相対回転可能に配設された中空円筒状
のカラー18bと、圧縮コイルスプリング18cと、シ
ューホールドダウンピン18aの上端に取り付けられた
ばね押え18dとを備えている。シューウェブ14aに
は、シューホールドダウンピン18aの貫通を許容する
ピン穴19が形成され、ピン穴19にカラー18bが嵌
合されており、圧縮コイルスプリング18cの付勢力に
よりシューウェブ14aはバッキングプレート10に向
かって付勢されている。シューホールドダウン装置16
については、カラー18bが装着されていないことを除
いてシューホールドダウン装置18と同様に構成されて
いる。
【0011】ブレーキシュー12,14のシューウェブ
12a,14aの相対向する一端部、すなわち図1にお
ける下方側の端部は、バッキングプレート10上に固設
されたアンカ20に対向させられ、当接させられるよう
になっている一方、それらのシューウェブ12a,14
aの他端部すなわち図1における上方側の端部は、同じ
くバッキングプレート10上に固設されたホイールシリ
ンダ22の両端部に対向させられている。アンカ20は
フローティング式、すなわちシューウェブ12a,14
aを離間可能に係止しており、それらのシューウェブ1
2a,14a間に配設された第2ばね部材たる引張コイ
ルスプリング24により、常にはシューウェブ12a,
14aの一端部がアンカ20に当接させられるようにな
っている。なお、本実施形態においては、アンカ20の
ブレーキシュー12,14(シューウェブ12a,14
a)と当接する面である当接面21,25の、アンカ2
0とホイールシリンダ22との各中央を通り、かつバッ
キングプレート10に直角な面に対する傾斜角度である
アンカ角は、5度とされている。
【0012】ホイールシリンダ22は、概して両端が開
口した円筒状を成し、バッキングプレート10の外周部
に軸方向がバッキングプレート10の周方向と一致する
姿勢で設けられており、その両端に、上記開口からそれ
ぞれ突出可能な一対のピストン23を備えており(図1
には一方のピストン23のみが図示されている)、シュ
ーウェブ12a,14aの上方側の端部はそれぞれ、ピ
ストン23に係合させられている。ブレーキ液圧は、ブ
レーキペダル等のサービスブレーキ操作部材の操作に従
ってホイールシリンダ22に供給されて一対のピストン
23がそれぞれ開口から突出させられ、アンカ20との
当接部を支点として両ブレーキシュー12,14の他端
部がそれぞれ外側(図の左右方向)へ離間させられるこ
とにより、車輪と一体的に回転するブレーキドラム26
の内周面にライニング12c,14cが押圧されて制動
力を発生する。すなわち、サービスブレーキ時にはリー
ディングトレーリング式ドラムブレーキとして作用する
のであり、車両前進時にはブレーキドラム26の回転方
向が図1において矢印Aで示す右まわり方向となり、右
側のブレーキシュー12がリーディングシューで左側の
ブレーキシュー14がトレーリングシューとなる。な
お、図1は車体への配設状態とほぼ同じ姿勢で、ホイー
ルシリンダ22が上方側に位置する姿勢で配置される。
ホイールシリンダ22はバッキングプレート10の上部
に固定され、アンカ20は下部に固定されているのであ
る。また、バッキングプレート10は、ブレーキドラム
26の開口に対向する状態で設けられている。
【0013】上記ブレーキシュー12,14間であって
他端部すなわち上端部付近、具体的にはホイールシリン
ダ22の内側に近接する部分には、そのホイールシリン
ダ22と平行、すなわちブレーキシュー12,14の拡
開方向と平行となる姿勢で、第1ストラット28が掛け
渡されている。第1ストラット28の両端部やシューウ
ェブ12a,14aには、第1ストラット28の上下方
向およびバッキングプレート10に直角な方向の位置ず
れや離脱を防止するために切欠が設けられている。
【0014】また、第1ストラット28のまわりには、
第1ばね部材たるリターンスプリング30が配設されて
いるとともに、その両端部は両ブレーキシュー12,1
4に掛け止められており、ホイールシリンダ22の液圧
が低下するとリターンスプリング30の付勢力に従って
両ブレーキシュー12,14は互いに接近させられ、図
3から明らかなように第1ストラット28の両端部に当
接させられて接近位置(非作用位置)が規定されるよう
になっている。第1ストラット28はねじによって伸縮
可能とされているとともに、シュー間隙自動調節機構3
2によりブレーキシュー12の移動量の増大に伴って伸
長させられ、両ブレーキシュー12,14の非作用位置
が互いに離間させられることにより、ライニング12
c,14cの摩耗に拘らずブレーキドラム26との間の
隙間が所定の範囲内に維持されるようになっている。な
お、図3ではリターンスプリング30が省略されてい
る。
【0015】ブレーキシュー14には、シューウェブ1
4aと平行に延び、バッキングプレート10とは反対側
においてシューウェブ14aに重なるように中間レバー
34が配設されている。中間レバー34は、図5に示さ
れるように、その中間部において前記シューホールドダ
ウン装置18のカラー18bに相対回動可能に嵌合さ
れ、シューウェブ14aと共に圧縮コイルスプリング1
8cの付勢力によりバッキングプレート10に向かって
付勢されている。カラー18bの中心線は、前記シュー
ホールドダウンピン18aと同様にバッキングプレート
10に対して直角であり、中間レバー34は、その中間
部において、ブレーキシュー14の中間部に、カラー1
8bの中心線であり、バッキングプレート10に直角な
軸線のまわりに回動可能に取り付けられているのであ
る。図1に示されるように、中間レバー34の中間部か
らホイールシリンダ22側へ第1アーム34aが延び出
させられ、アンカ20側へ第2アーム34bが延び出さ
せられている。第1アーム34aの延出端部はホイール
シリンダ22の近傍まで達しているとともに、パーキン
グレバー38がバッキングプレート10に直角な回動軸
線のまわりに回動可能に取り付けられている。
【0016】パーキングレバー38は、ブレーキシュー
14のシューウェブ14aと平行に延び、バッキングプ
レート10側、すなわち中間レバー34と反対側におい
てシューウェブ14aと重なるように配設されている。
中間レバー34とパーキングレバー38とが、シューウ
ェブ14aを間に挟んで互いに重なり合う状態で配設さ
れているのである。パーキングレバー38のホイールシ
リンダ22に近い側の部分には、図4に示されるよう
に、連結部材の一種である連結ピン36が前記カラー1
8bと平行、すなわちバッキングプレート10に直角に
固定されている。連結ピン36は、シューウェブ14a
に形成された開口たる挿通穴14eを貫通させられ、連
結ピン36のシューウェブ14aからの突出部に中間レ
バー34の第1アーム34aの延出端部が相対回動可能
に嵌合されている。パーキングレバー38は中間レバー
34に、連結ピン36の中心線まわりの相対回動可能に
連結されているのであり、連結ピン36がパーキングレ
バー38の回動支点を構成している。なお、パーキング
レバー38の回動支点より自由端部側の部分は、図3に
示されるように、第1ストラット28に形成された切欠
に嵌合されており、非制動時にはパーキングレバー38
と第1ストラット28との間には、第1ストラット28
の長手方向において僅かに隙間があって両者は係合して
おらず、パーキングブレーキ時に係合させられる。
【0017】パーキングレバー38の先端部(連結ピン
36が固定された側と反対側)は、中間レバー34の第
2アーム34bの延出端部付近まで達しているととも
に、先端に設けられたパーキングケーブル連結部39
(以下、連結部39と略称する)にはパーキングブレー
キ用のケーブル40が連結されている。図4から明らか
なように、連結ピン36が挿通される前記挿通穴14e
は連結ピン36の径よりも十分に大きく、シューウェブ
14aに対して連結ピン36や中間レバー34、パーキ
ングレバー38が前記カラー18bのまわりに相対回動
することが許容されている。本実施形態においては、中
間レバー34が取り付けられたブレーキシュー14が第
1ブレーキシューに相当し、反対側のブレーキシュー1
2が第2ブレーキシューに相当する。なお、ケーブル4
0は、バッキングプレート10の下側、すなわちアンカ
20側部分であって、ブレーキシュー12の近傍に設け
られたケーブル引出部41から車両前側へ引き出されて
おり、車室内等に設けられた図示しないパーキングブレ
ーキ操作レバー、足踏みペダル等のパーキングブレーキ
操作部材に連結されている。
【0018】そして、パーキングブレーキ操作部材がパ
ーキングブレーキ位置へ操作されると、パーキングレバ
ー38は連結ピン36の軸線を中心としてケーブル40
を介してブレーキシュー12側(連結ピン36の左まわ
り)へ回動させられ、パーキングブレーキ操作部材がブ
レーキ解除位置へ戻されると、パーキングレバー38は
付勢手段の一種である弾性部材としてのリターンスプリ
ング42により図1に示す原位置まで戻される。
【0019】中間レバー34の第2アーム34bの延出
端部と、ブレーキシュー12のアンカ20側の部分との
間には、前記第1ストラット28と平行な姿勢で第2ス
トラット44が掛け渡されており、この第2ストラット
44と前記第1ストラット28および中間レバー34と
がリンク機構46を構成している。第2ストラット44
には、図6に示されるように、引張コイルスプリング2
4によって両ブレーキシュー12,14の一端部が共に
アンカ20に当接することを許容するように、ブレーキ
シュー14のシューウェブ14aとの干渉を回避するた
めの切欠44aが設けられている。また、第2ストラッ
ト44の両端部やシューウェブ12a,14a、中間レ
バー34には、第2ストラット44の上下方向およびバ
ッキングプレート10に直角な方向の位置ずれや離脱を
防止するために切欠が設けられている。中間レバー34
およびブレーキシュー12と第2ストラット44との間
には、パーキングブレーキ作用時以外には第2ストラッ
ト44の長手方向において僅かに隙間がある。なお、必
要に応じてシューウェブ12aと中間レバー34との間
に引張コイルスプリングを配設し、第2ストラット44
の両端部に両者を常時当接させるようにすることも可能
である。
【0020】本実施形態のデュアルモードドラムブレー
キにおいては、サービスブレーキ時にサービスブレーキ
操作部材が操作されれば、ホイールシリンダ22に液圧
が供給されて一対のピストン23が突出させられる。そ
れによりアンカ20との当接部を支点としてブレーキシ
ュー12,14のホイールシリンダ22側の端部がそれ
ぞれ外側(図1の左右方向)へ離間させられ、ライニン
グ12c,14cがブレーキドラム26の内周面に押圧
されて制動力を発生する。ドラムブレーキがリーディン
グトレーリング式として作用させられるのである。
【0021】このようにサービスブレーキが作動させら
れ、車両が停止した状態でパーキングブレーキ操作部材
が操作されれば、ブレーキシュー12,14にブレーキ
ドラム26の内周面に押し付けられる向きの力が加えら
れる。この力の伝達を図7に基づいて説明する。なお、
図7においてドラムブレーキの各構成部材は簡略化して
図示されている。また、実際には、切欠における係合で
あってピンによる連結ではなくても、パーキングブレー
キが作用状態となったときに互いに係合させられる部分
は、ピンによる連結で示す。図7において矢印は、パー
キングレバー38に加えられる操作力の方向を示す。
【0022】パーキングブレーキ操作部材の操作によ
り、パーキングレバー38が回動支点を中心としてブレ
ーキシュー12側へ回動させられて第1ストラット28
に係合し、第1ストラット28を介してブレーキシュー
12の上端部に外側(図7における右側)へ向かう向き
の力を加えるとともに、その反力により連結ピン36が
外側(図7における左方向)へ向かう向きに押される。
それに伴って中間レバー34にシューホールドダウン装
置18のカラー18bを中心に左まわりに回動する向き
の回転トルクが加えられるとともに、中間レバー34か
ら第2ストラット44を介してブレーキシュー12の下
端部に外側(図7における右方向)へ向かう向きの力が
加えられる。その反力と上記連結ピン36から加えられ
る力とにより、中間レバー34が全体として外側に向か
う向きに押され、シューホールドダウン装置18のカラ
ー18bを介してブレーキシュー14を外側(図7にお
ける左方向)へ向かう向きに押す。一対のストラット2
8,44や中間レバー34,パーキングレバー38等に
より、ブレーキシュー12,14に、それらを拡開する
向きの力が加えられるのである。
【0023】ここでは、サービスブレーキが作用させら
れているため、パーキングブレーキ操作部材が操作さ
れ、上記のようにブレーキシュー12,14に拡開方向
の力が加えられた場合、ブレーキシュー12,14はホ
イールシリンダ22のピストン23によってブレーキド
ラム26に押し付けられ、各下端部がアンカ20に当接
したままであり、サービスブレーキ操作部材の操作が解
除された状態で車輪に回転トルクが作用しても、その回
転トルクが、ドラムブレーキがリーディングトレーリン
グ式として作用する状態における制動トルクに打ち勝た
なければ、ブレーキシュー12,14がブレーキドラム
26に押し付けられ、各下端部がアンカ20に当接した
状態に保たれる。上記制動トルクを超える回転トルクが
車輪に作用し、制動力が不足してブレーキドラム26が
回転すれば、ドラムブレーキがデュオサーボ式として作
用する。
【0024】例えば、ブレーキドラム26が図1に矢印
Aで示す前進方向に回転してブレーキシュー12,14
に前進方向の大きなつれ回りトルクが作用すれば、ブレ
ーキシュー12はアンカ20に当接させられた状態に保
たれるが、ブレーキシュー14がブレーキドラム26と
一緒にまわってアンカ20から離れ、ブレーキシュー1
4のシューウェブ14aが第1ストラット28に当接
し、ブレーキシュー14のつれ回りトルクが直接第1ス
トラット28に伝達され、第1ストラット28から直接
ブレーキシュー12に伝達される。ブレーキシュー12
は、ブレーキシュー14から伝達されるつれ回りトルク
と、自身のつれ回りトルクとをアンカ20に伝達する。
そのため、ブレーキシュー12には、サーボ効果による
大きな制動力が得られ、車輪の回転が強固に止められ
る。左側のブレーキシュー14がプライマリシューとし
て、右側のブレーキシュー12がセカンダリシューとし
てそれぞれ機能し、ドラムブレーキがデュオサーボ式と
して作用するのである。
【0025】なお、ブレーキシュー12,14につれ回
りトルクが作用して、ドラムブレーキがリーディングト
レーリング式として作用する状態から、デュオサーボ式
として作用する状態に移行するとき、パーキングレバー
38の連結部39が実質的に移動しないように、中間レ
バー34,パーキングレバー38のレバー比を始め、各
構成部材の寸法が定められており、ケーブル40の張力
が増大したり減少したりすることなくデュオサーボ状態
への移行が行われる。さらに、ブレーキシュー14のシ
ューウェブ14aに設けられた前記挿通穴14eは、ド
ラムブレーキが上記のようにデュオサーボ式として作用
する場合に連結ピン36と干渉しない大きさに設定され
ている。
【0026】サービスブレーキが作用させられていない
状態においてパーキングブレーキ操作部材が操作されれ
ば、ブレーキシュー12,14の各上部および下部には
それぞれ、前述のように、ブレーキドラム26に押圧さ
れる向きの力が加えられ、各部のうち、動き易い部分が
動いてブレーキシュー12,14がブレーキドラム26
の内周面に押圧される。この状態でブレーキドラム26
が前進方向または後退方向に回転し、ブレーキシュー1
2,14に大きなつれ回りトルクが作用すれば、ブレー
キシュー12または14がアンカ20に当接した状態と
なり、ドラムブレーキがデュオサーボ式として作用す
る。
【0027】上記パーキングレバー38はブレーキシュ
ー14に沿って平行に配設されているため、パーキング
レバー38を長くして連結部39の移動ストロークを大
きくし、パーキングブレーキ操作部材の全操作ストロー
クに占める有効ストローク(連結部39の移動に使用さ
れるストローク)の比率を大きくし得るとともに、パー
キングレバー38の回動角度を小さくすることができ
る。また、パーキングレバー38は、そのブレーキシュ
ー14のシューウェブ14aのホイールシリンダ側の端
部付近において、バッキングプレート10に対して直角
となる回動軸線、すなわち連結ピン36の中心線まわり
の相対回動可能に中間レバー34に連結されているた
め、レバー比、すなわち連結ピン36からケーブル40
の連結位置である力点(連結部39)までの距離と、連
結ピン36からパーキングレバー38の第1ストラット
28との係合位置である作用点までの距離との比、の設
定の自由度が大きくなり、大きなレバー比を得ることが
容易になる。これにより、パーキングブレーキ時にもリ
ーディングトレーリング式で制動力を作用させる通常の
リーディングトレーリング式ドラムブレーキと同程度の
操作力でパーキングブレーキを作用させることが可能と
なり、デュオサーボ機能の分だけ従来より大きな制動力
が得られるようになる。言い換えれば、従来より小さな
操作力で充分な制動力を得ることができるようになるの
であり、パーキングブレーキ時にケーブル40にかかる
力が小さくて済み、ケーブル40を強度の高いものとし
なくてもよく、ドラムブレーキを軽量かつ安価に構成す
ることができる。
【0028】また、パーキングレバー38はブレーキシ
ュー14の他端部付近、すなわちホイールシリンダ22
側の端部付近で中間レバー34に連結されているため、
パーキングレバー38を回動させるためのケーブル40
を連結する連結部39がアンカ20側となり、パーキン
グブレーキ時にもリーディングトレーリング式で制動力
を作用させる従来のリーディングトレーリング式ドラム
ブレーキとほぼ同様にケーブル40を容易に配索でき
る。
【0029】さらに、ブレーキシュー14と平行に配設
される中間レバー34およびパーキングレバー38は、
ブレーキシュー14のシューウェブ14aとほぼ重なる
ように、かつそのシューウェブ14aを挟んで互いに反
対側に位置するように配設されているため、シューウェ
ブ14aから両側(バッキングプレート10に対して直
角な方向)へ延び出すシューリム14bのスペース内に
それら中間レバー34およびパーキングレバー38を良
好に配設することが可能であり、バッキングプレート1
0に対して直角な方向の寸法を従来と同程度に維持でき
る。
【0030】本発明の別の実施形態を図8ないし図11
に基づいて説明する。本実施形態のドラムブレーキにお
いては、パーキングレバー60がブレーキシュー14に
取り付けられ、中間レバー62がブレーキシュー12に
取り付けられている。本実施形態においては、中間レバ
ー62が取り付けられたブレーキシュー12が第1ブレ
ーキシューに相当し、ブレーキシュー14が第2ブレー
キシューに相当する。なお、前記実施形態のドラムブレ
ーキの構成要素と実質的に同じ作用を成す構成要素につ
いては、同一の符号を付して対応関係を示し、説明を省
略する。
【0031】パーキングレバー60は、図9に示すよう
に、ブレーキシュー14のシューウェブ14aに対して
バッキングプレート10とは反対側に配設され、シュー
ウェブ14aに沿って延びている。パーキングレバー6
0の一端部は、ホイールシリンダ22の近傍まで達して
おり、その一端部は、シューウェブ14aのホイールシ
リンダ22側の端部に連結されている。シューウェブ1
4aには、連結部材たる連結ピン64がバッキングプレ
ート10に直角に嵌合されるとともに、連結ピン64の
シューウェブ14aからの突出端部にパーキングレバー
60が相対回動可能に嵌合されている。パーキングレバ
ー60の連結ピン64に嵌合される嵌合穴の中心が、パ
ーキングレバー60の回動支点を構成している。
【0032】パーキングレバー60の他端部(下端部)
は、シューホールドダウン装置68を越え、アンカ20
に向かって垂下させられている。シューホールドダウン
装置68は、前記実施形態のシューホールドダウン装置
16と同様に構成されている。パーキングレバー60の
下端部には、連結部72が設けられるとともに、パーキ
ングブレーキ用のケーブル74が連結されている。ケー
ブル74が、バッキングプレート10の下側に設けられ
たケーブル引出部41から引き出されて、パーキングブ
レーキ操作部材に連結されていることは、前記実施形態
と同じである。符号76は付勢手段の一種である弾性部
材たるリターンスプリングであり、操作部材の非操作時
にパーキングレバー60を図8に示す原位置へ戻す。な
お、ケーブル74には長さ調節装置(図示省略)が設け
られており、ケーブル74の長さを調節することによ
り、パーキングレバー60の原位置が調節される。図9
においては、ケーブル74およびリターンスプリング7
6の図示が省略されている。
【0033】中間レバー62は、ブレーキシュー12の
シューウェブ12aに対してバッキングプレート10と
は反対側に配設され、ブレーキシュー12のシューウェ
ブ12aと平行に延びている。中間レバー62は、その
中間部においてブレーキシュー12の中間部に連結され
ている。ブレーキシュー12をバッキングプレート10
に押圧するシューホールドダウン装置78は、前記シュ
ーホールドダウン装置18と同様に構成され、図10に
示すように、シューホールドダウンピン78aと、カラ
ー78bと、圧縮コイルスプリング78cと、ばね押え
78dとを備えており、中間レバー62はその中間部に
おいてカラー78bに相対回動可能に嵌合され、カラー
78bの中心線である回動軸線であって、バッキングプ
レート10に直角な回動軸線まわりに相対回動可能にシ
ューウェブ12aに連結されている。中間レバー62
は、その中間部からホイールシリンダ22側へ延び出た
第1アーム62aと、アンカ20側へ延び出た第2アー
ム62bとを備えている。
【0034】中間レバー62の第1アーム62aと、パ
ーキングレバー60の回動支点より自由端部側の部分と
の間には、図8に示すように、第1ストラット80が掛
け渡されている。第1ストラット80の両端部や第1ア
ーム62aおよびパーキングレバー60には、第1スト
ラット80のバッキングプレート10に直角な方向およ
び上下方向の位置ずれや離脱を防止するために切欠など
が設けられている。パーキングブレーキの非作用時であ
って、パーキングレバー60が原位置に位置するとき、
第1アーム62aおよびパーキングレバー60と第1ス
トラット80との間には、第1ストラット80の長手方
向において隙間がある。
【0035】上記中間レバー62の第2アーム62bと
ブレーキシュー14のアンカ20側の部分との間には、
第2ストラット90が掛け渡されている。第2ストラッ
ト90の一端部は、ブレーキシュー14のアンカ20側
の端部に、連結部材たる連結ピン92により、バッキン
グプレート10に直角な回動軸線まわりに相対回動可能
に連結されている。シューウェブ14aの、ブレーキシ
ュー12,14のアンカ20への2つの当接点を含み、
ブレーキ中心線に平行な平面上に位置する部分には、連
結ピン92が嵌合され、連結ピン92のシューウェブ1
4aからの突出部に第2ストラット90が相対回動可能
に嵌合されている。第2ストラット90の一端部は、シ
ューウェブ14aの、ブレーキシュー12,14のアン
カ20への2つの当接点を含み、ブレーキ中心線に平行
な平面上に位置する部分に相対回動可能に連結されてい
るのである。
【0036】第2ストラット90はシューウェブ14a
に、バッキングプレート10に直角な方向においてシュ
ーウェブ14aとの間に隙間のない状態で連結されてお
り、シューウェブ14aに連結された部分より他端部側
は、シューウェブ14aから離れる向きに屈曲させられ
た後、バッキングプレート10に平行な姿勢にされると
ともに湾曲させられ、アンカ20を上側から迂回して中
間レバー62の第2アーム62bの下端部に嵌合させら
れている。図10に示すように、第2アーム62bの下
端部には、バッキングプレート10に直角に、かつバッ
キングプレート10から離れる向きに屈曲させられると
ともに、ブレーキシュー12,14のアンカ20への2
つの当接点を含み、ブレーキ中心線に平行な平面上に位
置する係合部94が設けられている。これら係合部94
および第2ストラット90の他端部にはそれぞれ切欠が
形成されており、第2ストラット90および係合部94
は、各切欠において互いに嵌合され、第2ストラット9
0のバッキングプレート10に直角な方向および上下方
向の位置ずれや離脱が防止されるとともに、ブレーキシ
ュー12,14のアンカ20への2つの当接点を含み、
ブレーキ中心線に平行な平面上において互いに嵌合され
ている。なお、パーキングブレーキ時以外には、係合部
94と第2ストラット90との間には、第2ストラット
90の長手方向において隙間があり、ブレーキシュー1
2のアンカ20への当接を許容する。
【0037】上記ブレーキシュー12,14の間であっ
て、上端部近傍、すなわちホイールシリンダ22に近接
する部分には、前記第1ストラット80と平行に第3ス
トラット110が掛け渡されており、この第3ストラッ
ト110と前記第1,第2ストラット80,90および
中間レバー62とがリンク機構108を構成している。
第3ストラット110の両端部やシューウェブ12a,
14aには、第3ストラット110のバッキングプレー
ト10に直角な方向および上下方向の位置ずれや離脱を
防止するために切欠などが設けられている。なお、パー
キングレバー60は、図9に示すように、第1ストラッ
ト80が掛け渡される部分がシューウェブ14aから離
れる側へ曲げ起こされているが、第3ストラット110
に対応する部分もシューウェブ14aから離れる側へ曲
げ起こされて第3ストラット110と当接しないように
されている。図10には、ブレーキシュー12のシュー
ウェブ12a,シューホールドダウン装置78,中間レ
バー62,第1,第2,第3の各ストラット80,9
0,110およびアンカ20が取り出されて図示されて
いる。
【0038】第3ストラット110のまわりには、第1
ばね部材たるリターンスプリング112が配設されてい
るとともに、その両端部はブレーキシュー12,14に
掛け止められている。ホイールシリンダ22の液圧が低
下するとリターンスプリング112の付勢力によりブレ
ーキシュー12,14は互いに接近させられ、第3スト
ラット110の両端部に当接させられて接近位置(非作
用位置)が規定される。第3ストラット110はねじに
より伸縮可能とされており、シュー間隙自動調節機構1
14によりブレーキシュー12の移動量の増大に伴って
伸長させられ、両ブレーキシュー12,14の非作用位
置が互いに離間させられる。
【0039】ブレーキシュー12の移動量の増大に伴っ
て第3ストラット110が伸び、ブレーキシュー12,
14の各非作用位置が外方(ブレーキドラム26側)へ
ずれれば、パーキングブレーキの非作動時における中間
レバー62,パーキングレバー60の位置も外方へず
れ、両者の間の距離が長くなり、中間レバー62および
パーキングレバー60と第1ストラット80との間の第
1ストラット80の長手方向における隙間(遊び)が増
大する。そのため、長さ調節機構による調節によってケ
ーブル74の長さが短くされ、パーキングレバー60の
原位置がブレーキシュー12側(ケーブル引出部41
側)へずらされて、ブレーキシュー12,14の各非作
用位置が外方へずれても、パーキングレバー60および
中間レバー62と第1ストラット80との間の隙間が大
きくなってパーキングレバー60の作動ストロークが大
きくならないようにされる。
【0040】以上のように構成されたドラムブレーキに
おいてサービスブレーキ操作部材が操作されれば、前記
実施形態におけると同様にブレーキシュー12,14が
拡開させられ、ライニング12c,14cがブレーキド
ラム26の内周面に押圧されて、ブレーキドラムがリー
ディングトレーリング式として作用させられる。車両が
停止し、サービスブレーキが作用させられたままの状態
でパーキングブレーキ操作部材が操作された場合の力の
伝達を図11に基づいて説明する。パーキングブレーキ
操作部材の操作により、パーキングレバー60が連結ピ
ン64のまわりにブレーキシュー12側へ回動させられ
て第1ストラット80に係合し、第1ストラット80を
介して中間レバー62に、第1アーム62aが外向きに
向かう向きの回転トルクを加える。その反力により連結
ピン64、すなわちブレーキシュー14のホイールシリ
ンダ22側の部分が外側へ向かう向きに押される。ま
た、中間レバー62から第2ストラット90を介してブ
レーキシュー14の下部に外側へ向かう向きの力が加え
られるとともに、その反力と前記第1ストラット80か
ら加えられる力とにより、中間レバー62が全体として
外側に向かう向きに押され、シューホールドダウン装置
78のカラー78bを介してブレーキシュー12を外側
へ向かう向きに押す。
【0041】ここでは、サービスブレーキが作用させら
れているため、パーキングブレーキ操作部材が操作され
ても、ブレーキシュー12,14の各下端部はアンカ2
0に当接したままである。その後、サービスブレーキ操
作部材の操作が解除された状態で車輪に回転トルクが作
用しても、その回転トルクが、ドラムブレーキがリーデ
ィングトレーリング式として作用する状態における制動
トルクに打ち勝たなければ、ブレーキシュー12,14
がブレーキドラム26に押し付けられ、各下端部がアン
カ20に当接した状態に保たれる。上記制動トルクを超
える回転トルクが車輪に作用し、制動力が不足してブレ
ーキドラム26が回転すれば、ドラムブレーキがデュオ
サーボ式として作用する。
【0042】例えば、ブレーキドラム26が図8に矢印
Aで示す前進方向に回転してブレーキシュー12,14
に前進方向の大きなつれ回りトルクが作用すれば、ブレ
ーキシュー12はアンカ20に当接させられた状態に保
たれるが、ブレーキシュー14がブレーキドラム26と
一緒にまわってアンカ20から離れ、ブレーキシュー1
4のつれ回りトルクが第3ストラット110により直接
的にブレーキシュー12に伝達される。ブレーキシュー
12は、ブレーキシュー14から伝達されるつれ回りト
ルクと自身のつれ回りトルクとをアンカ20に伝達し、
ドラムブレーキはデュオサーボ式として作用する。ドラ
ムブレーキがリーディングトレーリング式として作用す
る状態からデュオサーボ式として作用する状態に移行す
るとき、パーキングレバー60の連結部72が実質的に
移動しないように、パーキングレバー60,中間レバー
62のレバー比を始め、各構成部材の寸法が定められて
いることは前記実施形態と同じである。また、サービス
ブレーキが作用させられていない状態でパーキングブレ
ーキ操作部材が操作されれば、上記のように伝達される
力によってブレーキシュー12,14はブレーキドラム
26に押圧され、その状態でブレーキドラム26が前進
方向または後退方向に回転し、ブレーキシュー12,1
4に大きなつれ回りトルクが作用すれば、ブレーキシュ
ー12または14がアンカ20に当接した状態となり、
ドラムブレーキはデュオサーボ式として作用する。
【0043】前記各実施形態においてはブレーキシュー
12,14の間にストラット28,110が掛け渡さ
れ、パーキングブレーキ時にドラムブレーキがデュオサ
ーボ式として作用するとき、ブレーキシュー12,14
間のつれ回りトルクの伝達がストラット28,110に
より直接的に行われるようになっていたが、ストラット
のみならず中間レバーをも介して伝達されるようにして
もよい。例えば、図12に示すデュアルモードドラムブ
レーキのように、ブレーキシュー14と中間レバー12
2との間に第1ストラット124を掛け渡すのである。
第1ストラット124,前記第2ストラット90および
中間レバー122がリンク機構128を構成しているの
であり、中間レバー122が取り付けられたブレーキシ
ュー12が第1ブレーキシューに相当し、ブレーキシュ
ー14が第2ブレーキシューに相当する。なお、図8な
いし図11に示す実施形態のデュアルモードドラムブレ
ーキの構成要素と実質的に同じ作用を成す構成要素につ
いては、同一の符号を付して対応関係を示し、説明を省
略する。
【0044】ブレーキシュー14のシューウェブ14a
のホイールシリンダ22側の端部には、パーキングレバ
ー120の一端部がバッキングプレート10に直角な回
動軸線のまわりに回動可能に連結されている。シューウ
ェブ14aには連結部材たる連結ピン126がバッキン
グプレート10に直角に嵌合されるとともに、連結ピン
126のシューウェブ14aからの突出端部にパーキン
グレバー120が相対回動可能に嵌合されているのであ
り、パーキングレバー120の連結ピン126に嵌合さ
れる嵌合穴の中心がパーキングレバー120の回動支点
を構成している。
【0045】パーキングレバー120はシューウェブ1
4aに沿って延び、シューウェブ14aに平行な姿勢で
シューホールドダウン装置68を越えてアンカ20に向
かって垂下させられ、その下端部に設けられた連結部1
30にケーブル132が連結されている。符号134は
付勢手段の一種である弾性部材たるリターンスプリング
であり、パーキングブレーキ操作部材がブレーキ解除位
置へ戻されると、パーキングレバー120はリターンス
プリング134により図12に示す原位置まで戻され
る。
【0046】中間レバー122の中間部は、前記中間レ
バー62と同様に、シューホールドダウン装置78のカ
ラー78bに相対回動可能に嵌合され、シューウェブ1
2aの中間部にバッキングプレート10に直角な軸線ま
わりに相対回動可能に取り付けられている。中間レバー
122は、その中間部からホイールシリンダ22側へ延
び出させられた第1アーム122aとアンカ20側へ延
び出させられた第2アーム122bとを備えている。第
2アーム122bの延出端部には、前記実施形態の中間
レバー62の係合部94と同様の係合部138が設けら
れ、第2ストラット90に嵌合されている。
【0047】第1アーム122aとパーキングレバー1
20の回動支点より自由端部側の部分との間に前記第1
ストラット124が掛け渡されている。第1ストラット
124はねじによって伸縮可能とされており、その一端
部には、図13に示すように、シューウェブ14aが嵌
合されるとともに、パーキングレバー120が対向させ
られており、他端部には中間レバー122の第1アーム
122aおよびシューウェブ12aが嵌合されている。
第1ストラット124の両端部にはそれぞれ切欠が形成
されるとともに、シューウェブ14aおよび第1アーム
122aにもそれぞれ切欠が形成され、第1ストラット
124のバッキングプレート10に直角な方向および上
下方向の位置ずれや離脱が防止されている。
【0048】第1ストラット124のまわりには、第1
ばね部材たるリターンスプリング144が配設されると
ともに、その両端部はブレーキシュー12,14に掛け
止められており、非制動時には、図13に示すように、
シューウェブ14aと中間レバー122の第1アーム1
22aとが第1ストラット124に当接させられ、ブレ
ーキシュー12,14の非作用位置が規定されている。
ブレーキシュー12の非作用位置は、中間レバー122
を介して規定されているのである。また、パーキングレ
バー120と第1ストラット124との間には、パーキ
ングブレーキ時以外には第1ストラット124の長手方
向において僅かな隙間がある。
【0049】本実施形態のドラムブレーキにおいてサー
ビスブレーキ時には、ブレーキシュー12,14はホイ
ールシリンダ22によりアンカ20との当接部を支点と
して拡開させられ、ライニング12c,14cがブレー
キドラム26の内周面に押圧されて制動力を発生し、ド
ラムブレーキがリーディングトレーリング式として作用
する。このようにサービスブレーキが作用させられた状
態でパーキングブレーキ操作部材が操作された場合の力
の伝達を図14に基づいて説明する。まず、パーキング
レバー120が回動させられ、パーキングレバー120
から第1ストラット124を介して中間レバー122
に、第1アーム122aが外側へ向かう向きの回転トル
クが加えられるとともに、その反力により連結ピン12
6、すなわちブレーキシュー14のホイールシリンダ2
2側の部分が外側へ向かう向きに押される。また、中間
レバー122から第2ストラット90を介してブレーキ
シュー14に外方へ向かう向きの力が加えられるととも
に、その反力と前記第1ストラット124から加えられ
る力とにより、中間レバー122が全体として外側に向
かう向きに押され、シューホールドダウン装置78のカ
ラー78bを介してブレーキシュー12に外方へ向かう
向きの力が加えられる。
【0050】ここでは、サービスブレーキが作用させら
れているため、パーキングブレーキ操作部材が操作され
ても、ブレーキシュー12,14の各下端部はアンカ2
0に当接したままである。その後、サービスブレーキ操
作部材の操作が解除された状態で車輪に回転トルクが作
用しても、その回転トルクが、ドラムブレーキがリーデ
ィングトレーリング式として作用する状態における制動
トルクに打ち勝たなければ、ブレーキシュー12,14
がブレーキドラム26に押し付けられ、各下端部がアン
カ20に当接した状態に保たれる。上記制動トルクを超
える回転トルクが車輪に作用し、制動力が不足してブレ
ーキドラム26が回転すれば、ドラムブレーキがデュオ
サーボ式として作用する。
【0051】例えば、ブレーキドラム26が図12にお
いて矢印Aで示す前進方向に回転し、ブレーキシュー1
2,14に大きなつれ回りトルクが作用すれば、ブレー
キシュー14が回転してアンカ20から離れるととも
に、ブレーキシュー14から第1ストラット124,中
間レバー122等を経てブレーキシュー12にブレーキ
シュー14のつれ回りトルクが伝達される。ブレーキシ
ュー12はアンカ20に当接したままであり、ブレーキ
シュー12,14のつれ回りトルクはアンカ20により
受けられ、ドラムブレーキはデュオサーボ式として作用
する。
【0052】ドラムブレーキがリーディングトレーリン
グ式として作用する状態からデュオサーボ式として作用
する状態に移行するとき、パーキングレバー60の連結
部72が実質的に移動しないように、パーキングレバー
120,中間レバー122のレバー比を始め、各構成部
材の寸法が定められていることは前記実施形態と同じで
ある。また、サービスブレーキが作用させられていない
状態でパーキングブレーキ操作部材が操作されれば、上
記のように伝達される力によってブレーキシュー12,
14はブレーキドラム26に押圧され、その状態でブレ
ーキドラム26が前進方向または後退方向に回転し、ブ
レーキシュー12,14に大きなつれ回りトルクが作用
すれば、ブレーキシュー12または14がアンカ20に
当接した状態となり、ドラムブレーキはデュオサーボ式
として作用する。
【0053】このようにブレーキシュー14のつれ回り
トルクが第1ストラット124,中間レバー122等を
経てブレーキシュー12に伝達され、つれ回りトルクに
基づく大きな力が中間レバー122,第2ストラット9
0等に加えられるため、それらをを強度および剛性の高
いものとすることが必要である。それに対し、前記図8
ないし図11に示す実施形態のドラムブレーキにおいて
は、ブレーキシュー12,14間におけるつれ回りトル
クの伝達が第3ストラットにより直接的に行われるた
め、中間レバー122,第2ストラット90等を強度お
よび剛性の高いものとしなくて済む。
【0054】図8ないし図11に示すドラムブレーキお
よび図12ないし図14に示すドラムブレーキにおいて
はいずれも、パーキングレバー60,120と中間レバ
ー62,122とがそれぞれ、別々のブレーキシューに
取り付けられており、2つのブレーキシューがそれぞれ
支持する質量のアンバランスが回避される。また、ドラ
ムブレーキの設計,組立が容易である利点もある。
【0055】図8ないし図11に示すドラムブレーキお
よび図12ないし図14に示すドラムブレーキにおいて
はそれぞれ、第2ストラット90は、ブレーキシュー1
2,14のアンカ20への2つの当接点を含み、ブレー
キ中心線に平行な平面上において、ブレーキシュー14
および中間レバー62,122に連結、嵌合されるため
に、湾曲させられてアンカ20の上側を通り、アンカ2
0を迂回させられていたが、第2ストラットを湾曲させ
ることは不可欠ではない。例えば、図15および図16
に示すように、アンカ20のバッキングプレート10と
は反対側の側方に直線状の第2ストラット150を配設
してアンカ20を迂回させてもよい。ブレーキシュー1
4のシューウェブ14aに連結部材たる連結ピン152
をバッキングプレート10に直角に固定する。連結ピン
152は段付状を成し、第2ストラット150は、連結
ピン152の小径部154に相対回動可能に嵌合され、
止め輪156により抜出しを防止されるとともに、連結
ピン152の大径部158により、シューウェブ14a
との間に、アンカ20との干渉を回避するのに十分な隙
間が確保されている。第2ストラット150の他端部に
は、図8ないし図11に示す実施形態のドラムブレーキ
におけると同様に、中間レバー62が係合部94におい
て嵌合されている。なお、係合部94は、アンカ20を
側方から迂回した第2ストラット150に嵌合されるの
に十分な長さ(バッキングプレート10に直角な方向の
寸法)を有するものとされている。
【0056】また、図17に示すように、第2ストラッ
ト170をアンカ20のバッキングプレート10とは反
対側の側方に配設し、アンカ20との干渉を回避すると
ともに、第2ストラット170の両端部を屈曲させても
よい。シューウェブ14aには連結部材たる連結ピン1
72が嵌合されるとともに、連結ピン172のシューウ
ェブ14aからの突出端部に第2ストラット170の一
端部が嵌合され、止め輪174によって抜出しを防止さ
れており、シューウェブ14aとの間にバッキングプレ
ート10に直角な方向の隙間なく連結されている。ま
た、第2ストラット170の他端部は、中間レバー62
に設けられた係合部94に嵌合されている。第2ストラ
ット170の中間レバー62に嵌合される側の端部は中
間レバー62側へ屈曲させられており、その端部と中間
レバー62との、バッキングプレート10に直角な方向
のずれが少なくて済む。
【0057】以上、本発明の幾つかの実施形態を図面に
基づいて詳細に説明したが、本発明は他の態様で実施す
ることもできる。例えば、前記実施形態ではシューホー
ルドダウン装置18,78を利用して中間レバー34,
62,122をブレーキシュー14,12に連結してい
たが、シューホールドダウン装置18,78とは別に専
用の連結ピンなどを配設して連結することも可能であ
る。
【0058】また、図1ないし図7に示す実施形態にお
いても、図8ないし図17に示す各実施形態におけると
同様に、第2ストラットを中間レバー34とブレーキシ
ュー12との、ブレーキシュー12,14のアンカ20
への2つの当接点を含み、ブレーキ中心線に平行な平面
上に位置する部分同士の間に、アンカ20を迂回して掛
け渡してもよい。
【0059】その他、特許請求の範囲を逸脱することな
く、当業者の知識に基づいて種々の変形,改良を施した
態様で本発明を実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態であるデュアルモードドラ
ムブレーキの一部を切り欠いた正面図である。
【図2】図1に示すドラムブレーキの縦断面図である。
【図3】図1における III− III断面図である。
【図4】図1におけるIV−IV断面図である。
【図5】図1におけるV−V断面図である。
【図6】図1におけるVI−VI断面図である。
【図7】図1に示すドラムブレーキのパーキングブレー
キ時の作動を説明するための略図である。
【図8】本発明の別の実施形態であるデュアルモードド
ラムブレーキの一部を切り欠いた正面図である。
【図9】図8に示すドラムブレーキの縦断面図である。
【図10】図8に示すドラムブレーキの中間レバーをブ
レーキシューと共に示す側面図である。
【図11】図8に示すドラムブレーキのパーキングブレ
ーキ時の作動を説明するための略図である。
【図12】本発明の更に別の実施形態であるデュアルモ
ードドラムブレーキの一部を切り欠いた正面図(一部断
面)である。
【図13】図12におけるXIII-XIII 断面図である。
【図14】図12に示すドラムブレーキのパーキングブ
レーキ時の作動を説明するための略図である。
【図15】本発明の更に別の実施形態であるデュアルモ
ードドラムブレーキの第2ストラットをアンカと共に示
す平面図である。
【図16】図15に示す第2ストラットおよびアンカを
示す正面図である。
【図17】本発明の更に別の実施形態であるデュアルモ
ードドラムブレーキの第2ストラットをアンカと共にを
示す平面図である。
【符号の説明】
10:バッキングプレート 12,14:ブレーキシ
ュー 14a:シューウェブ 18b:カラー
20:アンカ 22:ホイールシリンダ 28:第1ストラット 34:中間レバー 36:
連結ピン 38:パーキングレバー 44:第2ス
トラット 46:リンク機構 60:パーキングレ
バー 62:中間レバー 80:第1ストラット
90:第2ストラット 108:リンク機構 1
10:第3ストラット 120:パーキングレバー
122:中間レバー 124:第1ストラット
128:リンク機構 150,170:第2ストラッ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 水野 光康 愛知県豊田市和会町道上10番地 豊生ブレ ーキ工業株式会社内 (72)発明者 長谷川 賢一 愛知県豊田市和会町道上10番地 豊生ブレ ーキ工業株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 概して円板状を成し、車輪と一体的に回
    転するブレーキドラムの開口に対向する状態で回転不能
    に設けられるバッキングプレートと、 概して両端が開口した円筒状を成し、バッキングプレー
    トの外周部に軸方向がほぼバッキングプレートの周方向
    と一致する姿勢で設けられ、両端の開口からそれぞれ突
    出可能な一対のピストンを備えたホイールシリンダと、 前記バッキングプレートのホイールシリンダの固定位置
    とは直径方向に隔たった位置に固定されたアンカと、 それらホイールシリンダとアンカとにそれぞれの両端部
    が対向する状態で、前記バッキングプレートに、そのバ
    ッキングプレートに平行な方向に移動可能に支持された
    2つのブレーキシューと、 それら2つのブレーキシューの一方にほぼ沿って延び、
    前記ホイールシリンダに近い側の部分に、前記バッキン
    グプレートに直角な回動軸線のまわりの回動支点を有
    し、前記アンカに近い側の自由端部にパーキングケーブ
    ル連結部を有するパーキングレバーと、 そのパーキングレバーと前記2つのブレーキシューとの
    間に設けられ、少なくとも前記ブレーキドラムに回転ト
    ルクが作用している状態では、パーキングレバーの回動
    に応じて2つのブレーキシューの前記アンカに対向する
    端部同士を互いに離間させるリンク機構とを含むことを
    特徴とするデュアルモードドラムブレーキ。
  2. 【請求項2】 前記ホイールシリンダと前記アンカと
    が、それぞれ前記バッキングプレートの上部と下部とに
    固定され、前記パーキングレバーが前記回動支点を上部
    に有し、前記アンカに向かって垂下した姿勢で設けられ
    た請求項1に記載のデュアルモードドラムブレーキ。
  3. 【請求項3】 前記リンク機構が、 前記2つのブレーキシューの前記一方である第1ブレー
    キシューの中間部に中間部が前記バッキングプレートに
    直角な回動軸線のまわりに回動可能に取り付けられ、そ
    の中間部から前記ホイールシリンダ側へ延び出た第1ア
    ームと前記アンカ側へ延び出た第2アームとを備え、第
    1アームに前記パーキングレバーが前記回動支点におい
    て回動可能に取り付けられた中間レバーと、 前記2つのブレーキシューの前記ホイールシリンダ側の
    部分同士の間に掛け渡されるとともに、前記パーキング
    レバーの前記回動支点より前記自由端部側の部分と当接
    可能な第1ストラットと、 前記中間レバーの前記第2アームと前記2つのブレーキ
    シューの他方である第2ブレーキシューの前記アンカ側
    の部分との間に掛け渡された第2ストラットとを含む請
    求項1または2に記載のデュアルモードドラムブレー
    キ。
  4. 【請求項4】 前記パーキングレバーが前記2つのブレ
    ーキシューの前記一方である第2ブレーキシューの前記
    ホイールシリンダ側の部分に前記回動支点において回動
    可能に取り付けられ、かつ、前記リンク機構が、 前記2つのブレーキシューの他方である第1ブレーキシ
    ューの中間部に中間部が前記バッキングプレートに直角
    な回動軸線のまわりに回動可能に取り付けられ、その中
    間部から前記ホイールシリンダ側へ延び出た第1アーム
    と前記アンカ側へ延び出た第2アームとを備えた中間レ
    バーと、 その中間レバーの前記第1アームと、前記パーキングレ
    バーの前記回動支点より前記自由端部側の部分との間に
    掛け渡された第1ストラットと、 前記中間レバーの前記第2アームと前記第2ブレーキシ
    ューの前記アンカ側の部分との間に掛け渡された第2ス
    トラットと、 前記第1ストラットとほぼ平行に配置され、前記第1ブ
    レーキシューと前記第2ブレーキシューとの前記ホイー
    ルシリンダ側の部分間に掛け渡された第3ストラットと
    を含む請求項1または2に記載のデュアルモードドラム
    ブレーキ。
  5. 【請求項5】 前記第2ストラットが、前記第2ブレー
    キシューと前記中間レバーとの、第1,第2ブレーキシ
    ューの前記アンカへの2つの当接点を含み、ブレーキ中
    心線に平行な平面上にほぼ位置する部分同士の間に、ア
    ンカを迂回して掛け渡された請求項3または4に記載の
    デュアルモードドラムブレーキ。
  6. 【請求項6】 前記アンカの前記2つのブレーキシュー
    の少なくとも一方と当接する面の、そのアンカと前記ホ
    イールシリンダとの各中央を通りかつ前記バッキングプ
    レートに直角な面に対する傾斜角度であるアンカ角が7
    度以下である請求項1ないし5のいずれか1つに記載の
    デュアルモードドラムブレーキ。
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