JPH0527719Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案はドラムブレーキ用パーキングレバーに
関するものである。

従来の技術 円弧状かつ板状を成すシユーウエブをそれぞれ
有し、バツキングプレート上において互いに拡開
可能に設けられた一対のブレーキシユーと、その
バツキングプレート上に設けられ、そのブレーキ
シユーのシユーウエブの一端がシユーリターンス
プリングの付勢力に従つてそれぞれ突き当てられ
る当接部材と、そのブレーキシユーのシユーウエ
ブ間に架け渡されたストラツトと、前記ブレーキ
シユーのうちの一方のブレーキシユーにシユーウ
エブにそれに重なる状態で回動可能に設けられ、
パーキングブレーキ操作力が加えられて回動させ
られることにより、前記ストラツトを介して他方
のブレーキシユーを外周側へ押し出すとともに、
その反力で前記一方のブレーキシユーを外周側へ
押し出す長手板状のパーキングレバーとを備えた
形式のドラムブレーキが知られている。

考案が解決しようとする課題 しかしながら、上記パーキングレバーは、通
常、それに突設されたピンがシユーウエブに形成
された取付穴に所定の間〓を有して嵌め入れられ
た状態で、あるいは、シユーウエブに突設された
ピンがパーキングレバーに形成された取付穴に所
定の間〓を有して嵌め入れられた状態でシユーウ
エブに回動可能に取り付けられているため、パー
キングレバーにがたつきを生ずることが避け難
く、このパーキングレバーのがたつきに起因し
て、たとえば、パーキングブレーキ操作ストロー
クが不要に大きくなつたり、車両走行中の振動に
伴つてパーキングレバーのがたつき音が発生した
りする場合があつた。

本考案は以上の事情を背景として為されたもの
であつて、その目的とするところは、がたつきが
好適に防止されたドラムブレーキ用パーキングレ
バーを提供することにある。

課題を解決するための手段 上記目的を達成するために、本考案は、円弧状
かつ板状を成すシユーウエブをそれぞれ有し、バ
ツキングプレート上において互いに拡開可能に設
けられた一対のブレーキシユーと、そのバツキン
グプレート上に設けられ、そのブレーキシユーの
シユーウエブの一端がシユーリターンスプリング
の付勢力に従つてそれぞれ突き当てられる当接部
材と、そのブレーキシユーのシユーウエブ間に架
け渡されたストラツトとを備えた形式のドラムブ
レーキにおいて、前記ブレーキシユーのうちの一
方のブレーキシユーのシユーウエブにそれに重な
る状態で回動可能に設けられ、パーキングブレー
キ操作力が加えられて回動させられることによ
り、前記ストラツトを介して他方のブレーキシユ
ーを外周側へ押し出すとともに、その反力で前記
一方のブレーキシユーを外周側へ押し出す長手板
状のパーキングレバーであつて、そのパーキング
レバーの回動中心側端部において前記シユーウエ
ブ側へ突設され、そのパーキングレバーの非回動
時においては前記シユーリターンスプリングの付
勢力に従つてそのシユーウエブの一端と前記当接
部材との間において挟圧される一方、そのパーキ
ングレバーのパーキングブレーキ操作方向への回
動時にはそのシユーウエブの一端と当接しつつ前
記一方のブレーキシユーを外周側へ押し出す突出
部を、有することを特徴とする。

作用および考案の効果 このように構成されたドラムブレーキ用パーキ
ングレバーによれば、そのパーキングレバーのパ
ーキングブレーキ操作方向への非回動時、すなわ
ちパーキングブレーキの非制動時においては、パ
ーキングレバーの回動中心側端部に突設された突
出部がシユーリターンスプリングの付勢力に従つ
てシユーウエブの一端と当接部材との間において
挟圧されるので、非制動時におけるパーキングレ
バーのがたつきを好適に抑制し得て、車両走行中
の振動に伴つてパーキングレバーのがたつき音が
発生するのを効果的に防止し得る。また、パーキ
ングレバーのパーキングブレーキ操作方向への回
動時には、シユーウエブの一端に圧接されている
前記突出部を介して前記一方のブレーキシユーが
外周側へ押し出されるので、パーキングレバーの
回動方向におけるがたつきを好適に抑制し得るこ
とから、パーキングレバーのがたつきに起因して
パーキングブレーキ操作ストロークが不要に大き
くなるのを防止し得る。

実施例 以下、本考案の一実施例を示す図面に基づいて
詳細に説明する。

第１図は、デユオサーボ型ドラムブレーキのパ
ーキングレバーに本考案が適用された場合の一例
を示している。このデユオサーボ型ドラムブレー
キは、たとえばドラムインデイスクブレーキのパ
ーキングブレーキ機構として使用されるものであ
つて、バツキングプレート１０上には、一対のブ
レーキシユー１２，１４がシユーホルドダウン装
置１６，１８により互いに拡開可能に支持されて
いる。ブレーキシユー１２，１４は、円弧状かつ
板状のシユーリム２０，２２と、それらシユーリ
ム２０，２２の内周面に突設されてバツキングプ
レート１０と略平行に位置する円弧状かつ板状の
シユーウエブ２４，２６とを有してそれぞれ構成
されており、シユーウエブ２４，２６の相対向す
る一端部は、一対のシユーリターンスプリング２
８，３０の付勢力に従つて、バツキングプレート
１０上に固定されたアンカピン３２の側面にそれ
ぞれ突き当てられるようになつている一方、シユ
ーウエブ２４，２６の他端部は、図示しないスプ
リングにより互いに接近する方向へ付勢された状
態で、軸心方向長さが可変とされたアジヤスタ３
４の両端部とそれぞれ係合させられている。本実
施例においては、上記アンカピン３２が当接部材
を構成している。

一方のブレーキシユー１２のシユーウエブ２４
のバツキングプレート１０側の面には、長手板状
を成し、一端部にパーキングケーブル３５が接続
されたパーキングレバー３６が配設されており、
このパーキングレバー３６の長手方向中間部とブ
レーキシユー１４のシユーウエブ２６との間には
ストラツト３８が架け渡されている。パーキング
レバー３６はブレーキシユー１２のシユーウエブ
２４と共にストラツト３８の端部に形成された切
欠（図示せず）内に嵌め入れられており、これに
より、パーキングレバー３６とシユーウエブ２４
とが略密着する状態に維持されている。

ここで、本実施例においては、上記パーキング
レバー３６の他端部（アンカピン３２側の端部）
には、第１図および第２図に示すように、その他
端部をシユーウエブ２４側へ曲成することにより
円弧状を成す突出部４０が一体に設けられている
一方、シユーウエブ２４の一端には円弧状の当接
面４２が形成されている。突出部４０の内周面の
曲率半径はアンカピン３２の外周面の曲率半径と
同一とされ且つ突出部４０の外周面および当接面
４２の両曲率半径は互いに同一とされている。そ
して、第１図に示す非制動状態においては、突出
部４０はシユーリターンスプリング２８の付勢力
に従つてシユーウエブ２４の当接面４２とアンカ
ピン３２の外周面との間において周方向に全長に
亘つて挟圧されているとともに、突出部４０の円
弧状外周面とシユーウエブ２４の円弧状の当接面
４２との係合に基づいて、ブレーキシユー１２と
パーキングレバー３６との相対回動中心が仮想の
一点に維持されるようになつている。

次に、以上のように構成されたデユオサーボ型
ドラムブレーキの作動を説明する。

パーキングケーブル３５が引き込まれてパーキ
ングレバー３６が上記仮想の回動中心回りにおい
て第１図中左回りにブレーキシユー１２に対して
回動させられると、パーキングレバー３６により
ストラツト３８が第１図中右方向へ押動されるこ
とによりブレーキシユー１４が外周側へ押し出さ
れるとともに、その反力でパーキングレバー３６
の突出部４０によりブレーキシユー１２が外周側
へ押し出され、これにより、ブレーキシユー１
２，１４が図示しない回転ドラムの内周面に押し
付けられて制動が行われる。なお、パーキングレ
バー３６は、ストラツト３８の第１図中左側の端
部と当接する長手方向中間部を支点として第１図
中左回りに回動させられるという見方をすること
もでき、この回動に伴つて突出部４０によりブレ
ーキシユー１２が外周側へ押し出されると言うこ
ともできる。また、ブレーキシユー１２，１４に
生じた制動トルクは回転ドラムの回転方向に応じ
てブレーキシユー１２，１４の何れか一方を介し
てアンカピン３２にて受け止められることとな
る。

このように本実施例によれば、非制動時におい
てはパーキングレバー３６の回動中心側端部に突
設された突出部４０がシユーリターンスプリング
２８の付勢力に従つてシユーウエブ２４の一端と
アンカピン３２との間において挟圧されるので、
非制動時におけるパーキングレバー３６のがたつ
きが好適に抑制され、これにより、車両走行中の
振動に伴つてパーキングレバー３６のがたつき音
が発生することが効果的に防止される一方、パー
キングレバー３６をパーキングブレーキ操作方向
へ回動させる際には、シユーウエブ２４の一端に
圧接されている突出部４０を介してブレーキシユ
ー１２が外周側へ押し出されるので、パーキング
レバー３６の回動方向におけるがたつきを好適に
抑制することができることから、パーキングレバ
ー３６のがたつきに起因してそのパーキングレバ
ー３６の回動量およびパーキングブレーキ操作ス
トロークが不要に大きくなることが防止される。

また、本実施例によれば、円弧状の突出部４０
の外周面とシユーウエブ２４の円弧状の当接面４
２との係合に基づいてブレーキシユー１２とパー
キングレバー３６との相対回動中心が維持される
とともに、パーキングレバー３６およびシユーウ
エブ２４をストラツト３８の切欠内に共に嵌め入
れることによりパーキングレバー３６がシユーウ
エブ２４に略密着する状態に維持される一方、パ
ーキングレバー３６に一体に設けられた突出部４
０を介してブレーキシユー１２が外周側へ押し出
されるように構成されているため、パーキングレ
バー３６をシユーウエブ２４に取り付けるための
ピン等が不要となつて、従来に比べて部品点数が
削減されるとともにそれに伴つて組付作業工数が
低減されて、ドラムブレーキのコストダウンを図
ることができる利点がある。

以上、本考案の一実施例について説明したが、
本考案はその他の態様においても実施し得る。

たとえば、前述の実施例における突出部４０の
先端に、第３図に示すように、パーキングレバー
３６がシユーウエブ２４から外れるのを防止する
外れ防止部４４を設けてもよい。

また、前述の実施例では、円弧状を成す突出部
４０がパーキングレバー３６に一体に設けられて
いるが、必ずしもその必要はなく、たとえば円柱
状の部材から成る突出部をパーキングレバーに突
設し、その突出部をシユーウエブの一端と所定形
状の当接部材との間において挟圧するようにして
もよい。

また、第４図はリーデイングトレーリング型ド
ラムブレーキのパーキングレバーに本考案が適用
された場合の一例を示している。なお、図におい
て前述の実施例と同様の部分には同一の符号を付
して詳細な説明は省略する。バツキングプレート
１０上には、ブレーキシユー１２，１４の相対向
する一端部間において、一対のピストン４６（一
方のみ図示）を有するホイールシリンダ５０が固
定されているとともに、ブレーキシユー１２，１
４の他端部間においてアンカ５２が固定されてい
る。パーキングレバー３６のホイールシリンダ５
０側の端部には、第４図および第５図に示すよう
に、シユーウエブ２４側へ突き出し且つその先端
からパーキングレバー３６の板面と略平行にホイ
ールシリンダ５０側へ延びる突出部５４が一体に
設けられており、この突出部５４がリターンスプ
リング５６の付勢力に従つてシユーウエブ２４の
一端とピストン４６との間において挟圧されるよ
うになつている。したがつて、本実施例において
は、ピストン４６が当接部材に相当する。なお、
この実施例においては、ストラツト３８の左端部
とパーキングレバー３６およびシユーウエブ２４
とのパーキングレバー３６長手方向両方向におけ
る係合に基づいて、パーキングレバー３６のブレ
ーキシユー１２に対する長手方向のずれが防止さ
れるようになつている。この実施例においても、
前述の実施例と略同様の効果が得られる。

その他、一々列挙はしないが、本考案はその趣
旨を逸脱しない範囲において種々変更を施した態
様で実施し得ることは勿論である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案が適用されたパーキングレバー
を備えたデユオサーボ型ドラムブレーキの要部を
示す正面図である。第２図は第１図における−
視断面図であつて、要部を示す図である。第３
図は本考案の他の例を示す図であつて、第２図に
対応する図である。第４図は本考案の更に他の例
を示す図であつて、第１図に相当する図である。
第５図は第４図における−視断面図であつ
て、要部を示す図である。 １０……バツキングプレート、１２，１４……
ブレーキシユー、２４，２６……シユーウエブ、
２８，３０……シユーリターンスプリング、３２
……アンカピン（当接部材）、３６……パーキン
グレバー、３８……ストラツト、４０，５４……
突出部、４６……ピストン（当接部材）、５６…
…シユーリターンスプリング。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 円弧状かつ板状を成すシユーウエブをそれぞれ
   有し、バツキングプレート上において互いに拡開
   可能に設けられた一対のブレーキシユーと、該バ
   ツキングプレート上に設けられ、該ブレーキシユ
   ーのシユーウエブの一端がシユーリターンスプリ
   ングの付勢力に従つてそれぞれ突き当てられる当
   接部材と、該ブレーキシユーのシユーウエブ間に
   架け渡されたストラツトとを備えた形式のドラム
   ブレーキにおいて、前記ブレーキシユーのうちの
   一方のブレーキシユーのシユーウエブにそれに重
   なる状態で回動可能に設けられ、パーキングブレ
   ーキ操作力が加えられて回動させられることによ
   り、前記ストラツトを介して他方のブレーキシユ
   ーを外周側へ押し出すとともに、その反力で前記
   一方のブレーキシユーを外周側へ押し出す長手板
   状のパーキングレバーであつて、 該パーキングレバーの回動中心側端部において
   前記シユーウエブ側へ突設され、該パーキングレ
   バーのパーキングブレーキ操作方向への非回動時
   においては前記シユーリターンスプリングの付勢
   力に従つて該シユーウエブの一端と前記当接部材
   との間において挟圧される一方、該パーキングレ
   バーのパーキングブレーキ操作方向への回動時に
   は該シユーウエブの一端と当接しつつ前記一方の
   ブレーキシユーを外周側へ押し出す突出部を、有
   することを特徴とするドラムブレーキ用パーキン
   グレバー。